(第1の実施の形態)
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機を説明する図である。
遊技機10は島設備に固定される本体枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(ハウジング)12及びガラス枠15によって構成されている。
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12を開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図4参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a,18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a,18bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図5参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図5参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と、をさらに備える。
演出操作装置は、操作ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態(普電サポート状態又は時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)、大当り状態(特別遊技状態)である。
ここで、確変状態は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン28は、遊技機10に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図5参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可能な下皿23とが設けられている。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から発射される遊技球の遊技領域32への到達位置(飛距離)は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど遠くなるように設定されている。
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図2を参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。また、図3は、本発明の第1の実施の形態の振分装置33を中心とした遊技盤30の拡大正面図である。
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41の表示画面には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ通路40aと、ワープ通路40aを通過した遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステージ部40b中央に設けられるガイド40gは、振分装置入口33aの上方に配置されているため、ステージ部40b上を転動した遊技球は振分装置33に入球した後、特図1始動入賞口36(図3参照)又は特図2始動入賞口1(37)(図3参照)に入賞しやすくなっている。
センターケース40の左側方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ34a(図4参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲーム(普図ゲーム)が実行される。
ワープ通路40aの入口の上部であって、普図始動ゲート34の右方には、特別変動入賞装置39が設けられている。特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(図4参照)によって可動片39cの上端側が左側に倒れる方向に回動することで大入賞口を開放する。特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた閉塞状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口内には、大入賞口に入賞した遊技球を検出するカウントスイッチ39a(図4参照)が配設されている。
センターケース40の左下方の遊技領域32には2つの一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32には1つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ35a図4参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、振分装置33が配置され、振分装置33の内部には、図3に示すように特図変動表示ゲームの開始条件を付与する特図1始動入賞口(第1始動入賞領域)36と特図2始動入賞口1(第2始動入賞領域)37が設けられる。
ここで、図3を参照して振分装置33について説明する。振分装置33は、ステージ部40b中央に設けられるガイド40gの直下に遊技球が入球可能な幅をもつ振分装置入口33aが形成される。振分装置33の略中央部には、振分装置入口33aを通過してきた遊技球を1球ずつ左右に振り分ける振分部材33bが設けられる。
振分部材33bの左下方には特図1始動入賞口36が備えられ、振分部材33bの右下方には特図2始動入賞口1(37)が備えられる。そのため、振分装置入口33aを通過した遊技球は振分部材33bによって1球ずつ左方、右方と順に振り分けられ、特図1始動入賞口36と特図2始動入賞口1(37)に順に入賞する。ただし、振分装置33の側面は開放されており、流下勢の強い遊技球の一部は、始動入賞口に入賞せずに破線矢印で示す飛び出しルートに沿って振分装置33の内部から遊技領域32へと飛び出す。
また、図2を参照して説明を続ける。振分装置33の左方の遊技領域32には、普図ゲームが当りとなった場合に普電ソレノイド38bによって開閉扉(可動部材)38cの上端部が前方に倒れる方向に回動することで開放される特図2始動入賞口2(第2始動入賞領域、普通変動入賞装置)38が設けられる。
一般入賞口35、特図1始動入賞口36、特図2始動入賞口1(37)、特図2始動入賞口2(38)、及び特別変動入賞装置39の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図4参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。遊技領域32の最下端には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、を有している。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38、39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、特別変動入賞装置39、一般入賞口35、特図1始動入賞口36、特図2始動入賞口1(37)又は特図2始動入賞口2(38)に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、特図1始動入賞口36、特図2始動入賞口1(37)、特図2始動入賞口2(38)又は特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図4参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づいて普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって特図2始動入賞口2(38)が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド38b(図4参照)が駆動されることにより、可動部材38cが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、特図2始動入賞口2(38)への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の特図1始動入賞口36への入賞、特図2始動入賞口1(37)及び特図2始動入賞口2(38)への入賞は、始動口1スイッチ36a(図4参照)、始動口2スイッチ1(37a)、始動口2スイッチ2(38a)によって検出される。特図1始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、特図2始動入賞口1(37)及び特図2始動入賞口2(38)に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。
遊技制御装置100は、特図1始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、特図2始動入賞口1(37)及び特図2始動入賞口2(38)への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる変動表示ゲームが実行される。
表示装置41における変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。
特図1始動入賞口36又は特図2始動入賞口1(37)への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(図4参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
表示装置41における変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特図1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、特図2始動入賞口1(37)内の始動口2スイッチ1(37a)、特図2始動入賞口2(38)内の始動口2スイッチ2(38a)、カウントスイッチ39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技機10の遊技制御系のブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。更に、主基板上にDC−DCコンバータを設けて、電源装置400から供給された高電圧を主基板上で所定の電圧に変換するように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100には初期化スイッチ112が設けられている。初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づいて遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、現在の遊技状態としての特図2始動入賞口2(38)の動作状態(通常動作状態あるいは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62、特図1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、特図2始動入賞口1(37)内の始動口2スイッチ1(37a)、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特図2始動入賞口2(38)の始動口2スイッチ2(38a)、特別変動入賞装置39のカウントスイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することが可能となっており、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ1(37a)、始動口2スイッチ2(38a)及びカウントスイッチ39aの検出信号は第2入力ポート123に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は第3入力ポート124に入力される。
また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号や、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号も入力されるようになっている。枠電波不正信号は前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づいて出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ1(37a)、始動口2スイッチ2(38a)の検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63及び前面枠12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特図2始動入賞口2(38)を開閉させるソレノイド(普電ソレノイド)38b、特別変動入賞装置39を開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)39bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド38bや大入賞口ソレノイド39bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電流が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122、123、124のようなポートは設けられていない。
〔演出制御装置〕
次に、図5を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態の遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。RTC338は、電源装置400と独立して又は並行して電池339から常時給電され遊技機10への電源が遮断されても計時機能を継続する。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた操作ボタン25に内蔵されている操作ボタンスイッチ25a、操作ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づいて、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、普図表示器53に、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に当りの結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、特図2始動入賞口2(38)の可動部材38cを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材38c)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、特図1始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づいて始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、特図2始動入賞口1(37)に備えられた始動口2スイッチ1(37a)及び特図2始動入賞口2(38)に備えられた始動口2スイッチ2(38a)からの遊技球の検出信号の入力に基づいて始動記憶を記憶し、始動記憶に基づいて、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、特別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(特図1始動入賞口36、特図2始動入賞口1(37)、特図2始動入賞口2(38))の入賞に基づいて変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づいて、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した変動表示ゲームを表示する。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づいて、演出状態の設定や、スピーカ19a、19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の可動片39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づいて、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。高確率状態は、特図変動表示ゲームにおいて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づいて高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づいて、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び特図2始動入賞口2(38)を時短動作状態とする制御を行い、特図2始動入賞口2(38)が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの特図2始動入賞口2(38)の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000msが1000ms)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604ms)よりも短い第2停止時間(例えば704ms)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって特図2始動入賞口2(38)が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100ms)よりも長い第2開放時間(例えば1352ms)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、特図2始動入賞口2(38)の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで特図2始動入賞口2(38)を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材38cを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも一方のみを発生させることも可能である。
〔遊技機の稼働の遷移〕
次に、図6を用いて、遊技機10の稼動状態について説明する。図6は、本発明の第1の実施の形態の遊技機10の稼働の状態遷移図である。
遊技機10は、電源が投入されて起動すると、まず客待ち状態(ST1)となる。客待ち状態では、表示装置41に客待ちデモプレイ画面が表示される。客待ちデモプレイ画面は複数のパターンがあり、例えば、時間によって切り替えられる。
特図1始動入賞口36、特図2始動入賞口1(37)又は特図2始動入賞口2(38)に遊技球が入賞すると、遊技機10の稼働状態は、客待ち状態から変動状態(ST2)に遷移する。後続の入賞が発生せずに変動表示ゲームが終了してから所定時間が経過すると、遊技機10は再び客待ち状態(ST1)に遷移する。
一方、変動表示ゲームにおいて特別図柄が大当り態様で停止した場合には、遊技機10は、変動状態(ST2)から大当り状態(ST3)へ遷移する。大当り状態(ST3)では、表示装置41に大当り中の画面演出が表示され、所定のラウンドにわたって、大入賞口が開放される。
大当り状態(ST3)が終了すると、始動記憶がある場合には、変動状態(ST2)へ遷移する。一方、大当り状態(ST3)の終了後、始動記憶がなく、所定時間が経過すると、客待ち状態(ST1)へ遷移する。
このように、遊技機10の稼働状態はST1、ST2、ST3の閉じた3状態のうちのいずれかの状態にあり、入賞又は大当りを契機として状態が遷移する。
〔遊技状態〕
次に、図7を用いて、遊技機10の遊技状態について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態の遊技機10の遊技状態の状態遷移図であり、(a)は遊技機10の状態遷移図、(b)は特図1変動表示ゲームにおける大当りの種類(大当りラウンド数と大当り後の遊技状態)の割合を示す円グラフであり、(c)は特図2変動表示ゲームにおける大当りの種類(大当りラウンド数と大当り後の遊技状態)の割合を示す円グラフである。
図7(a)に示すように、入賞の抽選結果(変動表示ゲームの結果)によって、遊技機10の遊技状態が遷移する。停電時を除き、電源投入後の遊技機10の遊技状態(確率状態)は、大当り確率が通常の確率である通常状態となる。
通常状態において、変動表示ゲームの結果がはずれである場合には、遊技機10は、再び通常状態となる。
通常状態において、変動表示ゲームの結果が小当りである場合には、遊技機10は、小当り状態(A)を経て再び通常状態となる。小当りとなる確率は、本実施形態では、例えば、1/200に設定される。
通常状態において、変動表示ゲームの結果が2R大当りである場合には、遊技機10は、2R大当り状態(B)を経て電サポありの高確率状態(D)に遷移する。普電サポート(電サポ)ありの高確率状態(D)では、次回の大当りまで電サポ(時短状態、即ち普図ゲーム高確率状態)を伴って通常状態よりも高い確率で大当りとなる。
電サポあり高確率状態(D)における次の大当りが、特図1変動表示ゲームにおける大当りである場合には、2R大当り(B)又は15R大当り(C)となり(図7(b)参照)、特図2変動表示ゲームにおける大当りである場合には、15R大当り(C)となる(図7(c)参照)。
通常状態において、変動表示ゲームの結果が15R大当りである場合には、遊技機10は、15R大当り状態(C)を経て電サポありの高確率状態(D)又は電サポのみありの低確率状態(E)に遷移する。電サポのみありの低確率状態(E)では、100回の変動が終了するまで電サポを伴って高確率状態よりも低い確率で大当りとなる。
ここで、図7(b)に示すように、本実施形態では、例えば、特図1変動表示ゲームにおける大当りでは、38%の割合で15R確変大当りとなる。15R確変大当りとは、15R大当りの後に高確率状態(D)に遷移する大当りである。また、特図1変動表示ゲームにおける大当りでは、38%の割合で15R通常大当りとなる。15R通常大当りとは、15R大当りの後に低確率状態(E)に遷移する大当りである。また、特図1変動表示ゲームにおける大当りでは、24%の割合で2R確変大当りとなる。2R確変大当りとは、2R大当りの後に高確率状態(D)に遷移する大当りである。
図7(c)に示すように、本実施形態では、例えば、特図2変動表示ゲームにおける大当りでは、62%の割合で15R確変大当りとなり、38%の割合で15R通常大当りとなる。
また、本実施形態では、通常状態における大当り確率(2R大当り又は15R大当りとなる確率)は、1/349に設定される。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図8A及び図8Bに示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
次に、遊技制御装置100における制御内容について説明する。
まず、メイン処理について説明する。図8A及び図8Bは、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。
図8Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。続いて、割込み発生時のジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行し(A1002)、さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1003)。
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1004)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、遊技制御装置100は、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(A1005)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理を実行する(A1006)。
さらに、遊技制御装置100は、電源投入ディレイタイマを設定する(A1007)。電源投入ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1012)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(A1008)、停電監視信号がオンである否かを判定する(A1009)。
遊技制御装置100は、停電監視信号がオンである場合には(A1009の結果が「Y」)、ステップA1008の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1010)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1010の結果が「N」)、ステップA1009の停電監視信号がオンであるか否かを判定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンでない場合(A1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1011)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1012)。タイマの値が0でない場合(A1012の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の停電監視信号のチェック回数を設定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1012の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、読出し書込み可能なメモリ(RAM)のアクセスを許可し(A1013)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1014)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(A1015)。さらに、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたか否かを判定する(A1016)。
遊技制御装置100は、初期化スイッチがオフである場合には(A1016の結果が「N」)、RAM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1017)。そして、正常であれば(A1017の結果が「Y」)、RAM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1018)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1018の結果が「Y」)、RAM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1019)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1020)。チェックサムが一致する場合には(A1020の結果が「Y」)、図8BのステップA1021の処理に移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を実行する。
また、遊技制御装置100は、初期化スイッチがオンである場合(A1016の結果が「Y」)、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1017の結果が「N」、又は、A1018の結果が「N」)、チェックサムが正常でない場合には(A1020の結果が「N」)、図8BのステップA1026の処理に移行して初期化処理を実行する。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づいてRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
遊技制御装置100は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(A1021)。初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、遊技制御装置100は、RAM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(A1022)。
