JP4965556B2 - 経脈管神経刺激デバイス - Google Patents

Description

関連出願

（優先権の請求）
優先権の利益が、２００５年４月１１日に提出された米国特許出願整理番号第１１／１０３，２４５号に対して、請求され、この出願が参照によって本明細書に組み込まれる。

本特許文書は、一般に神経刺激デバイスと神経刺激方法に関し、より具体的には、経脈管神経刺激のデバイスと方法に関するが、それに限定されない。

自律神経系（ＡＮＳ）は、「不随意」器官を調整する。ＡＮＳは、交感神経系と副交感神経系を含む。交感神経系は、ストレスや危機に対する「闘争・逃避反応」に関係する。副交感神経系は、休養や「休息・消化反応」に関係する。ＡＮＳは、正常な内部機能を維持し、かつ体性神経系とともに働く。自律神経バランスは、副交感神経活動と交感神経活動の間の関係を反映している。自律神経バランスの変化は、心拍数、心臓律動、収縮性、リモデリング、炎症、血圧の変化に反映される。また、自律神経バランスの変化は、たとえば、腹痛、食欲、持久力、感情、人格、筋肉状態、睡眠、アレルギーなどの他の生理学的変化に見られることもある。

心不全中の自律神経バランスの低下（交感カーディアック・トーンの増加と副交感カーディアック・トーンの減少）は、左心室機能障害や死亡率の増加を伴うことが示されている。研究はまた、副交換トーンを増加させることと交換トーンを減少させることが、心筋梗塞の後のさらなるリモデリングや致命的な不整脈の素因から、心筋を保護することを示している。迷走副交感神経線維の直接刺激が、交感神経系を介して心拍数を減少させることが示されている。また、ある研究は、迷走神経の慢性的な刺激が、心臓の虚血発作の後の心筋の保護に有用であることを示している。

いくつかの目標領域は、刺激または隔離することが困難であることがある。たとえば、体内の深部または器官の後に位置している神経を刺激することは、困難である。改良型の神経刺激デバイスが必要とされている。

本主題の様々な態様は、埋込み可能な装置に関する。ある例では、装置は、血管を通して神経幹を経脈管刺激するように構成されている。装置は、神経幹の近傍の血管内に長期的に埋込み可能である膨張可能な電極を備える。膨張可能な電極は、血管のある長さに沿った血管壁領域と当接するように構成されている。電気導線は、膨張可能な電極と結合されている。埋込み可能なパルス発生器は、導線と結合されており、かつ導線を通して電極へ電気的刺激信号を送るように構成されている。

本主題の様々な態様は、方法に関する。ある例示的な方法では、電極から神経幹へ神経刺激を経脈管で送るために、電気的信号が、埋込み式医療デバイスから神経幹の近傍の血管内に長期的に埋め込まれた電極へ送られる。

本概要は、本出願の教示のいくつかの概観であり、本主題の排他的または網羅的な対処法であるように意図されてはいない。本主題に関するさらなる詳細は、詳細な説明や添付の特許請求の範囲で見出される。他の態様は、以下の詳細な説明を読みかつ理解し、かつその一部を形成する図面を見れば、当業者なら明らかであろう。これらのそれぞれは、限定的な意味で取られるべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲やそれらと等価なものによって定義される。

本主題の以下の詳細な説明は、本主題を実行することができる特定の態様や実施形態を一例として示す、添付の図面を参照にする。これらの実施形態は、当業者が本主題を実施することを可能にするために十分詳細に説明される。他の実施形態が使用されてもよく、構造的、論理的、電気的変更が、本主題の範囲を逸脱することなく行われてもよい。本開示における「ある」、「１つの」、または「様々な」実施形態に対する参照は、必ずしも同じ実施形態に対するものではなく、このような参照は、２つ以上の実施形態を企図している。また、識別される実施形態は、必ずしも互いに排他的ではなく、いくつかの実施形態が他の実施形態と結合されてもよい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で取られるべきではなく、範囲は、このような特許請求の範囲に与えられた正当な全範囲とともに、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。

