JP5580956B1 - 内視鏡用光学系 - Google Patents

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Abstract

広い画角を有しつつ、収差を適切に補正しながら小径化を図る。
物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群(G1)、明るさ絞り(S)、負の屈折力を有する第2レンズ群(G2)及び正の屈折力を有する第3レンズ群(G3)を有し、前記第2レンズ群が、光軸上に沿って移動することにより合焦を行い、前記第1レンズ群が、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ(L1)、正の屈折力を有する第2レンズ(L2)を有し、以下の条件式を満足する内視鏡用光学系を提供する。
−5.0<H(76)*(1−nd01)/r2<−0.2 …(1)
0.5<(r1+r2)/(r1−r2)<1.2 …(2)
ただし、H(76)は通常観察時における入射画角76度の主光線が第1レンズの像側の面を通過する高さであり、nd01は第1レンズのd線に対する屈折率、r1及びr2は夫々第1レンズの物体側面及び像側面の曲率半径である。

Description

本発明は、合焦機能を有する光学系に関し、特に内視鏡に適用される内視鏡用光学系に関するものである。
近年、術者の使い勝手の向上及び診断学上の精度の向上のため、医療用内視鏡に適用される光学系として、合焦点を行うことにより、至近距離の拡大観察から遠方距離観察に至るまで幅広い範囲で観察を行うものが種々提案されている。
このような内視鏡用光学系の例として、特許文献1乃至特許文献4には、何れも正負正3群構成で、第2群が光軸上に沿って移動することで合焦を行うものが開示されている。
特開2010−32680号公報 特開平5−100166号公報 特開2007−233036号公報 特開2012−32576号公報
しかしながら、特許文献1乃至特許文献4に開示されている光学系は、何れも画角が最大でも135度程度と小さいため、例えば、下部内視鏡に適応する際の大腸ヒダ裏観察など広画角が必要な部位には適さない。一方、画角を広げるためには、負の第1レンズ群の曲率を小さくし負の屈折力を大きくする、または負の第2レンズを配置する必要があるが、負の屈折力大きくしてしまうと特に軸外の収差が発生してしまう、負の第2レンズを配置するとレンズ径が大きくなってしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、広い画角を有しつつ、収差を適切に補正しながら小径化を図ることのできる内視鏡用光学系を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、明るさ絞り、負の屈折力を有する第2レンズ群及び正の屈折力を有する第3レンズ群からなり、前記第2レンズ群が、光軸上に沿って移動することにより合焦を行い、前記第1レンズ群が、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ、正の屈折力を有する第2レンズを有し、以下の条件式を満足する内視鏡用光学系。
−5.0<H(76)*(1−nd01)/r2<−0.2 …(1)
0.5<(r1+r2)/(r1−r2)<1.2 …(2)
ただし、H(76)は通常観察時における入射画角76度の主光線が第1レンズの像側の面を通過する高さであり、nd01は第1レンズのd線に対する屈折率、r1及びr2は夫々第1レンズの物体側面及び像側面の曲率半径である。
上記態様によれば、正の屈折力を有する(以下、単に「正の」という)第1レンズ群、明るさ絞り、負の屈折力を有する(以下、単に「負の」という)第2レンズ群、正の第3レンズ群を備えることで、合焦可能でありながら、広い画角を有しつつ、収差を適切に補正しながら小径化を図ることができる。また、内視鏡用光学系を構成するレンズ枚数を削減することが可能であり、全長を短縮させることができると共に製造コストを削減することができる。
上記した発明において、以下の条件式を満足することが好ましい。
0.5<D_L02/ih<5.0 …(3)
