JP3962587B2 - 新規キラルサレン触媒及びこれを使用してラセミエポキシドからキラル化合物を製造する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規キラルサレン触媒及びこれを利用してラセミエポキシドからキラル化合物を製造する方法に関し、さらに詳しくは、新規キラルサレン触媒及びこれを利用してラセミエポキシドを立体選択的に加水分解することによりキラルエポキシド及びキラル1,2−ジオール等のキラル化合物を高収率かつ高光学純度で経済的に製造する方法であって、該キラルサレン触媒が、キラルサレンリガンドの中心金属であるコバルトカチオンと弱親核性対イオン(counterion)を含み、従来のキラルサレン触媒の欠点を解消し、反応中に全く触媒活性を失わないので、触媒再生処理なく繰り返して連続的に使用できるものである方法に関する。
【0002】
キラルエポキシド或いはキラル1,2-ジオールは光学活性を有する医薬品及び農薬の合成に用いられる主原料物質である[米国特許第5,071,868号; Tetrahedron Lett., Vol. 28, No. 16, 1783, 1987; J. Org. Chem., Vol. 64, 8741, 1999]。このように高光学活性を有するキラルエポキシド或いはキラル1,2-ジオールが産業的に非常に有用な化合物であるにも係わらず、その使用が制限されているのは、これらの化合物を工業的に安く大規模に生産することが極めて困難であるからである。
キラルエポキシドの一種として、キラルエピクロヒドリンを微生物を利用して製造する方法が知られている[ヨーロッパ特許第431,970号; 日本公開特許公報第90-257895号, 第94-211822号]。しかし、このような方法は反応規模に比べて生産性が低く、2段階以上の多段階工程であるので、経済性の面で望ましくない。これとは異なる方法として、マンニトール誘導体から得られたキラルスルフォニルオキシハロアルコール誘導体を原料物質としてキラルエピクロヒドリンを製造する方法[米国特許第4,408,063号; J. Org. Chem. Vol. 43, 4876, 1978]、そして、キラル3-クロロ-1,2-プロパンジオールを利用してキラルエピクロヒドリンを製造する方法[Synlett No. 12, 1927, 1999]等が知られているが、これもやはり多段階反応として産業的に利用するには経済性が足りない。
【0003】
一般的にキラルエポキシドの製造反応には立体選択性を有するキラル触媒が用いられるところ、この方法では光学異性体が50 : 50で混合した安いラセミエポキシドをキラル触媒存在下に一方の立体構造だけを選択的に加水分解してラセミエポキシドのうち一方の異性体のエポキシドだけを加水分解させ、他方の異性体は反応させないまま残すことにより、高い歩留まりで他方の異性体のエポキシドだけを得る方法である。上記立体選択性加水分解反応に用いられる通常のキラル触媒はその価格が非常に高いので、再使用しなければ産業的な利用価値がない。
【0004】
キラルエポキシドの立体選択性加水分解反応に利用されるキラル触媒としてキラルサレン触媒を用いる方法が最近発表されている[Science, Vol. 277, 936, 1997; 米国特許第5,665,890号, 第5,929,232号; 国際特許公開WO00/09463号, WO91/14694号]。通常のキラル触媒に比べてキラルサレン触媒を用いる方法は歩留まりが高く、光学純度も他の方法と比較して優れたものであることが報告されている。しかし、国際特許公開WO00/09463号の86〜87頁には既存のキラルサレン触媒を用いてラセミエポキシドの加水分解を行うと、生成物であるキラルエポキシドが経時的にラセミ化する現象が起こることが報告されている。このようなラセミ化現象は、大量生産時に反応終了後、目的物質を得るのに蒸留するためこれに多くの時間が必要であり、この際にさらに進行し、結局得られるキラルエポキシドの光学純度が低下してしまう。従って、この理由から、キラルエポキシドの大量生産に既存のキラルサレン触媒を適用するには限界がある。
【0005】
また、既存のキラルサレン触媒は一旦用いた後、再使用することになると、触媒活性度が急激に落ち、毎度再処理工程を行う必要がある。また、再処理を行っても、この再処理触媒を使用して製造した製品の光学純度は、最初の触媒を用いて製造されたキラル化合物の光学純度に比べて著しく低下するので、再使用の回数は制限される。このような問題点は産業的に利用することにあって、キラルエポキシドの製造経費を上げる決定的な要因となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、キラルエポキシド或いはキラル1,2-ジオールなどのキラル化合物を効率よくかつ経済的に製造する方法に対する要望が、医薬品や農薬の製造におけるこれらの化合物の重要性が高まるにつれて、ますます大きくなってきている。
