図1,2に示す第1実施例の遊技機1は、この発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機である。遊技機1では、後述する遊技枠体2の内側に遊技盤3が着脱交換可能に収容されており、その遊技盤3に遊技球(遊技媒体)の内側ガイドレール4及び外側ガイドレール5が略円形に立設され、前記内側ガイドレール4によって囲まれて遊技球が流下可能な遊技領域6に、遊技球の入賞可能な入賞領域である入賞口等の役物が設けられている。なお、図1においては、遊技盤3に備えられた釘は省略している。
まず、遊技領域6の中心線上に設けられた表示装置9の下方に、普通電動役物で可動片11a,11bを有する始動入賞口10、特別電動役物である遊技特典付与装置として大入賞装置(大入賞口とも称される。)15が配設されており、その下方にはアウト口17が配設されている。また、表示装置9の両側には普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21、その下方に風車22a,22bが設けられており、その下方に左袖入賞口23と右袖入賞口25が配設され、さらには前記大入賞装置15の両側に左落とし入賞口27と右落とし入賞口29が配設されている。
ここで、遊技盤3は、図3に示すように、合板等の板状部材により構成され、角部が遊技枠体2の内側に収容可能な適宜の形状とされている。また、遊技盤3には、遊技領域6に貫通して形成された表示装置9を取り付けるための表示開口部300、始動入賞口10のための役物開口部310、大入賞装置15のための役物口開口部320、アウト口17のための役物開口部330、普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21のための役物開口部340、左袖入賞口23と左落とし入賞口27及び右袖入賞口25と右落とし入賞口29のための役物開口部350がそれぞれ形成されている。また、図3の符号360は後述する帯状開口部である。
この実施例において、始動入賞口10は、遊技領域6を流下する遊技球を受け入れ可能とすると共に、その入球(入賞)に起因して特別遊技状態(大当たり状態)に移行するか否かの判定を開始するための入球口に相当する。以下実施例において、始動入賞口10を入球口の一例として説明する。
また、遊技機1の前面側には、遊技状態を報知する枠飾りランプ35、払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿32、上側球受け皿32を取り付けるための取付板33、上側球受け皿32の飽和時に遊技球を受けるための下側球受け皿34、音声や効果音を発して遊技状態を遊技者に報知するスピーカ37、遊技者の遊技操作によって適宜の演出等を操作可能な遊技スイッチ39、遊技者による操作ハンドルH1(操作手段)の発射操作に応じて遊技球を遊技領域6に向けて弾発発射する発射装置H等がそれぞれ組み付けられている。
図中の表示装置9(図柄表示手段、判定結果報知手段等を兼ねる。)において、符号43は数字,アルファベット,記号あるいは絵(キャラクタ)等の図柄を変動表示及び停止表示(最終的に確定表示する前の仮停止表示を含む、以下同じ)可能な図柄表示装置、49はセンター飾りを有する表示装置9の窓枠部、50は図柄表示装置43の液晶表示器(TFT−LCDモジュール)等からなる表示領域である。また、表示領域50は、特別図柄の変動中に、該特別図柄に加えて背景(建物、風景等)、キャラクタ(人物、動物、植物、物等)、文字等の装飾図柄を表示し、該装飾図柄は前記特別図柄の変動開始等の所定始動条件に起因して変動表示可能となっている。図柄表示装置43については、表示領域50が前記したように液晶表示器に限られるものではなく、有機EL、CRT、その他の表示手段で構成されていてもよい。
この実施例の表示領域50は、横に並ぶ左特別図柄表示部、中特別図柄表示部、右特別図柄表示部で構成される図柄表示部を有し、それぞれの図柄表示部で判定図柄(当否判定情報)である特別図柄が変動表示及び停止表示される。加えて、表示領域50には普通図柄表示部41が設けられており、普通図柄が変動表示及び停止表示可能とされている。また、表示領域50には、特別図柄等に加えて背景画像(キャラクタ,背景,文字等を含む。)が表示されることもあり、背景画像が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっている場合もある。なお、この実施例において表示領域50に表示される左、中、右特別図柄は、各々『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11』の12通りの数字からなる図柄である。
遊技盤3の背面(裏面)には、入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞口用検出スイッチ(遊技球検出手段に相当する。)等が設けられている。この実施例では、検出スイッチが各入賞口に対してそれぞれ設けられている。始動入賞口10に入賞(入球口に入球)した遊技球を検出する特別図柄変動開始スイッチは入賞球の通路に設けられており、入賞球の検出によって図柄表示装置43の図柄変動は開始される。その際、特別図柄変動中に始動入賞口10に入賞した遊技球の個数、すなわち特別図柄の変動を開始する回数については、現在変動中のものを除いて保留回数(この例では最高4回)を特別図柄保留記憶数表示部44に表示し、記憶数の減少によって前記表示部内の特別図柄保留記憶数の表示個数を減らす。
その他、前記左袖入賞口23と右袖入賞口25の入賞球を検出する左袖入賞口用検出スイッチと右袖入賞口用検出スイッチ、前記左落とし入賞口27と右落とし入賞口29の入賞球を検出する左落とし入賞口用検出スイッチと右落とし入賞口用スイッチが、それぞれ対応する遊技盤3背面に設けられている。
前述のとおり、始動入賞口10に入賞した遊技球を検出する特別図柄変動開始スイッチ(始動入賞口センサ)が入賞球用通路に設けられており、前記特別図柄変動開始スイッチによって入賞球が検出(図柄変動条件の契機)されると、図柄表示装置43における表示領域50の左,中,右特別図柄表示部で各特別図柄が変動を開始し、所定時間変動後、予め設定された順で特別図柄が変動停止して、停止図柄の組合せが確定表示される。なお、図柄変動パターン等によっては、特別図柄の確定表示以前に、いわゆるリーチ状態となったり、リーチ予告、当たり予告等が行われる。そして、前記確定表示された停止図柄の組合せが、予め決められた特別図柄組合せである特定の大当たり図柄組合せ、例えば、同一の特別図柄の組合せからなる通称ぞろ目であると、大当たり状態(特別遊技状態)に移行する。大当たり状態になると、大入賞装置15の開閉板が開いて遊技領域6表面を落下してくる遊技球を受け止め、大入賞装置15内へ入賞可能にする。
ここで、リーチ状態とは、表示領域50の左,中,右特別図柄表示部において、特別図柄の変動表示が開始された後、表示制御が進行して表示結果が停止表示される前段階において、特定の表示態様、つまり大当たり図柄の組合せ(同一図柄の組合せ)が表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示態様をいう。この実施例では、リーチ状態の1つとして、前記表示領域50の左,中,右特別図柄表示部のうち、最終停止図柄(ここでは右特別図柄)を表示する表示部(ここでは右特別図柄表示部)だけを残して、残りの2つの表示部で図柄が特定の組合せ(例えば同一図柄)となるように仮停止するリーチ変動表示処理がなされている。
また、リーチ状態時には、表示領域50における特別図柄(主に最終停止特別図柄)の変動時間を長くしたり、表示領域50における特別図柄を利用した図柄利用演出や特別図柄の背後に表示されるキャラクタや背景等を表示してリーチアクションが演出される。なお、リーチ状態になる前に、リーチ状態になる可能性または大当たりになる可能性が高いことを報知する予告(予兆)が演出されるようにしてもよい。前記の予告としては、表示領域50上へのキャラクタの表示や残像表示等が挙げられる。
遊技盤3の大入賞装置15の背面側には、大入賞装置15への入賞球を検出する入賞球検出スイッチが設けられている。前記各入賞口への遊技球の入賞を各検出スイッチが検出するとき、すなわち遊技における入賞条件が成立すると、賞球払出装置によって、入賞球数に応じて予め設定されている所定数の遊技球が賞品球として払い出される。開閉板は、所定時間(例えば30秒)経過した時点で閉鎖される。これにより、遊技者はより多くの賞球を得ることができる。一連の遊技は特別遊技(大当たり遊技)であり、その状態は特別遊技状態である。
前記した入賞口用検出スイッチの他に遊技盤背面に設けられている装置としては、始動入賞口10の可動片11a,11bを開閉する始動入賞口用ソレノイドと、大入賞装置15の開閉板を開閉する大入賞口開放用ソレノイド等があり、普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21には通過する遊技球を検出するゲート検出スイッチがある。
