JP4973119B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータと駆動輪との間に締結要素を備えた車両の制御装置に関する。
ハイブリッド車両として特許文献1の技術が開示されている。この公報には、エンジンと有段式の自動変速機との間にモータジェネレータを備えた構成が開示されている。ハイブリッド車両では、例えば、ブレーキを操作して減速をしているときに、摩擦ブレーキによる制動力を小さくした分だけモータジェネレータにより回生トルクを発生させ、所望の減速度を実現しつつ運動エネルギを電気エネルギとして回収する協調回生制御を実行し、燃費の向上を図ることがある。しかしながら、制動時に自動変速機が締結要素の掛け換え等によって変速を行うと、伝達トルク容量が減少し、モータジェネレータのコースト回生トルクを伝達できなくなるため、目標とする減速度が実現できなくなることに鑑み、特許文献1では、変速中は協調回生制御による回生を禁止し、摩擦ブレーキのみに切り換えることで、制動力を確保している。
特開2005−280616号公報
しかしながら、変速中の回生を禁止すると、回生量を十分に確保することができず、燃費の悪化を招くおそれがある。また、協調回生制御から摩擦ブレーキのみの制動に切り換えるため、ショックが発生するおそれがある。また、変速するには、協調回生制御を終了して摩擦ブレーキに掛け換えた後に実行する必要があり、変速時間が長くなるという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、変速時であっても回生量を確保可能な車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、モータジェネレータと、前記モータジェネレータと駆動輪との間に介装され締結要素の締結解放により複数の変速段を達成する自動変速機と、摩擦力により制動力を発生する摩擦ブレーキと、制動要求時に、前記モータジェネレータの回生トルクと前記摩擦ブレーキの制動力を協調制御する協調回生制御手段と、前記協調制御を実行時に前記自動変速機の変速要求があるときは、前記回生トルクを前記自動変速機の伝達可能トルク以下に制限する回生トルク制限手段と、を備え、前記回生トルク制限手段は、前記自動変速機の変速状態がイナーシャフェーズのときは、前記伝達可能トルクよりも更に小さな値に制限すると共に、前記回生トルクの変化速度が前記摩擦ブレーキの作動応答速度最大値より低くなるように制限することを特徴とする。

よって、本発明の車両の制御装置にあっては、協調回生制御時に自動変速機が変速するときであっても回生エネルギを確保することが可能となり、燃費の向上を図ることができる。また、協調回生制御を終了する必要がないため、変速時間の短縮を図ることができる。
以下、本発明の車両のエンジン始動制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
まず、ハイブリッド車両の駆動系構成を説明する。図1は実施例1のエンジン始動制御装置が適用された後輪駆動によるハイブリッド車両を示す全体システム図である。実施例1におけるハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、フライホイールFWと、第1クラッチCL1と、モータジェネレータMGと、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪RL(駆動輪)と、右後輪RR(駆動輪)と、を有する。なお、FLは左前輪、FRは右前輪である。
エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度等が制御される。なお、エンジン出力軸にはフライホイールFWが設けられている。
第1クラッチCL1は、エンジンEとモータジェネレータMGとの間に介装されたクラッチであり、後述する第1クラッチコントローラ5からの制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された制御油圧により、スリップ締結とスリップ開放を含み締結・開放が制御される。
モータジェネレータMGは、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータであり、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流を印加することにより制御される。このモータジェネレータMGは、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし(以下、この状態を「力行」と呼ぶ)、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ4を充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ)。なお、このモータジェネレータMGのロータは、図外のダンパーを介して自動変速機ATの入力軸に連結されている。
第2クラッチCL2は、モータジェネレータMGと左右後輪RL,RRとの間に介装されたクラッチであり、後述するATコントローラ7からの制御指令に基づいて、第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、スリップ締結とスリップ開放を含み締結・開放が制御される。
