JP4962924B2 - 光学活性アルコールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は医薬、香料あるいは液晶製造用の原料として広く用いられる光学活性アルコールの製造方法に関する。
従来から光学活性な有機化合物は、農薬、医薬等として用いられ、また、これらを合成するための触媒として用いられている。光学活性化合物を製造する方法としては、光学活性な物質を不斉触媒又は不斉配位子として用いるエナンチオ選択的不斉合成法や、光学活性な物質を反応基質に結合させて反応させるジアステレオ選択的不斉合成法が知られている。
例えば無機化合物である塩素酸ナトリウムの溶液から塩素酸ナトリウムが結晶化するとき、析出する結晶が、偶然により自発的に右巻き又は左巻きのいずれかの構造になること(非特許文献1参照)が知られている。また、互いに鏡像関係にある右水晶又は左水晶を不斉開始剤として特定のピリミジン誘導体とジアルキル亜鉛とを反応させて特定のピリミジルアルキルアルコールを製造する方法等が検討されている(特許文献1参照)。また、ベンズアルデヒドとジエチル亜鉛との反応において、S体のジフェニルビナフトールを用いると生成物としてS体の1−フェニルプロパノールが生成し、また、S体のジフェニルビナフトールとアキラルなジイミンと、をともに用いると、R体の1−フェニルプロパノールが生成することが開示されている(非特許文献2参照)。
Kondepudi et al. Science,250,975(1990) Walsh et al. Journal of American Chemical Sociaty,124,6929−6941(2002) 特開2000−302763号公報
しかし、特許文献1に記載の方法や、従来知られている公知の方法はいずれも、一方の絶対配置を有するキラル化合物を不斉合成するには、そのキラル化合物を与える一方の絶対配置を有する不斉触媒を用いなければならない。即ち、R体とS体の両方のキラル生成物を得るためには、両方の絶対配置を有する不斉触媒が必要であった。そのため、煩雑な反応工程を経なければならず、また、高価な不斉触媒を使用しなければならないため、工業的に実施する場合には生産性が劣ってしまう場合があった。
また、非特許文献2に開示されている方法で得られた生成物の鏡像体過剰率は、S体の1−フェニルプロパノールが44%eeであり、R体の1−フェニルプロパノールが77%ee(図6参照)と低く、実用的ではない。
以上の課題に鑑み、本発明では一方の絶対配置を有する不斉触媒を用いることにより、両方の絶対配置を有するキラル化合物を選択的に高収率で合成することができる光学活性アルコールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は具体的に以下のようなものを提供する。
(1) 下記一般式(3a)、(3b)、(3c)で示される化合物より選択される一つである含窒素芳香族アルデヒド化合物に、ジアルキル亜鉛化合物を付加反応させて得られる光学活性アルコールの製造方法であって、前記付加反応の触媒として、α炭素及びβ炭素の少なくともいずれか一方が不斉炭素であるβ−アミノアルコールと、不斉炭素を有しないβ−アミノアルコールとを、モル比で99.9:0.1〜0.1:99.9の範囲で共存させる光学活性アルコールの製造方法。
Figure 0004962924
Figure 0004962924
Figure 0004962924
[式中、R 10 からR 12 は同一又は異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、官能基又は置換基を有してもよいアルキル基、官能基を有してもよいアルコキシ基、官能基を有してもよいアルケニル基、官能基を有してもよいアルキニル基、アラルキル基より選択される基であり、R 11 はアミド基であってもよい。]
(2) 前記不斉炭素を有するβ−アミノアルコールは、α炭素及びβ炭素が共に不斉炭素である(1)記載の光学活性アルコールの製造方法。
(3) 前記不斉炭素を有しないβ−アミノアルコールは、下記の一般式(1)で示される化合物である(1)又は(2)記載の光学活性アルコールの製造方法。
Figure 0004962924
[式中、両方のRはいずれも水素原子、又はいずれもアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、アラルキル基であり、両方のRはいずれも水素原子、又はいずれもアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、アラルキル基である。
とRは同一又は異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、直鎖又は分岐していてもよく、更に置換基を有していてもよいアルキル基、RとRとで環状をなし、酸素原子、硫黄原子、窒素原子の少なくともいずれか一種を含んでいてもよいアルキル基、より選択される基である。]