概観
図１Ａをここで参照すると、埋込み可能な心臓デバイス１００の実施形態が、心臓に向かって延びている導線２００とともに、患者の胸の中に皮下または筋肉下で配置されている。少なくとも１つの導線２００が、血管内に配置されかつ血管の脈管外表面上のまたはその近くの神経を経脈管刺激するように位置調整された電極２９５と結合されている。経脈管刺激は、刺激中の神経との直接の接触を回避し、かつ直接刺激によって誘発される神経の炎症または損傷に付随する問題を減少させる。導線は、胸郭との一体性を維持するために、脈管構造を通って埋め込まれる。脈管内供給される導線を使用した経脈管刺激は、カフ電極と比較して、神経支配の解剖学的目標や点への比較的非侵襲性のアクセスを提供する。

図１Ｂ〜１Ｅと図２Ａ〜２Ｂは、電極配置の例を示している。図２Ｂ〜２Ｃは、神経経路を示している。図３Ａ〜３Ｂは、血管内に埋め込まれた例示的な電極を示している。図４は、経脈管刺激を与えるための埋込み可能なシステムの例の概略図を示している。図５、６は、経脈管刺激を与える方法を示すフロー・チャートである。

電極の例
図３Ａは、血管３１０内に埋め込まれた例示的な膨張可能な電極３０５の断面図を示している。ある例では、膨張可能な電極が、その少なくとも一部分が導電性であるメッシュを備える。ある例では、膨張可能な電極が、プラチナまたはプラチナ・イリジウムから形成されている。ある実施形態では、膨張可能な電極３０５は、ステントに類似している。

図３Ａを再び参照すると、神経幹３２０が、血管３１０の脈管外表面３２５上またはその近くに延びている。膨張可能な電極３０５が、神経幹３２０が血管と交差する所の血管内の位置にまたはその近くに埋め込まれている。ある例では、膨張可能な電極が、血管の壁の所定の表面領域を通して神経刺激エネルギーを伝達する。ある例では、この所定の領域が、約０.２５から５ｃｍ²である。ある例では、膨張可能な電極が、目標神経に対する血管内の膨張可能な電極の配置に少なくともいくらかの柔軟性がある十分な表面領域を提供する、長さＬを有する。ある例では、膨張可能な電極の長さが、０.５から２.０ｃｍである。

ある例では、血管壁と接触する膨張可能な電極の表面領域全体が導電性である。代替となる例では、電極の表面領域の少なくとも一部分が非導電性である。たとえば、電極は、電極の導電性部分を通して神経の近傍にある血管の部分３３０（図３Ｂ）へ刺激を与えるように、形成され、位置調整されている。

図３Ｂは、図３Ａの血管と電極の端面図を示している。膨張可能な電極が、特定のサイズ範囲の血管内への埋込みのためにサイズ調整され、膨張された直径Ｄ（図３Ｂに示されている）を有する。電極が内頸静脈内への埋込みのためのサイズである１つの例では、膨張された直径Ｄは、約０.５から１.５ｃｍであり、電極の長さＬは、約１.０ｃｍである。

ある例では、膨張可能な電極が、閉塞を防止する薬剤、または血管の電極近くの炎症を低下させる薬剤などの薬剤で覆われている。

膨張可能な電極３０５は、電気的刺激を与える電源と結合されている。図３Ａでは、図示されている膨張可能な電極３０５が、導線３１５と結合されている。導線３１５は、図１Ａに示されているデバイスまたは図４に示されているデバイスなど、制御回路を備える埋込み可能なシステムまたはデバイスと結合されている。

電極位置と神経目標
電極は、交感または副交感神経系の幹または分枝の近くの様々な位置を含む、体内の様々な位置に埋め込まれてもよい。

図１Ａに示されている例を再び参照すると、埋め込まれた電極２９５、２９６の位置が、Ｘによって示されている。埋め込まれた電極２９５、２９６はそれぞれ、交感神経または副交感神経を経脈管で刺激する。ある例では、電極２９５が、末梢神経幹を経脈管刺激する。末梢神経幹の例は、図２Ｃに示されている、迷走神経２８７、大動脈神経２８８、頚動脈洞神経２８９を含む。別の例では、電極２９５が、迷走心臓神経分枝などの神経分枝を刺激する。

