JP4964578B2 - 内視鏡用対物レンズ - Google Patents

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本発明は、内視鏡用対物レンズに関し、特に該内視鏡用対物レンズとその結像面との間にプリズム等を配置して使用するのに好適な内視鏡用対物レンズに関するものである。
従来、医療現場等において患者の体内の観察あるいは治療を行う際などに、内視鏡が使用されている。内視鏡の挿入部の先端には観察用の対物レンズが配置されており、このような対物レンズとしては、例えば、絞りの後の後群収斂レンズ系が正の屈折力を有する3つのレンズ群からなるもの(特許文献1参照)や、絞りの後の後群収斂レンズ系の中に2組の接合レンズを有するもの(特許文献2参照)が知られている。
また、内視鏡としては、固体撮像素子を用い、挿入部の長軸方向を観察する直視型のものが多用されている。このタイプの内視鏡は、固体撮像素子の受光面が挿入部の長軸方向に平行に配置されたものが多く、このような構成では一般に、対物レンズと固体撮像素子との間に光路を90度折り曲げるための光路変換プリズムが挿入配置される。そのため、光路変換プリズムが挿入配置される、対物レンズの最終面から結像位置までの距離、すなわちバックフォーカスを十分に確保しておく必要がある。
光路変換プリズムのサイズはイメージサイズで決まるものであり、近年では固体撮像素子の小型化により、イメージサイズの縮小も図られてはいる。しかし、プリズム壁面と有効光束との間隔に十分な余裕を持たせなければフレアやゴーストの原因となるため、部品の加工精度や組立精度を考慮すると上記間隔を極端につめることはできず、プリズムサイズをイメージサイズに比例して縮小することは困難である。このような事情からも、焦点距離に比べてバックフォーカスが長い対物レンズが必要になる。
特公昭61−46807号公報 特開2006−39259号公報
上述したように、焦点距離に比してバックフォーカスが長い対物レンズが要望されている。しかし、特許文献1に記載されたものは、上記のような光路変換プリズムを用いることを考慮していないので、バックフォーカスの長い構成とはなっていない。
また、内視鏡用対物レンズは、長いバックフォーカスが要求される一方で、正確な診断を行うために色収差が良好に補正されていることも要求される。色収差補正の方法としては、例えば、接合レンズを最も像面側に配置して色収差のバランスをとることが考えられる。
しかしながら、バックフォーカスが長い系においては、接合レンズを最も像面側に配置しても、この接合レンズと結像面との距離が長いため、接合レンズにおける光線高が低くなり、画面周辺部の色収差補正の効果が弱まり、倍率の色収差の補正が不十分となってしまう。
本発明は、上記事情に鑑み、焦点距離に比して長いバックフォーカスを有するとともに、倍率の色収差が良好に補正された内視鏡用対物レンズを提供することを目的とするものである。
本発明の内視鏡用対物レンズは、物体側から順に、全体として負の屈折力(以下、パワーともいう)を有する前群と、明るさ絞りと、全体として正の屈折力を有する後群とが配列されてなり、前記前群が、物体側に平面または凸面を向けた負の第1レンズよりなり、前記後群が、物体側に曲率半径の絶対値の大きい方の面を向けた正の単レンズである第2レンズと、両凸形状の第3レンズおよびメニスカス形状の負の第4レンズからなる第1の接合レンズと、両凸形状の第5レンズおよびメニスカス形状の負の第6レンズからなる第2の接合レンズとを物体側から順に配列してなることを特徴とするものである。
上記構成を有する本発明の内視鏡用対物レンズは、発散レンズ系の前群と、収斂レンズ系の後群を備えて、バックフォーカスの長いレトロフォーカスタイプのパワー配置を構成するとともに、後群の像面側に色収差補正に有効な接合レンズを2組備えて、倍率の色収差の補正効果を向上させるものである。
なお、第2レンズの物体側の面形状は、平面、凹面、凸面のいずれでもよい。また、第1の接合レンズおよび第2の接合レンズにおいては、両凸形状のレンズとメニスカス形状の負のレンズの配列の順序に限定はなく、両凸形状のレンズとメニスカス形状の負のレンズのいずれが物体側に位置していてもよい。