【0007】
既存の酢酸基(OAc)含有キラルサレン触媒において触媒が活性を失うか、キラル生成物のラセミ化に関与することは、酢酸基(OAc)のような作用基が離脱することにその原因があるところ、本発明者らは、中心金属であるコバルトとその対イオンであるPF6 - 又はBF4 - を含む新規なキラルサレン触媒を開発し、触媒の不活性化及び触媒によるキラル生成物のラセミ化問題を克服することにより本発明を完成するに至った。
言い換えると、キラルエポキシドの立体選択性加水分解反応に利用されるキラルサレン触媒において中心金属に結合している対イオンの選択が非常に重要である。例えば、酢酸基(OAc)やハロゲン基のように親核性作用を有する対イオンが結合されたキラルサレン触媒はキラルエポキシドのラセミ化に関与し、光学純度を低下させるようになり、また、対イオンが中心金属と強力な結合を形成できない場合は、反応中に対イオンが解離され、結局は触媒活性減退が起こるようになる。
【0008】
本発明による新規キラルサレン触媒はコバルト中心金属と対イオンであるPF6 -又はBF4 -を含むことにより、反応後も全く活性を失わないだけではなく、キラルエポキシドのラセミ化にも全く影響がない。従って、本発明は反応に用いた後も高い触媒活性を保持するので、別の触媒再生処理なく繰り返して連続的に使用できる点で工程の単純化を図ることができ、キラルエポキシドのラセミ化にも全く影響を及ぼさない新規キラルサレン触媒を提供することにその目的がある。
また、本発明はラセミエポキシドからキラルエポキシド或いはキラル1,2-ジオールを製造する反応に上記新規キラルサレン触媒を用い、生成されたキラルエポキシドのラセミ化にも影響を及ぼさず、高光学活性及び高歩留まりのキラルエポキシド或いはキラル1,2-ジオールのようなキラル化合物を経済的に製造する方法を提供することにまた他の目的がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明はラセミエポキシドからキラルエポキシド或いはキラル1,2-ジオールを製造する反応での触媒として有用な下記の式1で示されるキラルサレン触媒をその特徴とする。
【0010】
【化3】
式1
【0011】
上記式1において、X1, X2, X3, X4, X5, X6, X7, 及びX8はそれぞれ水素原子或いはC4〜C10のアルキル基を示し; Y1及びY2はそれぞれ水素原子、或いはC1〜C5のアルキル基を示し、ZはPF6,又はBF4を示し; R1及びR2はそれぞれ水素原子、C4〜C10のアルキル基、又は無置換フェニル基又はC1〜C4アルキル置換フェニル基であり、R1及びR2の一つは常に水素原子であり、またR1及びR2が相互に結合し、-(CH2)n-(nは3〜6の整数)又は-(CH2)m-Q-(CH2)m-(mは1〜2の整数であり、Qは酸素原子又はNH)を形成することができる。
また、本発明はラセミエポキシドを立体選択的に加水分解してキラルエポキシド或いはキラル1,2-ジオールのキラル化合物を製造する方法において、反応触媒として上記式1で示されるキラルサレン触媒を用いるキラル化合物の製造方法を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明は触媒再生のための後処理の工程なく繰り返して連続的に使用できる上記式1で示される新規キラルサレン触媒と、キラルエポキシドのラセミ化にも影響を及ぼさない上記新規キラルサレン触媒下でラセミエポキシドを立体選択的に加水分解し、高光学活性及び高歩留まりの立体選択性を持つキラルエポキシド或いはキラル1,2-ジオールのようなキラル化合物を製造する方法に関する。
上記式1で示される新規キラルサレン触媒は、公知方法[Tetrahedron Asymmetry, Vol. 2, No. 7, 481, 1991; J. Org. Chem., Vol. 59, 1939, 1994]を応用して容易に製造することができる。例えば、下記の反応式1で示されるように下記の式2で示されるサレン化合物を有機溶媒中、コバルト(II)アセテート及びフェロセニウム誘導体で処理して製造することができる。
【0013】
【化4】
反応式 1
【0014】
上記反応式1において、X1, X2, X3, X4, X5, X6, X7, X8, Y1, Y2, Z, R1及びR2はそれぞれ上記式1で定義したことと同様である。
一方、上記式1で示されるキラルサレン触媒は、例えばゼオライト等の固定相に固定化させて用いることもできる。