ただし、D_L02は第2レンズの光軸上の厚みであり、ihは最大像高である。
このようにすることで、第2レンズの厚みを適切に保ち、非点収差等の軸外の収差を良好に補正しながら内視鏡用光学系の全長を適切な長さとすることができる。
上記した発明において、以下の条件式を満足することが好ましい。
1.65<nd01<2.4 …(4)
ただし、nd01は第1レンズのd線に対する屈折率である。
このようにすることで、第1レンズの屈折率を適正に保つことができるので、第1レンズ及び第2レンズの物体側の曲率を極端に強くせずに、適切な負の屈折力を得ることができる。
上記した態様において、前記第2レンズ群が、負の屈折力を有するレンズと正の屈折力を有するレンズの接合レンズのみから構成され、以下の条件式を満足することが好ましい。
10<ν41−ν42<45 …(5)
ただし、ν41及びν42は、夫々第2レンズ群の屈折率を有するレンズ及びの屈折率を有するレンズのアッベ数である。
このようにすることで、第2レンズ群のアッベ数を適切な値とすることができ、合焦の際に第2レンズを駆動させても極端な色収差を生じさせることがない。
上記した態様において、前記第2レンズ群が、以下の条件式を満足することが好ましい。
0.2<LD2/ih<3.0 …(6)
ただし、LD2は合焦の際の最大駆動量である。
このようにすることで、第2レンズ群の最大駆動量を適切に保つことができるので、通常観察から拡大観察まで、スムーズに観察状態を変化させることができる。
上記した態様において、以下の条件式を満足することが好ましい。
−0.05<PW_G2/ih<−1 …(7)
ただし、FL_G2は第2レンズの焦点距離である。
このようにすることで、第2レンズ群の屈折力を適切な値とすることができるので、通常観察から拡大観察まで、スムーズに観察状態を変化させることができる。
上記した態様において、以下の条件式を満足することが好ましい。
−2.0<PW_L01/ih<−0.1 …(8)
ただし、PW_L01は、第1レンズの屈折力である。
このようにすることで、第1レンズの屈折力を適切な値とすることができるので、広画角としながらも第1レンズ径が肥大化することがない。
上記した態様において、前記第1レンズ群は、物体側から像側へ順に、負の屈折力を有する第1レンズ、正の屈折力を有する第2レンズ、正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズとの接合レンズから構成され、以下の条件式を満足することが好ましい。
10<ν31−ν32<50 …(9)
ただし、ν31及びν32は、第1レンズ群の接合レンズを構成する負の屈折力を有するレンズ及び正の屈折力を有するレンズのアッベ数である。
このようにすることで、第1レンズ群の正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズとの接合レンズとして適切なアッベ数とすることができるので、軸上及び軸外の色収差を良好に補正することができる。
上記した態様において、前記第3レンズ群が、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有するレンズ、正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズとの接合レンズから構成され、以下の条件式を満足することが好ましい。
25<ν61−ν62<70 …(10)
ただし、ν61、ν62は、第3レンズ群の接合レンズを構成する負の屈折力を有するレンズ及び正の屈折力を有するレンズのアッベ数を表す。
このようにすることで、第3レンズ群の正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズとの接合レンズとして適切なアッベ数とすることができるので、軸上及び軸外の色収差を良好に補正することができる。
上記した態様において、以下の条件式を満足することが好ましい。
1.0<PW_G1/PW_G3<2.0 …(11)
ただし、PW_G1は第1レンズ群の屈折力であり、PW_G3は第3レンズ群の屈折力である。
このようにすることで、第1レンズ群と第3レンズ群とで適切に正の屈折力を分担することができるので、各レンズ群における収差の補正が容易となり、また、製造誤差への感度も適切に分担することができる。
