JP4965780B2 - フィターゼ酵素、フィターゼ酵素をコードする核酸及び上記を取り込んだベクター及び宿主細胞 - Google Patents

フィターゼ酵素、フィターゼ酵素をコードする核酸及び上記を取り込んだベクター及び宿主細胞 Download PDF

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Description

【0001】
関連出願
本出願は、1999年8月13日に出願された米国仮特許出願第60/148,960号に対する優先権を主張し、引用によりその全体を本明細書に取り込む。
【0002】
発明の分野
本発明は、フィターゼ、フィターゼをコードする核酸、並びにフィターゼの生産及びその使用に関する。
文献
【0003】
【表1】
Figure 0004965780
【0004】
【表2】
Figure 0004965780
【0005】
【表3】
Figure 0004965780
【0006】
【表4】
Figure 0004965780
【0007】
発明の背景
リン(P)は成長に必須の元素である。慣用的な家畜の飼料、例えば穀類、油性の種子の粗挽き粉(meal)、及び種子を起原とする副産物に見いだされるリンの実質的な量は、フィチン酸(ミオイノシトールヘキサキスリン酸)として知られる分子中において共有結合したリン酸の形態である。この形態のリンの生物の利用性は家禽及びブタのような非反芻動物に関しては一般的には全く低いが、フィチン酸分子からリンを分離するための消化酵素を欠くからである。
【0008】
非反芻動物がフィチン酸を利用できないことのいくつかの重要な意義は注目されるかもしれない。例えば、無機リン(例えば、カルシウム二リン酸、フッ素除去されたリン酸)又は動物生成物(例えば、肉及び骨の粗挽き粉、魚の粗挽き粉)を加えることによりリンに関する動物の栄養要求を満たす場合、出費を招く。さらに、フィチン酸は胃腸において多くのミネラル(例えば、カルシウム、亜鉛、鉄、マグネシウム、銅)に結合するか又はキレートでき、それにより、吸収に関して利用不可能にする。さらに、なお、飼料中に存在するほとんどのフィチン酸は胃腸を通過して、肥料の中のリンの量を上昇させる。これは、環境における生態学上のリンの負担の増加を導く。
【0009】
反芻動物、例えばウシは対照的にフィターゼとして知られる第一胃の微生物により生産される酵素のおかげでフィチン酸を容易に利用する。フィターゼは、フィチン酸から(1)ミオイノシトール及び/又は(2)そのモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−及び/又はペンタ−リン酸及び(3)無機リン酸への加水分解を触媒する。2つの異なる種類のフィターゼが知られている:(1)いわゆる3−フィターゼ(ミオイノシトールヘキサリン酸3−ホスホヒドロラーゼ、EC3.1.3.8)及び(2)いわゆる6−フィターゼ(ミオイノシトールヘキサリン酸6−ホスホヒドロラーゼ、EC3.1.3.26)。3−フィターゼは最初に3−位においてエステル結合を加水分解するのに対して、6−フィターゼは最初に6−位においてエステル結合を加水分解する。
【0010】
飼料添加物としての微生物のフィターゼは、典型的な非反芻動物のダイエットにおけるフィチン酸のリンの生物利用性を改善することが見いだされた(例えば、Cromwell,et al,1993を参照)。結果は、動物飼料へ無機リンを添加する必要性の低下、並びに排泄された肥料の中の低いリンレベルである(例えば、Kornegay,et al,1996を参照)。
【0011】
そのような利点にも拘わらず、ほとんどの公知のフィターゼは飼料工業において広く容認されていない。この理由は酵素により異なる。典型的な心配は、高い製造コスト、及び/又は所望の適用環境における該酵素の安定性/活性の低さに関係する(例えば、飼料の加工又は動物の消化管において遭遇するpH/温度)。
【0012】
即ち、動物飼料に関連した用途のために良好な安定性及びフィターゼ活性を有する新規な酵素を発見すること及び開発すること、及び市販できるようにそのような酵素の生産に対する発酵技術の進歩をはかることが一般的に望まれる。工業生産に適した量にてそのようなフィターゼを発現することができる、より有効に遺伝子操作された生物を生産するために使用できる核酸配列を確認することも、望まれる。さらには、役立つ量の相対的に純粋な酵素の精製及び利用を可能にする遺伝子操作によりフィターゼ発現系を開発することも望まれる。
発明の概要
本発明は、微生物源、及び好ましくは真菌源、例えばPenicillium種、例えばP.hordei(以前のP.hirsutum;ATCC No.22053)、P.piceum(ATCC No.10519)又はP.brevi−compactum(ATCC No.48944)に由来するフィターゼ活性を有する精製された酵素を提供する。
【0013】
本発明は、さらに、図1A−1Cの何れか一つに示すDNAを含む酵素コーディングポリヌクレオチド配列;図2に示すアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;本明細書にて特に記載されたフィターゼの誘導体をコードするとの条件で、図2の配列とは異なるアミノ酸セグメントを含むフィターゼをコードするポリヌクレオチド;図1A−1Cの何れか一つのDNA全て又は一部を含むDNAと高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするとの条件で、図2の配列とは異なるアミノ酸セグメントを含むフィターゼをコードするポリヌクレオチドを提供する。
【0014】
本発明は、フィチン酸加水分解活性を有する酵素をコードし、そして図17に示すヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド;図17に示すアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;図17の配列とは異なるアミノ酸セグメントを含むフィターゼをコードするポリヌクレオチド;本明細書にて特に記載されたフィターゼの誘導体をコードするとの条件で、図17の配列とは異なるアミノ酸セグメントを含むフィターゼをコードするポリヌクレオチド;図17に示すヌクレオチド配列と中程度から高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするとの条件で、図17の配列とは異なるアミノ酸セグメントを含むフィターゼをコードするポリヌクレオチドも提供する。
【0015】
さらに、本発明は、上記ポリヌクレオチド配列を含むベクター、そのようなポリヌクレオチド又はベクターで形質転換された宿主細胞、そのような宿主細胞及び該宿主細胞により発現されたそのようなポリヌクレオチドによりコードされたフィターゼ蛋白質を含む発酵ブロスを包含する。好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは精製された形態又は単離された形態であり、そしてそのコードされた蛋白質生産物を生産することができる形質転換された宿主細胞を製造するために使用される。さらに、上記ポリヌクレオチド配列の発現産物であるポリヌクレオチドは本発明の範囲内である。
【0016】
一つの態様において、本発明は、Penicillium属の真菌源に由来する単離されたか又は精製されたポリヌクレオチドを提供し、該ポリヌクレオチドはフィターゼ活性を有する酵素をコードするヌクレオチドを含む。上記真菌源は、例えば、Penicillium piceum及びPenicillium hordeiからなる群から選択することができる。
【0017】
一つの態様によれば、上記ポリヌクレオチドは、配列番号:4に開示されたアミノ酸配列に、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び又は100%同一性を有するアミノ酸配列を含むフィチン酸加水分解酵素をコードする。
【0018】
本発明の一つの態様は、(i)配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3に開示されたヌクレオチド配列に、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び又は100%同一性を有するか、又は(ii)中程度から高いストリンジェンシーの条件下で配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3に開示されたヌクレオチド配列に由来するプローブにハイブリダイズすることができるか、又は(iii)配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3に開示されたヌクレオチド配列に相補な、ヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドを提供する。
【0019】
本発明の別の側面は、フィチン活性を有してPenicillium源に由来する酵素をコードする単離されたポリヌクレオチドを提供する。上記源は、例えば、Penicillium piceum及びPenicillium hordeiからなる群から選択することができる。
【0020】
一つの態様において、上記ポリヌクレオチドは、配列番号:4に開示されたアミノ酸配列に、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び又は100%同一性を有するアミノ酸配列を含むフィチン酸加水分解酵素をコードする。
【0021】
別の態様において、上記ポリヌクレオチドは、(i)配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3に開示されたヌクレオチド配列に、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び又は100%同一性を有するか、又は(ii)中程度から高いストリンジェンシーの条件下で配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3に開示されたヌクレオチド配列に由来するプローブにハイブリダイズすることができるか、又は(iii)配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3に開示されたヌクレオチド配列に相補である。
【0022】
本発明のまたさらなる側面は、(i)配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3に開示されたヌクレオチド配列に、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び又は100%同一性を有するか、又は(ii)中程度から高いストリンジェンシーの条件下で配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3に開示されたヌクレオチド配列に由来するプローブにハイブリダイズすることができるか、又は(iii)配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3に開示されたヌクレオチド配列に相補なポリヌクレオチドを含む発現構築物を提供する。また、そのような発現構築物を含むベクター(例えば、プラスミド)、及びそのようなベクターで形質転換された宿主細胞(例えば、Aspergillus、例えば、Aspergillus niger又はAspergillus nidulans)も提供される。
【0023】
その側面とは別に、本発明は、(i)配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3に開示されたヌクレオチド配列に、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び又は100%同一性を有するか、又は(ii)中程度から高いストリンジェンシーの条件下で配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3に開示された配列を含むポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができるか、又は(iii)配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3に開示されたヌクレオチド配列に相補なヌクレオチド配列を含む、微生物源に由来するフィターゼ活性を有する酵素をコードする核酸を検出することにおける使用のためのプローブを提供する。
【0024】
一つの態様において、上記微生物源は真菌源、例えば、Penicillium種、例えば、Penicillium piceum又はPenicillium hordeiである。
【0025】
本発明は、配列番号:4に開示されたアミノ酸配列に、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び又は100%同一性を有するアミノ酸配列を含む、フィターゼ活性を有する酵素を含む食物又は動物飼料を提供する。
【0026】
本発明は、Penicillium piceum及びPenicillium hordeiからなる群から選択される真菌源に由来する、フィターゼ活性を有する酵素を含む食物又は動物飼料を提供する。
【0027】
本発明の一つの側面は、P.piceum及びP.hordeiからなる群から選択される真菌から得られる、単離されたフィターゼ酵素を提供し、そして、以下の特性:(1)分子量:約45−55kDa(非グリコシル化);及び(2)特異性:フィチン酸、を有する。
【0028】
一つの態様において、本発明は、真菌種(例えば、Penicillium、P.piceum及びP.hordei)に由来するか、又は配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、あるいは図17のポリヌクレオチド配列に中程度から高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列によりコードされ、そして一つ又は複数の以下の物理化学特性:
(1)分子量:約45−60kDa(非グリコシル化)[489アミノ酸の蛋白質に基づく];
(2)フィチン酸(phytate,phytic acid)又はミオイノシトールヘキサリン酸、及び/又は低量のその誘導体に対して特異的な活性;
(3)約7と7.6の間;例えば7.3のpI理論値;
(4)約4.5−5.5、例えば約5の範囲内のpH最適値;及び/又は
(5)摂氏40−45度、例えば摂氏42−44度の周囲温度最適値
を有する酵素を提供する。
【0029】
本発明の別の側面は、フィターゼ活性を有する酵素を生産する方法を提供し、
(a)本明細書にて記載されたとおりのポリヌクレオチドを含む発現ベクターで形質転換された宿主細胞を用意し;
(b)宿主細胞がフィターゼを生産するのに適した条件下で形質転換された宿主細胞を培養し;そして
(c)フィターゼを回収する
ことを含む。
【0030】
一つの態様によれば、上記宿主細胞は、Aspergillus種、例えばA.niger又はA.nidulansである。
【0031】
その側面とは別に、本発明は、配列番号:4に開示されたアミノ酸配列に、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び又は100%同一性を有するアミノ酸配列を含む酵素でフィチン酸を処理する工程を含む、フィチン酸からリンを分離する方法を提供する。
【0032】
本発明は、さらに、上で定義された酵素でフィチン酸を処理する工程を含む、フィチン酸からリンを分離する方法を提供する。
【0033】
本発明の別の側面は、図17に開示されたアミノ酸配列に、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び又は100%同一性を有するアミノ酸配列を含む、フィチン酸加水分解酵素を提供する。
【0034】