上記式1で示される新規キラルサレン触媒を利用してラセミエポキシドを立体選択的に加水分解し、キラルエポキシド或いはキラル1,2-ジオールのようなキラル化合物を製造する方法を下記の反応式2に示す。
【0015】
【化5】
反応式 2
【0016】
上記反応式2において、 Rは無置換又はハロゲン原子置換されたC1〜C10のアルキル基、無置換又はハロゲン原子置換されたC3〜C8のシクロアルキル基、又は無置換又はハロゲン原子置換されたフェニル基を示し; I-RRはR1が水素原子である式1で示されるキラルサレン触媒を示したものであり; I-SSはR2が水素原子である式1で示されるキラルサレン触媒を示したものである。
【0017】
上記反応式2による立体選択性加水分解反応をより具体的に説明すると下記の通りである。
まず、上記式3で示されるラセミエポキシドに0.4〜0.8当量の水と共に本発明のキラルサレン触媒を0.001モル%以上(好ましくは0.1〜5モル%)添加し、反応温度-10〜30℃(好ましくは5〜25℃)で反応させる。反応が完了すると、減圧下で分別蒸留して目的のキラルエポキシド((R)-4又は(S)-4)を得る。残留物は有機溶媒を用いて触媒を抽出し、キラル1,2-ジオール((R)-5又は(S)-5)を分離する。回収された触媒は別の触媒再生処理を行うことなく、すぐ反応器に新たなラセミエポキシドと水を入れて同じ反応を続けて繰り返すことによりキラルエポキシド或いはキラル1,2-ジオールを繰り返して合成する。
【0018】
上記本発明による立体選択性加水分解反応において、触媒としてR1が水素原子である上記式1で示されるキラルサレン触媒(以下、「I-RR」と略する)を用いると、(R)-エポキシド或いは(S)-1,2-ジオールが生成する。他方、触媒としてR2が水素原子である上記式1で示されるキラルサレン触媒(以下、「I-SS」と略する)を用いると、(S)-エポキシド或いは(R)-1,2-ジオールが生成する。
図1及び図2は本発明を代表する新規キラルサレン触媒(I-SS-1)と従来の酢酸基(OAc)含有キラルサレン触媒(比較触媒1)の反応速度及び再使用回数による光学選択性の比較グラフである。
【0019】
【化6】
【0020】
図1と図2から、本発明による新規キラルサレン触媒を用いた反応では、既存のものに比べて反応速度がより速く、光学純度の高い(99%ee以上)キラルエポキシドが得られ、反応に用いられた後も触媒活性を失わず、繰り返して連続的に再生処理なく使用できることがわかる。一方、酢酸基(OAc)を含有したキラルサレン触媒は1回使用後、活性を失い、再度酢酸で処理して活性化する必要があり、酢酸で再生処理しても99%ee以上の光学純度を持つキラルエポキシドを得るためには、最初用いた触媒より反応時間を延長する必要があることがわかる。
図3は本発明を代表する新規キラルサレン触媒(I-RR-1)と、酢酸基(OAc)含有キラルサレン触媒(比較触媒2)及びブロム基(Br)含有キラルサレン触媒(比較触媒3)それぞれに対するキラルエポキシドのラセミ化程度を比較したグラフである。
【0021】
【化7】
【0022】
図3によると、本発明による新規キラルサレン触媒を用いた反応では、時間が経ってもラセミ化は殆ど又は全く起こらないが、酢酸基含有キラルサレン触媒(比較触媒2)又はブロム基(Br)含有キラルサレン触媒(比較触媒3)のように対イオンが親核性作用を持ったものである場合は、キラルエポキシドのラセミ化が起こり、時間が経つほど光学純度を低下させる原因になることが分かる。キラルエポキシドの大量生産では反応終了後、目的物質を蒸留するため、多くの時間が所要される。従って、本発明の新規キラルサレン触媒を使用すると、光学純度の高いキラルエポキシドが得られるのに対して、比較触媒2又は3のようなキラルサレン触媒を用いた場合、蒸留中にキラルエポキシドのラセミ化が進行して、得られるエポキシドの光学純度が落ちるという問題があり、大量生産に適用することに限界がある。
【0023】
本発明を下記の実施例に基づきさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
実施例1: (S,S)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2シクロヘキサンジアミノコバルト(III)ヘキサフルオロホスフェートの製造
【0024】
【化8】
【0025】
1当量の(S,S)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンと1.2当量のコバルト(II)アセテート・4H2Oをエタノールに混合して5時間還流攪拌した。室温で濾過して少量のエタノールで洗滌する。得られた固体と1当量のフェロセニウムヘキサフルオロホスフェート、アセトニトリルを混合して1時間環流攪拌した後、アセトニトリルを減圧蒸留除去した。反応物にヘキサンを入れて30分攪拌後、濾過すると上記標題の化合物を定量的に得る。
