JP4966425B2 - 撮影装置における画像データの記録方法 - Google Patents

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本発明は、特にデジタルスチルカメラ等のようなデジタル静止画像を撮影及び記録をする電子機器において、オートブラケット撮影によるデジタル静止画像の画像データの記録及び再生方法に関する。
従来より、カメラの撮影方法の一つであるオートブラケット撮影では、カメラの自動露出検出機能により決定した露出値を基準として、予め設定したステップで露光量を変化させることにより複数枚の写真を連続的に撮影する。これにより適正な露光量では得られない微妙な色の階調データをもった写真を確保することができ、画像の白とびや黒つぶれをおさえることができる。又、特定の撮影条件において、カメラの自動露出検出機能により決定した露光量が、使用者が意図していた露光量とずれることを防ぐ目的としてもオートブラケット撮影が用いられる。
フィルムを用いたオートブラケット撮影では撮影した写真を全てプリントした後に、使用者が意図する露出値を得た写真を選ばなければならない。そのため、フィルムでオートブラケット撮影をする場合には、撮影コストが高くなる。又、撮影する上でも通常の一枚撮りの撮影よりもフィルムの消費が激しいために、カメラの携帯性や利便性が損なわれることになる。
近年、フィルムカメラに変わってデジタルスチルカメラが主流となりつつある。デジタルスチルカメラでは、撮影した写真を液晶表示部等で即座に確認することができる。これによりオートブラケット撮影で撮影した複数枚の写真から、プリントすることなく使用者の意図する露出値を得た写真を選択することができ、コストを低く押さえることができる。又、選択しなかった写真はデジタルスチルカメラ上で削除することができるため、記録メモリを不必要な画像データで消費せずに済む(例えば、特許文献1を参照。)。
デジタルスチルカメラで記録したデジタル静止画像は、PC上等で後処理を行い簡単に露出値を補正することも可能である。そのため一枚のデジタル静止画像から露出値の補正により、オートブラケット撮影と同様な露出値の異なる複数枚の画像を得ることができる。
特開2000−125185号公報
デジタルスチルカメラでデジタル静止画像を記録することができたことにより、デジタル静止画像の露出補正を簡単に行えることができるようになった。このため後処理において、撮影時ではなくても簡単に露出補正ができ、オートブラケット撮影で撮影される画像と同様の複数枚の画像を得ることができる。しかしながら、一般的にデジタルスチルカメラで撮影する画像ではラチチュードが狭いため、一枚のデジタル静止画像からでは幅広い階調を得ることが難しい。特に明暗差が激しい構図の画像では白とびや黒つぶれにより部分的に画像データが失われやすくなる。
デジタル静止画像ではラチチュードが狭いため、撮影時に階調のデータを記録できないと、適正と判断された露出値で撮影した一枚のデジタル静止画像の後処理による露出補正ではこれを得ることができない。従って、オートブラケット撮影で撮影されるような露出アンダー又は露出オーバーの画像における階調を一枚のデジタル静止画像から忠実に生成することは難しい。そこで、オートブラケット撮影はデジタルスチルカメラであっても必要となる。
デジタルスチルカメラでオートブラケット撮影を行うと記録画像データの記憶容量を多く必要とする。前述した通り、デジタルスチルカメラでは撮影した後に即座に記録画像データを確認することができるため、不必要な画像データを消去することによって記録容量の削減を図ることができる。しかしながら、デジタルスチルカメラ上で確認できる画像は液晶表示部等を通して行う必要があり、例えば液晶表示部にLCD等を使用した場合は確認できる画像の精度が使用するLCDの性能に依存してしまう。これはプリント又はPC上で確認するデジタル静止画像には及ばないため、使用者が消去する不必要な画像データの選択を誤る可能性がある。特にデジタルスチルカメラを屋外の直射日光の下で使用するような悪条件では更にその可能性が増すこととなる。
上記の理由のためにオートブラケット撮影により撮影した複数枚の画像を念のために全て保存しておくことが望ましい。しかしながら、当然のごとくデジタルスチルカメラにおいても記憶容量の限界がある。
本発明が解決しようとする課題は、デジタルスチルカメラにおいてオートブラケット撮影で撮影した画像を全て記録し、且つその画像データの記録容量を小さくおさえることである。又、記憶容量を小さくおさえて記録した画像データから露出アンダー又は露出オーバーな画像データを再生することである。
請求項1ではオートブラケット撮影機能を備えたデジタル静止画像の撮影装置において、撮影した複数枚の画像データのうち露出アンダー又は露出オーバーな画像データを差分データに変換することにより、画像データの記憶容量を削減する画像データの記録方法である。