普通図柄変動開始スイッチでゲート19,21を通過する遊技球を検出することによって、普通図柄表示部41における普通図柄の変動は開始する。そして、普通図柄表示部41において図柄変動した後に確定表示された図柄が予め設定されている特定の図柄であった場合には、小当たり(普通図柄当たり)となり、始動入賞口用ソレノイドにより始動入賞口10の可動片11a,11bの拡開開放が後記する所定時間行われ、賞球が払い出される。普通図柄の変動を開始する回数については、現在変動中のものを除いて保留回数(この例では最高4回)を普通図柄変動数記憶領域47に表示するようになっている。
この遊技機1は、図2に示すように、側枠7、機構枠8、遊技枠体2、遊技盤3、前面装飾枠60がそれぞれ一体に組み付けられている。この実施例では、外周側部を構成する側枠7の一側に前面装飾枠60が軸支されて開閉可能に構成される。
機構枠8は、中央部分に遊技盤3を収容する遊技盤収容開口部8Aが形成され、その裏面側は、遊技盤3の裏面側と共に図4に示す裏機構を構成する。
図4の符号240は遊技球を貯留する貯留タンク、241はタンクレール、242は枠用外部出力端子基板、243はランプ中継基板、244は受電基板、245は賞球センサ中継基板、246は盤面用外部出力端子基板、247は中継基板、248は音声制御基板、249はFG中継基板、250は主制御基板、251は電源基板、252はランプ制御基板、253は払出制御基板、254は発射装置制御基板、255はカードインターフェイス接続部、256は電源プラグ、257は遊技盤3の前面側に配設された前記表示装置9の表示領域への図柄等の表示制御を行う図柄制御基板、260は制御基板収容ケース、Gは接地線である。
図柄表示装置43における図柄変動の制御は、図5に示す主制御回路121及び該主制御回路121と前記表示装置9とを接続する表示制御回路161によって行われる。
主制御回路121は、CPU,RAM,ROM、並びに複数のカウンタを備えたコンピュータと、該コンピュータと表示制御回路161等を結ぶ入出力回路と、前記コンピュータと大入賞装置15に接続される中継回路141等を結ぶ入出力回路等で構成される。CPUは、制御部,演算部,各種カウンタ,各種レジスタ,各種フラグ、各種タイマ等を備え、演算制御を行う他、大当たりの発生確率や小当たり(始動入賞口10の拡開開放を行う普通図柄当たり)の発生確率を定める乱数等も生成している。当該CPUは、実施例において、制御手段(主制御手段)、記憶手段、当否判定手段、特別遊技実行手段、表示態様選択手段、特典遊技実行手段、時間設定手段、計測手段、報知制御手段、エラー報知手段等に相当し、前記列記した各手段に係る処理は同主制御回路121内のRAM,ROM等と連携して適式に各種演算されることにより、遊技機1における遊技進行は制御されている。また、前記RAMは、記憶手段に相当し、始動入賞口検出スイッチの検出信号及びゲート検出スイッチの検出信号に関する記憶領域,CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域,各種データ(コマンドデータ)を一時的に記憶する記憶領域やフラグ,CPUの作業領域を備えており、後述する判定図柄の図柄情報(各カウンタの取得数値)等の各種データを記憶する。さらに、前記ROMには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、後述する各遊技状態における大当たり等の判定値等が書き込まれている。
表示制御回路161は、表示制御手段であると共に報知手段、エラー報知手段に相当し、CPU,RAM,ROMを備えたコンピュータと、該コンピュータと主制御回路121を結ぶ入力回路と、前記コンピュータと図柄表示装置43を結ぶ出力回路等で構成される。前記CPUは、内部に制御部,演算部,各種カウンタ,各種レジスタ,各種フラグ等を有し演算制御を行うようになっている。また、前記RAMは、記憶領域と前記CPUによる作業領域等を有しており、主制御回路121のRAMと同様にカウンタの取得数値等の各種データを記憶する。さらに、前記ROMには、図柄表示装置43の表示領域50への表示データや各種表示プログラム等の図柄データが書き込まれている。表示制御回路161は、主制御回路121と共に図柄表示装置に相当し、表示装置9(特には図柄表示装置43の表示領域50)に表示される遊技画像(特別図柄、普通図柄、図示はしないがキャラクタ、風景等の背景画像等)の表示制御に関する信号を主制御回路121から受信し、表示用データを設定して表示制御を行う。
中継回路141には遊技盤3に配設された大入賞装置15に係わるスイッチ、発光制御回路115には枠飾りランプ35、後述する枠側発光手段500、遊技盤側発光手段600、その他の発光体、LED等が接続されている。加えて、払出制御回路118には貸球払出装置96、発射制御回路119等が接続され、当該発射制御回路119には発射装置Hが接続されている。また、この払出制御回路118及びフォト分配回路146には賞球払出装置95が接続されており、音声制御回路112にはスピーカ37が接続されている。音声制御回路112及び発光制御回路115についても、それぞれに制御用CPU、制御データROM、制御データRAMが適式に備えられ(図示せず)、主制御回路121から送信される各種コマンド(リーチ、大当たり、小当たり、特別遊技状態実行中、特典遊技状態実行中等)を受信し、各種コマンドに応答した音声、発光が実行される。図示はしないが、各制御回路に対し電源装置(電源基板)から所定の電源供給が行われている。
前面装飾枠60は、図6に示すように、遊技枠体2と前面側枠体70によって構成される。遊技枠体2は、中央部分に遊技盤3を収容する遊技盤収容開口部2Aが形成され、その周囲には遊技盤押さえ位置と遊技盤押さえ解除位置とに回動可能な遊技盤押さえ部が4箇所設けられて、遊技盤3を保持するように構成されている。
前面側枠体70は、遊技枠体2の前面側に設けられるとともに、表示装置9の表示領域50を前面側から視認可能な視認領域75を有し、遊技領域6を保護するガラス板等の透明板からなる保護板を保持する。また、この前面側枠体70は、透明な樹脂体で形成されている。
この遊技機1では、図1,6に示すように、前面側枠体70の視認領域75の周囲に枠側発光手段500が設けられると共に、遊技盤3に表示装置9の表示領域50を跨って枠側発光手段500の光と視覚的な連続性を有するように発光する遊技盤側発光手段600が設けられている。
枠側発光手段500は、前面側枠体70が遊技盤3の前面側外周を覆うように設けられていることにより遊技盤3の前面側と重なる位置あるいは遊技盤3の重なる位置から遊技盤外(遊技盤3と重ならない位置)に跨って配置され、図7,8に示すように、電気的に光を発する発光体501と、発光体501の前面側に設けられて直線的な発光面511を有する第1レンズ体510と、発光体501の光を拡散させる第2レンズ体520と、反射部材540とを有している。実施例において、発光体501はLEDにより構成される。なお、図において、符号550は枠側発光手段500の前カバー体、555は前カバー体550の第1レンズ体510前面側位置に形成された切欠部、556は前カバー体550の後述する各第1装飾レンズ体510A前面側位置に形成された切欠部である。
第1レンズ体510は、図7,8に示すように、遊技機1の前面側に角柱形状に突出して形成されると共にLED501の発光部502に近接させて配置される。第1レンズ体510では、発光面511が角柱形状の前面側に発光部502の発光面積よりも大きく形成された前面発光面512と角柱形状の側面側に形成された側面発光面513とで構成される。また、第1レンズ体510では、前面発光面512が遊技機中心方向に傾斜した傾斜面であり、さらに、第1レンズ体510の各発光面512,513は平滑面で構成されている。前面発光面512を傾斜面とすれば、遊技機1の前面側に対してより広い発光面積で第1レンズ体510を発光させることができ、遊技者が視認しやすくなる。
第1レンズ体510としては、発光体501の光を直線的に発光させる際により効果的な発光を可能とするために透明度が高い材料で形成することが好ましく、例えば、ガラス、石英ガラス、アクリル樹脂、メタクリル酸メチル等が好適に用いられる。なお、図中の符号510Aは第1レンズ体510と同一材料で異なる形状に形成されて発光体501に近接配置された複数の第1装飾レンズ体、515は第1レンズ体510及び各第1装飾レンズ体510Aを一体に配置するための支持板である。
