JP4964725B2 - 軒天井見切材 - Google Patents
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Description
しかしながら、塗厚が均一になるように外壁材を塗工するには、左官に優れた技量が要求され、かつその塗工作業には多大な時間と労力とを要する。
しかしながら、充分な止水効果を得るには、シーリング剤を不足なく充填する必要があり、その施工には多大な時間と労力を要する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、壁部に均一な塗厚を有した外壁を容易に施工でき、かつ、軒天井から浸入する雨水を容易に止水でき、かつ、軒天井を傷つけることなく外壁材や塗料の付着を容易に防止できる軒天井見切材を目的とする。
(1)壁部と軒天井の隅部に設けられる軒天井見切材であって、
前記軒天井の下面に固定される長尺の軒天井固定板部と、
前記軒天井固定板部の一方の長辺端に連結された軒天井保護板部と、
前記軒天井固定板部の他方の長辺端に連結され、前記軒天井固定板部を前記軒天井に固定した際に、前記壁部と前記軒天井との隙間に配置される雨水侵入防止板部とを備え、
前記軒天井固定板部の下面に、前記壁部に塗工する際の基準となる突条が形成されていることを特徴とする軒天井見切材。
(2)前記軒天井固定板部と前記軒天井保護板部とが連結する部分に、前記軒天井保護板部を切り離すための溝が形成されている(1)に記載の軒天井見切材。
(3)前記軒天井固定板部と前記雨水侵入防止板部とを連結する部分が軟質の合成樹脂で形成され、前記軒天井固定板部と前記雨水侵入防止板部との連結角度が自在にされている(1)または(2)に記載の軒天井見切材。
さらに、この軒天井見切材10は、軒天井固定板部11の長辺端14に、雨水侵入防止板部15と同一面上になるように連結される壁面固定板部21を備える。
前記合成樹脂の材質は、PVC(塩化ビニル樹脂)、ABS(アクリルニトリルブタジエンスチレン樹脂)、PS(ポリスチレン樹脂)、PE(ポリエチレン樹脂)、PP(ポリプロピレン樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)及びこれらのポリマーアロイが挙げられ、特に、PVCが成形性、コスト、品質面から好適である。
両面テープ31は、軒天井固定板部11の長手方向に連続して設けられていてもよく、任意の間隔をおいて設けられていてもよい。また、両面テープ31の幅も厚みも特に限定されない。
両面テープ31の基材としては、軒天井2と固定できるものであれば特に限定されないが、例えば、ブチルゴム、ポリエステルフィルム、発泡ポリエチレン、発泡硬質ポリエチレン、耐熱フィルム、不織布(難燃性)、綿布、などが挙げられる。なお、この一実施形態例では両面テープとしたが、両面テープの代わりに接着剤などを用いてもよく、両面テープと接着剤とを併用してもよい。また、軒天井2への固定の際に、必要に応じてステープルや釘などを併用してもよい。
同じく、軒天井固定板部11と軒天井保護板部13とが連結する部分の下側には、突起25が形成されているのが好ましい。突起25は、後述する外壁3への塗装の際に、養生シートを貼り付ける目印となる。
軒天井保護板部13の先端23は、下側に向けて断面がくの字になるように屈曲していることが好ましい。これにより、後述する外壁の施工後または外壁への塗装後に軒天井保護板部13を切り離す際、先端23に指やペンチを引っ掛けやすくなり、軒天井保護板部13を切り離しやすくすることができる。
軒天井保護板部13の厚みは、軒天井固定板部11の厚みと同じであってもよいが、好ましくは、図5に示すように、軒天井保護板部13の厚みCが、軒天井固定板部11の厚みBより、軒天井側の距離Dだけ薄くなっている。これにより、軒天井見切材10を軒天井2に固定した際、軒天井2との間に充分な隙間を有することができるので、軒天井2を傷めることがない。
雨水侵入防止板部15は、その厚みが一定でも構わないが、製造時の押出成形を行いやすくするために、先端に向かって次第に厚みが薄くなるように形成されているのが好ましい。また、このように成形することで、軒天井見切材10を隅部に取り付ける際、壁部1と軒天井2との隙間に差し込みやすくなる。
軟質合成樹脂の材質は、軟質PVC(塩化ビニル樹脂)、エラストマーなどが挙げられるが、軒天井見切材10本体がPVC(塩化ビニル樹脂)であれば、軟質PVC(塩化ビニル樹脂)が成形性、密着性から好適である。