ここで、遊技制御装置100は、遊技状態が高確率状態でない場合には(A1022の結果が「N」)、ステップA1023及びステップA1024の処理をスキップして、ステップA1025の処理に移行する。また、遊技状態が高確率状態である場合には(A1022の結果が「Y」)、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(A1023)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(A1024)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信し(A1025)、ステップA1031の処理を実行する。
一方、ステップA1016,A1017,A1018,A1020の実行後にステップA1026の処理を実行する場合には、遊技制御装置100は、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定する(A1026)。さらに、ビジー信号ステータス領域を含むすべてのRAM領域を0クリアし(A1027)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(A1028)。
そして、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1029)。初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。さらに、遊技制御装置100は、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板に送信し(A1030)、ステップA1031の処理を実行する。
なお、ステップA1025の処理で送信される停電復旧時のコマンド及びステップA1030の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1,2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
遊技制御装置100は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータによりタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1031)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
ステップA1031のCTC起動処理の実行後、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(A1032)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRAMの所定領域にセーブし(A1033)、割込みを許可する(A1034)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1035)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
ステップA1035の初期値乱数更新処理の後、遊技制御装置100は、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(A1036)、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1037)。停電監視信号がオンでない場合には(A1037の結果が「N」)、ステップA1035の初期値乱数更新処理に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(A1035)の前に割込みを許可する(A1034)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待機させられることで割込み処理が圧迫されることを回避することができる。
なお、ステップA1035の初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要がある。一方、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合には(A1037の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、ステップA1036の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1038)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1038の結果が「N」)、ステップA1037に戻り、停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1038の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止し(A1039)、全出力ポートにオフデータを出力する(A1040)。
その後、遊技制御装置100は、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1041)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1042)。さらに、RAMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1043)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1044)。最後に、RAMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1045)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRAMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づいてRAM111cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRAMに退避させる(A1301)。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1302)。さらに、各種処理でセットされた出力データに基づいて、ソレノイド(普電ソレノイド38b、大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理を実行する(A1303)。なお、メイン処理におけるステップA1004の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200や演出制御装置300に出力するコマンド送信処理を実行し(A1304)、さらに、乱数更新処理1(A1305)、乱数更新処理2(A1306)を実行する。その後、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ1(37a)、始動口2スイッチ2(38a)、カウントスイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1307)。なお、コマンド送信処理の詳細については次の図10において後述する。
さらに、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行し(A1308)、続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1309)。なお、特図ゲーム処理の詳細については図15において後述する。
次に、遊技制御装置100は、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1310)。
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1311)。さらに、電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理を実行する(A1312)。
その後、遊技制御装置100は、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1313)。続いて、遊技制御装置100は、割込み要求をクリアする(A1314)。最後に、ステップA1301の処理で退避したレジスタのデータを復帰させ(A1315)、割込みを許可し(A1316)、その後、タイマ割込み処理を終了する。
〔コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込処理におけるコマンド送信処理(A1304)について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態のコマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
コマンド送信処理は、遊技制御装置100が、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンド、を演出制御装置300に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置200に送信する処理である。
遊技制御装置100は、まず、演出制御装置300に対して各種の演出制御コマンドを送信するための演出制御コマンド送信処理を実行する(A1401)。演出制御コマンド送信処理の詳細については、次の図11において説明する。
次に、遊技制御装置100は、払出制御装置200に対して賞球の払出指令などの払出コマンドを送信するための払出コマンド送信処理を実行し(A1402)、タイマ割込み処理に復帰する。払出コマンド送信処理の詳細については、図14において説明する。
演出制御装置300へのコマンド送信も払出制御装置200へのコマンド送信もシリアル通信で送信される。払出制御装置200への通信は、不正信号を受け付けない様に暗号化してもよい。
〔演出制御コマンド送信処理〕
次に、前述のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(A1401)について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の演出制御コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、送信コマンドをRAMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RAMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかチェックし(A1501)、未送信コマンドの有無を判定する(A1502)。ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一である場合には(A1502の結果が「N」)、未送信のコマンドがないため、本処理を終了する。
一方、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には(A1502の結果が「Y」)、未送信のコマンドがあるため、遊技制御装置100は、リードカウンタを「+1」更新し(A1503)、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))から未送信のコマンドをロードする(A1504)。
次に、遊技制御装置100は、取得したコマンドが格納されていた領域(MODE(上位バイト))をリセットし(A1505)、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(A1506)。
最後に、遊技制御装置100は、取得したコマンドが格納されていた領域(ACTION(下位バイト))をリセットし(A1507)、演出制御コマンドを演出制御装置300へ送信する演出制御コマンド出力処理を実行し(A1508)、本処理を終了する。演出制御コマンド出力処理の詳細については、次の図12において説明する。
〔演出制御コマンド出力処理〕
次に、前述の演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(A1508)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の演出制御コマンド出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、出力する演出制御コマンドとしてコマンド(MODE)データを準備し(A1601)、コマンド(MODE)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備して(A1602)、コマンドデータ出力処理を実行する(A1603)。コマンドデータ出力処理の詳細については、次の図13において説明する。
その後、出力する演出制御コマンドとしてコマンド(ACTION)データを準備し(A1604)、コマンド(ACTION)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備してから(A1605)、コマンドデータ出力処理を実行する(A1606)。
〔コマンドデータ出力処理〕
次に、前述の演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(A1603,A1606)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態のコマンドデータ出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、ポートの直前の状態が失われないようにするため、演出制御コマンド出力をシュミットバッファ134に格納する(A1701)。
次に、遊技制御装置100は、演出制御コマンドを演出制御装置300へ出力(A1702)し、ストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持してオフ状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を付加して出力する(A1703)。
次に、遊技制御装置100は、次のA1704で、ストローブ信号をオフ状態にすべき時間(オフ時間)が終了したか否か判定する。ここで、オフ時間が終了していないと判定する場合に(A1704の結果が「N」)、A1702へ戻って上記処理を繰り返す。
一方、遊技制御装置100は、オフ時間が終了したと判定する場合に(A1704の結果が「Y」)、ストローブ信号のオン状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定する(A1705)。続いて、A1701でロードしたデータを保持するレジスタ上で、出力ポート134のストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持したままストローブ信号をオン状態に設定する(A1706)。そして、演出制御コマンドを出力し(A1707)、オン状態(ハイレベル)のストローブ信号を演出制御装置300へ出力する(A1708)。
次に、遊技制御装置100は、ストローブ信号をオン状態にすべき時間(オン時間)が終了したか否か判定する(A1709)。ここで、オン時間が終了していない場合に(A1709の結果が「N」)、A1707へ戻って上記処理を繰り返す。また、A1709で、オン時間が終了した場合に(A1709の結果が「Y」)、A1710へ移行して、オフ状態のストローブ信号を設定してから(A1710)、オフ状態のストローブ信号を出力して(A1711)、本処理を終了する。
A1707で演出制御コマンドを再度出力しているのは、A1707〜A1709のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによって、コマンドコードが変わってしまうのを回避することもできる。なお、このA1704及びA1709は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、上述のコマンド送信処理における払出コマンド送信処理(A1402)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の払出コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるか否かをチェックする(A1801)。入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置に出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(例えば、2個賞球、3個賞球、10個賞球、13個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づいて対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であることに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
遊技制御装置100は、ステップA1801の入賞数カウンタ領域2にカウントがあるか否かをチェックする処理においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるか否かを判定する。
遊技制御装置100は、入賞数カウンタ領域2にカウント数がない場合には(A1801の結果が「N」)、チェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新する(A1802)。さらに、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したか否かを判定する(A1803)。
遊技制御装置100は、すべてのチェックが終了した場合には(A1803の結果が「Y」)、ステップA1810の処理に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない場合には(A1803の結果が「N」)、ステップA1801の処理に戻り、ステップA1801からステップA1803までの処理を繰り返す。
また、遊技制御装置100は、カウント数がある場合には(A1801の結果が「Y」)、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(A1804)、対象の入賞数カウンタ領域に対応する賞球数を取得する(A1805)。そして、賞球残数領域の値と取得した賞球数を加算して新たな賞球残数として賞球残数領域にセーブする(A1806)。なお、ステップA1806の処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、遊技制御装置100は、賞球残数領域の値がメイン賞球信号の出力の基準となる所定数である10以上か否かを判定する(A1807)。そして、10以上でない場合には(A1807の結果が「N」)、ステップA1810の処理に移行する。一方、10以上である場合には(A1807の結果が「Y」)、賞球残数領域の値からメイン賞球信号の出力の基準となる所定数である10を減算する(A1808)。さらに、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新し(A1809)、ステップA1807の処理に戻る。
以上の処理により、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
遊技制御装置100は、払出コマンド送信タイマが0でなければ−1更新し(A1810)、払出コマンド送信タイマが0になったか否かを判定する(A1811)。払出コマンド送信タイマが0でない場合には(A1811の結果が「N」)、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが0である場合には(A1811の結果が「Y」)、払出ビジー信号ステータスがアイドル状態であるか否かを判定する(A1812)。
払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号ともいえる。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。払出ビジー信号ステータスは、払出ビジー信号の状態に基づいて払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを設定した情報であって、払出制御を即座に開始可能なアイドル状態、払出制御を即座に開始可能でないビジー状態、状態が不定である不定状態のいずれかが設定される。
遊技制御装置100は、払出ビジー信号ステータスがアイドル状態でない場合には(A1812の結果が「N」)、払出コマンド送信処理を終了する。アイドル状態でない場合には、ビジー状態である場合と不定状態である場合が含まれる。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
なお、不定状態は、例えば電源投入時の処理でビジー信号ステータス領域がクリアされることで設定される。この不定状態は、払出ビジー信号の状態が、払出制御を即座に開始可能なこと又は不能なことを示す状態に所定期間に亘り維持されることに基づいて、アイドル状態又はビジー状態が設定されることで解消する。つまり、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御装置200に送信せず、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御装置200に送信する。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
遊技制御装置100は、払出ビジー信号ステータスがアイドル状態である場合には(A1812の結果が「Y」)、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるか否かをチェックする(A1813)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるか否かを判定する。
そして、遊技制御装置100は、カウント数がない場合には(A1813の結果が「N」)、チェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新し(A1814)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したか否かを判定する(A1815)。すべてのチェックが終了した場合には(A1815の結果が「Y」)、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない場合には(A1815の結果が「N」)、ステップA1813の処理に戻り、ステップA1813からA1815までの処理を繰り返す。
また、遊技制御装置100は、カウント数がある場合には(A1813の結果が「Y」)、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(A1816)、対象の入賞数カウンタ領域に対応する払出コマンドを取得する(A1817)。そして、払出コマンドを払出用シリアル送信バッファに格納し(A1818)、払出コマンド送信タイマに初期値を設定し(A1819)、その後、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として例えば200msが設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づいて所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かを示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本実施形態によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(一般入賞口35、特図1始動入賞口36、特図2始動入賞口1(37)、特図2始動入賞口2(38)、特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(一般入賞口35、特図1始動入賞口36、特図2始動入賞口1(37)、特図2始動入賞口2(38)、特別変動入賞装置39)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(一般入賞口35、特図1始動入賞口36、特図2始動入賞口1(37)、特図2始動入賞口2(38)、特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(一般入賞口35、特図1始動入賞口36、特図2始動入賞口1(37)、特図2始動入賞口2(38)、特別変動入賞装置39)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1308)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ1(37a)及び始動口2スイッチ2(38a)の入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ1(37a)及び始動口2スイッチ2(38a)の入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2601)。始動口スイッチ監視処理では、特図1始動入賞口36、特図2始動入賞口1(37)、特図2始動入賞口2(38)に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については次の図16において説明する。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(A2603)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(A2604)。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマの値が0である場合(A2604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(A2607)、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理を実行する(A2608)。
遊技制御装置100は、ステップA2608においてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する(A2609)。なお、特図普段処理の詳細については、図19において後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2608においてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理を実行する(A2610)。
遊技制御装置100は、ステップA2608においてゲーム処理番号が「2」の場合には、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理を実行する(A2611)。
遊技制御装置100は、ステップA2608においてゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A2612)。
遊技制御装置100は、ステップA2608においてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A2613)。
遊技制御装置100は、ステップA2608においてゲーム処理番号が「5」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理を実行する(A2614)。
遊技制御装置100は、ステップA2608においてゲーム処理番号が「6」の場合には、特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A2615)。
ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(A2616)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A2617)。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(A2618)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(A2619)。
一方、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A2604の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA2616に移行し、以降の処理を実行する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2601)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1始動入賞口(特図1始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2701)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2702)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA2706における特図始動口スイッチ共通処理とともに次の図17において説明する。
