JP5601924B2 - 内視鏡用変倍光学系、及び内視鏡 - Google Patents

内視鏡用変倍光学系、及び内視鏡 Download PDF

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Description

本発明は、内視鏡用変倍光学系、及び内視鏡用変倍光学系が組み込まれた内視鏡に関連する。
医療分野において、患者の体腔内を診断するための機器として、内視鏡(ファイバスコープ又は電子スコープ)が一般に知られ、実用に供されている。この種の内視鏡には、病変観察を精細に行うため、変倍機能を持つ変倍光学系を搭載したものがある。変倍光学系を搭載した内視鏡の具体的構成例は、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の内視鏡は、広角端から望遠端までの各変倍位置で十分な焦点深度を確保するため、各レンズ群の焦点距離が所定の条件を満たすように設定されている。
ところで、内視鏡先端面が管壁に接触すると、粘液、残渣等の異物が対物レンズ面に付着して、良好な診断の妨げになることがある。また、配光レンズ面が管壁に接触するため、照明光の熱によって管壁に負担がかかる。そこで、内視鏡に搭載される一般的な変倍光学系は、特許文献1に示されるように、第一のレンズ群(最も物体側に位置するレンズ群)以外を可動群とした3群構成となっている。すなわち、この種の変倍光学系は、全長(最も物体側のレンズ面から像面までの長さ)が倍率に拘わらず不変であるように設計されている。カメラ用レンズ鏡筒のような繰り出しがなく、内視鏡先端面が内視鏡の先端部本体に対して不動であるため、内視鏡先端面と管壁との不用意な接触が有効に避けられる。
内視鏡用変倍光学系の3群構成には、負−正−負又は正−負−正が想定される。負−正−負の3群構成において正のパワーを持つ第二のレンズ群だけを可動群として構成すると、各変倍位置での諸収差の変化が大きい。そのため、第三のレンズ群も可動群として構成し、両群の移動によって各変倍位置での収差変化を抑える必要がある。しかし、可動群が多いほど可動機構が複雑化するという問題がある。正−負−正の3群構成では、各正レンズ群による諸収差の補正が比較的容易である。そのため、第二のレンズ群だけを可動群として構成しても各変倍位置での収差変化が抑えられる。
特開2007−233036号公報
しかし、正−負−正の3群構成では、特許文献1に示されるように、高倍率設計が難しい。そのため、望遠端での観察時に精細な被写体像を得ることが難しい。精細な被写体像を得るには、内視鏡先端面を管壁に物理的に近付ける必要がある。しかし、内視鏡先端面を管壁に近付けると、対物レンズ面への残渣の付着や照明光の熱による管壁への負担が懸念される。また、内視鏡は、照明光学系と内視鏡用変倍光学系とが同軸に配置されていない。照明範囲と撮影範囲がずれているため、内視鏡先端面と管壁との距離が近いほど配光ムラが生じやすい。
すなわち、内視鏡による管腔観察においては、望遠端での観察時であっても内視鏡先端面を管壁からできる限り離すことが望ましい。内視鏡先端面を管壁から離しつつ精細な被写体像を得るためには、望遠端での倍率を上げる必要がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、広角端から望遠端までの各変倍位置で光学性能を良好に維持しつつ望遠端で一定の観察距離を保ちながら倍率を高倍率にするのに好適な内視鏡用変倍光学系、及び内視鏡を提供することである。
上記の課題を解決する本発明の一形態に係る内視鏡用変倍光学系は、物体側から順に、正のパワーを持つ第一のレンズ群、負のパワーを持つ第二のレンズ群、正のパワーを持つ第三のレンズ群からなり可動レンズ群である該第二のレンズ群を固定レンズ群である該第一のレンズ群及び該第三のレンズ群に対して光軸方向に移動させることで光学像を変倍させる光学系である。第一のレンズ群は、物体側から順に、像側に凹面を向けた負レンズ、像側に凸面を向けた正レンズ、負レンズと正レンズとを接合した第一の接合レンズを少なくとも有する。第二のレンズ群は、物体側から順に、負レンズと正レンズとを接合した第二の接合レンズを少なくとも有する。第三のレンズ群は、物体側から順に、正レンズ、負レンズと正レンズとを接合した第三の接合レンズを少なくとも有する。本発明に係る内視鏡用変倍光学系は、第一のレンズ群の焦点距離をf(単位:mm)と定義し、第二のレンズ群の焦点距離をf(単位:mm)と定義し、第三のレンズ群の焦点距離をf(単位:mm)と定義し、広角端での第一から第三のレンズ群の合成焦点距離をf(単位:mm)と定義した場合に、次の条件式(1)、(2)
−1.8≦f/f≦−1.2・・・(1)
0.5≦f/f≦0.65・・・(2)
を満たす。
条件式(1)の上限を上回ると、ペッツバール和が負に大きいため、像面湾曲の補正が困難である。条件式(1)の下限を下回ると、第二のレンズ群のパワーが弱いため、変倍に伴う第二のレンズ群の移動距離が長い。従って、内視鏡用変倍光学系の全長を抑える設計が難しい。また、第二のレンズ群の移動に伴うコマ収差の変化が大きい。そのため、広角端から望遠端までの全変倍範囲に亘ってコマ収差をバランス良く補正するのが難しい。例えば広角端を基準にコマ収差を補正すると、望遠端におけるコマ収差の発生が大きい。