図１Ｂ、１Ｃ、１Ｄは、電極が埋め込まれることができる血管の例を示している。図１Ｂは、埋込み可能なデバイス２９０、心臓２０１と上大静脈２０２へ延びる導線２９１、２９２、２９３、大動脈弓２０３、肺動脈２０４を示している。心臓内へ延びる導線は破線で示されている。簡単化のために、電極がＸで示されている。導線２９１と電極２９８が、上大静脈（ＳＶＣ）２０２内に挿入される。電極２９８は、ＳＶＣ２０２上のまたはその近くの神経または神経幹を経脈管刺激するために使用される。ＣＲＭ導線２９２が、末梢静脈を通って、冠状静脈洞内へまたは左心室内へ脈管内挿入される。電極２９９は、冠状静脈洞内に埋め込まれ、ＣＲＭ導線２９２と結合される。図１Ｂは、左右の心室に、それぞれ配置される感知またはペーシング電極の例である電極２９４、２９５を示している。電極２９４、２９５の一方または両方によって感知された生理学的データが、デバイス２９０によって処理され、かつ電極２９８、２９９のうちの１つまたは複数によって応答性の神経刺激治療が行われる。

図１Ｃ、１Ｄは、電極がその中に埋込み可能である、それぞれ心臓の右側と左側の他の血管を示している。図１Ｃは、右心房２６７、右心室２６８、洞房結節２６９、上大静脈２０２、下大静脈２７０、大動脈２７１、右肺静脈２７２、右肺動脈２７３を示している。図１Ｄは、左心房２７５、左心室２７６、右心房２６７、右心室２６８、上大静脈２０２、下大静脈２７０、大動脈２７１、右肺静脈２７２、左肺静脈２７７、右肺動脈２７３、冠状静脈洞２７８を示している。電極は、神経、神経分枝、または神経幹が血管の脈管外表面を通過する位置で、上記に列挙された血管のうちの１つまたは複数の中に埋め込まれてもよい。埋め込まれた電極は、血管を通して、神経、神経分枝、または神経幹を経脈管刺激する。一例では、神経迷走神経幹の近くのＳＶＣ２０２内に電極が埋め込まれる。別の例では、電極が、迷走神経幹の近くの冠状静脈洞２７８内に埋め込まれる。

別の例では、心臓脂肪パッドが、埋め込まれた電極によって経脈管刺激される。図１Ｃは、上大静脈と大動脈の間の心臓脂肪パッド２７４を示している。図１Ｄは、右心臓静脈の近傍に位置された心臓脂肪パッド２７９、および下大静脈と左心房の近傍に位置された心臓脂肪パッド２８０を示している。上大静脈、大動脈、心臓静脈、または下大静脈内に埋め込まれた電極が、脂肪パッド２７４または２７９内の神経末端を刺激する。脂肪パッド２８０内の神経末端が、冠状静脈洞内に位置された電極によって刺激される。

図１Ｅを参照すると、ある例では、電極１３１、１３２、１３３、１３４が、迷走神経の近くの血管内の位置に埋め込まれる。動脈の一部分が、電極が図面で見られるように、切断図で示されている。大動脈弓１１６、肺動脈１１８、頚動脈１２４、１２６、鎖骨下動脈１２８、１３０が、図１Ｅで示されている。右迷走神経幹１２０が、頚動脈１２４と鎖骨下動脈１２８の近くに延びている。左迷走神経１２２が、頚動脈１２６と鎖骨下動脈１３０の近くに延びている。電極１３１は、頚動脈１２４内に埋め込まれている。図示されている電極１３１はステントなどの膨張可能な電極である。電極１３２は、頚動脈１２６内に埋め込まれている。電極１３３は、鎖骨下動脈１２８内に埋め込まれている。電極１３４は、鎖骨下動脈１３０内に埋め込まれている。電極１４０は、頚動脈洞神経１４２の近くの頚動脈洞１４１内に埋め込まれている。ある例では、電極１３１、１３２、１３３、１３４、１４０のうちの１つのみが、患者体内に埋め込まれる。別の例では、２つ以上の電極が、患者体内に埋め込まれ、かつ神経幹を経脈管刺激するために使用される。