自動変速機ATは、前進5速後退1速等の有段階の変速比を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える変速機であり、第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、いくつかの摩擦締結要素を流用している。尚、詳細については後述する。
そして、自動変速機ATの出力軸は、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左右後輪RL,RRに連結されている。尚、前記第1クラッチCL1と第2クラッチCL2には、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチを用いている。
このハイブリッド駆動系には、第1クラッチCL1の締結・開放状態に応じて3つの走行モードを有する。第1走行モードは、第1クラッチCL1の開放状態で、モータジェネレータMGの動力のみを動力源として走行するモータ使用走行モードとしての電気自動車走行モード(以下、「EV走行モード」と略称する。)である。第2走行モードは、第1クラッチCL1の締結状態で、エンジンEを動力源に含みながら走行するエンジン使用走行モード(以下、「HEV走行モード」と略称する。)である。第3走行モードは、第1クラッチCL1の締結状態で第2クラッチCL2をスリップ制御させ、エンジンEを動力源に含みながら走行するエンジン使用スリップ走行モード(以下、「WSC(Wet Start Clutch)走行モード」と略称する。)である。
上記「HEV走行モード」には、「エンジン走行モード」と「モータアシスト走行モード」と「走行発電モード」との3つの走行モードを有する。
「エンジン走行モード」は、エンジンEのみを動力源として駆動輪を動かす。「モータアシスト走行モード」は、エンジンEとモータジェネレータMGの2つを動力源として駆動輪を動かす。「走行発電モード」は、エンジンEを動力源として駆動輪RR,RLを動かすと同時に、モータジェネレータMGを発電機として機能させる。
定速運転時や加速運転時には、エンジンEの動力を利用してモータジェネレータMGを発電機として動作させる。また、減速運転時は、制動エネルギーを回生してモータジェネレータMGにより発電し、バッテリ4の充電のために使用する。
また、更なるモードとして、車両停止時には、エンジンEの動力を利用してモータジェネレータMGを発電機として動作させる発電モードを有する。
次に、ハイブリッド車両の制御系を説明する。実施例1におけるハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10と、を有して構成されている。なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、互いに情報交換が可能なCAN通信線11を介して接続されている。
エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数情報を入力し、統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。なお、エンジン回転数Neの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
モータコントローラ2は、モータジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報を入力し、統合コントローラ10からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、モータジェネレータMGのモータ動作点(Nm,Tm)を制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2では、バッテリ4の充電状態を表すバッテリSOCを監視していて、バッテリSOC情報は、モータジェネレータMGの制御情報に用いると共に、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
第1クラッチコントローラ5は、第1クラッチ油圧センサ14と第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報を入力し、統合コントローラ10からの第1クラッチ制御指令に応じ、第1クラッチCL1の締結・開放を制御する指令を第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。なお、第1クラッチストロークC1Sの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16と車速センサ17と第2クラッチ油圧センサ18と運転者の操作するシフトレバーの位置に応じた信号を出力するインヒビタスイッチ7aからのセンサ情報を入力し、統合コントローラ10からの第2クラッチ制御指令に応じ、第2クラッチCL2の締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブ内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する。なお、アクセルペダル開度APOと車速VSPとインヒビタスイッチ7aの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