第2レンズ体520は、図7,8に示すように、第1レンズ体510の前面及び側面発光面512,513を覆う形状で構成されると共に、表面に光を拡散させるための拡散部525が形成されている。実施例の第2レンズ体520は、複数の拡散面521が角錐台状に配置されてなり、その内面側に凹凸面として形成された拡散部525を有する。また、図中の符号520Aは第1装飾レンズ体510Aを覆う形状で構成され第2レンズ体520と同様に発光体501の光を拡散させる第2装飾レンズ体、526は第2レンズ体520及び各第2装飾レンズ体520Aの間に形成された切欠部である。なお、実施例では、第2レンズ体520及び各第2装飾レンズ体520Aが単一部材として一体に形成されている。
第2レンズ体520は、図9に示すように、レンズ可動手段530により第1レンズ体510と重なるように配置される第1位置と第1レンズ体510と重なる位置以外に配置される第2位置とに可動可能に構成される。実施例において、第1位置は、図9(a)に示すように、第2レンズ体520が第1レンズ体510に対して遊技機1の前面側に配置されて重なる位置である。第2位置は、図9(b)に示すように、第2レンズ体520がレンズ可動手段530によって第1位置から遊技機1の上方側または下方側に移動されて第2レンズ体520に隣接する切欠部526が第1レンズ体510に対して遊技機1の前面側に配置される位置である。また、第1位置では、各第2装飾レンズ体520Aが対応する第1装飾レンズ体510Aの前面側に配置され、第2位置では、第2レンズ体520とともに遊技機1上方側に移動されて各切欠部526が対応する各第1レンズ体510Aの前面側に配置される。なお、レンズ可動手段530としては、公知のソレノイド等が好適に用いられる。
反射部材540は、図7,8に示すように、第1レンズ体510の側面発光面513から出射する光を反射する反射体541を備える。反射体541は、図10に示すように、角柱形状の第1レンズ体510側面513の全周を囲うように配置された反射面542を有し、第1レンズ体510の遊技機中心方向の側面513Aに対面する反射面542Aとその反対側の反射面542Bが傾斜して形成されるとともに、他の反射面542C,542Dが第1レンズ体510の側面513と平行に形成される。また、反射体541は、各第1装飾レンズ体510Aに対しても同様に配置される。なお、各反射体541には公知のメッキ処理が施されている。
ここで、枠側発光手段500の発光状態について説明すると、図8,13に示すように、発光部501が拡散させて照射する光は第1レンズ体510内に入射され、前面発光面512より第1レンズ体510内を直進する光L1と第1レンズ体510内の側面513で反射する光L2が出射されると共に、側面発光面513より第1レンズ体510内の側面で反射されなかった光L3が出射される。また、側面発光面513より出射された光L3の一部(L4)は、反射部材540の反射体541(反射面542C,542D)により反射されて側面発光面513より再び第1レンズ体510内に入射され、前面発光面512より出射される。これにより、第1レンズ体510の側面発光面513から早期に光が出射されてしまうことを防止することができ、前面発光面512から出射される光を増幅させて遊技機1の前面方向により強く照射することができる。
そして、第2レンズ体520が第1レンズ体510の前面側で重なる第1位置に配置される場合(図9(a)参照)、前面発光面511より出射される光L1,L2,L4や側面発光面512より出射されるL3がそれぞれ拡散部525により拡散されるため、枠飾りランプ35等の通常の発光手段と同様に遊技枠体2を明るく装飾することができる。また、第1レンズ体510が透明な角柱形状であることにより、第1レンズ体510を多面的に光らせることができて第2レンズ体520によって拡散する際に発光のムラが抑制される。
一方、第2レンズ体520が第1レンズ体510の前面側で重ならない第2位置に配置される場合(図9(b)参照)、第1レンズ体510が切欠部526を介して遊技機1前面側から露出されるため、前面発光面511より出射される増幅された光L1,L2,L4を遊技者に対して視認可能にすることができる。なお、各第1装飾レンズ体510A及び各第2装飾レンズ体520Aにおいても、同様に構成されることはいうまでもない。
実施例の遊技機1において、枠側発光手段500は、遊技盤3の左上方の前面側に配置された第1枠側発光手段500Aと、その対角に位置する遊技盤3の右下方の前面側に配置された第2枠側発光手段500Bと、遊技盤3の右上方の前面側に配置された第3枠側発光手段500Cとを有し、第1枠側発光手段500Aと第2枠側発光手段500Bとが後述の遊技盤側発光手段600と視覚的な連続性を有する発光を行うように構成される。なお、第1枠側発光手段500A及び第3枠側発光手段500Cでは、第2レンズ体520は第1位置から遊技機1の上方側に移動して第2位置に配置される。第2枠側発光手段500Bでは、第2レンズ体520は第1位置から遊技機1の下方側に移動して第2位置に配置される。
遊技盤側発光手段600は、図12,13に示すように、電気的に光を発する発光体601と、発光体601の前面側に設けられて直線的な発光面611を有する遊技盤側レンズ体610とを有し、遊技盤側レンズ体610の前面側を遊技球Pが通過可能なように遊技盤3に埋設される。実施例において、発光体601はLEDにより構成される。また、遊技盤側レンズ体610は、第1レンズ体510と同様に透明度が高い材料で形成され、例えば、ガラス、石英ガラス、アクリル樹脂、メタクリル酸メチル等が好適に用いられる。図13の符号71は遊技領域6を保護するガラス板である。
この遊技盤発光手段600は、遊技盤3に形成された帯状開口部360に遊技盤発光体ユニット650を収容して構成されている。帯状開口部360は、図3に示すように、表示開口部300から表示領域50外方向へと枠側発光手段500と連なる位置まで連続するように帯状に開口して形成される。実施例では、図示のように、遊技盤3の左上方側から表示開口部300を介して右下方側に形成されている。
また、遊技盤3に帯状開口部360を形成するに際しては、開口部を広い範囲で形成することによってその強度が低下する恐れがあることから、表示開口部300から表示領域50外方向の遊技領域内まで開口して形成された第1帯状開口部361と、第1帯状開口部361と枠側発光手段500との間に該枠側発光手段500と連なる位置まで形成された第2帯状開口部362とに分割することが好ましい。この実施例では、表示開口部300から遊技盤3の右下方側に向かって直線状の第1帯状開口部361と第2帯状開口部362とが直列状に分割されて形成されている。なお、図中の符号365は、遊技盤3の左上方側から表示開口部300まで一体に開口した単一帯状開口部である。
遊技盤発光体ユニット650は、複数の発光体601を遊技盤3に一体に埋設するための部材であって、図12,13に示すように、発光体601を収容して遊技盤3内に埋設される収容部651と、帯状開口部360を前面側より塞ぐ開口閉塞部652と、開口閉塞部652に設けられ帯状開口部360を挟んで遊技盤3に取り付けるための取付固定部653とを有する。実施例では、遊技盤側レンズ体610が開口閉塞部652を兼ねる。この遊技盤発光体ユニット650にあっては、遊技盤3内に遊技盤側発光手段600を容易に埋設させることができるとともに、帯状開口部360を挟んで固定されることによって遊技盤3を補強することが可能となる。なお、図中の符号602はLEDである発光体601の基板、603はその接続コネクタ、604は発光体601を固定するための固定部材、654は収容部651に形成された接続コネクタ603のためのコネクタ開口部である。
また、遊技盤発光ユニット650では、第1帯状開口部361に収容される第1遊技盤発光体ユニット660と第2帯状開口部362に収容される第2遊技盤発光体ユニット670とを有すると共に、第1及び第2遊技盤発光体ユニット660,670が視覚的な連続性を有する一体形状を形成する発光態様となるように配置されている。ここで、第1及び第2遊技盤発光体ユニット660,670が形成する一体形状とは、第1遊技盤発光体ユニット660と第2遊技盤発光体ユニット670とを所定の形状が視認可能なように分割して配置された状態である。図1に図示の実施例では、直線形状に形成された第1及び第2遊技盤発光体ユニット660,670を直列状に分割して配置することにより、直線形状が視認可能に構成されている。なお、符号680は、単一帯状開口部365に収容される第3遊技盤発光体ユニットである。
そこで、表示装置9による表示態様(発光表示態様)と枠側発光手段500及び遊技盤側発光手段600による発光態様(直線発光態様)とによって実行される遊技演出(直線発光演出)について説明する。まず、通常時は、図9(a)及び図14に示すように、枠側発光手段500の第2レンズ体520が第1位置に配置される。その際、表示装置9の表示領域50内では適宜の表示態様が実行され、遊技盤側発光手段600は非発光状態(図14の二点鎖線)とされる。