本発明のさらなる側面は、(i)図17に開示されたヌクレオチド配列に、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び又は100%同一性を有するか、又は(ii)中程度から高いストリンジェンシーの条件下で図17に開示されたヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるか、又は(iii)図17に開示されたヌクレオチド配列に相補なヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチドを提供する。
【0035】
一つの態様において、単離されたポリヌクレオチドは、Penicillium piceum又はPenicillium hordeiに由来するフィチン酸加水分解酵素をコードする。該酵素は、一つの態様によれば、図17に開示されたアミノ酸配列に、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び又は100%同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0036】
別の態様において、上記ポリヌクレオチドは、(i)図17に開示されたヌクレオチド配列に、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び又は100%同一性を有するか、又は(ii)中程度から高いストリンジェンシーの条件下で図17に開示されたヌクレオチド配列に由来するプローブハイブリダイズすることができるか、又は(iii)図17に開示されたヌクレオチド配列に相補なヌクレオチド配列を含む。
【0037】
本発明の別の側面は、(i)図17に開示されたヌクレオチド配列に、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び又は100%同一性を有するか、又は(ii)中程度から高いストリンジェンシーの条件下で図17に開示されたヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるか、又は(iii)図17に開示されたヌクレオチド配列に相補なヌクレオチド配列を含む、発現構築物を提供する。本発明は、さらに、そのような発現構築物を含むベクター(例えば、プラスミド)、並びにそのようなベクターで形質転換された宿主細胞(例えば、Aspergillus niger又はAspergillus nidulans)を提供する。
【0038】
本発明は、(i)図17に開示されたヌクレオチド配列に、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び又は100%同一性を有するか、又は(ii)中程度から高いストリンジェンシーの条件下で図17に開示された配列を含むポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができるか、又は(iii)図17に開示されたヌクレオチド配列に相補なヌクレオチド配列を含む、微生物源に由来するフィターゼ活性を有する酵素をコードする核酸配列を検出することにおける使用のためのプローブを提供する。
【0039】
一つの態様において、上記微生物源は真菌源、例えば、Penicillium種、例えば、P.hordei又はP.piceumである。
【0040】
本発明は、さらに、図17に開示されたアミノ酸配列に、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び又は100%同一性を有するアミノ酸配列を含む、フィターゼ活性を有する酵素を含む食物又は動物飼料を提供する。
【0041】
さらになお、本発明は、(i)フィチン酸加水分解活性を有し、そして(ii)図17に開示されたアミノ酸配列に、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び又は100%同一性を有する酵素で、フィチン酸を処理する工程を含む、フィチン酸からリンを分離する方法を提供する。
【0042】
認識されるとおり、本発明の利点は、ポリヌクレオチドが単離され、それがフィターゼ活性を有する蛋白質をコードする別のポリヌクレオチドを単離する可能性を提供することである。
【0043】
本発明の別の利点は、フィターゼ活性を有する蛋白質をコードするポリヌクレオチドを提供することにより、フィターゼ活性を有する蛋白質を相対的に大量に生産することができる宿主細胞を組換え手段を通して生産することが可能なことである。
【0044】
本発明のさらに別の利点は、フィターゼ活性を有する蛋白質の商業上の応用が実用化することである。例えば、本発明は、本明細書にて記載されたフィターゼを取り込んだ動物飼料を提供する。
【0045】
さらに、本発明の別の利点は、摂氏約40から約45度の温度において最適になるフィチン酸加水分解活性を有する酵素を提供することであり、動物飼料における使用のために極めて適したものにさせる(即ち、上記酵素が動物の消化管において作用点にて高い活性を有する)。
消化管において作用点にて高い活性を有する。
本発明の他の目的及び利点は、以下の詳細な明細書から明らかになる。
【0046】
発明の詳細な説明
1.定義
本明細書で他に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者により共通に理解されるのと同じ意味を有する。Singleton,et al.,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY,2D Ed.,John Wiley and Sons,New York(1994)及びHale & Marham,THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY,Harper Perennial,NY(1991)は、この発明において使用される用語の多くの共通の辞典を当業者に提供する。明細書に記載されたものと類似又は均等な如何なる方法及び材料も本発明の実施又は試験において使用できるが、好ましい方法と材料を記載する。広い範囲が上記範囲を定義する数を含む。別に示さない限り、核酸は左から右に向かって5’から3’の方向であり;アミノ酸配列は左から右にアミノからカルボキシルの方向である。本明細書で提供された標題は、全体として明細書に関係を有し得る発明の態様の様々な側面の限定ではない。従って、直後に定義された用語はより完全に引用により全体として明細書に定義される。
【0047】
本明細書にて使用されるとおり、用語「フィターゼ」又は「フィターゼ活性」は、フィチン酸から、(1)ミオイノシトール及び/又は(2)そのモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−及び/又はペンタ−リン酸及び(3)無機リン酸への加水分解を触媒することができる蛋白質又はポリペプチドを意味する。例えば、酵素委員会のEC番号3.1.3.8又は3.1.3.26にて定義された触媒活性を有する酵素。
【0048】
2つの核酸又はポリペプチド配列のコンテクストにおける用語「同一(identical)」は、最大の対応に関して整列された場合に同じである2つの配列の中の残基を意味し、以下の配列比較又は分析アルゴリズムの一つを使用して測定される。
【0049】
「最適な整列(alignment)」は、高いパーセントの同一性スコアを付与する整列として定義される。そのような整列は、様々な市販の配列分析プログラム、例えば1のktup、欠点のあるパラメーター及び欠点のあるPAMを用いた局所整列プログラムLALIGNを使用して実施することができる。好ましい整列は、10.0のオープンギャップペナルティー、0.1の伸長ギャップペナルティー、及びBLOSUM30類似性マトリックスを含む欠点のあるパラメーターを使用した「低速」整列様式において操作されたMACVECTOR中のCLUSTAL−Wプログラムを使用して実施した対合整列である。ギャップが第1配列に挿入されることによりそれを第2配列と整列させる必要があるならば、対応するアミノ酸残基と対合する残基のみを用いてパーセント同一性を計算する(即ち、上記計算は第1の配列の「ギャップ」の中にある第2配列中の残基を考えない)。
【0050】
比較のための配列の最適な整列は、例えばSmith & Waterman,Adv.Appl.Math,2:482(1981)の局所相同アルゴリズムによるか、Needleman & Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性整列アルゴリズムによるか、Pearson & Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似性方法の探索によるか、これらのアルゴリズムのコンピューター化実行(ウイスコンシンジェネティックソフトウエアパッケージ、ジェネティックスコンピューターグループ、575サイエンスドクター、マジソン、WIのGAP,BESTFIT,FASTA,及びTFASTA)によるか、又は可視検査により実施することもできる。
【0051】
2つのアミノ酸又はポリヌクレオチド配列に関する「パーセント配列同一性」は、2つの配列が最適に整列された場合に2つの配列で同一な残基のパーセンテージを意味する。即ち、80%のアミノ酸配列同一性は、2つの最適に整列されたポリペプチド配列中の80%のアミノ酸が同一であることを意味する。
【0052】
パーセント同一性は、例えば、2つの分子間の配列情報の直接の比較により、上記配列を整列させ、2つの整列された配列の間のマッチの正確数を数え、より短い配列の長さで割り、そして結果に100をかけることにより測定することができる。容易に利用可能なコンピュータープログラムを上記の分析の補助に使用することができ、例えば、ペプチド分析のためのSmith and Waterman(1981)Advances in Appl.Math.2:482−489の局所相同アルゴリズムを採用する、Atlas of Protein Sequence and Structure M.O.Dayhoff ed.,*5 Suppl.3:353−358,National biomedical Research Foundation,Washi中のALIGN,Dayhoff,M.O.である。ヌクレオチド配列の同一性を測定するためのプログラムは、ウイスコンシンジェネティックソフトウエアパッケージ、バージョン8(ジェネティックスコンピューターグループ、マジソン、WIから入手可能)、例えばBESTFIT,FASTA及びGAPプログラムにおいて入手可能であり、これもSmith and Watermanのアルゴリズムをあてにする。これらのプログラムは、製造者により推奨された欠点のあるパラメーターと共に容易に利用され、そして上記参照されたウイスコンシンジェネティックソフトウエアパッケージに記載される。
【0053】
配列同一視を決定するために適したアルゴリズムの例はBLASTアルゴリズムであり、Altschul,et al.,J.Mol.Biol.215:403−410(1990)に記載される。BLAST分析を実施するためのソフトウエアはバイオテクノロジー情報のためのナショナルセンター(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通して利用可能である。このアルゴリズムは、データベース配列中の同じ長さのワードと整列させた場合にいくつかの正の値の閾値スコアに適合するか又は満足させる質問配列中の長さWの短いワードを同定することにより、高いスコアリング配列対(HSPs)を最初に同定することを含む。これらの初期の隣接ワードのヒットは、それらを含むより長いHSPを見つける開始点として作用する。ワードのヒットは、累積する整列スコアが増大できる限り、比較される2つの配列各々に沿った両方向において伸長する。上記ワードのヒットの伸長は、累積する整列スコアが最大達成値からの量Xにより落ち込む場合;累積スコアがゼロまたはそれ以下に達した場合;又は何れかの配列の末端が達した場合に、停止する。BLASTアルゴリズムのパラメーターW,T,及びXは上記整列の感度と速度を決定する。BLASTプログラムは、欠点として、11のワード長さ(W)、50のBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff & Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915(1989)を参照)整列(B)、10の期待値(E),M’5,N’−4,及び両鎖の比較を使用する。
【0054】
BLASTアルゴリズムは、次に、2つの配列間の類似性の統計分析を実施する(例えば、Karlin & Altschul,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 90:5873−5787(1993)を参照)。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の一つの測定値は最小合計確率(smallest sum probability)(P(N))であり、2つのヌクレオチド配列又はアミノ酸配列間で適合が偶然に起る確率の指標を提供する。例えば、試験核酸のフィターゼ核酸に対する比較において最小合計確率が約1より低い、より好ましくは約0.01より低い、そしてもっとも好ましくは約0.001より低いならば、核酸はこの発明のフィターゼ核酸に類似であると考えられる。試験核酸がフィターゼポリヌクレオチドをコードする場合、約0.5より低い、そしてより好ましくは約0.2より低い最小合計確率を比較がもたらすなら、それは特定のフィターゼ核酸に類似であると考えられる。
【0055】
2つの核酸又はポリペプチドのコンテクストにおける句「実質同一」は、典型的には、標準パラメーターを用いた上記のプログラム(例えば、BLAST,ALIGN,CLUSTAL)を使用した参照配列に比較して、ポリペプチド又はペプチドが、少なくとも60%の配列同一性、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%そしてもっとも好ましくは少なくとも95%を有する配列を含むことを意味する。2つのポリペプチドが実質同一であることの一つの指標は、第1ポリペプチドが第2ポリペプチドと免疫交差反応性であることである。典型的には、保存的アミノ酸の置換により相異するポリペプチドは免疫交差反応性である。即ち、例えば2つのペプチドが保存的置換のみ相異する場合、ポリペプチドは第2のポリペプチドと実質同一である。2つの核酸配列が実質同一であるであることの一つの他の指標は、2つの分子がストリンジェントな条件下で(例えば、中程度から高いストリンジェンシーの範囲で)互いにハイブリダイズすることである。
【0056】
「ハイブリダイゼーション」は、核酸の一つの鎖が塩基対を通して相補な核酸鎖と結合するあらゆるプロセスを含む。即ち、厳密に言えば、上記の用語は、標的配列の相補性が試験配列に結合する能力、又はその逆を意味する。
【0057】
「ハイブリダイゼーション条件」は、典型的には、ハイブリダイゼーションが測定される条件の「ストリンジェンシー」の程度により分類される。ストリンジェンシーの程度は、例えば、核酸結合複合体又はプローブの熔融温度(Tm)に基づくことができる。例えば、「最大のストリンジェンシー」は典型的には約Tm−5℃(プローブのTmより5℃低い)で起り;「高いストリンジェンシー」はTmより約5−10℃下において起り;「中程度のストリンジェンシー」はプローブのTmの約10−20℃下において起り;そして「低いストリンジェンシー」はTmの約20−25℃下で起る。別法としてか又は加えて、ハイブリダイゼーション条件は、ハイブリダイゼーション及び/又は1回又はそれ以上のストリンジェンシー洗浄の塩又はイオン強度条件に基づくことができる。例えば、6xSSC=極めて低いストリンジェンシー;3xSSC=低から中程度のストリンジェンシー;1xSSC=中程度のストリンジェンシー;そして0.5xSSC=高いストリンジェンシー。機能上は、最大のストリンジェンシー条件を使用することにより、ハイブリダイゼーションプローブを用いて、厳密な同一性又はほぼ厳密な同一性を有する核酸を同定してよい;高いストリンジェンシー条件を使用することにより、プローブと約80%又はそれ以上の配列同一性を有する核酸配列が同定される。
【0058】
高い選択性を要求する応用に関しては、ハイブリッドを形成するのに相対的にストリンジェントな条件を用いることを願うのが典型的であり、例えば、相対的に低い塩濃度及び/又は高い温度条件を選択する。ハイブリダイゼーション条件は温和なストリンジェンシー及び高いストリンジェンシーを含み、Sambrook et alに供給されており、引用により本明細書に取り込まれる。