また、本発明の内視鏡用対物レンズにおいては、以下の条件式(1)〜(3)を満足するように構成されていることが好ましい。
0.8<|f/f|<1.1 (1)
2.0<D12/f<3.5 (2)
0.6<f56/f34<1.2 (3)
ただし、fは前記前群の焦点距離であり、fは全系の焦点距離であり、D12は前記前群の後側主点から前記後群の前側主点までの距離であり、f34は前記第1の接合レンズの焦点距離であり、f56は前記第2の接合レンズの焦点距離である。
さらに、本発明の内視鏡用対物レンズにおいては、以下の条件式(4)を満足するように構成されていることが好ましい。
>2.0 (4)
ただし、nは前記第1レンズの屈折率である。
さらにまた、本発明の内視鏡用対物レンズにおいては、前記第1の接合レンズと前記第2の接合レンズとが、同一の構成からなることが好ましい。
なお、本発明の内視鏡用対物レンズは、「焦点距離に比して長いバックフォーカス」を有するものであるが、これは好ましくは、以下の条件式(5)を満足するように、焦点距離の2倍以上の長さのバックフォーカスを有するものである。
Bf/f≧2.0 (5)
ただし、BfはバックフォーカスBf(空気換算長)、fは全系の焦点距離であり、Bf/fはバックフォーカス比と称されるものである。
なお、上記の屈折率、焦点距離、主点間距離はd線(波長587.6nm)に関するものである。
本発明の内視鏡用対物レンズによれば、物体側から順に、全体として負の屈折力を有する前群と、全体として正の屈折力を有する後群とが配列されて、レトロフォーカスタイプのパワー配置を構成するとともに、後群の像面側に色収差補正に有効な接合レンズを2組配置しているため、焦点距離に比して長いバックフォーカスを有するとともに、倍率の色収差を良好に補正することができる。
以下、本発明の内視鏡用対物レンズの実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態の内視鏡用対物レンズは、内視鏡の挿入部の先端部に設けられ、本内視鏡用対物レンズと結像面との間に光路変換プリズム等を配置して使用されるものである。図1は、本実施形態の内視鏡用対物レンズが配置される先端部1の先端面を示す図、図2は本内視鏡用対物レンズの光軸を含む断面である図1のA−A線断面における先端部1の要部断面図である。
図1に示すように、先端部1の先端面には内視鏡用対物レンズ2の外面である観察窓3と、観察窓3の両側に配置された2つの照明窓4と、処置具導出口5と、送気・送水ノズル6とが形成されている。
また、図2に示すように、先端部1の内部には先端部1の長軸方向と平行にその光軸が配置された内視鏡用対物レンズ2と、内視鏡用対物レンズ2の像側の光路を90度折り曲げるための光路変換プリズム7と、その受光面が先端部1の長軸方向と平行になるように光路変換プリズム7に接合された固体撮像素子8とが配置されている。このように固体撮像素子8を配置することにより、図2に示す先端部1の下半分において、直視型の観察光学系を構成し、図2に示す先端部1の上半分において、処置具挿通チャンネル9を構成し、細径の挿入部内に多数の要素を配設している。
なお、固体撮像素子8は受光面保護用のカバーガラスを有するが、図1および図2ではカバーガラスも含めて固体撮像素子8として図示している。また、図2では内視鏡用対物レンズ2の光軸を一点鎖線で示している。図2の内視鏡用対物レンズ2は、レンズ形状を示すものではなく、概念的に図示されたものである。図2からもわかるように、内視鏡用対物レンズ2は、結像面との間に光路変換プリズム7を配置するため、長いバックフォーカスを必要とする。