次に、遊技制御装置100は、普通電動役物(可動部材38c)が作動中である、すなわち、普通電動役物が作動して特図2始動入賞口2(38)に遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A2703)。普通電動役物が作動中である場合には(A2703の結果が「Y」)、ステップA2705以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合には(A2703の結果が「N」)、普電不正発生中であるか否かを判定する(A2704)。普電不正発生中であるか否かの判定では、特図2始動入賞口2(38)への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。特図2始動入賞口2(38)は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合には(A2704の結果が「N」)、特図2始動入賞口1(37)及び特図2始動入賞口2(38)による保留の情報を設定するテーブルを準備する(A2705)。続いて、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2706)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普電不正発生中である場合には(A2704の結果が「Y」)、本処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2702、A2706)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ1(37a)、始動口2スイッチ2(38a)の入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ1(37a)、始動口2スイッチ2(38a)のうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(A2801)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合には(A2801の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合には(A2801の結果が「Y」)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるか否かを判定する(A2802)。対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(A2802の結果が「N」)、すなわち、乱数が抽出されていない場合には、本処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合には(A2802の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(A2803)、当該監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(A2804)。
続いて、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ1(37a)、始動口2スイッチ2(38a)のうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードする(A2805)。さらに、ロードした始動口信号出力回数の値を+1更新し(A2806)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A2807)。
遊技制御装置100は、出力回数がオーバーフローしない場合には(A2807の結果が「N」)、更新後の値をRAMの始動口信号出力回数領域にセーブする(A2808)。一方、出力回数がオーバーフローする場合には(A2807の結果が「Y」)、ステップA2808の処理を実行せずにステップA2809の処理を実行する。
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ1、2(37a、38a)のうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かを判定する(A2809)。特図保留数が上限値未満である場合には(A2809の結果が「Y」)、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新する(A2812)。さらに、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(A2813)、コマンド設定処理を実行する(A2814)。
続いて、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチに対応する特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出し(A2815)、大当り乱数をRAMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2816)。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(A2817)、RAMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2818)。さらに、変動パターン乱数1から3を抽出して各乱数に対応するRAMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(A2819)。
最後に、遊技制御装置100は、特図保留情報判定処理を実行し(A2820)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については、次の図18において説明する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、特図1始動入賞口36や特図2始動入賞口1、2(37、38)の始動入賞領域への遊技球の流入に基づいて、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)は、特図1始動入賞口(特図1始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、特図2始動入賞口1(37)及び特図2始動入賞口2(38)への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
一方、遊技制御装置100は、特図保留数が上限値未満でない場合には(A2809の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備する(A2810)。その後、コマンド設定処理を実行し(A2811)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(A2820)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(特図変動表示ゲームの結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置100は、まず、特図始動口スイッチ共通処理のA2803に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ1(37a)又は始動口2スイッチ2(38a)の入力であるか否かをチェックして判定する(A2901、A2902)。そして、始動口2スイッチ1(37a)又は始動口2スイッチ2(38a)の入力がない場合には(A2902の結果が「N」)、遊技制御装置100は、特図2始動入賞口2(38)の開放延長機能が作動中、即ち、特図2始動入賞口2(38)が普電サポート(電サポ)中であるか否かを判定する(A2903)。
特図2始動入賞口2(38)がサポート中でない場合には(A2903の結果が「N」)、遊技制御装置100は、遊技機10が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する(A2904)。
遊技機10が大当り中でない場合には(A2904の結果が「N」)、遊技制御装置100は、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を行う(A2905)。
一方、A2903において、特図2始動入賞口2(38)が普電サポート(電サポ)中である場合か(A2903の結果が「Y」)、或いは、遊技機10が大当り中である場合には(A2904の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、今回の特図保留情報判定処理を終了する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のA2801に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合に、普電がサポート中、又は遊技機10が大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
また、始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ1(37a)又は始動口2スイッチ(38a)の入力である場合には(A2902の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、A2903、A2904の処理を行わずに、A2905に処理を移行して、それ以降の処理を行う。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のA2803に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ1(37a)又は始動口2スイッチ(38a)の場合は、普電がサポート中、又は遊技機10が大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
次に、遊技制御装置100は、大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(A2906の結果が「N」)、はずれ情報テーブルを設定し(A2907)、A2915へ移行する。一方、大当り判定処理の判定結果が大当りである場合には(A2906の結果が「Y」)、始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックする(A2908)。
そして、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36aの入力であると判定する場合には(A2909の結果が「Y」)、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備して(A2910)、A2912へ移行する。また、始動口1スイッチ36aの入力ではないと判定する場合には(A2909の結果が「N」)、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備して(A2911)、A2912へ移行する。
続けて、遊技制御装置100は、大当り図柄乱数をチェックし、対応する入賞情報ポインタを取得する(A2912)。そして、大当り情報テーブルアドレステーブルを設定した後(A2913)、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(A2914)、A2915へ移行する。
次に、遊技制御装置100は、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し(A2915)、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(A2916)。次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(A2917)、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(A2918)。例えば、始動口入賞演出図柄コマンドは、始動記憶に対応する事前判定結果(先読み結果)を演出制御装置300に対して通知するために使用される。
そして、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(A2919)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備し(A2920)、特図情報設定処理(A2921)を行う。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(A2922)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A2923)。ここで、前半変動パターンとは、リーチ状態になる前の変動のパターンであり、後半変動パターンとは、リーチ状態になった後の変動のパターンである。後半変動パターン設定処理(A2922)及び変動パターン設定処理(A2923)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
次に、遊技制御装置100は、前半変動パターンの前半変動番号に対応する変動(始動口入賞演出)コマンドのMODE部を算出して準備し(A2924)、後半変動パターンの後半変動番号の値を変動コマンドのACTION部として準備し(A2925)、これらを組み合わせて演出制御装置300に送る始動口入賞演出コマンドとして設定するコマンド設定処理を実行する(A2926)。続けて、始動口入賞演出図柄コマンドをロードし、準備して(A2927)、コマンド設定処理を実行する(A2928)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100は、A2924及びA2925の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらに、A2927の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して通知することが可能になっている。演出制御装置300は、保留変化予告として、変動表示装置41に表示されている始動記憶表示(保留表示)の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。ここで、遊技制御装置100は事前判定手段として機能し、演出制御装置300は事前報知手段として機能する。
〔特図普段処理〕
次に、前述の特図ゲーム処理における特図普段処理(A2609)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1及び特図2の保留数が0であるか否かをチェックし、判定する(A3001、A3002)。特図1及び特図2の保留数が0である場合には(A3002の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みであるか否かをチェックし、判定する(A3003、A3004)。
客待ちデモが開始済みでない場合には(A3004の結果が「N」)、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする(A3005)。そして、客待ちデモコマンドを準備し(A3006)、コマンド設定処理を実行する(A3007)。
客待ちデモが開始済である場合には(A3004の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、A3005からA3007の処理を実行せずに、A3008以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置100は、特図普段処理移行設定処理1を実行し(A3008)、本処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1では、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定した後、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、変動図柄判別フラグ領域をクリアする。さらに、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする。
特図1及び特図2の保留数が0でない場合には(A3002の結果が「N」)、遊技制御装置100は、最先の始動記憶は第1の始動記憶であるか否かを判定する(A3010)。最先の始動記憶が特図1の始動記憶である場合には(A3009の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、特図1変動開始処理を実行する(A3010)。特図1変動開始処理の詳細については、次の図20において説明する。
次に、遊技制御装置100は、特図1の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3011)、本処理を終了する。
一方、最先の始動記憶が特図1ではない場合には(A3009の結果が「N」)、遊技制御装置100は、特図2変動開始処理を実行する(A3012)。特図2変動開始処理の詳細については、図21において説明する。
次に、遊技制御装置100は、特図2の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3013)、本処理を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(A3010)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1の変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定して大当りフラグ1領域にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を行う(A3101)。次に、特図1の変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定して小当りフラグ1領域にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理を行う(A3102)。小当りフラグ1設定処理の詳細については、図22において説明する。
次に、遊技制御装置100は、特図1停止図柄の設定に係る特図1停止図柄設定処理を行った後(A3103)、特図1停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3104)。続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(A3105)、当該図柄情報をRAMの作業用の図柄情報領域にセーブする(A3106)。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動フラグを設定して(A3107)、特図1変動フラグをRAMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(A3108)。その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備して(A3109)、特図情報を設定する特図情報設定処理を行う(A3110)。
次に、遊技制御装置100は、特図1の変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を行った後(A3111)、特図1変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を行う(A3112)。その後、特図1の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を行って(A3113)、特図1変動開始処理を終了する。
変動開始情報設定処理(A3113)では、特図1変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、大当りフラグ1に設定される大当り情報/はずれ情報に対応する図柄コマンドなどが設定される。このように、遊技制御装置100が、第1始動記憶に基づいて、変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行する第1ゲーム実行手段をなす。
〔特図2変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理における特図2変動開始処理(A3012)の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2の変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定して大当りフラグ2領域にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理を行う(A3201)。次に、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定して小当りフラグ2領域にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ2設定処理(A3202)を行う。小当りフラグ2設定処理の詳細については、図23において説明する。
次に、遊技制御装置100は、特図2停止図柄の設定に係る特図2停止図柄設定処理(A3203)を行った後、特図2停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3204)。次に、図柄情報領域から図柄情報をロードし(A3205)、当該図柄情報をRAMの作業用の図柄情報領域にセーブする(A3206)。
次に、遊技制御装置100は、特図2変動フラグを設定し(A3207)、特図2変動フラグをRAMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(A3208)。その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図2用)を準備して(A3209)、特図情報を設定する特図情報設定処理を行う(A3210)。
次に、遊技制御装置100は、第2の特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を行った後(A3211)、第2特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を行う(A3212)。その後、特図2の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を行って(A3213)、特図2変動開始処理を終了する。
変動開始情報設定処理(A3213)では、特図2変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、大当りフラグ2に設定される大当り情報/はずれ情報に対応する図柄コマンドなどが設定される。このように、遊技制御装置100が、第2始動記憶に基づいて、変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する第2ゲーム実行手段をなす。
特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理により、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定される。特図変動表示ゲームの変動パターンとして設定される内容には、特図変動表示ゲームの実行時間や変動表示ゲームでの演出内容、識別情報の変動態様などがある。変動表示ゲームでの識別情報の変動態様には、リーチの変動パターンの他に、1回の始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて識別情報の変動表示を行い、識別情報を全て仮停止した後に識別情報全ての再変動表示を行う再変動表示動作を所定回行う擬似連続予告演出の変動パターンなどが含まれる。
〔小当りフラグ1設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理(A3102)の詳細について説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態の小当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、小当りフラグ1領域にはずれ情報の設定を行う(A3301)。次に、大当りフラグ1領域に設定された情報が大当り情報であるか否かをチェックし、判定する(A3302、A3303)。
大当りフラグ1領域の情報が大当り情報ではない場合には(A3303の結果が「N」)、遊技制御装置100は、特図1用の大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし(A3304)、特図1判定データを準備する(A3305)。
次に、遊技制御装置100は、ロードした大当り乱数に基づいて小当り判定処理を実行し(A3306)、判定結果が小当りであるか否かを判定する(A3307)。
判定結果が小当りである場合には(A3307の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、小当りフラグ1領域に小当り情報をセーブし(A3308)、特図1用の大当り乱数セーブ領域をクリアする(A3309)。その後、本処理を終了する。
一方、大当りフラグ1領域の情報が大当り情報である場合(A3303の結果が「Y」)又は小当り判定での判定結果が小当りではない場合には(A3307の結果が「N」)、遊技制御装置100は、A3308までの処理を実行せずに、A3309の処理を実行して本処理を終了する。
〔小当りフラグ2設定処理〕
次に、上述の特図2変動開始処理における小当りフラグ2設定処理(A3202)の詳細について説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の小当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、小当りフラグ2領域にはずれ情報の設定を行う(A3401)。次に、大当りフラグ2領域に設定された情報が大当り情報であるか否かをチェックし、判定する(A3402、A3403)。
大当りフラグ2領域の情報が大当り情報ではない場合には(A3403の結果が「N」)、遊技制御装置100は、特図2用の大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし(A3404)、特図2判定データを準備する(A3405)。
次に、遊技制御装置100は、ロードした大当り乱数に基づいて小当り判定処理を実行し(A3406)、判定結果が小当りであるか否かを判定する(A3407)。
判定結果が小当りである場合には(A3407の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、小当りフラグ2領域に小当り情報をセーブし(A3408)、特図2用の大当り乱数セーブ領域をクリアする(A3409)。その後、本処理を終了する。
一方、大当りフラグ2領域の情報が大当り情報である場合(A3403の結果が「Y」)又は小当り判定での判定結果が小当りではない場合には(A3407の結果が「N」)、遊技制御装置100は、A3408までの処理を実行せずに、A3409の処理を実行して本処理を終了する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると実行される。
演出制御装置300は、まず、割込みを禁止し(B1001)、CPUとVDPの初期設定を実行した後に割込みを許可する(B1002、B1003、B1004)。
次に、演出制御装置300は、表示用データの生成を許可し(B1005)、乱数シードを設定する(B1006)。次に、初期化すべき領域に電源投入後の初期値をセーブする(B1007)。
B1001からB1007のプログラム開始時の処理に続いて、演出制御装置300は、B1008からB1021までのループ処理を実行する。
ループ処理では、まず、WDT(WatchDogTimer)をクリアし(B1008)、操作ボタン25の操作に基づく入力信号に(立ち上がりエッジ)から入力情報を生成する操作ボタン入力処理を実行する(B1009)。操作ボタン入力処理では、操作ボタン25からの入力があった場合に、演出内容を変更する処理等を実行する。
次に、演出制御装置300は、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B1010)。
