JP4965241B2 - 壁内組施工用接合部品、壁内組施工用接合部品を用いたユニット式ルームの組立方法、及びユニット式ルーム - Google Patents
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Description
このユニット式ルームでは、雄部材としての舌片またはピン(突起)が形成されたアングルの側面に、側パネルのフランジに形成された孔を引掛けて側パネル同士の接合を行うようになっている。
請求項1に記載の壁内組施工用接合部品では、雄部材を合成樹脂の成形品としたので、大量生産によって1個当たりの製造コストを低減することができる。
側パネルの組立は、先ず、一方の側パネルの端面に雄部材を取り付け、他方の側パネルの端面に雌部材を取り付ける。次に、2つの側パネルを床面に対して鉛直に立てて突合せ、雄部材を雌部材の貫通孔に挿入し、雄部材の取り付けられた側パネルを雌部材の取り付けられた側パネルに対して端面長手方向に相対的に変位させる、これにより、雄部材の引掛部が雌部材の貫通孔の端部に引っ掛かり、2つの側パネルを接合することができる。
ところで、側パネルの組立は、先ず、一方の側パネルの端面に雄部材を取り付け、他方の側パネルの端面に雌部材を取り付けるが、2つの側パネルのどれに雄部材を取り付けるかは、側パネルの組立性を考慮して施工現場で判断する場合がある。
雄部材には、側パネルに当接して位置決めを行う位置決部が両側に択一的に選択できるように形成されており、側パネルに取り付ける前に、取り付けする際に側パネルと干渉する方の位置決部を除去し、側パネルと干渉しない方の位置決部を残し、残った方の位置決部を側パネルに当接させることで、雄部材の上下方向の位置決を行う。
即ち、この壁内組施工用接合部品では、雄部材において何れか一方の位置決部を残すことで、2つの側パネルのどちらにでも雄部材を取り付けることができる。
ここで、「択一的に選択できるように形成」とは、例えば、実際の施工現場で位置決めに必要とされる方の位置決部を残し、側パネルに干渉して雄部材の取り付けを阻害する不必要な位置決部を取り除けるように形成されていることを意味する。
次に、2つの側パネルを床面に対して鉛直に立てて突合せ、雄部材を雌部材の貫通孔に挿入し、雄部材の取り付けられた側パネルを雌部材の取り付けられた側パネルに対して端面長手方向に相対的に変位させる。これにより、雄部材の引掛部が雌部材の貫通孔の端部に引っ掛かり、2つの側パネルを接合することができる。
雄部材に面取りを施すことにより、雄部材を貫通孔に挿入し易くなる。
請求項3に記載の壁内組施工用接合部品では、位置決部の根元に形成された切断部にて切断を行うことができ、これにより不要な位置決部を除去することができる。位置決部を切断することにより雄部材表面にバリを生ずる場合があるが、切断部を凹部に形成することにより、バリが生じても凹部内であり、雄部材を補強リブに取り付けた際に、バリが側パネルの端面に当接して位置決を阻害することがない。
なお、2つの側パネルのどれに雄部材を取り付けるかは、側パネルの組立性を考慮して施工現場で判断する場合がある。
雄部材には、側パネルに当接して位置決めを行う位置決部が両側に択一的に選択できるように形成されており、側パネルに取り付ける前に、取り付けする際に側パネルと干渉する方の位置決部を除去し、側パネルと干渉しない方の位置決部を残し、残った方の位置決部を側パネルに当接させることで、雄部材の位置決を行う。
このように、2つの側パネル間の2つの隙間が第1のシール部材、及び第2のシール部材でシールされるため、2つの側パネル間のシールは確実なものとなる。
請求項5に記載のユニット式ルームでは、雌部材に引掛ける雄部材を、合成樹脂の成形品としているので、製造コストを低減することができる。
また、雄部材の取り付けられていない側パネルの端面と雌部材との間に第1のシール部材が配置されており、雄部材の端面と雌部材との間に第2のシール部材が配置されているので、両側パネル間の隙間は、第1のシール部材、及び第2のシール部材で全てシールされる。
なお、組立方法については、請求項4に記載のユニット式ルームの組立方法と同様である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する前に参考例を詳細に説明する。
