JP4252833B2 - 心臓治療装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、迷走神経刺激に伴う心拍数低下を緩徐化する心臓治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
突然死の中で特に心臓病に起因するものを心臓突然死といい、その数は国内で年間約5万人にのぼる。心臓突然死の直接的な原因は、致死的不整脈と呼ばれる、血行動態の破綻をきたす心室頻拍や心室細動の発生である。
心室頻拍では心室が発作的に異常に早く拍動し、心室細動では心室を構成する個々の筋繊維が無秩序に興奮を始めて心室全体として小刻みに震えるだけの状態となる。致死的不整脈が発生すると、心臓のポンプ機能が低下あるいは消失し、必要な血液を全身に送り出すことができなくなるため、脳血流の減少に伴う意識消失をきたし、直ちに適切な処置を施さなければ死に至ることもある。
【0003】
このような心臓突然死のリスクを有する患者に対し、埋め込み型除細動器(ICD)を埋め込む治療が行われている。ICDは、心室頻拍や心室細動の発生を検出すると、心臓に対して電気ショックを与えることで、除細動を行うものである。しかしながら、ICDは心臓に異常が発生してから動作する、いわば対処療法の治療器であり、また、除細動のための大きな電気ショックが心臓の組織に損傷を与える恐れがある。
【0004】
ところで、心臓活動は、自律神経系の支配を受けるが、自律神経系には交感神経系と副交感神経系があり、心臓の副交感神経系は迷走神経である。交感神経の活動が高まる(緊張する)と心活動(心拍数及び心拍出量)が上昇し、迷走神経の活動が高まると心活動(心拍数)は低下する。交感神経及び迷走神経における活動は、通常拮抗しており、心臓は適切な静止時心拍、約70拍/分を維持するように安定的に制御されている。すなわち、交感神経が緊張すると心臓に対して興奮的に作用するのに対し、迷走神経が緊張すると心臓に対して抑制的に作用する。
【0005】
このような作用を利用して、最近、迷走神経の電気刺激を行うことにより心室性不整脈を治療する心臓治療装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この心臓治療装置は、自律神経系から心臓への情報を伝達する神経活動を検知するためのセンサと、不整脈の存在に対する条件を形成する閾値を備えたコンパレータを有し、このコンパレータは、不整脈の発生を示す出力信号を神経活動が条件に一致するか否かに依存して出力する。すなわち、自律神経系の活動の変化などから慢性細動またはその他の危険な頻脈性不整脈を検知すると直ちに、迷走神経を5秒間軽く賦活する。そして通常状態への戻りを検知すると治療は終了するが、心臓に対する異常状態を継続して検知する場合は、治療を継続し、追加的に交感神経のブロックが有利であれば星状神経節で数秒間行なうものである。
【0006】
また、致死的不整脈を防ぐために、迷走神経に電気的刺激を加える方法及び装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この心臓不整脈を治療する装置は、心臓組織への刺激と迷走神経への刺激を通じて、心臓不整脈の予防あるいは停止と、心臓の適切な機能を維持することを目的としている。この心臓治療装置は、予め設定される頻拍の検出間隔閾値と、患者の拍動を比較するだけでなく、急性の心筋虚血を示唆する心電図のST部分(電圧)の変化と複雑な心室の頻拍に関連する他の要因も精査し、これに基づいて迷走神経への刺激を行うことによって頻拍を抑制することを可能としている。この心臓不整脈治療装置は、患者の心臓の心電図を連続的に測定する手段、該心電図の頻拍を示す特徴を検出する手段、一連の特性の記憶をイニシャライズする手段、1個ないしそれ以上の電気的刺激を患者の神経システムに供給する手段、該刺激行為の供給に続く心電図の一連の特性をイニシャライズする手段からなっている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−52121号公報
【特許文献2】
国際公開第93/21824号パンフレット(PCT/US93/00051)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
迷走神経への電気刺激は心拍数の低下をもたらすが、心拍数の急激な低下は、患者に対して違和感や不快感を与えると同時に、興奮の不応期を不安定として不整脈を起こしやすくするという問題があった。
【0009】
特許文献1に記載のものは、この問題に対処するためのものであり、賦活電流が迷走神経及び交感神経に供給されたことで心活動が所定レートを下回る場合に、ペースメーカブロックが自動的に心臓への刺激を開始するものであるが、心拍数の下限値たる前記所定レートを維持できるものの、迷走神経刺激後の前記所定レートに至る過程での急激な心拍数低下を回避することはできず、上記問題を解決することができなかった。
【0010】
また、特許文献2に記載のものは、迷走神経への刺激に伴う心拍数低下を克服するために迷走神経を刺激すると共に、患者の心拍数が許容範囲内となるように心臓に対して刺激を与えるものであるが、心拍数の下限値を心臓刺激によって維持できるものの、特許文献1に記載のものと同様に、心拍数下限値に至る急激な心拍数低下を回避することはできず、患者の違和感や不快感、更には不整脈を起こしやすいという問題を解決するには至らなかった。