次に、演出制御装置300は、変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定するための乱数を更新する乱数更新処理を実行し(B1011)、遊技制御装置100等から受信したコマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B1012)。受信コマンドチェック処理の詳細は図25において説明する。
次に、演出制御装置300は、シナリオ設定処理、モーション制御処理、演出表示編集処理を実行し(B1013、B1014、B1015)、描画コマンドの準備終了を設定する(B1016)。演出表示編集処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定する。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
次に、演出制御装置300は、現在がフレームの切替タイミングであるか否かを判定する(B1017)。演出制御装置300は、フレームの切替タイミングとなるまで待機し(B1017の結果が「N」)、フレームの切替タイミングとなると(B1017の結果が「Y」)、画面描画をVDPに指示する(B1018)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。
次に、演出制御装置300は、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)に出力制御を行うサウンド制御処理、盤装飾装置46、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理を実行し(B1019、B1020、B1021)、WDTのクリア(B1008)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、前述のサブ側のメイン処理における受信コマンドチェック処理(B1012)について説明する。図25は、本発明の第1の実施の形態の受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、受信コマンドの有無の確認や受信したコマンドの解析を行う処理である。
演出制御装置300は、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(B3001)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B3002)。
コマンド受信数が0である場合には(B3002の結果が「N」)、演出制御装置300は、本処理を終了する。コマンド受信数が0ではない場合、つまりカウンタ値がある場合には(B3002の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(B3003)。
次に、演出制御装置300は、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーし(B3004)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新する(B3005)。
次に、演出制御装置300は、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(B3006)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していない場合には(B3006の結果が「N」)、演出制御装置300は、B3004及びB3005の処理を実行する。
コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了している場合には(B3006の結果が「Y」)、演出制御装置300は、コマンド領域の内容をロードし(B3007)、受信したコマンドを解析する受信コマンド解析処理を実行する(B3008)。受信コマンド解析処理の詳細は図26において説明する。
次に、演出制御装置300は、コマンド領域のアドレスを更新し(B3009)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定する(B3010)。解析が完了していない場合には(B3010の結果が「N」)、受信数分の解析が完了するまでB3007からB3009の処理を実行する。解析が完了した場合には(B3010の結果が「Y」)、本処理を終了する。
このように、本処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、前述した受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理(B3008)について説明する。図26は、本発明の第1の実施の形態の受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、受信したコマンドの解析を行う処理である。
演出制御装置300は、まず、コマンドの上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(B3101)、MODEが正常範囲であるか否かを判定する(B3102)。
MODEが正常範囲である場合には(B3102の結果が「Y」)、演出制御装置300は、ACTが正常範囲であるか否かを判定し(B3103)、ACTも正常範囲である場合には(B3103の結果が「Y」)、MODEに対するACTが正しい組み合わせであるか否かを判定する(B3104)。
ここで、MODEが正常範囲ではない場合(B3102の結果が「N」)、ACTが正常範囲ではない場合(B3103の結果が「N」)、MODEに対するACTが正しくない場合には(B3104の結果が「N」)、演出制御装置300は、コマンドの解析ができないため、後続の処理を実行せずに、本処理を終了する。
MODEに対するACTが正しい組み合わせである場合には(B3104の結果が「Y」)、演出制御装置300は、MODEが変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(B3105)。変動系コマンドには、変動パターンコマンド、停止図柄コマンドが含まれる。
MODEが変動系コマンドの範囲である場合には(B3105の結果が「Y」)、演出制御装置300は、変動系コマンド処理を実行し(B3106)、本処理を終了する。変動系コマンド処理の詳細は図27において説明する。
MODEが変動系コマンドの範囲ではない場合には(B3105の結果が「N」)、演出制御装置300は、MODEが大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(B3107)。大当り系コマンドには、ファンファーレコマンド、インターバルコマンド、エンディングコマンドが含まれる。
MODEが大当り系コマンドの範囲である場合には(B3107の結果が「Y」)、演出制御装置300は、大当り系コマンド処理を実行し(B3108)、本処理を終了する。
MODEが大当り系コマンドの範囲ではない場合には(B3107の結果が「N」)、演出制御装置300は、MODEが図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(B3109)。
MODEが図柄系コマンドの範囲である場合には(B3109の結果が「Y」)、演出制御装置300は、図柄系コマンド処理を実行し(B3110)、本処理を終了する。
MODEが図柄系コマンドの範囲ではない場合には(B3109の結果が「N」)、演出制御装置300は、MODEが単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(B3111)。単発系コマンドには、客待デモコマンド、保留数コマンド、停電復旧コマンド、電源投入コマンド、確率情報コマンド、エラーコマンド、RTCコマンドが含まれる。
MODEが単発系コマンドの範囲である場合には(B3111の結果が「Y」)、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を実行し(B3112)、本処理を終了する。
MODEが単発系コマンドの範囲ではない場合には(B3111の結果が「N」)、演出制御装置300は、MODEが先読み系コマンドの範囲であるか否かを判定する(B3113)。先読み系コマンドには、先読み変動パターンコマンド、先読み停止図柄コマンドが含まれる。
MODEが先読み系コマンドの範囲である場合には(B3113の結果が「Y」)、演出制御装置300は、先読み系コマンド処理を実行し(B3114)、本処理を終了する。先読み系コマンド処理の詳細は図31において説明する。
一方、MODEが先読み系コマンドの範囲ではない場合には(B3113の結果が「N」)、演出制御装置300は、いずれのコマンド処理も実行せずに本処理を終了する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、前述した受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(B3106)について説明する。図27は、本発明の第1の実施の形態の変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、受信した変動系コマンドを正常に受信したか否か等を確認する処理である。
演出制御装置300は、まず、受信した変動系コマンドから特図種別が未確定であるか否かを判定する(B3201)。当該判定によって、変動パターンコマンドの受信の前に停止図柄コマンドを受信できているかをチェックすることができる。停止図柄コマンドには特図変動表示ゲームの種別(特図1なのか特図2なのか)に関する情報が含まれているので、停止図柄コマンドを正常に受信できていれば、特図変動表示ゲームの種別が未確定でないと判定される。特図種別が未確定である場合には(B3201の結果が「Y」)、停止図柄コマンドを正常に受信できていないため、演出制御装置300は、本処理を終了する。
特図種別が未確定ではない場合には(B3201の結果が「N」)、演出制御装置300は、変動パターン対応図柄判定処理を実行する(B3202)。変動パターン対応図柄判定処理では、変動パターンコマンドに対し、停止図柄コマンドの種別(種類)が整合(合致)するか否かを判定する。これにより、例えば、当り変動の変動パターンコマンドと、はずれ図柄の停止図柄コマンドと、の組合せのように、変動パターンコマンドと停止図柄コマンドの種別とが整合しない場合には、変動しない(具体的には、飾り特図変動表示ゲームを行わない)ようにする。
変動パターン対応図柄判定処理(B3202)での判定の結果、変動パターンコマンドと停止図柄コマンドの種別とが整合しない場合には(B3203の結果が「Y」)、演出制御装置300は、本処理を終了する。
変動パターンコマンドと停止図柄コマンドの種別とが整合する場合には(B3203の結果が「N」)、演出制御装置300は、次に説明する変動演出設定処理を実行し(B3204)、本処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
図28は、本発明の第1の実施の形態の変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、受信した変動系コマンドに基づいて停止図柄等を設定する処理であり、前述した変動系コマンド処理において実行される。
演出制御装置300は、まず、受信した変動パターンコマンドに基づいていずれの変動パターンに該当するかを分類する変動パターン分類処理を実行し(B3301)、予告情報領域を全てクリアする(B3302)。
次に、演出制御装置300は、前半変動中予告抽選処理を実行し(B3303)、変動パターン分類処理(B3301)での分類による変動パターンが、リーチなし変動の変動パターンに大別されるか否かを判定する(B3304)。前半変動中予告抽選処理の詳細は図29において説明する。
リーチなし変動の変動パターンに大別されない場合(B3304の結果が「N」)のみ演出制御装置300は、後半変動中予告抽選処理を実行する(B3305)。
次に、演出制御装置300は、飾り停止図柄設定処理、変動開始設定処理を実行し(B3306、B3307)、本処理を終了する。
〔変動中予告抽選処理〕
次に、前述した変動演出設定処理における前半変動設定処理(B3303)について説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態の前半変動中予告抽選処理の手順を示すフローチャートである。
また、図30は、本発明の第1の実施の形態の後半変動中予告抽選処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動パターンの種類や演出モードに対応する前半予告グループテーブル1を設定し(B3401)、変動開始時予告演出の予告グループを選択するための抽選を行う予告グループ抽選処理(B3402)を実行する。例えば、「予告なし」、「PB(プッシュボタン)予告」、「変動開始予告」、「背景チェンジ予告」、「PB予告+変動開始予告」、「PB予告+背景チェンジ予告」および「変動開始予告+背景チェンジ予告」の中から予告グループが選択される。
次に、予告グループ抽選処理(B3402)での抽選の結果、「予告なし」が選択されなかった場合、つまり予告ありの場合(B3403の結果が「N」)のみ、演出制御装置300は、予告詳細抽選処理を実行する(B3404)。予告詳細抽選処理は、B3402の抽選で選択された予告グループに含まれる通常予告パターンの中から、変動開始時に出現させる予告パターンを選択するための抽選を行う処理である。
ここまでで、例えば、ステップB3402の抽選で「背景チェンジ予告」が選択された場合には、複数種類の背景チェンジ予告のうちから出現させる予告パターンが選択され、選択された予告パターンに関する情報が変動開始時予告演出の通常演出情報として記憶される。
次に、演出制御装置300は、変動パターンの種類や演出モードに対応する前半予告グループテーブル2を設定し(B3405)、リーチ前予告演出の予告グループを選択するための抽選を行う予告グループ抽選処理(B3406)を実行する。例えば、「ステップアップ予告」、「会話予告」、および「予告なし」の中から予告グループが選択される。
次に、予告グループ抽選処理(B3406)での抽選の結果、「予告なし」が選択されなかった場合、つまり予告ありの場合(B3407の結果が「N」)のみ、演出制御装置300は、予告詳細抽選処理を実行し(B3408)、本処理を終了する。
「予告なし」が選択された場合には(B3407の結果が「Y」)、演出制御装置300は、リーチ前予告演出の通常演出情報として「予告なし」に関する情報を記憶し、本処理を終了する。
なお、後半変動中予告抽選処理も本処理と同様の処理であるため、説明を省略する。
〔先読み系コマンド処理〕
次に、前述した受信コマンド解析処理における先読み系コマンド処理(B3114)について説明する。図31は、本発明の第1の実施の形態の先読み系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、演出制御装置300が受信したコマンドの上位バイト(MODE)に先読み変動パターンコマンド、先読み停止図柄コマンドが設定されている場合に、特図1及び特図2の保留アイコン83等の設定を実行する処理であり、上述した受信コマンド解析処理において実行される。
演出制御装置300は、まず、特図種別が未確定であるか否かを判定する(B3601)。特図種別が未確定である場合には(B3601の結果が「Y」)、演出制御装置300は、本処理を終了する。
特図種別が確定している場合には(B3601の結果が「N」)、演出制御装置300は、変動パターン対応図柄判定処理を実行する(B3602)。
次に、演出制御装置300は、変動パターン対応図柄判定処理(B3602)での判定に基づいて受信した先読み変動パターンコマンドと図柄種別が整合するか否かを判定する(B3603)。先読み変動パターンコマンドと図柄種別が整合しない場合には(B3603の結果が「N」)、演出制御装置300は、本処理を終了する。
先読み変動パターンコマンドと図柄種別が整合する場合には(B3603の結果が「Y」)、演出制御装置300は、現在の遊技状態が非電サポ中であるか否かを判定する(B3604)。
現在の遊技状態が非電サポ中である場合には(B3604の結果が「Y」)、演出制御装置300は、特図種別が特図1であるか否かを判定し(B3605)、特図種別が特図1ではない場合には(B3605の結果が「N」)、演出制御装置300は、本処理を終了する。
特図種別が特図1である場合には(B3605の結果が「Y」)、演出制御装置300は、保留表示の表示態様を通常態様とするか予告態様とするかを設定する処理である特図1保留予告設定処理を実行する(B3606)。
次に、演出制御装置300は、関連性のある特殊演出を複数回の変動に跨って行う連続表示演出や特殊な背景表示を複数回の変動に跨って行うモード演出を選択に設定する処理である特図1連続予告設定処理を実行し(B3607)、本処理を終了する。
一方、現在の遊技状態が電サポ中である場合には(B3604の結果が「N」)、演出制御装置300は、特図種別が特図2であるか否かを判定し(B3608)、特図種別が特図2ではない場合には(B3608の結果が「N」)、演出制御装置300は、本処理を終了する。
特図種別が特図2である場合には(B3608の結果が「Y」)、演出制御装置300は、保留表示の表示態様を通常態様とするか予告態様とするかを設定する処理である特図2保留予告設定処理を実行する(B3609)。
次に、演出制御装置300は、関連性のある特殊演出を複数回の変動に跨って行う連続表示演出や特殊な背景表示を複数回の変動に跨って行うモード演出を選択に設定する処理である特図1連続予告設定処理を実行し(B3610)、本処理を終了する。
このように、本発明の第1の実施の形態では、特図1の保留記憶と特図2の保留記憶を入賞順に消化するため、両方の保留記憶に対する先読み演出を実行するようにする。また、事前判定手段によって保留記憶の変動表示ゲームが実行される前に事前判定されることで先読みが実行される。
〔始動記憶表示〕
次に、本実施形態における始動記憶の表示及び始動記憶表示の変化演出(先読み演出)について説明する。本実施形態では、先読み演出にあたり、所定の範囲の始動記憶が「赤」表示に変更可能な先読み演出の対象(始動記憶表示を変化させる対象)となる。そして、当該「赤」先読みの対象となる始動記憶は、始動記憶表示赤変更可能ゾーン(以下、単にゾーンと記載することもある)内の始動記憶として遊技者に報知される。先読み演出は、始動記憶表示の色変化の他、形状の変化でもよい。
図32は、本発明の第1の実施の形態の始動記憶表示が8個表示中であり、始動記憶表示赤変更可能ゾーンが表示されている状態を説明する図である。また、図33は、本発明の第1の実施の形態の始動記憶表示の期待度を説明する図である。本実施形態では、始動記憶表示領域351〜358に特図1始動記憶も特図2始動記憶も区別なく表示される。
図32に示すように、始動記憶表示領域351〜358のうち始動記憶表示領域354〜356の表示領域が斜線で表わされている。当該斜線部が始動記憶表示赤変更可能ゾーンである。そして、ゾーン表示されている当該3個の始動記憶表示354a〜356aが先読みの対象となる。ゾーン表示は、表示装置41の画面表示によって表されてもよいし、役物(ゾーン役物)によって表されてもよい。また、ゾーン表示は、遊技者に期待感を与えるため及び始動記憶の白や赤とのコントラストを考慮して、例えば、黄色に表示される。
図33に示すように、始動記憶表示の期待度は、例えば、色で表される。通常の始動記憶は「白」で表示される。白は入賞と同時に表示される色であり、期待度が最も低く、大半がはずれとなる。白よりも期待度が一段高い表示が「青」である。そして、青よりもさらに期待度の高い表示が「赤」であり、およそ30%〜50%の割合で大当りとなる。ゾーン内の始動記憶のみが「白」から「赤」へと昇格(色の変化)することができる。
始動記憶表示は消化される都度1個ずつ右方へ移動し、ゾーンは始動記憶が消化されるごとに図32に示す矢印の方向に(右方に)1領域分ずつ移動してもよいし、固定されたままでもよい。ゾーンは常に表示されていてもよいし、始動記憶が8個貯まるなどの所定の条件下において一定の期間表示されてもよく、また、先読み演出の対象となる始動記憶がある場合に表示されてもよい。始動記憶が8個貯まった場合にゾーン表示がされるように設定される場合には、次に示すゾーン表示処理1が実行され、先読み対象の始動記憶がある場合にゾーン表示がされるように設定される場合には、ゾーン表示処理2が実行される。
〔ゾーン表示処理〕
図34Aは、本発明の第1の実施の形態のゾーン表示処理1の手順を示すフローチャートであり、図34Bは、ゾーン表示処理2の手順を示すフローチャートである。いずれの処理も演出制御装置300のメイン処理における演出表示編集処理(B1015)内において実行される。
図34Aに示すゾーン表示処理1は、始動記憶表示が8個になった場合(満タンになった場合)にゾーン表示を実行する処理である。演出制御装置300は、始動記憶が8個以上か(満タン状態か)否かを判定し(B2101)、8個以上である場合(B2101の結果が「Y」)のみ、ゾーン表示を行う(B2102)。その後、本処理を終了する。
図34Bに示すゾーン表示処理2は、先読み演出の対象となる始動記憶表示が1個以上ある場合にゾーン表示を実行する処理である。演出制御装置300は、先読み演出が実行される始動記憶があるか否かを判定し(B2103)、先読み演出の対象となる始動記憶がある場合(B2103の結果が「Y」)のみ、先読み演出が実行される始動記憶を昇格(色変化)させる前にゾーン表示を行う(B2104)。その後、本処理を終了する。
〔ゾーン役物〕
図35は、本発明の第1の実施の形態のゾーン役物360によるゾーン表示を表す図である。ここでは、ゾーン役物360によってゾーン表示がされる一例を説明する。
ゾーンの表示条件が成立すると、表示装置41の前面であって表示装置41の下方を初期位置とするゾーン役物360が記憶表示領域に重なるように上昇する。ゾーン役物360が上昇にあわせてゾーン役物と重なる範囲の始動記憶表示領域354〜356の表示色が黄色に変化する。
ゾーン役物360は、縁部361及び縁部361に囲われる窓部362を含む。窓部362には、液晶表示装置やEL(Electro−Luminescence)が嵌合されてもよいし、後方の表示装置41が視認可能なように透明又は半透明であってもよいし、開口状態であってもよい。
窓部362が液晶表示装置やEL等の表示装置である場合には、窓部362自体がゾーン表示及び始動記憶表示の表示色の変化を表示可能であるため、表示装置41上の始動記憶表示領域351〜358及び始動記憶表示351a〜358aは変化してもよいし、変化しなくてもよい。
窓部362が透明又は半透明である場合には、窓部362に嵌合される透明部材は、透明部材の一部(例えば、始動記憶表示と重なる部分)のみが発光して見える導光板であってもよい。導光板は、縁部361から導光板の側面に照射される光を前方へ反射する反射部が導光板の一部に形成されるものであり、導光板の反射部以外は発光して見えないが、反射部は発光して見えるため、反射部が浮き上がって見え、効果的な発光演出が可能である。縁部361は、ゾーン表示と統一感を持たせるために同一色であってもよいし、遊技者に期待感を与えるためにゾーン表示色の黄色と近い金色であってもよい。
また、ゾーン役物360は左右に伸縮可能であって、ゾーンに指定する範囲を変更可能であってもよい。
図36は、本発明の第1の実施の形態のゾーン役物360の上昇後のゾーン表示部での始動記憶表示の変化を表す遷移図であり、(A)は始動記憶表示が変化前の状態、(B)は始動記憶表示が変化中の状態、(C)は始動記憶表示が変化後の状態を表している。
(A)は、始動記憶が8個貯まっており、ゾーン役物360が始動記憶表示領域354〜356の前方へと上昇した状態を示している。ゾーン役物360の上昇にあわせて始動記憶表示領域354〜356は黄色に変化しているが、始動記憶表示354a〜356aは変化前であり「白」のまま表示されている。
(B)は、ゾーン役物360に囲まれた始動記憶表示354a〜356a丸型から星型へと変化して遥動している状態である。遥動時間は遊技者に期待感を与えるために所定の時間にわたる。なお、(A)から(B)への間に始動記憶が1個消化されており、ゾーン表示される対象の始動記憶は(A)から(B)への間に1個分右方へ移動している。
(C)は、始動記憶の遥動が止まると同時に、始動記憶表示356aが「赤」の表示へと変化した状態である。このように、本実施形態では、図31(A)から(C)に示す形態で先読み演出が実行される。
〔ゾーン可動役物〕
次に、ゾーン役物360に代えて、水平方向に移動可能な複数のゾーン可動役物363によるゾーン表示の一例を説明する。図37は、本発明の第1の実施の形態のゾーン可動役物363によるゾーン表示を説明する図であり、(A)はゾーン可動役物363が初期位置にある状態、(B)はゾーン可動役物363が動作し始めた状態、(C)はゾーン可動役物363がゾーン表示を示す位置に停止した状態、(D)はゾーン表示がされた状態を示す。
(A)は、左右それぞれのゾーン可動役物363が始動記憶表示351a〜358aの列の脇を初期位置として待機している状態である。ゾーン可動役物363は遊技者から見えていてもよいし、遊技盤上の装飾に隠れていてもよい。あるいは、ゾーン可動役物363は表示装置41に表示される映像であってもよい。
(B)は、左右それぞれのゾーン可動役物363が移動を開始した状態である。ゾーン可動役物363は水平方向に移動するが、上下方向に始動してもよい。
(C)は、ゾーン可動役物363が始動記憶表示領域354〜356を挟んで停止した状態である。ここで、ゾーン可動役物363は、例えば、別の3個の始動記憶表示領域を挟んで一度停止し(フェイント停止)、改めてゾーン表示をする始動記憶表示領域に移動してもよい。
(D)は、始動記憶表示領域354〜356がゾーン表示された状態である。ゾーン表示色は、始動記憶の変化可能な色と関連付けられており、始動記憶が赤に変化可能な場合には、ゾーン表示色は例えば、赤系統の色であり、始動記憶が青に変化可能な場合には、ゾーン表示色は青系統の色である。また、始動記憶がレインボーに変化可能な場合には、ゾーン表示色はレインボーで表示される。
〔ゾーン変化予告キャラクタ〕
次に、通常のゾーン表示やゾーン役物360に代えて、ゾーン変化予告キャラクタ365によるゾーン表示の一例を説明する。図38は、本発明の第1の実施の形態のゾーン変化予告キャラクタ365の登場を表す図であり、(A)はゾーン変化予告キャラクタ365が表示される前の始動記憶表示351a〜358aを表す図、(B)はゾーン変化予告キャラクタ365が表示された後の始動記憶表示351a〜358aを表す図である。ゾーン表示の設定が変更された場合にゾーン変化予告キャラクタ365が登場する。
(A)は、始動記憶が8個表示されている状態である。
(B)は、ゾーン変化予告キャラクタ365が登場して始動記憶表示354a〜356aを範囲としてビーム365aを照射している状態である。当該照射範囲がゾーン表示となり、始動記憶表示354a〜356aが変化する可能性のある始動記憶表示となる。その後、ゾーン変化予告キャラクタ365はビーム365aの照射を徐々に弱めて表示装置41から消えるとともに始動記憶表示354a〜356aのいずれかが変化する。ゾーン変化予告キャラクタ365は、始動記憶表示の変化後に消えてもよい。
ゾーン変化予告キャラクタ365は、始動記憶が8個貯まるなどの所定の条件下において一定の期間表示されてもよく、また、所定の時刻になると表示されてもよい。時刻はRTC(RealTimeClock)によって演出制御装置300に伝えられる。
図39は、本発明の第1の実施の形態のゾーン範囲変更処理の手順を示すフローチャートである。ゾーン範囲変更処理は、ゾーン変化予告キャラクタ365を表示させる処理であり、演出表示編集処理(B1015)内において実行される。
演出制御装置300は、現在が所定の時刻であるか否かを判定し(B2201)、所定の時刻である場合(B2201の結果が「Y」)のみ、ゾーン表示設定を変更する(B2202)。その後、本処理を終了する。所定の時刻は、次の図40において示すように、例えば、10時、12時、21時である。
図40は、本発明の第1の実施の形態のゾーン変化予告キャラクタ365の登場時刻とビーム365aの照射範囲の一例を説明する図であり、(A)は登場パターン1、(B)は登場パターン2、(C)は登場パターン3を説明する図である。
(A)の登場パターン1は、表示画面の左側からゾーン変化予告キャラクタ365が登場して始動記憶表示356a〜358aを照射する。登場時刻は、例えば、10時に設定される。ここでは始動記憶表示356a〜358aが照射されるため、始動記憶を6個以上保持する遊技者のみが先読みの恩恵を受けられる。そのため、10時という遊技場の開店後まもない時刻に向けて遊技機の稼働向上が見込まれる。
(B)の登場パターン2は、遠近法を利用して極小さく表示されたゾーン変化予告キャラクタ365が徐々に大きく表示されて始動記憶表示354a〜356aを照射している。登場時刻は、例えば、12時に設定される。そのため、遊技者に正午を報知することも可能である。
(C)の登場パターン3は、画面上部からゾーン変化予告キャラクタ365が降下して始動記憶表示351a〜358aを照射している。登場時刻は、例えば21時に設定される。ここでは全始動記憶表示が照射されるため、遊技者にとってお得感のある先読み演出となり、遊技者に一層の奮発を促す効果が見込まれる。