露出アンダー・露出オーバーな画像データとは、撮影装置に内蔵又は外付けした自動露出検出機能により決定した露光量よりも低い又は高い露光量で撮影された画像データをいう。
オートブラケット撮影で撮影された複数枚の画像データは連続的に撮影されているため画像の構図自体はほとんど変化しないが、露出値が段階的に変化しているため露出アンダー又は露出オーバーでの撮影のみによって得られる階調のデータが存在する。請求項1では露出アンダー又は露出オーバーの画像データで得た、自動露出検出機能で決定された適正な露光量により撮影された画像データでは得ることのできない階調のデータのみを差分データとして記録する。これによりオートブラケット撮影により撮影された画像データ全体の記録容量を削減する。
請求項1で記録された画像データは自動露出検出機能で決定された適正な露光量で撮影された画像データと請求項1で生成された差分データである。自動露出検出機能で決定された適正な露光量で撮影された画像データは単体で再生することができるが、差分データは露出アンダー又は露出オーバーな画像データでのみ得られた階調のデータのみを記録しているため、単体では再生できない。そこで自動露出検出機能で決定された適正な露光量で撮影された画像データを露出調整し、これに差分データで置換されるべき部分を置換することにより露出アンダー画像データ及び露出オーバー画像データを再生する。
本発明により、オートブラケット撮影により撮影された画像データを全て記録し、その記録容量を小さくおさえることができる。又、記録容量を小さくして記録された画像データから、適正な露光量で撮影された画像データを基準に露出アンダー又は露出オーバーな露光量における撮影でしか得られない階調のデータを填補した露出アンダー画像データ及び露出オーバー画像データを再生することが可能である。
以下、本発明の最良な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
オートブラケット撮影時において、デジタルスチルカメラの自動露出検出機能により決定した適正な露光量で撮影された画像データを基準画像データとする。適正な露光量よりも低い露光量で撮影された画像データを露出アンダー画像データとし、高い露光量で撮影された画像データを露出オーバー画像データとする。
オートブラケット撮影の識別記号とは、画像データ又は差分データがオートブラケット撮影によるものであること、どのオートブラケット撮影であるのか、オートブラケット撮影で何枚撮影したのか、を示すものである。示す場所はファイル名の中でも、画像データの中であっても構わない。
オートブラケット撮影により複数枚のデジタル静止画像を撮影及び記録する。デジタルスチルカメラの自動露出検出機能により決定された適正な露光量で撮影した基準画像データを基準として、露出アンダー画像データ及び露出オーバー画像データから差分データを生成する。不揮発性メモリに最終的に記録する画像データは基準画像データ及び差分データとする。基準画像データ及び差分データには撮影時の絞りF値、シャッタ速度及び露出値等の基本情報及びオートブラケット撮影の識別記号が付されているとする。これによりオートブラケット撮影で撮影した複数枚の画像データを不揮発性メモリに記録する際に、データ容量をより少なくすることができる。
不揮発性メモリに記録された撮影画像の露光量データ、基準画像データ及び差分データからデジタルスチルカメラ又はPC上等でオートブラケット撮影で撮影した複数枚のデジタル静止画像を再生する。再生時にはまず、基準画像データの露出量を露出アンダー画像データ及び露出オーバー画像データについて記録された露出量まで調整する。その後、露出調整された基準画像データにおいて差分データにより補われるべき部分を露出アンダー画像データ及び露出オーバー画像データから生成された差分データと置換する。基準画像データを露出調整し、差分データを考慮して得られた露出アンダー画像データ及び露出オーバー画像データと基準画像データをデジタルスチルカメラの表示部に表示する。
以下、実施例ではオートブラケット撮影において全部で3枚の画像が連続的に撮影されたものとする。撮影された画像はそれぞれ露出アンダー画像データ、基準画像データ及び露出オーバー画像データとする。又、それぞれの画像データは連写によるオートブラケット撮影であるため、撮影画像データの構図は変化のないものとする。
図6を用いて、デジタルスチルカメラ600について説明する。
図6に示したデジタルスチルカメラ600において、601はレンズ光学系、602は撮像素子、603はメモリ、604は表示部、605は記録部、606は画像処理部、607は制御部、608は操作部を示している。