図3に本発明の一実施形態にかかる内視鏡用対物レンズ2のレンズ構成図を示す。なお、図3に示す構成例は、後述の実施例1のレンズ構成に対応している。図3の内視鏡用対物レンズは、4群6枚構成からなり、物体側から順に、全体として負の屈折力を有する前群G1と、明るさ絞りSと、全体として正の屈折力を有する後群G2とが配列されてなり、前群G1が、物体側に平面または凸面を向けた負の第1レンズL1よりなり、後群G2が、物体側に曲率半径の絶対値の大きい方の面を向けた正の単レンズである第2レンズL2と、両凸形状の第3レンズL3およびメニスカス形状の負の第4レンズL4からなる第1の接合レンズL34と、両凸形状の第5レンズL5およびメニスカス形状の負の第6レンズL6からなる第2の接合レンズL56とを物体側から順に配列してなる。
なお、図3では、図2に示す光路変換プリズム7および固体撮像素子8用のカバーガラスの代わりに、これらの光学的光路長の和と同等の光学的光路長を有するプリズムP1を用いて図示しており、全系の結像面はプリズムP1の像側の面と一致する。
以下に、本実施形態の内視鏡用対物レンズとしての好ましい態様について説明する。なお、以下に述べる屈折率、焦点距離、主点間距離は、特に断りがない限り、d線(波長587.6nm)に関するものである。
本実施形態にかかる内視鏡用対物レンズでは、下記条件式(1)〜(3)を満足するように構成されていることが好ましく、図3に示す例ではそのように構成されている。
0.8<|f/f|<1.1 (1)
2.0<D12/f<3.5 (2)
0.6<f56/f34<1.2 (3)
ただし、fは前群G1の焦点距離であり、fは全系の焦点距離であり、D12は前群G1の後側主点から後群G2の前側主点までの距離であり、f34は第1の接合レンズL34の焦点距離であり、f56は第2の接合レンズL56の焦点距離である。
また、本実施形態にかかる内視鏡用対物レンズでは、以下の条件式(4)を満足するように構成されていることが好ましい。
>2.0 (4)
ただし、nは第1レンズL1の屈折率である。
さらに、本実施形態にかかる内視鏡用対物レンズでは、第1の接合レンズL34と第2の接合レンズL56とが、同一の構成からなることが好ましく、図3に示す例ではそのように構成されている。
また、本実施形態にかかる内視鏡用対物レンズでは、焦点距離に比して長いバックフォーカス、具体的には以下の条件式(5)を満足するように、焦点距離の2倍以上の長さのバックフォーカスが確保されていることが好ましい。
Bf/f≧2.0 (5)
ただし、BfはバックフォーカスBf(空気換算長)、fは全系の焦点距離であり、Bf/fはバックフォーカス比と称されるものである。
以上のように構成された内視鏡用対物レンズの作用および効果について詳しく説明する。条件式(1)(2)は、良好に倍率色収差を補正しつつ十分な長さのバックフォーカスを得るための式である。十分な長さとは、全系の焦点距離の2倍以上の長さ(空気換算長)である。一般に、単レンズに比べて、中心厚の厚い接合レンズを挿入すると、バックフォーカスが短くなるが、条件式(1)、(2)を規定することにより、本実施形態の内視鏡用対物レンズでは、2組の接合レンズを有しながら長いバックフォーカスを確保することができる。以下、この点について説明する。
簡単のために、前群G1、後群G2をそれぞれ薄肉レンズに置換して2枚の薄肉レンズの系を考えることにする。これら2枚の薄肉レンズのうち、一方のレンズ(前方のレンズ)の焦点距離をfa、他方のレンズ(後方のレンズ)の焦点距離をfbとし、2枚の薄肉レンズの間隔をdxとすると、このときの2枚の薄肉レンズの合成焦点距離fは、
1/f=1/fa+1/fb−dx/(fa・fb) (i)
で表され、バックフォーカスBfは、
Bf=f(1−dx/fa) (ii)
で表わされる。なお、上記各記号は大きさだけでなく向き(符号)も含めたものである。
ここで、必要なバックフォーカスBfの長さを合成焦点距離fの2倍として
Bf=2f (iii)
とおくと、式(ii)は、
2f=f(1−dx/fa)
となり、
dx=−fa (iv)
が得られる。
上述した実施形態の前群G1は全体として負の屈折力を有し、後群G2は全体として正の屈折力を有することを考え、fa<0、fb>0とすると、
|dx/fa|≧1 (v)
のとき、
Bf≧2f (vi)
が実現される。