【0059】
用語「単離された」又は「精製された」は、物質がその最初の環境(例えば、天然に生じるものならば自然環境)から取り出されることを意味する。例えば、物質が天然又は野生型生物中に存在するよりも高いか又は低い濃度において特定の組成物中に存在するか、あるいは天然又は野生型生物からの発現に際して通常は存在しない成分と協同して存在する場合、該物質は「精製された」と言われる。例えば、天然に生じる生きた動物に存在するポリヌクレオチド又はポリペプチドは単離されないが、天然系において共存する物質のいくつか又は全てから分離された、同じポリヌクレオチド又はポリペプチドは、単離される。そのようなポリヌクレオチドは、ベクターの一部であることができ、及び/又はそのようなポリヌクレオチド又はポリペプチドは組成物の一部であることができ、そしてそのようなベクター又は組成物がその自然環境の一部ではないことにおいて、なお単離される。核酸又は蛋白質は、例えば、電気泳動ゲルにおいて本質的に一つのバンドを生じるならば、精製されたと言われる。
【0060】
フィチン酸加水分解酵素(フィターゼ)に関して本明細書にて使用されるとおり、用語「由来する」は、問題の生物の株により生産されるか又は生産できるフィターゼのみならず、そのような株から単離されたDNA配列によりコードされてそのようなDNA配列を含む宿主細胞中で生産されるフィターゼも示すことを意図する。さらに、該用語は、合成及び/又はcDNA起原のDNA配列によりコードされるフィターゼ及び問題のフィターゼの同定された特性を有するフィターゼを示すことを意図する。例示するため、「Penicillium由来のフィターゼ」は、Penicilliumにより自然に生じるフィターゼ活性を有するそれらの酵素、並びにPenicilliumにより生産されるが、上記フィターゼをコードする核酸で形質転換された非−Penicillium源により遺伝子操作技術を通して生産されるフィターゼ様の酵素を意味する。
【0061】
本発明は、言及された特定の微生物株に由来するのと均等なフィチン酸加水分解酵素を包含する。このコンテクストにおいて「均等」であることは、上記フィチン酸加水分解酵素が中程度から高いストリンジェンシーの条件下で図1A−1Cの何れか一つに示された配列を有するポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドによりコードされることを意味する。均等であることは、上記フィチン酸加水分解酵素が、図2(配列番号:4)に開示されたアミノ酸配列を有するフィチン酸加水分解酵素に、少なくとも55%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一性を含むことを意味する。
【0062】
本発明は、本発明のフィチン酸加水分解酵素の変異体、異型及び誘導体が天然のフィチン酸加水分解酵素の少なくとも一つの特徴的な活性を保持することができる限り、該変異体、異型及び誘導体も包含する。
【0063】
本明細書にて使用されるとおり、フィチン酸加水分解酵素を言及する場合の用語「変異体(mutants)及び異型(variants)」は、天然に生じるアミノ酸配列及び/又はその構造の変更、例えば上記構造遺伝子のDNAヌクレオチド配列の変更及び/又はフィチン酸加水分解酵素のアミノ酸配列及び/又は構造の変更により得られるフィチン酸加水分解酵素を意味する。
【0064】
フィターゼに関する用語「誘導体(derivative)」又は「機能性誘導体」は、本明細書においては、本発明のフィターゼの機能上の特性を有するフィターゼの誘導体を示すのに使用される。フィターゼの機能性誘導体は、天然に生じるか、合成されるか又は組換え生産されるペプチド又はペプチド断片、本発明のフィターゼの一般的な特性を有する一つ又は複数のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有してよい変異体又は異型を包含する。
【0065】
フィターゼをコードする核酸に関しての用語「機能性誘導体」は、本明細書を通して、フィターゼをコードする核酸の機能上の特性を有する核酸の誘導体を示すために使用される。本発明のフィターゼをコードする核酸の機能性誘導体は、天然に生じるか、合成されるか又は組換え生産されるペプチド又はペプチド断片、一つ又は複数のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有して且つ本発明のフィターゼの特性を有してよい変異体又は異型を包含する。本発明によるフィターゼをコードする核酸の異型は、当業界公知の遺伝子コードの縮重に基づく対立遺伝子又は異型を含む。本発明によるフィターゼをコードする核酸の変異体は、部位特異的変異導入技術(例えば、Botstein,D.and Shortle,D.1985,Science 229:242−247を参照)、エラー性PCR(例えば、Leung,D.W.,Chen,E.,and Goeddel,D.V.,1989,Technique 1:11−15;Eckert,K.A.and Kunkel,T.A.,1991,PCR Methods Applic.1:17−24;及びCadwell,R.C.and Joyce,G.F.,1992,PCR Methods Applic.2:28−33を参照)及び/又は当業界公知の化学誘導性変異導入技術(例えば、Elander,R.P.,Microbial screening,Selection and Strain improvement,in Basic Biotechnology,J.Bullock and B.Kristiansen EDS.,Academic Press,New York,1987,217を参照)により生産された変異体を含む。
【0066】
「発現ベクター」は、適切な宿主内でDNAの発現を作用させることができる適切な制御配列に作動可能なように連結したDNA配列を含むDNA構築物を意味する。そのような制御配列は、転写をもたらすためのプロモーター、そのような転写を制御するための任意のオペレーター配列、mRNA上の適切なリボソーム結合部位をコードする配列、及び転写及び翻訳の停止を制御する配列を含んでよい。異なる細胞種は異なる発現ベクターと共に使用することが好ましい。Bacillus subtilisにおいて使用されるベクターのための好ましいプロモーターはAprEプロモーターであり;E.coliにおいて使用される好ましいプロモーターはLacプロモーターであり、そしてAspergillus nigerにおいて使用される好ましいプロモーターはglaAである。上記ベクターは、プラスミド、ファージ粒子、又は単に可能性のあるゲノミック挿入物であってよい。適切な宿主を形質転換したなら、ベクターは宿主とは独立して複製及び機能してよいか、あるいは適切な条件下でゲノム自身に挿入されてよい。本明細書においては、プラスミドとベクターはときどき交換可能に使用される。しかしながら、本発明は、均等な機能を供給し、そして当業界公知であるか又は公知になる他の形態の発現ベクターを含むこと意図する。即ち、広範囲の様々な宿主/発現ベクターの組み合わせをこの発明のDNA配列の発現において使用してよい。有用な発現ベクターは、例えば、染色体、非染色体及び合成DNA配列のセグメントからなってよく、例えば、SV40の様々な公知の誘導体及び公知の細菌プラスミド、例えばcol E1,pCR1,pBR322,pMb9,pUC19を含むE.coliのプラスミド及びそれらの誘導体、広いホストレンジのプラスミド、例えばRP4,ファージDNA、例えばファージλの多数の誘導体、例えばNM989,及び他のDNAファージ、例えばM13及び繊維状一本鎖DNAファージ、酵母プラスミド、例えば2μプラスミド又はその誘導体、真核生物に有用なベクター、例えば動物細胞に有用なベクター及びプラスミドとファージDNAの混合物に由来するベクター、例えばファージDNA又は他の発現制御配列を用いるために修飾されたプラスミドである。本発明の発現ベクターを使用する発現技術は当業界で知られており、一般には、例えばSambrook et al.,Molecular Cloning:A laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Press(1989)に記載される。しばしば、本発明のDNA配列を含むそのような発現ベクターは、組み込み事象を通して特定の種のゲノムに直接挿入されることにより、単細胞宿主を形質転換する(例えば、Bennett & Lasure,More Gene Manipulation in Fungi,Academic Press,San Diego,pp.70−76(1991)及び真菌宿主における標的かゲノミック挿入物を記載する本明細書中で引用された文献を参照されたく、それらは引用により本明細書に取り込まれる)。
【0067】
「宿主株」又は「宿主細胞」は、本発明によるDNAを含む発現ベクターのための適切な宿主を意味する。本発明において有用な宿主細胞は一般に原核生物又は真核生物であり、発現が達成できる形質転換可能な微生物を含む。例えば、宿主細胞は、Bacillus subtilis,Escherichia coli,Trichoderma lingibrachiatum,Saccharomyces cerevisiae,Aspergillus niger,及びAspergillus nidulansでありうる。宿主細胞組換えDNA技術を使用して構築されたベクターにより形質転換されるか又はトランスフェクトされる。そのように形質転換された宿主細胞は、フィターゼ及びその異型(変異体)をコードするベクターを複製すること又は所望のペプチド産物を発現することの両方が可能である。
【0068】
適切な発現宿主の例は、細菌細胞、例えばE.coli,Streptomyces,Salmonella typhimurium;真菌細胞、例えば、Aspergillus及びPenicillium;昆虫細胞例えばDrosophilla及びSpodoptera Sf9;動物細胞、例えばCHO,COS,HEK 293又はBowes melanoma;植物細胞等を含む。適切な宿主の選択は、本明細書に教示から当業者の範囲内であるとみられる。発明は用いられた特定の宿主細胞により限定されないことは注目されるべきである。
【0069】
II.フィターゼ酵素及びフィターゼ酵素をコードする核酸
本発明の一つの側面は、フィチン酸の加水分解を触媒でき且つ無機リンを放出できる蛋白質又はポリペプチド;例えば酵素委員会EC番号3.1.3.8、又はEC番号3.1.3.26にて定義された触媒活性を有する酵素を提供する。一つの好ましい態様において、本発明はいわゆる3−フィターゼを提供する。本発明は、そのようなフィチン酸加水分解性蛋白質又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、DNA)をさらに包含する。
【0070】
好ましくは、本発明によるフィターゼ及び/又はフィターゼをコードするポリヌクレオチドは、真菌、より好ましくは嫌気性真菌、そしてもっとも好ましくはPenicillium種、例えば、Penicillium hordei又はPenicillium piceumに由来する。即ち、本発明によるフィターゼ又はフィターゼをコードするDNAは、Absidia種;Acremonium種;Actinomycetes種;Agaricus種;Anaeromyces種;Aspergillus種、A.auculeatus,A.awamori,A.flavus,A.foetidus,A.fumaricus,A.fumigatus,A.nidulans,A.niger,A.oryzae,A.terreus及びA.versicolorを含み;Aeurobasidium種;Cepharosporum種;Chaetomium種;Coprinus種;Dactyllum種;Fusarium種、F.conglomerans,F.decemcellulare,F.javanicum,F.lini,F.oxyspor及びF.solaniを含む;Mucor種;Neurospora種、N.crassa及びN.sitophilaを含む;Piromyces種;Pseudomonas種;Rhizopus種;Schizophyllum種;Streptomyces種;Trametes種;及びTrichoderma種、T.reesei,T.longibrachiatum及びT.virideを含む;及びZygorhynchus種に由来し得る。同様に、本明細書にて開示されるフィターゼ及び/又はフィターゼをコードするDNAは、細菌、例えばStreptomyces種、S.olivochromogenes;特に繊維分解性の第一胃の細菌、例えばFibrobacter succinogenes;及びCandida torresii;C.parapsllosis;C.sake;C.zeylanoides;Pichia minute;Rhodotorula glutinis;R.mucilagi及びSporobolomyces holsaticusを含む酵母に由来してよいことが想像される。
【0071】
一つの態様において、本発明によるフィターゼ及び/又はフィターゼをコードするポリヌクレオチドは、(i)穀物損傷性真菌、例えばPenicillium hordei;Penicillium piceum.又はPenicillium brevi−compactum;又は(ii)樹木の根に結合する菌根外(ectomycorrhizal)真菌、例えばLaccaria laccata,Laccaria rufus,Paxillus involutus,Hebeloma crustuliniforme,Amanita rubescens,又はAmanita muscariaに由来する。
【0072】
好ましい態様によれば、本発明によるフィターゼ及び/又はフィターゼをコードするポリヌクレオチドは、精製された形態であり、即ち、天然又は野生型生物中に存在するよりも高いか又は低い濃度において特定の組成物中に存在するか、あるいは天然又は野生型生物からの発現に際して通常は存在しない成分と協同して存在する。
【0073】
本発明は、図2(配列番号:4)に開示されたアミノ酸配列を有するフィチン酸加水分解酵素に、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一性を有するフィチン酸加水分解蛋白質及びペプチドを包含する。
【0074】
本発明は、さらに、上記ポリヌクレオチドによりコードされる酵素がフィチン酸の加水分解を触媒し且つ無機リンを放出できる限り、図1A−1Cの何れか一つに開示されたポリヌクレオチド配列に、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一性を有する配列を含む真菌源、例えばPenicillium種に由来するフィチン酸加水分解酵素をコードするポリヌクレオチド、例えばDNAを包含する。好ましい態様において、上記フィチン酸加水分解酵素をコードするポリヌクレオチドは、図1A−1Cの何れか一つに示されるポリヌクレオチド配列を有するか、又はそれに相補である。当業者には理解されるとおり、遺伝コードの縮重のため、様々なポリヌクレオチドが図2(配列番号:4)に開示された加水分解酵素をコードすることができる。本発明はそのようなポリヌクレオチド全てを包含する。
【0075】
III.フィチン酸加水分解酵素をコードするポリヌクレオチドを得ること
フィチン酸加水分解酵素をコードする核酸は当業界公知の標準手法、例えばクローン化DNA(例えばDNAライブラリー)、化学合成により、cDNAクローン化により、PCRにより、あるいは所望の細胞、例えば真菌種から精製したゲノミックDNA又はその断片のクローン化により得てよい(例えばSambrook et al.,1989,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2d Ed.,Cold Sprin Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York;Glover,DM and Hames,BD(Eds.),DNA Cloning:A Practical Approach.Vols 1 and 2,Second Editionを参照)。ゲノミックDNAに由来する核酸配列は、コーディング領域に加えて制御領域を含んでよい。