(4) 前記不斉炭素を有するβ−アミノアルコールは、下記の一般式(2)で示される化合物である(1)から(3)いずれか記載の光学活性アルコールの製造方法。
Figure 0004962924
[式中、R、R、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、アラルキル基より選択される基である(RとRが共に水素原子である場合を除く)。また、R及びRは、同一又は異なっていてもよい。
とRは同一又は異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、直鎖又は分岐していてもよく、更に置換基を有していてもよいアルキル基、RとRとで環状をなし酸素原子、硫黄原子、窒素原子の少なくともいずれか一種を含んでいてもよいアルキル基、より選択される基である。]
) 前記ジアルキル亜鉛化合物は、それぞれのアルキル基が同一又は異なっていてもよく、当該それぞれのアルキル基は、炭素数1から10の置換基を有していてもよいアルキル基である(1)から()いずれか記載の光学活性アルコールの製造方法。
) (1)から()のいずれかに記載の付加反応を複数回行なう光学活性アルコールの製造方法。
) 含窒素芳香族アルデヒド化合物と、ジアルキル亜鉛化合物との付加反応において使用される触媒にエナンチオ選択性を付与するエナンチオ選択剤であって、不斉炭素を有しないβ−アミノアルコールからなるエナンチオ選択剤。
(1)〜()の発明によれば、付加反応の触媒として、不斉炭素を有するキラル触媒と、不斉炭素を有しないアキラル触媒と、を組み合わせて用いたことによって、キラル触媒を単独で用いて不斉合成した際に生成する光学活性アルコールと逆の絶対立体配置を有する生成物を得ることが可能となる。即ち、一方の絶対立体配置を有する不斉触媒を一種類のみ用いることにより、両方の絶対立体配置を有するキラル化合物を選択的に合成することができるため、生産効率を向上させることが可能となる。例えば、キラル触媒の(−)体を用いて反応させると、得られたキラル生成物はR体である場合において、反応の際にキラル触媒に更にアキラル触媒を所定の割合で添加するとS体が得られる。また逆に、キラル触媒の(+)体を用いて反応させると、得られたキラル生成物はS体である場合において、反応の際にキラル触媒に更にアキラル触媒を所定の割合で添加するとR体が得られる。
また、()の発明によれば、付加反応を複数回繰り返して行なうことによって生成物の光学活性アルコールの鏡像体過剰率を向上させることが可能となる。具体的な回数としては、2回〜10回行なうことが好ましく、2回行なうことがより好ましい。なお、本発明では繰り返し反応を行なうことを「スケールアップ」するという。
また、()の発明によれば、不斉炭素を有しないβ−アミノアルコールを、用いたことによって、不斉炭素を有するβ−アミノアルコールのエナンチオ選択性を逆転させることが可能となる。ここで、「エナンチオ選択剤」とは、本発明に係る光学活性アルコールを製造する工程において、使用するキラル触媒単独で用いた場合のキラル生成物の絶対立体配置とは、逆の絶対立体配置を有するキラル生成物が得られるようキラル触媒に働きかけるものをいう。
以上説明したように本発明によれば、一方の絶対立体配置を有する不斉触媒を用いれば、この不斉触媒を単独に用いて、対応する絶対立体配置を有するキラル化合物を不斉合成することができると共に、逆の絶対立体配置を有するキラル化合物を不斉合成することが可能となる。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明は、含窒素芳香族カルボニル化合物に、ジアルキル亜鉛化合物を付加反応させて光学活性アルコールを得るものである。ここで、含窒素芳香族カルボニル化合物とは、一般式(3a)〜(3)に示されるいずれかの化合物であることが好ましい。
Figure 0004962924
Figure 0004962924
Figure 0004962924
ここでR10からR12は同一又は異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、官能基又は置換基を有してもよいアルキル基、官能基を有してもよいアルコキシ基、官能基を有してもよいアルケニル基、官能基を有してもよいアルキニル基、アラルキル基より選択される基であり、R11はアミド基であってもよい。
具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、イソアミル基、n−へキシル基等の直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキル基が挙げられる。また、官能基を有していてもよいアルキル基としては、アルキル基又はアリール基で置換されたシリル基、アルコキシ基等が挙げられる。