ブレーキコントローラ9は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ19とブレーキストロークセンサ20からのセンサ情報を入力し、例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークBSから求められる要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ制動力:以下、ブレーキ摩擦制動力と記載する)で補うように、統合コントローラ10からの回生協調制御指令に基づいて回生協調ブレーキ制御を行う。
また、ブレーキ摩擦制動力を発生させるブレーキアクチュエータとして、実施例1の場合、液圧ユニットを採用している。具体的には、高圧を封入可能なアキュムレータと、アキュムレータに高圧を供給可能な電動ポンプと、各輪のホイルシリンダとアキュムレータとの連通状態を制御する増圧弁と、各輪のホイルシリンダとリザーバとの連通状態を制御する減圧弁等を備え、各輪のホイルシリンダに制動力配分に応じて増減圧弁を制御することでブレーキ液圧を制御する。尚、電動ポンプによって直接ホイルシリンダを増圧してもよいし、電動モータによってブレーキパッドの位置(押圧力)を制御し、制動力を発生する電気ブレーキを採用してもよく、特に限定しない。
統合コントローラ10は、車両全体の消費エネルギを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うもので、モータ回転数Nmを検出するモータ回転数センサ21と、第2クラッチ出力回転数N2outを検出する第2クラッチ出力回転数センサ22と、第2クラッチトルクTCL2を検出する第2クラッチトルクセンサ23と、ブレーキ油圧センサ24と、第2クラッチCL2の温度を検知する温度センサ10aと、からの情報およびCAN通信線11を介して得られた情報を入力する。
実施例1の構成では、後述するように第2クラッチCL2が自動変速機ATの変速段によって2種類存在する(フォワードブレーキB4とハイ&ローリバースクラッチC2)ため、温度センサ10aは、それぞれの油温を検知可能なように複数設けられている。尚、温度センサ10aは、例えば第2クラッチCL2のスリップ量と第2クラッチCL2の締結容量から発熱量を推定演算する構成としてもよく、特に限定しない。
また、統合コントローラ10は、エンジンコントローラ1への制御指令によるエンジンEの動作制御と、モータコントローラ2への制御指令によるモータジェネレータMGの動作制御と、第1クラッチコントローラ5への制御指令による第1クラッチCL1の締結・開放制御と、ATコントローラ7への制御指令による第2クラッチCL2の締結・開放制御と、を行う。
以下に、図2に示すブロック図を用いて、実施例1の統合コントローラ10にて演算される制御を説明する。例えば、この演算は、制御周期10msec毎に統合コントローラ10で演算される。統合コントローラ10は、目標駆動力演算部100と、モード選択部200と、目標充放電演算部300と、動作点指令部400と、変速制御部500と、を有する。
目標駆動力演算部100では、図3に示す目標駆動力マップを用いて、アクセルペダル開度APOと車速VSPとから、目標駆動力tFoOを演算する。
モード選択部200では、図4に示すEV-HEV選択マップを用いて、アクセルペダル開度APOと車速VSPとから、目標モードを演算する。但し、バッテリSOCが所定値以下であれば、強制的に「HEV走行モード」を目標モードとする。また、EV-HEV選択マップには、低車速領域においてアクセルペダル開度APOが大きいときに、大きな駆動力を出力するために、WSCモードが設定されている。
HEV→WSC切換線もしくはEV→WSC切換線は、自動変速機ATが1速段のときに、エンジンEのアイドル回転数よりも小さな回転数となる車速VSP1よりも低い領域に設定されている。図4中斜線領域がHEV走行モードからWSC走行モードに切り換えられる領域であり、図4中網掛け領域がWSC走行モードからEV走行モードに切り換えられる領域となる。
また、HEV走行モードからEV走行モードへ切り換えるHEV→EV切換線は、自動変速機ATが1速段のときに、エンジンEのアイドル回転数よりも小さな回転数となる車速VSP1よりも低くなったときにのみモード切り換えを許可するように設定されている。言い換えると、EV走行モードの時は極力EV走行モードを維持するように制御され、一旦HEV走行モードに切り換えられたときは、極力HEV走行モードを維持するように制御される。
目標充放電演算部300では、図5に示す目標充放電量マップを用いて、バッテリSOCから目標充放電電力tPを演算する。
動作点指令部400では、アクセルペダル開度APOと、目標駆動力tFoOと、目標モードと、車速VSPと、目標充放電電力tPとから、これらの動作点到達目標として、過渡的な目標エンジントルクと目標モータジェネレータトルクと目標第2クラッチ締結容量と目標自動変速シフトと第1クラッチソレノイド電流指令を演算する。また、動作点指令部400には、EV走行モードからHEV走行モードに遷移するときにエンジンEを始動するエンジン始動制御部が設けられている。
変速制御部500では、図6の変速マップに示すシフトスケジュールに沿って、目標第2クラッチ締結容量と目標変速段を達成するように自動変速機AT内のソレノイドバルブを駆動制御する。尚、図6に示す変速マップは、車速VSPとアクセルペダル開度APOに基づいて予め目標変速段が設定されたものであり、図6中実線がアップシフト線、点線がダウンシフト線を示す。
[自動変速機の構成について]