条件式(2)の上限を上回ると、第一のレンズ群のパワーが弱すぎる。第一のレンズ群のパワーを確保するためには、第一のレンズ群の有効光束径を大きく設定せざるを得ない。また、全系の倍率を確保するため、第二のレンズ群のパワーを弱める必要がある。しかし、第二のレンズ群のパワーを弱めた代償として、変倍に伴う第二のレンズ群の移動距離が長くなる。そのため、内視鏡用変倍光学系の全長を抑える設計が難しい。条件式(2)の下限を下回ると、第一のレンズ群のパワーが強いため、第一のレンズ群の有効光束径を小さく設定するのに有利である。しかし、第二のレンズ群以降のレンズの倍率が大きいため、組立誤差又は部品個体差に起因する群間隔の変化に伴う倍率変化が大きい。そのため、仕様を満足する視野角の保証が難しい。また、第一のレンズ群のパワーを強くするため、第一のレンズ群内の負レンズのパワーを強める必要がある。しかし、負レンズのパワーを強めた代償として、第一のレンズ群で発生するコマ収差量が増加する。広角端では第二のレンズ群への入射角度が特に大きいため、コマ収差が大きく発生する。
条件式(1)、(2)を同時に満たすと、広角端から望遠端までの全変倍範囲に亘って諸収差を良好に補正しつつも高い変倍比が得られる。広角端を広視野にしつつも望遠端で一定の観察距離を保ちながら倍率を高倍率にすることができる。そのため、望遠端での観察時においても内視鏡先端面を管壁に近付けることなく、精細な被写体像を得ることができる。従って、対物レンズ面への残渣の付着や照明光の熱による管壁への負担が有効に避けられる。更に、観察視野内での配光ムラが抑えられる。また、条件式(1)、(2)を同時に満たすと、内視鏡用変倍光学系の小型化設計に有利であると共に、組立誤差又は部品個体差に起因する視野角変化が抑えられる。
本発明に係る内視鏡用変倍光学系は、第一のレンズ群の有効光束径をより一層抑えるため、次の条件式(3)
−0.85≦f/f≦−0.65・・・(3)
を満たす構成としてもよい。
条件式(3)の上限を上回ると、第一のレンズ群内の負レンズのパワーが強いため、第一のレンズ群で発生するコマ収差量が大きい。広角端では第二のレンズ群への入射角度が特に大きいため、コマ収差が大きく発生する。条件式(3)の下限を下回ると、第一のレンズ群のパワーが弱すぎる。第一のレンズ群のパワーを確保するためには、第一のレンズ群の有効光束径を大きく設定せざるを得ない。第一のレンズ群の有効光束径が大きい場合、内視鏡用変倍光学系が大型化するだけでなく、第二のレンズ群の移動に伴うコマ収差の発生が大きい。例えば広角端を基準にコマ収差を補正すると、望遠端におけるコマ収差の発生が大きい。
内視鏡用変倍光学系の射出角度は、変倍に伴い変化する。射出角度によっては、結像面上での受光量の損失が大きくなる。本発明に係る内視鏡用変倍光学系は、変倍に伴う射出角度の変化を抑えるため、次の条件式(4)
−0.9≦f/f≦−0.6・・・(4)
を満たす構成としてもよい。
条件式(4)の上限を上回ると、第二のレンズ群のパワーが第三のレンズ群に対して強すぎる。そのため、変倍位置が望遠端に近いほど全系の射出角度が大きくなり、固体撮像素子の受光量が減少する。望遠端での観察時における受光量の減少は著しい。また、第三のレンズ群への入射角度が大きいため、コマ収差の発生が大きい。条件式(4)の下限を下回ると、第二のレンズ群のパワーが弱いため、変倍に伴う第二のレンズ群の移動距離が長くなる。そのため、内視鏡用変倍光学系の全長を抑える設計が難しい。
本発明に係る内視鏡用変倍光学系は、外形寸法を小さくしつつ組立誤差又は部品個体差に起因する視野角変化をより一層抑えるため、次の条件式(5)
0.53≦f/f≦0.61・・・(5)
を満たす構成としてもよい。
条件式(5)の上限を上回ると、第一のレンズ群のパワーが弱すぎる。第一のレンズ群のパワーを確保するためには、第一のレンズ群の有効光束径を大きく設定せざるを得ない。また、全系の倍率を確保するため、第二のレンズ群のパワーを弱める必要がある。しかし、第二のレンズ群のパワーを弱めた代償として、変倍に伴う第二のレンズ群の移動距離が長くなる。そのため、内視鏡用変倍光学系の全長を抑える設計が難しい。条件式(5)の下限を下回ると、第二のレンズ群以降のレンズの倍率が大きいため、組立誤差又は部品個体差に起因する群間隔の変化に伴う倍率変化が大きい。そのため、仕様を満足する視野角の保証が難しい。また、第一のレンズ群のパワーを強くするため、第一のレンズ群内の負レンズのパワーを強める必要がある。しかし、負レンズのパワーを強めた代償として、第一のレンズ群で発生するコマ収差量が増加する。広角端では第二のレンズ群への入射角度が特に大きいため、コマ収差が大きく発生する。
本発明に係る内視鏡用変倍光学系は、第三のレンズ群を構成する単レンズ又は接合レンズの焦点距離のうち絶対値が最も大きい焦点距離をf(単位:mm)と定義した場合に、次の条件式(6)
|f/f|<5.0・・・(6)
を満たす構成としてもよい。
