JP4967706B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Description
図1は本願ハイブリッド車両のシステム図である。本願ハイブリッド車両は、エンジンE、モータジェネレータMG、第1、第2クラッチCL1,CL2、自動変速機AT、左後輪RL(駆動輪)、右後輪RR(駆動輪)を有する。なお、FLは左前輪、FRは右前輪である。
本願ハイブリッド車両は第1クラッチCL1の締結・開放状態に応じてEVモード(モータジェネレータMGの駆動力のみで走行)、およびHEVモード(モータジェネレータMGおよびエンジンEの駆動力を併用)の2走行モードを有する。
第1クラッチCL1が開放状態にある場合、エンジンEの駆動力は自動変速機ATには伝達されず、車両はモータジェネレータMGの動力のみを動力源として走行するEVモードとなる。
第1クラッチCL1が締結状態にある場合、エンジンEの駆動力はモータジェネレータMGおよび第2クラッチCL2を介して自動変速機ATに伝達され、モータジェネレータMGに加えてエンジンEの駆動力を併用するHEVモードとなる。
駆動力T(MG)がゼロであればエンジンEの駆動力によってのみ走行するエンジン走行モードとなる。
モータジェネレータMGから自動変速機ATに入力される駆動力T(MG)が正の値であれば、モータジェネレータMGとエンジンEの駆動力を併用して走行するモータアシスト走行モードとなる。
モータジェネレータMGから自動変速機ATに入力される駆動力T(MG)が負の値、すなわちモータジェネレータMGがトルクを発生せずエンジンEまたは車両イナーシャによって回され、外部のトルクを消費している場合、モータジェネレータMGは発電機として機能する。これによりバッテリ4を充電する。
車両が加速状態または定速走行状態にあればモータジェネレータMGはエンジンEによって回され、車両が減速状態にあればモータジェネレータMGは車両イナーシャによって回され、発電を行う。
本願ハイブリッド車両はエンジンコントローラ1、モータコントローラ2、パワーコントロールユニット3、バッテリ4、ATコントローラ7、統合コントローラ10を有し、それぞれ情報交換可能なCAN通信線11を介して接続されている。
図2は自動変速機ATのスケルトン図である。自動変速機ATはATコントローラ7によって制御され、回転要素としてフロント、ミッド、リアのプラネタリーギアG1,G2,G3を有する。各プラネタリーギアG1,G2、G3はそれぞれ回転要素としてサンギアS1,S2,S3、キャリアPC1,PC2,PC3、リングギアR1,R2,R3を有する。
[メインフロー]
図3はイナーシャフェーズにおける変速機入力軸トルクゼロ制御のメインフローである。以下、各ステップにつき説明する。
目標回転数をダウンシフトの同期回転数に設定することにより、ダウンシフト終了時における同期がスムーズに行われる。よって、目標変速段のクラッチ締結を高レスポンスで締結し、変速応答を早めるものである。
エンジントルクが自動変速機ATに伝達して変速ショックが生じることを回避するため、モータジェネレータMGにより逆回転方向の負トルクを発生させ、エンジントルクを相殺して自動変速機ATへの伝達トルクをゼロとする。よって、急激なトルク増大要求があった場合でも、変速機入力軸回転数を上昇させて同期を確保しつつトルク増大応答遅れを回避する。
自動変速機ATの入力軸回転数とエンジン回転数が同期してから目標変速段を締結することで、駆動輪に対しエンジン始動トルクが急激に伝達することを回避するとともに、ダウンシフト時のショックを低減する。
図4はMG負トルク発生による変速機入力軸トルクゼロ制御処理の流れを示すフローチャートである。
エンジントルクをモータジェネレータMGの発生可能な負トルクに制限することで、エンジントルクを相殺して自動変速機ATへの伝達トルクをゼロとする。また、モータジェネレータMGの発生可能最大負トルクTMG*に設定することで、エンジンEの正回転方向の出力トルクを必要以上に減少させずともエンジントルクを相殺可能となり、急な駆動力増加要求があった場合であっても応答遅れを最小限に抑え、要求駆動力を速やかに実現するものである。
スロットル開度によってエンジントルクを規制すると、燃料混合気の流入遅れ(空気応答遅れ)のためトルク規制応答が遅れる場合がある。
したがってエンジンEの出力トルク(=|TMG*|)がリタード制御を行っても不具合の発生しない程度可能であれば、エンジンEの点火タイミングを制御し、エンジン回転数を落としてトルク制御を行うリタード制御を実行し、エンジントルク制限応答の遅れを回避する。
図7は変速機入力軸トルクゼロ制御のタイムチャートである。
(時刻t0)
時刻t0において車両はEVモードで走行中であり、エンジンEは停止している。また、現在の変速段は締結、ダウンシフトの目標変速段は解放されている。モータジェネレータMGはトルク制御状態にある。
時刻t1においてアクセル開度が所定値を越え、EVモードからエンジンEとモータジェネレータMGとを共用するハイブリッドモードへ遷移する。また、アクセル開度上昇に合わせて自動変速機ATの出力トルクが上昇する。この時点でまだダウンシフトは行われておらず、現在の変速段は締結されたままである。
時刻t2において駆動力確保のためダウンシフト指令(変速指示)が出力され、現在の変速段が解放される。このため変速機出力トルクはゼロとなり、駆動輪に対しエンジン始動トルクが急激に伝達することを回避する。
時刻t3において始動クラッチ締結指令が出力され、モータジェネレータMGは目標回転数に基づくフィードバック制御となる。第2クラッチCL2の締結によりモータジェネレータMGと駆動輪が接続されてモータジェネレータMGの回転数が低下する。また、第2クラッチCL2は、応答遅れ分遅れて実際に締結する。
時刻t4においてエンジンEが始動される。ダウンシフトとエンジンEの始動を同時に行うことで、駆動力の応答性向上とエンジン始動のレスポンス向上を両立させる。