IR 1060, 1110, 1170, 1195, 1210, 1295, 1410, 1480, 1500, 1510, 1605, 1645 cm-1; 31P NMR(CDCl3) δ(H3PO4, ppm) -144.49[m, J(31P, 19F)=1.77KHz]
【0026】
実施例2: (R,R)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2シクロヘキサンジアミノコバルト(III)ヘキサフルオロホスフェートの製造
【0027】
【化9】
【0028】
上記実施例1と同様な方法で行うものの、但し、(S,S)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンの代わりに(R,R)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンを用い、その結果上記標題の化合物を定量的に得た。
IR 1060, 1110, 1170, 1195, 1210, 1295, 1410, 1480, 1500, 1510, 1605, 1645 cm-1; 31P NMR(CDCl3) δ(H3PO4, ppm) -144.49[m, J(31P, 19F)=1.77KHz]
【0029】
実施例3: (S,S)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2シクロヘキサンジアミノコバルト(III)テトラフルオロボレートの製造
【0030】
【化10】
【0031】
1当量の(S,S)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンと1.2当量のコバルト(II)アセテート・4H2Oをエタノールに混合して5時間還流攪拌した。室温で濾過して少量のエタノールで洗滌する。得られた固体と1当量のフェロセニウムテトラフルオロボレート、アセトニトリルを混合して1時間還流攪拌させた後、アセトニトリルを減圧蒸留除去した。反応物にヘキサンを入れて30分攪拌後、濾過すると上記標題の化合物を定量的に得る。
【0032】
実施例4: (R,R)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2シクロヘキサンジアミノコバルト(III)テトラフルオロボレートの製造
【0033】
【化11】
【0034】
上記実施例3と同様な方法で行うものの、但し、(S,S)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンの代わりに(S)-N-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンを用い、その結果上記標題の化合物を定量的に得た。
【0035】
実施例5: (S)-N-(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-(S)-N'-(サリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミノコバルト(III)ヘキサフルオロホスフェートの製造
【0036】
【化12】
【0037】
上記実施例1と同様な方法で行うものの、但し、(S,S)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンの代わりに(S)-N-(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-(S)-N'-(サリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンを用い、その結果、上記標題の化合物を定量的に得た。
IR 840, 890, 990, 1020, 1110, 1185, 1220, 1255, 1270, 1285, 1370, 1400, 1450, 1480, 1560, 1610, 1640 cm-1
【0038】
実施例6: (R)-N-(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-(R)-N'-(サリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミノコバルト(III)ヘキサフルオロホスフェートの製造
【0039】
【化13】
【0040】