条件式(6)を満たすと、厳格な公差管理による対策を行うことなく、第三のレンズ群を構成するレンズの偏心による像面倒れ量を抑えることができる。ここで、像面倒れは、理想的には光軸を基準に対称に残存する像面湾曲が、結像レンズの組立時の偏心量及び偏心方向に依存して光軸を基準に非対称に残存する現象である。条件式(6)の上限を上回ると、第三のレンズ群を構成するレンズの倍率が高い。そのため、第三のレンズ群が光軸に対して偏心して組み付けられた際の像面倒れが大きく、観察視野周辺で画質劣化が生じやすい。特に、広角端での観察時における像面倒れ量の発生が大きい。広角端での観察時において像面倒れが発生すると、望遠端に至る各変倍位置でも像面倒れが顕著に現れる。
本発明に係る内視鏡用変倍光学系は、術者による病変部等の見落としを減らすため、広角端での最大像高における画角をω(単位:deg)と定義した場合に、次の条件式(7)
ω≧120・・・(7)
を満たす構成としてもよい。
本発明に係る内視鏡用変倍光学系は、第一と第二のレンズ群との間に光軸上を該第二のレンズ群と一体に移動する絞りを有する構成としてもよい。第二のレンズ群と絞りを一体に移動させることにより、望遠端にしたときの非点収差の発生が効果的に抑えられる。
上記の課題を解決する本発明の一形態に係る内視鏡は、上記内視鏡用変倍光学系を先端に搭載したことを特徴とした機器である。
本発明によれば、広角端から望遠端までの各変倍位置で光学性能を良好に維持しつつ望遠端で一定の観察距離を保ちながら倍率を高倍率にするのに好適な内視鏡用変倍光学系、及び内視鏡が提供される。
本発明の実施形態の電子スコープの外観を示す外観図である。 本発明の実施形態(実施例1)の内視鏡用変倍光学系及びその後段に配置された光学部品の配置を示す断面図である。 本発明の実施例1の内視鏡用変倍光学系の各種収差図である。 本発明の実施例2の内視鏡用変倍光学系及びその後段に配置された光学部品の配置を示す断面図である。 本発明の実施例2の内視鏡用変倍光学系の各種収差図である。 本発明の実施例3の内視鏡用変倍光学系及びその後段に配置された光学部品の配置を示す断面図である。 本発明の実施例3の内視鏡用変倍光学系の各種収差図である。 本発明の実施例4の内視鏡用変倍光学系及びその後段に配置された光学部品の配置を示す断面図である。 本発明の実施例4の内視鏡用変倍光学系の各種収差図である。 本発明の実施例5の内視鏡用変倍光学系及びその後段に配置された光学部品の配置を示す断面図である。 本発明の実施例5の内視鏡用変倍光学系の各種収差図である。 本発明の実施例6の内視鏡用変倍光学系及びその後段に配置された光学部品の配置を示す断面図である。 本発明の実施例6の内視鏡用変倍光学系の各種収差図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の内視鏡用変倍光学系、及び内視鏡用変倍光学系を有する電子スコープについて説明する。
図1は、本実施形態の電子スコープ1の外観を示す外観図である。図1に示されるように、電子スコープ1は、可撓性を有するシース(外皮)11aによって外装された可撓管11を有している。可撓管11の先端には、硬質性を有する樹脂製筐体によって外装された先端部12が連結されている。可撓管11と先端部12との連結箇所にある湾曲部14は、可撓管11の基端に連結された手元操作部13からの遠隔操作(具体的には、湾曲操作ノブ13aの回転操作)によって屈曲自在に構成されている。この屈曲機構は、一般的な電子スコープに組み込まれている周知の機構であり、湾曲操作ノブ13aの回転操作に連動した操作ワイヤの牽引によって湾曲部14を屈曲させるように構成されている。先端部12の方向が上記操作による屈曲動作に応じて変わることにより、電子スコープ1による撮影領域が移動する。
先端部12の樹脂製筐体の内部には、内視鏡用変倍光学系100(図1中斜線で示されたブロック)が組み込まれている。内視鏡用変倍光学系100は、撮影領域中の被写体の画像データを採取するため、被写体からの散乱光を固体撮像素子(図示省略)の受光面上に結像させる。固体撮像素子には、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが想定される。
図2(a)は、本発明の実施例1(詳しくは後述)の内視鏡用変倍光学系100及びその後段に配置された光学部品の配置を示す断面図である。次においては、図2(a)を利用して、本発明の実施形態の内視鏡用変倍光学系100について詳細に説明する。
内視鏡用変倍光学系100は、図2(a)に示されるように、物体(被写体)側から順に、正のパワーを持つ第一のレンズ群G1、絞りS、負のパワーを持つ第二のレンズ群G2、正のパワーを持つ第三のレンズ群G3を有している。各レンズ群G1〜G3を構成する各光学レンズは、内視鏡用変倍光学系100の光軸AXを中心として回転対称な形状を有している。第三のレンズ群G3の後段には、固体撮像素子用の色補正フィルタFが配置されている。色補正フィルタFは、固体撮像素子を保護するカバーガラスCGに接着されている。
