JP4967693B2 - 発光装置及び印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子、特に有機EL素子を光源として利用した発光装置及び印刷装置に関する。
従来より、有機EL素子を具備する発光装置を露光に利用する印刷装置が知られている。これに関連する技術として、例えば特許文献1には、有機EL素子を具備する露光装置及び画像形成装置が開示されている。前記特許文献1に開示されている技術では、有機EL素子と感光体とがレンズを介して一定の距離をおいて設置され、前記有機EL素子からのフォーカスされた光によって前記感光体上に静電潜像が形成される。
特開2004−327217号公報
ところで、このような発光素子を具備する発光装置を露光に利用する印刷装置等は、発光素子が発する光を効率的に感光体に露光することが要求されていた。
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたもので、発光素子における光の取り出し効率を高めた発光装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第1の態様による発光装置は、
基板の一方の面側に所定の間隔でアレイ状に配置された複数の発光素子を具備する発光装置であって、
前記基板の他方の面側に配置され、前記発光素子から射出する光を感光体に投影するレンズと、
前記基板と前記レンズとの間の領域に設けられ、空気より屈折率の高い液体である透明媒質と、
前記基板の前記一方の面側に設けられ、前記発光素子を冷却するための液体である冷却媒体と、
を備えていることを特徴とする。
前記透明媒質は、前記基板が収納され且つ前記レンズが配設されているケース内に設けられていてもよい。
前記冷却媒体は、前記発光素子を囲むようにして設けられた固体壁から成る冷却媒体ケースに設けられていてもよい。
そして、本発明における印刷装置は、上記発光装置及び感光体ドラムを備えることを特徴とする。
本発明によれば、発光素子における光の取り出し効率を高めた発光装置及び印刷装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る発光装置及び印刷装置を説明する。
図1は、本一実施形態に係る発光装置を用いた印刷装置の構成の一例を示す図である。まず、図1に示すように、本一実施形態に係る発光装置を用いた印刷装置は、感光体ドラム1と、ケース部2Aとケース部2Aと一体的に設けられているロッドレンズ部2Bとから成る発光装置2と、帯電ローラ3と、イレーサ光源感光体4と、クリーニング部材5と、現像ローラ6aを含む現像器6と、転写ローラ8と、定着ローラ9と、搬送ベルト11とを具備している。なお、参照符号7が付されているのは印刷用紙である。ロッドレンズ部2Bは、セルフォック(登録商標)レンズを一列又は複数の列に配列させたレンズアレイであって、入射された光を等倍正立像として感光体ドラム1に結像するレンズ部である。
前記感光体ドラム1は負帯電型OPC(Organic Photo Conductor)感光体(有機感光体)である。このことに鑑みて、前記帯電ローラ3は負帯電器とされている。また、前記現像器6は負帯電トナーで現像を行う現像器である。また、前記発光装置2は、詳しくは後述するが、複数の発光素子がアレイ状に配列されて構成されている。
ところで、図1に示す印刷装置では、おおまかには以下のような工程により印刷が行われる。まず、前記帯電ローラ3が回転する感光体ドラム1の表面に接触することによって、感光体ドラム1の接触した表面が一様に負電位となるように帯電される。続いて、前記発光装置2によって、前記感光体ドラム1に対して光照射が為され、前記感光体ドラム1上には静電潜像が形成される。その後、前記現像器6によって、前記静電潜像にトナーが付着される。そして、前記転写ローラ8によって、前記静電潜像に付着しているトナーが前記印刷用紙7に転写される。以下、このような印刷工程を詳細に説明する。
まず、前記感光体ドラム1は、帯電用電源(不図示)から供給される負電位であって且つ後述する現像器6で出力される現像電圧に比較的近似している或いは等しい電位の初期化帯電電圧を、前記帯電ローラ3によって印加される。これにより、前記感光体ドラム1における周表面は一様に負帯電され、電位的に初期化される(初期化帯電状態となる)。