上記した態様において、以下の条件式を満足することが好ましい。
5.0<L_all/ih<20.0 …(12)
ただし、L_allは光学系の全長である。
このようにすることで、内視鏡用光学系の全長を適切な長さとすることができるので、内視鏡の硬質長が大きくなりすぎず、検査時に被験者の負担を軽減することができる。
上記した態様において、構成する各レンズが、すべて球面レンズであることが好ましい。
このようにすることで、コストを低減させつつ、製造誤差が生じた場合でも安定した光学性能を維持することができる。
本発明によれば、広い画角を有しつつ、収差を適切に補正しながら小径化を図ることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る内視鏡用光学系の全体構成を示す断面図である。 本発明の実施例1に係る内視鏡用光学系の全体構成を示す断面図であり、夫々(A)は通常観察状態を、(B)は拡大観察状態を示す。 図2(A)の内視鏡用光学系の通常観察状態における収差曲線図である。 図2(B)の内視鏡用光学系の拡大観察状態における収差曲線図である。 本発明の実施例2に係る内視鏡用光学系の全体構成を示す断面図であり、夫々(A)は通常観察状態を、(B)は拡大観察状態を示す。 図5(A)の内視鏡用光学系の通常観察状態における収差曲線図である。 図5(B)の内視鏡用光学系の拡大観察状態における収差曲線図である。 本発明の実施例3に係る内視鏡用光学系の全体構成を示す断面図であり、夫々(A)は通常観察状態を、(B)は拡大観察状態を示す。 図8(A)の内視鏡用光学系の通常観察状態における収差曲線図である。 図8(B)の内視鏡用光学系の拡大観察状態における収差曲線図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る内視鏡用光学系について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る内視鏡用光学系の全体構成を示す断面図を示している。図1に示すように、内視鏡用光学系は、物体側から像側へ順に、正の第1レンズ群G1、明るさ絞りS、負の第2レンズ群G2、正の第3レンズ群G3を備えている。
正の第1レンズ群G1は、物体側から像側へ順に、負の第1レンズL1、平行平板F1、正の第2レンズL2、正の第3レンズL3、及び負の第4レンズL4を有している。このうち正の第3レンズL3と負の第4のレンズL4とは接合された接合レンズCL1となっている。
負の第2レンズ群G2は、物体側から順に、負の第5レンズL5と正の第6レンズL6とが接合された接合レンズCL2を有している。
正の第3レンズ群G3は、物体側から順に、正の第7レンズL7、正の第8レンズL8、負の第9レンズL9及び平行平板F2を有している。このうち、正の第8レンズL8と負の第9レンズL9とは、接合されて接合レンズCL3となっている。
そして、内視鏡用光学系の像面近傍には図示しない撮像素子が配置され、内視鏡用光学系と撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するための平行平板F3及びカバーガラスCGが貼りつけられている。
ここで、内視鏡用光学系は、以下の条件式(1)及び(2)を満足するように構成されている。
−5.0<H(76)*(1−nd01)/r2<−0.2 …(1)
0.5<(r1+r2)/(r1−r2)<1.2 …(2)
ただし、H(76)は通常観察時における入射画角76度の主光線が第1レンズL1の像側の面を通過する高さであり、nd01は第1レンズL1のd線に対する屈折率、r1及びr2は夫々第1レンズL1の物体側面及び像側面の曲率半径である。
条件式(1)は、第1レンズL1面に入射する入射角76度となる主光線が第1レンズL1面に入射する高さおよび屈折率、曲率に関する条件式である。条件式(1)はAbbeの不変量の一部であり、第1レンズ面での屈折前後の光線の角度変化分、すなわち屈折量を規定する数式である。条件式(1)の上限を超えると、屈折量が大きすぎるため軸外の収差を発生しやすくなるため好ましくない。条件式(1)の下限を下回ると、屈折量が小さすぎるためレンズ径が肥大化してしまうため好ましくない。