以上は薄肉レンズの場合である。図3に示すような対物レンズでは、後群G2の後側主点位置は、ほぼ全系の焦点距離分だけ、後群G2の中に(物体側に)入り込むことになる。このため、これを補正分として考慮し、全系の焦点距離fの2倍の長さを有するバックフォーカスBfと後側主点位置が後群G2の中に入り込んだ分のfとの和である焦点距離fの3倍の長さを考慮した補正値をBFとして、
BF=3f (vii)
を式(iii)のBf=2fの代わりに用いて計算すると、
|dx/fF|≧2 (viii)
なる条件式が得られる。
この条件式を満足することにより、本実施形態の対物レンズにおいて、全系の焦点距離の2倍以上の長いバックフォーカスを確保することができ、条件式(5)を満たすことができる。そして、内視鏡の挿入部の長軸方向に平行に受光面が配置された固体撮像素子と上記対物レンズとの間に光路変換プリズムを挿入配置した状態で、被写体像を固体撮像素子上に結像させることができる。
なお、式(viii)は、前群G1と後群G2の主点間の距離と前群G1の焦点距離の比であり、適応範囲が広いが、更に実際の光学系において、実現可能な寸法を考慮すると、条件式(1)、(2)のように限定された範囲となる。
条件式(1)は、前群G1の焦点距離と全系の焦点距離の比について適切な範囲を規定している。条件式(1)の下限を越えると、発散光学系である前群G1のパワーが強くなりすぎ、諸収差、特に非点収差が悪化する。条件式(1)の上限を越えると、発散光学系である前群G1のパワーが弱すぎて、十分なバックフォーカスが得られない。
上記条件式(2)は、前群G1の後側主点から後群G2の前側主点までの距離と全系の焦点距離の比について適切な範囲を規定している。条件式(2)の下限を越えると、条件式(1)と同様に、非点収差の悪化をもたらすこととなる。条件式(2)の上限を越えることは、前群G1と後群G2の間隔の増大を意味し、発散光学系である前群G1のレンズ径の増大を招き、小型化が望まれる内視鏡用対物レンズとして好ましくない結果となる。
上記条件式(3)は、後群G2が備える2組の接合レンズの焦点距離の比について適切な範囲を規定している。諸収差、特に像面湾曲と非点収差の発生量を抑制するには、一方のパワーが他方のパワーに比べて極端に大きくなることを避ける必要があり、ほぼ同程度であることが望ましい。条件式(3)の下限を越えると、第2の接合レンズL56のパワーが増大することになり、周辺部への光線が高い位置で大きく曲げられることとなるので、像面湾曲や非点収差の増大を招く。条件式(3)の上限を越えると、第1の接合レンズL34のパワーが強くなりすぎ、バックフォーカスを長くするためには好ましくない。
上記条件式(4)は、前群G1の第1レンズL1の屈折率について適切な範囲を規定している。条件式(4)は、第1レンズL1の像側の面を物体面としたとき、この物体面の後群G2による結像位置を全系の結像位置から遠ざけるために好適な条件を示している。以下、この点について詳細に説明する。
内視鏡は、挿入部の挿入中は進行方向遠方を観察し、挿入部の挿入後は先端部のごく近傍を観察するので、十分深い被写界深度が必要となる。そのため、内視鏡用対物レンズはF値の大きい光学系となるが、それゆえに最も物体側のレンズの表面に付着したゴミ等が観察されてしまう場合がある。本実施形態では、最も物体側のレンズである第1レンズL1の物体側の面を、凹面形状ではなく平面または凸面形状としており、ゴミがたまりにくい構造となっている。また、第1レンズL1の物体側の面は外部に露出しているので、この部分にゴミ等が付着しても送気・送水ノズル6から噴射される気体または液体により除去することができる。しかし、第1レンズL1の像側の面に付着したゴミは除去することができない。
そこで、本実施形態の対物レンズにおいて、第1レンズL1の像側の面に付着したゴミが観察されるのを防ぐためには、この像側の面を物体面としたときの後群G2による結像位置と、撮像素子が配置される全系の結像位置とを少しでも遠ざけることが効果的である。