また、置換基を有していてもよいアルキル基としては、アルコキシ基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、無置換もしくは置換アリール基、アラルキル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルコキシ基が挙げられる。ハロアルキル基としては、上記したアルキル基の一つまたは二つ以上の水素原子が、上記したハロゲン原子で置換されたものが挙げられ、例えばクロロメチル基、クロロエチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。ハロアルコキシ基としては、上記したアルコキシ基の一つまたは二つ以上の水素原子が、上記したハロゲン原子で置換されたものが挙げられ、例えばクロロメトキシ基、クロロエトキシ基、フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
また、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基、ウンエイコセニル基、ドエイコセニル基等の直鎖若しくは分岐した基が挙げられる。また、官能基を有していてもよいアルキニル基としては、上述のアルキル基と同様に、アルキル基又はアリール基で置換されたシリル基、アルコキシ基等が挙げられる。
また、アルキニル基としては、例えばエチニル基、プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、ヘキシニル基等の直鎖状または分枝鎖状のアルキニル基が挙げられる。また、官能基を有していてもよいアルキニル基としては、上述のアルキル基と同様に、アルキル基又はアリール基で置換されたシリル基、アルコキシ基、フェニルエチニル基、アリールエチニル基、トリアルキルシリルエチニル基、トリアリールシリルエチニル基、アリールジアルキルシリルエチニル基、ジアリールアルキルシリルエチニル基等が挙げられる。
また、アラルキル基としては、フェニル基、メシチル基、ナフチル基等アリール基、又は、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、1−メチル−1−フェニルエチル基等が挙げられる。
また、ジアルキル化合物としては、例えばジイソプロピル亜鉛が挙げられる。このジアルキル亜鉛化合物は、それぞれのアルキル基が同一又は異なっていてもよく、それぞれのアルキル基は、炭素数1から10の置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、分岐を有していてもよい。なお、置換基を有するアルキル基としては、アルコキシ基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、無置換もしくは置換アリール基、アラルキル基等上記と同様のものが挙げられる他に、ケイ素の置換基を有しているものであってもよい。
また、本発明において、キラル触媒として、少なくとも一つの不斉炭素を有するβ−アミノアルコールを用いている。具体的には一般式(2)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004962924
ここで、R、R、Rは、RとRが共に水素原子である場合を除いて、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、アラルキル基より選択される基である。また、R及びRは、同一又は異なっていてもよい。
具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、イソアミル基、n−へキシル基等の直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキル基が挙げられる。
また、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基、ウンエイコセニル基、ドエイコセニル基等の直鎖若しくは分岐した基が挙げられる。
また、アルキニル基としては、例えばエチニル基、プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、ヘキシニル基等の直鎖状または分枝鎖状のアルキニル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアリール基としては、トリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、等が挙げられる。また、アラルキル基としては、フェニル基、メシチル基、ナフチル基等アリール基、又は、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、1−メチル−1−フェニルエチル基等が挙げられる。