【0011】
そこで、本発明は、迷走神経刺激後に、心拍数低下が所定範囲内となるように心臓刺激を制御し、迷走神経の刺激による心拍数の急激な低下を防止することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明の心臓治療装置は、迷走神経を刺激する神経刺激信号を発生する神経刺激手段と、調節可能な刺激間隔で心臓を刺激する心臓刺激手段と、心臓の拍動を計測する心拍計測手段と、この心拍計測手段の出力と予め定めた閾値を比較する心拍比較手段と、心拍比較手段の出力に応答して心臓の刺激間隔を調節するとともに神経刺激信号の発生を制御することを特徴とするものである。
徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の心臓治療装置。
【0013】
また、本発明の心臓治療装置の好ましい形態としては、心臓の拍動の計測が心拍間隔の計測であり、計測した心拍間隔が予め定めた閾値を下回る場合に、心臓検出手段に応答して神経刺激手段が神経刺激信号を発生するようにすることを特徴としている。
【0014】
また、本発明の好ましい形態として、心臓の収縮を検出する心臓収縮検出手段を更に有し、計測した心拍間隔が予め定めた閾値を下回る場合に、この心臓収縮検出手段に応答して神経刺激手段が前記神経刺激信号を発生することを特徴としている。また、計測した心拍間隔が予め定めた閾値を下回る場合に、計測した心拍間隔に予め定めた時間増分を加えた時間間隔を刺激間隔に設定するようにしている。そして、この予め定めた時間増分は、固定した時間間隔である場合と、固定した心拍数低下に相当する時間間隔である場合を含むことを特徴としている。
【0015】
更に、本発明の好ましい形態として、上記予め定めた時間増分が計測した心拍間隔の関数であり、そして、この関数が計測した心拍間隔の所定の割合であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の好ましい形態として、心臓への刺激間隔の調節の結果、刺激間隔が閾値よりも長い予め定めた時間間隔を超過した場合に、心臓への刺激間隔を上記長い予め定めた時間間隔に設定することを特徴としている。
【0017】
本発明によれば、迷走神経刺激後に心拍数の変化が所定の範囲内に収まるように心臓刺激を制御するので、迷走神経刺激に伴う心拍数の急激な変化を防止することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による心臓治療装置の第1の実施形態を図1のブロック図に基づいて説明する。
なお、本明細書において、心臓の「イベント」とは、心房または心室で検出された自発的な収縮と、心房または心室に対し刺激を行うことに起因する収縮とを総称したものである。
本発明の心臓治療装置1は、心臓21の右心室22への刺激信号を発生する心室刺激手段2と、右心室22の収縮を検出する心室収縮検出手段3と、心臓21の右心房23への刺激信号を発生する心房刺激手段4と、右心房23の収縮を検出する心房収縮検出手段5と、迷走神経26を刺激する神経刺激信号を発生する神経刺激手段6と、神経刺激及び心房刺激間隔を制御する制御手段7と、心房収縮を検出した信号及び心房刺激をトリガーする信号が供給されるOR回路8と、OR回路8の出力が供給され心拍間隔の計測を行う心拍計測手段9と、同じくOR回路8の出力が供給されてリセットされ時間計測を開始する心房刺激間隔タイマ10と、心房刺激間隔タイマ10の計時時間と制御手段7において設定される心房刺激間隔とを比較する比較手段11と、迷走神経26への刺激及び心房刺激間隔の設定を制御するための心拍間隔閾値を記憶する心拍閾値記憶手段12と、心拍計測手段9で計測された心拍間隔計測値と心拍閾値記憶手段12に記憶された心拍間隔閾値とを比較する心拍比較手段13と、OR回路8の出力でスタートし心室収縮検出手段3の出力でストップする房室遅延タイマ14と、予め定めた房室遅延時間を記憶する房室遅延設定値記憶手段15と、房室遅延タイマ14の出力と房室遅延設定値記憶手段15の出力を比較する房室遅延比較手段16とから構成される。
【0019】
心室刺激手段2及び心室収縮検出手段3は、共通の心室電極リード17により心室刺激/検出電極18に接続され、心房刺激手段4及び心房収縮検出手段5も同様に心房電極リード19を介して心房刺激/検出電極20に接続されている。心室刺激/検出電極18と心房刺激/検出電極20は、心臓21の右心室22と右心房23にそれぞれ配置される。
【0020】
一般に、心臓用の電極としては、心臓の筋肉、いわゆる心筋内に埋め込む心筋電極と、大静脈を経由して心臓まで電極を挿入するカテーテル電極がある。図2に示すものは、カテーテル電極の例であるが、心室電極リード17及び心房電極リード19のいずれも最初は大静脈から心臓21の右心房23に導かれる。大静脈から右心房23に挿入された心房電極リード19は、J字状に曲げられた先端部を右心房23の壁から出っ張った袋状の右心耳内に引っ掛けるように挿入し、心房刺激/検出電極20が右心耳内壁に接触するように配置される。また、同様に大静脈から右心房23に挿入される心室電極リード17は、房室弁を通って右心室22に入り、心室電極リード17の先端部に設けられる心室刺激/検出電極18が右心室22の最下部に接触するように配置される。