被写体からの光を光学系601を通して撮像素子602に結像する。撮像素子602は被写体からの光が結像されると、光エネルギーの量に応じて光電効果により電荷を発生させる。この電荷を被写体の画像データとして転送する。
撮像素子602から得られた被写体の画像データは一時的にメモリ604に記憶され、画像処理部606による画像処理を得て、外部不揮発性メモリ等の記録部605に記録されたり、表示部603で再生されたりする。
使用者は操作部608を通して、デジタルスチルカメラ600の各種設定及び操作を行う。操作部608による各種設定及び操作に基づいて制御部607がデジタルスチルカメラ600の各部の制御を行う。
使用者が操作部608を通してオートブラケット撮影を設定し、撮影を行うと、制御部607を通して不図示の絞り、シャッタ、フォーカスレンズ等を制御する。これにより露出値の異なる複数枚の画像データを連続的に撮影及び記録する。
図1を用いて、オートブラケット撮影及び記録について詳細に説明する。
実施例ではオートブラケットにおいて連続的に画像を3枚撮影する。撮影された画像全てを一時的にデジタルスチルカメラのメモリに記憶する。その中から基準画像データを露出アンダー画像データ又は露出オーバー画像データの露出量に調整する。露出調整した基準画像データを基準とし、これと露出アンダー画像データ又は露出オーバー画像データとを比較してそれぞれの差分データを生成する。オートブラケット撮影の識別記号及び撮影時におけるそれぞれの露光量の情報を付した基準画像データとその他の露出アンダー画像データ及び露出オーバー画像データからそれぞれ得られた差分データを不揮発性メモリに記録する。
図1に図示したフローチャートを用いて、本発明における撮影及び記録についての全体を逐次説明する。
オートブラケット撮影前に、使用者はデジタルスチルカメラの操作部により、オートブラケット撮影モードを選択し、オートブラケット撮影時の露出値のずれ量及び撮影回数を設定しているものとする。
使用者がオートブラケット撮影を選択し、操作部のレリーズボタンを押下してオートブラケット撮影を始める(S101)。使用者がオートブラケット撮影を選択して撮影をする意図は、写真の構図を変化させずに露光量のみを変化させて露出値の異なる複数枚の画像データを記録するためである。そのため通常のオートブラケット撮影では使用するデジタルスチルカメラにおける最大限の連写速度をもって撮影する。
S101で得られた3枚の画像を一時的にデジタルスチルカメラ内部のメモリに記憶する(S102)。ここでの画像データのメモリへの記憶ではJPEG等の非可逆的な画像圧縮は行わない。非可逆的な画像圧縮を行うと画像データの省略等が生じるため、適切な後述する差分データを得られない可能性があるからである。記憶された画像データには、オートブラケット撮影の識別記号及び露光量と、デジタルスチルカメラで撮影された画像に一般的に付される撮影日時、絞りF値、シャッタ速度及びデジタルスチルカメラの機種名等の基本情報が付されている。
基準画像データを基準にして露出アンダー画像データ及び露出オーバー画像データから差分データを生成する(S103)。例えば、露出アンダー画像データにおいて、基準画像データでは白とびしていた部分が色の階調を持つことがある。差分データでは、画像データの撮影時の露出値を変化させることにより、基準画像データでは得られないデータのみを記録する。差分データの生成についての詳細は後述する。
図2を用いて、露出アンダー画像データ及び露出オーバー画像データから差分データを生成する方法について詳細に説明する。
露出アンダー画像データ又は露出オーバー画像データから、それぞれの露出値に合わせて露出調整された基準画像データを基準にし、差分データを生成する。S101で連続的に撮影された画像データは、それぞれ独立した露光量を与えて撮影されている。撮影時の露光量の違いにより、基準画像データの記録だけではとらえきれない微妙な色の階調データを記録するためである。
これらを大きく3種類に分けると、基準画像データ、露出アンダー画像データ及び露出オーバー画像データとなる。基準画像データは差分データ生成過程で比較基準のために露出値を調整するものの、最終的には撮影時の露出値の画像データのまま不揮発性メモリに記録する。露出アンダー画像データ及び露出オーバー画像データから、露出調整された基準画像データでは得られない新たな色の階調のみを差分データとして記録する。
基準画像データでは被写体の明るい部分で白とびが起きていたり、暗い部分で黒つぶれが起きていたりして、色の階調が失われてしまうことがある。一旦画像データの階調が失われて記録されてしまうと、後処理における画像データの露出値の補正では元々存在しない階調のデータを得ることはできない。そこで、オートブラケット撮影を用いることにより、幅広い階調のデータを撮影時に念のため記録する。