図1には、ユニット式ルーム10の床面11に立設される第1の側パネル12、及び第2の側パネル14を室外から見た斜視図である。
第1の側パネル12、及び第2の側パネル14は、各々FRP製であり、壁面16の裏側には上下方向に延びる補強用の縦リブ18、及び水平方向に延びる補強用の横リブ20が各々複数本、予め決められた間隔で一体的に形成され、また壁面16の端縁には、壁面16、縦リブ18、及び横リブ20と一体的に連結されるフランジ22が壁面16と直角に形成されている。
図1、乃至図3に示すように、雌部材26は、鋼製のアングル(本参考例では、30mm×30mm、厚さ2mm)から形成されており、互いに直角を成す第1の辺26Aと第2の辺26Bとを有している。
第1の辺26Aには、フランジ22に取り付けるためタッピンネジ28を挿通させる取付孔30が長手方向に複数形成されている。雌部材26は、第1の辺26Aをシート状の弾性体からなる帯状シール部材34を介してフランジ22にタッピンネジ28で取り付けられている。
雌部材26の第2の辺26Bには、後述するコーナークリップ24を挿通させるための縦長の矩形孔36が上下方向に予め決められた間隔で形成されている。
本参考例のコーナークリップ24は、合成樹脂の射出成形品である。コーナークリップ24に用いる合成樹脂としては、比較的曲げに強いものが好ましい。本参考例では、コーナークリップ24の成形材料としてポリアセタール樹脂を用いているが、他の合成樹脂であっても良い。
図1,3,4に示すように、コーナークリップ24は、フランジ22に取り付けられる一定厚さの矩形の取付部38を備えている。取付部38の厚さt(図4(C)参照)は、雌部材26の厚さよりも若干厚く形成されている。
図4(B)に示すように、フック40は、取付面38Aとは反対側から見た時に、先細り形状で延び、かつ先端が円弧形状に形成されている。また、図4(C)に示すように、フック40は、取付部38の側面側から見た時に、取付部38から一定距離は一定厚さに形成されており、先端側は、取付面38Aの仮想延長面Fから徐々に離間するように先端側に向けて厚みを漸減している。
また、コーナークリップ24には、取付部38の端部に位置決部44が一体的に形成されている。位置決部44は、取付部38の端部から直角方向に延び、先端部分には、取付面38Aと対向するような折り曲げ形状とされた位置決用フランジ当接部44Aが一体的に形成されている。
ここで、コーナークリップ24と雌部材とで本発明の壁内組施工用接合部品を構成している。
次に、本参考例の壁内組施工用接合部品を用いたユニット式ルームの組立工程を説明する。
図1に示すように、ユニット式ルームのコーナー部分において第1の側パネル12と第2の側パネル14を直角に突き当てて接合する場合、図3に示すように、第2の側パネル14のフランジ22に、弾性体からなるシート状の帯状シール部材34を介して雌部材26の第1の辺26Aをタッピンネジ28で固定し、第2の辺26Bを壁面16と面一とする(第1の工程)。
先ず、第1の側パネル12のフランジ22に弾性体からなるシート状の帯状シール部材46を貼り付け、その後、コーナークリップ24に形成されている位置決部44の側面をフランジ22の端面に押し付けながら位置決用フランジ当接部44Aの長手方向端部を横リブ20の下側面に突き当てる。これにより、フック40が上下方向に向き、かつコーナークリップ24の位置決が行われる。その後、コーナークリップ24を動かないようにしてタッピンネジ28を取付孔32に挿通してドライバを用いてタッピンネジ28をフランジ22にねじ込み、コーナークリップ24の固定を行う(図1参照)。
なお、最後に、第1の側パネル12と第2の側パネル14との隅部分に、コーキング剤48を塗布する。
また、第1の側パネル12と雌部材26との間に配置された帯状シール部材46は、フック40の先端側と第1の側パネル12のフランジ22との間に雌部材26が挟み込まれた際に圧縮され、第1の側パネル12と雌部材26との間のシールを確実なものとする。
なお、第1の側パネル12に雌部材26を取り付けるのは、施工現場で行っても良く、予め工場で行っても良い。同様に、第2の側パネル14にコーナークリップ24を取り付けるのは、施工現場で行っても良く、予め工場で行っても良い。