【0021】
また、図2には図示されていないが、神経刺激手段6は神経電極リード24を介して神経刺激電極25に接続され、神経刺激電極25は迷走神経26に巻きつけた状態で固定される。神経刺激電極25を巻きつける領域としては、頚部領域かあるいは外側頚動脈の右中央位置が好適である。また、神経刺激電極25は、血管内にカテーテル電極を留置することによって、血管壁に隣接した迷走神経26を刺激するように配置することも可能である。その場合、配置領域としては、鎖骨下静脈内が好適である。
【0022】
心房刺激間隔及び神経刺激を制御する制御手段7は、大きく分けて神経刺激手段6を制御する神経刺激信号制御手段27と、心房の刺激間隔を制御する心房刺激間隔制御手段28とから構成される。そして、心房刺激間隔制御手段28は、予め定めた心房刺激間隔の上限としての限界値を記憶する限界値記憶手段29と、予め定めた心房刺激間隔の固定の時間増分を記憶する増分値記憶手段30と、心拍計測手段9から出力される心拍間隔計測値に増分値記憶手段30に記憶した時間増分を加算する加算手段31と、この加算手段31の出力と限界値記憶手段29に予め記憶されている心房刺激間隔の限界値とを比較し、加算手段31の出力の上限を限界値に制限する限界値制限手段32と、限界値記憶手段29、限界値制限手段32及び心拍比較手段13の出力が供給され、心拍比較手段13の出力に基づいて、限界値記憶手段29と限界値制限手段32の出力から最終的に心房刺激間隔を選択・設定する心房刺激間隔設定手段33とから構成されている。
【0023】
以下、図1に示す本発明の心臓治療装置の第1の実施の形態の作用について説明する。
まず、心房収縮検出手段5において、右心房23の収縮が検出されると、心房収縮検出手段5は、その出力をOR回路8に供給するとともに、制御手段7の神経刺激信号制御手段27に供給する。OR回路8の出力は、既述したように、心拍計測手段9、心房刺激間隔タイマ10及び房室遅延タイマ14に供給され、心拍計測手段9、心房刺激間隔タイマ10及び房室遅延タイマ14の計時(時間計測)をスタートさせる。
【0024】
すなわち、心拍計測手段9は心房イベント(心房収縮検出または心房刺激)から次の心房イベント(心房収縮検出または心房刺激)までの心房の心拍間隔(イベント間隔)を計時する。そして、心拍比較手段13において、心拍計測手段9で計測した心拍間隔が心拍閾値記憶手段12に記憶されている心拍間隔閾値(例えば、心拍数80に相当する心拍間隔750ms)と比較され、計測した心拍間隔がこの閾値を下回ると、つまり心拍数が80を超えると、心拍比較手段13から出力が得られ、制御手段7の神経刺激信号制御手段27及び心房刺激間隔制御手段28の心房刺激間隔設定手段33に供給される。
【0025】
神経刺激信号制御手段27には、心拍比較手段13の出力のほかに、心房収縮検出手段5からの出力も供給されており、心拍間隔が短くなって心拍比較手段13の出力を受けると心房収縮の検出と関連させて神経刺激信号制御手段27を作動させ、迷走神経26を刺激するためのトリガーとなる信号を神経刺激手段6に供給する。そして、神経刺激手段6はこの信号を受けると、神経電極リード24、神経刺激電極25により、迷走神経26の刺激を行う。
【0026】
迷走神経26が刺激されると、心拍数が急激に低下するので、逆に致死的不整脈の発生を高くする虞がある。つまり、心拍数が低下すると、心拍計測手段9で計測される心拍間隔が長くなる。すなわち、心拍数の減少により、心拍計測手段9の計測値が心拍閾値記憶手段12の閾値より長くなるので、心拍比較手段13からは出力が得られない。このため、心拍比較手段13から神経刺激信号制御手段27に迷走神経26を刺激するための信号は供給されず、迷走神経26の刺激は行われない。
【0027】
また、心拍計測手段9の出力は心房刺激間隔制御手段28の加算手段31に供給されており、ここで、心拍計測手段9で計測した心拍間隔と増分値記憶手段30に予め記憶されている固定の時間増分が加算される。そして、上記加算された時間間隔が限界値制限手段32に送られ、限界値記憶手段29に記憶されている心房刺激間隔の限界値と比較される。そして、この時間増分が加算された新たな演算値が限界値記憶手段29に記憶されている限界値よりも小さいとき、新たな演算値が心房刺激間隔設定手段33に供給される。心房刺激間隔設定手段33には、この新たな演算値の他に限界値記憶手段29に記憶されている限界値と心拍比較手段13からの信号が供給されており、心拍比較手段13からの出力があるとき、すなわち心拍計測手段9で計測される心拍間隔が心拍閾値記憶手段12に記憶されている心拍間隔閾値を超えないとき(例えば、心拍数が80以上)は、上記新たな演算値を、心房刺激間隔タイマ10に対する閾値として、心房刺激間隔設定手段33から比較手段11に供給する。
逆に、心拍比較手段13からの出力がないとき、すなわち心拍計測手段9で計測される心拍間隔が心拍閾値記憶手段12に記憶されている心拍間隔閾値を超えるとき(心拍数が80以下)は、上記新たな演算値は選択されず、限界値記憶手段29に記憶されている限界値を、心房刺激間隔タイマ10に対する閾値として、心房刺激間隔設定手段33へ出力して比較手段11に供給する。