後群G2のレンズ系および全系の焦点距離を変更せずに、上記2つの結像位置を遠ざけるためには、前群G1と後群G2の間隔を小さくすればよい。この間隔は上式(i)の間隔dxに相当する。式(i)から前群G1と後群G2の間隔を小さくするには前群G1の第1レンズL1の焦点距離を短くすればよく、すなわち、前群G1の第1レンズL1のパワーを強くすればよい。そのためには第1レンズL1の曲率半径を小さくするか、用いる硝材の屈折率を高くすればよい。内視鏡用対物レンズはもともと全体的に曲率半径が小さいため、さらに曲率半径を小さくすると加工性が悪化し、好ましくないため、高屈折率の硝材を用いることが好ましく、これにより条件式(4)が導出される。
本実施形態の対物レンズにおいて、第1の接合レンズL34と第2の接合レンズL56とを同一の構成からなるようにした場合には、共通部品化することができ、製作コストを低減させ、生産性を向上できる。
次に、本実施形態にかかる内視鏡用対物レンズの具体的な数値実施例について説明する。
<実施例1>
実施例1にかかる内視鏡用対物レンズの諸元値を表1に、レンズ構成図を図3に示す。表1において、Siは最も物体側の構成要素の面を1番目として像側に向かうに従い順次増加するi番目(i=1〜13)の面番号を示す。Riはi番目の面の曲率半径を示し、Diはi番目の面とi+1番目の面との光軸Z上の面間隔を示す。また、ndjは最も物体側のレンズを1番目として像側に向かうに従い順次増加するj番目(j=1〜7)のレンズまたはプリズムのd線(波長587.6nm)に対する屈折率を示し、νdjはj番目のレンズまたはプリズムのd線に対するアッベ数を示す。表1において、曲率半径および面間隔の単位はmmであり、曲率半径は物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。なお、表中の記号の意味は表2〜表6、表9についても同様である。
図3における符号Ri、Diは表1のRi、Diと対応している。図3において、図中の絞りSは形状や大きさを表すものではなく光軸Z上の位置を示すものであり、これは他のレンズ構成図についても同様である。なお、表1および図3の符号は、絞りSおよびプリズムP1も含めて表している。
Figure 0004964578
図4に、実施例1における第1レンズL1の像側の面S2を物体面としたときの後群G2による結像位置PZを示している。式(4)の説明において上述したように、全系の結像位置(プリズムP1の像側の面の位置)と、上記結像位置PZとの距離の差DZは大きい方が好ましく、実施例1におけるDZは0.888mmである。
また、実施例1では第1の接合レンズL34と第2の接合レンズL56が同一の構成からなり、生産性の高い設計となっている。
<実施例2>
実施例2にかかる内視鏡用対物レンズの諸元値を表2に、レンズ構成図を図5に示す。図5において、符号Ri、Diは表2のRi、Diと対応している。
Figure 0004964578
実施例1と実施例2とでは、後群G2が共通であり、前群G1の焦点距離および前群G1と後群G2との間隔のみが異なる。より詳しくは、実施例1と比べると、実施例2では第1レンズL1の硝材に屈折率の高いものを用いることで第1レンズL1のパワーを強くし、前群G1と後群G2の空気間隔を狭くしている。実施例1からこれらの変更を行うだけで、実施例2では、全系の焦点距離は同一に保ったまま、第1レンズL1の像側の面を物体面としたときの後群G2による結像位置PZを全系の結像位置から遠ざけることを実現している。これはすなわち、実施例2の方が実施例1よりも、レンズL1の像側の面に付着したゴミなどに、ピントがあいにくく、目立ちにくくなることを意味する。具体的には、実施例2におけるDZは、1.019mmであり、実施例1のDZと比較すると、0.131mm長くなっている。この増分は、全系の焦点距離の約26%に相当する。
<実施例3>
実施例3にかかる内視鏡用対物レンズの諸元値を表3に、レンズ構成図を図6に示す。図6において、符号Ri、Diは表3のRi、Diと対応している。実施例3におけるDZは、0.974mmである。
Figure 0004964578
<実施例4>
実施例4にかかる内視鏡用対物レンズの諸元値を表4に、レンズ構成図を図7に示す。図7において、符号Ri、Diは表4のRi、Diと対応している。