上記実施例1と同様な方法で行うものの、但し、(S,S)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリシデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンの代わりに(R)-N-(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-(R)-N'-(サリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンを用い、その結果、上記標題の化合物を定量的に得た。
【0041】
実施例7: (S)-N-(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-(S)-N'-(サリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミノコバルト(III)テトラフルオロボレートの製造
【0042】
【化14】
【0043】
上記実施例3と同様な方法で行うものの、但し、(S,S)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンの代わりに(S)-N-(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-(S)-N'-(サリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンを用い、その結果、上記標題の化合物を定量的に得た。
【0044】
実施例 8 : (R)-N-(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-(R)-N'-(サリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミノコバルト(III)テトラフルオロボレートの製造
【0045】
【化15】
【0046】
上記実施例3と同様な方法で行うものの、但し、(S,S)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンの代わりに(R)-N-(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-(R)-N'-(サリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンを用い、その結果、上記標題の化合物を定量的に得た。
【0047】
実施例9: (R,R)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミノコバルト(III)ブロマイドの製造
【0048】
【化16】
【0049】
1当量の(R,R)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンと1.2当量のコバルト(II)アセテート・4H2Oをエタノールに混合して5時間環流攪拌した。室温で濾過して少量のエタノールで洗滌した。得られた固体と0.5当量の臭素、ジクロロメタンを混合して室温で1時間攪拌させた後、ジクロロメタンを減圧蒸留除去し、上記標題の化合物を定量的に得た。
【0050】
実施例10 : (R,R)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミノコバルト(III)クロライドの製造
【0051】
【化17】
【0052】
1当量の(R,R)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンと1.2当量のコバルト(II)アセテート・4H2Oをエタノールに混合して5時間環流攪拌した。室温で濾過して少量のエタノールで洗滌した。得られた固体とジクロロメタンを混合して0.5当量の塩素ガスを注入して室温で1時間攪拌させた後、ジクロロメタンを減圧蒸留除去し、上記標題の化合物を定量的に得た。
【0053】
実施例11 : (R,R)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミノコバルト(III)アイオダイドの製造
【0054】
【化18】
【0055】
1当量の(R,R)-N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチルサリチリデン)-1,2-シクロヘキサンジアミンと1.2当量のコバルト(II)アセテート・4H2Oをエタノールに混合して5時間環流攪拌した。室温で濾過して少量のエタノールで洗滌した。得られた固体と0.5当量のヨウ素、ジクロロメタンを混合して室温で1時間攪拌させた後、ジクロロメタンを減圧蒸留除去し、上記標題の化合物を定量的に得た。
【0056】