第一のレンズ群G1は、絞りSよりも物体側に配置された正のパワーを持つレンズ群である。第一のレンズ群G1は、物体側から順に、像側に凹面を向けた負レンズL1、像側に凸面を向けた正レンズL2、負レンズL3と正レンズL4とを接合した接合レンズCL1を少なくとも有している。「少なくとも有している」と記載したのは、本発明の技術的思想の範囲において、別の光学素子を追加配置する構成例もあり得るからである。第二のレンズ群G2、第三のレンズ群G3の説明においても、同様の理由で「少なくとも有している」と表現している。
第二のレンズ群G2は、負のパワーを持つレンズ群であり、色収差の変化を抑えるため、負レンズL5と正レンズL6とを接合した接合レンズCL2を少なくとも有している。負レンズL5が物体側に配置され、正レンズL6が像側に配置されている。第二のレンズ群G2は、固体撮像素子の受光面上に結像される光学像を変倍するため、絞りSと一体に光軸AX方向に移動する。第二のレンズ群G2と絞りSとを一体に移動させることにより、望遠端にしたときの非点収差の発生が効果的に抑えられる。
第三のレンズ群G3は、正のパワーを持つレンズ群であり、物体側から順に、正レンズL7、負レンズL8と正レンズL9とを接合した接合レンズCL3を少なくとも有している。正レンズL7は、主に球面収差を補正する目的で配置され、接合レンズCL3は、主に倍率色収差を補正する目的で配置されている。
以下において、説明の便宜上、各光学部品の物体側の面、像側の面をそれぞれ、第一面、第二面と記す。また、絞りSは、光軸AXを中心とした所定の円形開口を有する板状部材、又は第二のレンズ群G2の絞りSに最も近いレンズ面(図2(a)の構成例においては、負レンズL5の第一面r9)であって光軸AXを中心とした所定の円形領域以外にコーティングされた遮光膜である。絞りSの厚みは、内視鏡用変倍光学系100を構成する各光学レンズの厚みと比べて非常に薄く、内視鏡用変倍光学系100の光学性能を計算する上で無視しても差し支えない。そのため、本明細書においては、絞りSの厚みを0とみなして説明を進める。
内視鏡用変倍光学系100は、第一のレンズ群G1の焦点距離をf(単位:mm)と定義し、第二のレンズ群G2の焦点距離をf(単位:mm)と定義し、第三のレンズ群G3の焦点距離をf(単位:mm)と定義し、広角端での全系の焦点距離(第一のレンズ群G1から第三のレンズ群G3の合成焦点距離)をf(単位:mm)と定義した場合に、次の条件式(1)、(2)
−1.8≦f/f≦−1.2・・・(1)
0.5≦f/f≦0.65・・・(2)
を満たすように構成されている。
条件式(1)は、第二のレンズ群G2の焦点距離fと広角端での全系の焦点距離fとの比を規定する。条件式(1)の上限を上回ると、第二のレンズ群G2のパワーが強いため、変倍に伴う第二のレンズ群G2の移動距離が短い。従って、内視鏡用変倍光学系100の全長を短く設計するのに有利である。しかし、ペッツバール和が負に大きいため、像面湾曲の補正が困難である。
条件式(1)の下限を下回ると、第二のレンズ群G2のパワーが弱いため、変倍に伴う第二のレンズ群G2の移動距離が長い。従って、内視鏡用変倍光学系100の全長を抑える設計が難しい。また、第二のレンズ群G2の移動に伴うコマ収差の変化が大きい。そのため、広角端から望遠端までの全変倍範囲に亘ってコマ収差をバランス良く補正するのが難しい。例えば広角端を基準にコマ収差を補正すると、望遠端におけるコマ収差の発生が大きい。
条件式(2)は、第一のレンズ群G1の焦点距離fと第三のレンズ群G3の焦点距離fとの比を規定する。条件式(2)の上限を上回ると、第一のレンズ群G1のパワーが弱すぎる。第一のレンズ群G1のパワーを確保するためには、第一のレンズ群G1の有効光束径を大きく設定せざるを得ない。また、全系の倍率を確保するため、第二のレンズ群G2のパワーを弱める必要がある。しかし、第二のレンズ群G2のパワーを弱めた代償として、変倍に伴う第二のレンズ群G2の移動距離が長くなる。そのため、内視鏡用変倍光学系100の全長を抑える設計が難しい。
条件式(2)の下限を下回ると、第一のレンズ群G1のパワーが強いため、第一のレンズ群G1の有効光束径を小さく設定するのに有利である。しかし、第二のレンズ群G2以降のレンズの倍率が大きいため、組立誤差又は部品個体差に起因する群間隔の変化に伴う倍率変化が大きい。言い換えると、組立誤差又は部品個体差に起因する視野角変化が大きいため、仕様を満足する視野角の保証が難しい。また、第一のレンズ群G1のパワーを強くするため、負レンズL1のパワーを強める必要がある。しかし、負レンズL1のパワーを強めた代償として、第一のレンズ群G1で発生するコマ収差量が増加する。広角端では第一のレンズ群G1への入射角度が特に大きいため、コマ収差が大きく発生する。
条件式(1)、(2)を同時に満たすと、広角端から望遠端までの全変倍範囲に亘って諸収差を良好に補正しつつも高い変倍比が得られる。広角端を広視野にしつつも望遠端で一定の観察距離を保ちながら倍率を高倍率にすることができる。そのため、望遠端での観察時においても先端部12の先端面を管壁に近付けることなく、精細な被写体像を得ることができる。従って、対物レンズ面への残渣の付着や照明光の熱による管壁への負担が有効に避けられる。更に、観察視野内での配光ムラが抑えられる。また、条件式(1)、(2)を同時に満たすと、内視鏡用変倍光学系100の小型化設計に有利であると共に、組立誤差又は部品個体差に起因する視野角変化が抑えられる。