【0028】
また、心房収縮検出手段5の出力はOR回路8を介して房室遅延タイマ14に送られ、房室遅延タイマ14をスタートさせる。この房室遅延タイマ14における計時値が、房室遅延設定値記憶手段15に記憶されている予め定めた設定値を超えると、房室遅延比較手段16から出力が得られ、心室刺激手段2により心室刺激が行われる。一方、房室遅延タイマ14の計時値が、房室遅延設定値記憶手段15に記憶されている設定値に達する前に心室収縮検出手段3によって心室収縮が検出されると、房室遅延タイマ14の計時がストップし、心室刺激は行われない。
【0029】
図3は、本発明の第1の実施の形態の作用を説明するためのフロー図である。以下、図3のフロー図を用いて、本例の作用を詳細に説明する。まず、心房刺激間隔制御手段28の限界値記憶手段29に記憶させる限界値を、例えば心拍数60に相当する心拍間隔1000msに設定する。この初期化の段階では、心拍比較手段13からの出力はなく、限界値記憶手段記憶手段29に設定した1000msが心房刺激間隔設定手段33の出力として比較手段11に供給される(ステップS1)。次に、心房刺激間隔タイマ10をスタートさせ(ステップS2)、続いて、心房収縮検出手段5において、心房の収縮が検出されたか否かが判断される(ステップS3)。判断ステップS3で心房収縮が検出された場合は、心拍計測手段9において心拍間隔の計測、つまり、心房イベント間隔の計測が開始されるとともに(ステップS4)、心房刺激間隔タイマ10がリセットされる(ステップS5)。
【0030】
次に、心拍比較手段13において、心拍計測手段9で計測した心房イベント間隔が、心拍閾値記憶手段12に予め記憶された閾値、例えば心拍数80に相当する心拍間隔750msに比べて大きいか小さいかが判断される(ステップS6)。そして、心房イベント間隔が、例えば625msであり、閾値750msより小さいと判断されると(すなわち、心拍数が80を超えるとき)、心拍比較手段13から出力が得られ、この出力が神経刺激信号制御手段27に送られて迷走神経26の刺激が行われる(ステップS7)。
【0031】
また、心拍計測手段9で計測された心房イベント間隔は、心房刺激間隔制御手段28の加算手段31に供給され、ここで心房イベント間隔の計測値に増分値記憶手段30に記憶されている固定の時間増分、例えば100msが加算される(ステップS8)。続いて、限界値制限手段32において、ステップS8で加算された演算値725ms(625ms+100ms)が限界値記憶手段29に予め記憶されている限界値1000msよりも大きいか否かが判断される(ステップS9)。この場合のように、判断ステップS9において、加算手段31で時間増分が加算された演算値725msが先に設定した限界値記憶手段29に記憶されている限界値1000msより小さいときは、この新たな演算値が限界値制限手段32から心房刺激間隔設定手段33に送られ、心房刺激間隔設定手段33では、ステップS6で発生した心拍比較手段13の出力を得て(心房イベント間隔625msが閾値750msより小さい)、新たな演算値を心房刺激間隔タイマ10に対する閾値として比較手段11に供給する(ステップS10)。
【0032】
判断ステップS6において、心拍計測手段9で計測した心房イベント間隔が、心拍閾値記憶手段12に記憶されている心拍間隔閾値750ms以上の場合(心拍数が80以下)、及び、判断ステップS9において加算手段31で時間増分が加算された演算値が限界値記憶手段29に記憶されている限界値1000ms以上の場合(心拍間隔900ms以上、すなわち心拍数が66以下)は、引き続き限界値1000msを心房刺激間隔タイマ10に対する閾値として比較手段11に供給し、次のステップへ進む(ステップS11)。
【0033】
判断ステップS3において、心房収縮が検出されなかった場合は、心房刺激間隔タイマ10がタイムアウトしているか否かが判断される(ステップS12)。心房刺激間隔タイマ10がタイムアウトしている場合、すなわち、心房刺激間隔タイマ10の計時時間がステップS1で設定された心房刺激間隔の限界値(1000ms)を超えた場合(心拍数60以下)は、比較手段11から心房刺激手段4に出力が発せられて心房刺激が行われる(ステップS13)。また、同時に、比較手段11の出力はOR回路8を経由して心拍計測手段9に供給され、心房イベント間隔の計測が開始されるとともに(ステップS14)、心房刺激間隔タイマ10に送られ、これをリセットする(ステップS15)。
【0034】
次に、判断ステップS6と同様に、心拍計測手段9で計測した心房イベント間隔が、心拍閾値記憶手段12に設定した心拍間隔閾値750msより小さいか否かが判断される(ステップS16)。そして、心房イベント間隔計測値が上記心拍閾値記憶手段12に記憶されている心拍間隔閾値750msより小さい(心拍数80超)と判断されると、ステップS8に進み、以下、ステップS9以降の処理が実施される。判断ステップS16で、心拍計測手段9で計測した心房イベント間隔計測値が、心拍閾値記憶手段12に記憶されている心拍間隔閾値750ms以上の場合には、心房刺激間隔は最初設定した限界値記憶手段29に記憶されている限界値1000msのままとし(ステップS17)、次のステップに進む。