さらに、RとRは同一又は異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、直鎖又は分岐していてもよく、更に置換基を有していてもよいアルキル基又はアラルキル基、アルケニル基、アルキニル基である。また、RとRとで環状をなし、酸素原子、硫黄原子、窒素原子の少なくともいずれか一種を含んでいてもよいアルキル基であってもよい。アルキル基としては具体的には上述のメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等R、Rに該当する基と同様の基を用いてもよい。ここで、RとRとで環状をなし、窒素原子を含んでいる場合を下記に示す。式中、RとR´は同じでもよく、異なっていてもよい。
Figure 0004962924
また、本発明において、アキラル触媒として、不斉炭素を有しないβ−アミノアルコールを用いている。具体的には一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004962924
ここで、両方のRはいずれも水素原子、又はいずれもアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、アラルキル基であり、両方のRはいずれも水素原子、又はいずれもアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、アラルキル基である。
とRは同一又は異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、直鎖又は分岐していてもよく、更に置換基を有していてもよいアルキル基、RとRとで環状をなし、酸素原子、硫黄原子、窒素原子の少なくともいずれか一種を含んでいてもよいアルキル基、より選択される基である。アルキル基としては具体的には上述のメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等R、Rに該当する基と同様の基を用いてもよい。その他アルケニル基、アルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、アラルキル基等もR、Rに該当する基と同様の基を用いてもよい。
なお、一般式(2)のうち下記の化合物を用いることがより好ましい。
Figure 0004962924
また、キラル触媒(一般式(2))とアキラル触媒(一般式(1))の存在比率は、99.9:0.1〜0.1:99.9であることが好ましく、85:15〜5:95であることがより好ましいが、好ましい量は溶媒によって異なるため、これらの数値に特に限定されるものではない。
本発明に係る光学活性アルコールの製造方法において、反応温度は、−100〜100℃で行なうことが好ましく、−10〜50℃で行なうことがより好ましく、0℃で行なうことがさらに好ましい。反応圧力は、特に限定されず、通常0.5〜2気圧で行なわれるが、常圧のもとで行われることがより好ましい。反応時間は、0.05〜100時間、通常は2〜50時間であることが好ましい。また、この反応で得られた生成物を回収して、同様の条件で2回以上繰り返して反応させるスケールアップを行なってもよい。また反応溶媒は、反応後は蒸留、抽出、クロマトグラフィー、再結晶などの一般的操作により、反応液から生成した光学活性アルコールを分離、精製することができる。
また、本発明において用いる溶媒は、特に限定されないが、具体的にはペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、デカン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、クメン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン等の芳香族系炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒等が挙げられるが、ヘキサン、トルエンを用いて行なうことがより好ましい。
以下、本発明に係る光学活性アルコールの製造方法の有効性について検討した結果を示す。
<実施例1:キラル触媒とアキラル触媒の共存反応>
含窒素芳香族カルボニル化合物に2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジン−5−カルバルデヒドを、キラル触媒に(1S,2R)−N,N−ジメチルノルエフェドリン(以下、(1S,2R)−DMNEとする)を、アキラル触媒にN,N−ジブチルアミノエタノール(以下、DBAEとする)を用いて以下のような手順で本発明に係る光学活性アルコールの合成を行なった。
(1S,2R)−N,N−ジメチルノルエフェドリン(4.48mg,0.025mmol)とN,N−ジブチルアミノエタノール(13.0mg,0.075mmol)のトルエン溶液(12.0ml)にアルゴン雰囲気下0℃でジイソプロピル亜鉛のトルエン溶液(1.0M,1.0ml,1.000mmol)を滴下し、30分間攪拌した。続いて2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(94.1mg,0.500mmol)のトルエン溶液(3.0ml)をゆっくりと滴下し、15時間攪拌した。