このように、ゾーン変化予告キャラクタ365は、時間毎に出現場所や照射範囲が変わるため、遊技の興趣を効果的に向上させることが可能である。
〔第1の実施の形態の効果〕
このように、第1の実施の形態では、ゾーン役物360が出現することで、始動記憶表示が変化する期待感を遊技者に与えることができる。また、ゾーン表示によって先読み演出の対象となる始動記憶表示が特定され、遊技者の視線の注目箇所が限られるため、遊技者は他の領域に視線を移すことも可能となる。
また、本実施形態では、ゾーン変化予告キャラクタ365が登場することで始動記憶表示が変化する。ゾーン変化予告キャラクタ365は、例えば、特定の時間に登場して強制的に始動記憶表示を変化させることが可能であり、遊技の興趣を向上させることができる。また、特定の時間に登場するため、区切りのよい時刻であることを遊技者に知らせる時計の役割を果たす。
〔第1の実施の形態の変形例1〕
本実施形態では特図1始動記憶も特図2始動記憶も区別なく表示されるため、大当りとなっても遊技者は特図1による大当りか特図2による大当りかを区別することができない。特図1での大当りと特図2での大当りとでは付与されるラウンドが16Rになる割合が大きく異なるため、どちらでの大当りかは遊技者の関心が高いところである。そこで、第1の実施の形態の変形例1では、ゾーン表示色によって特図1始動記憶か特図2始動記憶かを遊技者に報知する。
図41は、本発明の第1の実施の形態の変形例1のダークゾーン大当りとライトゾーン大当りを説明する図である。また、図42は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の各大当りに対するラウンド振分を表す図である。
図41(A)は、特別図柄が大当り態様で停止した状態である。
その後、本変形例では、特図1始動記憶による大当りでは、(B−1)に示すように、ゾーン表示を少し暗く(ダーク調に)したダークゾーン大当りと表示される。一方、特図2始動記憶による大当りでは、(B−2)に示すように、ゾーン表示をやや明るく(ライト調に)したライトゾーン大当りと表示される。なお、ゾーン表示ではなく背景画像をダーク調やライト調としてもよい。
図42(A−1)は、表示装置41にダークゾーン大当りと表示された状態である。この後、ファンファーレ画面が表示された後に、(A−2)に示すダークゾーン大当り(特図1大当り)に対するラウンドの振り分けが円グラフで表示される。
同様に、ライトゾーン大当り(特図2大当り)においても(B−2)に示すように、ラウンドの振り分けが円グラフで表示される。
図43は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の仮停止を挟んだ大当りの報知を遷移図である。
(A)は、大当りとなる演出の一部として特別図柄が「8、8、8」で仮停止している状態である。
ここで、実行中の変動表示ゲームが特図1始動記憶による場合は(B−1)に示すダークゾーン大当り画面が表示され、特図2始動記憶による場合は(B−2)に示すライトゾーン大当り画面が表示される。このため、遊技者にどちらの始動記憶による変動表示ゲームが実行されているかが報知される。
(C)は再び特別図柄が変動した状態であり、(D)は変動表示ゲームの結果が大当り態様で確定した状態である。
〔第1の実施の形態の変形例1の効果〕
このように、本変形例では、大当りに際してダークゾーン又はライトゾーンによって実行中の始動記憶が特図1か特図2かを報知する。特に、ライトゾーン(特図2)大当りである場合は、16Rの振り分け割合が大きいため、遊技者に昇格する期待感を与えることができる。
本発明の第1の実施の形態の変形例1の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(1)複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置と、
該変動表示装置の表示制御を行う演出制御手段と、
を備え、前記変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な第1特別遊技状態又は前記第1特別遊技状態よりもさらに有利な第2特別遊技状態を発生可能であり、
前記演出制御手段は、
前記第1特別遊技状態又は前記第2特別遊技状態を発生させる前記変動表示ゲームにおいて、前記第1特別遊技状態が発生するか前記第2特別遊技状態が発生するかを前記変動表示装置の画面の明るさを変更することで報知可能であることを特徴とする遊技機。
〔第1の実施の形態の変形例2〕
第1の実施の形態の変形例2では、始動記憶数が上限値に達すると役物が表示装置前方へ移動する役物演出が実行される。
図44は、本発明の第1の実施の形態の変形例2の上部役物42の演出の一例を説明する遷移図である。なお、本変形例では、始動記憶が左から順に表示され、始動記憶表示351a〜358aの並び順がこれまでと逆になる。
(A)は、始動記憶が6個となり、始動記憶表示351a〜356aが表示されている状態である。上部役物42は、表示装置41上方の初期位置にある。
(B)は、始動記憶が6個となったことを契機として上部役物42が振動している状態である。上部役物42は、始動記憶が6個以上となると振動し、始動記憶を上限数(8個)に達するように遊技者に促す。
(C)は、始動記憶が8個となり、始動記憶表示351a〜358aが表示されている状態である。上部役物42は、振動を継続している。
(D)は、始動記憶が8個となったことを契機として上部役物42が表示装置41の前方中央へと回転しながら移動している状態である。上部役物42は、ちょうど落下するように表示装置41の前方へと移動するため、遊技者に斬新な演出を提供する。
〔役物落下演出処理〕
図45は、本発明の第1の実施の形態の変形例2の役物落下演出処理における第1A〜第2Bの割合を説明する図である。図46Aは、本発明の第1の実施の形態の変形例2の役物落下演出処理1の手順を示すフローチャートであり、図46Bは、役物落下演出処理2の手順を示すフローチャートであり、図46Cは、役物落下演出処理3の手順を示すフローチャートである。いずれの処理も演出制御装置300のメイン処理における可動体制御処理(B1021)内において実行される。
図46Aに示す役物落下演出処理1は、始動記憶4〜6の中にSPリーチ変動の始動記憶があるか否かや始動記憶表示が8個になったことを契機として上部役物42の落下演出を所定の割合で実行する処理である。
演出制御装置300は、まず、始動記憶4〜6の中にSPリーチ変動の始動記憶が発生したか否かを判定する(B2301)。
始動記憶4〜6の中にSPリーチ変動の始動記憶が発生した場合には(B2301の結果が「Y」)、演出制御装置300は、図45に示す第2Aの割合で上部役物42を振動させる(B2302)。
次に、演出制御装置300は、始動記憶は8個満タンであるか否かを判定し(B2303)、8個満タンである場合(B2303の結果が「Y」)のみ第2Bの割合で上部役物42を表示装置41の前方中央に移動させる役物落下動作を実行する(B2304)。その後、本処理を終了する。
一方、始動記憶4〜6の中にSPリーチ変動の始動記憶が発生していない場合には(B2301の結果が「N」)、演出制御装置300は、第1Aの割合で上部役物42を振動させる(B2305)。
次に、演出制御装置300は、始動記憶は8個満タンであるか否かを判定し(B2306)、8個満タンである場合(B2306の結果が「Y」)のみ第1Bの割合で上部役物42を表示装置41の前方中央に移動させる役物落下動作を実行する(B2307)。その後、本処理を終了する。
なお、上部役物42の振動演出が実行されずに(B2302又はB2305を実行せずに)役物落下動作を実行してもよい。振動演出がなくても8個貯めることを遊技者に促すため、止め打ち防止効果を有する。
図46Bに示す役物落下演出処理2は、始動記憶1〜8の中にSPリーチ変動の始動記憶があるか否かや始動記憶表示が8個になったことを契機として上部役物42の落下演出を所定の割合で実行するとともに、8回の変動の間、連続ゾーン演出を実行する処理である。
役物落下演出処理2では、B2301に替えて、始動記憶1〜8の間にSPリーチ変動の始動記憶が発生したか否かを判定する(B2310)。また、役物落下動作(B2304又はB2307)の演出に続いて8回転の間(8回の変動の間)、連続してゾーン演出を実行する連続ゾーン演出が実行される(B2311,B2312)。その後、本処理を終了する。
図46Cに示す役物落下演出処理3は、始動記憶1〜8の中に始動記憶表示を変化させる先読み演出がされる始動記憶がない場合(B2320)のみ上部役物42の落下演出を所定の割合で実行する処理である。
図47は、本発明の第1の実施の形態の変形例2の連続ゾーン演出と連動した上部役物42の演出の一例を説明する遷移図である。ここでは大当り記憶の存在を報知する演出例を説明する。
(A)は、始動記憶が8個に達したため上部役物42が回転しながら表示装置41の前方中央へ移動(落下)した状態である。
(B)は、表示装置41において連続ゾーン演出が実行され、上部役物42が一旦初期位置に移動した状態である。変動中の特別図柄は画面右上に小さく表示される。
(C)は、始動記憶が4個消化された時点の連続ゾーン演出において再び上部役物42が表示装置41の前方中央へ移動(落下)した状態である。ここでは、変動表示ゲームを実行中の始動記憶が大当りの始動記憶であることを遊技者に報知している。
(D)は、特別図柄が「7、7、7」で停止して大当りが確定した状態である。上部役物42は初期位置に移動し、内側から段階的に複数の色調で発光している。
〔第1の実施の形態の変形例2の効果〕
このように、本変形例では、上部役物42が回転しながら落下することで遊技者に期待度ないし大当りの確定情報を報知する。特に、連続ゾーン演出中に2度目の落下演出があった場合には、大当りの確定を報知するため、遊技者にとって関心の高い重要な演出となる。
本発明の第1の実施の形態の変形例2の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(2)複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置を備え、
前記変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
遊技球の入賞に基づいて抽出した乱数値を、前記変動表示ゲームの実行権利として所定数を上限に始動記憶として記憶する始動記憶手段と、
前記始動記憶が前記特別結果態様となる可能性を前記変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段と、
前記変動表示装置の周辺部を初期位置とし、前記変動表示装置の前方を動作位置として移動する役物と、
該変動表示装置の表示制御及び前記役物の動作制御を行う演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記事前判定手段による特別結果態様となる可能性に応じて、前記役物の複数態様の動作により、遊技者へ報知することを特徴とする遊技機。
(2+)前記演出制御手段は、
前記始動記憶が一定の数に達すると前記役物を振動させ、
前記始動記憶が所定の上限数に達し、かつ、前記始動記憶の中に前記特別結果態様となる可能性の高い始動記憶が存在すると前記事前判定手段によって判定された場合に前記初期位置から前記動作位置へと前記役物を移動させることを特徴とする(2)に記載の遊技機。
〔第1の実施の形態の変形例3〕
第1の実施の形態の変形例3では、始動記憶数が所定数に達し、かつ遊技球がチャンスゲート43を通過するとキャラクタとしての魔人372が表示装置41に出現して変動中又は停止した特別図柄や始動記憶表示に働きかける魔人演出(キャラクタ演出)が実行される。
図48は、本発明の第1の実施の形態の変形例3の魔人演出(キャラクタ演出)が開始されるまでの遷移図である。本変形例では、センターケース40の上方の遊技領域32にチャンスゲート43が設けられる。また、チャンスゲート43を通過した遊技球が入球可能な役物としてランプ役物371がセンターケース40の右下部に設けられる。
(A)は、始動記憶が6個表示されており、ランプ役物371が青く光っている状態である。ランプ役物371は、始動記憶が5個に達すると、例えば、青く光り、8個に達すると、例えば、赤く光る。
(B)は、遊技球がチャンスゲート43を通過した状態である。チャンスゲート43を通過した遊技球はランプ役物371に入球する。チャンスゲート43は、遊技球の通過を検出するセンサを有し、演出制御装置300は、チャンスゲート43の検出信号に応じて魔人372を出現させる。
(C)は、ランプ役物371が回動して表示装置41の画面上に魔人372が出現した状態である。魔人372は、青又は赤に光っているランプ役物371に遊技球が入球するタイミングで、演出制御装置300の制御によって出現する。
図49Aは、本発明の第1の実施の形態の変形例3の魔人演出(キャラクタ演出)の一例を説明する遷移図である。また、図49Bは、本発明の第1の実施の形態の変形例3の魔人演出(キャラクタ演出)の一例を説明する続きの遷移図である。
(A)は、魔人372が変動中の特別図柄を「7、7、7」(大当り態様)で止める演出例である。魔人が全て変動中の特別図柄を一瞬で「7、7、7」に止めてもよいし、例えば、リーチをSPリーチにステップアップさせた上で大当り態様に止めてもよい。また、通常大当りを確変大当りに昇格させてもよい。
(B)は、魔人372が始動記憶表示の表示色を変化させる演出例である。ここでは、始動記憶表示353aが白からレインボーに変化している。ゾーン内の始動記憶表示の表示色を変化させるようにしてもよい。
(C)は、魔人372が擬似連図柄を止める演出例である。
(D)は、魔人372が複数の始動記憶を変化させる演出例でる。
(E)は、魔人372がランプ371に吸い込まれる演出例である。魔人372は、変化させた始動記憶がはずれた場合等にランプ371に戻る。他にも、始動記憶数が4個以下になった場合も魔人372はランプ371に戻る。このため、遊技者に始動記憶を5個以上にしようとさせる強い動機づけとなる。なお、始動記憶が5個以上であって変化させた始動記憶が当りである場合には魔人372は画面上に登場し続けて複数回に及び先読み演出を実行してもよい。
図50は、本発明の第1の実施の形態の変形例3の魔人(キャラクタ)372の種類を説明する図である。本変形例での魔人372は、オスの魔人372aとメスの魔人372bとが用意される。
(A)に示すオスの魔人372aは、先読み系のキャラクタであり、先読み能力が高く変化させた始動記憶の当たる割合が高い一方、昇格割合が低い。オスの魔人372aは、8個目の始動記憶が特図1始動入賞口36への入賞によるものである場合に出現する。
(B)に示すメスの魔人372bは、発展系のキャラクタであり、確変大当りに昇格させる割合が高い一方、先読み演出が実行された始動記憶が当たる割合が低い。メスの魔人372bは、8個目の始動記憶が特図2始動入賞口37への入賞によるものである場合に出現する。
〔第1の実施の形態の変形例3の効果〕
このように、本変形例では所定の条件下において得意分野の異なる魔人372が登場する先読み演出が提供される。特に、ランプ役物371が光っている間に遊技球がチャンスゲートを通過してランプ役物371に入球することで魔人372が出現し、複数ある演出のいずれかが実行される。そのため、ゲーム性が向上し、遊技の興趣が向上する。
本発明の第1の実施の形態の変形例3の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(3)複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置を備え、
前記変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
遊技球の入賞によって発生する前記変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段と、
前記始動記憶を前記変動表示装置に表示する始動記憶表示手段と、
前記始動記憶が前記特別結果態様となる可能性を前記変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段と、
該変動表示装置の表示制御を行う演出制御手段と、
遊技領域を流下する遊技球が通過可能なチャンスゲートと、
を備え、
前記演出制御手段は、前記事前判定手段による特別結果態様となる可能性に応じて、所定条件の成立に基づき、前記変動表示装置にキャラクタを表示させて、当該変動表示装置に表示された表示に対してキャラクタが変化を与える演出を実行することを特徴とする遊技機。
(3+)前記演出制御手段は、
前記始動記憶が一定の数に達し、かつ、遊技球が前記チャンスゲートを通過すると、キャラクタを前記変動表示装置に表示し、
前記始動記憶表示手段は、
前記事前判定手段によって前記特別結果態様となる可能性が高いと判定された始動記憶の表示を前記キャラクタによって変化させる演出を実行することを特徴とする(3)に記載の遊技機。
〔第1の実施の形態の変形例4〕
第1の実施の形態の変形例4では、始動記憶数が所定数に達すると変動先読みキャラクタ373が出現して変動中又は停止した特別図柄や始動記憶表示に働きかける。また、始動記憶数が上限値に達すると始動記憶表示が帯状から円状に変更して回転するリボルバー演出が実行される。
図51は、本発明の第1の実施の形態の変形例4の変動先読みキャラクタ373を説明する図である。図52は、本発明の第1の実施の形態の変形例4の貝(キャラクタ)375を説明する図である。変動先読みキャラクタ373は、例えば、始動記憶が6個に達すると出現する。
変動先読みキャラクタ373は、始動記憶表示に顔が表示される状態から始まる。ここでは、始動記憶表示351aに顔が表示された後に手や足が生えて変動先読みキャラクタ373となる。
変動先読みキャラクタ373は、始動記憶が表示されている始動記憶エリア350の上をしばらく移動した後に何もせずに消える(A)、始動記憶エリア350に飛び込んで消える(B)、貝375に飛び込んで消える(C)のいずれかの態様で消えるまで画面上を彷徨うように動く。そのため、先読み演出がされた始動記憶が消化されても変動先読みキャラクタ373が残っているので遊技者に期待感を与えることができる。
始動記憶エリア350に飛び込む場合には、表示されている始動記憶に飛び込んでもよいし、表示されていない、つまりこれから貯まった場合に表示される始動記憶の表示部に飛び込んでもよい。図51では、始動記憶表示353aに破線で顔が表示されており、始動記憶表示353aに飛び込む可能性を示唆している。
貝375は、始動記憶エリア350の脇であって普図演出や特図先読み演出を実行可能な共通表示領域に表示される。貝375は、変動先読みキャラクタ373が飛び込んだタイミング等で開いて中にあるパール376によって期待感を報知する。パールは図52に示すように、普電開放を報知したり、実行中の変動表示ゲームが激熱(期待度が高いこと)であることを報知する。貝375が開いても中にパール376がない場合もある。
図53Aは、本発明の第1の実施の形態の変形例4の変動先読みキャラクタ373による演出の一例を説明する遷移図である。また、図53Bは、本発明の第1の実施の形態の変形例4の変動先読みキャラクタ373による演出の一例を説明する続きの遷移図である。
(A)は、変動先読みキャラクタ373が始動記憶エリア350の上を動いている状態である。変動表示ゲームが実行中であり、いずれの特別図柄も変動中である。
(B)は、特別図柄が「6、↓、7」となっている状態である。ここで「↓」は変動中であることを表している。
(C)は、変動先読みキャラクタ373が停止した左の特別図柄に向けて飛び上がって体当たりをした状態である。
(D)は、体当たりされた左の特別図柄が再変動した状態である。中央の特別図柄は引き続き変動中である。
(E)は、再変動した左の特別図柄が「7」で停止しリーチとなった状態である。
(F)は、変動先読みキャラクタ373が貝375に飛び込む状態である。この後、貝375が開いてパール376によって実行中の変動表示ゲームの期待度を報知する。
図54は、本発明の第1の実施の形態の変形例4の他の演出例を説明する図である。本変形例では、始動記憶数が8個に達すると、始動記憶エリア350が丸まって帯状から円状となるリボルバー演出が実行可能である。
(A)は、始動記憶エリア350が円状となり、始動記憶表示351a〜358aが始動記憶エリア350とともに回転している状態である。そのため、遊技者はどの始動記憶が実行中の始動記憶であるかが分からなくなる。
(B)は、始動記憶の消化とともに円状の始動記憶エリア350が45度ずつ右に回転している状態である。
(C)は、消化される始動記憶の始動記憶表示が先読み演出として変化した状態である。先読み演出の対象の始動記憶の変動表示ゲームが実行されるタイミングで「Bang!」と表示されて当たりであることを報知してもよい。なお、ゾーン表示によりゾーン内の始動記憶表示が変化するようにしてもよい。
また、リボルバー演出は遊技者のドキドキ感を高めるために転落抽選の演出として実行されてもよい。
〔第1の実施の形態の変形例4の効果〕
このように、本変形例では、始動記憶の一部が変動先読みキャラクタ373に変身して始動記憶の先読みや特別図柄の再変動を行ったり、さらには貝375に飛び込んでパール376となる。また、所定の条件に達すると、始動記憶エリア350が円状に丸まってリボルビング始動記憶に変更する。そのため、これまでにない斬新な演出が提供され、遊技の興趣が向上する。
本発明の第1の実施の形態の変形例4の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(4)複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置を備え、
前記変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
遊技球の入賞によって発生する前記変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段と、
前記始動記憶を前記変動表示装置に表示する始動記憶表示手段と、
前記始動記憶が前記特別結果態様となる可能性を前記変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段と、
該変動表示装置の表示制御を行う演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記始動記憶が一定の数に達すると、始動記憶表示を用いて、特別キャラクタを前記変動表示装置に表示し、
前記始動記憶表示手段は、
前記事前判定手段によって前記特別結果態様となる可能性が高いと判定された始動記憶の表示に前記特別キャラクタが移動して前記特別キャラクタとして始動記憶を表示させることを特徴とする遊技機。
(5)前記演出制御手段は、
停止した前記識別情報を前記特別キャラクタによって再変動させる演出を実行することを特徴とする(4)に記載の遊技機。
(6)前記演出制御手段は、
前記特別キャラクタが所定の報知エリアに移動することで、前記特別キャラクタの表示に用いられた始動記憶の事前判定結果を報知することを特徴とする(4)又は(5)に記載の遊技機。
〔第1の実施の形態の変形例5〕
第1の実施の形態の変形例5では、大当り演出(特別遊技演出)をはさんでも先読み結果が消えずに残り(先読みストック)、始動記憶の先読み予告表示を大当り演出中に昇格させることができる。
図55は、本発明の第1の実施の形態の変形例5の先読み演出を説明する遷移図である。
(A)は、先読み演出が実行された始動記憶表示350aの変動表示ゲームが実行中(リーチ状態)であり、始動記憶表示355aも新たに先読み演出が実行された状態である。始動記憶表示355aの先読み結果を丸から顔へ変化する形態の変化で表しているが、表示色の変化でもよい。実行中の始動記憶表示350aは、その後大当りとなる。
(B)は、始動記憶表示355aとしての先読み結果の表示が(顔が)、通常の始動記憶表示エリアから先読みストック359としてストック表示位置へ移動した状態である。先読みストック359は、先読み結果を一時退避しておく表示であり、複数の先読み結果を退避させることができる。
(C)は、実行中の変動表示ゲームの結果が大当り態様となった状態である。この後、遊技機10は特別遊技状態に移行して、画面では大当り演出が実行される。
(D)は、特別遊技状態が終了して特定遊技状態(電サポ状態)となり、4個分の始動記憶が消化された状態である。電サポ中なので特図2の始動記憶が増加している。先読みストック359は、もとの始動記憶表示351aに移動して次に実行される始動記憶の期待度が高いことを報知する。ここで、先読みストック359は、大当り発生前の始動記憶表示に戻っているが、後から入賞した始動記憶でも先読み演出が実行される始動記憶があれば、先読みストック359は、当該先読み演出が実行される始動記憶表示に移動してもよい。
図56は、本発明の第1の実施の形態の変形例5の先読みストック359の期待度の変化の一例を説明する遷移図である。ここでは青、黄、赤と表示色が変化しているが、青<黄<赤の順に期待度が高い。
(A)では先読みストック359が期待度の低い「青」であるが、(B)では5ラウンド目に期待度が中の「黄」に変化し、(C)では最終ラウンドに期待度が高い「赤」に変化している。
このように、先読みストック359は、単に大当り表示中に先読み結果が退避するだけでなく、大当り表示中に期待度が変化することがあり、遊技性が向上する。
図57は、本発明の第1の実施の形態の変形例5の先読みストック359の期待度の変化の一例を説明する遷移図である。
(A)は、期待度が低い「青」の先読みストック359が画面右上から左方へと移動している状態である。ここで、画面右下には砲台378が表示されており、遊技者が操作ボタン25を操作することで(表面に設けられているタッチパネル25bにより検出される位置に基づき)、砲身の向きを変化させることができる。
(B)は、先読みストック359へ向けて調整された砲台378から砲弾が飛び出した状態である。遊技者が操作ボタン25を押下することで砲弾が発射される。
(C)は、砲弾が先読みストック359に命中した状態である。そして、その結果(D)では、先読みストック359が期待度中の「黄」に変化した状態である。
このように、移動する先読みストック359に向けて砲弾を発射し、見事命中すると期待度が変化するので、ゲーム性が向上する。
図58は、本発明の第1の実施の形態の変形例5のサブ液晶画面380と連携した先読みストック359の移動の一例を説明する遷移図である。
(A)は、サブ液晶画面380に先読みストック359が表示された状態である。
(B)は、最終ラウンドにおいてサブ液晶画面380が揺れ動き、サブ液晶画面の表示に遊技者の注意を引きつけている状態である。
(C)は、エンディング中に先読みストック359がサブ液晶画面380から下方へと落ちるように移動している状態である。
(D)は、先読みストック359がもとの始動記憶表示353aに戻った状態である。なお、(A)から(D)の間に期待度が変化してもよい。
先読みストック359をサブ液晶画面380に表示することで、先読みストック359の特別感が向上する。また、サブ液晶画面380において先読みストック359を中心とした演出が可能である。
〔第1の実施の形態の変形例5の効果〕
このように、本変形例では、大当り表示中に始動記憶の表示が消えてしまうが、先読み演出が実行された内容(先読み結果)は先読みストック359として退避する。そのため、大当り前の先読み内容が大当り後にも引き継がれ、期待度の報知に連続性がもたらされる。また、操作ボタン25の操作等によって先読みストック359の期待度が変化するため、遊技の興趣が向上する。
本発明の第1の実施の形態の変形例5の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(7)複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置を備え、
前記変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
遊技球の入賞によって発生する前記変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段と、
前記始動記憶を前記変動表示装置に表示する始動記憶表示手段と、
前記始動記憶が前記特別結果態様となる可能性を前記変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段と、
該変動表示装置の表示制御を行う演出制御手段と、
を備え、
前記始動記憶表示手段は、
前記事前判定手段によって前記特別結果態様となる可能性が高いと判定された始動記憶の表示を特定表示に変更させ、
前記演出制御手段は、
前記特別遊技状態となる前に、前記特定表示を前記始動記憶の表示とは別の表示領域に表示し、
前記特別遊技状態が終了すると、前記別の表示領域に表示した前記特定表示を前記特定表示に変更した始動記憶の表示に戻して表示することを特徴とする遊技機。
(8)前記演出制御手段は、
前記別の表示領域に表示させた前記特定表示を前記特別遊技状態中に前記特別結果態様となる可能性が変化したことを前記特定表示の表示を変更することで報知することを特徴とする(7)に記載の遊技機。
(9)遊技者による操作を受け付ける操作手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記操作手段からの操作情報に基づいて前記特定表示の表示を変更可能であることを特徴とする(7)又は(8)に記載の遊技機。