内視鏡用変倍光学系100は、第一のレンズ群G1の有効光束径をより一層抑えるため、次の条件式(3)
−0.85≦f/f≦−0.65・・・(3)
を満たす構成としてもよい。
条件式(3)は、第一のレンズ群G1の焦点距離fと第二のレンズ群G2の焦点距離fとの比を規定する。条件式(3)の上限を上回ると、第一のレンズ群G1のパワーが強いため、第一のレンズ群G1の有効光束径を小さく設定するのに有利である。しかし、負レンズL1のパワーが強いため、第一のレンズ群G1で発生するコマ収差量が大きい。広角端では第二のレンズ群G2への入射角度が特に大きいため、コマ収差が大きく発生する。
条件式(3)の下限を下回ると、第一のレンズ群G1のパワーが弱すぎる。第一のレンズ群G1のパワーを確保するためには、第一のレンズ群G1の有効光束径を大きく設定せざるを得ない。第一のレンズ群G1の有効光束径が大きい場合、内視鏡用変倍光学系100が大型化するだけでなく、第二のレンズ群G2の移動に伴うコマ収差の発生が大きい。例えば広角端を基準にコマ収差を補正すると、望遠端におけるコマ収差の発生が大きい。
固体撮像素子の受光面には入射角度依存性がある。そのため、受光面への入射角度(内視鏡用変倍光学系100の射出角度)によっては、有効画素領域の周辺で光量が大きく損失することがある。そこで、内視鏡用変倍光学系100は、変倍に伴う射出角度の変化を抑えるため、次の条件式(4)
−0.9≦f/f≦−0.6・・・(4)
を満たす構成としてもよい。
条件式(4)は、第二のレンズ群G2の焦点距離fと第三のレンズ群G3の焦点距離fとの比を規定する。条件式(4)の上限を上回ると、第二のレンズ群G2のパワーが第三のレンズ群G3に対して強すぎる。そのため、変倍位置が望遠端に近いほど全系の射出角度が大きくなり、固体撮像素子の受光量が減少する。望遠端での観察時における受光量の減少は著しい。また、第三のレンズ群G3への入射角度が大きいため、コマ収差の発生が大きい。
条件式(4)の下限を下回ると、第二のレンズ群G2のパワーが第三のレンズ群G3に対して弱いため、広角端での観察時における全系の射出角度が小さい。しかし、第二のレンズ群G2のパワーが弱すぎるため、変倍に伴う第二のレンズ群G2の移動距離が長くなる。そのため、内視鏡用変倍光学系100の全長を抑える設計が難しい。
内視鏡用変倍光学系100は、外形寸法を小さくしつつ組立誤差又は部品個体差に起因する視野角変化をより一層抑えるため、次の条件式(5)
0.53≦f/f≦0.61・・・(5)
を満たす構成としてもよい。
条件式(5)は、第一のレンズ群G1の焦点距離fと第三のレンズ群G3の焦点距離fとの比を規定する。条件式(5)の上限を上回ると、第一のレンズ群G1のパワーが弱すぎる。第一のレンズ群G1のパワーを確保するためには、第一のレンズ群G1の有効光束径を大きく設定せざるを得ない。また、全系の倍率を確保するため、第二のレンズ群G2のパワーを弱める必要がある。しかし、第二のレンズ群G2のパワーを弱めた代償として、変倍に伴う第二のレンズ群G2の移動距離が長くなる。そのため、内視鏡用変倍光学系100の全長を抑える設計が難しい。
条件式(5)の下限を下回ると、第一のレンズ群G1のパワーが強いため、第一のレンズ群G1の有効光束径を小さく設定するのに有利である。しかし、第二のレンズ群G2以降のレンズの倍率が大きいため、組立誤差又は部品個体差に起因する群間隔の変化に伴う倍率変化が大きい。そのため、仕様を満足する視野角の保証が難しい。また、第一のレンズ群G1のパワーを強くするため、負レンズL1のパワーを強める必要がある。しかし、負レンズL1のパワーを強めた代償として、第一のレンズ群G1で発生するコマ収差量が増加する。広角端では第二のレンズ群G2への入射角度が特に大きいため、コマ収差が大きく発生する。
小型かつ広視野角な内視鏡用変倍光学系においては、レンズが光軸に対して偏心して組み付けられた際の像面倒れが大きく、観察視野周辺で画質劣化が生じやすい。像面倒れ量を抑えるには、例えば厳格な公差管理を行って製造誤差の少ない光学レンズ又は光学レンズ周辺の部品(例えばレンズ保持枠)を製造する製造管理上の対策が考えられる。しかし、この場合、歩留まりの低下や製造単価の増加等の弊害が生じる。また、小型な光学レンズにおいては、誤差発生量の把握及び管理が技術上難しい問題もある。そのため、厳格な公差管理による対策は、安易には採用できない。
そこで、内視鏡用変倍光学系100は、第三のレンズ群G3を構成するレンズの焦点距離のうち絶対値が最も大きい焦点距離をf(単位:mm)と定義した場合に、次の条件式(6)
次の条件式(6)
|f/f|<5.0・・・(6)
を満たす構成としてもよい。
第三のレンズ群G3は、レンズの偏心に対する像面倒れの発生感度が他のレンズ群における発生感度と比べて高い。条件式(6)を満たすと、厳格な公差管理による対策を行うまでもなく、第三のレンズ群G3を構成するレンズの偏心による像面倒れ量を抑えることができる。