【0035】
心房収縮検出手段5において心房収縮が検出されるか、比較手段11から出力が発せられて心房刺激が行われると、この検出信号または刺激信号がOR回路8を経て、房室遅延タイマ14に送られ、房室遅延タイマ14の計時を開始させる(判断ステップS18)。そして、次に心室収縮検出手段3によって心室の収縮が検出されたか否かが判断される(ステップS19)。判断ステップS19で、心室収縮が検出されると、房室遅延タイマ14は計時を止め(ステップS20)、判断ステップS3に戻る。一方、判断ステップS19で心室収縮が検出されないときは房室遅延タイマ14がタイムアウトしているかどうか、すなわち、房室遅延タイマ14の計時時間が房室遅延設定値記憶手段15に記憶されている設定値を超えたか否かが判断される(ステップS21)。そして、判断ステップS21で房室遅延タイマ14がタイムアウトしていないと判断されると、判断ステップS19に戻り、房室遅延タイマ14がタイムアウトした場合には、房室遅延比較手段16から心室刺激手段2に出力が発せられ心室刺激が行われる(ステップS22)。
【0036】
次に、図4のブロック構成図に基づいて、本発明の心臓治療装置の第2の実施形態を説明する。図1に示す本発明の第1の実施形態と同一部分については、同一符号を付す。第1の実施形態では、心房収縮の検出に基づいて迷走神経26の刺激を制御するとともに、心房刺激間隔を制御するものであるが、第2の実施形態では心室収縮の検出によって心拍間隔を計測し、迷走神経26の刺激及び心室刺激間隔を制御しようとするものである。
【0037】
すなわち、本発明の第2の実施形態が第1の実施形態と構成上異なるところは、比較手段11の出力が心室刺激手段2に供給され、心室収縮検出手段3の出力がOR回路8及び神経刺激信号制御手段27に供給されている点、及び第1の実施形態の心房刺激間隔制御手段28と心房刺激間隔設定手段33の代わりに心室刺激間隔制御手段28Aと心室刺激間隔設定手段33Aが設けられている点である。
その結果、図1に示す本発明の第1の実施形態における、心房刺激手段4、心房収縮検出手段5、房室遅延タイマ14、房室遅延設定値記憶手段15、房室遅延比較手段16は、第2の実施形態からは削除されている。
【0038】
本発明の心臓治療装置の第2の実施形態の動作を、図5に示すフロー図により説明する。
まず、心室刺激間隔制御手段28Aの限界値記憶手段29に記憶させる限界値を、例えば心拍数60に相当する心拍間隔1000msに設定する。この初期化の段階では、心拍比較手段13からの出力はなく、限界値記憶手段29に設定した1000msが心室刺激間隔設定手段33Aの出力として比較手段11に供給される(ステップS31)。次に、心室刺激間隔タイマ10Aをスタートさせ(ステップS32)、続いて、心室収縮検出手段3において、心室の収縮が検出されたか否かが判断される(ステップS33)。判断ステップS33で心室収縮が検出された場合は、心拍計測手段9において心拍間隔の計測、すなわち心室イベント間隔の計測が開始されるとともに(ステップS34)、心室刺激間隔タイマ10Aがリセットされる(ステップS35)。
【0039】
次に、心拍計測手段9で計測した心室イベント間隔(心拍間隔)が、心拍閾値記憶手段12に設定した心拍間隔閾値750msに達したか否かが判断される(ステップS36)。そして、心室イベント間隔が上記閾値750msより小さい(心拍数が80以上)と判断されると、心拍比較手段13から出力が得られ、この出力が神経刺激信号制御手段27に送られて迷走神経26の刺激が為される(ステップS37)。
【0040】
また、心拍計測手段9で計測された心室イベント間隔は、心室刺激間隔制御手段28Aの加算手段31に供給され、この心室イベント間隔の計測値に増分値記憶手段30に記憶されている固定の時間増分100msが加算される(ステップS38)。そして、限界値制限手段32において、ステップS38で加算された演算値が限界値記憶手段29に予め記憶されている限界値1000msよりも小さいか否かが判断される(ステップS39)。判断ステップS39において、加算手段31で時間増分が加算された演算値が先に設定した限界値記憶手段29に記憶されている限界値1000msより小さいと判断された場合は、この新たな演算値が限界値制限手段32から心室刺激間隔設定手段33Aに送られ、心室刺激間隔設定手段33AではステップS36で発生した心拍比較手段13の出力を得て(心室イベント間隔が心拍間隔閾値より小さい)、新たな演算値が心室刺激間隔タイマ10Aに対する閾値として比較手段11に供給される(ステップS40)。
【0041】
判断ステップS36において、心拍計測手段9で計測した心室イベント間隔が、心拍閾値記憶手段12に記憶されている心拍間隔閾値750msより大きい場合(心拍数が80以下)、及び、判断ステップS39において加算手段31で時間増分が加算された演算値が限界値記憶手段29に記憶されている限界値1000msより大きい場合(心拍間隔900ms以上、すなわち心拍数が66以下)は、引き続き限界値1000msを心室刺激間隔タイマ10Aに対する閾値として比較手段11に供給し、次のステップへ進む(ステップS41)。