条件式(2)はは前記負レンズ群の第1レンズL1のshape factorに関する条件式である。条件式(2)の範囲内にあれば、広画角を有しながらも必要な負の屈折力をえることができる。条件式(2)の下限を下回ると、負の第1レンズL1の屈折力が低下してしまうため好ましくない。条件式(2)の上限を超えてしまうとレンズの生産性が著しく低下するため好ましくない。
正の第1レンズ群G1、明るさ絞りS、負の第2レンズ群G2、正の第3レンズ群G3を有する構成にすることで、広画角かつ合焦可能ながらも構成する各群のレンズ枚数を削減することが可能となり、全長の短縮やコストの削減につながる。
内視鏡用光学系は、上記条件式(1)及び条件式(2)に代えて、下記の条件式(1)‘及び(2)‘又は条件式(1)“及び条件式(2)“を満足すると更に好ましい。
−1.0<H(76)*(1−nd01)/r2<−0.5 …(1)‘
0.7<(r1+r2)/(r1−r2)<1.1 …(2)‘
−0.85<H(76)*(1−nd01)/r2<−0.60 …(1)“
0.97<(r1+r2)/(r1−r2)<1.03 …(2)“
また、内視鏡光学系1は、以下の条件式(3)〜(12)を満たすように構成されることが更に好ましい。
0.5<D_L02/ih<5.0 …(3)
ただし、D_L02は第2レンズL2の光軸上の厚みであり、ihは最大像高である。
条件式(3)は正の第2レンズL2の光軸上の厚みに関する条件式である。条件式(3)の厚みが適切であれば、非点収差など軸外の収差を良好に補正しながらも、適切な全長に抑えることが可能となる。条件式(3)の上限を超えてしまうと、全長が長くなりすぎてしまい好ましくない。条件式(3)の下限を下回ると、非点収差など軸外の収差が発生しやすくなるため好ましくない。
内視鏡用光学系は、上記条件式(3)に代えて、下記の条件式(3)‘又は条件式(3)“を満足すると更に好ましい。
0.9<D_L02/ih<3.0 …(3)‘
1.4<D_L02/ih<1.7 …(3)“
1.65<nd01<2.4 …(4)
ただし、nd01は第1レンズのd線に対する屈折率である。
条件式(4)は負の第1レンズの屈折率に関する条件式であり、条件式(4)の範囲内にあれば適度な屈折率であるために負の第1レンズL1の曲率が極端に強くならなくても、適切な負の屈折力を得ることができる。条件式(4)の下限を下回ると、負の第1レンズL1に極端に強い曲率をつけなければならず、軸外の収差を発生させやすくなるため好ましくない。条件式(4)の上限を超えてしまうとレンズ自体の入手が著しく困難になり、また大きなコストがかかるために好ましくない。
内視鏡用光学系は、上記条件式(4)に代えて、下記の条件式(4)‘又は条件式(4)“を満足すると更に好ましい。
1.75<nd01<2.0 …(4)‘
1.85<nd01<1.9 …(4)“
10<ν41−ν42<45 …(5)
ただし、ν41及びν42は、夫々第2レンズ群の屈折率を有するレンズ及びの屈折率を有するレンズのアッベ数である。
条件式(5)は、第2レンズ群G2の接合レンズCL2に関する条件式であり、条件式(5)の範囲内にあれば適切なアッベ数差であるために、合焦の際に第2レンズ群G2を駆動させても極端に色収差を発生させることはない。条件式(5)の上限または下限を超えてしまうと、合焦の際に第2レンズ群G2を駆動すると色収差が発生しやすくなるため好ましくない。
内視鏡用光学系は、上記条件式(5)に代えて、下記の条件式(5)‘又は条件式(5)“を満足すると更に好ましい。
15<ν41−ν42<35 …(5)‘
20<ν41−ν42<25 …(5)“
0.2<LD2/ih<3.0 …(6)
ただし、LD2は合焦の際の最大駆動量である。
条件式(6)は第2レンズ群G2の最大駆動量に関する条件式である。条件式(6)の範囲内にあれば適切な駆動量であるため、通常観察から拡大観察までスムーズに観察状態を変化することが可能である。条件式(6)の下限を下回ると、少しのレンズ駆動で観察状態が大きく変化してしまうため好ましくない。条件式(6)の上限を超えてしまうと全長が長くなりすぎてしまうため好ましくない。