そして、周表面が初期化帯電状態となった前記感光体ドラム1には、前記発光装置2によって、印字情報に従った光書き込み(露光)が行われる。これにより、露光が行われないために初期化帯電状態のままの前記初期化帯電部と、前記露光によって初期化帯電部より相対的に高い負電位である−50(V)程度の露光帯電電圧が印加されて帯電された露光帯電部とから成る静電潜像が、前記感光体ドラム1の周表面上に形成される。
ここで、前記現像器6内に収容されている弱いマイナス電位に帯電したトナーが、前記現像ローラ6aによって、前記現像ローラ6aと前記感光体ドラム1との対向部に回転搬送される。このとき、前記現像ローラ6aは、不図示の電源から、露光帯電部よりもさらに低い−250(V)程度の現像電圧を印加される。したがって、前記感光体ドラム1における前記静電潜像の−50(V)程度の露光帯電部では、現像電圧よりも200(V)程度高電位となり、初期化帯電部では、現像電圧との差が200(V)よりも絶対値が十分小さい電圧になる。
これらの静電潜像における現像電圧との電位差の違いにより、前記現像ローラ6aに対して相対的にプラス極性の電位となった前記静電潜像における露光帯電部には、マイナス極性に帯電しているトナーが付着してトナー像が形成されるのに対し、初期化帯電部には、トナーを静電的に吸引する程の電界が生じないのでトナーが付着しない。このトナー像は、前記感光体ドラム1の回転によって、前記感光体ドラム1と前記転写ローラ8とが対向している転写部へと搬送される。
なお、上述したようにして形成されたトナー像におけるトナー付着量(現像された画像の濃度)は、前記発光装置2による前記感光体ドラム1への露光量に応じて生じる前記感光体ドラム1の周表面上における電位、つまり現像電圧との電位差によって決定される。
ところで、上述したように前記トナー像が前記転写部へ搬送されると、前記搬送ベルト11によって、前記印刷用紙7が前記転写部へ搬送される。そして、前記転写部においては、前記トナー像が前記印刷用紙7上に、前記転写ローラ8によって転写される。このようにして前記トナー像を転写された前記印刷用紙7は更に下流に搬送され、前記トナー像が前記定着ローラ9によって熱定着された後、前記印刷用紙7は当該印刷装置の外部へ排出される。
なお、前記発光装置2における前記ケース部2A内には、図1に示す前記感光体ドラム1への露光走査の主走査方向(前記感光体ドラム1の幅方向、つまり前記印刷用紙7の幅方向)に、多数の発光素子が一列に配設されている有機ELアレイが設けられている。
以下、発光素子である有機EL素子の基本的な構造について、図2を参照して説明する。
発光素子20Aは、図2に示すようにガラス等の基板21上に形成され、ガラス等の対向基板28によって封止されている。具体的には、発光素子20Aとして、基板21上に、画素電極23、正孔輸送層(HTL)24、発光層25、電子輸送層(ETL)26、及び対向電極(透明電極;ITO)27がこの順にて形成され、対向基板28によって封止されている。
発光素子20Aと対向基板28との間の空間には、透明の封止材29が充填されている。ここで発光素子20は、発光層25の光51を対向基板28側から出射するトップエミッション構造と、発光層25の光51をEL基板21側から出射するボトムエミッション構造と、のいずれかを選択することができる。
また画素電極23は、アノードとして機能し、トップエミッションの場合、下層側に位置するアルミニウム合金等の反射金属層と、上層側に位置する、錫ドープ酸化インジウム(Indium Thin Oxide;ITO)や亜鉛ドープ酸化インジウム等の透明電極材料を有する透明導電性酸化金属層と、を有する積層反射構造であってもよく、アルミニウム合金等の反射金属層の単層であってもよい。またボトムエミッションの場合、上記透明導電性酸化金属層を含む透明構造となっている。
対向電極27は、カソードとして機能し、トップエミッションの場合、下層側に位置するバリウム、マグネシウム、リチウム等の仕事関数の低い電子注入層と、上層側に位置する上記と同様の透明な導電性酸化金属層と、の積層透明構造であってもよい。またボトムエミッションの場合、下層側に上記低仕事関数の電子注入層と、上層側に光反射性のアルミニウム等の高仕事関数の金属層の積層反射構造であってもよい。対向電極27は複数の発光素子20Aで共通する単一電極であることが好ましい。
なお、画素電極23をカソードとし、対向電極27をアノードとする場合、画素電極23に接している担体輸送層は電子輸送性の層となり、対向電極27に接している担体輸送層は正孔輸送性の層となる。