上記参考例では、第1の側パネル12に雌部材26を取り付け、第2の側パネル14にコーナークリップ24を取り付けたが、本発明はこれに限らず、第1の側パネル12にコーナークリップ24を取り付け、第2の側パネル14に雌部材26を取り付けても良い。この場合、図1で示す場合とは、コーナークリップ24と雌部材26の取り付けが逆になる。ここで、雌部材26を第1の側パネル12に取り付ける場合には、雌部材26の上下を逆向きにしてから取り付けることになる。コーナークリップ24を第2の側パネル14に取り付ける場合には、コーナークリップ24の上下を逆向きにしてから取り付けることになる(位置決部44が取付部38の片側に形成されており、方向性があるため。)。しかしながら、コーナークリップ24のフック40は上下対称形状となっているので、コーナークリップ24の上下を逆にしても下方に向いたフック部分で雌部材26を引掛けることができ、第1の側パネル12にコーナークリップ24を取り付け、第2の側パネル14に雌部材26を取り付けた場合と同様に、第1の側パネル12と第2の側パネル14を適正、かつ確実に接合することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、参考例と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図6は、実施形態に係るコーナークリップ50が取り付けられたユニット式ルーム10の要部を示す斜視図である。なお、コーナークリップ50以外の構成は参考例と同じである。
本実施形態のコーナークリップ50は、参考例のコーナークリップ24と同様に合成樹脂の射出成形品である。
図6,7,8に示すように、本実施形態のコーナークリップ50は、フランジ22に取り付けられる厚さtの矩形の取付部38を備えている。
図8(B)に示すように、フック52は、取付面38Aとは反対側から見た時に、先細り形状で延び、かつ先端が円弧形状に形成されている。また、図8(C)に示すように、フック52は、取付部38の側面側から見た時に、取付部38から一定距離は一定厚さに形成されており、先端側は、取付面38Aの仮想延長面Fから徐々に離間するように先端側に向けて厚みを漸減し(いわゆる面取り形状)、かつ仮想延長面Fから離れる方向へ折れ曲がっている。
さらに、フック52には、長手方向に延びる一対のリブ54が形成されている。このリブ54は、例えば、高さhが0.5mmであり、後述する施工時において、雌部材26との摩擦力を減少させるために設けられているものである。
位置決部56は、略全体に渡って一定厚さであるが、凹部底面側では徐々に厚さが減じて凹形状(端面側からみて三角形状)となっており、凹部底面との接続部位において最も厚さが薄くなっている。この最も薄くなっている部分が切断部58となっている。
次に、本実施形態のコーナークリップ50を用いたユニット式ルームの組立工程を説明する。
なお、ここでは、参考例とは異なる点を説明する。
本実施形態では、フランジ22にコーナークリップ50を固定する前には以下のような下準備を行う。
本実施形態では、フック52の先端(先細り形状で延びている側の端部)が下方に向くようにコーナークリップ50を取り付ける。コーナークリップ50には、一対の位置決部56が設けられているが、何れか一方の位置決部56がフランジ22の面に干渉するため、除去する必要がある。本実施形態では、除去する位置決部56は、施工現場等にて、作業者が取付部位を見て判断する。
不要な位置決部56を除去するには、位置決部56を倒すように力を加えることで、切断部58の最も薄い部分(位置決部56と取付部38との接続部分)にて簡単に切断でき、切断工具等を用いることなく、不要な位置決部56を取付部38から容易に除去できる。
次に、フック52の先端を下に向け、コーナークリップ50に残した位置決部56の側面をフランジ22の端面に押し付けながら位置決用フランジ当接部56Aの長手方向端部を横リブ20の下側面に突き当てる。これにより、フック52の先端を下に向けた状態でコーナークリップ50の位置決が行われる。その後、コーナークリップ50を動かないようにしてタッピンネジ28を取付孔32に挿通してドライバを用いてタッピンネジ28をフランジ22にねじ込み、コーナークリップ50の固定を行う(図6参照)。
これにより、コーナークリップ50の取付面38Aがフランジ22に密着する。