内視鏡用光学系は、上記条件式(6)に代えて、下記の条件式(6)‘又は条件式(6)“を満足すると更に好ましい。
0.5<LD2/ih<2.0 …(6)‘
1.0<LD2/ih<1.4 …(6)“
−0.05<PW_G2/ih<−1 …(7)
ただし、FL_G2は第2レンズの焦点距離である。
条件式(7)は、第2レンズ群の屈折力に関する条件式である。条件式(7)の範囲内にあれば第2レンズ群の適切な屈折力配置であるため、通常観察から拡大観察までスムーズに観察状態を変化することが可能である。条件式(7)の下限を下回ると、屈折力が大きくなりすぎてしまい、少しのレンズ駆動で観察状態が大きく変化してしまうため好ましくない。条件式(7)の上限を超えてしまうと屈折力が小さすぎるためレンズ駆動量が長くなり、全長が長くなりすぎてしまうため好ましくない。
内視鏡用光学系1は、上記条件式(7)に代えて、下記の条件式(7)‘又は条件式(7)“を満足すると更に好ましい。
−0.11<PW_G2/ih<−0.30 …(7)‘
−0.18<PW_G2/ih<−0.23 …(7)“
−2.0<PW_L01/ih<−0.1 …(8)
ただし、PW_L01は、第1レンズL1の屈折力である。
条件式(8)は第1レンズの屈折力に関する条件式である。条件式(8)の範囲内にあれば、適切なレンズ屈折力であるため150度以上の画角を有する光学系においても第1レンズL1径が肥大化することなく、内視鏡に適応可能である。条件式(8)の上限を超えてしまうと、第1レンズL1の屈折力が弱くなりすぎ、第1レンズL1径が肥大化してしまうため好ましくない。(条件式8)の下限を下回ると、第1レンズL1の屈折力が強すぎるため、製造誤差に弱い内視鏡用光学系になり、画質が低下しやすくなるため好ましくない。
内視鏡用光学系は、上記条件式(8)に代えて、下記の条件式(8)‘又は条件式(8)“を満足すると更に好ましい。
−1.0<PW_L01/ih<−0.3 …(8)‘
−0.7<PW_L01/ih<−0.6 …(8)“
10<ν31−ν32<50 …(9)
ただし、ν31及びν32は、第1レンズ群の接合レンズを構成する負の屈折力を有するレンズ及び正の屈折力を有するレンズのアッベ数である。
条件式(9)は第1レンズ群G1の接合レンズCL1に対する条件式であり、条件式(9)の範囲内であれば接合レンズとして適切なアッベ数差であるため、軸上および軸外の色収差を良好に補正することが可能である。条件式(9)の上限または下限を超えてしまうとアッベ数差が適切でないため、軸上および軸外の色収差の補正が難しくなるため好ましくない。
内視鏡用光学系は、上記条件式(9)に代えて、下記の条件式(9)‘又は条件式(9)“を満足すると更に好ましい。
15<ν31−ν32<40 …(9)‘
20<ν31−ν32<35 …(9)“
25<ν61−ν62<70 …(10)
ただし、ν61、ν62は、第3レンズ群G3の接合レンズCL3を構成する負の屈折力を有するレンズ及び正の屈折力を有するレンズのアッベ数を表す。
条件式(10)は第3レンズ群G3の接合レンズに対する条件式であり、条件式(10)の範囲内であれば接合レンズとして適切なアッベ数差であるため、軸上および軸外の色収差を良好に補正することが可能である。条件式(10)の上限または下限を超えてしまうとアッベ数差が適切でないため、軸上および軸外の色収差の補正が難しくなるため好ましくない。
内視鏡用光学系は、上記条件式(10)に代えて、下記の条件式(10)‘又は条件式(10)“を満足すると更に好ましい。
30<ν61−ν62<60 …(10)‘
35<ν61−ν62<50 …(10)“
1.0<PW_G1/PW_G3<2.0 …(11)
ただし、PW_G1は第1レンズ群の屈折力であり、PW_G3は第3レンズ群の屈折力である。
条件式(11)は第1レンズ群と第3レンズ群G3の焦点距離の比を表したものである。条件式(11)の範囲内にあれば、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3で適切に正の屈折力を分担できているため、各群での収差の補正が容易になるため好ましい。また製造誤差への感度も適切に分担できるため好ましい。条件式(11)の上限または下限を超えてしまうと何れかのレンズ群に屈折力が大きくつきすぎてしまうため、収差の補正が難しくなり、製造誤差への感度が大きくなりすぎてしまうため好ましくない。