Figure 0004964578
上記の実施例1と実施例2との関係と同様に、実施例3と実施例4とでは、後群G2が共通であり、前群G1の焦点距離および前群G1と後群G2との間隔のみが異なる。実施例4におけるDZは、1.116mmであり、実施例3のDZと比較すると0.142mm長くなっている。この増分は、全系の焦点距離の約28%に相当する。
<実施例5>
実施例5にかかる内視鏡用対物レンズの諸元値を表5に、レンズ構成図を図8に示す。図8において、符号Ri、Diは表5のRi、Diと対応している。実施例5におけるDZは、1.067mmである。
Figure 0004964578
<実施例6>
実施例6にかかる内視鏡用対物レンズの諸元値を表6に、レンズ構成図を図9に示す。図9において、符号Ri、Diは表6のRi、Diと対応している。
Figure 0004964578
上記の実施例1と実施例2との関係と同様に、実施例5と実施例6とでは、後群G2が共通であり、前群G1の焦点距離および前群G1と後群G2との間隔のみが異なる。実施例6におけるDZは、1.226mmであり、実施例5のDZと比較すると0.159mm長くなっている。この増分は、全系の焦点距離の約32%に相当する。
上記実施例1〜6にかかる内視鏡用対物レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差(ディストーション)、倍率色収差の収差図をそれぞれ図10〜図15に示す。各収差図には、d線を基準波長とした収差を示すが、球面収差図および倍率色収差図には、F線(波長486.1nm)、C線(波長656.3nm)についての収差も示す。非点収差図において、実線はサジタル方向、破線はタンジェンシャル方向の収差を示す。球面収差図のFはF値であり、その他の収差図のωは半画角を示す。図10〜図15からわかるように、上記実施例1〜実施例6は各収差が良好に補正されている。
上記実施例1〜実施例6におけるイメージサイズ、物体距離、画角、全系の焦点距離f、バックフォーカスBf(空気換算長)、前群G1の焦点距離f、前群G1の後側主点位置、後群G2の前側主点位置、前群G1の後側主点位置から後群G2の前側主点位置までの距離D12、第1の接合レンズL34の焦点距離f34、第2の接合レンズL56の焦点距離f56、DZ、DZの差(後群G2が共通の2つの実施例のDZの差)を表7に示す。表7において、画角の単位は度であり、その他の単位は全てmmである。
Figure 0004964578
また、上記実施例1〜実施例6における条件式(1)〜(3)、(5)の値を表8に示す。表8から明らかなように、実施例1〜実施例6は、条件式(1)〜(3)、(5)を満足している。
Figure 0004964578
次に、比較例として、特許文献1の実施例1に本実施例と同等の焦点距離を有するようスケーリングを施したものを例にとり説明する。比較例の諸元値を表9に、レンズ構成図を図16に示す。比較例の球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の収差図を図17に示す。図17に示す符号の意味は前述の本発明の実施例のものと同様である。また、比較例におけるイメージサイズ、物体距離、画角、全系の焦点距離f、バックフォーカスBf、条件式(5)の値(バックフォーカス比)を表10に示す。表10において、画角の単位は度であり、バックフォーカス比を除くその他の単位はmmである。
Figure 0004964578
Figure 0004964578
図16に示すように、この比較例は物体側から順に、負レンズ、正レンズ、正レンズ、両凸形状の正レンズおよびメニスカス形状の負レンズの接合レンズの4群5枚構成を有する。この比較例では、最も像側のレンズから結像面Pまでの距離が短く、プリズム等を配置するのは困難である。