直線発光演出が実行される際には、図9(b)及び図15に示すように、枠側発光手段500において第2レンズ体520が第2位置に配置されて第1レンズ体510が露出することにより増幅された光が遊技機1の前面側に照射される発光態様と、遊技盤側発光手段600において枠側発光手段500の発光態様と視覚的な連続性を有する発光態様と、表示装置9の表示領域50内において遊技盤側発光手段600の発光態様と視覚的な連続性を有する発光表示態様(第1発光表示態様)とがそれぞれ連動して実行される。
実施例では、まず、第1枠側発光手段500Aにて発光態様が実行され、続いて遊技盤側発光手段600の第3遊技盤発光体ユニット680が第1枠側発光手段500A側から表示装置9側に向かって発光され、表示装置9の表示領域50にて第3遊技盤発光体ユニット680と第1遊技盤発光体ユニット660を繋ぐ直線状の画像51を表示する発光表示態様(第1発光表示態様)が実行される。さらに、遊技盤側発光手段600の第1遊技盤発光体ユニット660及び第2遊技盤発光体ユニット670の発光の順に表示装置9側から第2枠側発光手段500B側に向かって発光されて、第2枠側発光手段500Bにて発光態様が実行される。これにより、表示領域50内で表示される発光表示態様が表示領域50を超えて遊技領域6内に留まらず遊技枠体2まで延長したように見せる演出を行うことが可能となり、特に、遊技枠体2側から通常より強い光が照射されるので、より迫力ある斬新な発光態様を遊技者に見せることができる。
次に、遊技機1の主制御回路121における制御システムを説明する。図5に示す主制御回路121のCPUの主なカウンタとしては、大当たり当否判定乱数用カウンタ、大当たり図柄乱数用カウンタ、リーチ乱数用カウンタ、特別図柄データ乱数用カウンタ、演出乱数用カウンタ等のカウンタがある。各カウンタの所定時に取得された数値は、主制御回路121のRAM内に最高4個まで格納される。なお、前記RAMに記憶された各カウンタの数値は、該カウンタに基づく一連の遊技動作処理がされた後にクリアされる。各カウンタの作動については以下に示す。
大当たり当否判定乱数用カウンタは、遊技の大当たり及び外れを判定する乱数カウンタであり、乱数範囲:0〜314である。このカウンタは、当該遊技機1における当否判定手段に相当し、遊技球の検出に起因して当否判定を抽選するカウンタである。これは、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、後記の主要乱数更新処理毎に1ずつ加算され、数値が‘314’に至ると、再び‘0’に戻って加算を繰り返す。当該カウンタの数値は、遊技球が始動入賞口10に入賞(入球)して始動入賞口検出スイッチによって検出されたときに取得され、予め決定されている大当たり数値、この実施例では通常図柄組合せである平時(低確率状態時)には‘7’と対比され、確変図柄組合せである確率変動状態時(高確率状態時)には‘7’,‘57’,‘107’,‘157’,‘207’,‘257’,‘307’との対比により大当たりか否か判断される。
また、当否の判定が終了するまでの間に、遊技球が始動入賞口10に入賞(入球)してカウンタの数値が再び取得されることがあるため、カウンタの記憶取得値(更新取得数値)は、現在判定中の取得値を含めず始動入賞口10のそれぞれの入球毎に最大4個が、主制御回路121のRAMにいったん格納され、順次判定に供される。
大当たり図柄乱数用カウンタは、前記の当否判定結果が当たりの場合に表示領域50に確定停止して揃う確定停止大当たり特別図柄組合せを決定するカウンタであり、乱数範囲:0〜11である。このカウンタは、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、後記の主要乱数更新処理毎に1ずつ加算され、数値が‘11’に至ると、再び‘0’に戻って加算を繰り返す。当該カウンタの数値は、遊技球が始動入賞口10に入賞(入球)して始動入賞口検出スイッチによって検出されたときに取得され、変動表示中の図柄に対するものを含めず始動入賞口10のそれぞれの入球毎に最大4個まで主制御回路121のRAMの特別図柄乱数記憶領域に格納される。前記大当たり図柄乱数用カウンタの数値には、各数値に対応する確定大当たり停止図柄組合せが予め割り当てられている。実施例においては、同カウンタの取得数値が‘0’の場合、左,中,右特別図柄は順に『0,0,0』、以下同様に‘1’の場合に『1,1,1』、‘2’の場合に『2,2,2』、‘3’の場合に『3,3,3』、‘4’の場合に『4,4,4』、‘5’の場合に『5,5,5』、‘6’の場合に『6,6,6』、‘7’の場合に『7,7,7』、‘8’の場合に『8,8,8』、‘9’の場合に『9,9,9』、‘10’の場合に『10,10,10』、‘11’の場合に『11,11,11』のぞろ目(全特別図柄同一)を確定大当たり停止図柄組合せとして最終的に確定停止表示する。
なお、本実施例において、大当たり図柄乱数用カウンタは、その取得数値により、当たり特別図柄が設定される他、確率変動状態になるか否かの設定等が決定され、当たり特別図柄の表示以降の遊技機が演出する遊技を主制御回路121内において、遊技制御手段として作用する。
リーチ乱数用カウンタは、大当たり当否判定乱数による大当たり当否判定結果が外れとなる場合において、リーチ状態となるか否かを決定するカウンタであり、乱数範囲:0〜126である。このカウンタは、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、後記の主要乱数更新処理毎に1ずつ加算され、数値が‘126’になると、再び‘0’に戻って加算を繰り返す。当該カウンタの数値は、遊技球が始動入賞口10に入賞(入球)して始動入賞口検出スイッチによって検出されたときに取得され、当否判定結果が外れの場合、その数値が予め決定されているリーチ成立数値と対比されてリーチ状態成立か否か判断される。
この実施例では、リーチ成立数値は、‘5’,‘17’,‘28’,‘40’,‘51’,‘63’,‘74’,‘86’,‘97’,‘109’,‘120’となっており、リーチ乱数用カウンタの取得数値が当該リーチ成立数値となった場合には、リーチ状態が成立する。当該リーチ乱数用カウンタの取得数値は、主制御回路121のRAMに所定数、この例では、決定中の数値を含めず始動入賞口10のそれぞれの入球毎に最大4個まで格納される。実施例では、前記大当たり当否判定乱数用カウンタによる大当たり当否判定結果が大当たりとなる場合には、必ずリーチ状態が成立するため、リーチ乱数用カウンタは使用されない。
特別図柄データ乱数用カウンタは、前記大当たり当否判定乱数用カウンタによる大当たり当否判定結果が外れとなる場合において、表示領域50に確定停止表示する外れ特別図柄組合せの決定に用いられる。この特別図柄データ乱数用カウンタは、表示領域50に確定停止表示する左特別図柄を決定する特別図柄データ1の乱数用カウンタと、中特別図柄を決定する特別図柄データ2の乱数用カウンタと、右特別図柄を決定する特別図柄データ3の乱数用カウンタより構成され、いずれの特別図柄データ乱数用カウンタとも、乱数範囲:0〜11である。
特別図柄データ1の乱数用カウンタは、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、後記の主要乱数更新処理毎に1ずつ加算され、数値が‘11’になると、再び‘0’に戻って加算を繰り返す。特別図柄データ2の乱数用カウンタは、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、特別図柄データ1の乱数用カウンタが‘0’に更新された際に1ずつ加算され、数値が‘11’になると、再び‘0’に戻って加算を繰り返す。特別図柄データ3の乱数用カウンタは、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、特別図柄データ2の乱数用カウンタが‘0’に更新された際に1ずつ加算され、数値が‘11’になると、再び‘0’に戻って加算を繰り返す。各カウンタの取得数値は、主制御回路121のRAMに所定数、この例では、決定中の数値を含めず始動入賞口10のそれぞれの入球毎に最大4個まで格納される。このため、各特別図柄データの乱数用カウンタの各乱数範囲が同一であっても、当該各カウンタが同期(同一の組合せで加算)するのを避けることができる。
各特別図柄データの乱数用カウンタの数値には、各数値に対応する図柄が予め割り当てられている。実施例では、それぞれのカウンタの各取得数値に対し、当該取得数値が‘0’の場合に『0』、‘1’の場合に『1』、‘2’の場合に『2』、‘3’の場合に『3』、‘4’の場合に『4』、‘5’の場合に『5』、‘6’の場合に『6』、‘7’の場合に『7』、‘8’の場合に『8』、‘9’の場合に『9』、‘10’の場合に『10』‘11’の場合に『11』とする特別図柄が割り当てられている。こうして、外れ時の表示領域50に確定停止表示する左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄組合せが決まる。