発光層25は、HTL24から輸送された正孔とETL26から輸送された電子を再結合して発光する有機材料を含んでいる。そして、発光素子20Aの担体輸送層は、HTL24、発光層25、ETL26の三層構造に限らず、例えば、正孔輸送層及び電子輸送性発光層の二層構造でもよく、正孔輸送兼電子輸送性発光層のみでもよく、正孔輸送性発光層及び電子輸送層でもよく、また、間にその他の担体輸送層が介在する等、特に制限はない。HTL24、発光層25、ETL26のような担体輸送層をまとめてEL層と呼称する。
そして、前記画素電極23と前記対向電極27との間に、所定の電圧が掛けられることで、前記画素電極23から正孔が、前記対向電極27から電子が、前記発光層25に注入され、前記発光層25にて正孔と電子とが再結合して発光する。この発光によって生じた光100は、トップエミッションの場合、前記対向電極27及び前記対向基板28を透過して完全拡散放射し、ボトムエミッションの場合、画素電極23及び基板21を透過して完全拡散放射する。
この光100の取り出し効率を高める為にロッドレンズアレイ2Bの他に以下のような工夫が為されていてもよい。
例えば、基板21上に形成された複数の発光素子20A毎にファイバ機能を持たせることで、基板21の表面に擬似発光体を形成する。このように基板21にファイバ機能を持たせる為には、例えばフォトニック結晶ファイバと称される公知の技術を用いる。具体的には、クラッドに相当する空気孔が基板21の厚さ方向に延在するフォトニック結晶ファイバが、基板21内に設けられている或いは基板21と一体的に形成されている。このような、光の指向性を制御するファイバを設けたので、発光素子20Aの光が基板21から効率的に出射することができる。
ところで、本一実施形態においては、前記ケース部2Aと前記ロッドレンズ部2Bとを有する発光装置2によって、該発光装置2からミリオーダーの距離を隔てた前記感光体ドラム1上に小径の光スポットを形成し、各ドットを解像する光を作る。以下、前記発光装置2について、図3及び図4を参照して説明する。
図3は、前記発光装置2の外観を示す図である。前記ケース部2A内には、前記感光体ドラム1への露光走査の主走査方向(前記感光体ドラム1の幅方向つまり前記印刷用紙7の幅方向)に、複数の発光素子20A(不図示)が一列に配設された有機ELアレイを形成している。
ここで、当該印刷装置が、例えばA4サイズの印刷用紙を縦方向に用いてその幅一杯に印字密度1200dpi(ドット/インチ)で印字可能な印刷装置であれば、前記有機ELアレイは、およそ14000個の発光素子20Aを備えている。そして、これらの個々の発光素子20Aには、ホスト機器(不図示)から出力される印字情報に従った信号が印加される。すなわち、個々の発光素子20Aは、選択的に発光制御される。
なお、前記発光素子は、図3に示すように制御ケーブル31A,31Bによって、前記ホスト機器(不図示)と電気的に接続されている。ここで、前記制御ケーブル31A,31Bと、前記発光素子との接続方法に関しては、前記発光素子における発光素子20Aを駆動させることができる接続方法であればどのような接続方法であってもよい。
以下、図4及び図5(A),(B)を参照して、本一実施形態に係る発光装置2の構造について説明する。
図4は、前記発光装置2の側面断面図である。図5(A)は、前記ロッドレンズ部2B側から見た場合の前記基板21を示す図である。図5(B)は、前記対向基板28側から見た場合の前記基板21を示す図である。
まず、前記基板21は、図4に示すように接着樹脂52によって前面ケース51に接着されている。より詳しくは、図5(A)に示すようにアレイ状に配置された前記発光素子20Aの周囲を囲むように前記接着樹脂52が配置され、前記接着樹脂52によって前記基板21と前記前面ケース51とが接合固定されている。さらに、前記前面ケース51には、図4に示すように背面ケース53が嵌め込まれている。
ここで、前記基板21のうち前記接着樹脂52が設けられている面の逆側の面であって、前記発光素子20Aが設けられていない箇所には、図4に示すように前記発光素子20Aを駆動する為のドライバーIC55が、前記画素電極23及び前記対向電極27に電気的に接続されて設けられている。より詳しくは、前記ドライバーIC55は、図5(B)に示すように前記発光素子20Aにおける前記対向基板28の周囲に複数個(本一実施形態においては4個)設けられている。
そして、前記ドライバーIC55にはヘッドコントローラ(不図示)から同期信号、クロック信号、及び画像信号等が入力され、前記ドライバーIC55は、それらの各信号に基づいて前記画素電極23及び前記対向電極27の制御を行っている。