図7はハイブリッド車両の駆動系に採用された自動変速機ATのパワートレーンを示すスケルトン図、図8はハイブリッド車両の駆動系に採用された自動変速機ATによるクラッチ・ブレーキの締結作動表を示す図である。
自動変速機ATは、図7に示すように、回転要素としてフロントサンギアS1とフロントキャリアPC1とフロントリングギアR1とを有するフロントプラネタリーギアG1と、回転要素としてミッドサンギアS2とミッドキャリアPC2とミッドリングギアR2とを有するミッドプラネタリーギアG2と、回転要素としてリアサンギアS3とリアキャリアPC3とリアリングギアR3とを有するリアプラネタリーギアG3と、による3組の単純遊星歯車を備えている。
なお、図7中のINはモータジェネレータMGのみ、または、エンジンE及びモータジェネレータMGからダンパーを介して回転駆動トルクが入力されるインプットシャフトであり、OUTは自動変速機ATを経過して左右後輪RL,RRに回転駆動トルクを出力するアウトプットシャフトである。
そして、前進5速後退1速の変速段を決める締結要素として、インプットクラッチC1と、ハイ&ローリバースクラッチC2と、ダイレクトクラッチC3と、リバースブレーキB1と、フロントブレーキB2と、ローコーストブレーキB3と、フォワードブレーキB4と、ファーストワンウェイクラッチF1と、サードワンウェイクラッチF2と、フォワードワンウェイクラッチF3と、を備えている。
インプットクラッチC1は、開放時にフロントリングギアR1をインプットシャフトINに接続し、締結時にフロントリングギアR1とミッドリングギアR2とをインプットシャフトINに接続する。ハイ&ローリバースクラッチC2は、締結によりミッドサンギアS2とリアサンギアS3とを接続する。ダイレクトクラッチC3は、締結によりリアサンギアS3とリアキャリアPC3を接続する。
リバースブレーキB1は、締結によりリアキャリアPC3をトランスミッションケースTCに固定する。フロントブレーキB2は、締結によりフロントサンギアS1をトランスミッションケースTCに固定する。ローコーストブレーキB3は、締結によりミッドサンギアS2をトランスミッションケースTCに固定する。フォワードブレーキB4は、締結によりミッドサンギアS2をトランスミッションケースTCに固定する。
ファーストワンウェイクラッチF1は、ミッドサンギアS2に対してリアサンギアS3の正転方向(=エンジンと同一回転方向)の回転をフリー、逆転を固定する。サードワンウェイクラッチF2は、フロントサンギアS1の正転方向をフリー、逆転を固定する。フォワードワンウェイクラッチF3は、ミッドサンギアS2の正転方向をフリー、逆転を固定する。
なお、アウトプットシャフトOUTは、ミッドキャリアPC2に直結されている。フロントキャリアPC1とリアリングギアR3とは第1メンバM1により直結されている。ミッドリングギアR2とリアキャリアPC3とは第2メンバM2により直結されている。
図9は、自動変速機ATの回転要素の関係を表す共線図である。共線図とは、各回転要素の回転数(回転速度)の関係を表すものであり、各回転要素が遊星歯車によって決定されるギヤ比だけ離れた位置に配置されている。フロントサンギヤS1とフロントキャリヤPC1(リアリングギヤR3)とのギヤ比を1としたとき、フロントキャリヤPC1とフロントリングギヤR1(リアキャリヤPC3,ミッドリングギヤR2)とのギヤ比がα、フロントリングギヤR1とミッドキャリヤPC2とのギヤ比がβ、ミッドキャリヤPC2とミッドサンギヤS2(リアサンギヤS3)とのギヤ比がγとされている。
図10は第1速を達成するときの共線図、図11は第2速を達成するときの共線図、図12は第3速を達成するときの共線図、図13は第4速を達成するときの共線図、図14は第5速を達成するときの共線図である。
自動変速機ATは、図8の締結作動表及び図10の共線図に示すように、ハイ&ローリバースクラッチC2とフロントブレーキB2とローコーストブレーキB3とフォワードブレーキB4を締結することで第1速を達成する。
また、図8の締結作動表及び図11の共線図に示すように、ダイレクトクラッチC3とフロントブレーキB2とローコーストブレーキB3とフォワードブレーキB4を締結することで第2速を達成する。
また、図8の締結作動表及び図12の共線図に示すように、ハイ&ローリバースクラッチC2とダイレクトクラッチC3とフロントブレーキB2とフォワードブレーキB4を締結することで第3速を達成する。
また、図8の締結作動表及び図13の共線図に示すように、インプットクラッチC1とハイ&ローリバースクラッチC2とダイレクトクラッチC3とフォワードブレーキB4を締結することで第4速を達成する。
また、図8の締結作動表及び図14の共線図に示すように、インプットクラッチC1とハイ&ローリバースクラッチC2とフロントブレーキB2とフォワードブレーキB4を締結することで第5速を達成する。また、ハイ&ローリバースクラッチC2とリバースブレーキB1とフロントブレーキB2を締結することで後退速を達成する。
実施例1にあっては、第2クラッチCL2として、1速及び2速のときはフォワードブレーキB4が選択され、3速〜5速のときはハイ&ローリバースクラッチC2が選択される。尚、他の締結要素を適宜用いて制御してもよく特に限定しない。
ここで、自動変速機ATの変速制御の基本的なスケジュールについて説明する。実施例1の自動変速機ATは、ワンウェイクラッチが関与するような変速は除いて、基本的には解放側締結要素が解放し、締結側締結要素が締結することで変速する。