【0042】
判断ステップS33において、心室収縮が検出されなかった場合は、心室刺激間隔タイマ10Aがタイムアウトしているか否かが判断される(ステップS42)。心室刺激間隔タイマ10Aがタイムアウトしている場合、すなわち、心室刺激間隔タイマ10Aの計時時間がステップS31で設定された心室刺激間隔の限界値1000msを超えた場合は、比較手段11から心室刺激手段2に出力が発せられて心室刺激が為される(ステップS43)。また、同時に、比較手段11の出力はOR回路8を経由して心拍計測手段9に供給され、心室イベント間隔の計測が開始されるとともに(ステップS44)、心室刺激間隔タイマ10Aに送られ、これをリセットする(ステップS45)。
【0043】
次に、判断ステップS36と同様に、心拍計測手段9で計測した心室イベント間隔が、心拍閾値記憶手段12に設定した心拍間隔閾値750msより小さいか否かが判断される(ステップS46)。そして、計測した心室イベント間隔が上記心拍閾値記憶手段12に記憶されている心拍間隔閾値750msより小さいと判断されると、ステップS38に進み、以下、ステップS39以降の処理が実施される。判断ステップS46で、心拍計測手段9で計測した心房イベント間隔が心拍閾値記憶手段12に記憶されている心拍間隔閾値750msより大きいと判断されると、心室刺激間隔は最初に設定した限界値記憶手段29に記憶されている限界値(1000ms)のままとして比較手段11に供給し(ステップS47)、ステップS33に戻る。
【0044】
図6は、図4に示す本発明の第2の実施形態において、迷走神経の刺激と心室刺激間隔の関係を示すタイミングチャートであり、心室刺激間隔限界値1000ms、心拍間隔閾値750ms、時間増分100msとして心室刺激と迷走神経刺激を制御する例を示したものである。心室刺激の代わりに心房刺激とすれば、図1に示す本発明の第1の実施形態にも適用できることは言うまでもない。
【0045】
この図6のタイミングチャートにおいて、時間V1,V2,V3,V4,V5は心室刺激が行われた時点を表し、時間R1,R2は心室収縮が検出された時点を表している。
すなわち、時間V1において、心室刺激手段2からの心室刺激とともに、心室刺激間隔タイマ10Aをスタートさせる。心室刺激間隔の限界値1000msの間に、心室収縮が検出されなかったため、心室刺激間隔タイマ10Aがタイムアウトした(限界値1000ms)と判断され、時間V2で心室刺激が行われることを示している。
【0046】
続いて、時間V2で心室刺激が為されてから850ms後の時間R1において、心室の収縮が検出され、その結果心室刺激間隔タイマ10Aがリセットされる。このとき心拍計測手段9で計測した心室イベント間隔は850msであり、心拍間隔閾値750msより大きく、心拍比較手段13より神経刺激信号制御手段27に出力が発せられないので、迷走神経26の刺激は行われない。また、加算手段31には心拍計測手段9から850msという値が供給され、この値と増分値記憶手段30の固定の時間増分100msが加算される。この加算された演算値950msが限界値制限手段32に送られ、ここで限界値記憶手段29に記憶されている限界値1000msと比較される。演算値950msは限界値1000msより小さいので、限界値制限手段32からは演算値950msが心室刺激間隔設定手段33Aに供給される。一方、心室刺激間隔設定手段33Aには、心拍比較手段13からの出力が供給されているが、心拍計測手段9で計測された心室イベント間隔が850msで心拍間隔閾値の750msより大きいため、心拍比較手段13からは出力が得られない。心拍比較手段13からの出力がない状態では、心室刺激間隔設定手段33Aは限界値記憶手段29の限界値1000msを選択し、この値が心室刺激間隔の閾値として比較手段11に送られる。
【0047】
次に、心拍数が早くなって、時間R1で心室の検出が為されてから625ms後の時間R2において、再び心室の収縮が検出されるとする。この時間R2での心室の検出により、心室刺激間隔タイマ10Aはリセットされる。この場合は、計測した心室イベント間隔が625msで心拍間隔閾値750msを下回っているので、心拍比較手段13より神経刺激信号制御手段27に信号が送られ、神経刺激手段6によって迷走神経26の刺激が行われる。そして、同時に加算手段31において、心拍計測手段9からの心室イベント間隔625msに増分値記憶手段30に記憶されている時間増分100msが加算され、この演算値725msが限界値制限手段32に送られる。限界値制限手段32において、限界値記憶手段29に記憶されている限界値1000msと比較され、演算値が限界値より小さいので限界値制限手段32はこの演算値725msを次の心室刺激間隔の候補として心室刺激間隔設定手段33Aに送る。このとき、心室イベント間隔は625msであり心拍閾値記憶手段12に記憶されている心拍間隔閾値750msより小さいので、心拍比較手段13からの出力が心室刺激間隔設定手段33Aに加えられている。したがって、心室刺激間隔設定手段33Aでは、演算値725msが選択されて出力され、新たな心室刺激間隔の閾値として比較手段11に送られる。
【0048】