【0076】
ゲノミックDNAからの遺伝子の分子クローニングにおいては、そのいくつかが所望の遺伝子の少なくとも一部を含むことになるように、DNA断片を生成する。該DNAは様々な制限酵素を用いて特定の部位において分断されてよい。あるいは、該DNAを断片化するためにマンガン存在下でDNAseを使用してよく、あるいは例えば音波処理によるように該DNAを物理的に剪断することができる。直鎖状DNAは次に標準技術によりサイズで分離することができ、限定ではないが、アガロース及びポリアクリルアミドゲル電気泳動、PCR及びカラムクロマトグラフィーを含む。
【0077】
核酸断片を生成したら、フィチン酸加水分解酵素をコードする特定のDNA断片の同定は多くの方法により達成してよい。例えば、本発明の遺伝子をコードするフィチン酸加水分解酵素又はその特定のRNA、又はその断片、例えばプローブ又はプライマーを単離して標識して、次にハイブリダイゼーションアッセイにおいて使用して生成遺伝子を検出してよい(Benton,W.and Davis,R.,1977,Science 196:180;Grunstein,M.and Hogness,D.,1975,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 72:3961)。該プローブに対して実質上の配列同一性を共有するDNA断片は中程度から高いストリンジェンシー下においてハイブリダイズすることになる。
【0078】
本発明は、配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3、又はその適当な部分又は断片(例えば、少なくとも約10−15の連続するヌクレオチド)をプローブ又はプライマーとして使用して、cDNAオリジン又はゲノムの何れかの核酸をスクリーンして、核酸ハイブリダイゼーション技術を通して同定される真菌種(特に、Penicillium種)に由来するフィチン酸加水分解酵素を包含する。Penicillium種に由来するフィチン酸加水分解酵素をコードし、且つ配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3、又はその適当な部分又は断片に少なくとも65%の同一性を有する核酸が、配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3のプライマー、部分又は断片を用いてDNA−DNA又はDNA−RNAハイブリダイゼーション又は増幅により検出することができる。従って、本発明は、本発明により包含されるフィチン酸加水分解酵素をコードする核酸の検出のための方法を提供し、配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3の核酸配列の一部又は全てとcDNAオリジン又はゲノムの何れかのPenicillium核酸をハイブリダイズさせることを含む。
【0079】
また、本発明の範囲には、配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3に開示されたヌクレオチド配列に中程度から高いストリンジェンシーにてハイブリダイズすることができるポリヌクレオチド配列も含まれる。一つの態様において、ハイブリダイゼーション条件は、引用により本明細書に編入されるBerger and Kimmel(1987,Guide to Molecular Clonin Techniques,Methods in Enzymology,Vol 152,Academic Press,San Diego CA)教示されるとおり、核酸結合複合体の熔融温度(Tm)に基づき、そして規定されたストリンジェンシーを授与する。この態様において、「最大のストリンジェンシー」は、典型的には約Tm−5℃(プローブのTmより5℃下)にて起り;「高いストリンジェンシー」はTmから約5℃から約10℃下で起り;「中程度(medium)」又は「中間の(intermediate)ストリンジェンシー」はTmから約10℃から20℃下で起り;そして「低いストリンジェンシー」はTmから約20℃から25℃下で起る。最大ストリンジェンシーのハイブリダイゼーションを用いることにより同一かほぼ同一のポリヌクレオチド配列を同定するか又は検出することができるのに対し、中間のストリンジェンシー又は低いストリンジェンシーを用いることによりポリヌクレオチド配列相同体を同定又は検出することができる。
【0080】
別の態様において、ストリンジェンシーはハイブリダイゼーション後に用いられる洗浄条件により決定される。「低いストリンジェンシー」条件は、この態様のためには、0.2X SSC/0.1% SDSの溶液を用いた20℃における15分間の洗浄を含む。「標準のストリンジェンシー」条件は、0.2X SSC/0.1% SDSの溶液を用いた37℃における30分間の洗浄を含む。
【0081】
ポリメラーゼチェイン反応(PCR)技術において実施されるような増幅のプロセスは、Dieffenbach CW and GC Dveksler(1995,PCR Primer,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,Plainview NY)に記載される。配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3からの少なくとも約10ヌクレオチド及び約60ヌクレオチドもの、好ましくは約12から30ヌクレオチド、そしてより好ましくは約25ヌクレオチドの核酸配列を、プローブ又はPCRプライマーとして使用することができる。
【0082】
cDNA又はゲノミックライブラリーから本発明の核酸構築物を単離するための好ましい方法は、配列番号:4に示すアミノ酸配列を有する蛋白質のアミノ酸配列に基づいて製造された縮重オリゴヌクレオチドプローブを使用した、ポリメラーゼチェイン反応(PCR)の使用による。例えば、上記PCRは米国特許第4,683,202号に記載された技術を使用して実施してよい。
【0083】
上記の観点から、図1A−1Cに提供されたポリヌクレオチド配列が、他の種、特にフィターゼ活性を有する酵素をコードする真菌(例えば、穀物損傷性真菌、又はEctomycorrhizae)からのポリヌクレオチドの同一又は相同な断片を得るために有用であることが認識されることになる。
【0084】
IV.フィチン酸加水分解酵素の発現と回収
本発明のポリヌクレオチド配列は、適切な発現ベクター中にて発現制御配列にそれらを作動可能に連結することにより発現し、そして当業界においてよく確立された技術に従い適切な宿主を形質転換するためにその発現ベクター中で用いてよい。この発明のDNA配列の発現に際して生産されるポリヌクレオチドは、細胞培養物の発酵物から単離され、そして当業界においてよく確立された技術に従い様々な方法により精製することができる。当業者は、もっとも適切な単離及び精製の技術を選択することができる。
【0085】
より特定すれば、本発明は、微生物、例えば、Penicillium種に由来するフィチン酸加水分解酵素の生産のための宿主細胞、発現方法及び系を提供する。本発明のフィチン酸加水分解酵素をコードする核酸が単離されたなら、該核酸を含む組換え宿主細胞は当業界公知の技術を使用して構築してよい。分子生物学の技術は、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A laboratory Manual,Second Edition(1989) Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY(1989)に記載される。
【0086】
一つの態様において、Penicillium種に由来するフィチン酸加水分解酵素をコードし、且つ図1A−1Cの何れか一つの核酸に少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、そして少なくとも95%同一性を有する核酸又はその機能性誘導体、あるいは図1A−1Cの何れか一つの核酸に対して中間から高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるか、又は図1A−1Cの何れか一つの核酸に相補な核酸を得ることができ、そして適切なベクターを使用して宿主細胞を形質転換することができる。
【0087】
フィチン酸加水分解酵素をコードする核酸は、コードされたフィターゼのセクションに関して提供することができるリーダー配列を含むことができる。フィターゼが細胞内で発現されるか又は分泌されるか否かに依存して、フィターゼの成熟形態が天然フィターゼシグナル配列又は真菌(例えば、Aspergillus niger)、他の原核生物又は真核生物において機能するシグナル配列の有る無しに拘わらず発現されるように、発明のDNA配列又は発現ベクターを設計することができる。発現は上記シグナル配列を除去するか又は部分除去するかの何れかにより達成することもできる。
【0088】
真菌、酵母、細菌、昆虫及び植物細胞におけるクローン化、形質転換及び発現に適した様々なベクター及び形質転換並びに発現用カセットは、当業者に知られている。典型的には、該ベクター又はカセットは、上記核酸の転写と翻訳を指示する配列、選択可能なマーカー及び自律複製又は染色体組み込みを可能にする配列を含む。適切なベクターは、転写開始制御を収容する遺伝子の5’領域及び転写の停止を制御する上記DNA断片の3’の領域を含む。これらの制御領域は、選択された制御領域が宿主細胞中で機能できる限り、宿主に相同又は異質な遺伝子に由来してよい。
【0089】
宿主細胞中でのフィチン酸加水分解酵素の発現を推進するのに有用な開始制御領域又はプロモーターは、当業者に知られている。フィチン酸加水分解酵素をコードする核酸は、そのような酵素の効果的な発現のための選択された発現制御領域に開始コドンを通して作動可能なように連結される。適切なカセットが構築されれば、宿主細胞を軽視つ転換するために使用される。
【0090】
植物発現ベクターを使用する場合、フィターゼをコードする配列の発現は多くのプロモーターの何れかにより推進してよい。例えば、ウイルスのプロモーター、例えばCaMVの35S及び19Sプロモーター(Brisson et al(1984)Nature 310:511−514)は、単独あるいはTMV由来のオメガリーダー配列と組み合わせて使用してよい(Takamatsu et al(1987)EMBO J 6:307−311)。あるいは、植物プロモーター、例えばRUBISCOの小サブユニット(Coruzzi et al(1984)EMBO J 3:1671−1680;Broglie et al(1984)Science 224:838−843);又はヒートショックプロモーター(Winter J and Sinibaldi RM(1991)Results Probl Cell Differ 17:85−105)を使用してよい。これらの構築物は直接DNA形質転換又は病原体媒介トランスフェクションにより植物細胞に導入することができる。そのような技術の総説に関しては、Hobbs S or Murry LE(1992) in McGraw Hill Yearbook of Science and Technology,McGraw Hill,New York,N.Y.,pp 191−196;又はWeissbach and Weissbach(1988)Methods for Plant Molecular Biology,Academic Press,New York,N.Y.,pp 421−463を参照されたい。
【0091】
一般的な形質転換の手法はCurrent Protocols In Molecular Biology(vol.1,Ausubelら編纂、John Wiley & Sons,Inc.1987,9章)に教示されており、カルシウムリン酸法、PEG及びエレクトロポレーションを使用する形質転換を含む。Aspergillus及びTrichodermaに関しては、PEG及びカルシウム媒介プロトプラスト形質転換を使用することができる(Finkelstein,DB 1992 Transformation.In Biotechnology of Filammentous Fungi.Technology and Products(Finkelstein & Billにより編纂)113−156)。プロトプラストのエレクトロポレーションは、Finkelstein,DB 1992 Transformation.In Biotechnology of Filammentous Fungi.Technology and Products(Finkelstein & Billにより編纂)113−156に開示される。分生子上のマイクロプロジェクションの砲撃は、Fungaro et al.(1985)Transformation of Aspergillus nidulans by microprojection bombardment on intact conidia,FEMS Microbiology Letters 125 293−298に記載される。アグロバクテリウム媒介性の形質転換はGroot et al.(1998)Agrobacterium tumefaciens−mediated transformation of filamentous fungi,Nature Biotechnology 16 839−842に開示される。サッカロミセスの形質転換に関しては、酢酸リチウム媒介形質転換及びPEG及びカルシウム媒介プロトプラスト形質転換並びにエレクトロポレーション技術が当業者には知られている。
【0092】
本発明のフィチン酸加水分解酵素に関するコーディング配列を含み、そして該蛋白質を発現する宿主細胞は、当業者に知られた様々な手法により同定してよい。これらの手法は、限定ではないが、DNA−DNA又はDNA−RNAハイブリダイゼーション及び蛋白質バイオアッセイ又は免疫アッセイ技術を含み、核酸又は蛋白質の検出及び/又は定量のための膜に基づくか、溶液に基づくか、又はチップに基づく技術を含む。
【0093】
本発明は本明細書に記載されたフィターゼ酵素のインビトロ発現を意図することも注目すべきである。
【0094】
本発明の一つの態様において、Penicillium hordei(ATCC No.22053)由来のフィチン酸加水分解酵素をコードするポリヌクレオチド配列を単離してAspergillus nigerにおいて発現させ、そして別の態様においては、Aspergillus nidulansにおいて発現させる。発現されたフィターゼは次に例えば次に記載されるとおりに回収され得る。
【0095】
本発明のフィターゼは、培養培地又は宿主細胞溶解物から回収することができる。膜結合であるなら、適切な界面活性剤溶液(例えば、Triton−X 100)を使用するか又は酵素による開裂により膜から放出させることができる。フィターゼの発現に使用される細胞は、様々な物理的又は化学的手段、例えば凍結融解循環、音波、機械的破壊、又は細胞溶解剤により破壊することができる。組換え細胞蛋白質又はポリペプチドからフィターゼを精製することを望んでよい。以下の手法は、適切な精製法の例である:イオン交換カラム上での分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ上又はカチオン交換樹脂上でのクロマトグラフィー、DEAE;SDS−PAGE;硫酸アンモニア沈殿;例えばSephadex G−75を用いたゲル濾過;汚染物質を除去するためのプロテインA Sepharoseカラム;及びエピトープタッグ形態のフィターゼを結合するための金属キレートカラムによる。蛋白質精製のための様々な方法を用いてよく、そしてそのような方法は当業界で知られており、例えば、Deutscher,Methods in Enzymology,182(1990);Scopes,Protein Purification:Principles and Practice,Springer−Verlag,New York(1に記載される。選択された精製工程は、例えば、使用される製造工程及び製造されたフィターゼの特定の形態の性質に依存することになる。