内視鏡用光学系は、上記条件式(11)に代えて、下記の条件式(11)‘又は条件式(11)“を満足すると更に好ましい。
1.3<PW_G1/PW_G3<1.8 …(11)‘
1.5<PW_G1/PW_G3<1.6 …(11)“
5.0<L_all/ih<20.0 …(12)
ただし、L_allは内視鏡用光学系の全長である。
条件式(12)は内視鏡用光学系の全長に対する条件式である。条件式(12)の範囲内にあれば、適切な全長であるために、内視鏡の硬質長が大きくなりすぎず、検査の際、被験者に負担をかけることがない。条件式(12)の上限を超えてしまうと、硬質長が長くなりすぎ、被験者の負担が大きくなり好ましくない。条件式(12)の下限を下回ると、全長が短くなりすぎてしまい、各群の屈折力と著しく強くする必要があるため、製造誤差に非常に弱い光学系になってしまうため好ましくない。
内視鏡用光学系は、上記条件式(12)に代えて、下記の条件式(12)‘又は条件式(12)“を満足すると更に好ましい。
8.0<L_all/ih<15.0 …(12)‘
11.0<L_all/ih<12.5 …(12)“
内視鏡用光学系を構成する各レンズが、すべて球面レンズであることが好ましい。
これは、内視鏡に適応するレンズは径が非常に小さいため、非球面レンズや回折光学素子などを用いる場合、製造難易度が非常に高い、コストが高くなる、製造誤差が非常に小さくなくては光学性能が劣化してしまうなどの課題がある。従って、低コスト、製造誤差が発生しても安定した光学性能を有するためにはすべてのレンズを球面レンズとすることが好ましい。
このように、本実施形態によれば、合焦可能でありながら、広い画角を有しつつ、収差を適切に補正しながら小径化を図ることができる。また、内視鏡用光学系を構成するレンズ枚数を削減することが可能であり、全長を短縮させることができると共に製造コストを削減することができる。
続いて、上述した実施形態に係る内視鏡用光学系の実施例1〜実施例3について、図2〜図10を参照して説明する。各実施例に記載のレンズデータにおいて、rは曲率半径(単位mm)、dは面間隔(mm)、Ndはd線に対する屈折率、Vdはd線に対するアッベ数を示している。
(実施例1)
本発明の実施例1に係る内視鏡用光学系の構成を図2に示す。なお、図2において、(A)は通常観察状態を、(B)は拡大観察状態を示している。また、本実施例に係る内視鏡用光学系の通常観察状態の収差曲線図を図3に、拡大観察状態の収差曲線図を図4に示す。
本発明の実施例1に係る内視鏡用光学系のレンズデータを以下に示す。
レンズデータ
面番号 r d Nd Vd
1 ∞ 0.35 1.88300 40.76
2 1.132 0.80
3 ∞ 0.40 1.52100 65.12
4 ∞ 0.25
5 −3.398 1.70 1.58144 40.75
6 −2.280 0.30
7 6.543 0.80 1.51742 52.43
8 −1.322 0.30 1.92286 18.90
9 −2.049 0.05
10(S) 絞り 0.03
11 ∞ D11
12 ∞ 0.03
13 ∞ 0.30 1.77250 49.60
14 1.354 0.55 1.72825 28.46
15 3.521 0.18
16 ∞ D16
17 4.480 1.15 1.81600 46.62
18 −5.772 0.05
19 4.703 1.53 1.61800 63.33
20 −2.320 0.35 1.92286 18.90
21 10.721 0.15
22 ∞ 0.40 1.52300 58.59
23 ∞ 0.80
24 ∞ 0.75 1.51633 64.14
25 ∞ 0.01 1.51300 64.01
26 ∞ 0.65 1.50510 63.26
27 ∞
各種データ 通常観察 拡大観察
焦点距離 1.14 1.40
FNO. 6.15 7.54
画角2ω 160.29 90.20
D11 0.28 1.68 1.68
D16 1.64 0.24 0.24
全長 13.09 mm
各群焦点距離
第1レンズ群 第2レンズ群 第3レンズ群