実験例 1: (R)-エピクロヒドリン或いは(S)-エピクロヒドリンの製造
100gのラセミエピクロヒドリンに下記の表1のように上記実施例1〜8で製造した触媒0.25モル%をそれぞれ混合して5℃まで冷却した。ここに13.6gの水を徐々に滴加した後、20℃で4時間攪拌した。反応物を減圧下で分別蒸留すると、(R)[又は(S)]-エピクロヒドリンが得られた。残留物にジクロロメタンと水を注入してジクロロメタン層で触媒を抽出し、ジクロロメタンを減圧蒸留して回収された触媒は別の触媒再生処理を行うことなく、すぐ反応器に新たなラセミエピクロヒドリンと水を入れて同じ反応を続けて繰り返すことにより、(R)[又は(S)]-エピクロヒドリンを繰り返して99%ee以上の純度で得た。
図4は、実施例1で製造したI-SS-1を加水分解反応に用いた場合、反応前と反応後の触媒のUVデータである。これによりI-SS-1は反応前と反応後を比較して変化がないことが確認できる。
【0057】
比較実験例1: (R)-エピクロヒドリンの製造
既存の酢酸基含有キラルサレン触媒(比較触媒1)を使用して上記実験例1のように反応させて(R)-エピクロヒドリンを得、用いた触媒を酢酸処理することなく再反応させて17%eeの(R)-エピクロヒドリンを1回目で得た。再度の反応後、触媒を再生するため、公知の方法[Science, Vol. 277, 936, 1997]でトルエン中、2当量の酢酸を加えて周囲雰囲気で攪拌した。常温で1時間攪拌後、溶媒を減圧蒸留除去して再生処理された触媒を得た。この触媒を使用して同様の反応を行ったところ、反応完了時間が最初の反応の4時間から7〜8時間へ長くなり、(R)-エピクロヒドリンの光学純度は99%eeより低くなった。結果を下記の表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
図5は比較触媒1を用いた場合の、反応前と反応後の触媒のUVデータである。これにより比較触媒1は反応後に酢酸基が離脱されることが確認できる。
【0060】
比較実験例2: (S)-エピクロヒドリンの光学純度の変化比較
それぞれのラセミエピクロヒドリン100gずつに上記実施例2(I-RR-1)で製造した触媒、既存の酢酸基含有キラルサレン触媒(比較触媒 2)、ブロム含有キラルサレン触媒(比較触媒3)0.4モル%をそれぞれ混合して5℃まで冷却した。ここに10.7gの水を徐々に滴加した後、20℃で攪拌しながら時間による光学純度の変化を観察して図3に示した。
【0061】
実験例3: (R)-エピブロモヒドリン或いは(S)-エピブロモヒドリンの製造
148gのラセミエピブロモヒドリンに上記実施例1又は実施例2で製造した触媒(I-SS-1又はI-RR-1)2gを混合して5℃まで冷却した。ここに13.6gの水を徐々に滴加した後、20℃で4時間撹拌した。反応物を減圧下で分別蒸留し、(R)[又は(S)]-エピブロモヒドリンを1回目で得た。残留物にジクロロメタンと水を注入してジクロロメタン層で触媒を抽出し、ジクロロメタンを減圧蒸留して回収された触媒は別の触媒再生処理を行うことなく、すぐ反応器に新たなラセミエピブロモヒドリンと水を入れて同じ反応を続けて繰り返すことにより(R)[又は(S)]-エピブロモヒドリンを繰り返して99%ee以上の光学純度で得た。
【0062】
実験例4: (S)-1,2-エポキシブタン或いは(R)-1,2-エポキシブタンの製造
上記実験例3と同様な方法で行うものの、但し、ラセミエピブロモヒドリンの代わりにラセミ1,2-エポキシブタン78gを用い、その結果、上記標題の化合物を99%ee以上の光学純度で得た。
【0063】
実験例5: (S)-1,2-エポキシヘキサン或いは(R)-1,2-エポキシヘキサンの製造
上記実験例3と同様な方法で行うものの、但し、ラセミエピブロモヒドリンの代わりにラセミ1,2-エポキシヘキサン108gを用い、その結果、上記標題の化合物を99%ee以上の光学純度で得た。
【0064】
実験例6: (S)-スチレンオキサイド或いは(R)-スチレンオキサイドの製造
130gのラセミスチレンオキサイドに上記実施例1又は実施例2で製造した触媒(I-SS-1又はI-RR-1)5gを混合して5℃まで冷却した。ここに13.6gの水を徐々に滴加した後、20℃で15時間撹拌した。反応物を減圧下で分別蒸留し、(S)[又は(R)]-スチレンオキサイドを1回目で得た。残留物にジクロロメタンと水を注入してジクロロメタン層で触媒を抽出し、ジクロロメタンを減圧蒸留して回収された触媒は別の触媒再生処理を行うことなく、すぐ反応器に新たなラセミスチレンオキサイドと水を入れて同様な反応を続けて繰り返すことにより(S)[又は(R)]-スチレンオキサイドを繰り返して99%ee以上の光学純度で得た。
【0065】