本発明の実施例と比較例を比較すると、比較例の条件式(5)の値(バックフォーカス比)は表10に示すように1未満でありバックフォーカスが短いのに対し、本発明の実施例の条件式(5)の値は2以上でバックフォーカスが長いのに加え、各収差、特に倍率の色収差は、比較例のものと同等もしくはそれ以上に良好に補正されている。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔および屈折率の値は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。
本発明の実施形態にかかる内視鏡用対物レンズが配置される先端部の先端面を示す図 図1のA−A線断面における先端部の要部断面図 本発明の実施例1にかかる内視鏡用対物レンズのレンズ構成を示す図 第1レンズの像側の面を物体面としたときの後群による結像位置を説明するための図 本発明の実施例2にかかる内視鏡用対物レンズのレンズ構成を示す図 本発明の実施例3にかかる内視鏡用対物レンズのレンズ構成を示す図 本発明の実施例4にかかる内視鏡用対物レンズのレンズ構成を示す図 本発明の実施例5にかかる内視鏡用対物レンズのレンズ構成を示す図 本発明の実施例6にかかる内視鏡用対物レンズのレンズ構成を示す図 本発明の実施例1にかかる内視鏡用対物レンズの各収差図 本発明の実施例2にかかる内視鏡用対物レンズの各収差図 本発明の実施例3にかかる内視鏡用対物レンズの各収差図 本発明の実施例4にかかる内視鏡用対物レンズの各収差図 本発明の実施例5にかかる内視鏡用対物レンズの各収差図 本発明の実施例6にかかる内視鏡用対物レンズの各収差図 比較例にかかる内視鏡用対物レンズのレンズ構成を示す図 比較例にかかる内視鏡用対物レンズの各収差図
符号の説明
1 先端部
2 内視鏡用対物レンズ
3 観察窓
4 照明窓
5 処置具導出口
6 送気・送水ノズル
7 光路変換プリズム
8 固体撮像素子
9 処置具挿通チャンネル
Di(i=1〜12) i番目の面とi+1番目の面との光軸上の面間隔
G1 前群
G2 後群
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L34、L56 接合レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
P1 プリズム
Ri(i=1〜13) i番目の面の曲率半径
S 絞り
Z 光軸

Claims (4)

  1. 物体側から順に、全体として負の屈折力を有する前群と、明るさ絞りと、全体として正の屈折力を有する後群とが配列されてなり、
    前記前群が、物体側に平面または凸面を向けた負の第1レンズよりなり、
    前記後群が、物体側に曲率半径の絶対値の大きい方の面を向けた正の単レンズである第2レンズと、両凸形状の第3レンズおよびメニスカス形状の負の第4レンズからなる第1の接合レンズと、両凸形状の第5レンズおよびメニスカス形状の負の第6レンズからなる第2の接合レンズとを物体側から順に配列してなることを特徴とする内視鏡用対物レンズ。
  2. 以下の条件式(1)〜(3)を満足するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の内視鏡用対物レンズ。
    0.8<|f/f|<1.1 (1)
    2.0<D12/f<3.5 (2)
    0.6<f56/f34<1.2 (3)
    ただし、f:前記前群の焦点距離
    f:全系の焦点距離
    12:前記前群の後側主点から前記後群の前側主点までの距離
    34:前記第1の接合レンズの焦点距離
    56:前記第2の接合レンズの焦点距離
  3. 以下の条件式(4)を満足するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の内視鏡用対物レンズ。
    >2.0 (4)
    ただし、n:前記第1レンズの屈折率
  4. 前記第1の接合レンズと前記第2の接合レンズとが、同一の構成からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の内視鏡用対物レンズ。
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