【0096】
V.フィチン酸加水分解酵素の応用
本明細書にて教示されるフィターゼ及びその誘導体は、フィチン酸からリンを分離することが望まれる、様々な応用において使用することができる。いくつかの例示の応用を以下に示す。
【0097】
例えば、発明は、本発明によるフィターゼを生産することができる細菌の細胞又は胞子の副生物工学的又は直接的に給餌される微生物生成物としての用途を提供する。上記の使用のための好ましい態様は、本発明のフィターゼ生産Aspergillus種である。
【0098】
さらに、本発明は、本明細書にて記載されたようなフィターゼの食物又は動物飼料における使用を意図する。
【0099】
本発明は、本明細書にて記載されるようなフィターゼを含む食物又は動物飼料を提供する。好ましくは、上記食物又は動物飼料は、家畜、例えば家禽及びブタ、及び魚及びエビを含む水生飼育動物の消化管、好ましくは、素嚢(crop)及び/又は小腸において活性な添加物としてフィターゼを含む。上記添加物も好ましくは食物又は飼料のプロセシングにおいて活性である。
【0100】
本発明は、さらに、本明細書にて記載されたようなフィターゼを発現できる細胞又は胞子を含む食物又は動物飼料を提供する。
【0101】
またさらに、本発明は、本発明によるフィターゼが上記食物又は動物飼料と混合されることを特徴とする、食物又は動物飼料の生産方法を意図する。上記フィターゼは、プロセシング前に乾燥生成物として又はプロセシング前又は後に液体として添加される。一つの態様によれば、乾燥粉末を使用する場合、上記酵素は乾燥担体、例えば製粉された粒状物上で液体として希釈される。
【0102】
本発明は、本発明によるフィターゼを発現する細胞及び/又は胞子が上記食物又は動物飼料に添加されることを特徴とする、食物又は動物飼料の生産方法も意図する。
【0103】
さらに、本発明は、イノシトール及び無機リン、及びフィチン酸中間体の生産における、アクセサリーホスファターゼの有る無しに拘わらない、本明細書にて記載されたようなフィターゼの用途を提供する。
【0104】
また、動物飼料に含まれるフィチン酸を変換することにおいて有効な量にて本発明による動物飼料を動物に給餌することを特徴とする、動物の肥料中のリンのレベルの低下のための方法も提供される。
【0105】
本発明のフィターゼ及びフィチン酸由来の中間体は、粒状物の湿潤粉末化において、洗浄及び個人のケア製品において、及び織物の加工において使用することもできる。
【0106】
以下の実施例は例示の目的のために提供されるのであり、そして如何なる様式においても本発明の範囲を限定することを意図しない。本明細書にて引用された全ての特許及び刊行物はそれらの全体を引用により本明細書に取り込む。
【0107】
実施例
実施例1
液体培養におけるフィチン酸加水分解活性の証拠
P.piceum(ATCC No.10519)及びP.hordei(ATCC No.22053)を、様々な濃度の無機リンを含む規定された培地中で生育させ、そして生育の特性及びフィターゼ生産をアッセイして比較した。胞子の懸濁液を使用して(2x106胞子/ml最終濃度)、最小培地に接種したが(Vogels)、リン濃度を変更してこれが生育とフィターゼ生産に如何に影響するのかを観察した。培養物は撹拌フラスコ培養にて25℃(P.hordei)又は30℃(P.piceum)において50mlの培地中で生育させた。培養物は24、48、722及び96時間後に回収した。Fiske and SubbaRowの方法を使用して、培養物の上清をフィターゼ活性に関してアッセイした。生育は乾燥重量(P.hordei)又はODの読み(P.piceum)により測定した。
【0108】
1A.異なる培地条件の生育及び形態に対する影響
生じさせたPenicilliumの成長曲線、例えば図3のP.piceumの成長曲線及び図4のP.hordeiの成長曲線のシリーズの、培地中の利用可能なPの生育及びフィターゼ生産に対する効果を調べた。特にP.piceumに関して、Pレベルが0.57mMに低下したとき(成長曲線から1/64P[図3])、真菌の生育における形態上の変化が観察され、圧迫された条件を連想させた(例えば、菌糸体の断片化、ペレット化(pelleting)、不均一な生育及びパールイエロー色の全体における出現)。この生理的な圧迫は、成長曲線が後期対数相に到達する点におけるフィターゼ活性の出現に関連した(48時間;以下の表1を参照)。フィチン酸利用性に関する形態上の証拠は、リンの源として1mMのフィチン酸で24時間生育させた後に追加された低量のP(0.57mM)の同一培養物において観察された。フィチン酸の添加なしで観察された形態上の変化ははっきりせず、事実、追加されたサンプルは、制限しなかった高いPの培地における培養物と似ていた。これは明らかに、フィチン酸特異的加水分解活性が生じつつあり、その結果Pが生育する真菌に供給できたことを示す。しかしながら、5mMのフィチン酸を追加した場合、培養物は生育しなかったことから、培地中のこのレベルのフィチン酸は必須のミネラルをキレートして、菌糸の生育及び栄養を支持できない培地をもたらすことが示唆される。
【0109】
例示のP.hordeiの研究において、真菌は以下を含む培地中で生育させた:
・高リン酸(1.14mM)
・低リン酸(0.57mM)
・低リン酸プラス1mMの追加のフィチン酸。
【0110】
成長は0、24、48、72及び96時間後に乾燥重量測定により監視し、そして異なる培地条件に対する応答における形態上の特性も観察した。主要な観察及び結論は以下のとおりである:
1.高リン酸における期待された良好な成長であり、健康な培養物の真菌の形態上の指標と一致。
2.低リン酸条件にて成長は顕著に貧困であり、真菌の形態は凝集塊及び菌糸体の証拠から不均質であった。培養物は病的な黄色の外観を有した。
3.(2)に関してフィチン酸(基質)を追加した場合の同様な培養物はもはや同じ生理学上の圧迫下では見られなかった。バイオマスの成長は条件(1)と類似しており、そして真菌の形態は高リン酸条件に関してと同じであった。
4.これらの培養物の成長曲線及び写真の証拠は、これらの観察をバックアップし、そして全体の主要な結論は、真菌がフィチン酸からのリンに接近することを可能にし、そしてさもなくば培養物が経験しているリン酸飢餓の圧迫をそうして回避するする条件(3)においてフィチン酸加水分解活性を我々が観察していることである。
【0111】
1B.培養物上清中のフィターゼ活性
以下の表1は、P.piceumの培養物上清中のフィターゼ活性を示す。表1には、フィターゼ活性に関しての対照と同じVogels 1/64 P(0.57mM)培地中での条件下で生育させたA.nigerの培養物に関するデータも示す。認識できるとおり、A.niger培養物はP.piceum培養物と類似のレベルを示した。
【0112】
【表5】
Figure 0004965780
【0113】
即ち、明確な生理学上の圧迫がリン酸を制限された培養物に付随し、逆に生育に影響し、そしてフィターゼ活性の出現にリンクした。
【0114】
1C.培養物上清の濃度
フィターゼ活性の追加の証拠は、濃縮された上清(濃縮された蛋白質)から予測することができる。例えば、濃縮された蛋白質のサンプルは、
1.圧迫及び低リン酸の条件からのPenicilliumの培養物(フィターゼを発現すると予測される)、
2.フィターゼを発現すると予測されない、高リン酸及び圧迫なしのPenicillium培養物、及び
3.低リン酸及び追加のフィチン酸を追加された培養物
から得ることができる。
【0115】
これらの濃縮された蛋白質の銀染色されたSDS−PAGEゲルは、条件2に存在しない条件1(上記)からの濃縮された蛋白質中の蛋白質バンド(仮想フィターゼバンド)の出現を示す蛋白質プロフィールを示すと予測される。このバンドの類似した出現は、低レベルであるにもかかわらず条件3においても予測される。P.hordeiフィターゼのアミノ酸配列、及びそれが細胞外酵素らしいという事実に基づくと、上記蛋白質の予測されたサイズは約50kDaである。しかしながら、該細胞外酵素上のグリコシル化の修飾が、上記分子量を60−90kDaに増加させるかもしれないことに注目するべきである。
【0116】
実施例2
フィターゼ遺伝子断片のPCR増幅
2A.縮重プライマーのデザイン
公表されたフィターゼのアミノ酸配列の整列に基づき、ある範囲の縮重プライマーを保存された構造上の領域と触媒領域に対してデザインした。そのような領域は、フィターゼ間で高度に保存された領域、並びに酵素の構造及び機能に重要であることが知られている領域を含んだ。
【0117】
一つの研究において、4つの公表されたフィターゼに関してのアミノ酸配列を整列させた。該配列は、(i)A.niger(DEFINITION:A.niger phyA遺伝子;ACCESSION:Z16414;van Hartingsveldt,W.et al,1992);(ii)A.fumigatus(DEFINITION:Aspergillus fumigatusフィターゼ遺伝子、完全なcds.;ACCESSION:U59804;Pasamontes,L.et al,1997);(iii)A.terreus(DEFINITION:Aspergillus terrus 9A1フィターゼ遺伝子:完全なcds.;ACCESSION:U59805;Mitchell,D.B.,et al,1997);及び(iv)Myceliophtora thermophilus(DEFINITION:Myceliophthora thermophilaフィターゼ遺伝子、完全なcds.;ACCESSION:U59806;Mitchell,D.B.,et al,1997)からのフィターゼのものである。
【0118】
5つの特定の領域を上記の基準に合うように選択し、そしてフォワードプライマーとリバースプライマーの範囲を該アミノ酸配列からデザインした。上記プライマーをデザインするのに使用された特定のアミノ酸領域は、図5の蛋白質配列の整列において黒の縁取りにて記してある。コドンの使用量に関して遺伝子コードを使用して、縮重ヌクレオチドPCRプライマーをMWG−Biotech Ltdにより合成した。
【0119】
別の研究において、CS1及びCS2と命名された1対のプライマーを、A.nigerのみのphyA及びphyBフィターゼに関して公表されたアミノ酸配列からデザインした。これらのプライマーは以下のとおりにデザインした:
・プライマーCS1:phyAフィターゼのリン酸結合ドメインであり且つ触媒活性に必須の領域RHGARYPT(図5、a.a.約110−120を参照)からのフォワード(5’−3’)プライマー。
・プライマーCS2:相対的によく保存されているらしい中心フィターゼ領域である領域FT(H/Q)DEW(1/V)(図5、a.a.約335−345を参照)からのリバースプライマー。
【0120】
上記プライマー配列は以下のとおりである:
【0121】
【表6】
Figure 0004965780
【0122】
全てのプライマーを5’−3’方向で合成したとおり、リバースプライマーはCS2に関して太字で描かれる。標準の遺伝子コードを使用して、アミノ酸からトリプレットコドンに変化させ、そして混合された塩基部位に関しての標準IUBコードを使用した(例えば、IはA/C/T/Gを示す)。
【0123】
プライマーCS1及びCS2のデザインに関するさらなる詳細は、今、図6を参照して記載される。図6は、プライマーCS1及びCS2がデザインされたA.nigerからのPhyA及びPhyBフィターゼに関して公表されたアミノ酸配列を示す。特に、整列された配列は、1;Piddington et al,1993(A.niger var.awamoriからのPhy A及びPhy b)、2;van Hartingsveldt et al.,1993(A.nigerからのPhy a)、3;Erlich et al.,1993(A.nigerからのPhy B)である。図1の整列は、PHYLIPバージョン3.5パッケージからのCLUSTAL V(Higgins D.G.,et al,1992)を使用して実施した。縮重プライマーCS1,CS2をデザインするために使用した保存された配列を示す。
【0124】
図6の整列から認識できるとおり、PhyA及びPhyBのリン酸結合ドメインは、PhyA(RHGRYP;van Hartingsveldt et al.,1993)及びPhyB(RHGRYP;Piddington et al.,1993)の間でたった一つのアミノ酸の差異をもってよく保存されている。デザインされたプライマーCS1は、上記配列のPhyAバージョン中のこの領域に相補であるように、即ちプライマーのデザインの基礎としてRHGARYPTのみを使用してデザインされた。第2の保存された領域は、プライマーCS2の基礎としての要求を満たし、PhyA及びPhyBのアミノ酸配列の中央において生じる。PhyA(FTHDEWI)中のこの保存された中心のフィターゼ特異的ドメインは、アミノ酸285−291に相当する。PhyBにおいては、アミノ酸(FTQDEWV)はアミノ酸280−286に相当する。
【0125】
縮重プライマーCS1及びCS2は、次に記載されるとおり、P.hordeiからの650bpをPCRによりうまく増幅した。
【0126】
2B.フィターゼ遺伝子断片のPCR増幅
Penicillium種のゲノミックDNAを上記プライマーの組み合わせを使用して仮想フィターゼ遺伝子断片のPCR増幅のための鋳型として使用した。PCRはAmersham PharmaciaのPCR用ビーズを用いて実施した。条件は個々の実験により決定したが、典型的には30サイクルをTechne温度循環器により稼働させた。1%アガロースゲル上でのPCR反応物の電気泳動により増幅の成功を証明した。プライマーCS1及びCS2によりP.hordeiから増幅して、正確な予測サイズであった(650bp)PCR産物をQiagenのQiaquickスピンゲル抽出キットを用いてゲル抽出により精製した。精製されたPCR産物を市販のpGEM−T Easyベクター系(Promega Corporation)に連結して、クローン化を促進した。連結反応物は、0.1容量の10xライゲースバッファー及び1μl(1U.μl-1)のT4ライゲースを含む10μlの全容積にて4℃において一晩インキュベートした。典型的には、挿入DNAは、1−4:1の挿入物体ベクターDNAのモル比で反応中で使用した。CaCl2コンピテントE.coli XL−1青色細胞の100μlアリコートを−80℃保存物から取り出し、そして形質転換のために氷上で解凍した。3μlのライゲーション混合物を上記細胞に加え、そして該混合物を氷上で20分間インキュベートした。次に、細胞は42℃において1分間熱ショックを与えられ、そえ氷上で5分間に戻した。形質転換混合物を0.9mLのL−ブロスに加え、そして細胞は撹拌しながら選択せずにインキュベートすることにより、選択が適用される(37℃、1時間)前にアンピシリン耐性遺伝子産物の発現を可能にさせた。この培養物の200、300及び400μlのアリコートを次に選択用寒天プレート上に直接伸ばした。プレートを37℃において一晩インキュベートした。組換えプラスミドを含むコロニーを青色/白色選択を使用して可視化した。組換え形質転換体の素早いスクリーニングのために、プラスミドDNAを仮想陽性(白色)をコロニーの培養物から調製した。Sambrook et al(1989)のプロトコルに従い、Birnboim and Dolyの方法によりDNAを単離した。組換えプラスミド中の正確な挿入物(650bp)の存在は、制限分析により確認された。DNAは、Not1−pPst1制限酵素を用いて一晩37℃において消化し、そして消化産物をアガロースゲル電気泳動により可視化した。多数のコロニーが正確なサイズの挿入物を含み、そして該挿入物がフィターゼ遺伝子断片であるか否かを観察するためにマニュアル配列決定のために選択した。挿入物は、Sanger et al(1977)のジデオキシ鎖停止法を使用して、修飾形態のT7のDNAポリメラーゼを用いて配列決定した(Sequenaseバージョン2.0)。上記反応は、Sequenaseバージョン2.0キット(Amersham Life Science−United States Biochemical Corporation)において供給される試薬を用いて、製造者の指示書に従い実施した。2つのクローン(3D及び3Gと命名した)の末端からの部分配列は、フィターゼ遺伝子断片がクローン化されたことを示した。これらのクローン両方からのプラスミドDNAを、二本鎖挿入物の完全な配列決定のために、MWG−Biotech Ltdに発送した。