分析用TLCプレート(SiO/hexane:ethyl acetate=2:1)で反応の終了を確認した後、系中から反応溶液を1.0ml引き抜き、別の反応容器に移し、トルエン1.5mlを溶媒として加え、アルゴン雰囲気下0℃でジイソプロピル亜鉛のトルエン溶液(1.0M,0.25ml,0.250mmol)を滴下した。その後、2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(23.5mg,0.125mmol)のトルエン溶液(1.5ml)をゆっくりと滴下し、2時間攪拌した。
分析用TLCプレート(SiO/hexane:ethyl acetate=2:1)で反応の終了を確認し、トルエン8mlとジイソプロピル亜鉛(1.0M,1.0ml,1.000mmol)を加え、2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(94.1mg,0.500mmol)のトルエン溶液(3.0ml)をゆっくりと滴下し、3時間攪拌した。
分析用TLCプレート(SiO/hexane:ethyl acetate=2:1)で反応の終了を確認した後、塩化アンモニウム/アンモニア緩衝溶液(NHCl:NHOH=2:1)を7.0ml加えて反応を停止し、反応混合物をジクロロメタンで抽出し,抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をTLC(SiO/hexane:ethyl acetate=2:1)で精製することにより生成物である(R)−2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジルアルカノール(115.7mg,0.50mmol)を収率99%以上、鏡像体過剰率94.2%eeで得た(HPLC conditions:Daicel Chiralcel OD−H,eluent:5.0%2−propanol in hexane,flowset:1.00ml/min,r.t.,254nm UV detector)。以下に反応スキームを示す。
Figure 0004962924
<比較例1:キラル触媒のみ>
比較例として、実施例1に記載のアキラル触媒を添加せずに、以下のような手順で光学活性アルコールの合成を行なった。
(1S,2R)−DMNE(17.9mg,0.100mmol)のトルエン溶液(12.0ml)にアルゴン雰囲気下0℃でジイソプロピル亜鉛のトルエン溶液(1.0M,1.0ml,1.000mmol)を滴下し、30分間攪拌した。続いて2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(94.1mg,0.500mmol)のトルエン溶液(3.0ml)をゆっくりと滴下し、15時間攪拌した。
分析用TLCプレート(SiO/hexane:ethyl acetate=2:1)で反応の終了を確認した後、系中から反応溶液を1.0ml引き抜き、別の反応容器に移し、トルエン1.5mlを溶媒として加え、アルゴン雰囲気下0℃でジイソプロピル亜鉛のトルエン溶液(1.0M,0.25ml,0.250mmol)を滴下した後、2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(23.5mg,0.125mmol)のトルエン溶液(1.5ml)をゆっくりと滴下し、2時間攪拌した。
分析用TLCプレート(SiO/hexane:ethyl acetate=2:1)で反応の終了を確認し、トルエン8mlとジイソプロピル亜鉛(1.0M,1.0ml,1.000mmol)を加え、2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(94.1mg,0.500mmol)のトルエン溶液(3.0ml)をゆっくりと滴下し、3時間攪拌した。
分析用TLCプレート(SiO/hexane:ethyl acetate=2:1)で反応の終了を確認した後、塩化アンモニウム/アンモニア緩衝溶液(NHCl:NHOH=2:1)を7.0ml加えて反応を停止し、反応混合物をジクロロメタンで抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をTLC(SiO/hexane:ethyl acetate=2:1)で精製することにより生成物である(S)−2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジルアルカノール(113.8mg,0.49mmol)を収率98%,鏡像体過剰率92.0%eeで得た。以下に反応スキームを示す。
Figure 0004962924
<実施例2:キラル触媒とアキラル触媒の共存反応>
含窒素芳香族カルボニル化合物に2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジン−5−カルバルデヒドを、キラル触媒に(1R,2S)−DMNEを、アキラル触媒にDBAEを用いて以下のような手順で本発明に係る光学活性アルコールの合成を行なった。