〔第1の実施の形態の変形例6〕
第1の実施の形態の変形例6では、遊技者が所定のタイミングで操作ボタン25を操作すると、表示装置41の表示画面上にソナーによる探信波が発せられて始動記憶の内容や変動内容、演出内容を報知するソナー予告が実行される。
図59は、本発明の第1の実施の形態の変形例6のソナー予告(始動記憶)の演出の一例を説明する遷移図である。
(A)は、操作ボタン25が操作されてPUSHボタン表示390から複数の探信波が円状又は円弧状に広がっている状態である。操作ボタン25の操作が有効となると、画面上にPUSHボタン表示390が表示される。操作ボタン25の操作は所定のタイミングで有効となってもよいし、常時有効であってもよい。
(B)は、PUSHボタン表示390から発せられた探信波が1個目の始動記憶表示351aを通過する状態である。探信波が通過するタイミングで始動記憶表示351aに「リーチ」の文字が浮かびあがった状態であり、リーチ変動となる始動記憶であることを報知している。
(C)は、探信波が1個目の始動記憶表示351aを通過した状態である。浮かびあがった「リーチ」の文字がその後徐々に薄れて消えていく。
(D)は、浮かびあがった「リーチ」の文字が完全に消えた状態である。このように、PUSHボタン表示390から発せられた探信波は、始動記憶の内容を一時的に報知する。なお、探信波に強弱等の種類があって、強い探信波でなければ報知できない内容があってもよい。また、隠れたキャラクタやアイテムを探信波でなければ探知(表示)できないようにしてもよい。
図60は、本発明の第1の実施の形態の変形例6のソナー予告(変動領域)の演出の一例を説明する図である。
(A)は、変動中又は次回の変動内容がリーチとなることを示すように探信波が表示装置41の変動表示領域にリーチ状態の特別図柄を薄く浮かび上がらせた状態である。
(B)は、変動中又は次回の変動内容において魚群が登場することを示すように探信波が表示装置41の変動表示領域に魚群の表示を薄く浮かび上がらせた状態である。例えば、魚群はソナー予告によって探知された場合のみ演出されるものでもよい。
(C)は、変動中又は次回の変動内容においてマンボウが登場すること示すようにを探信波が表示装置41の変動表示領域にマンボウを薄く浮かび上がらせた状態である。
ソナー予告は、ある程度の信頼度に基づいて実行されるものであるが、いわゆるガセ演出として、探信波によって浮かび上がった形態と実際に演出される形態が異なることがあってもよく、また、薄く浮かび上がった形態が実際の変動表示ゲームでは全く表示されなくてもよい。
図61は、本発明の第1の実施の形態の変形例6のソナー予告(先読み昇格)の演出の一例を説明する遷移図である。
(A)は、1回目の操作により探信波が始動記憶表示351aを通過し、始動記憶表示351aに「リーチ」の文字が浮かび上がった状態である。1回目の探信ではリーチとなることが先読み演出されている。
(B)は、1回目の探信波と始動記憶表示351aに浮かび上がった文字が消えた状態である。ここでは操作ボタン25の操作が無効となっていてもよい。
(C)は、2回目の操作により探信波が始動記憶表示351aを通過し、始動記憶表示351aに「SP」の文字が浮かび上がった状態である。2回目の探信ではノーマルリーチよりも大当りの期待度の高いSPリーチとなることが先読み演出され、1回目よりも昇格した内容が報知されている。
(D)は、2回目の探信波と始動記憶表示351aに浮かび上がった文字が消えた状態である。このように、同一の始動記憶表示に対して複数回の探信を行う場合には、大当りの期待度の表示が変化するソナー予告が実行される。
図62は、本発明の第1の実施の形態の変形例6のソナー予告(空読み)の演出の一例を説明する図である。
(A)は、探信波が始動記憶表示351a及び空の(仮の)始動記憶表示352bを通過し、空の始動記憶表示352bに「リーチ」の文字が浮かび上がった状態である。空の始動記憶表示352bは、次に入賞が発生した場合に生じる始動記憶に対応するものである。そのため、ここでは、次に入賞が発生すると「リーチ」となる始動記憶が生じる可能性が高いことを空読みして示している。
(B)は、その後探信波が空の始動記憶表示352bを通過し、「リーチ」の文字が薄くなっていく状態である。
(C)は、探信波及び空の始動記憶表示352bが消えた状態である。
〔第1の実施の形態の変形例6の効果〕
このように、本変形例では、探信波が通過するときに、始動記憶の内容や変動内容を浮かび上がらせるソナー予告によって先読み演出が提供される。ソナー予告は、始動記憶のみならず、変動内容や遊技モードも先読み可能であり、ソナーでのみ探知可能な隠れたキャラクタの探知は遊技性が向上する。また、まだ発生していない始動記憶の内容も仮表示可能であるため、遊技を中止しようと考えている遊技者に遊技を続けさせる効果を持つ。
本発明の第1の実施の形態の変形例6の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(10)複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置を備え、
前記変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
遊技球の入賞によって発生する前記変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段と、
前記始動記憶を前記変動表示装置に表示する始動記憶表示手段と、
前記始動記憶が前記特別結果態様となる可能性を前記変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段と、
該変動表示装置の表示制御を行う演出制御手段と、
遊技者による操作を受け付ける操作手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記操作手段が操作されると、前記変動表示装置に円状又は円弧状に広がる波を表示し、
前記始動記憶表示手段は、
前記波が前記事前判定手段によって前記特別結果態様となる可能性が高いと判定された始動記憶表示を通過する時に前記始動記憶表示を一時的に特定表示に変化可能であることを特徴とする遊技機。
(11)前記演出制御手段は、
前記操作手段が操作されると、前記変動表示装置に波を表示し、
前記波が前記識別情報の表示領域を通過する時に前記識別情報の停止態様を一時的に表示可能であることを特徴とする(10)に記載の遊技機。
(12)前記演出制御手段は、
前記操作手段が操作されると、前記変動表示装置に波を表示し、
前記波が前記識別情報の表示領域を通過する時に将来の演出内容を一時的に表示可能であることを特徴とする(10)又は(11)に記載の遊技機。
(13)前記演出制御手段は、
前記操作手段が操作されると、前記変動表示装置に波を表示し、
前記波が前記識別情報の表示領域を通過する時に隠れたキャラクタを一時的に表示可能であることを特徴とする(10)から(12)のいずれかに記載の遊技機。
(14)前記演出制御手段は、
前記操作手段が操作されると、前記変動表示装置に波を表示し、
前記始動記憶表示手段は、
前記波が始動記憶の表示領域を通過する時に表示されていない始動記憶について通常の始動記憶表示又は前記特定表示を一時的に表示可能であることを特徴とする(10)から(13)のいずれかに記載の遊技機。
〔第1の実施の形態の変形例7〕
第1の実施の形態の変形例7では、特定のモードにおいて始動記憶が扉として表示される扉記憶表示が実行され、扉の中から様々なアイコンや画像が表示されることで該当の始動記憶の期待度を報知する。
図63は、本発明の第1の実施の形態の変形例7の特定モードにおける扉始動記憶の表示の一例を説明する図である。
(A)は、扉391〜394が空いている状態である。扉は、始動記憶表示領域であり、演出上の一時的な開閉や報知のための開放を除いて、扉が開いている状態は始動記憶がないことを表している。
(B)は、扉391〜394が閉じている状態である。扉が閉じている状態は始動記憶があることを表しており、(B)では4個の始動記憶があることを表す。
図64は、本発明の第1の実施の形態の変形例7の扉の中から表示される画像の一例を説明する図である。
(A)は、扉がノックされた状態である。「コンコン!」と表示され、扉に変化が起こることを遊技者に予想させる。(A)の状態から以下に示す(B)(C)(D)のいずれかの画像が表示される。
(B)は、扉が開き、「激アツ」と表示された状態である。当該始動記憶についてとても期待度が高いことを遊技者に報知する。
(C)は、「NEXT」と表示された状態である。当該始動記憶に対応する変動表示ゲームで擬似連演出が生じることを報知する。
(D)は、笑顔アイコン395と憂い顔アイコン396が表示された状態である。笑顔アイコン395は期待度が高いことを表す一方、憂い顔アイコン396は期待度が低いことを表し、両者が表示されていることから期待度はそれほど高くないことを表す。
扉は始動記憶が消化されるタイミングで開いてもよいし、消化されるよりも前に遊技者による操作ボタン25の操作や演出制御装置300による制御によって自動で開いてもよい。
図65は、本発明の第1の実施の形態の変形例7の扉始動記憶の変化の一例を説明する図である。
(A−1)では、扉が閉まっているが、(A−2)において一度扉が開き、「まさか!」と表示されて遊技者に何かが起こることを予想させる。その後、(A−3)に示すように、扉が赤い色に変化し、当該始動記憶の期待度が高いことを報知する。
(B−1)では、扉がガタガタと振動し、(B−2)では、扉にヒビが入り、(B−3)では、扉が割れて中から当りアイコン397が飛び出して当該始動記憶の変動表示ゲームが大当りとなることを報知する。
扉始動記憶では、始動記憶が消化される前に扉が繰り返し開け閉めされる演出や、扉が割れて中からアイコンが飛び出す演出も実行される。
図66は、本発明の第1の実施の形態の変形例7の扉始動記憶での特別演出の一例を説明する図である。特別演出は、始動記憶表示が複数点灯した(扉が閉じた)場合に、実行可能な演出である。
(A)は、始動記憶が4個貯まったため、扉391〜394が閉じている状態である。
(B)は、扉391〜394が開いて、扉の向こうにダイオウイカが表示された状態である。
(C)は、扉391〜394の色が一斉に赤に変化した状態である。この後、全ての始動記憶の消化にあたり、期待度の高いリーチが実行されてもよいし、擬似連演出が実行されてもよい。
〔第1の実施の形態の変形例7の効果〕
このように、本変形例では、始動記憶を扉として表示し、扉の開閉を使って個別に期待度を報知したり、複数の扉にわたって一体性のある演出が可能であり、これまでにない演出を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態の変形例7の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(15)複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置を備え、
前記変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
遊技球の入賞によって発生する前記変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段と、
前記始動記憶を開閉表示可能な窓を備えた窓型の始動記憶表示として前記変動表示装置に表示する始動記憶表示手段と、
前記始動記憶が前記特別結果態様となる可能性を前記変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段と、
を備え、
前記始動記憶表示手段は、
前記事前判定手段によって前記特別結果態様となる期待度が高いと判定された始動記憶表示の窓を開いて開かれた窓部に前記期待度に応じた表示を行うことを特徴とする遊技機。
(16)前記始動記憶表示手段は、
前記始動記憶が前記所定数に達すると、
全ての始動記憶表示の窓部を開いて一体のキャラクタを開かれた全ての窓部に個別に表示することが可能であることを特徴とする(15)に記載の遊技機。
〔第1の実施の形態の変形例8〕
第1の実施の形態の変形例8では、1個の始動記憶に複数の期待度が表示される。
図67は、本発明の第1の実施の形態の変形例8に対応して従来の始動記憶表示の一例を説明する図である。図68は、本発明の第1の実施の形態の変形例8の始動記憶表示の一例を説明する図である。
図67に示すように、始動記憶表示は、例えば、表示色によって、白<青<緑<赤と順に大当りの期待度が高くなる。そして、始動記憶単体で1色表示されるのが従前の表示法である。
これに対して、図68(A)(B)に示すように、本変形例では、始動記憶単体に複数の表示色が表示されて、複数の期待度が表現される。
図68(A)は、始動記憶表示の半分に「白」が表示され、残りの半分に「赤」が表示されている。このため、期待度が低い割合が50%であり、期待度が高い割合が50%であることを表している。
図68(B)は、始動記憶の2/3に「白」が表示され、残りの1/3に「赤」が表示されている。このため、期待度が低い割合が67%であり、期待度が高い割合が33%であることを表している。ここでは、「白」と「赤」による2色の分割表示を示したが、始動記憶単体に3色以上が表示されてもよい。
図69は、本発明の第1の実施の形態の変形例8の始動記憶の変化を示す遷移図である。
(A)は、始動記憶表示351a〜354aが表示されており、始動記憶表示350aの変動表示ゲームが実行中である。始動記憶表示354aは、白が50%と赤が50%に表示されている。
(B)は、新たな変動表示ゲームが実行され、始動記憶表示351a〜353aが表示されている。始動記憶表示353aは、白が20%と赤が80%に表示されている。始動記憶単体における色の割合の変化は、自動で実行されてよいし、操作ボタン25の連打、長押し、フリック(タッチパネルを指でなぞる操作)によって実行されてもよい。
(C)は、新たな変動表示ゲームが実行され、始動記憶表示351a〜352aが表示されている。始動記憶表示352aは、白が80%と赤が20%に表示されており、(B)の表示から白が押し戻した状態である。
(D)は、新たな変動表示ゲームが実行され、始動記憶表示351aが表示されている。始動記憶表示351aは、赤が100%に表示されており、(C)の表示から赤が押し戻して完全に赤一色の表示となった状態である。
図70は、本発明の第1の実施の形態の変形例8のサブ液晶画面380に始動記憶表示が表示された状態を説明する図である。
始動記憶表示単体に複数の色が表示されると、始動記憶表示が小さい場合は特にその内容が遊技者にとって見にくくなる。そのため、サブ液晶画面380に複数色が表示された始動記憶表示を表示する。
サブ液晶画面380には、白及び赤が表示されている始動記憶表示354aが拡大されて表示されている。また、白及び赤の表示割合も表示されており、図69(B)〜(D)に示したように色の割合が変化すると、サブ液晶画面380においても割合が連動して変化する。特に、始動記憶表示単体に3色以上が表示されると見にくくなるため、サブ液晶画面380に表示することは有効である。
〔第1の実施の形態の変形例8の効果〕
このように、始動記憶表示単体に複数の期待度が表示されるため、これまでよりもより細かな期待度を報知することが可能である。また、始動記憶の期待度が時間の経過とともに、あるいは操作ボタン25の操作によって、揺れ動くため、遊技性が向上する。
本発明の第1の実施の形態の変形例8の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(17)複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置を備え、
前記変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
遊技球の入賞によって発生する前記変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段と、
前記始動記憶を前記変動表示装置に表示する始動記憶表示手段と、
前記始動記憶が前記特別結果態様となる可能性を前記変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段と、
を備え、
前記始動記憶表示手段は、
前記事前判定手段によって前記特別結果態様となる期待度が高いと判定された始動記憶の表示を分割して各分割部を期待度に応じた態様で表示することを特徴とする遊技機。
(18)前記始動記憶表示手段は、
前記分割表示された始動記憶の表示に対応する変動表示ゲームが終了するまで、
前記分割表示された始動記憶の表示の分割割合を変化可能であることを特徴とする(17)に記載の遊技機。
〔第1の実施の形態の変形例9〕
第1の実施の形態の変形例9では、操作ボタン25の操作タイミングによって画面に表示される演出(映像)の実行割合が変化する。なお、操作ボタン25には、種々の色で発光可能な発光部が設けられている。
図71は、本発明の第1の実施の形態の変形例9の操作ボタン25の発光色の変化を説明する図である。本変形例では、操作ボタン25の発光色が期待度の高い色へと変化する過程において、期待度の低い色で遊技者が操作を開始すれば、期待度の低い演出が実行される割合が高く、期待度の高い色で遊技者が操作を開始すれば、期待度の高い演出が実行される割合が高くなる。そのため、遊技者はどの演出が見たいかによって操作タイミングを選択することができる。例えば、早く演出を終わらせたい場合には、期待度が低い色のタイミングで操作すればよい。演出制御装置300は、操作ボタン25の操作タイミングに応じて、期待度の低い演出と期待度の高い演出を調整できる。
(A)は、操作ボタン25の発光色が段階的に期待度の高い色へと変化する状態を示す。また、(B)では、操作有効期間を示すタイムバー398が操作ボタン25の下に表示されている状態を示す。タイムバー398は、画面上に表示されてもよい。なお、色の変化は、色の明るさ(濃淡)の変化であってもよい。
(C)は、本実施形態の変形例8において始動記憶表示が複数の色で分割表示されるように、操作ボタン25も複数の発光色によって分割表示される状態を示す。この場合、操作ボタン25は、発光色の異なる複数の発光部を備えていてもよい。
図72は、本発明の第1の実施の形態の変形例9の表示装置41などの画面におけるPUSHボタン表示390の変化を説明する図である。
遊技者は、遊技中に遊技盤30や画面を中心とした視線であるため、操作ボタン25にまで視線をなかなか下げにくい。そのため、操作ボタン25の発光色の変化をPUSHボタン表示390の色変化として画面上にも表示する。
PUSHボタン表示390は、薄く表示されている状態から徐々に濃く表示され、濃く表示されてから操作ボタン25の操作が有効となる。あるいは、始めから操作が有効であってもよい。
PUSHボタン表示390が画面に表示されることに代えて、操作ボタン25が徐々に突き出してくることや操作ボタン25が徐々に振動することによって、操作タイミング(期待度の変化)を報知してもよい。また、操作ボタン25に内蔵されるドラム(図示省略)が回転することによって報知してもよい。
図73は、本発明の第1の実施の形態の変形例9のPUSHボタン表示390の表示の一例を説明する遷移図である。
(A)は、PUSHボタン表示390が小さくかつ薄く表示された状態である。
(B)は、PUSHボタン表示390が徐々に大きくかつ薄い赤で表示された状態である。ここまでは、まだ操作ボタン25が有効状態とはなっていない。
(C−1)は、さらにPUSHボタン表示390が大きくかつ濃い赤で表示された状態である。「押せ!」の表示がされて、操作有効となる。
(C−2)は、PUSHボタン表示390が小さくかつ白で表示された状態である。「押せ!」の表示がされて、操作有効となる。なお、PUSHボタン表示390の色に加え、表示する大きさによっても期待度を報知している。
〔第1の実施の形態の変形例9の効果〕
このように、本変形例では、発光色等によって操作ボタン25に期待度の変化が表示され、操作ボタン25に表示された期待度で遊技者が操作を開始すると、操作ボタン25に表示された期待度と同一の期待度の演出が高い割合で実行される。そのため、遊技者にとって変動表示ゲーム毎に演出を選択できる上、演出の選択が簡易となる。また、操作ボタン25の変化に気が付かない遊技者のために、画面上にもPUSHボタン表示390が表示されて操作ボタン25の変化と連動するほか、操作ボタン25が飛び出す、振動する等の変化も提供されるため、遊技者が直感的に操作ボタン25を操作することができる。特に、操作ボタン25の変化に連動してPUSHボタン表示390の色や大きさが変化するため、遊技者は視線を下げて操作ボタン25を確認しなくても操作ボタン25の状態を認識することができる。
本発明の第1の実施の形態の変形例9の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(19)複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置と、
遊技者からの操作を受け付ける操作手段と、
前記変動表示ゲームの進行状況及び前記変動表示ゲームにおける前記識別情報の停止態様に応じた画像演出の表示制御を行う演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記操作手段の操作タイミングに応じて前記画像演出を選択的に表示し、
前記操作手段は、
発光部を有し、時間経過に応じて前記操作手段の表示色を変化させることを特徴とする遊技機。
(20)前記操作手段は、
前記操作手段を上下させる動力及び機構を有し、時間経過に応じて前記操作手段が徐々にせり出すことを特徴とする(19)に記載の遊技機。
(21)前記操作手段は、
前記操作手段を振動又は回転させる動力及び機構を有し、時間経過に応じて前記操作手段が振動又は回転することを特徴とする(19)又は(20)に記載の遊技機。
(22)前記演出制御手段は、
前記変動表示装置に前記操作手段の画像を表示可能であり、
時間経過に応じて前記操作手段の画像の態様を変化させることを特徴とする(19)から(21)のいずれかに記載の遊技機。
〔第1の実施の形態の変形例10〕
第1の実施の形態の変形例10では、複数の変動表示ゲームに跨って行われる連続予告を行う始動記憶が発生しても当該発生した記憶よりも前に先読み演出が実行された始動記憶がある場合には、当該先読み演出が実行された始動記憶の変動表示ゲームが終了してから連続予告が実行される。
図74は、本発明の第1の実施の形態の変形例10に対応して従来における連続予告の実行例を説明する図である。図70は、本発明の第1の実施の形態の変形例10の連続予告の実行例を説明する図である。
図74(A)は、始動記憶表示354aの始動記憶が連続予告を行う情報を有して発生した状態である。始動記憶表示351aは、始動記憶表示354aが発生する前に先読み演出(色変化等)が実行されて赤く表示されている。
(B)は、赤表示の始動記憶表示350aに対応する変動表示ゲームの実行とともに、連続予告が開始された状態である。本来なら赤表示に応じて期待度の高いSPリーチが実行される割合が高いところ、連続予告画面となっている。
このように、従来の遊技機では連続予告を行う入賞が発生すると、次の変動から連続予告の演出が開始される。これでは、連続予告を行う始動記憶の発生前に期待度の高い始動記憶に対して先読み演出が実行されていても、当該先読みに応じた演出が実行されずに連続予告の1つとして消化されてしまう。これに対して、図75に示すように、本変形例では、先読み演出が実行された始動記憶の変動が終了してから連続予告が実行される。
図75(A)は、始動記憶表示354aの始動記憶が連続予告を行う情報を有して発生した状態である。始動記憶表示352aは、始動記憶表示354aが発生する前に先読み演出が実行されて赤く表示されている。
(B)は、先読み演出が実行されて赤く表示された始動記憶表示350aの変動表示ゲームが実行され、リーチとなっている状態である。
(C)は、赤の始動記憶表示350aに対応する変動表示ゲームの結果が「8、9、8」となった状態である。
(D)は、先読み演出が実行された始動記憶表示の変動表示ゲームが終了したため、連続予告が開始された状態である。
このように、先読み演出が実行された始動記憶がある場合には、先読み演出が実行された始動記憶表示の変動表示ゲームの終了を待ってから連続予告が開始される。
図76Aは、本発明の第1の実施の形態の変形例10の先読み当選処理1の手順を示すフローチャートであり、図76Bは、先読み当選処理2の手順を示すフローチャートであり、図76Cは、先読み当選処理3の手順を示すフローチャートである。いずれの処理も演出制御装置300のメイン処理における演出表示編集処理(B1015)内において実行される。
図76Aに示す先読み当選処理1は、いずれかの始動記憶にリーチとなる先読み結果がある場合には、当該リーチとなる始動記憶の変動が終了した後に連続予告を行う処理である。
演出制御装置300は、まず、現在の始動記憶の状態をチェックし、連続予告を行う始動記憶よりも前にリーチ予告を行う始動記憶(即ち、リーチが発生する変動表示ゲームの始動記憶)があるか否かを判定する(B2401、B2402)。
リーチ予告を行う始動記憶がある場合には(B2402の結果が「Y」)、演出制御装置300は、リーチ予告を行う始動記憶をチェックし(B2403)、リーチ予告を行う始動記憶の変動終了後から連続予告を発生させる(B2404)。その後、本処理を終了する。
リーチ予告を行う始動記憶がない場合には(B2402の結果が「N」)、連続予告を発生させ(B2405)、本処理を終了する。
図76Bに示す先読み当選処理2は、後から発生してこれから先読み演出が実行される始動記憶と、当該始動記憶よりも前に発生して先読み演出が実行された始動記憶とが同じ演出(映像)とならないように制御する処理である。ここでの先読み演出は、連続予告(先読みゾーン演出)であるが、始動記憶変化でもよい。
演出制御装置300は、まず、現在の始動記憶の状態をチェックし、先読み演出が実行される最新の始動記憶よりも前に先読み演出を行った(開始した)始動記憶があるか否かを判定する(B2401、B2402)。
先読み演出を行った始動記憶がある場合には(B2402の結果が「Y」)、演出制御装置300は、先に先読み演出を行った始動記憶の内容(先読み演出内容)を参照して後の先読み演出を選択し、設定する(B2406)。ここでは、先の先読み演出と後の先読み演出が重ならない様に、異なる演出が選択される。
次に、演出制御装置300は、先に記憶された始動記憶の先読み演出が終了した後から後に記憶された始動記憶に対して異なる先読み演出を発生させ(B2407)、本処理を終了する。これにより、互いに異なる連続演出が時間的に重複せずに発生する。
先読み演出を行う始動記憶がない場合には(B2402の結果が「N」)、演出制御装置300は、通常先読み演出テーブル(TBL)により選択された先読み演出を通常のとおり発生させ(B2408)、本処理を終了する。
図76Cに示す先読み当選処理3は、後に発生した始動記憶がリーチを発生させない始動記憶である場合は、当該後に発生した始動記憶について先読み演出を行わないように制御する処理である。
演出制御装置300は、まず、現在の始動記憶の状態をチェックし、先読み演出が実行される最新の始動記憶よりも前に先読み演出を行った(開始した)始動記憶があるか否かを判定する(B2401、B2402)。
先読み演出が実行される始動記憶よりも前に先読み演出を行った(開始した)始動記憶がない場合には(B2402の結果が「N」)、演出制御装置300は、通常先読み演出テーブル(TBL)により選択された先読み演出を発生させ(B2408)、本処理を終了する。
先読み演出が実行される始動記憶よりも前に先読み演出を行った(開始した)始動記憶がある場合には(B2402の結果が「Y」)、演出制御装置300は、後に発生した先読み演出の対象の始動記憶がリーチ未満であるか否か(即ち、リーチを発生させないか否か)を判定する(B2409)。
後に発生した先読み演出の対象の始動記憶がリーチ未満(リーチを発生させないもの)である場合には(B2409の結果が「Y」)、演出制御装置300は、後の先読み演出は行わない設定を行い(B2411)、本処理を終了する。
後に発生した先読み対象の始動記憶がリーチ未満ではない場合、つまりリーチ発生させる始動記憶である場合には(B2409の結果が「N」)、演出制御装置300は、後に発生した始動記憶の先読み演出を行うように設定し(B2410)、本処理を終了する。
〔第1の実施の形態の変形例10の効果〕
このように、本変形例では連続予告又は先読み演出を実行する始動記憶が発生した時点で、先に期待度の高い始動記憶の先読み演出が実行されている場合には、当該先の始動記憶の演出が終了してから連続予告又は先読み演出が実行される。そのため、当該先の始動記憶における期待度の高い演出が遊技者に提供されるため、遊技の興趣の低下が回避できる。
本発明の第1の実施の形態の変形例10の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(23)複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置を備え、
前記変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
遊技球の入賞によって発生する前記変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段と、