実施例1では、協調回生制御時の変速制御を想定しているため、以下、協調回生制御時アップシフトと協調回生制御時ダウンシフトについて説明する。尚、パワーオン時(駆動時)の変速制御は若干異なるが、詳細については省略する。
(協調回生制御時アップシフト)
解放側締結要素では、非変速時には必要な締結容量に加え、安全率を考慮した高めの締結油圧が作用している。このとき、変速指令が出力されると、まず、解放側締結要素の締結容量をスリップしないぎりぎりの締結容量まで徐々に低下させる。
一方、締結側締結要素では、まずピストンストロークのガタ詰めを行うために高い油圧を所定時間作用させた後に再度低い油圧に戻すプリチャージフェーズとなり、その後、徐々に油圧が高くなるように締結容量を増大させて弱インターロック状態にするトルクフェーズとなる。協調回生制御時におけるアップシフトでは、解放側締結要素の締結容量を一気に低下させると、モータジェネレータMGに負トルクが作用しているため、特に締結側の締結容量を高くしなくとも変速自体は進行し、イナーシャフェーズを開始する。その後、解放側締結要素の締結容量が大きく低下するのに併せて、締結側締結要素の締結容量を大きく上昇させて変速を進行させる。
更に、イナーシャフェーズが終了し、目標変速段に相当するギヤ比となると、解放側締結要素は完全解放状態となり、締結側締結要素は締結容量を安全率を考慮した締結容量まで一気に増大させる締結終了フェーズを経て変速が完了する。
(協調回生制御時ダウンシフト時)
協調回生制御時ダウンシフトは、基本的に自動変速機ATへの入力回転数を上昇させればよい。上記アップシフトと同様に解放側締結要素の締結容量を徐々に低下させ、締結側締結要素の締結容量を徐々に上昇させてトルクフェーズとなる。協調回生制御時はモータジェネレータMGに負トルクが作用しているため、この場合は、自動変速機ATの入力回転数が過剰に低下することを防止するのに必要なフェーズとしてトルクフェーズとなる。パワーオン時のトルクフェーズは、自動変速機ATの入力回転数過回転(所謂エンジン空吹き)を確実に防止するのに必要なフェーズである点が異なる。
その後、更に解放側締結要素の締結容量を大きく低下させ、併せて締結側締結容量を大きく上昇させることでイナーシャフェーズを開始する。イナーシャフェーズ終了後は、解放側締結要素は完全解放状態となり、締結側締結要素は締結容量を安全率を考慮した締結容量まで一気に増大させる締結終了フェーズを経て変速が完了する。
尚、本願明細書の油圧と締結容量の関係について説明する。各締結要素の締結力は油圧で制御されており、締結要素に作用する締結油圧はその締結要素が伝達可能な最大の締結力すなわち締結容量と因果関係を持つ。よって、締結要素に作用するトルクが締結容量より小さいときは、作用しているトルク分のみ伝達し、締結要素に作用するトルクが締結容量より大きいときは、締結容量分のトルクのみ伝達する。
図15は実施例1の協調回生制御の制御構成を表すブロック図である。この制御構成は、上述のATコントローラ7と、統合コントローラ10と、ブレーキコントローラ9により構成される。
ATコントローラ7内には、第2クラッチ油圧センサ18もしくは各締結要素への供給油圧信号等に基づいて検出された各クラッチ/ブレーキ油圧信号に基づいて、自動変速機AT内の各締結要素の締結容量を演算する締結容量演算部701が設けられている。尚、全ての締結要素に締結圧を供給する油路上に油圧センサ等を備え、油圧センサ値を読み込む構成としてもよい。
また、締結容量演算部701において演算された締結容量に基づいて自動変速機ATの入力可能トルクを推定演算する変速機入力可能トルク演算部702と、後述する協調回生制御中に変速指令が出力されたときに各締結要素の締結容量変化速度を制限する締結容量変化速度制限処理部703が設けられている。
ここで、変速機入力可能トルク演算部702の推定演算について説明する。自動変速機ATに入力可能なトルク(すなわち、モータジェネレータMGが発生可能な回生トルクに相当)とは、駆動輪に作用させ得るトルクと、現変速段を達成している締結要素の締結容量によって決定される。入力可能なトルクをTin,駆動輪に作用させ得るトルクをTout,現変速段を達成している締結要素の締結容量に対応するトルクをTtと定義する。また、説明のため、図14に示す第5速から第4速へダウンシフトする場合について説明する。
第5速から第4速へダウンシフトする際、フロントブレーキB2の締結容量を解放し、ダイレクトクラッチC3を締結する。よって、現変速段を達成している締結要素の締結容量TtはフロントブレーキB2の締結容量を表す。
第5速を維持している状態では、共線図上の剛体レバーの回転モーメントが0とみなせるため、下記関係式が成り立つ。
(式1)
Tt(1+α)−βTout=0
また、釣り合いの関係から下記関係式が成り立つ。
(式2)
Tin=Tt+Tout
よって、式2に式1を代入してToutを消去すると、
Tin={(1+α+β)/β}Tt
が得られる。
この関係式は、各変速段においてそれぞれギヤ比に応じた値が演算可能である。よって、変速機入力可能トルク演算部702では、締結容量演算部701の演算結果に基づいて変速機入力可能トルクを推定演算する。尚、変速機入力可能トルク演算部702において演算された値から安全率を考慮した所定値を差し引いた値を変速機入力可能トルクとしてもよい。