(1R,2S)−DMNE(4.48mg,0.025mmol)とDBAE(13.0mg,0.075mmol)のトルエン溶液(12.0ml)にアルゴン雰囲気下0℃でジイソプロピル亜鉛のトルエン溶液(1.0M,1.0ml,1.000mmol)を滴下し,30分間攪拌した。続いて2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(94.1mg,0.500mmol)のトルエン溶液(3.0ml)をゆっくりと滴下し、15分間攪拌した。
分析用TLCプレート(SiO/hexane:ethyl acetate=2:1)で反応の終了を確認した後、系中から反応溶液を1.0ml引き抜き、別の反応容器に移し,トルエン1.5mlを溶媒として加え、アルゴン雰囲気下0℃でジイソプロピル亜鉛のトルエン溶液(1.0M,0.25ml,0.250mmol)を滴下した後,2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(23.5mg,0.125mmol)のトルエン溶液(1.5ml)をゆっくりと滴下し、2時間攪拌した。
分析用TLCプレート(SiO/hexane:ethyl acetate=2:1)で反応の終了を確認し、トルエン8mlとジイソプロピル亜鉛(1.0M,1.0ml,1.000mmol)を加え、2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(94.1mg,0.500mmol)のトルエン溶液(3.0ml)をゆっくりと滴下し、3時間攪拌した。
分析用TLCプレート(SiO/hexane:ethyl acetate=2:1)で反応の終了を確認した後,塩化アンモニウム/アンモニア緩衝溶液(NHCl:NHOH=2:1)を7.0ml加えて反応を停止し、反応混合物をジクロロメタンで抽出し,抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をTLC(SiO/hexane:ethyl acetate=2:1)で精製することにより生成物である(S)−2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジルアルカノール(110.4mg,0.48mmol)を収率95%、鏡像体過剰率94.5%eeで得た。以下に反応スキームを示す。
Figure 0004962924
<比較例2:キラル触媒のみ>
比較例として、実施例2に記載のアキラル触媒を添加せずに、以下のような手順で光学活性アルコールの合成を行なった。
(1R,2S)−DMNE(17.9mg,0.100mmol)のトルエン溶液(12.0ml)にアルゴン雰囲気下0℃でジイソプロピル亜鉛のトルエン溶液(1.0M,1.0ml,1.000mmol)を滴下し、30分間攪拌した。続いて2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(94.1mg,0.500mmol)のトルエン溶液(3.0ml)をゆっくりと滴下し、15時間攪拌した。
分析用TLCプレート(SiO/hexane:ethyl acetate=2:1)で反応の終了を確認した後、系中から反応溶液を1.0ml引き抜き、別の反応容器に移し、トルエン1.5mlを溶媒として加え、アルゴン雰囲気下0℃でジイソプロピル亜鉛のトルエン溶液(1.0M,0.25ml,0.250mmol)を滴下した後、2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(23.5mg,0.125mmol)のトルエン溶液(1.5ml)をゆっくりと滴下し、2時間攪拌した。
分析用TLCプレート(SiO/hexane:ethyl acetate=2:1)で反応の終了を確認し、トルエン8mlとジイソプロピル亜鉛(1.0M,1.0ml,1.000mmol)を加え、2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(94.1mg,0.500mmol)のトルエン溶液(3.0ml)をゆっくりと滴下し、3時間攪拌した。
分析用TLCプレート(SiO/hexane:ethyl acetate=2:1)で反応の終了を確認した後、塩化アンモニウム/アンモニア緩衝溶液(NHCl:NHOH=2:1)を7.0ml加えて反応を停止し、反応混合物をジクロロメタンで抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をTLC(SiO/hexane:ethyl acetate=2:1)で精製することにより生成物である(R)−2−(2−t−ブチルエチニル)ピリミジルアルカノール(112.7mg,0.49mmol)を収率97%、鏡像体過剰率98.3%eeで得た。以下に反応スキームを示す。
Figure 0004962924
以上の結果より、アキラル触媒を系内に添加することによりキラル触媒のエナンチオ選択性を逆転させることが可能であることが示された。