前記始動記憶を前記変動表示装置に表示する始動記憶表示手段と、
前記始動記憶が前記特別結果態様となる可能性を前記変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段と、
該変動表示装置の表示制御を行う演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
複数の変動表示ゲームにわたって連続性のある連続演出を実行可能であり、
前記連続演出は、
前記連続演出を実行する抽選に当選した始動記憶があり、かつ、当該当選した始動記憶よりも前に発生した始動記憶であって前記始動記憶表示手段によって表示中の始動記憶の中に前記事前判定手段によって前記特別結果態様となる可能性が高いと判定された始動記憶の変動表示ゲームが終了した後に実行されることを特徴する遊技機。
〔第2の実施の形態〕
第1の実施の形態では、RTC(リアルタイムクロック)による時刻通知を受けてゾーン変化予告キャラクタ365を登場させる演出(RTC演出)が実行される(図38参照)。また、先行技術となる特許第5489369号には、内蔵する複数の計時手段に対してRTCによる時刻補正を行いながら所定の時刻においてプログラムされた演出を実行する遊技機が開示されている。
しかしながら、特許第5489369号に記載された遊技機は、既に何ら目新しいものではなく、遊技の興趣を十分に満たすものではない。
そこで、本実施形態では、これまでにないRTC演出によって興趣ある遊技機の提供を目的とし、所定時刻でのRTC演出における当り記憶の有無による演出内容の相違や、タイミングをずらしたRTC演出による擬似的な連続演出が実行可能であり、さらには遊技者によってRTC演出の選択が可能となる。
〔RTC演出処理〕
図77は、本発明の第2の実施の形態のRTC演出処理の手順を示すフローチャートである。RTC演出処理は演出制御装置300のメイン処理における演出表示編集処理(B1015)内において実行される。また、図78は、本発明の第2の実施の形態のRTC特別演出を実行中の遊技機10を説明する図である。
演出制御装置300は、まず、9時、10時、11時等の所定の時間であるか否かを判定し(B2501)、所定の時間でない場合には(B2501の結果が「N」)、本処理を終了する。
所定の時間である場合には(B2501の結果が「Y」)、演出制御装置300は、現在記憶されている始動記憶の中に当りとなる始動記憶があるか否かを判定する(B2502)。
当りとなる始動記憶がある場合には(B2502の結果が「Y」)、演出制御装置300は、特別なRTC演出を実行するRTC特別演出処理を実行し(B2503)、本処理を終了する。RTC特別演出は、図78に示すように、遊技機10Bにおいて「キュイン!キュイン!」と音を発する等の特別な演出が実行されることで、遊技機10Bに当りとなる始動記憶があることが報知される。
当りとなる始動記憶がない場合には(B2502の結果が「N」)、演出制御装置300は、通常のRTC演出を実行するRTC通常演出処理を実行し(B2504)、本処理を終了する。
なお、当りとなるか否かではなく、リーチとなる始動記憶があるか否かによってRTC特別演出が実行されてもよいし、リーチ演出中に所定の時刻となった場合に、リーチ演出の発展系である特別演出がRTC演出として実行されてもよい。
〔RTC通常演出の一例1〕
図79は、本発明の第2の実施の形態のRTC通常演出の一例を説明する図である。図79では、遊技機10A〜10Cまでの3台の遊技機があり、各遊技機の音量の計時変化及び画面演出が縦方向に表される。
本実施例のRTC通常演出では、例えば、RTC演出用キャラクタ441が画面上に登場して複数用意される楽曲のいずれかの楽曲を歌う等の演出が実行される。
遊技機10Aでは、RTC演出用キャラクタ441によって後半に音量が小さくなる
楽曲Aが演奏されており、遊技機10Bでは、RTC演出用キャラクタ441によって後半に音量が小さくなる楽曲Bが演奏されており、遊技機10Cでは、RTC演出用キャラクタ441によって前後半ともに音量が大きい楽曲Cが演奏されている。
遊技機10A〜10Cが演奏タイミングをそれぞれ異ならせることで、各遊技機10A〜10Cは楽曲A〜Cを順に演奏することができ、遊技機10単体では楽曲A〜Cがメドレー感覚で演出される。
〔RTC通常演出の一例2〕
図80は、本発明の第2の実施の形態のRTC通常演出の別の一例を説明する図であり、(A)は演出モードを説明する図、(B)は前演出、(C)は本演出、(D)は後演出を説明する図である。
図80(A)に示すモードAからモードCは、それぞれ通常演出、前演出、本演出、後演出を所定のタイミングで実行するように設定されている。太枠で囲った部分では、(B)から(D)に示す各演出が実行中である。
(B)は、モードCが設定された遊技機10において演出中の前演出の画面を表しており、「一斉演出実行中 もうすぐ始まるよ!」と本演出がまもなく開始されることを報知している。また、遊技機10Bにおいて本演出が実行されていることが報知される。また、(C)は、モードBが設定された遊技機10において演出中の本演出の画面であり、(D)は、モードAが設定された遊技機10において演出中の後演出の画面である。
このように、RTC演出の設定をモードとして設定することで、各遊技機10が同時に一斉にRTC演出を実行する一斉演出や、競技場におけるウェーブ(観客が順次立ちあがって座る)のような高低、強弱のあるウェーブ演出が実行可能である。また、各遊技機10が連続性のある演出を実行する連続演出や楽曲を順に演奏するメドレー演出も可能である。
〔RTC通常演出の一例3〕
図81は、本発明の第2の実施の形態のRTC通常演出の別の一例を説明する図であり、(A)は通常バージョンを説明する図、(B)は特定メンバービューバージョンを説明する図、(C)は特定メンバーアップビューバージョンする図である。
(A)は、RTC演出用キャラクタ441である甲から戊がフォーメーションを組んで演奏中(演出中)の画面であり、通常の演出バージョンである。演奏中の楽曲は、主に、RTC演出用キャラクタ441の甲の音声によって歌われている。
(B)は、RTC演出用キャラクタ441の乙を中心としたビューアングルに変更した画面であり、特定メンバーのビューに変更されたバージョンである。ここでは、遊技者がビューアングルの中心に選択したRTC演出用キャラクタ441である乙の音声によって主に楽曲が歌われている。なお、RTC演出用キャラクタ441の選択(特定メンバーの選択)は、遊技者が選択可能であり、また、遊技機10が自動で選択することも可能である。
(C)は、RTC演出用キャラクタ441の戊を拡大したビューアングルに変更した画面であり、特定メンバーのアップビューに変更されたバージョンである。演奏中の楽曲は、戊の音声によってのみ歌われており、音量もやや大きくなる。
〔RTC通常演出の一例4〕
図82は、本発明の第2の実施の形態のRTC通常演出の別の一例を説明する遷移図である。ここでは、時間毎にRTC演出用キャラクタ441の登場エリアが異なる。
(A)は、表示画面の下部領域にRTC演出用背景443が表示され、当該背景の表示部にRTC演出用キャラクタ441が登場した状態である。RTC演出用背景443が表示される領域は、RTC演出用キャラクタ441が登場、活動、移動等するRTC演出領域である。
(B)は、別の所定時間において表示画面の左部領域にRTC演出用背景443が表示され、当該背景の表示部にRTC演出用キャラクタ441が登場した状態である。RTC演出用キャラクタ441は、例えば、目からビーム441aを始動記憶表示に向けて発射し、先読み演出を実行する。
(C)は、別の所定時間において表示画面の上部領域にRTC演出用背景443が表示され、当該背景の表示部にRTC演出用キャラクタ441が登場した状態である。
(D)は、別の所定時間において表示画面の右部領域にRTC演出用背景443が表示され、当該背景の表示部にRTC演出用キャラクタ441が登場した状態である。ここでは、例えば、RTC演出用キャラクタ441の口からビーム441aが始動記憶表示に向けて発射され、先読み演出(色変化等)が実行される。
〔RTC演出の設定画面〕
図83は、本発明の第2の実施の形態のRTC演出の設定画面を説明する図である。
RTC演出は、例えば、1時間毎に所定期間にわたって実行されるが、遊技者によっては、RTC演出の実行頻度の好みが異なる。また、RTC演出の内容によっても1時間毎に演出されることが適当であるか2時間毎に演出されることが適当であるかも異なる。そのため、本実施形態では、遊技者や遊技場従業員がRTC演出の実行頻度を設定することが可能である。
図83に示すように、RTC演出の設定画面では、1時間毎、2時間毎のほかに演出実行なしの設定が可能であり、例えば、RTC演出の実行終了時に操作ボタン25を操作することで当該設定画面に移行可能である。また、遊技機10毎に設置される記憶媒体受入部(図示省略)に遊技者が所持する記憶媒体が受け付けられた時点においても当該設定画面に移行可能である。
遊技場の従業員は、一般にホールコンピュータ(図示省略)と呼ばれる遊技場管理システムにおいて当該画面を表示可能であり、ホールコンピュータを通じて対象となる遊技機を全台一斉に又は個別に設定することが可能である。
〔第2の実施の形態の効果〕
このように、本実施形態では、RTC演出の実行時に当りとなる始動記憶がある場合には、特別なRTC演出が実行されるため、遊技の興趣が向上する。また、RTC通常演出においても、RTC演出用キャラクタ441及びビューアングルを遊技者が任意に選択でき、遊技者の嗜好に沿った演出を実行することができる。
また、本実施形態のRTC演出では、遊技機毎のモードの設定によりRTCの連続演出、メドレー演出、一斉演出等が設定可能である。特に、遊技機毎に同一演出を行う時刻について時間差を設けてRTC演出を実行することで、ウェーブ演出が可能である。
また、本実施形態のRTC演出では、RTC演出毎にRTC演出用キャラクタ441の登場、活動領域が異なり、RTC演出用キャラクタ441が発するビーム441aによって始動記憶表示の先読み演出が実行されるため、これまでにないRTC演出が提供される。また、RTC演出の実行頻度を遊技者及び遊技場従業員が任意に設定できるため、RTC演出の一斉演出や個別演出が可能である。
本発明の第2の実施の形態の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(24)時刻を計時可能な時計手段と、所定条件の成立に基づき、ゲームを行い、前記ゲームが特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な制御手段と、
を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記時計手段がもたらす計時情報が所定の時刻を示す計時情報である場合であり、かつ、実行中の前記ゲームが特別結果となる場合に、特別演出を発生可能であり、
前記計時手段がもたらす計時情報が所定の時刻を示す計時情報である場合であり、かつ、実行中の前記ゲームが特別結果とならない場合に、通常演出を発生可能であることを特徴とする遊技機。
(25)遊技者からの操作を受け付ける操作手段と、
前記ゲームの実行が視覚情報として表示される表示画面と、
を備え、
前記特別演出及び前記通常演出の少なくとも一方には、前記表示画面に複数の演出キャラクタが表示され、
前記制御手段は、
前記操作手段からの操作情報に基づいて前記演出キャラクタを選択し、
前記選択された演出キャラクタを前記表示画面の略中央に表示することを特徴とする(24)に記載の遊技機。
(26)前記特別演出及び通常演出の少なくとも一方は、それぞれ複数の演出手順の組み合わせによって構成され、
前記演出手順の組み合わせは、異なる演出モードとして個別に設定され、
前記制御手段は、
前記操作手段からの操作情報に基づいて前記演出モードを選択することを特徴とする(25)に記載の遊技機。
(27)前記制御手段は、
前記表示画面の特定の領域のみに前記演出キャラクタを表示し、
前記特定の領域を前記所定の時刻毎に変化させることを特徴とする(25)又は(26)のいずれかに記載の遊技機。
(28)前記制御手段は、
前記特別演出又は前記通常演出を実行する頻度である前記所定の時刻の間隔を変更可能であり、
前記特別演出又は前記通常演出の演出終了時から一定期間にわたって前記表示画面に前記所定の時刻の間隔を設定する設定画面を表示し、
前記操作手段からの操作情報に基づいて前記所定の時刻の間隔を設定することを特徴とする(25)から(27)のいずれかに記載の遊技機。
(29)前記所定条件の成立に基づく前記ゲームの実行権利を所定の上限数まで記憶可能な記憶手段を備え、
前記制御手段は、
前記時計手段がもたらす計時情報が所定の時刻を示す計時情報である場合であり、かつ、前記記憶手段の中に前記特別結果となる記憶がある場合に、前記特別演出を実行可能であることを特徴とする(24)から(28)のいずれかに記載の遊技機。
〔第3の実施の形態〕
第1の実施の形態では、図19のA3009からA3013のように、始動記憶の消化は特図1と特図2の区別なく入賞した順に消化した。また、先行技術となる特許第4943386号には、特図2の始動記憶を優先消化し、時短中は、始動記憶表示を特定の表示に変更させることで特図2の始動記憶のみの先読み演出を実行する遊技機が開示されている。
しかしながら、特許第4943386号に記載された遊技機は、既に何ら目新しいものではなく、遊技の興趣を十分に満たすものではない。
そこで、本実施形態では、特図2の始動記憶を優先消化する遊技機において、これまでにない時短中の先読み演出によって高い演出効果を備える遊技機の提供を目的とする。
〔センターケース正面図〕
図84は、本発明の第3の実施の形態のセンターケース40を中心とした正面図であり、(A)は可動役物である時短キャラクタ444がクリア部材収容部445に収納されている状態を説明する図、(B)は時短キャラクタ444が上昇して普通変動入賞装置38と重なった状態を説明する図である。なお、普通変動入賞装置38の位置は、図2と異なる。
本実施形態では、特定遊技状態中(時短中)に時短キャラクタ444がセンターケース40内であって、普通変動入賞装置38と重なる位置(動作位置)に移動し、時短中の特図2の始動記憶表示を表示する。また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態とは異なり、特図2の始動記憶が優先消化される。
図84(A)に示すように、非時短中では時短キャラクタ444は、初期位置であるクリア部材収容部445に収容されている。クリア部材収容部445は、透光性のある部材によって前面を覆われ、非時短中であっても遊技者はクリア部材収容部445にある時短キャラクタ444を視認することができる。クリア部材収容部445は、透明な遊技盤30の後方に配置されるが、遊技盤30の前方に配置される場合には遊技盤30は透明でなくてもよい。
ステージ40bの中央右よりの位置には、ワープ通路40aを通過してきた遊技球が時短キャラクタ444の動作位置にまで飛びこまないように、区画壁40dが設けられる。区画壁40dは、後方の表示装置41と前方のカバーガラス14との間に設けられ、後方の表示装置41の視認を妨げないように透明な部材によって形成される。
また、ステージ40bの右方には、レンズ役物446が設けられる。レンズ役物446は、普通変動入賞装置38と一体化し得る形状であり、動作位置に移動した時短キャラクタ444と重なるように、設けられる。
時短中になると、(B)に示すように、可動役物である時短キャラクタ444が動作位置に移動し、時短キャラクタ444の一部が普通変動入賞装置38と重なる。時短キャラクタ444は、始動記憶の表示領域を備え、当該表示領域がレンズ役物446と重なる。普通変動入賞装置38に入賞が発生すると、時短キャラクタ444の表示領域が自発光するか、後方の表示装置41の始動記憶表示を透過することで、始動記憶を表示する。なお、時短キャラクタ444がレンズ役物446の代わりにレンズ状の部材を有していてもよい。
普通変動入賞装置38及びレンズ役物446は、時短キャラクタ444を表示可能なように、例えば、透光性部材によって構成される。なお、レンズ役物446も非時短中は、時短キャラクタ444と一緒にクリア部材収容部445に収容されて、特定遊技状態となると、時短キャラクタ444と一緒に普通変動入賞装置38の左方に移動してもよい。
図85は、本発明の第3の実施の形態の普通変動入賞装置38の拡大正面図である。また、図86は、本発明の第3の実施の形態の時短キャラクタ444の一例を説明する図である。
普通変動入賞装置38は、センターケース40内に設けられ、普通変動表示ゲームが当りとなった場合に所定の期間にわたって開放される可動部材38cを備える。普通変動入賞装置38には、センターケース40右側部に設けられたワープ通路40eを通過した遊技球のうち一部が、可動部材38cが開放中である場合に入賞可能である。可動部材38cが閉鎖状態においてワープ通路40eを流下した遊技球は、遊技盤30の遊技領域32へ放出される。ワープ通路40eへは、ワープ通路40eへの入球を規制する一対の障害釘449の間を通過した遊技球のみが通過できる。
普通変動入賞装置38に入賞した遊技球は、排出流路448を流下して遊技盤30後方を経由して入賞球となる。排出流路448には、始動口2スイッチ2(38a)が設けられており、普通変動入賞装置38への入賞が検出される。
普通変動入賞装置38の左方であって、表示装置41の前方には、レンズ役物446が設けられる。レンズ役物446の前面は、後方に位置する時短キャラクタ444及び/又は表示装置41に表示される始動記憶表示を拡大して表示するために、拡大鏡の機能を備えるレンズ状の部材によって構成される。
時短キャラクタ444は、例えば、図86(A)に示すように、頭部を含めて5節あるイモムシであり、また、(B)に示すように、4両の貨車を牽引する汽車であり、体部の各節及び各貨車が始動記憶表示領域となる。時短キャラクタ444は、例えば、特定遊技状態の前半と後半で入れ替わってもよい。
〔時短キャラクタの別の表示例〕
図87は、本発明の第3の実施の形態の時短キャラクタ444の別の表示例を説明する図である。また、図88は、本発明の第3の実施の形態の普通変動入賞装置38の拡大図であり、(A)は普通変動入賞装置38の拡大正面図、(B)は普通変動入賞装置38の拡大斜視図である。
図87に示すように、時短キャラクタ444は、役物として形成されるのではなく、表示装置41に映像として表示されるものであってもよい。ここでは、可動部材38cの開放タイミングに合わせて「オープン!」と、時短キャラクタ444から吹き出しが出て、可動部材38が開放されたことを遊技者に報知する。
また、図88(A)に示すように、可動部材38cが開放される前に「開くよ!」と、時短キャラクタ444から吹き出しが出て、可動部材38cがもうすぐ開放されることを遊技者に報知してもよい。ここでは、「開くよ!」の表示と同時に時短キャラクタ444に手と足が表示されて、遊技者の注意を引きつけている。
また、図88(B)に示すように、普通変動入賞装置38の前面にレンズ部材459が設けられて、表示装置41に表示される時短キャラクタ444に重なってこれを拡大して表示してもよい。
〔時短キャラクタの3D表示例〕
図89は、本発明の第3の実施の形態の3D画像として表示される始動記憶表示451a〜454a及び時短キャラクタ444を説明する図であり、(A)は表示装置41右下部の拡大正面図、(B)は表示装置41右下部の拡大斜視図、(C)は始動記憶毎に浮き上がりが異なることを説明する始動記憶表示の拡大斜視図である。
本実施形態では、表示装置41に表示される映像を立体視可能な映像、いわゆる3D画像として表示することも可能である。図89(A)に示す始動記憶表示451〜454及び時短キャラクタ444が3D画像として表示されることで、(B)に示すように、始動記憶表示451〜454及び時短キャラクタ444が立体映像となる。
ここで、(C)に示すように、始動記憶の各期待度を立体感の強弱によって報知してもよい。立体視される始動記憶表示452aは、451aや453aよりも手前に浮き上がって見えるため、始動記憶452の期待度は始動記憶451及び453よりも高い。
〔第3の実施の形態の効果〕
このように、本実施形態では、特定遊技状態になると、時短キャラクタ444が普通変動入賞装置38に重なるように移動ないし表示されるため、特定遊技状態中の演出性が向上する。また、レンズ役物446や普通変動入賞装置38の前面に嵌合されるレンズ部材459によって、時短キャラクタ444が拡大して表示されることで、さらに演出性が向上する。
また、普通変動入賞装置38への入賞に基づく始動記憶表示を普通変動入賞装置38の近傍で表示することにより、普通変動入賞装置38への入賞状態の確認と始動記憶表示の表示状態の確認を行う視線の移動が少なくなり、視認性が向上する。
また、始動記憶表示451〜454や時短キャラクタ444が裸眼3D映像として表示され、始動記憶は期待度に応じた浮き上がり度合いによって報知されることで、さらに演出性が向上する。
本発明の第3の実施の形態の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(30)表面に遊技球が流下可能な遊技領域が形成される遊技盤と、前記遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な入賞口を有する入賞装置と、初期位置と動作位置とを移動可能な役物と、を備えた遊技機において、
前記役物が動作位置に移動した際に、遊技者に対する所要情報の表示を行う情報表示手段を備え、
前記情報表示手段は、前記役物の動作位置への移動により前記入賞装置に近づいた状態において、当該入賞装置に係る情報を表示することを特徴とする遊技機。
(31)前記入賞装置は、前記入賞口を閉状態から開状態へ変換する可動部材を備え、
前記可動部材は、遊技球が所定の遊技領域を流下したことに基づいて実行されるゲームの結果に応じて前記閉状態から前記開状態に変換されることを特徴とする(30)に記載の遊技機。
(32)前記ゲームの進行を表示する表示装置を備え、
前記表示装置には、前記ゲームの結果に応じて表示態様が変化するキャラクタが表示されることを特徴とする(30)又は(31)に記載の遊技機。
〔第3の実施の形態の変形例1〕
第3の実施の形態の変形例1では、普通変動入賞装置38 に入賞した遊技球が振分部材463によって振り分けられて、一部の入賞球が先読み流路を流下すると、記憶役物462によって先読み演出が実行される。
〔表示装置の正面図〕
図90は、本発明の第3の実施の形態の変形例1の特定遊技状態中の特図2始動記憶表示領域を中心とした表示装置41の正面図である。
本変形例では、図90に示すように、特図2の始動記憶表示を囲う枠役物461及び枠役物461の上方に設けられるニワトリの形状をした記憶役物462が、特定遊技状態中において特図2始動記憶表示領域に登場する。枠役物461及び記憶役物462は、ともに可動役物であり、表示装置41の周辺部を初期位置とし、特定遊技状態になると初期位置から第1動作位置である特図2始動記憶表示領域に移動する。なお、通常遊技状態中であっても、普通変動入賞装置38に入賞可能である場合には、普通変動入賞装置38に入賞したことに基づいて、枠役物461及び記憶役物462が第1動作位置に移動してもよい。
枠役物461は、枠にそってLEDが配設されて、特定遊技状態中に特図2始動記憶表示を囲いながら点灯する。記憶役物462は、LED等の発光部を内蔵し、遊技の進行に応じて発光色を変化する。また、記憶役物462は光が透過可能な乳白色の樹脂などで構成することにより、後方の表示装置41に表示する色彩により変化するようにしても良い。また、記憶役物462の目の部分は、空洞状に形成されるか、または透光性の部材が嵌合され、表示装置41に表示される瞳によって記憶役物462の目が表される。
表示装置41の右下外周部には、普通変動入賞装置38が設けられ、普通変動入賞装置38の下方には、普通変動入賞装置38に入賞した遊技球を先読み流路464または通常入賞流路(図示省略)に振り分ける振分部材463が設けられる。通常入賞流路に振り分けられた入賞球は、遊技盤30の後方を経由して普通変動入賞装置への入賞球となる。
先読み流路464は、振分部材463から特図2始動記憶表示領域の下方へと下り傾斜して形成される。先読み流路464を流下する入賞球は、記憶役物462の直下へ流下すると、遊技盤30の後方へと流下し入賞球となるが、入賞球がちょうど記憶役物462に食べられるような演出となり、先読み流路464を入賞球が流下することで、記憶役物462による先読み演出が実行される。
入賞球が先読み流路464から遊技盤30の後方へと流下すると、記憶役物462が白色から徐々にオレンジ色へと変化し、記憶役物462がオレンジ色になると、枠役物461が振動する。枠役物461が所定期間振動すると、卵型の始動記憶表示が先読み態様へと変化する。同時に記憶役物462がオレンジ色から白へと戻る。なお、先読み流路464に振り分けられる入賞球は、期待度の高い入賞球が振り分けられる。
〔特図2始動口入賞処理〕
図91は、本発明の第3の実施の形態の変形例1の特図2始動口入賞処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、演出制御装置300のメイン処理における可動体制御処理(B1021)内において実行される。
演出制御装置300は、まず、特図2に入賞が発生したか否かを判定し(B2601)、特図2に入賞が発生していない場合には(B2601の結果が「N」)、本処理を終了する。
特図2に入賞が発生した場合には(B2601の結果が「Y」)、演出制御装置300は、今回発生した始動記憶を含めないでカウントした特図2の始動記憶が4個以上であるか否かを判定する(B2602)。特図2の始動記憶が4個以上である場合には(B2602の結果が「Y」)、オーバーフローとなる入賞であるため、本処理を終了する。
特図2の始動記憶が4個以上ではない場合には(B2602の結果が「N」)、演出制御装置300は、現在が特定遊技状態中(電サポ中)であるか否かを判定する(B2603)。現在が特定遊技状態中でない場合には(B2603の結果が「N」)、特図2の先読み演出を実行しないため、本処理を終了する。
現在が特定遊技状態中である場合には(B2603の結果が「Y」)、演出制御装置300は、今回の入賞によって発生した各種の乱数(先読み系コマンドに含まれてよい)を抽出して所定の記憶領域に格納する(B2604)。
次に、演出制御装置300は、特図2始動記憶領域に記憶されている未実行の始動記憶の乱数値に基づいて大当りとなる期待度を判定する特図2先読み判定処理を実行する(B2605)。
次に、演出制御装置300は、B2605での判定結果に基づいて期待度が高いと判定された始動記憶があるか否かを判定する(B2606)。期待度の高い始動記憶がない場合には(B2606の結果が「N」)、先読み演出を実行しないため、本処理を終了する。
期待度の高い始動記憶がある場合には(B2606の結果が「Y」)、演出制御装置300は、振分部材463を反時計回りに回転させて入賞球を先読み流路464に流下させる(B2607)。
次に、期待度が高いと判定された先読み対象となる始動記憶表示を先読み態様に変化させ(B2608)、本処理を終了する。
〔記憶役物の移動〕
図92は、本発明の第3の実施の形態の変形例1の枠役物461及び記憶役物462の移動を説明する図である。
特定遊技状態中において、枠役物461及び記憶役物462は、第1動作位置に移動して、特図2始動記憶表示の演出に関与するが、図92に示すように、特定遊技状態が終了して、通常遊技状態に移行すると、枠役物461及び記憶役物462は、特図1始動記憶表示領域に移動して、特図1始動記憶表示の演出に関与する。
枠役物461及び記憶役物462は、特図1始動記憶表示領域を第2動作位置とし、第2動作位置において、特図1始動記憶の先読み演出を実行する。なお、特別遊技状態中は、枠役物461及び記憶役物462は、初期位置に移動する。
〔第3の実施の形態の変形例1の効果〕
このように、本変形例では、普通変動入賞装置38に入賞した遊技球のうち、大当りとなる期待度の高い始動記憶を発生させた遊技球が先読み流路464に振り分けられて、枠役物461及び記憶役物462と連動した先読み演出が実行される。そのため、これまでにない斬新な演出によって遊技の興趣が向上する。特に、先読み流路464を流下した遊技球が遊技盤30の後方へと流下するタイミングにおいて、記憶役物462が入賞球を餌として得て、卵型の始動記憶表示を変化させる演出が実行されるため、遊技者の目を楽しませることができる。
また、枠役物461及び記憶役物462は、遊技状態に応じて初期位置から第1動作位置に移動し、さらに第2動作位置に移動するので、遊技者が遊技状態の変化を直ぐに理解することができる。
本発明の第3の実施の形態の変形例1の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(33)表面に遊技球が流下可能な遊技領域が形成される遊技盤と、前記遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な入賞口を有する入賞装置と、初期位置と動作位置とを移動可能な役物と、を備えた遊技機において、
前記遊技盤は、略中央部に開口が設けられ、前記開口の外周に前記遊技領域と開口内部とを区画する外周壁が設けられ、
前記役物は、前記外周壁の外側を前記初期位置とし、前記開口内部を前記動作位置とし、
前記入賞装置に遊技球の入賞が発生すると、前記役物が前記初期位置から前記動作位置に移動することを特徴とする遊技機。