図２Ａ、２Ｂは、心臓の近くの神経目標の例の追加の図を提供する。図２Ａは、鎖骨下動脈２５１の隣に延びている左迷走神経２５０を示している。様々な神経が、大動脈弓２５５の周囲に延びている。迷走神経２５０はまた、動脈管索２５６を過ぎて延びている。前側肺叢２５７が、左肺動脈２５８と交差している。右迷走神経２５９が、鎖骨下動脈２６０と胸膜頂２６１を過ぎて延びている。心臓神経２６２が、気管２６４の近くの腕頭動脈２６３を過ぎて延びている。心臓神経２６２はまた、奇静脈２６５を過ぎて右肺動脈２７３まで延びている。図２Ａの下側部分には、右肺２８１、左肺２８２、食道２８３、左迷走神経２５０の下側部分２８４、大動脈の下側部分２８５が現れている。図２Ｂは、胸膜頂２４１、内胸動脈２４２、左肺動脈２５８を過ぎて延びる左横隔神経２４０を示している。迷走神経２５０、反回神経２５２、心臓神経２５３、および前側肺叢２５７が、左肺動脈２５８と動脈管索の近くに延びている。ステントなどの膨張可能な電極が、血管上またはその近くに延びる神経または神経幹を経脈管刺激するために、図２Ａまたは２Ｂに示されている血管内に長期的に埋込み可能である。一例では、迷走神経が、奇静脈２６５または内頚動脈から経脈管刺激される。

図２Ｃ、２Ｄは、神経経路を示している。図２Ｃは、血管運動神経中枢へ向かう求心神経を一般に示している。求心神経は、神経中枢に向かってインパルスを移送する。血管運動神経中枢は、血管のサイズを制御するために血管を拡張し収縮させる神経に関連する。図２Ｄは、血管運動神経中枢からの遠心神経を一般に示している。遠心神経中枢から遠ざかるようにインパルスを移送する。求心神経と遠心神経は経脈管刺激される。

図２Ｅは、内頸静脈２８７の近くの迷走神経２８６を示している。ある例では、迷走神経２８６が、内頸静脈２８７から経脈管刺激される。共通の頚動脈１２４と鎖骨下動脈１２８もまた、図２Ｅに示されている。

他の例では、肺または腎臓などの他の器官を神経支配する神経幹が経脈管刺激される。ある例では、ステントなどの膨張可能な電極が、肺または腎臓を神経刺激する神経または神経幹の近傍の血管内に埋め込まれている。

デバイスおよびシステム
図１Ａに示されている例を再び参照すると、埋込み可能なデバイス１００が、血管内に挿入されかつ電極２９５と結合された導線２００と結合されている。電気的信号が導線２００を通して電極２９５へ送られ、血管の脈管外表面上の神経を経脈管刺激する。デバイス１００は、心臓内に血管内螺合された１つまたは複数のＣＲＴ導線を通して、オプションで、心臓の再同調治療（ＣＲＴ）を行うことができる。ＣＲＴ導線は、デバイス１００を、心房および／または心室の感知またはペーシングのために使用される電極３００と接続する。経脈管刺激電極２９６が、ＣＲＴ導線と結合されている。いくつかの実施形態は、固有心臓電気信号を処理し、かつ電極２９５、２９６のうちの１つを通して応答性神経刺激治療を行う。オプションで、サテライトユニット１１０が、神経刺激のための電極を備え、かつ無線リンクまたは体を通る伝導を介してデバイス１００と通信する通信回路を備える。サテライトユニット１１０電極が、血管の壁を通して迷走神経などの神経を経脈管刺激するために、内頚動脈などの血管内に埋め込まれている。

図４は、埋込み可能なデバイス４０１と、埋込み可能なデバイス４０１に結合された電気導線４２０と、膨張可能な刺激電極４２５とを備える経脈管刺激システムの例の概略図である。埋込み可能なデバイスは、コントローラ回路４０５、メモリ回路４１０、遠隔通信回路４１５、神経刺激回路４３５を備える。コントローラ回路４０５は、電気的刺激治療を行うためにメモリ回路内に保管された命令で動作する。治療が、導線４２０と電極４２５を通して神経刺激回路４３５によって行われる。遠隔通信回路４１５が、外部プログラマ４３０との通信を可能にする。また、図示されたシステムは、導線４４５と結合されたオプションのセンサ回路４４０を備える。コントローラ回路４０５は、センサ回路からのセンサ・データを処理し、かつセンサ・データに応答して治療を行う。