オートブラケット撮影は幅広い階調データを撮影時に念のため記録することができる一方で、オートブラケット撮影で記録する画像データが多くなるほどデジタルスチルカメラ内部又は外部の不揮発性メモリの容量を多く必要とする問題がある。本発明では、オートブラケット撮影におけるデジタルスチルカメラ内部又は外部の不揮発性メモリの容量消費を削減するために、基準画像データのみをそのまま記録し、露光量が適正からずれたその他の画像データは差分データを生成して記録こととする。そのまま記録するのは基準画像データのみであるため、オートブラケット撮影1回あたりの撮影枚数が多いほど容量削減に有効である。
図2のフローチャートを用いて、差分データの生成方法について逐次説明する。
オートブラケット撮影によりS102でメモリに記憶した複数枚の画像データの中から基準画像データ以外の露光量のずれた画像データを選択する(S201)。
撮影時にデジタルスチルカメラの自動露出検出機能により決定された適正な露出値よりも露出値がアンダーであるか否かの判別をする(S202)。画像データの露出値の判別は、それぞれの画像データに付された露出値の情報により行う。
S202において露出がアンダーと判断された場合には、基準画像データにおける白とび部分を特定する(S203)。白とびの部分であるか否かの判断は、RGBやYUV等を用いて予め閾値設定し、これを基準として画素単位で判断する。
基準画像データにおいて既に白とびしている部分は階調データが存在しないため、基準画像データを露出アンダー画像データと同等の露出値に調整しただけではこれらの階調データを得ることができない。オートブラケット撮影で得た露出アンダー画像データは、基準画像データの後処理による露出補正では得られない階調データを填補する役割をもつ。
本発明ではオートブラケット撮影は写真の構図がほぼ変化しない連写撮影であることを前提とする。この前提において、撮影された露出値の違う画像全てを保存せずに、露出補正した基準画像データが露出アンダー画像データ又は露出オーバー画像データにより填補されるべき差分データのみを記録し、オートブラケット撮影全体の記録画像データの容量削減を目的とする。
S202において露出がオーバーと判断された場合には、露出がアンダーと判断された場合と逆の手順を行う。つまり、基準画像データの黒つぶれの部分を特定し(S203)、露出値を高く補正された基準画像データのS203で特定された部分に対して填補するべき差分データを、露出オーバー画像データから生成する(S204)。
露出アンダー画像データ及び露出オーバー画像データから生成された差分データをメモリに記憶する(S205)。基準画像データ以外の画像データを全て差分データに変換した後(S206)、基準画像データを適正と判断された露出値で記憶する(S207)。
図2のフローチャートにおいて生成された差分データを可逆圧縮する(S104)。差分データは元の露出アンダー画像データや露出オーバー画像データと比較して大幅に容量削減がされているが、さらに容量を圧縮するために可逆圧縮をする。ここでは、後に差分データと基準画像データから元の露出アンダー画像データ及び露出オーバー画像データを再生するために、差分データの圧縮は可逆圧縮方式とする。
基準画像データを圧縮する(S105)。基準画像データは、後に一部分を差分データに置換するためのベースとなる画像であるので、差分データと違い、JPEG等の非可逆圧縮方式でも構わない。但し、ベースとなる基準画像データに情報量を多く残したい場合には非圧縮方式や可逆圧縮方式で画像データを記録しても良い。
生成した差分データと基準画像データを不揮発性メモリに転送して記録する(S106)。
以上により、オートブラケット撮影で撮影した複数枚の画像データはそのまま記録されずに、基準画像データとこれを基準とした差分データとして記録される。これによりオートブラケット撮影で撮影された画像データ全体が必要とする記録容量を削減することができる。
前述した記録方法で記録された画像データをデジタルスチルカメラ又はPC上等で再生する方法について詳細に説明する。
オートブラケット撮影により撮影され、前述した記録方法で記録された画像データにおいて、基準画像データは単体で再生可能であるものの、露出アンダー画像データ及び露出オーバー画像データは図2のフローチャートに図示したように全て差分データに変換されているため単体のみでは再生することができない。
そこで再生時にオートブラケット撮影で撮影され、前述した記録方法で記録された画像データ群を認識し、露出アンダー画像データ又は露出オーバー画像データについては元の画像データに戻して再生する方法が必要となる。
使用者がデジタルスチルカメラ又はPC上等での再生時に基準画像データ又は差分データを選択すると、これが基準画像データであるか否かの判別がなされる。基準画像データであった場合にはそのまま表示部に再生し、差分データであった場合には基準画像データを露出調整した後、これに差分データを考慮して露出アンダー画像データ又は露出オーバー画像データが再生される。