(34)前記入賞装置は、前記入賞口を閉状態から開状態へ変換する可動部材を備え、
前記可動部材は、遊技球が所定の遊技領域を流下したことに基づいて実行されるゲームの結果に応じて前記閉状態から前記開状態に変換されることを特徴とする(33)に記載の遊技機。
(35)前記入賞口を流下した遊技球を一方の流路と他方の流路に振り分ける振分部材を備え、
前記役物は、発光体を内蔵し、
前記一方の流路を遊技球が流下したことに基づいて、前記役物の発光色が変化することを特徴とする(33)又は(34)に記載の遊技機。
(36)前記入賞口を遊技球が流下することに基づいて複数の識別情報が変動する変動表示ゲームが実行され、前記変動表示ゲームの結果が特別結果となると、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能であり、
前記変動表示ゲームの結果が確定する前に前記変動表示ゲームが特別結果となる可能性を事前に判定する事前判定手段を備え、
前記入賞口を流下した遊技球に基づく前記変動表示ゲームの結果が前記事前判定手段によって、前記特別結果となる可能性が高いと判定された場合には、当該入賞口を流下した遊技球が前記振分部材によって前記一方の流路に振り分けられることを特徴とする(35)に記載の遊技機。
(37)前記変動表示ゲームを表示する表示部を前記開口内部に備え、
前記入賞口を遊技球が流下することに基づいて発生する前記変動表示ゲームの実行権利を始動記憶表示として所定数を上限に前記表示部に表示し、
前記役物は、前記表示部に表示された前記始動記憶表示と重なる位置を前記動作位置とすることを特徴とする(33)から(36)のいずれかに記載の遊技機。
〔第3の実施の形態の変形例2〕
第3の実施の形態の変形例2では、表示装置41の外周部に待機している透過役物466が、特定遊技状態に移行すると特図2の始動記憶表示領域の前方に回動して先読み演出等に関与する。
〔透過役物〕
図93は、本発明の第3の実施の形態の変形例2の表示装置41及び普通変動入賞装置38の正面図である。
図93に示すように、本変形例では、普通変動入賞装置38を軸として回動する透過役物466が普通変動入賞装置38に軸着して設けられる。透過役物466は、二辺が半円
形、二辺が直線であり、対向する辺同士が平行に形成されており、半円形に窪んだ窪み部が円形の普通変動入賞装置38の外周部に沿って回動するため、普通変動入賞装置38と一体感があり、スタイリッシュな形状である。透過役物466は、表示装置41の外周部であって、普通変動入賞装置38の上方を初期位置とし、通常遊技状態時は、当該初期位置に位置する。特定遊技状態となると、透過役物466は、特図2始動記憶表示領域の前方を動作位置とする位置に回動し、後方の表示装置41に表示される特図2始動記憶表示451〜454を透過して表示するとともに、透過役物466にも始動記憶表示451〜454に対応した記憶表示が映像として表示される。
透過役物466は、透過型の液晶やELによって形成されるが、側方からの入射光によって特定の反射部が浮かび上がる様に発光して見える導光板によって形成されてよい。また、特定遊技状態中は、時短キャラクタ444が特図2始動記憶表示領域の上方に表示される。
図94は、本発明の第3の実施の形態の変形例2の透過役物466に表示される透過役物キャラクタ467を説明する図であり、(A)は初期位置にある透過役物466に透過役物キャラクタ467が表示された図、(B)は動作位置にある透過役物466に始動記憶が表示された図である。
図94(A)に示すように、透過役物466が初期位置にある場合には、透過役物キャラクタ467によって右打ちであることを透過役物466に表示することが可能である。
また、(B)に示すように、透過役物466が動作位置にある場合には、入賞した特図2の始動記憶表示が透過役物466に映像として表示される。
図95は、本発明の第3の実施の形態の変形例2の透過役物466と連動した特図2始動記憶の先読み演出の一例を説明する遷移図である。
(A)は、特図2の始動記憶451〜454が4個表示されている状態であり、透過役物466には、透過役物キャラクタ467が表示されている。透過役物キャラクタ467は、擬似連変動における再変動に合わせて表示が変化することができる。
(B)は、透過役物466が初期位置から動作位置へ回動している状態であり、透過役物466には、透過役物キャラクタ467がハンマーを振っている映像が表示されている。
(C)は、透過役物466が動作位置へ回動した状態であり、透過役物466には、透過役物キャラクタ467によって始動記憶451にハンマーが打ちつけられた映像が表示されている。
(D)は、先読み演出によって始動記憶451の表示態様が変化した状態である。
このように、透過役物466の回動及び透過役物キャラクタ467の演出と連動して特図2の始動記憶表示451〜454に先読み演出が実行される。
次に、透過役物466及び透過役物キャラクタ467と連動した特別図柄の変動について説明する。図96は、本発明の第3の実施の形態の変形例2の透過役物466と連動した特別図柄の変動表示の一例を説明する遷移図である。
(A)は、左図柄(第一特別図柄)が「7」で停止しており、右図柄(第二特別図柄)が、「7」で停止しようとしている状態である。右図柄が「7」で停止すると、リーチ態様となる。透過役物466は、初期位置にある。
(B)は、透過役物466が初期位置から動作位置へと回動している状態である。透過役物466には、透過役物キャラクタ467がハンマー振っている映像が表示され、ハンマーの先には、「6」という数値が表示されている。
(C)は、右図柄が高速で変動している状態である。右図柄は、一度「7」で停止しかけていたが、透過役物466と連動して変動を継続している。
(D)は、右図柄が「6」で停止した状態である。(B)において透過役物キャラクタ467のハンマーの先に「6」という数値が表示されていたことに関連して、右図柄が「6」で停止しており、ハンマーの先に表示された数値が停止図柄を予告している。ただし、ハンマーの先に表示された数値と同一の図柄が停止するとは限らない。
〔第3の実施の形態の変形例2の効果〕
このように、本変形例では、普通変動入賞装置38と一体感のある透過役物466が、遊技状態に応じて回動する。また、透過役物466に表示される透過役物キャラクタ467が遊技の進行に応じて変化するため、演出性が向上する。特に、透過役物466は、後方の映像等を透過可能であり、また、透過役物466自体も映像を表示可能であるため、透過役物466と連動した先読み演出や特別図柄の変動演出及び擬似連動演出等ができる。
本発明の第3の実施の形態の変形例1の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(38)表面に遊技球が流下可能な遊技領域が形成され、略中央部に開口が設けられた遊技盤と、前記遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な入賞口を有する入賞装置と、対向する二辺が対向する別の二辺よりも長くなるように形成された役物と、遊技の進行に応じて映像を表示する表示画面と、を備えた遊技機において、
前記表示画面は、前記開口に設けられ、
前記入賞装置は、前記表示画面の外周部に設けられ、
前記役物は、
遊技の進行に応じて、前記入賞装置の中心部を軸として前記入賞装置の上方から前記入賞装置の側方であって前記表示画面の前方に回動して前記表示画面の始動記憶表示領域に重なることを特徴とする遊技機。
(39)前記役物は、
後方を透過可能な表示部を備え、
前記表示部に遊技の進行に応じて映像を表示することを特徴とする(38)に記載の遊技機。
〔第4の実施の形態〕
第1から第3の実施の形態では、主として遊技者の視覚に働きかける演出が実行された。また、先行技術となる特開2008−253668号には、遊技盤に埋め込まれた発光ラインが表示装置の映像と一体となって発光し、あたかも遊技盤の端から端までが一本の線として発光する演出が実行される遊技機が開示されている。
しかしながら、特開2008−253668号に記載された遊技機は、既に何ら目新しいものではなく、遊技の興趣を十分に満たすものではない。
そこで、本実施形態では、表示装置及び遊技盤のみならず遊技機枠までも一体として発光する発光部を設け、一体となって発光する演出を実行し、これまでにない高い演出効果を備える遊技機の提供を目的とする。また、送風や芳香等によって遊技者の触角や嗅覚に働きかける演出を実行し、これまでにない高い演出性を備える遊技機を提供することを目的とする。
〔一体発光演出〕
図97は、本発明の第4の実施の形態の一体発光演出を説明する遊技機10の遷移図である。
本実施形態の第1の演出例では、前面枠(ハウジング)12に設けられる第1発光線471、第1発光線471の内部から伸長する第2発光線472、表示装置41に表示される第3発光線473が一体となって発光することで、一本の棒状の発光線が形成される。なお、第1発光線471を前面枠(ハウジング)12の前面に位置するガラス枠15に設けても良い。
(A)は、前面枠12に設けられる第1発光線471が長さ方向に起立している状態である。この時点では第1発光線471は発光していない。第1発光線471は、前面枠12の一部として目立たないように迷彩が施されてもよい。また、第1発光線471にスライド式の覆い(図示省略)が設けられて、一体発光演出が実行されるまで当該覆いによって第1発光線471が視認できないように形成されてよい。
(B)は、第1発光線471が表示装置41の方向である左下へと回動した状態である。第1発光線471は、軸部にモータ等の動力源を内蔵しており、軸部を軸として時計回り及び反時計回りに回動可能である。第1発光線471は、発光していない状態で(A)の起立位置(初期位置)から(B)の回動位置へ高速に回動するため、遊技盤30や表示装置41を中心とした視線である遊技者には第1発光線471の回動が察知できない。
(C)は、第1発光線471が発光するとともに、第1発光線471の筺体内から第2発光線472が飛び出して発光した状態である。第2発光線472は、第1発光線471の内部に収容されており、第1発光線の内部に備える動力によって飛び出してもよいし、第1発光線471が回動する遠心力によって飛び出してもよい。
(D)は、第2発光線472の下端部の位置から表示装置41の画面上に第3発光線が表示された状態である。第1発光線471、第2発光線472、第3発光線473は同一線上に発光するため、あたかも1本の線が発光しているように遊技者に視認される。当該一体発光演出は、例えば、斬撃として演出され、第1発光線471、第2発光線472、第3発光線473の近傍に血飛沫が飛ぶような演出が実行されてもよい。この場合、表示装置41には血飛沫が映像として表示され、遊技盤30及び前面枠12には、予め設けられた発光部(図示省略)が発光することで血飛沫が表現される。
また、図面への記載が省略されているが、第3発光線473の左下への延長上である遊技盤30の左下部に第4発光線(図示省略)及び前面枠12の左下部に第5発光線(図示省略)が設けられて、より長さのある一体発光演出が実行されてもよい。なお、前面枠12に対して設けられる発光線は、ガラス枠15に設ける様にしても良い。
図98は、本発明の第4の実施の形態の別態様の一体発光演出を説明する遊技機10の遷移図である。ここでは、第2発光線472は、前面枠12の裏側に設けられる。また、第1発光線471、第2発光線472はともに軸部にモータ等の動力源を内蔵して回動可能である。
(A)は、前面枠12の表側に設けられる第1発光線471及び前面枠12の裏側に設けられる第2発光線472が長さ方向に起立した状態(初期位置)である。初期位置にある第2発光線472は、前面枠12に遮られて遊技者から視認することができない。
(B)は、第1発光線471が表示装置41の方向へと回動するとともに、発光した状態である。また、第2発光線472も第1発光線471の延長線上に向けて回動を開始している。
(C)は、第2発光線472が第1発光線471の延長線上に回動するとともに、発光した状態である。
(D)は、第1発光線471及び第2発光線472の延長線上に第3発光線473が表示装置41の画面上に表示された状態である。第3発光線473は、例えば、所定の早さで左下に向けて発光領域が広がる。
このように、第1発光線471、第2発光線472、第3発光線473が同一線上に順に発光するため、遊技盤30の外側から長さのある発光演出を実行することが可能である。そのため、これまでにない斬新な発光演出を遊技者に提供することができる。
〔送風演出〕
図99は、本発明の第4の実施の形態の送風装置475等を説明する遊技機10の正面図である。
図99(A)に示すように、本実施形態の遊技機10には、遊技機10の上端部に送風装置475の送風口が横方向に延設され、送風演出によって遊技盤正面下方へと送風される。また、風車476が前面枠12に設けられ、回転役物477が遊技盤30に設けられる。なお、風車476はガラス枠15にも受けても良い。
風車476及び回転役物477は、いずれも風を受けて回転する役物であり、(B)に示すように、送風装置475が発生させる風を受けて回転する。風車476及び回転役物477は、送風装置475の送風口からの送風だけでは送風演出を認識できない(気が付かない)遊技者に送風演出を視覚的に認識可能なように設けられ、送風演出は遊技の進行に応じて実行される。
なお、風車476は、内蔵するモータ(図示省略)によって回転することも可能であり、送風演出においては、送風経路に設けるアロマオイル、醤油の匂い等の芳香剤(図示省略)の蓋を開放することで匂いを送風に乗せることも可能である。また、遊技機10は、人感センサ(図示省略)を備え、遊技者が着席していない場合には、送風演出を実行しないようにしてもよい。
遊技者方向へと送りだされる空気は冷風でも温風でもよい。例えば、冷風を送風することで遊技者に涼感を与えることができ、表示装置41における演出映像の演出性を向上させることができる。また、送風装置475にヒータ(図示省略)を設けて温風を送風することで遊技者に温感を与えることができ、例えば、食べ物の匂いと合わせて遊技者に送風することで、遊技者の食欲を掻き立てることが可能である。そして、景品交換の場面において、遊技者が食品を選択させる割合が向上することが見込まれる。
〔瞬間送風演出〕
図100は、本発明の第4の実施の形態のエアプッシャ(空気押出部)478による瞬間送風演出の一例を説明する図であり、(A)は遊技機10の正面図、(B)はA−A’線における遊技機10の簡略な切断端面図である。
図100(A)及び(B)に示すように、遊技盤30を臨む前面枠12の開口外周部には、エアプッシャ(空気押出部)478が当該開口の中心に向けて配設される。エアプッシャ478から同時に空気が射出されることで、カバーガラス14の中心部前方において複数方向から射出された空気が合わさって前方、つまり遊技者の方向へと吹き抜ける。そのため、遊技者の顔に瞬間的に風が吹きつけられる。瞬間送風演出は、遊技者を驚かせるおそれがあるため、例えば、ホラー系の演出の一部として実行することが考えられる。
〔第4の実施の形態の効果〕
このように、本実施形態では、前面枠12から遊技盤30、表示装置41が一体となった一体発光演出を実行する。そのため、これまでになく斬新でインパクトのある演出により遊技の興趣を向上させる。
また、本実施形態では、遊技機10から遊技者に連続的に送風する送風演出を実行する。そのため、送風演出を画面演出等と組み合わせることで遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、遊技盤30前方へと瞬間的に空気を吹き付ける瞬間送風演出を実行する。そのため、遊技者に意外性を与え、画面演出等と組み合わせることで遊技の興趣を向上させることができる。
本発明の第4の実施の形態の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(40)表面に遊技球が流下可能な遊技領域が形成され表示部が臨む開口が設けられた遊技盤と、前記遊技盤が臨む大開口が設けられたハウジングとを備える遊技機において、
前記ハウジングの表面には、回動可能な線状ないし帯状の第1発光部を備え、
前記第1発光部は、内側より線状ないし帯状の第2発光部を伸縮させることが可能であることを特徴とする遊技機。
(41)表面に遊技球が流下可能な遊技領域が形成され表示部が臨む開口が設けられた遊技盤と、前記遊技盤が臨む大開口が設けられたハウジングとを備える遊技機において、
前記ハウジングの表側には、回動可能な線状ないし帯状の第1発光部が設けられ、
前記ハウジングの裏側には、回動可能な線状ないし帯状の第2発光部が前記大開口に臨むように設けられ、
前記第1発光部及び前記第2発光部は同一線上に回動可能であり、
前記第2発光部は、前記第1発光部の回動タイミングに合わせて遊技者に視認できない前記ハウジングの裏側から前記大開口の開口内部へ回動することを特徴とする遊技機。
(42)前記表示部は、前記第1発光部及び前記第2発光部の同一線上であって第2発光部の一方の端部が臨む場所から線状ないし帯状の発光表示が可能であり、
前記第1発光部、前記第2発光部、前記表示部の発光表示が同一線上に発光することを特徴とする(40)又は(41)に記載の遊技機。
(43)前記ハウジングは、前方に送風可能な送風口を備え、
前記ハウジングの裏側に送風装置を備えることを特徴とする(40)から(42)のいずれかに記載の遊技機。
(44)前記大開口の外周部であって前記ハウジングの裏側には、前記遊技盤の中心方向に向けて空気を押しだす空気押出部が前記大開口に臨むように複数設けられることを特徴とする(40)から(43)のいずれかに記載の遊技機。
〔第4の実施の形態の変形例1〕
第4の実施の形態では、前面枠12の領域を用いた一体発光演出を実行することで長さのある発光演出を実行した。本変形例では、突出演出ユニット13に設けられた回動表示装置481によって拡張性のある表示演出を実行する。また、遊技機10の上端部から上方へと可動する上部可動役物484が展開することで、遊技者に対して意外性や迫力のある演出を実行する。
〔回動表示装置〕
図101は、本発明の第4の実施の形態の変形例1の回動表示装置481の回動方法の一例を説明する図であり、(A)は回動表示装置481が回動していない状態、(B)は回動表示装置481が回動した状態の図であり、(A)(B)ともに遊技機10の簡略な正面図及び簡略な平面図からなる。
図101(A)(B)に示すように、回動表示装置481は、突出演出ユニット13を支持体として突出演出ユニット13の内側に設けられる。回動表示装置481は、略矩形であり、タッチパネル482を備え、所定のタイミングで回動軸481aを軸として前面枠12と直交する初期位置から遊技盤30と平行な動作位置へと回動する。
タッチパネル482は、遊技者の操作を受け付け可能な入力装置であり、また、映像を表示する表示部である。そのため、タッチパネル482が操作ボタン25とは別にあるいは操作ボタン25の代わりに遊技者の操作を受け付けて演出の進行に変化をもたらすことができる。また、表示装置41とは異なる映像や関連する映像をタッチパネル482に表示することで、表示演出に拡張性をもたらすことができる。さらに、回動表示装置481の回動により遊技者に対して、タッチパネル482による入力操作を促すことができるため、遊技者は演出の進行に対応する操作を的確に実施することが可能となる。
また、図101に示す回動表示装置481は、遊技機10の前面枠12の幅に収まる範囲であって遊技機10の内側方向に回動するため、隣に設置される遊技機10や台間装置(図示省略)に重なることがなく、コンパクトな展開方法となる。
図102は、本発明の第4の実施の形態の変形例1の回動表示装置481の別の回動方法の一例を説明する図であり、(A)は回動表示装置481が回動していない状態、(B)は回動表示装置481が回動した状態の図であり、(A)(B)ともに遊技機10の簡略な正面図及び簡略な平面図からなる。
ここでは、突出演出ユニット13に代わって回動表示装置481が突出演出ユニット13の設置位置に設けられる。回動表示装置481は、発光部を内蔵して各種の発光演出を実行することが可能である。
図102(A)(B)に示すように、回動表示装置481は、前面枠12の幅を超えて遊技機10の外側方向に回動するため、回動表示装置481が回動位置にあっても遊技盤30と回動表示装置481が重ならず、遊技盤30を流下する遊技球の視認を妨げない。
図103は、本発明の第4の実施の形態の変形例1の回動表示装置481の別の回動方法の一例を説明する図であり、(A)は回動表示装置481が回動していない状態、(B)は回動表示装置481が回動した状態の図であり、(A)(B)ともに遊技機10の簡略な正面図及び簡略な平面図からなる。
ここでは、突出演出ユニット13を支持体として、回動表示装置481が前面枠12に対して突出演出ユニット13よりも突出して設けられる。なお、回動表示装置481は、ガラス枠15に対して取り付けてもよい。
図103(A)(B)に示すように、回動表示装置481は、平面方向において略中央部に回動軸481aが設けられ、突出演出ユニット13の高さよりも幅のあるタッチパネル482が設けられる。そのため、図101及び図102に示す回動表示装置481の一方の端部に回動軸481aが設けられる場合よりもより幅の広いタッチパネル482を搭載することが可能である。
また、回動表示装置481の中央部を軸として回動するため、回動表示装置481が回動位置にあっても、図102に示すように遊技機10の外側に回動する場合と比較して回動表示装置481が外側(隣の遊技機側)へ重なる範囲を小さくすることができる。
さらに、(B)に示すように、表示装置41とタッチパネル482とが正面視で連続するように回動表示装置481を設けることで、よりワイドな映像を提供することが可能となる。
〔上部可動役物〕
図104は、本発明の第4の実施の形態の変形例1の上部可動役物484の回動の一例を説明する遊技機10の上部を拡大した遷移図である。本変形例では、遊技機10の上部内側に上部可動役物484が設けられ、所定のタイミングで遊技機10の上方へ回動する。
(A)は、上部可動役物484が遊技機10の上部において内側の位置(初期位置)にある状態である。(A)では上部可動役物484は、正面視で視認できない。
(B)は、左右の上部可動役物484が上方へとそれぞれ回動している状態である。
(C)は、左右の上部可動役物484が遊技機10の上方の位置(動作位置)において回動を完了し、左右の上部可動役物484が合わさった状態である。上部可動役物484の口の部分には、スピーカ485が設けられ、音声や音響を発することができる。
このように、遊技機10の上方に上部可動役物484が回動して出現するので、上部可動役物484によって、遊技機10の上方の空間が演出空間となる。
図105は、本発明の第4の実施の形態の変形例1の上部可動役物484の回動時の遊技機10の正面図であり、(A)は上部可動役物484が回動中の図、(B)は上部可動役物484が回動を完了した図である。
(A)は、上部可動役物484の回動に合わせて、表示装置41に上方を注目するように上向き矢印が表示された状態である。遊技者は一般に遊技中は遊技盤30を中心に見ているため、遊技機10の上方まで視野に入らず、上部可動役物484に気が付かないおそれがある。そのため、表示装置41に上方への注意が表示される。
(B)は、上部可動役物484が動作位置に回動し、「こっちこっち」と遊技者の注意をひいている状態である。また、(B)に示すように、取っ手(収納操作部)486が前面枠12やガラス枠15の上部から伸長してもよく、取っ手486を下方へ引くことで、上部可動役物484を遊技機10へと引き下げることができる。なお、小さい顔を形成する上部可動役物484、大きい顔を形成する上部可動役物484等複数の上部可動役物484が設けられて、小さい顔から順に対になる上部可動役物484が初期位置から動作位置に回動してもよい。また、マトリョーシカのように、大きい顔から順に上部可動役物484が動作位置から初期位置に回動してもよい。
図106は、本発明の第4の実施の形態の変形例1の上部可動役物484と遊技機10が一体となった演出の一例を説明する図であり、(A)は上部可動役物484が回動した遊技機10の正面図、(B)は上部可動役物484の回動機構を説明する図である。
(A)は、左、中、右の各上部可動役物484が動作位置に回動した状態である。また、各上部可動役物484の形状と合わせた模様が前面枠12(ガラス枠15)、遊技盤30、表示装置41に表示されており、遊技機10及び上部可動役物484が一体性のある形状として表現することが可能である。
上部可動役物484は、発光可能であってもよく、遊技機10及び上部可動役物484が一体となって発光することで、演出性が向上する。また、上部可動役物484は、遊技盤30の前方へと垂れ下がる構造のものでもよい。
(B)は、上部可動役物484の回動機構を示しており、上部可動役物484は、軸部484aに内蔵するモータ(図示省略)等の動力によって回動する。上部可動役物484が遊技盤30の前方へと垂れ下がる構造である場合には、軸部484aに備えるモータによって上部可動役物484が上下方向にスライドする。
〔上部表示役物〕
図107は、本発明の第4の実施の形態の変形例1の上部表示役物490の上下動の一例を説明する遊技機10の上部を拡大した遷移図であり、(A)(B)ともに簡略な正面図及び側面図からなる。本変形例では、遊技機10の上部内側に上部表示役物490が設けられ、所定のタイミングで遊技機10の上方へ移動する。
(A)は、上部表示役物490が遊技機10の上部に収容されている状態である。上部表示役物490は、矩形の表示装置であり、前面に表示部を備え、支持部材491によって支持される。支持部材491は、一端が遊技機10の上部内面に接続され、他方の一端を上部表示役物490の側面に接続される。
(B)は、上部表示役物490が遊技機10の上方へ移動した状態である。支持部材491は、遊技機10から動力を得て上部表示役物490を上下動させてもよいし、支持部材491が弾性部材によって付勢され、留め金(図示省略)が外されることで上部表示役物490を上方へ持ちあげてもよい。
図108は、本発明の第4の実施の形態の変形例1の上部表示役物490の別の上下動の一例を説明する遊技機10の上部を拡大した遷移図である。(A)(B)(C)ともに簡略な正面図及び側面図からなる。
ここでは、支持部材491が遊技機10の上部外側に接続されて、上部表示役物490を遊技機10の上部において上下動させる。
(A)は、上部表示役物490が遊技機10よりも上方に移動している状態である。遊技機10の上方では、着座している遊技者から表示部が見にくいため、上部表示役物490を下方へ傾けてもよい。また、人感センサにより遊技者が着座していないと検出した場合に、上部表示役物490にデモ表示を行ってもよい。
(B)は、上部表示役物490が遊技機10の上部と重なる位置にある状態である。デモ表示のほか、遊技の進行に応じたメッセージや映像が表示される。
(C)は、上部表示役物490が遊技機10の上部やや下方に移動している状態である。上部表示役物490は、遊技の進行に応じて上下動し、特に、期待度の高いリーチ演出中等において最下限まで移動して「キター (・∀・) キター!」等のメッセージを横方向に流し表示する。
〔第4の実施の形態の変形例1の効果〕
このように、本変形例では、回動表示装置481によってより広い映像等の表示演出を提供する。そのため、より迫力のある表示演出が可能となり、演出性が向上する。
また、本変形例では、上部可動役物484が遊技機10の上方に回動する。そのため、遊技機10の上方の空間を演出空間として活用でき、また、これまでにない斬新な演出を提供することができる。特に、上部可動役物484の模様、形状と前面枠12、遊技盤30に設けられる模様、形状とを合わせることで、上部可動役物484と遊技機10とが一体となった演出が可能であり、印象的な演出を提供することができる。
また、本変形例では、上部表示役物490が遊技機10の上方において上下動をともなって、メッセージや映像を表示するので、遊技の進行に応じて効果的な演出が可能となる。
本発明の第4の実施の形態の変形例1の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(45)表面に遊技球が流下可能な遊技領域が形成され表示部が臨む開口が設けられた遊技盤と、前記遊技盤が臨む大開口が設けられたハウジングとを備える遊技機において、
前記ハウジングの上部には、前記ハウジングの上方へと回動可能な役物が設けられることを特徴とする遊技機。
(46)前記役物は、前記ハウジングの上部であって正面視で視認できないハウジング内部を初期位置とし、前記ハウジングの上方を動作位置として、前記初期位置と前記動作位置とを回動可能であり、
前記役物が前記初期位置から前記動作位置へと回動するタイミングで前記表示部に前記動作位置を示す矢印が表示されることを特徴とする(45)に記載の遊技機。
(47)遊技者からの操作に基づいて前記動作位置に回動した前記役物を前記初期位置に回動させる収納操作部が前記ハウジングの前面に設けられることを特徴とする(45)に記載の遊技機。
(48)前記ハウジングの上部には、上下動可能な表示部が設けられることを特徴とする(45)から(47)のいずれかに記載の遊技機。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用するすべての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどのすべてのスロットマシンが含まれる。また、前述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。