締結容量変化速度制限処理部703を設けたのは以下の理由による。実施例1のハイブリッド車両では、協調回生制御中に変速指令が出力された際、変速中も回生トルクを発生させる。しかしながら、回生トルクに制限がかかると、その不足分をブレーキ摩擦制動力によって分担する必要がある。このブレーキ摩擦制動力を発生させるブレーキアクチュエータの応答性よりも高い応答で締結容量を変化させると、ブレーキアクチュエータが追従できず、減速度が変動するおそれがある。
そこで、締結容量変化速度をブレーキアクチュエータの応答速度最大値(時定数等)よりも低く(又は同等)制限し、減速度の変動を防止するものである。尚、締結容量変化速度を制限することで、変速機入力可能トルクの変化速度も同時に制限されることは言うまでもない。
ブレーキコントローラ9内には、走行モード(HEVorEV等)や、現在の変速段や、変速指令に基づいて要求制動力を演算する要求制動力演算部901と、後述する回生トルク制限演算部102により演算された回生トルク制限値と、要求制動力演算部901により演算された要求制動力と、後述する回生許可条件判断部103の判断結果に基づいてブレーキ摩擦制動力とモータジェネレータMGの回生トルクとの制動力配分を演算する制動力配分演算部902が設けられている。
ここで、要求制動力とは、運転者のブレーキペダル操作に基づいて車両が達成すべき減速度を算出し、この減速度を達成する制動力を要求制動力としている。車両全体として減速度を達成するには、従動輪や駆動輪に作用する制動力の合計が要求制動力と一致している必要があるため、エンジン作動時(第1クラッチCL1締結時)にはギヤ比に応じたエンジンブレーキ力を考慮し、モータジェネレータMGによる回生制動時にはモータジェネレータMGと駆動輪との間のギヤ比を考慮する。
また、制動力配分とは、実施例1の場合、モータジェネレータMGが後輪に接続されていることから、前輪のブレーキ摩擦制動力と、後輪のブレーキ摩擦制動力と、後輪のモータジェネレータMGによる回生制動力との配分を表す。よって、制動力配分演算部902では、ブレーキ摩擦制動力指令値と、協調回生要求モータジェネレータトルクとを演算する。
基本的には、要求制動力の全てを極力モータジェネレータMGによる回生制動力で達成させるものの、後輪のみでの制動力では、荷重移動等の観点から困難な場合が多く、その場合は、前輪のブレーキ摩擦制動力を付与し、更に不足するときは後輪のブレーキ摩擦制動力を確保することとなる。
統合コントローラ10内には、図2に示す制御ブロックに加えて、変速機入力可能トルクに基づいて回生トルク制限値を演算する回生トルク制限演算部102と、バッテリ4の充電状態SOC、車速VSP及びモータジェネレータ回転数等に基づいて最大回生トルクを演算する最大回生トルク演算部101と、走行モード(HEVorEV等)や、現在の変速段や、変速指令に基づいて回生許可条件を満たしているか否かを判定する回生許可条件判定部103が設けられている。
更に、制動力配分演算部902において演算された協調回生要求モータジェネレータトルクと、図2に示す動作点指令部400において演算された目標モータジェネレータトルクとに基づいて最終的なモータジェネレータトルク指令値を演算するモータジェネレータトルク指令演算部104が設けられている。
最大回生トルク演算部101では、現在の走行状態からモータジェネレータMGが達成しうる最大の回生トルクを算出するものであり、他の演算部からの協調回生要求モータジェネレータトルクが大きい場合であっても、最大回生トルクの方が小さいときは、この最大回生トルクに基づいて制動力配分が行われる。
回生トルク制限演算部102では、変速機入力可能トルクに相当する値を回生トルクに設定する。そして、この回生トルクが前述の最大回生トルクとの間でセレクトローされ、セレクトされた値が回生トルク制限値として設定される。
図16は実施例1の回生トルク制限処理を表すフローチャートである。この制御は統合コントローラ10内の回生トルク制限演算部102にて行われる。
ステップS1では、協調回生制御中か否かを判定し、協調回生制御中のときはステップS2へ進み、それ以外のときは本制御フローを終了する。
ステップS2では、変速要求があるか否かを判定し、変速要求があるときはステップS3へ進み、それ以外のときは本制御フローを終了する。
ステップS3では、ATコントローラ7において変速制御が成される際、解放側もしくは締結側の締結要素の締結容量の変化速度がブレーキアクチュエータの応答性を考慮した所定値未満となるように締結容量変化速度制限処理を実行する。この処理は、協調回生制動時に変速要求が成されたときのみ実行されるものであり、ATコントローラ7において適宜実行される。このように、締結容量変化速度が制限されれば、一義的に変速機入力可能トルクの変化速度も制限されることとなる。尚、実施例1ではATコントローラ7において実行される構成としたが、統合コントローラ10の回生トルク制限演算部102からの指令に基づいて変化速度を制限するようにしてもよい。
ステップS4では、最大回生トルクが変速機入力可能トルクより大きいかどうかを判断し、大きいときはステップS5に進み、それ以外のときはステップS6へ進む(上述のセレクトローに相当)。
ステップS5では、制動力配分演算部902に回生トルク制限値を出力する。
ステップS6では、変速制御がイナーシャフェーズ中かどうかを判断し、イナーシャフェーズのときはステップS7に進み、それ以外のフェーズ(ギヤ比の変化が始まっていない、もしくは終了しているフェーズ)ではステップS7に進み、それ以外のときは本制御フローを終了する。