【0127】
2C.配列分析
BLAST及び蛋白質翻訳配列決定手段により、上記配列を分析した。ヌクレオチドレベルにおけるBLAST比較は、公表されたphyAフィターゼ配列に対しての様々なレベルの相同性を示した。最初に、全世界のウエブ上のBLASTデータベースを評価することにより、ヌクレオチド配列をBLASTに付託した。使用したウエブサイトは、http://ncbi.nlm.nih.gov/cgi−bin/BLASTにおいてであった。選択されたプログラムはblastnであり、そして選択されたデータベースはnrであった。標準/欠点のあるパラメーター値を用いた。仮想P.hordei遺伝子断片の配列データは、FASTAフォーマットにおいて配列として入力され、そして本発明の配列とデータベースに既にある配列を比較するためにBLASTに質問が付託された。以下に論じる第1ライブラリーのスクリーンからの650bp断片及びEcoRI遺伝子断片に関してリターンされた結果は、A.niger,E.nidulans,A.fumigatus及びT.thermophilusからのフィターゼ遺伝子に関する高い数値のヒットを示した。
【0128】
上記配列は次にProtein Machineと呼ばれるDNAから蛋白質への翻訳手段に供した。この手段は、http://medkem.gu.se/edu/translat.htmlにおけるウエブ上でも利用可能である。別の適切な翻訳手段はTranslation Machineとして知られており、http://www2.ebi.ac.uk/translate/におけるウエブ上で利用可能である。P.hordeiからの仮想フィターゼ遺伝子のDNA配列を分析ブロックに挿入し、そして標準遺伝子コードを翻訳のための基礎として使用した。翻訳は3つ全てのフレーム内でフォワードプライマー及びリバースプライマー上で実施した。翻訳されたアミノ酸配列は1文字標記のアミノ酸配列として分析手段によるスクリーン上に送達した。アミノ酸配列に翻訳されたとき、上記クローンが停止コドンを伴わない212のアミノ酸を含むことが示された(636bpが遺伝子断片の実際のサイズであった)。アミノ酸配列の分析は、上記断片が両方の正確な末端を含んだこと(プライマーCS1及びCS2をデザインするために使用されたとおり)、必須のP結合モチーフ(RHGARYP)及び公表されたphyAフィターゼ配列中にも存在する3つのシステインを含んだことを示す。クローン化された上記636bpの断片は、P.hordeiからのphyAフィターゼ遺伝子断片であったと結論された。
【0129】
配列の整列及びそれらの整列の分析を、ALIGNプログラム(Alignment Editor Version 4/97;Dominick Hepperle,Fontanestr.9c.D016775,Neuglobsow,ドイツ)を用いてヌクレオチドレベル及びアミノ酸レベルにおいて実施した。上記分析を実施するに際して、対象の配列をペーストインし、そしてPHYLIPのインターリーブされたフォーマットを用いた。相同性分析は上記プログラムの「Analyse」セクション、そして特に「Distance Analysis」と題されたオプションを用いて実施した。これは、%相同性を計算し、そして2つのアミノ酸配列の最小値を用いて種(即ち、2つの「種」)の間の異なる部位の数を計算する。最小及び最大の相同性を%として計算する。相同分析の基礎は%同一性として、「同一アミノ酸(又は塩基)の数をアミノ酸(又は塩基)全数で割って100をかける」計算に基づいて実施することによりパーセンテージ値を得た。P.hordeiのアミノ酸配列を公表されたフィターゼ配列と共にALIGNプログラム中に入れ、そしてアミノ酸レベルのマニュアル整列を実施した。例示の結果を図7に示す。図7において、「P.hordei3D」と記された配列(配列番号: )は縮重プライマーCS1及びCS2を用いて得られたPCR産物に関して導かれた翻訳を表す。
【0130】
実施例3
ライブラリー製造のためのサザン分析
P.hordei,P.piceum及びA.niger由来のゲノミックDNAをある範囲の制限酵素で一晩37℃において消化した。消化に成功したDNAをナイロン膜への転写の準備のために1%アガロースゲル上で流した。電気泳動完了後、上記アガロースゲルを10分間0.2MのHCl中に浸すことによりDNAを脱プリンし、そしてddH2Oで簡単に洗浄した。上記DNAをHybondTM−N+膜(Amersham International PLC)上にアルカリキャピラリーブロッティングにより転写した。ブロットをセットアップして、ナイロン膜をゲルと吸収性紙タオルの堆積物の間に挟んだ。Whatmanの3MMペーパー(Schleicher and Schuell,Dassel,ドイツ)のウイックをガラス板上で転写バッファー(0.4M NaOH)のリザーバーを覆うように用意した。ゲルをウイック上で倒置して、空気の泡の形成を避けるように注意し、そしてNescofilmのストリップで囲んで、紙タオルのブロッティング作用がその縁におけるゲルのバイパス化を妨害した。ゲルは、角を切ることによりゲルに適合させて3xSSC中に予め湿潤した同じサイズの一片のHybondTM−N+膜で覆った。次に、3−5片の3MMペーパーをフィルターの上部に置き、10cmの堆積のブロッティングペーパーを加え、次に0.5kgのウエイトを載せることによりブロットを完成させた。ブロットを8−24時間放置することにより、DNAを転写した。次に、膜を簡単にRT中の2xSSCで洗浄して、真空オーブン中にて80℃にて焼くことにより、DNAを膜に固定した。P.hordeiからの636bpの断片をサザンブロットのプローブに使用した。High Prime DNA標識キット(Boehringer Mannheim)を使用して、それを最初に32Pで標識した。変性した断片を、放射性標識したアデニンを含むランダムプライムされた標識反応に加えた。サザンブロットは、ハイブリダイゼーションチューブ中の12mLのEasy−Hybバッファー(Boehringer and Mannheim)中で1時間42℃において予めハイブリダイズした。放射性標識されたプローブを変性して、5mLのEasy−Hybハイブリダイゼーションバッファーに加え、そして放置することにより一晩42℃においてハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後に、40mLの3xSSC、0.1%SDSでインキュベーションすることにより、ブロットを洗浄した。この低ストリンジェンシーの洗浄は新たな洗浄溶液を用いて繰り返した。ストリンジェンシー洗浄の後に、ロットを3xSSCで洗浄し、そして透明なプラスチックチューブ中に密封し、X−線フィルムに暴露した。これは2時間放置してフィルムを現像した。
【0131】
図8に示すとおり、強いハイブリダイゼーションバンドがP.hordei消化物に関して観察された。特に、図8は、縮重プローブCS1及びCS2を用いて得られたPCR産物を含むプローブと、真菌のゲノミックDNAの様々な消化物の間のハイブリダイゼーションを示すサザンブロットゲルを示し;レーン1−サイズマーカー;レーン2−Aspergillus niger−EcoRI;レーン3−Penicillium piceum−EcoRI;レーン4−Penicillium hordei−EcoRI;レーン5−Penicillium hordei−BamHI;レーン6−Penicillium hordei−SalI;レーン7−Penicillium hordei−KpnI;そして、レーン8−Penicillium hordei−SacIである。これらの結果は、636bp断片がライブラリースクリーニングのためのプローブとして使用できることを示す。
【0132】
実施例4
フィターゼをコードするP.hordeiのゲノム由来の
ポリヌクレオチド配列の単離
4A.P.hordeiのゲノミックライブラリーの生成とスクリーニング
サザンハイブリダイゼーション分析の後、完全長のフィターゼ遺伝子をクローン化する試みのために、P.hordeiの部分ゲノミックライブラリーを作成することを決めた。4.4kbのEcoRI断片を標的とするサイズ制限されたプラスミドライブラリー(サザン分析により評価された)を生成させた。EcoRI消化されたP.hordeiのゲノミックDNAを1.25%アガロースゲル上に流した。約4.4kbの消化された断片をゲルから抽出し、そしてGlass−Max(Gibco−BRL,スコットランド)により精製した。精製されたゲノミック断片は、EcoRI直鎖状化Bluescriptベクター(Stratagene)とのショットガンライゲーションにおいて使用した。該ベクターをライゲーション前に最初に脱リン酸化し、そして連結反応を14℃一晩にて実施した。E.coli XL−10 Goldウルトラコンピテント細胞(Stratagene)の形質転換によりライブラリーを製造した。100μlのアリコート細胞を−80℃保存から取り出し、そして形質転換のために氷の上で解凍した。4μLのβ−メルカプトエタノールを氷上の細胞に加えた。3μlの連結混合物を上記混合物に加え、そしえ該混合物を氷の上で20分間インキュベートした。該細胞は次に42動物の0秒間熱ショックを与え、そして氷上で2分間戻した。形質転換混合物を0.9mLのNZY−ブロスに加え、そして細胞を撹拌しながら選択なしにインキュベートすることにより、アンピシリン耐性遺伝子の発現を許容させた。形質転換された細胞を青色/白色選択LB寒天プレート上にプレートし、そして37℃における一晩のインキュベーションのために放置した。全部で728のコロニーがプレート上に観察され、そのうちの450が白色であった。該コロニーをManiatisの方法(10%SDS−溶解、3分間;1.5M NaOH−変性、5分間;1.5M Trsi−HCl−中和、5分間;3xSSC−洗浄、5分間)によりニトロセルロースフィルターに載せた。次に、フィルターを2時間80℃にてサザンハイブリダイゼーションと同じ様式にて焼いた。ハイブリダイゼーション後に、フィルターを2回3xSSC,0.1%SDSで42℃において15分間洗浄した、該フィルターを、3xSSC中で洗浄し、プラスチック中に密封し、そしてX−線フィルムに一晩−80℃において暴露した。5つの陽性のハイブリダイズする点がフィルム上に観察された。これらを上記形質転換体を含む寒天プレートと整列させた。ハイブリダイズする点は、寒天プレート上の一つより多い単一コロニーに匹敵して適合した。ハイブリダイズする点の半径の中の全てのコロニーを滅菌ループにより取り上げ、2mLのLuriaブロスに接種するのに使用した。培養物は37℃において2時間生育させた。該培養物の希釈を10−1から10−5まで作成し、そして各サンプル100μLをLB−amp寒天プレート上にプレートして一晩37℃においてインキュベートした。その上に10から150の間のコロニーを有したプレートを選択して、第2のスクリーンのために前方に進ませた。コロニーの持ち上げは前のとおりに行い、そして同じ手法を使用してフィルターを処理した。新鮮な32P標識プローブを調製し、そして以前に概説したのと同じ様式にてフィルターをスクリーンした。ストリンジェンシー洗浄は2xSSC、0.1%SDSを用いて42℃において15分間実施した。次に、フィルターを2xSSCで洗浄し、プラスチックに密封して、X−線フィルムに2時間暴露した。現像されたフィルムは極めて多数の強くハイブリダイズする点を示し、初期スクリーンからの陽性コロニーの増幅と一致した。次に、フィルムをプレートと整列させ、そして次に点を整合させることにより、それらが単一の単離されたコロニーに対応するか否かを観察した。単一のコロニーに匹敵して適合した最良の12のコロニーを拾い上げ、そしてプラスミドのDNAの調製のためのLuriaブロスに接種するために使用した。プラスミドDNAは、Qiaspin Mini−Prepキット(Qiagen)により精製し、そして制限分析を実施することにより、挿入物のサイズを評価した。全部で12のクローンが3−4kbの間の挿入物のサイズを示唆する同じ制限プロフィールを与えた。正確な遺伝子/遺伝子断片であったか否かを決定するための部分配列決定のために、上記クローンのうちの6つをMWG−Biotech Ltdに発送した。配列分析は、上記クローンの内の3つがphyAフィターゼ由来の遺伝子断片を含んだことを示したが、片方の末端においてのみであった。これらの3つのクローンを次に、挿入物に対して行われた完全配列決定を得るために発送した。
【0133】
これらのクローンの完全配列に対する配列分析は、3つのクローン全てが同じものであり、そしてそれらがphyAフィターゼ遺伝子の約80%に相当する355アミノ酸をコードした示した(図7、第1行参照、「P hordei」と記した)。該遺伝子の開始から約300−400bp下流の位置に該遺伝子の内部のEcoRI部位が存在したことは明らかであった。
【0134】
4B.真菌フィターゼ間のパーセンテージ同一性の比較
クローン化されたフィターゼ遺伝子断片の導かれたポリペプチド産物を公表されたフィターゼを用いた相同性分析に使用した。該分析は、約42−56%の同一性を示し(以下の表2参照)、そして翻訳された配列の分析と共に、クローン化された遺伝子断片がphyAフィターゼであったという証拠を提供した。
【0135】
【表7】
Figure 0004965780
【0136】
4C.残りのフィターゼ遺伝子を単離するためのSalIに基づきサイズ限定されたゲノミックライブラリーの生成とスクリーニング
P.hordeiのフィターゼ遺伝子の見積もられた残り20%を単離するために、第2の制限酵素を使用することにより第2の部分ゲノミックライブラリーを生じさせて、該遺伝子の5’末端を単離することを決定し、そして次に2つの断片を共にサブクローン化することを試みた。クローン化されたフィターゼ配列内に存在する制限エンドヌクレアーゼの制限部位をWebcutterを使用して同定した。特に興味深いのは、図8に示したサザン分析にて使用した酵素の部位であった。これらの酵素(KpnI,SacI,BamHI及びSalI)は、全て、クローン化断片の5’末端からそれぞれ、48bp,75bp,486bpそして660bpの位置においてフィターゼ配列内を分断することがわかった。P.hordeiのゲノミックDNAの消化物のサザン分析(図8)は、BamHI断片が極めて大きく(約8kb)、そしてプラスミドに基づくライブラリーにおけるクローンとは異なることを示す。KpnIのバンドとのハイブリダイゼーションの程度は、ライブラリースクリーンのために十分な強度ではなく、そしてSalIレーン上の2つのバンドの存在は上記スクリーニングプロセスを複雑にするらしい。前と同じ様式にてSalIに基づいてサイズ限定されたライブラリーを生じさせることにより1.8kbのSalIバンドを単離することを決定した。プローブ配列の末端から約120bp下流の位置の1カ所の公知のSalI部位の存在と共に、フィターゼ遺伝子の開始部分の上流位置に別のSalI部位があるらしい。ライブラリーはpBluescript SKIIにより前のように作成し、そして同じ636bpのプローブを使用してスクリーンした。陽性のハイブリダイズするクローンの選択を選び、そしてプレート上のコロニーと整列させた。12の全てが単一の単離されたコロニーと適合し、そしてプラスミドDNAの調製のために拾い上げられた。制限分析は、たった3つのクローンしか挿入物を有さず、そしてその全てが約1.8kbであったことを示した。これらの2つのクローン(CS112,CS114)は、のちに、MWG−Biotechへ完全配列決定のために送った。導かれたアミノ酸配列は、上記クローンがphyAフィターゼに属するモチーフを有する配列を含んだが、CS112は多数の配列決定の誤りを有したことを示した。クローンCS114の分析は、フィターゼ遺伝子のゲノミック断片間に450bpのオーバーラップが存在したことを示した。提案された開始コドンが同定されたと共に、5’イントロン、および上流の制御要素もCS114に関して同定された。
【0137】
4D.異種発現のための隣接するフィターゼ遺伝子の増幅