<実施例3:アキラル触媒の添加量とキラル触媒のエナンチオ選択性>
次にアキラル触媒の添加量がキラル触媒のエナンチオ選択性に与える影響について検討を行なった。
キラル触媒に(1S,2R)−DMNEを、アキラル触媒にDBAE(N,N−ジブチルアミノエタノール)をヘキサン溶媒中でそれぞれ所定量添加させて実施例1に記載の反応条件で付加反応を繰り返し(2回)行なった。また、アキラル触媒の添加量及び、キラル触媒の添加量のエナンチオ選択性を表1に示す。これより、キラル触媒とアキラル触媒の混合比率が4:1となった時点で、生成物である光学活性アルコールの絶対立体配置が逆転することが示された。また、反応を繰り返し行なうことで生成物の光学活性アルコールの鏡像体過剰率がより向上することが示された。
Figure 0004962924
Figure 0004962924
さらに図1は、反応溶媒がエナンチオ選択性に与える影響を示した図であり、生成物の絶対立体配置とアキラル触媒の添加量との関係を示した図である。これよりヘキサンを溶媒に用いた場合が最も効率よく絶対立体配置を逆転させることが可能であることが示された。
<実施例4:アキラル触媒の添加量とキラル触媒のエナンチオ選択性>
実施例3と同様に、アキラル触媒の添加量がキラル触媒のエナンチオ選択性に与える影響について検討を行なった。なお、本実施例では、アキラル触媒にDOAE(ジオクチルアミノエタノール)を用いた他は実施例3と同様の条件で反応を行なった。その結果を表2に示す。
Figure 0004962924
Figure 0004962924
<実施例5:アキラル触媒の添加量とキラル触媒のエナンチオ選択性>
実施例4の比較として、キラル触媒に(1R,2S)−DMNEを、アキラル触媒にDOAEを用いた他は実施例3と同様の条件で、溶媒をトルエンに変えて反応を行なった。その結果を表3に示す。これより、溶媒をトルエンに変えても絶対立体配置の逆転が生じることが示された。
Figure 0004962924
Figure 0004962924
<実施例6:アキラル触媒の添加量とキラル触媒のエナンチオ選択性>
実施例3と同様に、アキラル触媒の添加量がキラル触媒のエナンチオ選択性に与える影響について検討を行なった。なお、本実施例では、アキラル触媒にDHAE(ジヘキシルアミノエタノール)を用いた他は実施例3と同様の条件で反応を行なった。その結果を表4に示す。
Figure 0004962924
Figure 0004962924
<実施例7:アキラル触媒の添加量とキラル触媒のエナンチオ選択性>
実施例3と同様に、アキラル触媒の添加量がキラル触媒のエナンチオ選択性に与える影響について検討を行なった。なお、本実施例では、反応溶媒にトルエンを用いた他は実施例6と同様の条件で反応を行なった。その結果を表5に示す。
Figure 0004962924
Figure 0004962924
また、図2は反応溶媒がエナンチオ選択性に与える影響を示した図である。これよりヘキサンを反応溶媒として用いた方がより効率よく、生成物の絶対立体配置を逆転させることが可能であることが示された。
<実施例8:アキラル触媒の種類とエナンチオ選択性>
次いで、アキラル触媒の種類がエナンチオ選択性に与える影響について検討を行なった。キラル触媒に(1S,2R)−DMNEを、アキラル触媒にDBAE、DOAE、DHAEをヘキサン溶媒中でそれぞれ所定量添加させて実施例1に記載の反応条件で付加反応を繰り返し行なった。
Figure 0004962924
図3は、生成物の絶対立体配置とアキラル触媒の添加量との関係を示した図である。これよりDBAEをアキラル触媒に用いた場合が最も効率よく絶対立体配置を逆転させることが可能であることが示された。
<実施例9:アキラル触媒の種類とエナンチオ選択性>
実施例8と同様の検討を、溶媒をトルエンに変えて行った。その結果を図4に示す。ヘキサンを溶媒に用いた場合と同様に、アキラル触媒にDBAEを用いた場合が最も効率よく絶対立体配置を逆転させることが可能であることが示された。
<実施例10:キラル触媒の種類とエナンチオ選択性>
次いで、キラル触媒の種類がエナンチオ選択性に与える影響について検討を行なった。キラル触媒に(R)−2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−フェニルエタノール(以下DMAPEとする)を、アキラル触媒にDBAEを用い、ヘキサン溶媒中でそれぞれ所定量添加させて実施例1に記載の反応条件で付加反応を繰り返し行なった。その結果を表6に示す。
Figure 0004962924
Figure 0004962924
これより、キラル触媒にDMAPEを用いても、生成物の絶対立体配置が逆転することが示された。
<実施例11:触媒の総添加量とエナンチオ選択性>
次に触媒の総添加量がエナンチオ選択性に与える影響について検討を行なった。