条件式(6)の上限を上回ると、第三のレンズ群G3を構成するレンズの倍率が高い。そのため、第三のレンズ群G3が光軸AXに対して偏心して組み付けられた際の像面倒れが大きく、観察視野周辺で画質劣化が生じやすい。特に、広角端での観察時における像面倒れ量の発生が大きい。広角端での観察時において像面倒れが発生すると、望遠端に至る各変倍位置でも像面倒れが顕著に現れる。
広角端での最大像高における画角ω(単位:deg)を狭く設定すると、諸収差を補正しやすくなる。そのため、各変倍位置での光学性能を良好に維持するという設計が容易である。しかし、本実施形態に想定される内視鏡は、下部消化器観察に用いられるため、狭い視野角では病変部等の見落としが懸念される。そこで、内視鏡用変倍光学系100は、次の条件式(7)
ω≧120・・・(7)
を満たす構成としてもよい。
次に、これまで説明した内視鏡用変倍光学系100の具体的数値実施例を6例説明する。各数値実施例1〜6の内視鏡用変倍光学系100は、図1に示される電子スコープ1の先端部12に配置されている。
上述したように、本発明の実施例1の内視鏡用変倍光学系100の構成は、図2(a)に示される通りである。図2(a)は、変倍位置が広角端にあるときのレンズ配置を示す断面図である。変倍位置が望遠端にあるときのレンズ配置を示す断面図は、図2(b)に示される。
本実施例1の内視鏡用変倍光学系100(及びその後段に配置された光学部品)の具体的数値構成(設計値)は、表1に示される。表1に示される面番号NOは、絞りSに対応する面番号8を除き、図2中の面符号rn(nは自然数)に対応する。表1において、R(単位:mm)は光学部材の各面の曲率半径を、D(単位:mm)は光軸AX上の光学部材厚又は光学部材間隔を、N(d)はd線(波長588nm)の屈折率を、νdはd線のアッベ数を、それぞれ示す。表2は、内視鏡用変倍光学系100の仕様(実効Fナンバー、全系の焦点距離(単位:mm)、光学倍率、半画角(単位:deg)、像高(単位:mm)、群間隔D7(単位:mm)、群間隔D11(単位:mm))を広角端、望遠端それぞれについて示す。群間隔D7は、第一のレンズ群G1と第二のレンズ群G2との群間隔である。群間隔D11は、第一のレンズ群G1と第三のレンズ群G3との群間隔である。群間隔D7、群間隔D11は、変倍位置に応じて変わる。
Figure 0005601924
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図3(a)のグラフA〜Dは、本実施例1の内視鏡用変倍光学系100において変倍位置が広角端にあるときの各種収差図である。図3(b)のグラフA〜Dは、本実施例1の内視鏡用変倍光学系100において変倍位置が望遠端にあるときの各種収差図である。図3(a)、(b)のグラフAは、d線、g線、C線での球面収差及び軸上色収差を示す。図3(a)、(b)のグラフBは、d線、g線、C線での倍率色収差を示す。グラフA、B中、実線はd線での収差を、点線はg線での収差を、一点鎖線はC線での収差を、それぞれ示す。図3(a)、(b)のグラフCは、非点収差を示す。グラフC中、実線はサジタル成分を、点線はメリディオナル成分を、それぞれ示す。図3(a)、(b)のグラフDは、歪曲収差を示す。グラフA〜Cの縦軸は像高を、横軸は収差量を、それぞれ示す。グラフDの縦軸は像高を、横軸は歪曲率を、それぞれ示す。なお、本実施例1の各表又は各図面についての説明は、以降の各数値実施例で提示される各表又は各図面においても適用する。
本実施例1の内視鏡用変倍光学系100は、表1、2に示されるように、小型かつ広視野角でありつつも望遠端での倍率が高い。また、図3(a)、(b)に示されるように、広角端、望遠端の何れにおいても諸収差が良好に補正される。広角端と望遠端との中間域においては、図3(a)と図3(b)とが示す範囲内で各種収差が変化する。すなわち、本実施例1の内視鏡用変倍光学系100は、小型かつ広視野角でありつつも広角端から望遠端までの各変倍位置で光学性能が良好であると共に望遠端で一定の観察距離を保ちつつ倍率が高い。
図4(a)、(b)は、本実施例2の内視鏡用変倍光学系100を含む各光学部品の配置を示す断面図である。図4(a)は、変倍位置が広角端にあるときのレンズ配置を示す。図4(b)は、変倍位置が望遠端にあるときのレンズ配置を示す。本実施例2の内視鏡用変倍光学系100は、図4(a)、(b)に示されるように、接合レンズCL3と色補正フィルタFとの間に正レンズL10を有している。すなわち、本実施例2において第三のレンズ群G3は、物体側から順に、正レンズL7、接合レンズCL3、正レンズL10の三枚構成である。第一のレンズ群G1、第二のレンズ群G2については、本実施例1と同じ枚数構成である。
図5(a)のグラフA〜Dは、本実施例2の内視鏡用変倍光学系100において変倍位置が広角端にあるときの各種収差図である。図5(b)のグラフA〜Dは、本実施例2の内視鏡用変倍光学系100において変倍位置が望遠端にあるときの各種収差図である。表3は、本実施例2の内視鏡用変倍光学系100を含む各光学部品の具体的数値構成を、表4は、本実施例2の内視鏡用変倍光学系100の仕様を、それぞれ示す。本実施例2の内視鏡用変倍光学系100は、表3、4、図5(a)、(b)に示されるように、小型かつ広視野角でありつつも広角端から望遠端までの各変倍位置で光学性能が良好であると共に望遠端で一定の観察距離を保ちつつ倍率が高い。