1.93 −4.14 3.08
(実施例2)
本発明の実施例2に係る内視鏡用光学系の構成を図5に示す。なお、図5において、(A)は通常観察状態を、(B)は拡大観察状態を示している。また、本実施例に係る内視鏡用光学系の通常観察状態の収差曲線図を図6に、拡大観察状態の収差曲線図を図7に示す。
本発明の実施例2に係る内視鏡用光学系のレンズデータを以下に示す。
レンズデータ
面番号 r d Nd Vd
1 ∞ 0.35 1.88300 40.76
2 1.143 0.80
3 ∞ 0.40 1.52100 65.12
4 ∞ 0.20
5 −3.168 1.70 1.58144 40.75
6 −2.275 0.30
7 5.612 0.80 1.51742 52.43
8 −1.347 0.30 1.92286 18.90
9 −2.088 0.10
10(S) 絞り 0.03
11 ∞ 0.26
12 ∞ 0.30 1.77250 49.60
13 1.355 0.55 1.72825 28.46
14 3.429 0.10
15 ∞ 1.70
16 4.388 1.20 1.81600 46.62
17 −5.888 0.01
18 4.441 1.53 1.60300 65.44
19 −2.320 0.30 1.92286 18.90
20 11.964 0.13
21 ∞ 0.40 1.52300 58.59
22 ∞ 0.80
23 ∞ 0.75 1.51633 64.14
24 ∞ 0.01 1.51300 64.01
25 ∞ 0.65 1.50510 63.26
26 ∞
各種データ 通常観察 拡大観察
焦点距離 1.14 1.40
FNO. 6.09 7.49
画角2ω 159.85 90.00
全長12.96mm
各群焦点距離
第1レンズ群 第2レンズ群 第3レンズ群
1.92 −4.05 3.03
(実施例3)
本発明の実施例3に係る内視鏡用光学系の構成を図8に示す。なお、図8において、(A)は通常観察状態を、(B)は拡大観察状態を示している。また、本実施例に係る内視鏡用光学系の通常観察状態の収差曲線図を図9に、拡大観察状態の収差曲線図を図10に示す。
本発明の実施例3に係る内視鏡用光学系のレンズデータを以下に示す。
レンズデータ
面番号 r d Nd Vd
1 ∞ 0.35 1.88300 40.76
2 1.144 0.58
3 ∞ 0.40 1.52100 65.12
4 ∞ 0.15
5 −3.090 1.90 1.58144 40.75
6 −2.598 0.10
7 12.217 0.70 1.58144 40.75
8 −1.073 0.30 1.92286 18.90
9 −1.786 0.10
10(S) 絞り 0.20
11 ∞ D11
12 ∞ 0.30 1.77250 49.60
13 1.398 0.65 1.72825 28.46
14 3.845 D14
15 ∞ 0.35
16 7.303 1.00 1.83481 42.71
17 −4.300 0.05
18 4.950 1.45 1.69680 55.53
19 −2.400 0.30 1.92286 18.90
20 8.739 0.33
21 ∞ 0.40 1.52300 58.59
22 ∞ 0.80
23 ∞ 0.75 1.51633 64.14
24 ∞ 0.01 1.51300 64.01
25 ∞ 0.65 1.50510 63.26
26 ∞
各種データ 通常観察 拡大観察
焦点距離 1.11 1.40
FNO. 5.92 7.48
画角2ω 159.85 90.00
D11 0.01 1.61
D14 1.68 0.08
全長12.80mm
各群焦点距離
第1レンズ群 第2レンズ群 第3レンズ群
2.04 −4.48 3.12
なお、上記した実施例1〜実施例3の構成における上記条件式(1)〜(12)の数値を表1に示す。
Figure 0005580956
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
L7 第7レンズ
L8 第8レンズ
L9 第9レンズ
CL1 接合レンズ
CL2 接合レンズ
CL3 接合レンズ
S 明るさ絞り
F1 平行平板
F2 平行平板