治療
神経刺激治療は、不整脈、心不全、高血圧、失神、または起立不耐症を含むがそれに限定されない、様々な状態のうちの１つまたは複数を治療するために使用される。ある例では、遠心性末梢神経が、埋め込まれた膨張可能な電極によって経脈管刺激される。別の例では、求心性末梢神経が刺激される。

ある例では、電気的刺激が、心臓内の、周期変動性の、変力性の、変伝導性の応答を減少させるために副交感神経に経脈管で送られる。ある治療例では、電気的刺激が、心不全中に副交感神経幹に経脈管で送られる。別の治療例では、電気的刺激が、不整脈に対して保護するため、または心臓リモデリングを防止するために、心筋梗塞の後に、副交感神経幹へ経脈管で送られる。

迷走神経幹の経脈管刺激が、いくつかの治療で使用される。ある例では、迷走神経刺激が、副交換トーンを増加させることと、交感心筋トーンを減少させることを同時に行う。ある例では、迷走神経幹が、心臓の虚血性発作の後で、経脈管刺激される。虚血後の交感神経活動の増加はしばしば、エピネフィリンやノルエピネフィリンに対する心筋の曝露を結果として生じさせる。これらのカテコールアミンは、心筋の死や線維症に至るミオサイト内の細胞内通路を活動化させる。この結果は、迷走神経などの副交感神経の刺激によって阻止される。ある例では、ＳＶＣによる迷走神経刺激が、心拍数、全血圧、左心室圧を低下させる。心筋梗塞の後、または心不全患者での迷走心臓神経の刺激は、さらなるリモデリングや不整脈の発生を防止することにおいて有用である。

他の例では、経脈管神経刺激が、副交感神経カーディアック・トーンの増加と交感カーディアック・トーンを減少させることが望まれる、肥大性心筋症（ＨＣＭ）または神経性高血圧などの他の状態を治療するために使用される。別の例では、徐脈状態が、交感神経幹を経脈管刺激することによって治療される。別の例では、心臓の変力性状態が、交感神経幹を経脈管刺激することによって増加される。

経脈管刺激を与えるための方法
図５をここで参照すると、経脈管神経刺激を与えるための例示的な方法は、５０５で、医療デバイスを埋め込むステップを含む。５１０で、電極が、心臓末梢神経幹などの神経幹の近くの血管内に長期的に埋め込まれる。ある例では、電極は、ステントなどの膨張可能な電極である。ある例では、膨張可能な電極が、摩擦力によって電極を定位置に固定するような寸法にされている膨張した直径を有する。ある例では、膨張可能な電極が、閉塞を防止する、または電極から電気的刺激を受ける脈管壁または神経の炎症を防止する薬剤溶出被覆を備える。ある例では、電極が、神経幹が血管の脈管外表面に沿って延びている位置で血管内に埋め込まれる。ある例では、電極が、末梢神経幹の近くの血管内に埋め込まれる。ある例では、末梢神経幹が、交感または副交感神経を含む。ある例では、電極が、ＳＶＣ、冠状静脈洞、または奇静脈などの血管内の迷走心臓神経の近くに埋め込まれる。別の例では、電極が、内頸静脈内に埋め込まれる。

図５を参照すると、５１５で、血管の近くの神経幹に神経刺激を経脈管で送るために、電気的信号が、埋め込まれたデバイスから電極へ送られる。ある例では、電極が、目標神経の脱分極化を誘発するために十分である電気的治療を行う。ある例では、刺激治療が、約１〜１０ミリアンペアの電気的刺激を与える。ある例では、コントローラが、約１０〜１２０ヘルツのパルス列を電極へ送る。一例では、約２０ヘルツのパルス列が使用される。ある例では、心臓の近くでの経脈管神経刺激投与が、細動を防止するために心臓の不応期中に行われるように時間調整される。

ある例では、副交感神経を経脈管刺激することが、心筋梗塞の後に心臓のリモデリングを阻害する、または抗不整脈治療を行う。別の例では、交感神経を経脈管刺激することが、抗徐脈治療を行う。

図６は、別の方法を示すフロー・チャートである。６０５で、医療デバイスが、埋め込まれる。６１０で、電極が、神経幹の近くの血管内に長期的に埋め込まれる。６１５で、生理学的特性が感知される。ある例では、固有の電気的心臓信号が検知される。別の例では、血圧が検知される。６２０で、感知された生理学的特性に応答する神経刺激が、埋め込まれた電極を通して経脈管与えられる。