演出乱数用カウンタは、下記の表1の変動パターンテーブルより表示装置9に表示される表示態様や各種役物の動作等の遊技等による演出の変動パターンを選択するカウンタであり、乱数範囲:0〜198である。演出乱数用カウンタは、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、後記の主要乱数更新処理毎に1ずつ加算され、数値が‘198’になると、再び‘0’に戻って加算を繰り返す。この演出乱数用カウンタの取得数値は、主制御回路121のRAMに所定数、実施例では、決定中の数値を含めず始動入賞口10のそれぞれの入球毎に最大4個まで格納される。
この演出乱数用カウンタは、当否判定条件の成立に基づいて表示装置9に表示される表示態様を選択する表示態様選択手段に相当し、変動パターンテーブルの変動パターンが有する複数の表示態様で構成された表示態様群の中から表示態様を選択する。実施例において、表示態様群に含まれる複数の表示態様は、表示領域50にキャラクタ等の各種図柄を75000ms間変動表示させる第1通常表示態様、各種図柄を15000ms間変動表示させる第2通常表示態様、各種図柄を12000ms間変動表示させる第3通常表示態様、各種図柄を15000ms間変動表示させるとともに遊技盤側発光手段が形成する発光態様と視覚的な連続性を有する発光図柄を表示させる発光表示態様である。
また、演出乱数用カウンタは各種役物の動作等の遊技演出の選択も行う。実施例において、選択される演出としては、枠側発光手段500の第2レンズ体520が第1位置に配置されるようにレンズ可動手段530を制御し枠側発光手段500を点灯し続ける第1通常発光態様、枠側発光手段500の第2レンズ体520が第1位置に配置されるようにレンズ可動手段530を制御し枠側発光手段500を短い間隔で点滅を繰り返す第2通常発光態様、枠側発光手段500の第2レンズ体520が第1位置に配置されるようにレンズ可動手段530を制御し枠側発光手段500を前記第2通常発光態様より長い間隔で点滅を繰り返す第3通常発光態様、表示態様選択手段が発光表示態様を選択したことに基づいて枠側発光手段500の第2レンズ体520が第2位置に配置されるようにレンズ可動手段530を制御し枠側発光手段500と遊技盤側発光手段600とを視覚的な連続性を有するように発光させる直線発光態様等を含む。
ここで、変動パターン1,3,11,14は第1通常表示態様及び第1通常発光態様を実行し、変動パターン2,4,12,13,15は発光表示態様及び直線発光態様を実行し、変動パターン5は第3通常表示態様及び第2通常発光態様を実行し、変動パターン6,17は第1通常表示態様及び第3通常発光態様を実行し、変動パターン7,18は第2通状表示態様及び第3通常発光態様を実行し、変動パターン8,16,19は第3通常表示態様及び第3通常発光態様を実行する。
通常状態において大当たり当否判定乱数による大当たり当否判定結果が当たりの場合、変動パターン1,2が用いられ、同当否判定結果が外れの場合、リーチ有りならば変動パターン3,4,5が用いられ、リーチ無しならば変動パターン6,7,8が用いられる。確率変動状態において大当たり当否判定乱数による大当たり当否判定結果が当たりの場合、変動パターン11,12,13が用いられ、同当否判定結果が外れの場合、リーチ有りならば変動パターン14,15,16が用いられ、リーチ無しならば変動パターン17,18,19が用いられる。
主制御回路121に設けられるフラグとしては、大当たりフラグ、大当たり終了フラグ、始動入賞口入賞フラグ、特別遊技実行中フラグ、確変(確率変動)フラグ、リーチフラグ、時短フラグ、普通図柄当たり(小当たり)フラグ等の種々のフラグが挙げられる。なお、これらのフラグは、初期設定時には全てOFFにセットされている。
実施例の遊技機1の主制御回路121が実行する処理を以下のフローチャートを用い説明する。主制御回路121のCPUは同回路のROM内に記憶されている各種プログラムに従いメイン処理Mを実行する。メイン処理Mにおいては、図16のフローチャートから理解されるように、初期設定(S1)、割り込み禁止処理(S2)、主要乱数更新処理(S3)、割り込み許可処理(S4)、割り込み処理(S10)が行われる。
初期設定(S1)では、スタックの設定、定数設定、CPUの設定、割り込み時間の設定、SIO,PIO,CTCの設定等が行われる。メイン処理Mは割り込み時間毎に繰り返し行われるが、初期設定(S1)は電源投入時のみ必要となるため最初の1順目のみ実行され、以降は実行されない。割り込み禁止処理(S2)では、実施例の場合、4msec毎に割り込み処理(S10)が入ってきても所定の割り込み許可条件が満たされるまで、割り込みを禁止する。主要乱数更新処理(S3)では、前記の各カウンタの乱数値が同更新処理(S3)を経る毎に1ずつ加算更新され、前記の対応した乱数の上限値に至ると‘0’に戻り、再度加算が始まる。更新された各乱数は主制御回路121のRAM内に記憶される。割り込み許可処理(S4)では、4msec毎に入ってくる割り込み処理(S10)に許可を与える。
割り込み処理(S10)においては、図17のフローチャートから理解されるように、出力処理(S100)、入力処理(S200)、主要乱数更新処理(S300)、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)、普通動作処理(S500)、特別動作処理(S1000)、保留球数処理(S1500)、その他の処理(S1600)が行われる。
出力処理(S100)では、各処理により主制御回路121のRAMのコマンドバッファ内に出力データの有無が確認され、出力データがある場合には、当該出力バッファ内の出力データが各々の制御回路に出力される。出力データがない場合には、データの出力は行われず終了する。出力データには、特別遊技状態、特典遊技状態、確率変動状態(確変状態)等の各種遊技状態のコマンド、エラー報知のコマンド等がある。
入力処理(S200)では、遊技機1に備えられている各種のセンサ(検出スイッチ)による検出信号がある場合の信号入力が行われる。
主要乱数更新処理(S300)では、前記のメイン処理Mにて行われている主要乱数更新処理(S3)と同様の処理が行われる。
始動入賞口スイッチ検出処理(S400)では、図18のフローチャートから理解されるように、始動入賞口10へ遊技球が入賞したか、すなわち、始動入賞口10への遊技球の入球が始動入賞口検出スイッチにより検出されたか否か確認される(S401)。始動入賞口への入賞確認が無ければ当該始動入賞口スイッチ検出処理(S400)は終了する。始動入賞口への遊技球の入賞がある場合、主制御回路121のRAM(検出数記憶手段に相当)に記憶されている特別図柄用の保留球数が4以上であるか否か確認される(S402)。ここで、保留球数が4以上の場合、保留球数の設定限度を超えているため、当該始動入賞口スイッチ検出処理(S400)は終了する。
保留球数が4以上でない(4未満)場合、特別図柄用の保留球数に、始動入賞口検出スイッチにて検出した遊技球検出数が1加算される(S403)。続いて、主制御回路121のRAM内に記憶されている特別図柄に関係する乱数値が取得され、現在の保留球数に対応するRAMアドレスに当該取得乱数がセーブ(記憶、保存)される(S404)。S404にて取得される乱数とは、大当たり当否判定乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、特別図柄データ乱数、演出乱数等である。現在の保留球数に対応するRAMアドレスに当該取得乱数がセーブされるとは、例えば、現在の保留球数が1の場合、この保留球数1に対応するRAMアドレスに前記の乱数値がセーブされることであり、以下保留球数に応じて同様にセーブされる。
普通動作処理(S500)では、普通図柄の当否判定、図柄設定に関連する乱数の取得が行われ、普通図柄当たり(小当たり)の判定、普通図柄の変動や停止、始動入賞口10の開閉等の普通図柄に関連する処理が行われる。本発明の説明にあたり、普通図柄の処理の詳細については省略する。
特別動作処理(S1000)においては、図19のフローチャートから理解されるように、外れ特別図柄作成処理(S1010)が行われ、特別動作ステータスが1か否か(S1020)、特別動作ステータスが2か否か(S1030)、特別動作ステータスが3か否か(S1040)確認される。特別動作ステータスが各所定値に該当する場合、特別図柄待機処理(S1100)、特別図柄変動処理(S1200)、特別図柄確定処理(S1300)に進む。特別動作ステータスが1,2,3のいずれにも該当しない場合、つまり特別動作ステータスが4である場合には、特別電動役物処理(S1400)が行われる。