次に、上記新たに設定した心室刺激間隔の閾値725msの間に心室収縮が検出されないと、心室刺激間隔タイマ10Aがタイムアウトしたと判定され、時間R2から725ms後の時間V3で心室刺激が行われるとともに、心室刺激間隔タイマ10Aがリセットされる。このとき、計測した心室イベント間隔が725msで心拍閾値記憶手段12に記憶されている心拍間隔閾値750msを下回っているので、心拍比較手段13から出力が神経刺激信号制御手段27に供給されているが、心室収縮検出手段3において心室の収縮が検出されないため、迷走神経26の刺激は起こらない。心拍計測手段9の計測値725msは加算手段31に供給され、加算手段31において、増分値記憶手段30に記憶されている時間増分100msが加算されて、加算された演算値825msが心室刺激間隔の候補として限界値制限手段32を経て心室刺激間隔設定手段33Aに送られる。このとき心室刺激間隔設定手段33Aには心拍比較手段13の出力が加えられているので心室刺激間隔設定手段33Aの出力は演算値825msとなり、この値が新たな心室刺激間隔の閾値として比較手段11に供給される。
【0049】
そして、新たな心室刺激間隔825msの間に心室収縮が検出されないと、心室刺激間隔タイマ10Aがタイムアウトしたと判定され、時間V3から825ms後の時間V4で心室刺激が行われるとともに、心室刺激間隔タイマ10Aがリセットされる。このとき心拍計測手段9で計測した心室イベント間隔825msが心拍間隔閾値750msよりも大きくなるので、心拍比較手段13からの出力はなく迷走神経26の刺激は行われない。加算手段31において、上記心室イベント間隔825msと固定の時間増分100msが加算され、新たな演算値925msが限界値制限手段32から心室刺激間隔設定手段33Aに送られるが、心室刺激間隔設定手段33Aには心拍比較手段13からの出力が与えられていないので心室刺激間隔設定手段33Aは限界値記憶手段29に記憶されている限界値1000msを選択し、比較手段11に送る。すなわち、心室刺激間隔の閾値は限界値1000msに戻ることになる。時間V4から時間V5に至る1000msの間で、心室収縮の検出がないと、心室刺激間隔タイマ10Aがタイムアウトするとともに心室刺激が行われる。
【0050】
図7は、図1及び図4に示す本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態における、心房刺激間隔制御手段28及び心室刺激間隔制御手段28Aの第1の変形例を示すブロック構成図である。この変形例は時間増分が心拍間隔の所定割合としたときの心房/心室刺激間隔制御手段(28,28A)を示すものである。
本変形例では、図1及び図4の増分値記憶手段30に代えて、増分割合記憶手段34と増分値算出手段35が設けられている。
【0051】
以下、この図7に示す第1の変形例の心房/心室刺激間隔制御手段(28、28A)の作用を説明する。増分割合記憶手段34には、例えば20%の増分割合が設定されており、例えば心拍計測手段9によって計測された心房あるいは心室のイベント間隔が600msであるとすると、増分値算出手段35において、心拍計測手段9からの600msという値に20%を乗算した120msという時間増分が算出される。そして、加算手段31において心拍計測手段9からの600msという値と増分値算出手段35からの120msという値が加算され、限界値制限手段32に720msという値が出力される。限界値制御手段32はこの720msという値と限界値記憶手段29に予め記憶されている固定値1000msとを比較する。この場合は、新たな演算値720msという値は、限界値1000msより小さいので、この新たな演算値が限界値制御手段32から出力され、心房/心室刺激間隔設定手段33、33Aに送られる。このとき心拍比較手段13からの出力があるため、心房/心室刺激間隔制御手段33、33Aはこの新たな演算値720msを選択し、これを心房または心室刺激間隔の新たな閾値として比較手段11に供給する。
【0052】
図8は、図7と同様に、図1及び図4に示す本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態における、心房刺激間隔制御手段28及び心室刺激間隔制御手段28Aの第2の変形例を示すブロック構成図である。この変形例は時間増分が固定した心拍数低下に相当する時間間隔としたときの心房/心室刺激間隔制御手段(28,28A)を示すものである。
【0053】
本変形例によれば、心拍計測手段9からの心拍間隔(心房イベント間隔または心室イベント間隔)が供給される心拍数変換手段36と、例えば1分間に20拍の心拍数低下が設定される心拍数低下分記憶手段37と、心拍数変換手段36の出力から心拍数低下分記憶手段37の設定値20拍を減算する減算手段38と、減算手段38の出力を心拍間隔に変換する心拍間隔変換手段39が設けられる。
【0054】
以下、図8に示す心房/心室刺激間隔制御手段(28、28A)の作用を説明する。心拍数低下分記憶手段37には、毎分20拍の心拍数低下が設定されている。そして、心拍計測手段9によって計測された心房あるいは心室のイベント間隔が600msであったとすると、この値が心拍数変換手段36に供給され、毎分の心拍数100(60s/600ms)に変換される。その後、減算手段38により、心拍数変換手段36の出力である心拍数100から心拍数低下分記憶手段37に記憶されている心拍数低下分20が減算され、心拍数80という値が減算手段38から心拍間隔変換手段39に供給される。心拍間隔変換手段39は、心拍数80を心拍間隔750msに変換し、この値を限界値制限手段32に供給する。