混成のフィターゼ遺伝子を2つのゲノミッククローンCS114とCS101から生成し(図9)、そして多数の上流及び下流プライマーをデザインするのに使用し、隣接フィターゼ遺伝子配列を増幅するのに使用することができた。PCR増幅もデザインすることにより、Genencor International,Incにより供給された5.1kbの構築物である異種発現ベクターpGAPT−PGへの完全フィターゼ遺伝子のクローン化及び発現を容易にした(図11参照)。pGAPT−PGのマルチプルクローニングサイト内にはフィターゼ遺伝子内には存在しない2つの制限酵素部位(EcoRV及びAgeI)が存在する。多数の5’及び3’フランキングプライマーをフランキング遺伝子配列を使用してデザインし、そしてこれらの酵素の制限酵素認識部位を含ませるように修飾した。
【0138】
【表8】
Figure 0004965780
【0139】
PCRによるフランキング遺伝子の増幅は、P.hordeiからのゲノミックDNA及びこれらのプライマーの組み合わせを用いて試みた。PCRは完全長のフランキング遺伝子に対応して約1.7kbの領域を増幅するべきである。図12は、プライマーCS201又はCS202及びCS203を使用して実施したPCRの結果を示す。正確なサイズのバンドは、CS201−CS203の組み合わせに関して観察することができるが、低分子量の複数のバンドの存在も観察することができる。CS202−CS203を用いた増幅はこれらの条件に関して観察できないが、約1.7kbの極めて弱いバンドが50℃のアニーリング温度において観察できた(示さず)。強いバンドはCS201/CS202及びCS204に関して約700bpにて生じた(示さず)。プライマーCS201−CS203を用いて増幅により生成した図12に見られる所望の産物をベクターpTTにクローン化し、そして正確なサイズの挿入物を含んだいくつかのクローンを、配列決定のために選択した(CS158とCS167)。
【0140】
図10は、クローンCS158の5’/N−末端核酸配列と3’/C−末端配列を示す。フィターゼに関して予め演繹されたアミノ酸配列を太字で示す。
【0141】
クローンCS167の配列を分析したところ、フィターゼとして認識しなかった。クローンCS158の分析はいくつかの興味ある特徴を明らかにした。該クローンの3’末端からのCS158に関しての演繹されたアミノ酸配列は、CS101のフィターゼと高い相同性を示した。しかしながら、5’末端から生成した配列は実質上CS114と異なった。これは、特に、リン酸結合ドメインのモチーフ(RHGARY)から上流を走った配列に関してそうであった。5’末端におけるCS158からの配列が公表されたフィターゼ配列に、より類似していたこと、そしてN−末端CS114アミノ酸配列中には存在しなかった多数の鍵となる構造モチーフと複数の保存されたアミノ酸を含んだことに注目した。クローンCS101とCS114は2つの異なる遺伝子を起原としたこと、及びCS158は正確な完全長のフィターゼであったことが結論された。
【0142】
CS158配列中には明らかな配列決定の誤りが多数存在した。これは、おそらく、Taqポリメラーゼが図12に示す1.7kbのバンドの増幅に使用された事実によるらしかった。2つの新規な5’プライマーを新配列からデザインすることにより、フィターゼ遺伝子を発現のために再増幅した。CS158由来の新フィターゼ配列中の仮想の開始コドンの上流の2つの領域を選択し、そしてpGAPT−PGへのクローン化を容易にするためにEcoRV認識部位を含むように修飾した(表4)。
【0143】
【表9】
Figure 0004965780
【0144】
P.hordeiのゲノミックDNAのPCR増幅を、CS101からデザインされたこれらの5’プライマー及び3’プライマー(表3)を使用し、そして高忠実性DNAポリメラーゼPfuを使用して実施することにより、フィターゼ遺伝子の発現のエラーを最小にした(図13)。このポリメラーゼはPfu DNAポリメラーゼ(Stratagene)であり、PCRのためのPfu DNAポリメラーゼキットの一部として入手された。これらの反応に関しては、反応バッファーdNTPs,標的DNA及びプライマーを一緒に混合して、2.5ユニットのPfuポリメラーゼを最終反応容量50μLにて加えた。増幅後、5μLのアリコートの上記反応混合物をゲル電気泳動により分析した。プライマーCS204と組み合わせた新規な配列からデザインしたプライマーは、予測されたサイズにおいて(1.7kb)単一の強い生成物を生成する。この断片は、ベクターpCR−Blunt II TOPO(Invitrogen)中に直接クローン化し、そして選択した多数のクローンを分析することにより、正確な挿入物の存在を確認した。(Pfu DNAポリメラーゼにより生成した平滑末端化PCR産物を、Zero BluntTMTOPOTMPCRクローニングキット(Invitrogen)にクローン化した。このベクターはMCS部位と抗生物質耐性に関するカナマイシン遺伝子を含むが、青色−白色選択とは対照的に、致死性E.coli遺伝子ccdbの破壊に基づく選択も可能にする。精製されたPCR産物(50−200ng)を1μLのpCR−BluntII−TOPOベクターに加え、そして反応容量を滅菌水で5μLに増加させた。これを放置して緩やかに混合すべく室温において5分間インキュベートした。1μLの6xTOPOクローニング停止溶液を加え、そして反応物を氷の上で放置して−20℃にて24時間形質転換のために凍らせた。)操作されたEcoRV及びAgeI部位の完全性もこの分析により確認した。多数のクローンCS212及びCS213を製造して配列決定した。配列分析は、完全長のphyAフィターゼ遺伝子の存在を確証した。この遺伝子は異種系における発現のため、そして続く酵素の生化学特性決定のために、早く取り出した。
【0145】
4E.P.hordeiフィターゼの配列の分析
CS213はP.hordei由来の完全長フィターゼ配列を代表する。このクローンのゲノミック配列を図1A中に見ることができる。P.hordeiフィターゼに関する演繹されたアミノ酸配列を図2に見ることができる。
【0146】
P.hordei配列と公表されたフィターゼの整列がなされ、相同性分析を%同一に基づいて行った。この結果は以下の表4に見ることができる。
【0147】
【表10】
Figure 0004965780
【0148】
実施例5
P.hordeiからのフィターゼのクローン化、発現及び特性決定
異種宿主においてフィターゼ遺伝子を過剰に発現させることにより、該酵素の特性決定を実施するのに十分な蛋白質を精製することを試みることが、決定された。
【0149】
5A.フィターゼ遺伝子の発現ベクターへのクローン化とA.nidulansの形質転換
高忠実性のDNAポリメラーゼを用いて増幅された完全長のフィターゼ遺伝子を、2つの制限酵素部位(EcoRV,AgeI)を含むように操作されたプライマーを用いて製造した。これらの部位を使用することにより、発現ベクターpGAPT−PG内のクローニングを容易にした(図11)。フィターゼクローンCS212とCS213をこれらの酵素で消化して、そして1.7kbの単一の挿入物断片を生成した。pGAPT−PGもこれらの酵素で消化して直鎖状にした。該フィターゼ遺伝子断片を上記発現ベクターに連結して、多数の形質転換体を生成させた。これらのクローンの選択を解析して、挿入物の存在を確認した。次に、フィターゼクローンを使用して、エレクトロポレーションによりA.nidulansの膨張した胞子を形質転換した。
【0150】
エレクトロポレーションによるA.niger株FGSC A767及びA.nidulans FGSC A1032の形質転換は、A.nidulansのために開発されたO.SanchezとJ.Aguirreのプロトコルから採用した。50mLのYG培地(0.5%酵母抽出物、2%グルコース、10mMウリジンと10mMウラシルを追加)を107胞子/mLにて適切な胞子懸濁液と共に接種した。培養物は4時間25℃において300rpmにて回転シェーカー上で成長させた。膨張した胞子を4℃における4000rpmの遠心分離5分間により回収した。胞子を200mLの氷冷した滅菌水中に懸濁して、4℃において4000rpmにての遠心分離した。上清を流し出し、そして胞子を12.5mlのYED培地pH8.0(1%酵母抽出物、1%グルコース、20mM HEPES)に懸濁し、そして回転シェーカー上で100rpmにて30℃において30分間インキュベートした。胞子を4000rpmにて5分間で回収し、そして1mLの氷冷EBバッファー(10mM tris−HCl,pH7.5,270mM蔗糖、1mM酢酸リチウム)に109分生子mL-1にて懸濁し、そして氷の上に置いた。50μLの膨張した胞子懸濁液を1から2μgのDNAと、全容量60μlにて滅菌エッペンドルフチューブ中で混合し、そして氷の上で15分間放置した。懸濁液を0.2cmのエレクトロポレーションキュベットに移した。エレクトロポレーションはBioRadエレクトロポレーション装置中で実施した(セッティング1kV,400W,25μF)。エレクトロポレーション後に、1mLの氷冷YEDを上記懸濁液に加え、そして化合した混合物を予め冷やした滅菌15mLのFalconチューブに移し、そして氷の上に15分間放置した。次に、これを30℃において90分間回転シェーカー上で100rpmにてインキュベートしたが、チューブは水平位置にした。胞子をプレートアウトし、そして36−48時間後に形質転換体を観察した。
【0151】
環状のプラスミドDNAを各ケースにおいて使用し、そして15の形質転換体がCS213起原のクローンに関して生成され、対するに、CS212起原のクローンに関してはたった2つしか生成されなかった。A.niger株FGSC A767とA.nidulans株FGSC A1032は、Fungal Genetics Stock Center,University of Kansas Medical Center,3901 Rainbow Boulevard,Kansas City,Kansas,USAから得た。
【0152】
5B.A.nidulans形質転換体の予備の特性決定
全部で、10のA.nidulans形質転換体をさらなる分析のために選択した(CS212−1,CS213−1から9)。これらの形質転換体各々からの胞子を使用して選択培地に接種し、そして各クローンの胞子懸濁液を作成した。これらは、フィターゼ活性に関してスクリーンされた形質転換体の液体培養物を接種するのに使用した。培養物を72時間かけて成長させ、そして上清を回収した。サンプルをPD−10カラム中で脱塩し、そして蛋白質サンプルを0.25M酢酸ナトリウム中に溶出した。フィターゼアッセイを標準条件(pH5.5,37℃で30分間)にて実施した。クローンの内の2つ(CS213−2,CS213−4)は、培養物上清中のフィターゼ活性を証明した。CS213−2は、培養物上清のmLあたり毎分放出された0.12mmolesのPiにて記録されたフィターゼ活性を有したのに対し、形質転換体CS213−4はmLあたり毎分放出された0.08mmolesの活性しか有さなかった。これらはさらなる分析のために先に取り出した。
【0153】
5C.液体培養物中のフィターゼの最大活性の時間
フィターゼ生産レベルが次の生化学特性決定のためのその最大値にあったときを評価するために、CS213−2及びCS213−4の液体培養物のシリーズを2日から7日の期間にわたり生じさせた。培養物を適切な形質転換体の胞子懸濁液で接種し、そしてこの期間にわたり各日に回収した。培養物上清をスタンダードとして加工し、そして脱塩した培養物上清を標準フィターゼ条件下で評価した。表5はこれらのアッセイの結果を要約する。フィターゼ活性は全期間を通して観察されたが、3日目がもっとも高い。
【0154】
【表11】
Figure 0004965780
【0155】
非形質転換A.nidulansも対照としてこれらの時間点の全域でアッセイした。フィターゼ活性は検出されなかった。選択された上清サンプル(4日目及び6日目)からの蛋白質サンプルを、脱塩前と後の両方で、SDS−PAGEにより分析した。クマジーで染色したゲルは、使用したいずれのサンプルに関してもバンドを示さなかった。これは、培地中に分泌された蛋白質の全レベルが低かったことを暗示した。銀染色されたゲルもあらゆる蛋白質バンドに関して証拠を示さなかった。
【0156】
5D.形質転換体のサザン分析
P.hordeiのフィターゼ遺伝子を発現ベクターpGAPT−PG中にクローン化することに成功し、そして活性酵素の発現が達成されたとの証拠は存在したが、分子による証拠はこれまでなかった。ゲノミックDNA調製物を、形質転換されたA.nidulans CS213−2及びCS213−4から、そして元の非形質転換宿主から作成した。上記DNAはEcoRVにより消化したが、P.hordeiのフィターゼ遺伝子中には内部のEcoRV部位が存在しないからであり、そして上記形質転換体のサザンハイブリダイゼーション分析を実施した。サザンブロットはP.hordeiからの650bpのフィターゼプローブで分析した(図14)。一つの強くハイブリダイズするバンドが両形質転換体CS213−2とCS213−4に関して、中程度から高いストリンジェンシー条件下で(3xSSC)観察できた。他のハイブリダイズするバンドに関しての証拠はなく、これが形質転換されたA.nidulans中の単コピーのフィターゼ遺伝子を示すと結論できるとおりである。非形質転換サンプルにおいてはハイブリダイズするバンドが無いことから、P.hordeiのフィターゼとA.nidulansゲノムに存在するあらゆるフィターゼの間には相同性が無いことを示す。
【0157】
5E.P.hordeiフィターゼの生化学特性決定
クローン化された遺伝子が特定のフィターゼ活性を表すことを証明するため、そしてその活性を特性決定するため、ある範囲の生化学分析を過剰発現された酵素に関して実施した。予備の特性決定は、上記遺伝子がフィチン酸加水分解活性を生じていたことを示していた。この分析を、異なるpH,温度において、そして異なる基質に対しての活性を試験することに拡大した。
【0158】
形質転換体CS213−4をこれらの分析のために先に取り出し、そして培養物を3日目に回収した。フィチン酸を基質として用いたところ、上記酵素は、pH3.0と7.0の間で活性を示した(図15)。精製された酵素サンプルを培養物上清から脱塩し、0.025mM酢酸ナトリウムpH5.0に溶出した。次に、これを以下のバッファーの溶液中で作成した基質に加えた:pH3.0:0.4M グリシン−HCl,pH4.0:0.4M 酢酸ナトリウム、pH5.0:0.4M 酢酸ナトリウム、pH6.0:0.4M イミダゾール−HCl,pH7.0:0.4M Tris−HCl,pH8.0:0.4M Tris−HCl,pH9.0:0.4M Tris−HCl。pH5.0において明確な最適条件が存在し(上清mLあたり240ユニット)、5.0から6.0へ下がる活性の広いショルダーを伴った。4−ニトロフェニル−ホスフェートを基質として使用した場合、ほとんど活性は観察されなかったことから、フィチン酸基質に関しての高いレベルの特異性を示唆する。この基質に対してのもっとも高い活性はpH3.0におけるらしいが、にもかかわらずこれはこのpHにおけるフィチン酸に対する活性の25%である。上記酵素の温度プロフィールは、pH5.0のバッファーを使用して、温度全体にわたり特性決定し、このときのみフィチン酸を基質として使用した(図16)。P.hordeiフィターゼは30℃から85℃において活性を示したが、44℃において明確な温度最適条件を有した。該酵素はより周囲の温度において高い活性を有し、そして44℃と37℃の間ではほんの22%の相対活性の損失しかなかった。生産された蛋白質の全体レベルが極めて低かったため、そしてアッセイを全上清蛋白質について実施したため、このフィターゼの比活性を測定することが難しかった。これらのサンプルの平均全蛋白質が8μgmL−1であり、mg蛋白質あたり240000ユニットの予測された比活性を与えた。
【0159】
予備の安定性実験もフィターゼに関して実施した。3日目の蛋白質のサンプルを−20℃、4℃、そして37℃において一晩放置し、そして標準条件下でアッセイした。残存活性は測定されなかった。サンプルを85℃20分間、及び100℃10分間に暴露して、フィターゼ活性の温度安定性を測定した。これらの温度への暴露後に37℃、pH5.0においてアッセイすると、残存酵素活性の実質上の低下がある(表6)。