Figure 0005601924
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図6(a)、(b)は、本実施例3の内視鏡用変倍光学系100を含む各光学部品の配置を示す断面図である。図6(a)は、変倍位置が広角端にあるときのレンズ配置を示す。図6(b)は、変倍位置が望遠端にあるときのレンズ配置を示す。本実施例3の内視鏡用変倍光学系100は、図6(a)、(b)に示されるように、本実施例1と同じ枚数構成である。
図7(a)のグラフA〜Dは、本実施例3の内視鏡用変倍光学系100において変倍位置が広角端にあるときの各種収差図である。図7(b)のグラフA〜Dは、本実施例3の内視鏡用変倍光学系100において変倍位置が望遠端にあるときの各種収差図である。表5は、本実施例3の内視鏡用変倍光学系100を含む各光学部品の具体的数値構成を、表6は、本実施例3の内視鏡用変倍光学系100の仕様を、それぞれ示す。本実施例3の内視鏡用変倍光学系100は、表5、6、図7(a)、(b)に示されるように、小型かつ広視野角でありつつも広角端から望遠端までの各変倍位置で光学性能が良好であると共に望遠端で一定の観察距離を保ちつつ倍率が高い。
Figure 0005601924
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図8(a)、(b)は、本実施例4の内視鏡用変倍光学系100を含む各光学部品の配置を示す断面図である。図8(a)は、変倍位置が広角端にあるときのレンズ配置を示す。図8(b)は、変倍位置が望遠端にあるときのレンズ配置を示す。本実施例4の内視鏡用変倍光学系100は、図8(a)、(b)に示されるように、本実施例2と同じ枚数構成である。
図9(a)のグラフA〜Dは、本実施例4の内視鏡用変倍光学系100において変倍位置が広角端にあるときの各種収差図である。図9(b)のグラフA〜Dは、本実施例4の内視鏡用変倍光学系100において変倍位置が望遠端にあるときの各種収差図である。表7は、本実施例4の内視鏡用変倍光学系100を含む各光学部品の具体的数値構成を、表8は、本実施例4の内視鏡用変倍光学系100の仕様を、それぞれ示す。本実施例4の内視鏡用変倍光学系100は、表7、8、図9(a)、(b)に示されるように、小型かつ広視野角でありつつも広角端から望遠端までの各変倍位置で光学性能が良好であると共に望遠端で一定の観察距離を保ちつつ倍率が高い。
Figure 0005601924
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図10(a)、(b)は、本実施例5の内視鏡用変倍光学系100を含む各光学部品の配置を示す断面図である。図10(a)は、変倍位置が広角端にあるときのレンズ配置を示す。図10(b)は、変倍位置が望遠端にあるときのレンズ配置を示す。本実施例5の内視鏡用変倍光学系100は、図10(a)、(b)に示されるように、本実施例2と同じ枚数構成である。
図11(a)のグラフA〜Dは、本実施例5の内視鏡用変倍光学系100において変倍位置が広角端にあるときの各種収差図である。図11(b)のグラフA〜Dは、本実施例5の内視鏡用変倍光学系100において変倍位置が望遠端にあるときの各種収差図である。表9は、本実施例5の内視鏡用変倍光学系100を含む各光学部品の具体的数値構成を、表10は、本実施例5の内視鏡用変倍光学系100の仕様を、それぞれ示す。本実施例5の内視鏡用変倍光学系100は、表9、10、図11(a)、(b)に示されるように、小型かつ広視野角でありつつも広角端から望遠端までの各変倍位置で光学性能が良好であると共に望遠端で一定の観察距離を保ちつつ倍率が高い。
Figure 0005601924
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図12(a)、(b)は、本実施例6の内視鏡用変倍光学系100を含む各光学部品の配置を示す断面図である。図12(a)は、変倍位置が広角端にあるときのレンズ配置を示す。図12(b)は、変倍位置が望遠端にあるときのレンズ配置を示す。本実施例6の内視鏡用変倍光学系100は、図12(a)、(b)に示されるように、正レンズL7と接合レンズCL3との間に正レンズL10を有している。すなわち、本実施例6において第三のレンズ群G3は、物体側から順に、正レンズL7、正レンズL10、接合レンズCL3の三枚構成である。第一のレンズ群G1、第二のレンズ群G2については、本実施例1と同じ枚数構成である。
図13(a)のグラフA〜Dは、本実施例6の内視鏡用変倍光学系100において変倍位置が広角端にあるときの各種収差図である。図13(b)のグラフA〜Dは、本実施例6の内視鏡用変倍光学系100において変倍位置が望遠端にあるときの各種収差図である。表11は、本実施例6の内視鏡用変倍光学系100を含む各光学部品の具体的数値構成を、表12は、本実施例6の内視鏡用変倍光学系100の仕様を、それぞれ示す。本実施例6の内視鏡用変倍光学系100は、表11、12、図13に示されるように、小型かつ広視野角でありつつも広角端から望遠端までの各変倍位置で光学性能が良好であると共に望遠端で一定の観察距離を保ちつつ倍率が高い。