そして、限界値制限手段32において、この心拍間隔変換手段39の出力である750msという値が、限界値記憶手段29に記憶されている限界値1000msと比較される。この新たな演算値750msは限界値記憶手段29の限界値1000msより小さいので、限界値制限手段32は新たな演算値750msを心房/心室刺激間隔設定手段33、33Aに送る。このとき、心房/心室刺激間隔設定手段33、33Aは、心拍比較手段13からの出力があるので、新たな演算値750msを新しい心房または心室刺激間隔の閾値として比較手段11に供給する。
【0055】
以上、本発明の第1及び第2の実施形態とその変形例について説明したが、本発明は上記実施の形態にとらわれることなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲で幅広い実施の形態をとることが可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、迷走神経刺激後の心拍数変化を所定範囲内となるように心臓の刺激間隔を調節することができるので、迷走神経刺激にともなう心拍数の急激な変化を防止することができるとともに、これにより心拍数の急激な変化による致死的不整脈の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の心臓治療装置の第1の実施形態の構成例を示したブロック図である。
【図2】本発明の心臓治療装置に用いられる電極リード及び刺激電極の心臓への配置図である。
【図3】図1に示す本発明の心臓治療装置の第1の実施形態の作用を説明するためのフロー図である。
【図4】本発明の心臓治療装置の第2の実施形態の構成例を示したブロック図である。
【図5】図4に示す本発明の心臓治療装置の第2の実施形態の作用を説明するためのフロー図である。
【図6】図4に示す本発明の第2の実施形態において、迷走神経の刺激と心室刺激間隔の関係を示すタイミングチャートである。
【図7】図1及び図4に示す心房/心室刺激間隔制御手段の第1の変形例を示すブロック図である。
【図8】図1及び図4に示す心房/心室刺激間隔制御手段の第2の変形例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1・・・心臓治療装置、2・・・心室刺激手段、3・・・心室収縮検出手段、4・・・心房刺激手段、5・・・心房収縮検出手段、6・・・神経刺激手段、7・・・制御手段、9・・・心拍計測手段、10、10A・・・心房/心室刺激間隔タイマ、11・・・比較手段、12・・・心拍閾値記憶手段、13・・・心拍比較手段、17・・・心室電極リード、18・・・心室刺激/検出電極、19・・・心房電極リード、20・・・心房刺激/検出電極、21・・・心臓、24・・・神経電極リード、25・・・神経刺激電極、26・・・迷走神経、27・・・神経刺激信号制御手段、28、28A・・・心房/心室刺激間隔制御手段、29・・・限界値記憶手段、30・・・増分値記憶手段、33、33A・・・心房/心室刺激間隔設定手段
Claims (9)
- 迷走神経を刺激する神経刺激信号を発生する神経刺激手段と、
調節可能な刺激間隔で心臓を刺激する心臓刺激手段と、
心臓の拍動を計測する心拍計測手段と、
前記心拍計測手段の出力と予め定めた閾値を比較する心拍比較手段と、
前記心拍比較手段の出力に応答して前記刺激間隔を調節するとともに前記神経刺激信号の発生を制御することを特徴とする心臓治療装置。 - 前記心臓の拍動の計測が心拍間隔の計測であることを特徴とする請求項1に記載の心臓治療装置。
- 心臓の収縮を検出する心臓収縮検出手段を更に有し、前記計測した心拍間隔が前記予め定めた閾値を下回る場合に、前記心臓収縮検出手段に応答して前記神経刺激手段が前記神経刺激信号を発生することを特徴とする請求項2に記載の心臓治療装置。
- 前記計測した心拍間隔が前記予め定めた閾値を下回る場合に、前記計測した心拍間隔に予め定めた時間増分を加えた時間間隔を前記刺激間隔に設定することを特徴とする請求項2または3に記載の心臓治療装置。
- 前記予め定めた時間増分が固定した時間間隔であることを特徴とする、請求項4に記載の心臓治療装置。
- 前記予め定めた時間増分が固定した心拍数低下に相当する時間間隔であることを特徴とする請求項4に記載の心臓治療装置。
- 前記予め定めた時間増分が前記計測した心拍間隔の関数であることを特徴とする請求項4に記載の心臓治療装置。
- 前記関数が前記計測した心拍間隔の所定の割合であることを特徴とする請求項7に記載の心臓治療装置。
- 前記刺激間隔の調節の結果、前記刺激間隔が前記閾値よりも長い予め定めた時間間隔を超過した場合に、前記刺激間隔を前記長い予め定めた時間間隔に設定することを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の心臓治療装置。
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