外れ特別図柄作成処理(S1010)では、図20のフローチャートから理解されるように、前記の始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得されRAM内に記憶されている特別図柄データ1のアドレス値が格納元アドレス値にセットされ(S1011)、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得されRAM内に記憶されている特別図柄データ3が判定値としてロード(読み出し)される(S1012)。次に、前出の判定値としての特別図柄データ3の乱数と、格納元アドレス値に記憶されている特別図柄データ1の乱数が互いに一致しているか否か確認される(S1013)。両乱数値が一致の場合、当該外れ特別図柄作成処理(S1010)は終了し、外れ特別図柄のデータは更新されない。両乱数値が一致しなければ、主制御回路121のRAMにおける外れ特別図柄のデータ格納先アドレス値と、外れ特別図柄として転送される特別図柄データ1,2,3のアドレス値がセットされる(S1014)。特別図柄データ1,2,3の乱数値が外れ特別図柄のデータ格納先に転送され、外れ特別図柄1(左特別図柄),2(中特別図柄),3(右特別図柄)として格納され(S1015)、本処理(S1010)は終わる。前記の特別図柄1,2,3とは、表示領域50に確定停止表示される外れ特別図柄である。
S1020において特別動作ステータスが1である場合の特別図柄待機処理(S1100)は、図21のフローチャートから理解されるように、保留球数の有無が確認され(S1101)、保留球数が0である場合、表示領域50が特別図柄の変動中であるか否か(待機画面中であるか否か)確認される(S1102)。待機画面中でなければ、表示領域50を待機画面にする待機画面設定処理が行われ(S1103)、待機画面中であればそのまま当該特別図柄待機処理(S1100)を終了する。前記の保留球数有無の確認(S1101)にて保留球数が0ではない場合、特別図柄大当たり判定処理(S1110)、特別図柄選択処理(S1120)、特別図柄変動パターン作成処理(S1130)、特別図柄乱数シフト処理(S1150)、特別図柄変動開始設定処理(S1160)が実行される。
特別図柄大当たり判定処理(S1110)では、図22のフローチャートから理解されるように、主制御回路121のRAM内に記憶されている大当たり当否判定乱数が判定値としてロードされ(S1111)、確率変動状態時(高確率状態時)及び通常遊技状態時(低確率状態時)における大当たり成立数値を定めた大当たり判定値テーブルが格納されているRAMのアドレスがセットされる(S1112)。続いて、現在確率変動状態時(高確率状態時)か否か、つまり確変中であるか否か確認される(S1113)。確変中の確認は、主制御回路121内に備えられている確変フラグがON(高確率状態)またはOFF(低確率状態)のいずれかであるかによって行われる。確変中の場合、高確率状態時における大当たり成立数値と前記S1111にてロードされた大当たり当否判定乱数が一致するか否かにより、大当たり成立か否か確認される(S1114)。また、確変中でない場合、低確率状態時における大当たり成立数値と前記S1111にてロードされた大当たり当否判定乱数が一致するか否かにより、大当たり成立か否か確認される(S1115)。いずれにおいても大当たり当否判定乱数の一致が確認されると大当たり成立となり、大当たりフラグがONにセットされる(S1116)。前記のS1114、S1115において大当たりが不成立となる場合、当該特別図柄大当たり判定処理(S1110)は終了する。
特別図柄選択処理(S1120)では、図23のフローチャートから理解されるように、大当たりフラグがONであるか否か確認され(S1121)、同大当たりフラグがON(大当たり成立)である場合、大当たり図柄乱数に基づく図柄が表示領域50に確定停止表示される大当たり特別図柄組合せとしてセットされる(S1122)。
S1121において大当たりフラグがONでない場合(つまり外れの場合)、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得され主制御回路のRAM内に記憶されているリーチ乱数がロードされ、前出のリーチ成立数値と一致するか否か確認される(S1123)。両数値が一致の場合、リーチは成立となり、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得されRAM内に記憶されている特別図柄データ1が表示領域50に確定停止表示される左,右特別図柄としてセットされ(S1124)、当該特別図柄データ1に1が加算され(S1125)、この加算後のデータが表示領域50に確定停止表示される中特別図柄としてセットされる(S1126)。
S1123においてロードされたリーチ乱数がリーチ成立数値と一致しない場合、すなわちリーチ無しの場合、外れ特別図柄作成処理(S1010)にて作成された外れ特別図柄1,2,3の格納(セット)されているアドレス値が、格納元アドレス値としてセットされ(S1127)、続いて格納先アドレス値として停止特別図柄1,2,3のアドレスがセットされる(S1128)。そして、それぞれの格納元アドレスから格納先アドレスにデータの転送が行われる(S1129)。以上の各処理を伴い、特別図柄選択処理(S1120)は終了する。停止特別図柄1,2,3とは、順に、表示領域50に確定停止表示される停止左特別図柄、停止中特別図柄、停止右特別図柄である。
特別図柄変動パターン作成処理(S1130)では、図24のフローチャートから理解されるように、大当たりフラグがONであるか否か確認される(S1131)。同大当たりフラグがON(大当たり成立)である場合、遊技状態が確率変動状態(確変状態)か否か確認される(S1132)。確変状態である場合、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得され主制御回路のRAM内に記憶されている演出乱数用カウンタの乱数値がロードされ、表1に示す変動パターンテーブルの変動パターン(確変当たりパターン)11,12,13よりいずれかの変動パターンが選択される(S1133)。変動パターン11は演出乱数値が0〜140の場合に選択されその出現率は141/199、変動パターン12は同乱数値が141〜160の場合に選択されその出現率は20/199、変動パターン13は同乱数値が161〜198の場合に選択されその出現率は38/199である。
S1132において、確変状態でない、すなわち、通常の特別遊技状態である場合、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得され主制御回路のRAM内に記憶されている演出乱数用カウンタの乱数値がロードされ、表1に示す変動パターンテーブルの変動パターン(通常当たりパターン)1,2よりいずれかの変動パターンが選択される(S1134)。変動パターン1は演出乱数値が0〜194の場合に選択されその出現率は195/199、変動パターン2は同乱数値が195〜198の場合に選択されその出現率は4/199である。
S1131において、同大当たりフラグがONでない、すなわち、大当たりフラグがOFF(大当たり不成立)である場合、リーチ状態が成立しているか否か確認される(S1135)。リーチ状態が成立している場合、遊技状態が確変状態か否か確認され(S1136)、確変状態である場合は、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得され主制御回路のRAM内に記憶されている演出乱数用カウンタの乱数値がロードされ、表1に示す変動パターンテーブルの変動パターン(確変リーチ外れパターン)14,15,16よりいずれかの変動パターンが選択される(S1137)。変動パターン14は演出乱数値が0の場合に選択されその出現率は1/199、変動パターン15は同乱数値が1〜18の場合に選択されその出現率は19/199、変動パターン16は同乱数値が19〜198の場合に選択されその出現率は179/199である。
S1136において、確変状態でない、すなわち、通常遊技状態である場合、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得され主制御回路のRAM内に記憶されている演出乱数用カウンタの乱数値がロードされ、表1に示す変動パターンテーブルの変動パターン(通常リーチ外れパターン)3,4,5よりいずれかの変動パターンが選択される(S1138)。変動パターン3は演出乱数値が0の場合に選択されその出現率は1/199、変動パターン4は同乱数値が1〜18の場合に選択されその出現率は19/199、変動パターン5は同乱数値が19〜198の場合に選択されその出現率は179/199である。