【0160】
【表12】
Figure 0004965780
【0161】
実施例6
Penicillium piceumの
フィターゼ遺伝子断片のクローン化と分析
この真菌標的からフィターゼ遺伝子断片を増幅するために、2つのプローブをデザインした(表7)。クローン化されたフィターゼ遺伝子(A.niger,A.fumigatus,E.nidulans及びT.thermophilus)のDNA配列、P.hordeiからのクローン化されたフィターゼの遺伝子配列、及びデザインされたプローブCS1とN1の配列から、CS11をデザインした。このプライマーのための各コドン中の最初の2つの塩基はよく保存されている。第3の塩基は、公表されたDNA配列において示された偏り、そして特にP.hordeiの配列中の第3の位置の塩基に基づいて選択した。CS12は、公表されたフィターゼ配列から、そしてP.hordeiフィターゼ遺伝子の演繹されたアミノ酸配列からの、保存されたアミノ酸モチーフYADF/SHDNからデザインした。
【0162】
【表13】
Figure 0004965780
【0163】
P.piceumのDNAのゲノミックサンプルについてPCRを実施し、そして予測されたサイズであった約800bpの断片を増幅した。この断片をpTT−ベクターにクローン化し、そしてE.coli XLI−ブルー細胞において標準形質転換を行った。形質転換体の選択を選択し、そしてプラスミドDNAを単離した。正確なサイズの挿入物を伴うクローンの選択を配列決定の為にMWG−Biotechに送付した。一つのクローンCS142はフィターゼに対して高い相同性を有する配列を含んだ。演繹されたアミノ酸配列は、クローン化された断片(853bp)がフィターゼ遺伝子由来であったことを示した。P.piceum断片由来のゲノミック及び演繹されたアミノ酸配列を図17に示す。それは、その領域に関して予測された数のCys残基を有し(3)、そしてフィターゼの構造及び機能に関しての重大なモチーフ、顕著なのは
・RHGARYP
・3xCys
・HD(YADFTHDN内)
をすべて含んだ。
【0164】
本明細書に存在する他のよく保存された領域が多数存在し(図5の整列を参照)、そしてこの整列を使用した%同一性分析はP.piceumがP.hordeiフィターゼに対しての約51%同一性を有することを示した。P.piceumフィターゼ(283bp)のこの断片は全フィターゼの約65%を表す。
【0165】
中程度のストリンジェンシー条件下(3xSSC)におけるA.niger,P.hordei,P.piceum及びP.brevi−細胞層(compactum)の消化物に対するP.piceum断片のサザン分析は、P.piceum消化物のみに対してハイブリダイゼーションを示した。
【0166】
もちろん、広い範囲の変化及び修飾を上記の好ましい態様に行うことができることは理解されるべきである。よって、上記の詳細な説明は、この発明の範囲を定義することを意図した、全ての均等物を含む特許請求の範囲のコンテクストにおいて認識されることが意図される。
【配列表】
【表14】
Figure 0004965780
【表15】
Figure 0004965780
【表16】
Figure 0004965780
【表17】
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【表18】
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【表19】
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【表20】
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【表21】
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【表22】
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【表23】
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【表24】
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【表25】
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【表26】
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【表27】
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【表28】
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【表29】
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【表30】
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【表31】
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【表32】
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【表33】
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【表34】
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【表35】
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【表36】
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【表37】
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【表38】
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【表39】
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【表40】
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【表41】
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【表42】
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【表43】
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【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aは、Penicillium hordei由来のフィチン加水分解酵素をコードする遺伝子に対応する核酸配列(配列番号:1)を示し、以下の特性を強調する;フィターゼのMetのATG開始コドン(太字);イントロン(底部);及びTAG停止コドン(太字)。注目すべきは、2つのエクソン(120bpと1347bp)が示され、5’イントロン120bp長により分離される。
図1Bは、開始コドン(ATG)と停止(TAG)コドンの間の図1Aの配列の隣接領域を示す(配列番号:2)。
図1Cは、隣接配列として、開始コドンと停止コドンの間の図1Aの配列の領域を120bpのイントロンを除去して示す(配列番号:3)。
【図2】 図2は、図1の核酸配列によりコードされるアミノ酸配列(配列番号:4)を示す。
【図3】 図3は、P.piceumとP.hordeiそれぞれの成長曲線を示し、時間をかけた成長に対する培地中の利用可能なPの効果を示す。
【図4】 図4は、P.piceumとP.hordeiそれぞれの成長曲線を示し、時間をかけた成長に対する培地中の利用可能なPの効果を示す。
【図5】 図5Aは、4つの公表された真菌フィターゼのアミノ酸配列の整列を示し、PCRのための縮重プライマーをデザインするために使用される保存された領域(黒い太線で強調された)を示す。
図5Bは、図5Aの4つの公表された真菌フィターゼのアミノ酸配列と、本発明のP.hordeiとP.piceumの配列(それぞれ、配列番号: と配列番号: )との整列を示す。
【図6】 図6は、A.nigerからのphyA及びphyBフィターゼの公表されたアミノ酸配列の整列を示し、それから縮重プライマーCS1及びCS2がデザインされた。プライマーCS1及びCS2をデザインするのに使用された保存配列を示す。
【図7】 図7は、(i)プライマーCS1及びCS2を使用して得られたPCR産物からの翻訳されたアミノ酸配列(第2行、「P.hordei3D」と記された)、及び(ii)第1P.hordeiゲノミックライブラリーから得られたP.hordeiフィターゼ遺伝子の約80%(即ち、N−末端部分を欠く)からの翻訳されたアミノ酸配列(第1行、「P hordei」と記された)を示す。
【図8】 図8は、縮重プライマーCS1及びCS2を用いて得られたPCR産物を含むプローブと、真菌のゲノミックDNAの様々な消化物との間のハイブリダイゼーションを示すサザンブロットゲルを示す;レーン1−サイズマーカー;レーン2−Aspergillus niger−EcoRI;レーン3−Penicillium piceum−EcoRI;レーン4−Penicillium hordei−EcoRI;レーン5−Penicillium Hordei−BamHI;レーン6−Penicillium hordei−SalI;―レーン7−Penicillium Hordei−KpnI;そしてレーン8−Penicillium hordei−SacI。
【図9】 図9は、P.hordeiゲノミックライブラリーを精製してスクリーンすることにより得られた、CS101と記されたクローンの核酸配列を示す(配列番号: )。CS101は市販のクローニングベクターpSK II+ブルースクリプト(ストラタジーン、ラホーヤ、カリフォルニア)中のP.hordeiからの4.8kb断片を含む。この挿入配列の1.7kbは、P.hordeiからのphyAフィターゼ配列であり、そして該遺伝子のコーディング領域の80%(3’末端を含む)及び下流の制御領域を表す。
【図10】 図10は、CS158と表示されたクローンの、5’/N末端核酸配列(配列番号: )と3’/C−末端配列(配列番号: )を示す。各核酸配列に対応する推定されるアミノ酸配列も示す(それぞれ、配列番号: と配列番号: )。クローンC158は、プライマーCS201−204の組み合わせからPCRにより生成した。適切なサイズのバンドを生成し(図12)、クローン化し、そして配列決定した。推定されたアミノ酸配列を下に概略する。フィターゼの一次アミノ酸配列を太字で示す。CS158の配列決定は、遺伝子の中程を表す70アミノ酸のおおよそのギャップが存在したために不完全であった。再度デザインされたプライマーによる再度の増幅(図13)は、完全長を生じ、フィターゼであると分析された。CS158のC−末端はCS101からのものと100%同一であったことが示された。
【図11】 図11は、pGAPT−PG中のベクターの描写を提供し、Aspergillus中でのP.hordeiフィターゼ加水分解酵素の発現に使用できる。
【図12】 図12は、P.hordeiから単離されたゲノミックフィターゼクローンの配列からデザインされたプライマーを使用した仮想フィターゼ遺伝子のPCR増幅を示す。
【図13】 図13は、クローンCS158のフィターゼ遺伝子配列からデザインされたプライマーを用いた仮想フィターゼ遺伝子のPCR増幅を示す。
【図14】 図14は、P.hordeiのフィターゼ遺伝子で形質転換されたAspergillus nidulansの再度のブロット分析を示す。
【図15】 図15は、P.hordeiからのフィターゼ酵素のpHプロフィールを示す。
【図16】 図16は、P.hordeiからのフィターゼ酵素の温度−活性のプロフィールを示す。
【図17】 図17は、CS142と表示されたクローンからのP.piceumからのフィターゼの853bp断片の完全配列(配列番号: )(5’−3’)、並びに推定されたアミノ酸配列(283アミノ酸)(配列番号: )を示す。フィターゼの構造及び機能に重要なモチーフ及びこの配列中の構造に重要なCys残基は太字である。

Claims (14)

  1. フィターゼ活性を有する酵素をコードするヌクレオチドを含む、Penicillium属の真菌源に由来する単離されたポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドは、配列番号:4に開示されたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む酵素をコードする、ポリヌクレオチド。
  2. 配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3に開示されたヌクレオチド配列に、少なくとも90%同一性を有するヌクレオチド配列を含む、フィターゼ活性を有する酵素をコードする単離されたポリヌクレオチド。
  3. 列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3に開示されたヌクレオチド配列の相補鎖に高いストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列
    を含む、フィターゼ活性を有する酵素をコードする単離されたポリヌクレオチド。
  4. 請求項1乃至3に記載されたポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含む、発現構築物。
  5. 請求項4記載の発現構築物を含むベクター。
  6. 請求項5記載のベクターで形質転換された宿主細胞。
  7. 請求項1乃至3に記載されたポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドの636bp以上の断片を含む、微生物源由来のフィターゼ活性を有する酵素をコードする核酸配列を検出することにおける使用のためのプローブ。
  8. 微生物源が真菌源である、請求項7記載のプローブ。
  9. 真菌源がPenicillium種である、請求項8記載のプローブ。
  10. 配列番号:4に開示されたアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、フィターゼ活性を有する酵素を含む食物又は動物飼料。
  11. 請求項1乃至3のいずれか1項にて定義されたポリヌクレオチドを含む発現ベクターで形質転換された宿主細胞を用意し;
    (b)宿主細胞がフィターゼを生産するのに適した条件下で形質転換された宿主細胞を培養し;そして
    (c)フィターゼを回収する
    ことを含む、フィターゼ活性を有する酵素を生産するための方法。
  12. 宿主細胞がAspergillus種である、請求項11記載の方法。
  13. 配列番号:4に開示されたアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む酵素でフィチン酸を処理することを含む、フィチン酸からリンを分離する方法であって、当該酵素がフィターゼ活性を有する、上記方法。
  14. Penicillium種由来の酵素であって;配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:3に、少なくとも90%同一性を有するヌクレオチド配列によりコードされる酵素であって;以下の物理化学特性:
    (1)分子量:45−60kDaの間(非グリコシル化);
    (2)フィチン酸(phytate)、フィチン酸(phytic acid)又はミオ−イノシトールヘキサリン酸に対して特異的な活性;
    (3)7と7.6の間のpIの閾値;
    (4)4.5−5.5のpH最適値;及び
    (5)40から45℃;の周囲温度最適値
    を有する上記酵素。
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