実験例7: (R)-1,2-ブタンジオール或いは(S)-1,2-ブタンジオールの製造
78gのラセミ1,2-エポキシブタンに上記実施例1又は実施例2で製造した触媒(I-SS-1又はI-RR-1)2gを混合して5℃まで冷却した。ここに7.8gの水を徐々に滴加した後、20℃で3時間撹拌した。反応物に残っている1,2-エポキシブタンを減圧下で除去して残留物にジクロロメタンと水を注入する。水層を分離して分別蒸留し、(R)[又は(S)]-1,2-ブタンジオールを1回目で得た。ジクロロメタン層で回収された触媒は別の触媒再生処理を行うことなく、すぐ反応器に新たなラセミ1,2-エポキシブタンと水を入れて同じ反応を続けて繰り返すことにより、(R)[又は(S)]-1,2-ブタンジオールを繰り返して98%ee以上の光学純度、平均歩留まり60%で得た。
【0066】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の新規キラルサレン触媒は既存のキラルサレン触媒の問題点を解消し、再生処理することなく再使用でき、またラセミエポキシドから高光学純度及び高歩留まりの立体選択性を持つキラルエポキシド或いはキラル1,2-ジオールを大量に製造する立体選択性加水分解反応の触媒として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の代表的なキラルサレン触媒と従来の酢酸基含有キラルサレン触媒の反応時間によるキラル化合物の光学純度とを比較したグラフである。
【図2】 本発明の代表的なキラルサレン触媒と従来の酢酸基含有キラルサレン触媒の反応回数によるキラル化合物の光学純度とを比較したグラフである。
【図3】 本発明の代表的なキラルサレン触媒と、比較触媒として酢酸基含有キラルサレン触媒及びブロム基含有キラルサレン触媒それぞれに対する反応時間によるキラルエポキシドのラセミ化の程度を比較したグラフである。
【図4】 本発明の代表的なキラルサレン触媒を用いた際の、反応前と反応後の触媒のUVデータである。
【図5】 酢酸基含有キラルサレン触媒を用いた際の、反応前と反応後の触媒のUVデータである。
Claims (4)
- ラセミエポキシドからキラルエポキシド或いはキラル1,2-ジオールを製造する反応の触媒として有用な下記の式1で示されるキラルサレン触媒。
【化1】
式1
上記式1において、X1, X2, X3, X4, X5, X6, X7, 及びX8はそれぞれ水素原子或いはC4〜C10のアルキル基を示し; Y1及びY2はそれぞれ水素原子、或いはC1〜C5のアルキル基を示し、ZはPF6,又はBF4を示し; R1及びR2はそれぞれ水素原子、C4〜C10のアルキル基、又は無置換フェニル基又はC1〜C4アルキル置換フェニル基であり、R1及びR2の一つは常に水素原子であり、またR1及びR2が相互に結合し、-(CH2)n-(nは3〜6の整数)又は-(CH2)m-Q-(CH2)m-(mは1〜2の整数であり、Qは酸素原子又はNH)を形成することができる。 - 上記X1, X2, X3, X4, X5, X6, X7, 及びX8はそれぞれ水素原子或いはt-ブチル基であり; 上記Y1及びY2はそれぞれ水素原子であり; 上記ZはPF6又はBF4であり; 上記R1及びR2の一方は水素原子であり、他方は-(CH2)4-であることを特徴とする請求項1記載のキラルサレン触媒。
- ラセミエポキシドを立体選択的に加水分解してキラルエポキシド或いはキラル1,2-ジオールを製造する方法において、
下記の式1で示されるキラルサレン触媒を用いることを特徴とするキラル化合物の製造方法。
【化2】
式 1
上記式1において、X1, X2, X3, X4, X5, X6, X7, 及びX8はそれぞれ水素原子或いはC4〜C10のアルキル基を示し; Y1及びY2はそれぞれ水素原子、或いはC1〜C5のアルキル基を示し、ZはPF6,又はBF4を示し; R1及びR2はそれぞれ水素原子、C4〜C10のアルキル基、又は無置換フェニル基又はC1〜C4アルキル置換フェニル基であり、R1及びR2の一つは常に水素原子であり、またR1及びR2が相互に結合し、-(CH2)n-(nは3〜6の整数)又は-(CH2)m-Q-(CH2)m-(mは1〜2の整数であり、Qは酸素原子又はNH)を形成することができる。 - 上記X1, X2, X3, X4, X5, X6, X7, 及びX8はそれぞれ水素原子或いはt-ブチル基であり; 上記Y1及びY2はそれぞれ水素原子であり; 上記ZはPF6又はBF4であり; 上記R1及びR2の一方は水素原子であり、他方は-(CH2)4-であることを特徴とする請求項3記載のキラル化合物の製造方法。
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