S1135において、リーチ状態が成立していない場合、遊技状態が確変状態か否か確認される(S1139)。確変状態である場合、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得され主制御回路のRAM内に記憶されている演出乱数用カウンタの乱数値がロードされ、表1に示す変動パターンテーブルの変動パターン(確変外れパターン)17,18,19よりいずれかの変動パターンが選択される(S1140)。変動パターン17は演出乱数値が0の場合に選択されその出現率は1/199、変動パターン18は同乱数値が1〜18の場合に選択されその出現率は19/199、変動パターン19は同乱数値が19〜198の場合に選択されその出現率は179/199である。
S1139において、確変状態でない、すなわち、通常遊技状態である場合、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得され主制御回路のRAM内に記憶されている演出乱数用カウンタの乱数値がロードされ、表1に示す変動パターンテーブルの変動パターン(通常外れパターン)6,7,8よりいずれかの変動パターンが選択される(S1141)。変動パターン6は演出乱数値が0の場合に選択されその出現率は1/199、変動パターン7は同乱数値が1〜18の場合に選択されその出現率は19/199、変動パターン8は同乱数値が19〜198の場合に選択されその出現率は179/199である。
いずれにおいても各変動パターンの選択が行われた後、その他の必要な処理が行われ(S1142)、当該特別図柄変動パターン作成処理(S1130)は終了する。
特別図柄乱数シフト処理(S1150)では、主制御回路内RAMの保留球数のデータ記憶領域において、ロード順位(読み出し順位)1位のアドレスの記憶領域に記憶されていた保留球数のデータが、既述の処理によりロードされ空席となることに起因して、ロード順位2位以下のアドレスに記憶されている保留球数のデータに対しロード順位を1ずつ繰り上げるアドレスのシフトが行われる。図25のフローチャートから理解されるように、はじめに主制御回路のRAMに記憶されている保留球数から1減算される(S1151)。具体的には保留球数が3ならば2となる。次に各保留球数に対応するデータが各保留球数から1減算した保留球数のRAMアドレスにシフトされる(S1152)。続いて、最上位(ロード順位が最後、実施例では4個目)の保留球数に対応するRAMアドレスに0がセットされる(S1153)。
特別図柄変動開始設定処理(S1160)では、特別動作ステータスが2に設定され、同時に特別図柄の変動開始等に関する必要な処理が行われる。この処理(S1160)の後、特別図柄待機処理(S1100)は終了する。
前記の図19の特別動作処理(S1000)から把握されるとおり、S1030にて特別動作ステータスが2である場合に行われる特別図柄変動処理(S1200)では、図26のフローチャートから理解されるように、まず、特別動作タイマ判定処理(S1201)が行われる。同処理においては、特別動作タイマ=0か否か、つまり変動パターンテーブル(表1参照)内より選択された変動パターンの変動時間(msec)に対応する特別動作タイマが設定されると共にこの減算が行われる。そこで、特別動作タイマ=0か否か、つまり変動パターンの変動時間終了か否か確認され(S1202)、特別動作タイマが0でない場合、すなわち変動時間の残余がある場合には特別図柄変動処理(S1200)は終了する。特別動作タイマが0である場合、すなわち変動時間終了の場合、変動停止図柄用のテーブルのアドレスがセットされ(S1203)、変動停止図柄のデータの格納(S1204)、特別動作ステータスの3へのセット(S1205)、その他の必要な処理(S1206)が実行され、当該特別図柄変動処理(S1200)は終了する。
同じく図19の特別動作処理(S1000)から把握されるとおり、S1040にて特別動作ステータスが3である場合に行われる特別図柄確定処理(S1300)では、図27のフローチャートから理解されるように、大当たりフラグがONであるか否か確認され(S1301)、同大当たりフラグがON(大当たり成立)である場合、ラウンドカウンタがセットされ(S1302)、特別動作ステータスが4にセットされる(S1303)。また、大当たりフラグがONでない場合(つまり外れの場合)、特別動作ステータスが1にセットされる(S1304)。それぞれの特別動作ステータスのセット後、特別図柄確定処理(S1300)は終了する。実施例では、ラウンドカウンタは15回にセットされる。
さらに図19の特別動作処理(S1000)から把握されるとおり、S1020,S1030,S1040にて特別動作ステータスが1,2,3のいずれにも該当しない場合、すなわち特別動作ステータスが4である場合に行われる特別電動役物処理(S1400)では、図28及び図29のフローチャートから理解されるように、確変フラグがOFFにセットされ(S1401)、大当たり終了フラグがON(大当たり遊技終了)であるか否か確認される(S1402)。大当たり終了フラグがONではない、すなわち大当たり遊技が終了ではない場合、現在大入賞装置15の開閉板が開放中か否か確認され(S1403)、大入賞装置15が開放中でない(閉鎖中)場合、大入賞装置15の開放時間か否か、つまり大当たり動作タイマが0であるか否か確認される(S1404)。ここで、大当たり動作タイマが0である場合には大入賞装置15の開放処理が行われ(S1405)、大当たり動作タイマが0でない場合にはそのまま特別電動役物処理(S1400)を終了する。
S1403において、現在大入賞装置15の開閉板が開放中である場合、大入賞装置15内(入賞球数カウントスイッチ)で検出された入賞球数が10個に達したか(S1406)、ラウンド時間(実施例では30秒)を経過したか(S1407)のいずれかであるか否か(つまりラウンド終了条件を満たしているか否か)確認され、いずれでもない場合、当該特別電動役物処理(S1400)を終了する。これに対し、10個の入賞、ラウンド時間経過のいずれかが満たされている場合、大入賞装置15の開閉板の閉鎖処理が行われ(S1408)、ラウンドカウンタの値から1ずつ減算が行われる(S1410)。大入賞装置閉鎖処理(S1408)では、大入賞装置の閉鎖のコマンドが表示制御回路161にも送信可能に出力バッファにセットされる。
続いて、ラウンドカウンタが0であるか否か、つまり特別遊技(大当たり遊技)状態の終了が確認され(S1410)、同ラウンドカウンタが0でなければそのまま特別電動役物処理(S1400)は終了する。ラウンドカウンタが0である場合には、大当たり終了処理が行われ(S1411)、主制御回路RAM内の特別図柄用の保留球数記憶領域に記憶されている大当たり乱数データが大当たり終了コマンドと共に表示制御回路161へ送信可能に出力バッファにセットされる。その後、大当たり終了フラグはONにセットされ(S1412)、特別電動役物処理(S1400)は終了する。
前記のS1402において、大当たり終了フラグがON(すなわち大当たり遊技終了)である場合、大当たり終了フラグがOFFにセットされ(S1413)、大当たりフラグもOFFにセットされる(S1414)。次に確定停止図柄が確変図柄(実施例では奇数のぞろ目)であるか否か確認され(S1415)、確変図柄である場合、確変フラグがONにセットされ(S1416)、特別動作ステータスが1にセットされ(S1417)、特別電動役物処理(S1400)は終了する。確定停止図柄が確変図柄と異なる図柄の場合、そのまま特別動作ステータスが1にセットされ(S1417)、特別電動役物処理(S1400)は終了する。
図17に開示の割り込み処理(S10)において、上記の特別動作処理(S1000)に続く保留球数処理(S1500)では、図30のフローチャートから理解されるように、記憶されている保留球数がロードされ(S1501)、そのロードされた保留球数が出力バッファにセットされ(S1502)、本処理(S1500)は終わる。
その他の処理(S1600)では、その他の遊技に必要な処理が適式に行われる。以上、開示の各処理を経て割り込み処理(S10)は終了する。
次に、図31,32に示す第2実施例に係る遊技機1Aについて説明する。なお、以下の説明において、第1実施例と同一の符号は同一の構成を表すものとして、その説明を省略する。
遊技機1Aでは、遊技枠体2の内側に透明なアクリル樹脂等の材料からなる遊技盤3Aが着脱交換可能に収容され、内側ガイドレール4や外側ガイドレール5が設けられ、遊技球が転動可能な遊技領域(遊技面)6には入賞口等の役物が設けられている。この遊技機1Aでは、各種役物が遊技盤3Aと同様に透明なアクリル樹脂等の材料で形成され、各入賞口には遊技盤3Aの裏面側へ誘導するための開口部が形成されている。