ステップS7では、回生トルク制限値を0に設定し、要求制動力の100%をブレーキ摩擦制動力により実行する。この制御はイナーシャフェーズの開始時及び終了時に行われる。イナーシャフェーズの開始時及び終了時は締結容量が特に変化しないため、締結容量変化速度に応じて回生トルク制限値変化速度を規定することができない。そこで、イナーシャフェーズ中は締結容量変化速度の制限とは別に、回生トルク制限値変化速度をブレーキアクチュエータの応答速度最大値(時定数等)よりも低く(又は同等)制限し、減速度の変動を防止している。
上記制御処理を図17のタイムチャートに基づいて説明する。図17は、協調回生制動中にダウンシフトを行う際のタイムチャートである。
協調回生制動中の時刻t1において、変速マップに基づいて変速指令が出力されると、プリチャージフェーズを経てトルクフェーズを開始する。解放側締結要素の締結容量は徐々に低下され、締結側締結要素の締結容量は徐々に上昇することでトルクフェーズとなる。
このとき、自動変速機ATの変速機入力可能トルクは解放側締結要素の締結容量の低下に伴って徐々に低下するため、それに応じて回生トルク制限値も低下する。よって、モータジェネレータMGの回生制動力は徐々に低下し、要求制動力を確保するためにブレーキ摩擦制動力が徐々に上昇する(制動力配分が徐々に変更される)。
時刻t2において、トルクフェーズが終了すると、解放側締結要素の締結容量を一気に低下させ、締結側締結要素の締結容量を一気に上昇させることでイナーシャフェーズを開始する。このとき、解放側締結要素の締結容量変化速度が制限され、ブレーキ摩擦制動力を発生するブレーキアクチュエータの応答性よりも変化速度が大きくなることがない。
イナーシャフェーズが開始されると、モータジェネレータMGの回転数は上昇し始める。このとき、モータジェネレータMGに負トルクを作用させると、モータジェネレータMGの回転数上昇が阻害され、変速の進行が遅れるため、イナーシャフェーズでは回生トルク制限値を0として要求制動力の全てをブレーキ摩擦制動力によって確保する。
時刻t3において、イナーシャフェーズが終了すると、締結側締結要素の締結容量を一気に増大させ完全締結状態へ移行する。このとき、締結側締結要素の締結容量変化速度が制限され、ブレーキ摩擦制動力を発生するブレーキアクチュエータの応答性よりも変化速度が大きくなることがない。
締結側締結要素の締結容量の増加に伴って自動変速機ATの変速機入力可能トルクも上昇し、それに応じて回生トルク制限値も上昇する。よって、モータジェネレータMGの回生制動力は徐々に増大し、要求制動力が過剰となることがないようにブレーキ摩擦制動力が徐々に低下する(制動力配分が徐々に変更される)。
ここでも、イナーシャフェーズ開始時と同様に、締結側締結要素の締結容量変化速度が制限され、ブレーキ摩擦制動力を発生するブレーキアクチュエータの応答性よりも変化速度が大きくなることがない。そして、時刻t4において、締結側締結要素の締結容量が完全締結状態となると、変速が終了する。
以上説明したように、実施例1の協調回生制御では、下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(1)協調回生制御を実行時に自動変速機ATの変速要求があるときは、回生トルクを自動変速機ATの伝達可能トルク以下に制限する回生トルク制限演算部102を設けた。よって、協調回生制御時に自動変速機ATが変速するときであっても回生エネルギを確保することが可能となり、燃費の向上を図ることができる。また、協調回生制御を終了する必要がないため、変速時間の短縮を図ることができる。
(2)自動変速機ATの締結要素の締結容量に基づいて変速機入力可能トルクを推定する変速機入力可能トルク演算部702(伝達可能トルク推定手段)を設けた。よって、各変速種類に応じて精度よく変速機入力可能トルクを推定することができる。
(3)締結要素は、変速時に解放される解放側締結要素と、締結される締結側締結要素から構成され、変速機入力可能トルクは、イナーシャフェーズ開始前までは解放側締結要素の締結容量に基づいて変速機入力可能トルクを推定し、イナーシャフェーズ終了後は締結側締結要素の締結容量に基づいて変速機入力可能トルクを推定することとした。
よって、変速中も協調回生制御を継続することで燃費の向上を図ることができる。また、急激にブレーキ摩擦制動力に切り換える必要が無く、減速度の変動等を抑制することができる。
(4)回生トルク制限演算部102は、自動変速機ATの変速状態がイナーシャフェーズのときは、変速機入力可能トルクよりも更に小さな値に制限することとした。尚、この小さな値には0を含むこととした。
協調回生制御時のダウンシフトでは、モータジェネレータMGの回転数を上昇させる必要があるにもかかわらず、モータジェネレータMGに回生トルクである負トルクが作用すると、回転数上昇を阻害し変速時間が長くなる、もしくは変速ショックが発生する。そこで、イナーシャフェーズ中は回生トルクを極力小さく制限することで、変速の間延び感や変速ショックを抑制することができる。
(5)回生トルク制限演算部102は、回生トルクの変化速度が摩擦ブレーキの作動応答速度最大値より低くなるように制限することとした。特に、イナーシャフェーズ開始時や終了時に制限することとした。よって、回生制動力からブレーキ摩擦制動力に切り換えるときに、切り換えショックを抑制することで、安定した減速度を得ることができる。