時刻t5においてエンジンEが始動し、変速機入力軸トルクゼロ制御が実行される。エンジントルク=|TMG*|、モータジェネレータトルク=TMG*(<0)とすることで、エンジントルクを相殺して自動変速機ATへの伝達トルクをゼロとする。
その際、エンジントルクをモータジェネレータMGの発生可能最大負トルクTMG*に設定することで、エンジントルクを必要以上に減少させずともエンジントルクを相殺可能となり、駆動力増加要求に対する応答遅れを最小限に抑える。
また、リタード制御を行っても不具合の発生しない程度可能であれば、エンジンEの点火タイミングを制御し、エンジン回転数を落としてトルク制御を行うリタード制御を実行し、エンジントルク制限応答の遅れを回避する。図7ではリタード制御を行う場合を示す。
時刻t6において自動変速機ATの入力軸回転数とエンジン回転数が同期し、目標変速段が締結される。これによりダウンシフト時のショックが低減される。
時刻t7においてモータジェネレータMGはトルク制御に戻る。
時刻t8において自動変速機ATの出力トルクが一定となる。
(1)エンジンEと、モータジェネレータMGと、エンジンEおよびモータジェネレータMGと駆動輪との間に設けられた自動変速機ATとを備えるハイブリッド車両の制御装置において、ダウンシフト時に、自動変速機ATの入力軸回転数が変速完了後の同期回転数(目標入力軸回転数Nin*)まで上昇するように自動変速機ATの入力軸トルクを制御する入力トルク制御手段(ステップS107)を設け、入力トルク制御手段は、ダウンシフト時にエンジントルクを制御するエンジントルク制御手段(ステップS204、S207)と、ダウンシフト時にモータジェネレータトルクを発生させて自動変速機ATの入力軸トルクを略ゼロに維持するモータトルク制御手段(ステップS205)とを有することとした。
CL1 始動クラッチ
MG モータジェネレータ
CL2 第2クラッチ
AT 自動変速機
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 パワーコントロールユニット
4 バッテリ
6 始動クラッチ油圧ユニット
7 ATコントローラ
8 第2クラッチ油圧ユニット
10 統合コントローラ
Claims (3)
- エンジンと、モータジェネレータと、前記エンジンおよび前記モータジェネレータと駆動輪との間に設けられた変速機とを備えるハイブリッド車両の制御装置において、
ダウンシフト時に、前記変速機の入力軸回転数が変速完了後の同期回転数まで上昇するように前記変速機の入力軸トルクを制御する入力トルク制御手段を設け、
前記入力トルク制御手段は、
前記エンジンの回転方向のトルクを正トルク、逆方向のトルクを負トルクとしたとき、前記変速完了後の同期回転数にて前記モータジェネレータが出力可能な最大負トルクを算出する最大負トルク算出手段と、
前記ダウンシフト時に、前記エンジンのアクセル開度相当トルクが前記最大負トルクの絶対値を上回るときは前記エンジンのトルクを前記最大負トルクの絶対値に制御するエンジントルク制御手段と、
前記ダウンシフト時に前記モータジェネレータのトルクを発生させて前記変速機の入力軸トルクを略ゼロに維持するモータトルク制御手段と、
を有することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - エンジンと、モータジェネレータと、前記エンジンおよび前記モータジェネレータと駆動輪との間に設けられた変速機とを備えるハイブリッド車両の制御装置において、
ダウンシフト時に、前記変速機の入力軸回転数が変速完了後の同期回転数まで上昇するように前記変速機の入力軸トルクを制御する入力トルク制御手段を設け、
前記入力トルク制御手段は、
前記エンジンの回転方向のトルクを正トルク、逆方向のトルクを負トルクとしたとき、前記変速完了後の同期回転数にて前記モータジェネレータが出力可能な最大負トルクを算出する最大負トルク算出手段と、
前記ダウンシフト時に、前記エンジンのアクセル開度相当トルクが前記最大負トルクの絶対値以下であるときは前記エンジンのトルクを前記アクセル開度相当トルクに制御するエンジントルク制御手段と、
前記ダウンシフト時に前記モータジェネレータのトルクを発生させて前記変速機の入力軸トルクを略ゼロに維持するモータトルク制御手段と、
を有することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - エンジンと、モータジェネレータと、前記エンジンおよび前記モータジェネレータと駆動輪との間に設けられた変速機とを備えるハイブリッド車両の制御装置において、
ダウンシフト時に、前記変速機の入力軸回転数が変速完了後の同期回転数まで上昇するように前記変速機の入力軸トルクを制御する入力トルク制御手段を設け、
前記入力トルク制御手段は、
前記エンジンの回転方向のトルクを正トルク、逆方向のトルクを負トルクとしたとき、前記変速完了後の同期回転数にて前記モータジェネレータが出力可能な最大負トルクを算出する最大負トルク算出手段と、
前記ダウンシフト時に、前記エンジンのアクセル開度相当トルクが前記最大負トルクの絶対値を上回るときは前記エンジンのトルクを前記最大負トルクの絶対値に制御し、前記エンジンのアクセル開度相当トルクが前記最大負トルクの絶対値以下であるときは前記エンジンのトルクを前記アクセル開度相当トルクに制御するエンジントルク制御手段と、
前記ダウンシフト時に前記モータジェネレータのトルクを発生させて前記変速機の入力軸トルクを略ゼロに維持するモータトルク制御手段と、
を有することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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JP2007044812A Active JP4967706B2 (ja) | 2007-02-26 | 2007-02-26 | ハイブリッド車両の制御装置 |
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