なお、本一実施形態においては、印刷装置の構造上、前記発光装置2は一個のデバイス装置となる為、組み立て時や交換時には接続配線に力が加わる可能性がある。したがって、前記基板21と前記ヘッドコントローラ(不図示)との接続配線のケーブルに関しては、前記ケース部2Aの内部と外部とで別ケーブルとして、前記ケース部2Aの外部のケーブルをより強度が高く作業性の優れたケーブルとする為に、図4に示すように前記背面ケース53に中継コネクタ59が設けられている。
ところで、前記前面ケース51には凸部71が設けられ、凸部71には、開口部が形成され、各発光素子20Aと対向するようにロッドレンズ部2Bがこの開口部に嵌め込まれ、開口部とロッドレンズ部2Bとの隙間は接着剤で封止されている。このため、前面ケース51は可視光に対して不透明であっても、前記発光素子20Aが発する光が凸部71内に形成された密閉空間73を介して前記ロッドレンズ部2Bに入射することになる。凸部71内には空気よりも屈折率の高い中間液体65が充填されている。
なお、図4に示す発光素子20Aは、基板21がロッドレンズ部2Bに対向するように面しているボトムエミッション構造であるが、対向基板28がロッドレンズ部2Bに対向するように面しているトップエミッション構造であってもよい。
従来の技術によれば、発光素子とロッドレンズ等のレンズとの間には空気(屈折率約1.0)が介在している。空気は発光素子(基板)に対して屈折率が低いため、発光素子から出射された光が発光素子(基板)と空気との間の界面で反射する全反射臨界角が小さくなり全反射しやすくなってしまったり、この界面で光の屈折の程度が大きくなってしまい、レンズで捕捉できる光量が極端に制限されていた。
ところで、前記発光素子20A内部で生じた光子の量に対して、実際に前記ロッドレンズ部2Bに入射する光子の量の割合を、光取り出し効率と称する。従来のように空気を介在していると、前記発光素子20A内で生じた光子の80%程度は、実際には前記ロッドレンズ部2Bに入射せず、光取り出し効率はかなり低い値となる。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、本一実施形態においては前記密閉空間73内を、空気の代わりに空気よりも屈折率の高い液体(中間液体65)で満たして、発光素子(基板)とロッドレンズとの間の空間の屈折率を発光素子(基板)やロッドレンズの屈折率に近似させて、全反射臨界角を高くし、或いは界面での屈折を抑えて、光取り出し効率を高める。
また凸部71は発光素子20Aからロッドレンズ2Bまでの光路長をある程度の長さに確保するので、ロッドレンズ2Bと感光体ドラム1との距離を設定しやすくなるという効果がある。そして接着樹脂52が、凸部71の外側の周囲に設けられているので、接着樹脂52によって囲まれた空間に限定して中間液体65を充填する際に接着樹脂52の厚さを光路長の長さ程度にする必要がない。
以下、本一実施形態に係る発光装置2の主な特徴の1つである前記密閉空間63内に満たす媒質に関するシミュレーション結果を、図6及び図7を参照して説明する。
図6は、本シミュレーションに用いた設定を示す図である。ここでは、対向電極27として反射金属300を用い、さらにEL層(発光層25等)としてEL層301、画素電極23として透明導電層303、基板21として基板305、密閉空間73に充填される中間液体65として透明媒質307、ロッドレンズ部2Bとして光学レンズ309を用いている。
反射金属300は可視光反射率を90%と設定し、EL層301を厚さ0.15μm、屈折率1.6、可視光透過率80%/mmに設定し、透明導電層303を厚さ0.05μm、屈折率1.95、可視光透過率90%/mmに設定し、基板305を厚さ7000μm、屈折率1.5、可視光透過率99%/mmに設定し、透明媒質307を厚さ1300μm、可視光透過率99%/mmに設定し、ロッドレンズ309を屈折率1.5、可視光透過率99%/mmに設定している。なお、封止材29については省略している。すなわち、ここではEL材料301で生じた光が空気を介することなくロッドレンズ309に入射する割合を示す光取り込み効率をシミュレーションした。
このような設定条件において、前記ロッドレンズ309は前記ロッドレンズ部2Bに相当し、前記媒質307は前記中間液体65に相当し、前記ガラス305は前記基板21に相当し、前記ITO303は前記画素電極23に相当し、前記EL材料301は前記HTL24と前記発光層25と前記ETL26とから成る層に相当する。
図7は、前記透明媒質307の屈折率と、前記ロッドレンズ309における光取り込み効率との関係をシミュレーションした結果のグラフを示す図である。したがって、図7に示すグラフは、前記密閉空間73に満たされる前記中間液体65の屈折率と、前記ロッドレンズ部2Bにおける光取り込み効率との関係を表している。