図3のフローチャートを用いて、オートブラケット撮影で撮影され、記録された画像データの再生方法について逐次説明する。
オートブラケット撮影で撮影された画像データを再生するために使用者が画像データを選択する(S301)。選択された画像データが基準画像データであるか否かを、画像データに付されたオートブラケット撮影の識別記号により判別する(S302)。
S302で差分データであると判別された場合には、S105で圧縮されていた差分データを伸張する(S303)。次に差分データに付されたオートブラケット撮影の識別記号から同じオートブラケット撮影により撮影された基準画像データを読み出す(S304)。基準画像データはデジタルスチルカメラの撮影時に自動露出検出機能によって決定された露光量で撮影されており、1回のオートブラケット撮影により記録される基準画像データは一つである。従って、オートブラケット撮影により撮影された画像データ群の中からどれか一つの画像データを選択し、これに対応した基準画像データを読み出すことはオートブラケット撮影の識別記号を利用すれば容易である。
S304で読み出した基準画像データを、露出アンダー画像データ又は露出オーバー画像データのベースとするために、基準画像データの露出値を差分データに付された露出値に調整する(S305)。露出調整された基準画像データにおいて、基準画像データで白とび又は黒つぶれしていた部分を差分データと置換する(S306)。
ここで露出調整された基準画像データにおける差分データの置換について説明する。
基準画像データの露出値を変化させると基準画像データにおいて白とびした部分又は黒つぶれした部分は図4のように変化する。例えば、適正と判断された露光量で撮影された基準画像データの露出値を後処理により低くしても、適正な露出値において白とびしている部分は階調データが記録されていないため階調データを得ることはできない。オートブラケット撮影ではこうした部分の階調データを填補するために、予め撮影時に露光量を低くして撮影を行う。しかしながら、前述した通りオートブラケット撮影により撮影された画像データを全て記録するとデータ容量が大きくなるため、本発明では図5で示すように露出アンダー画像データ及び露出オーバー画像データから差分データを生成して記録することにより記録に必要とするデータ容量を少なくしている。記録した画像データの再生時には、基準画像データの露出値を後処理により低くするだけでは得られない階調データを、露出アンダー画像データから生成した差分データで基準画像データの白とびした部分を置換することにより填補している。又、基準画像データにおける適正露出で黒つぶれしている部分はオートブラケット撮影で露光量を下げて撮影したとしても黒つぶれになると予測できるので、この部分に関して差分データを生成して、再生時にこれと置換することはしない。適正露出で撮影された基準画像データにおいて黒つぶれしている部分は上述したことと同様に逆の現象が起きる。
基準画像データ又は差分データから得られた露出アンダー画像データ又は露出オーバー画像データを表示部に表示して再生する(S307)。
以上により、本発明においてオートブラケット撮影により撮影され、基準画像データ又は差分データとして記録された画像データから基準画像データ、露出アンダー画像データ又は露出オーバー画像データを再生することができる。
実施例における、本発明の記録方法を示したフローチャートである。 実施例における、本発明の差分データの生成方法を示したフローチャートである。 実施例における、本発明の再生方法を示したフローチャートである。 基準画像データを露出調整したときの白とび及び黒つぶれ部分の様子を示した図である。 露出アンダー画像データ又は露出オーバー画像データにおいて、差分データとする部分を模式的に示した図である。 実施例における、デジタルスチルカメラの構造を示した図である。
600 デジタルスチルカメラ
601 光学系
602 撮像素子
603 メモリ
604 表示部
605 記録部
606 画像処理部
607 制御部
608 操作部

Claims (1)

  1. オートブラケット撮影機能を備え、撮影した画像をデジタル静止画像データとして記録する撮影装置において、オートブラケット撮影で撮影した複数枚の画像データのうち、露出アンダー又は露出オーバーな露光量で撮影された画像データから、自動露出検出機能により決定された適正な露光量で撮影された画像データを基準画像データとし、前記基準画像データでは得られない階調を填補するべき差分データとして、前記露出アンダー又は露出オーバーな露光量で撮影された画像データと露出量調整した前記基準画像データとの差分を記録することを特徴とする画像データの記録方法。
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