Figure 0005601924
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(比較検証)
表13は、本実施例1〜6に比較例1〜3を加えた9つの各例において、条件式(1)〜(7)の各条件式を適用したときに算出される値の一覧表である。比較例1、2、3はそれぞれ、特許文献1の実施例1、2、4である。
Figure 0005601924
本実施例1〜6の内視鏡用変倍光学系100は、表13に示されるように、条件式(1)、(2)を同時に満たすことにより、各本実施例の説明で提示した図又は表に示す通り、小型かつ広視野角でありつつも広角端から望遠端までの各変倍位置で光学性能が良好であると共に望遠端で一定の観察距離を保ちつつ倍率が高い。これに対して、比較例1〜3の内視鏡用変倍光学系は、表13に示されるように、条件式(1)又は(2)の少なくとも一方を満たさない。そのため、比較例1〜3においては、外形寸法、視野角、倍率、各変倍位置での光学性能の少なくとも一つが良好な管腔観察を行うに足る水準を満たさない。
本実施例1〜6の内視鏡用変倍光学系100は、表13に示されるように、条件式(3)、(4)、(7)も満たす。本実施例1及び3は条件式(5)及び(6)を、本実施例2及び6は条件式(5)を、それぞれ更に満たす。そのため、本実施例1〜6では、各条件式を満たすことによる更なる効果が奏される。
以上が本発明の実施形態の説明である。本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。
1 電子スコープ
100 内視鏡用変倍光学系

Claims (8)

  1. 物体側から順に、正のパワーを持つ第一のレンズ群、負のパワーを持つ第二のレンズ群、正のパワーを持つ第三のレンズ群からなり可動レンズ群である該第二のレンズ群を固定レンズ群である該第一のレンズ群及び該第三のレンズ群に対して光軸方向に移動させることで光学像を変倍させる内視鏡用変倍光学系において、
    前記第一のレンズ群は、物体側から順に、像側に凹面を向けた負レンズ、像側に凸面を向けた正レンズ、負レンズと正レンズとを接合した第一の接合レンズを少なくとも有し、
    前記第二のレンズ群は、物体側から順に、負レンズと正レンズとを接合した第二の接合レンズを少なくとも有し、
    前記第三のレンズ群は、物体側から順に、正レンズ、負レンズと正レンズとを接合した第三の接合レンズを少なくとも有し、
    前記第一のレンズ群の焦点距離をf(単位:mm)と定義し、前記第二のレンズ群の焦点距離をf(単位:mm)と定義し、前記第三のレンズ群の焦点距離をf(単位:mm)と定義し、広角端での前記第一から前記第三のレンズ群の合成焦点距離をf(単位:mm)と定義した場合に、次の条件式(1)、(2)
    −1.8≦f/f≦−1.2・・・(1)
    0.5≦f/f≦0.65・・・(2)
    を満たすことを特徴とする内視鏡用変倍光学系。
  2. 次の条件式(3)
    −0.85≦f/f≦−0.65・・・(3)
    を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の内視鏡用変倍光学系。
  3. 次の条件式(4)
    −0.9≦f/f≦−0.6・・・(4)
    を満たすことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の内視鏡用変倍光学系。
  4. 次の条件式(5)
    0.53≦f/f≦0.61・・・(5)
    を満たすことを特徴とする、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の内視鏡用変倍光学系。
  5. 前記第三のレンズ群を構成する単レンズ又は接合レンズの焦点距離のうち絶対値が最も大きい焦点距離をf(単位:mm)と定義した場合に、次の条件式(6)
    |f/f|<5.0・・・(6)
    を満たすことを特徴とする、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の内視鏡用変倍光学系。
  6. 広角端での最大像高における画角をω(単位:deg)と定義した場合に、次の条件式(7)
    ω≧120・・・(7)
    を満たすことを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の内視鏡用変倍光学系。
  7. 前記第一と前記第二のレンズ群との間に光軸上を該第二のレンズ群と一体に移動する絞りを有することを特徴とする、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の内視鏡用変倍光学系。
  8. 請求項1から請求項7の何れか一項に記載の内視鏡用変倍光学系を先端に搭載したことを特徴とする内視鏡。
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