なお、軒天井見切材10本体の材質がPE(ポリエチレン樹脂)やPP(ポリプロピレン樹脂)などのオレフィン系樹脂の場合には、それ自体が塑性変形するため、長辺端14周辺を軟質の合成樹脂としなくても、軒天井固定板部11および軒天井保護板部13を軒天井2の勾配に合せることができる。また、PVC(塩化ビニル樹脂)であっても、長辺端14周辺の肉厚を薄くすれば、ヒンジ効果により軒天井固定板部11と雨水侵入防止板部15との連結角度を自在とし、軒天井固定板部11および軒天井保護板部13を軒天井2の勾配に合せることができる。
突条18は、左官が目視可能であれば、その大きさや形状は特に限定されないが、図5に示すように、突条18側面に溝が形成されていることが好ましい。これにより、外壁材の食い付き力をより高めることができる。突条18側面の溝は、図5のようにV字形状でもよいが、他の形状でもよい。
壁面固定板部21は、その厚みが一定でも構わないが、製造時の押出成形を行いやすくするために、先端に向かって厚みが薄くなるように形成されているのが好ましい。
さらに、壁面固定板部21には、図1および図6に示すように、孔26が形成されていることが好ましい。これにより、壁部1への外壁材の食い付き力がより高まる。孔26の大きさは特に限定されることはない。また、孔26の数も特に限定されない。複数の孔26が設けられる場合、孔26の大きさは同じであってもよく、図6のように異なっていてもよい。孔26同士の配置間隔は等間隔でもよく、それぞれ異なった間隔を有していてもよい。
まず、壁部1に対して公知の建築方法を用いて軒天井2を設置する。次に、図7(a)に示すように、雨水侵入防止板部15が壁部1と軒天井2との隙間に配置されるように、軒天井2の下面に両面テープ31を用いて軒天井見切材10を貼り付ける。
このように、雨水侵入防止板部15が壁面1と軒天井2との隙間に配置されることで、軒天井2から浸入する雨水を容易に止水できる。
次いで、図7(d)に示すように、外壁3の表面に吹き付け塗装など公知の塗装方法で塗装を行い、塗膜42を形成する。塗膜42の乾燥後、シート41を剥がす(不図示)。軒天井見切材10によると、軒天井2に直接シートを貼り付けずにシート養生が行えるため、シート41を剥がす際に、軒天井2へ傷を付ける心配がない。
次いで、先端23にペンチなどを引っ掛けて、図7(e)に示すように、軒天井保護板部13を切り離す。塗装後に軒天井保護板部13を切り離すことで、軒天井と塗膜42との境界(外壁3の施工のみで完了なら、外壁と軒天井との境界)を美しく仕上げることができる。
以上のようにして、壁部1への外壁3の施工、および外壁3への塗装が行われる。
また、本発明の軒天井見切材には、外壁材や塗料の付着を防止するための軒天井保護板部が備えられているので、養生の労力と時間を低減できる。また、この軒天井保護板部は、軒天井をより広範囲に養生する必要がある場合、シートの貼り台としても機能するので、軒天井にシートを直接貼り付けずに済む。したがって、本発明の軒天井見切材を用いれば、軒天井を傷つけることなく外壁材や塗料の付着を容易に防止できる。
本発明の軒天井見切材は、前記のような効果に加え、雨水侵入防止板部を備えているので、シーリング施工を行わなくても、軒天井から浸入する雨水を容易に止水できる。
2 軒天井
3 外壁
10 軒天井見切材
11 軒天井固定板部
12、14 長辺端
13 軒天井保護板部
15 雨水侵入防止板部
18 突条
21 壁面固定板部
24 溝
Claims (3)
- 壁部と軒天井の隅部に設けられる軒天井見切材であって、
前記軒天井の下面に固定される長尺の軒天井固定板部と、
前記軒天井固定板部の一方の長辺端に連結された軒天井保護板部と、
前記軒天井固定板部の他方の長辺端に連結され、前記軒天井固定板部を前記軒天井に固定した際に、前記壁部と前記軒天井との隙間に配置される雨水侵入防止板部とを備え、
前記軒天井固定板部の下面に、前記壁部に塗工する際の基準となる突条が形成されていることを特徴とする軒天井見切材。 - 前記軒天井固定板部と前記軒天井保護板部とが連結する部分に、前記軒天井保護板部を切り離すための溝が形成されている請求項1に記載の軒天井見切材。
- 前記軒天井固定板部と前記雨水侵入防止板部とを連結する部分が軟質の合成樹脂で形成され、前記軒天井固定板部と前記雨水侵入防止板部との連結角度が自在にされている請求項1または2に記載の軒天井見切材。
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