なお、当該シミュレーションにおいては、前記媒質307を空気(屈折率1)とした場合の光取り込み効率を100%としている。
図7に示すグラフから分かるように、前記媒質307の屈折率が高い程、光取り込み効率は高くなる。すなわち、前記媒質307を高屈折率液体とすることで、光取り込み効率を高めることが出来る。
例えば、前記媒質307を、通常のガラスと同程度の屈折率である1.5程度の屈折率を有する物質とした場合、前記媒質307を屈折率1の空気とした場合に比べて約1.7倍の光取り込み効率を得ることができる。したがって、前記中間液体65として1.5程度の屈折率を有する物質を用いた場合、前記密閉空間73内が空気で満たされている場合に比べて約1.7倍の光取り込み効率を得ることができる。
このような効果を得ることが出来る前記中間液体65として、例えばシリコーンオイル(屈折率 約1.6)やフッ素系不活性液体のフロリナート(屈折率 約1.3)等を挙げることが出来る。
より詳しくは、前記フロリナートとしては3M製のFC−3283を挙げることができ、前記シリコーンオイルとしては信越シリコーン製のKF−96L−1csを挙げることができる。
なお、前記シリコーンオイルは、化学的に安定な物質である。したがって、前記シリコーンオイルは、前記発光素子20Aで生じる光を照射されることによる劣化や経時劣化があまりないという利点がある。
ここで、前記基板21と、前記中間液体65と、前記ロッドレンズ部2Bとのそれぞれの境界において、それぞれ屈折率が一様であればフレネルによる反射損失を最低限にすることができる。したがって、ここでは前記中間液体65として、前記基板21(屈折率 約1.5)と同程度の屈折率を有するシリコーンオイル(屈折率 約1.6)が適していると言える。
同様にボトムエミッションの場合、中間液体65に接する基板として基板21の代わりに対向基板21を適用すればよい。
ところで、一般に発光素子20Aにおける発光輝度は、当該発光素子20Aにおける対向電極間電流の大きさに比例して増加する。したがって、発光素子を光源として利用した発光装置を露光部として用いる印刷装置で高速印刷を行う場合、当該高速印刷に要する光量を得る為には相当量のエネルギーを要する。そして、このような場合、過電流によるジュール熱が発生する。したがって、結果として前記発光素子20Aの温度は上昇し、それに伴って発光効率が低下し且つ劣化の進行が早くなるという問題が生じている。
そこで、例えば図8に示すような前記発光素子20Aの放熱構造を設ける。ここで、該放熱構造は、カバー部材70と、冷却媒体72と、冷却媒体ケース74と、接着樹脂75と、ヒートシンク77とから成る。
前記カバー部材70は、前記発光素子20Aを覆うように設けられている。前記冷却媒体ケース74は、前記基板21と接着樹脂75によって接着され、密閉空間76を形成している。前記密閉空間76は、前記冷却媒体72によって満たされている。前記ヒートシンク77は、前記背面ケース53の裏側(前記前面ケース51と対向する面の逆の面)に設けられている。
ここで、前記冷却媒体72は、熱容量の大きい液体である。したがって、前記冷却媒体72としては、例えば熱容量が1.92であるフッ素系不活性液体のフロリナート(登録商標)が適している。これにより、前記発光素子20Aにて発生した熱は、速やかに前記冷却媒体72に伝達される。なお、前記フロリナートとしては3M製のFC−3283を挙げることができる。
前記のような放熱構造とすることで、前記密閉空間76内に満たされた前記冷却媒体72においては、前記基板21側が高温となり、前記基板21に対向する側が低温となる為、図8に示すように循環流79が発生し、前記ヒートシンク77による効果と相まって前記発光素子20Aの放熱を促進させる。
以上説明したように、本一実施形態によれば、発光素子の光取り出し効率を高め、且つ発光素子の放熱を効率的に行うことができる発光装置を提供することができる。
また、前記一実施形態によれば、前記中間液体65及び前記冷却媒体72によって前記発光素子20Aは気密的に覆われているので、水分を含み得る外気等の発光素子20A内部への侵入に起因するダークスポットの発生を抑えることができる。
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形及び応用が可能なことは勿論である。