本主題の実施形態による、患者体内に埋め込まれた医療デバイス、および心臓内へ延びる導線を示す図である。 本主題の実施形態による、心臓、および心臓内へ延びる導線を示す図である。 心臓および関連する血管を示す図である。 心臓および関連する血管を示す図である。 血管および神経幹を示す図である。 刺激目標を示す図である。 刺激目標を示す図である。 神経経路を示す図である。 神経経路を示す図である。 迷走神経の近くの内頸静脈を示す図である。 血管内に長期的に埋め込まれた膨張可能な電極を示す図である。 血管内に長期的に埋め込まれた膨張可能な電極を示す図である。 経脈管刺激を与えるための埋込み可能なシステムの概略図である。 経脈管刺激を与える方法を示すフロー・チャートである。 経脈管刺激を与える方法を示すフロー・チャートである。

Claims (14)

1. 心不全の治療を行うために内頸静脈（IJV）から頸部領域の迷走神経幹を経脈管刺激するための埋込み可能な装置であって、
   内頸静脈（IJV）内に長期的に埋込み可能な膨張可能な電極を備え、前記膨張可能な電極は、迷走神経幹の近傍の内頸静脈（IJV）の脈管内表面と当接するように構成されており、
   さらに、前記膨張可能な電極と結合された電気導線と、
   前記導線と結合され、かつ前記導線を通して前記電極へ電気的刺激信号を送るように構成された埋込み可能なパルス発生器とを備え、
   前記装置は、内頸静脈（IJV）から迷走神経幹を経脈管刺激するように構成されており、
   さらに、前記埋込み可能なパルス発生器と通信するように構成されたコントローラを備え、前記コントローラは、プログラム可能な電気パルス治療を送るようにプログラムされて、心不全のリモデリングを阻害するように構成されており、前記心不全を阻害するための電気パルス治療は、内頸静脈（IJV）内の前記膨張可能な電極から迷走神経幹に送るようになっている、
   ことを特徴とする装置。
2. 前記膨張可能な電極は、内頸静脈（IJV）の所定の長さに沿って、内頸静脈（IJV）の所定の血管内の表面領域と当接するように構成されていることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
3. 前記所定の血管内の表面領域は、０．２５平方センチメートルから５平方センチメートルであることを特徴とする、請求項２に記載の装置。
4. 前記所定の長さは、０．５センチメートルから２．０センチメートルであることを特徴とする、請求項２に記載の装置。
5. 前記膨張可能な電極はメッシュを備え、前記メッシュの少なくとも一部分が導電性であることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
6. 前記膨張可能な電極は、内頸静脈（IJV）の内側に埋め込まれるように構成された、薬剤溶出構成要素を備えており、前記薬剤溶出構成要素は、炎症を低下させる薬剤を溶出させ、或いは、閉塞を防止する薬剤を溶出させるようになっていることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
7. 前記膨張可能な電極はステントを備えることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
8. 前記コントローラは、さらに、心筋梗塞の後の抗不整脈治療を施すように、内頸静脈（IJV）内の前記電極を使用して、迷走神経幹を経脈管刺激するようにプログラムされていることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
9. 前記埋込み可能なパルス発生器は、２０ヘルツのパルス列を電極へ送るように構成されていることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
10. 生理学的特性を感知し、前記感知された生理学的特性に応答して神経刺激を経脈管で送るために、電極へ電気信号を送る手段をさらに備えることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
11. 前記膨張可能な電極は、膨張されたときに直径が０．５センチメートルから１．５センチメートルであることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
12. 前記膨張可能な電極は、内頸静脈（IJV）の壁に接触するための電極表面領域を有しており、前記電極表面領域の全てが導電性であることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
13. 前記膨張可能な電極は、内頸静脈（IJV）の壁に接触するための電極表面領域を有しており、前記電極表面領域の一部が非導電性であることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
14. さらに、右心室導線と、左心室導線とを有しており、前記装置は、前記右心室導線と前記左心室導線とを使用して、心筋組織を捕捉するようになっており、前記装置は、前記右心室導線と前記左心室導線とを使用して、心臓の再同調治療を行うようになっていることを特徴とする、請求項１に記載の装置。

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