F3 平行平板
CG カバーガラス

Claims (11)

  1. 物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、明るさ絞り、負の屈折力を有する第2レンズ群及び正の屈折力を有する第3レンズ群からなり
    前記第2レンズ群が、光軸上に沿って移動することにより合焦を行い、
    前記第1レンズ群が、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ、正の屈折力を有する第2レンズを有し、以下の条件式を満足する内視鏡用光学系。
    −5.0<H(76)*(1−nd01)/r2<−0.2 …(1)
    0.5<(r1+r2)/(r1−r2)<1.2 …(2)
    ただし、H(76)は通常観察時における入射画角76度の主光線が第1レンズの像側の面を通過する高さであり、nd01は第1レンズのd線に対する屈折率、r1及びr2は夫々第1レンズの物体側面及び像側面の曲率半径である。
  2. 以下の条件式を満足する請求項1記載の内視鏡用光学系。
    0.5<D_L02/ih<5.0 …(3)
    ただし、D_L02は第2レンズの光軸上の厚みであり、ihは最大像高である。
  3. 以下の条件式を満足する請求項1に記載の内視鏡用光学系。
    1.65<nd01<2.4 …(4)
    ただし、nd01は第1レンズのd線に対する屈折率である。
  4. 前記第2レンズ群が、負の屈折力を有するレンズと正の屈折力を有するレンズの接合レンズのみから構成され、
    以下の条件式を満足する請求項1に記載の内視鏡用光学系。
    10<ν41−ν42<45 …(5)
    ただし、ν41及びν42は、夫々第2レンズ群の屈折率を有するレンズ及びの屈折率を有するレンズのアッベ数である。
  5. 前記第2レンズ群が、以下の条件式を満足する請求項4記載の内視鏡用光学系。
    0.2<LD2/ih<3.0 …(6)
    ただし、LD2は合焦の際の最大駆動量である。
  6. 以下の条件式を満足する請求項4記載の内視鏡用光学系。
    −0.05<PW_G2/ih<−1 …(7)
    ただし、FL_G2は第2レンズの焦点距離である。
  7. 以下の条件式を満足する請求項4記載の内視鏡用光学系。
    −2.0<PW_L01/ih<−0.1 …(8)
    ただし、PW_L01は、第1レンズの屈折力である。
  8. 前記第1レンズ群は、物体側から像側へ順に、負の屈折力を有する第1レンズ、正の屈折力を有する第2レンズ、正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズとの接合レンズから構成され、以下の条件式を満足する請求項4記載の内視鏡用光学系。
    10<ν31−ν32<50 …(9)
    ただし、ν31及びν32は、第1レンズ群の接合レンズを構成する負の屈折力を有するレンズ及び正の屈折力を有するレンズのアッベ数である。
  9. 前記第3レンズ群が、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有するレンズ、正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズとの接合レンズから構成され、以下の条件式を満足する請求項4記載の内視鏡用光学系。
    25<ν61−ν62<70 …(10)
    ただし、ν61、ν62は、第3レンズ群の接合レンズを構成する負の屈折力を有するレンズ及び正の屈折力を有するレンズのアッベ数を表す。
  10. 以下の条件式を満足する請求項4記載の内視鏡用光学系。
    1.0<PW_G1/PW_G3<2.0 …(11)
    ただし、PW_G1は第1レンズ群の屈折力であり、PW_G3は第3レンズ群の屈折力である。
  11. 以下の条件式を満足する請求項4記載の内視鏡用光学系。
    5.0<L_all/ih<20.0 …(12)
    ただし、L_allは内視鏡用光学系の全長である。
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