(6)回生トルク制限演算部102は、締結要素の締結容量変化速度が摩擦ブレーキの作動応答速度最大値より低くなるように制限することとした。回生トルク制限値は締結容量に基づいて設定されるため、締結容量変化速度を制限するとは、回生トルク制限値変化速度を制限することと同義である。よって、締結容量変化速度の制限によって回生トルク制限値の変化速度を制限することが可能となり、回生制動力からブレーキ摩擦制動力に切り換えるときに、切り換えショックを抑制することで、安定した減速度を得ることができる。
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。実施例1では第1クラッチCL1の締結状態について特に言及しなかったが、第1クラッチCL1が締結しているときには、エンジンブレーキ力等を考慮して回生トルクの制限を行えばよい。一方、第1クラッチCL1が完全解放しているときは、より効率よく回生トルクを確保することができる。
実施例1の発進時エンジン始動制御装置が適用された後輪駆動のハイブリッド車両を示す全体システム図である。 実施例1の統合コントローラにおける演算処理プログラムを示す制御ブロック図である。 図2の目標駆動力演算部にて目標駆動力演算に用いられる目標駆動力マップの一例を示す図である。 図2のモード選択部にて目標モードの選択に用いられるEV-HEV選択マップを示す図である。 図2の目標充放電演算部にて目標充放電電力の演算に用いられる目標充放電量マップの一例を示す図である。 実施例1の自動変速機の変速マップである。 実施例1の自動変速機のスケルトン図である。 実施例1の自動変速機の締結作動表である。 実施例1の自動変速機の共線図である。 実施例1の自動変速機の第1速を表す共線図である。 実施例1の自動変速機の第2速を表す共線図である。 実施例1の自動変速機の第3速を表す共線図である。 実施例1の自動変速機の第4速を表す共線図である。 実施例1の自動変速機の第5速を表す共線図である。 実施例1の協調回生制御を表すブロック図である。 実施例1の協調回生制御を表すフローチャートである。 実施例1の協調回生制御を表すタイムチャートである。
符号の説明
E エンジン
FW フライホイール
CL1 第1クラッチ
MG モータジェネレータ
CL2 第2クラッチ
AT 自動変速機
PS プロペラシャフト
DF ディファレンシャル
DSL 左ドライブシャフト
DSR 右ドライブシャフト
RL 左後輪(駆動輪)
RR 右後輪(駆動輪)
FL 左前輪
FR 右前輪
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 第1クラッチコントローラ
6 第1クラッチ油圧ユニット
7 ATコントローラ
8 第2クラッチ油圧ユニット
9 ブレーキコントローラ
10 統合コントローラ
24 ブレーキ油圧センサ
100 目標駆動力演算部
200 モード選択部
300 目標充放電演算部
400 動作点指令部
500 変速制御部
701 締結容量演算部
702 変速機入力可能トルク演算部(伝達可能トルク推定手段)
703 締結容量変化速度制限処理部
102 回生トルク制限演算部(回生トルク制限手段)

Claims (5)

  1. モータジェネレータと、
    前記モータジェネレータと駆動輪との間に介装され締結要素の締結解放により複数の変速段を達成する自動変速機と、
    摩擦力により制動力を発生する摩擦ブレーキと、
    制動要求時に、前記モータジェネレータの回生トルクと前記摩擦ブレーキの制動トルクを制御する協調回生制御手段と、
    前記協調回生制御を実行時に前記自動変速機の変速要求があるときは、前記回生トルクを前記自動変速機の伝達可能トルク以下に制限する回生トルク制限手段と、
    を備え
    前記回生トルク制限手段は、前記自動変速機の変速状態がイナーシャフェーズのときは、前記伝達可能トルクよりも更に小さな値に制限すると共に、前記回生トルクの変化速度が前記摩擦ブレーキの作動応答速度最大値より低くなるように制限することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の制御装置において、
    前記自動変速機の締結要素の締結容量に基づいて前記伝達可能トルクを推定する伝達可能トルク推定手段を設けたことを特徴とする車両の制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両の制御装置において、
    前記締結要素は、変速時に解放される解放側締結要素と、締結される締結側締結要素から構成され、
    前記伝達可能トルク推定手段は、イナーシャフェーズ開始前までは前記解放側締結要素の締結容量に基づいて前記伝達可能トルクを推定し、イナーシャフェーズ終了後は前記締結側締結要素の締結容量に基づいて前記伝達可能トルクを推定する手段であることを特徴とする車両の制御装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか1つに記載の車両の制御装置において、
    前記回生トルク制限手段は、前記締結要素の締結容量変化速度が前記摩擦ブレーキの作動応答速度最大値より低くなるように制限することを特徴とする車両の制御装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか1つに記載の車両の制御装置において、
    前記モータジェネレータを介して前記自動変速機と対向する位置に配置されたエンジンと、
    前記エンジンと前記モータジェネレータとを断接可能なクラッチと、
    を設けたことを特徴とする車両の制御装置。
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