例えば、前記一実施形態においては、有機EL発光体としてトップ・エミッション構造の有機EL発光体を用いた場合を主に説明したが、ボトム・エミッション構造の発光素子を用いても同様の効果を得ることができることは勿論である。
さらに、前記一実施形態の一変形例として次のような変形例が考えられる。
[変形例]
前記一実施形態においては、前記中間液体65を介在させることで、フレネルによる反射損失を小さくしたが、液体ではなく樹脂を用いてもよいので、前記中間液体65の代わりに図9に示すように透明な中間樹脂85を介在させても同様の効果を得ることができる。ここで、前記中間樹脂85の材料としては、例えばPC(ポリカーボネート 屈折率1.59)やPMMA(ポリメタクリル酸メチル 屈折率1.49)等を挙げることができる。中間樹脂85によって、基板21から中間樹脂85までの光路に空気が介在することがないので光の取り出し効率を上げることができる。
また、図10に示すように、前記中間液体65を用いる代わりに、前記基板21を厚く構成し、前記基板21と前記中間樹脂85とを密着させることによっても、同様の効果を得ることが出来る。ここで、前記基板21と前記ロッドレンズ部2Bとを接着する為の透明接着剤としては、屈折率が基板21の屈折率に近いものを使用する。基板21の厚さは、ロッドレンズ部2Bと感光体ドラム1との焦点までの距離やに基板21の屈折率に応じて適宜設定することができる。
以上説明したように、本変形例によれば、屈折率が空気より高い部材を、前記基板21と前記ロッドレンズ部2Bとの間の領域に介在させることで、光取り出し効率を改善することができる。
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
本発明の一実施形態に係る発光装置を用いた印刷装置の一構成例を示す図。 有機EL発光体の基本構造を説明する図。 本発明の一実施形態に係る発光装置の外観を示す図。 本発明の一実施形態に係る発光装置の露光部の側面断面図。 (A)は、ロッドレンズ側から見た場合の基板を示す図。(B)は、対向基板側から見た場合の基板を示す図。 シミュレーションに用いた設定条件を示す図。 液体材料の屈折率とロッドレンズにおける光取り込み効率との関係をシミュレーションした結果のグラフを示す図。 発光素子の放熱構造を設けた発光装置を示す図。 本発明の一実施形態に係る発光装置の一変形例を示す図。 本発明の一実施形態に係る発光装置の一変形例を示す図。
符号の説明
1…感光体ドラム、 2…発光装置、 2A…ケース部、 2B…ロッドレンズ、 3…帯電ローラ、 4…イレーサ光源感光体、 5…クリーニング部材、 6…現像器、 6a…現像ローラ、 7…印刷用紙、 8…転写ローラ、 9…定着ローラ、 11…搬送ベルト、 20A…発光素子、 21…基板、 22…反射層、 23…画素電極、 24…正孔輸送層、 25…発光層、 26…電子輸送層、 27…対向電極、 28…対向基板、 31A,31B…制御ケーブル、 51…前面ケース、 52…接着樹脂、 53…背面ケース、 55…ドライバーIC、 59…中継コネクタ、 63…密閉空間、 65…中間液体、 70…カバー部材、 71…凸部、 72…冷却媒体、 73…密閉空間、 74…冷却媒体ケース、 75…接着樹脂、 76…密閉空間、 77…ヒートシンク、 79…循環流、 85…中間樹脂、 300…反射金属、 301…EL層、 303…透明導電層、 305…基板、 307…透明媒質、 309…ロッドレンズ。

Claims (4)

  1. 基板の一方の面側に所定の間隔でアレイ状に配置された複数の発光素子を具備する発光装置であって、
    前記基板の他方の面側に配置され、前記発光素子から射出する光を感光体に投影するレンズと、
    前記基板と前記レンズとの間の領域に設けられ、空気より屈折率の高い液体である透明媒質と、
    前記基板の前記一方の面側に設けられ、前記発光素子を冷却するための液体である冷却媒体と、
    を備えていることを特徴とする発光装置。
  2. 前記透明媒質は、前記基板が収納され且つ前記レンズが配設されているケース内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記冷却媒体は、前記発光素子を囲むようにして設けられた固体壁から成る冷却媒体ケースに設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 請求項1〜3記載のいずれかに記載の発光装置及び感光体ドラムを備えることを特徴とする印刷装置。
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