遊技盤3Aの裏面側には、該遊技盤3Aと略同一かそれよりも大きい表示領域50Aを有した表示装置9Aが配置され、表示領域50Aが透明な材料で形成された遊技盤3Aを介して前面側から透視可能に構成される。これにより、遊技者が前面側から視認可能な前面側枠体70の視認領域75全面において、特別図柄や装飾図柄等の各種図柄を表示することができる。また、この表示装置9Aの表示領域50Aに表示される複数の表示態様で構成された表示態様群には、枠側発光手段500が形成する発光態様と視覚的な連続性を有する発光表示態様(第2発光表示態様)が含まれている。なお、遊技機1Aは、表示装置9Aとして液晶表示器が用いられた全画面液晶の遊技機である。表示装置9Aとしては、液晶表示器の他、有機EL、CRT、その他の表示手段で構成されていてもよい。
実施例の遊技機1Aにおいて実行される遊技演出(直線発光演出)では、まず、第1枠側発光手段500Aにて第2レンズ体520が第2位置に配置される発光態様が実行され、続いて表示装置9Aの表示領域50Aにて第1枠側発光手段500Aと第2枠側発光手段500Bとを繋ぐ直線状の画像を表示する発光表示態様(第2発光表示態様)が実行され、さらに第2枠側発光手段500Bにて第2レンズ体520が第2位置に配置される発光態様が実行される。この実施例の表示領域50Aは、透明な遊技盤3Aを介して前面から透視可能であるため、直線状の画像56が分割されず一体に表示される。これにより、表示領域50A内で表示される直線状の発光表示態様が表示領域50Aを超えて遊技領域6内に留まらず遊技枠体2に跨って表示されたように見せる演出を行うことが可能となり、特に、遊技枠体2側から通常より強い光が照射されるので、より迫力ある斬新な発光態様を遊技者に見せることができる。
なお、本発明の遊技機は、前述の実施例のみに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の一部を適宜に変更して実施することができる。例えば、実施例では、帯状開口部を表示開口部から表示領域外方向へと枠側発光手段と連なる位置まで連続するように帯状に開口して形成したが、複数箇所に開口して帯状に配置した破線状等の形状としてもよい。
また、実施例の枠側発光手段では、第1レンズ体の周囲に反射部材を配置する構成としたが、図33〜図36に示すように、反射部材540Aの反射体545が第1レンズ体510の側面発光面513と面する位置に配置される反射位置と第1レンズ体510の側面発光面513からの光の出射を許容する位置に配置される非反射位置とに可動させる反射体可動手段546を備えるように構成してもよい
反射体545は、図33〜図36に示すように、第1レンズ体510及び各第1装飾レンズ体510Aを一体に配置するための支持板515に固設された固定反射体545Aの周囲を囲むように配置される。反射体545及び固定反射体545Aは、第1実施例の反射体541と同様に、公知のメッキ処理が施されるとともに遊技機中心方向の側面とその対向面が傾斜して形成されている。
反射体可動手段546は、図33,34に示すように、第2レンズ体520に一体に形成された摺動突部547と反射部材540Aに形成された摺動凹部548とからなる。この反射可動手段546では、図34(a)に示すように、第2レンズ体520が第1位置に配置されている場合、すなわち、通常時の場合に摺動突部547と摺動凹部548とが係合されて、反射体545を非反射位置に配置するように構成される。反射体545の非反射位置とは、図34(a)及び図35に示すように、固定反射体545Aと重なって配置される位置である。図35に図示の非反射位置では、第1レンズ体510内に入射された光Lのうち、側面で反射されずに側面発光面513から出射される光L3の一部(L4)が固定反射体545Aで反射されて前面発光面512から出射される。
一方、図34(b)に示すように、第2レンズ体520が第1位置から第2位置に可動する場合、すなわち、表示態様選択手段が発光表示態様を選択した場合に摺動凹部548の傾斜面548Aが摺動突部547に押圧されて摺動し、反射部材540Aが遊技機1前面側に可動されて、反射体545が反射位置に配置される。反射位置とは、図34(b)及び図36に示すように、反射体545が遊技機1前面側に可動されて、固定反射体545Aに囲まれていない第1レンズ体510の側面発光面513を囲む位置である。図36に示す反射位置では、側面発光面513から出射される光L3が反射体545と固定反射体545Aの双方で反射されて前面発光面512から出射される(L5,L4)。これにより、反射体545が非反射位置にある場合に比してより強力な光を前面発光面512から照射することが可能となり、演出の迫力をさらに向上させることができる。
また、実施例の遊技機では、枠側発光手段と遊技盤側発光手段と表示装置による遊技演出として、視覚的な連続性を有する直線状の演出(直線発光演出)を行うように構成したが、これに限らず、枠側発光手段の発光態様を利用した適宜の遊技演出を実行することができる。
例えば、図37に示すように、表示装置9の表示領域50を跨いで曲線形状に形成された遊技盤側発光手段600Aを設け、枠側発光手段500と遊技盤側発光手段600Aと表示装置9の表示領域50とによって発光時に視覚的な連続性を有する曲線形状の演出を実行するようにしてもよい。図示の例では、第1枠側発光手段500Aと表示領域50との間に曲線状の第3遊技盤発光体ユニット680Aが配置されるとともに、表示領域50と第2枠側発光手段500Bとの間に曲線状の第1遊技盤発光体ユニット660Aと第2遊技盤発光体ユニット670Aとが曲線形状に視認可能なように分割して配置され、表示領域50にて第3遊技盤発光体ユニット680Aと第1遊技盤発光体ユニット660Aとを繋ぐ適宜の発光表示態様(図の例では曲線状の画像51A)が表示される。
また、図38に示すように、表示装置9の表示領域50を跨いで折れ線(稲妻)形状に形成された遊技盤側発光手段600Bを設け、枠側発光手段500と遊技盤側発光手段600Bと表示装置9の表示領域50とによって発光時に視覚的な連続性を有する折れ線形状の演出を実行するようにしてもよい。図示の例では、第1枠側発光手段500Aと表示領域50との間に折れ線状の第3遊技盤発光体ユニット680Bが配置されるとともに、表示領域50と第2枠側発光手段500Bとの間に折れ線状の第1遊技盤発光体ユニット660Bと第2遊技盤発光体ユニット670Bとが折れ線形状に視認可能なように分割して配置され、表示領域50にて第3遊技盤発光体ユニット680Aと第1遊技盤発光体ユニット660Aとを繋ぐ適宜の発光表示態様(図の例では直線状の画像51B)が表示される。
さらに、図39に示すように、表示装置9の表示領域50を跨いで逆八の字形状に形成された遊技盤側発光手段600Cを設け、枠側発光手段500と遊技盤側発光手段600Cと表示装置9の表示領域50とによって発光時に視覚的な連続性を有するV字形状の演出を実行するようにしてもよい。図示の例では、第1枠側発光手段500Aと表示領域50との間に直線状の第3遊技盤発光体ユニット680Cが配置されるとともに、表示領域50と第3枠側発光手段500Cとの間に直線状の第1遊技盤発光体ユニット660Cと第2遊技盤発光体ユニット670Cとが直線形状に視認可能なように分割して配置され、表示領域50にて第3遊技盤発光体ユニット680Cと第1遊技盤発光体ユニット660Cとを繋ぐ適宜の発光表示態様(図の例ではV字状の画像51C)が表示される。
また、図示しないが、遊技盤側発光手段の発光態様及び表示領域の発光表示態様において、直線状、曲線状、折れ線状、V字状等を適宜組み合わせて、より多様な形状を構成してもよい。これら各遊技演出によれば、第1実施例と同様に、表示領域50内で表示される発光表示態様が表示領域50を超えて遊技領域6内に留まらず遊技枠体2まで延長したように見せる演出を行うことが可能となり、迫力ある斬新な発光態様を遊技者に見せることができる。
さらに、表示装置の表示領域を前面側から透視可能な遊技盤を備えるとともに表示装置が枠側発光手段の光と視覚的な連続性を有するような表示態様で表示可能に構成された遊技機においても、表示領域に直線状、曲線状、折れ線状、V字状等の適宜の表示態様を表示することによって、より多様な演出を実施することができる。
また、第1実施例では、遊技盤の前面側から表示装置の表示領域を視認可能とするために、前記遊技盤に表示装置を取り付けるための表示開口部を設けたが、前記遊技盤を透明なアクリル樹脂等の材料で形成し、透明な遊技盤を介して前面側から表示領域を視認(透視)可能に構成してもよい。この透明遊技盤を用いることにより、透明遊技盤を介して遊技盤側発光手段を発光させることが可能となるため、遊技盤に帯状開口部を形成せずに遊技盤側発光手段を適宜の位置に配置することができる。従って、遊技盤側発光手段の配置の自由度が格段に向上し、より多彩な演出が可能となる。さらに、遊技盤に開口部を過剰に形成する必要がなくなるため、遊技盤の強度が低下する恐れがなくなるとともにより簡易な構成とすることができる。