キラル触媒に(1S,2R)−DMNEを、アキラル触媒にDBAE(N,N−ジブチルアミノエタノール)を総添加量がそれぞれ15mol%、20mol%、40mol%となるようにトルエン溶媒中でそれぞれ所定量添加させて実施例1に記載の反応条件で付加反応を繰り返し(2回)行なった。その結果を表7,8,9に示す。
Figure 0004962924
Figure 0004962924
Figure 0004962924
また、これらの結果を図5に示した。これより、触媒の総添加量が多いほど少ないアキラル触媒の添加量で生成物の絶対立体配置を逆転させることが可能であることが示された。
実施例3において反応溶媒がエナンチオ選択性に与える影響を示した図である。 実施例7において反応溶媒がエナンチオ選択性に与える影響を示した図である。 実施例8において生成物の絶対立体配置とアキラル触媒の添加量との関係を示した図である。 実施例9において生成物の絶対立体配置とアキラル触媒の添加量との関係を示した図である。 実施例11において生成物の絶対立体配置と触媒の総添加量との関係を示した図である。 アキラルジイミン触媒を用いてジフェニルビナフトールと反応させた時の生成物の鏡像体過剰率を示した図である。

Claims (7)

  1. 下記一般式(3a)、(3b)、(3c)で示される化合物より選択される一つである含窒素芳香族アルデヒド化合物に、ジアルキル亜鉛化合物を付加反応させて得られる光学活性アルコールの製造方法であって、
    前記付加反応の触媒として、α炭素及びβ炭素の少なくともいずれか一方が不斉炭素である光学活性β−アミノアルコールと、不斉炭素を有しないβ−アミノアルコールとを、モル比で99.9:0.1〜0.1:99.9の範囲で共存させることにより、前記不斉炭素を有しないβ−アミノアルコールを用いない場合に得られる光学活性アルコールの絶対立体配置とは逆の絶対立体配置を有する光学活性アルコールを製造する、光学活性アルコールの製造方法。
    Figure 0004962924
    Figure 0004962924
    Figure 0004962924
    [式中、R10からR12は同一又は異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アリールエチニル基、トリアルキルシリルエチニル基、トリアリールシリルエチニル基、アリールジアルキルシリルエチニル基、ジアリールアルキルシリルエチニル基、アラルキル基より選択される基であり、R11はアミド基であってもよい。]
  2. 記光学活性β−アミノアルコールは、α炭素及びβ炭素が共に不斉炭素である請求項1記載の光学活性アルコールの製造方法。
  3. 前記不斉炭素を有しないβ−アミノアルコールは、下記の一般式(1)で示される化合物である請求項1又は2記載の光学活性アルコールの製造方法。
    Figure 0004962924
    [式中、両方のRはいずれも水素原子、又はいずれもアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基であり、両方のRはいずれも水素原子、又はいずれもアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基である。
    とRは同一又は異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、直鎖又は分岐していてもよいアルキル基、RとRとで環状をなし、酸素原子、硫黄原子、窒素原子の少なくともいずれか一種を含んでいてもよいアルキル基、より選択される基である。]
  4. 記光学活性β−アミノアルコールは、下記の一般式(2)で示される化合物である請求項1から3いずれか記載の光学活性アルコールの製造方法。
    Figure 0004962924
    [式中、R、R、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基より選択される基である(RとRが共に水素原子である場合を除く)。また、R及びRは、同一又は異なっていてもよい。
    とRは同一又は異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、直鎖又は分岐していてもよいアルキル基、RとRとで環状をなし酸素原子、硫黄原子、窒素原子の少なくともいずれか一種を含んでいてもよいアルキル基、より選択される基である。]
  5. 前記ジアルキル亜鉛化合物は、それぞれのアルキル基が同一又は異なっていてもよく、当該それぞれのアルキル基は、炭素数1から10のアルキル基又はハロアルキル基である請求項1から4いずれか記載の光学活性アルコールの製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の付加反応を複数回行なう光学活性アルコールの製造方法。
  7. 請求項1記載の光学活性アルコールの製造方法に使用するための、不斉炭素を有しないβ−アミノアルコールからなるエナンチオ選択剤。
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