ここで、位置決部56を取付部38から除去した際に、取付部38にバリが残ることがあるが、このバリは、凹部39の底部に形成されることになり、取付面38Aからは一段下がった部位にあるため、このバリがフランジ(側パネル端面)22に接触することは無く、バリの存在によってコーナークリップ50の取付面38Aがフランジ22から浮いたりすることは無く、コーナークリップ50の確実な位置決が行われる。
なお、図10(A)に示すように、コーナークリップ50を第2の側パネル14に取り付ける場合には、図10(B)に示すように、上記実施形態とは反対側の位置決部56を除去してから取り付ければ良い。
12 第1の側パネル
14 第2の側パネル
22 フランジ
24 コーナークリップ(壁内組施工用接合部品)
26 雌部材(壁内組施工用接合部品)
36 矩形孔
39 凹部
44 位置決部
50 コーナークリップ
52 フック
56 位置決部
Claims (5)
- 2つの側パネルを突合せて接合するための壁内組施工用接合部品であって、
一方の側パネルの端面に取り付けられる雄部材と、他方の側パネルの端面に取り付けられる雌部材とを備え、
前記雌部材は貫通孔を備え、
前記雄部材は、前記貫通孔に挿入した後、端面長手方向に変位させることで前記雌部材と引っ掛かる引掛部を備えた合成樹脂の成形品であり、
前記雄部材には、前記引掛部が変位方向一端側に形成されると共に、前記変位方向と交差する方向の両側に、前記側パネルに設けられた立設時において水平方向に延びる補強リブに当接して上下方向の位置決めを行う位置決部が択一的に選択できるように形成されている、ことを特徴とする壁内組施工用接合部品。 - 前記雄部材には、前記貫通孔に挿入する側の角部に面取りが施されている、ことを特徴とする請求項1に記載の壁内組施工用接合部品。
- 前記位置決部の根元に切断部を有し、前記切断部は切断後に前記側パネルの端面との干渉を避ける凹部に形成されている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の壁内組施工用接合部品。
- 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の壁内組施工用接合部品を用いたユニット式ルームの組立方法であって、
側パネルの端面に取り付けられる第1の辺と、前記第1の辺の端部に一体的かつ直角に設けられ、貫通孔が形成された第2の辺とからなる雌部材を用い、
一方の側パネルの端面に第1のシール部材を介して前記雌部材の前記第1の辺を取り付ける工程と、
前記位置決部の何れか一方を選択して除去する工程と、
他方の側パネルの端面に雄部材を取り付ける工程と、
前記第2の辺と前記側パネルの前記雄部材の取り付けられた前記端面との間に第2のシール部材を配置し、前記雄部材を前記貫通孔に挿入して端面長手方向に変位させることで側パネル同士の接合を行うと共に、前記雌部材の前記第2の辺と前記他方の側パネルとの間のシールを行う接合工程と、
を有する、ことを特徴とするユニット式ルームの組立方法。 - 床面に立設される第1の側パネルと、
床面に立設され、前記第1の側パネルとは直角に配置される第2の側パネルと、
前記第1の側パネル、及び前記第2の側パネルの何れか一方の端面に取り付けられ、前記端面に取り付けられる第1の辺、及び前記第1の辺の端部に一体的かつ直角に設けられ貫通孔が形成された第2の辺を備える請求項1に記載の壁内組施工用接合部品を構成する雌部材と、
前記第1の側パネルと前記雌部材との間に配置される第1のシール部材と、
前記第1の側パネル、及び前記第2の側パネルの何れか他方の端面に取り付けられる請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の壁内組施工用接合部品を構成する雄部材と、
前記第2の側パネルの前記第2の辺と前記雄部材の取り付けられている端面との間に配置される第2のシール部材と、
を有し、
前記雄部品は、前記貫通孔に挿通され、下方に向いた引掛部が前記第2の辺に引っ掛かけられており、一方の位置決部が前記側パネルに当接して位置決を行っており、他方の位置決部が除去されている、ことを特徴とするユニット式ルーム。
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