JP4962899B2 - 環状1本鎖dnaの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、1本鎖DNA断片から高収率で環状1本鎖DNAを製造する方法に関する。
人体や環境中の微生物(アレルゲン、ウィルス、病原菌等)の迅速な検出は、医療現場における感染症の検査、また、食品や医薬品の製造、プール等における微生物検査など、多くの場面において実施されている。
微生物を検出する方法としては、細菌の検出であれば栄養培地上で生細胞を増殖させて検出する方法、その他、抗原抗体反応等によって微生物のタンパク質を検出する方法や核酸を増幅して検出する方法などが行われている。
上記の検出方法の中でも、微生物の持つ核酸を検出する方法は、菌体の培養工程が不要であり、かつ、短時間で高感度に検出が可能であるという利点を有する。即ち、核酸検出においては、少量のサンプルから迅速に検出することが可能であり、また、数多くの検体を扱うことも可能である。
ここで、核酸検出の際に核酸を増幅するための手法としてPCR法やLAMP法などが知られる。しかし、PCR法は機器が高価であり、またLAMP法は長鎖のプライマーを用いているため非特異的な反応が起こり易いなどの問題点がある。そこで、環状1本鎖DNAを鋳型としてDNAポリメラーゼを用いて核酸を増幅する方法が提案されている(WO2002−044339号公報)。
鋳型となる環状1本鎖DNAは、1本鎖DNA断片を環状化させて作製することができるが、これを効率的に行うための方法として、結合させるDNA断片の両末端配列に相補的なポリヌクレオチドを結合させて1本鎖DNA断片を環状に配置させてから、5’および3’末端部にリガーゼを作用させて結合する方法が報告されている(特開2005−278465号公報)。しかしながら、この方法においては環状化効率を高めるために予め直鎖状1本鎖DNAの自由エネルギーの計算を必要とする。また、前記の文献は、高収率の環状化1本鎖DNAを得るために耐熱性DNAリガーゼを用いて連続的にライゲーション反応を行うことは示唆していない。
1本鎖環状DNAを鋳型としてその相補鎖をタンデムに配列した鎖状1本鎖DNA(ssDNA)を迅速に合成するRCA(Rolling Circle Amplification)反応が、一塩基変異多型検出やシークエンス反応用鋳型DNAの簡便な増幅法などのバイオツールとして利用されつつある。また、RNAポリメラーゼを用いて環状1本鎖DNAから連続的に相補鎖RNAを合成してタンパク質の大量合成に応用されるようになっている。
このように、環状1本鎖DNAの用途が広がっており、従って、環状1本鎖DNAを簡便に、かつ高収率で製造する方法が重要となる。
WO2002−044339号公報 特開2005−278465号公報
本発明は、1本鎖DNA断片から、環状1本鎖DNAを簡便に、かつ高収率で製造する方法を提供するものである。
本発明は、環状1本鎖DNAの製造方法であって、
a)直鎖状1本鎖DNAと、前記直鎖状1本鎖DNAの5’末端領域および3’末端領域の相補配列を隣接して有するアダプターポリヌクレオチドと、耐熱性リガーゼとを含む反応混合物を調製する工程、
b)直鎖状1本鎖DNAとアダプターポリヌクレオチドの相補配列を結合させることにより、前記直鎖状1本鎖DNAの5’末端と3’末端とを隣接させる工程、
c)前記直鎖状1本鎖DNAの5’末端と3’末端とを連結する工程、
d)環状化された1本鎖DNAとアダプターポリヌクレオチドを解離させる工程、
を含む、前記製造方法に関する。
本発明の方法は、耐熱性DNAリガーゼを使用して環状1本鎖DNAを製造するものであり、同一酵素反応混合物内で反復してライゲーション反応を行うことにより、直鎖状1本鎖DNAから環状1本鎖DNAを高収率で合成することが可能である。
本発明の環状1本鎖DNAの製造方法では、工程a)において、直鎖状1本鎖DNAおよび前記直鎖状1本鎖DNAと相補的な配列を有するアダプターポリヌクレオチドおよび耐熱性リガーゼを含む反応混合物が調製される。
環状化に用いられる直鎖状1本鎖DNAの塩基の種類や数には特に制限はなく、実際の細胞から単離されたゲノム配列でも、人工的に合成されたポリヌクレオチド配列であってもよく、一般に環状化し得るに十分な数の塩基があればよく、例えば少なくとも20塩基以上、好ましくは20〜200塩基、より好ましくは30〜80塩基である。
用いる耐熱性DNAリガーゼに依存するが、環状化に用いられる直鎖状1本鎖DNAが人工的に合成されたポリヌクレオチドの場合、5’末端をリン酸化している方が望ましいが、リン酸化しなくても良い。また、その他の修飾はしない方が望ましい。
また、アダプターポリヌクレオチドは、前記直鎖状1本鎖DNAの5’末端領域および3’末端領域の相補配列を有し、具体的には、前記直鎖状1本鎖DNAの5’末端領域および3’末端領域の各相補配列を隣接して有する。本発明において、「5’末端領域」、「3’末端領域」とは、それぞれ直鎖状1本鎖DNAの5’末端、3’末端の最末端塩基を含む領域を意味し、その領域の長さは一般にポリヌクレオチドのアニーリングを行うために必要な値で当業者が設定することができる。例えば5〜20塩基が適当であり、アダプターポリヌクレオチドの合成を考慮すると、5’末端領域と3’末端領域の合計で15〜30塩基程度であることが好ましい。
本発明において、「(5’末端領域および3’末端領域の)相補配列」は、直鎖状1本鎖DNAの5’末端および3’末端の各領域の配列と完全に相補的な配列であることが好ましいが、前記直鎖状1本鎖DNAとのアニーリングが可能な限りにおいてミスマッチの塩基対を有していてもよい。そのような塩基対の数は反応条件や全体の領域の長さに依存するが、例えば各領域に1個、2個、3個等、または各領域の全塩基の1%〜50%程度であり得る。ただし、当業者に理解されるように、ライゲーションを効率的に行うためには、環状化の際に実際にリガーゼによる連結反応が行われる5’末端と3’末端の塩基は、それぞれアダプターの塩基と塩基対を形成していることが好ましい。
本発明のアダプターポリヌクレオチドは、上に説明した5’末端領域に相補的な配列と3’末端領域に相補的な配列を隣接して有する。ここで、「隣接する」とは、5’側から前記5’末端相補配列、次いで3’末端相補配列が、間に塩基を挟むことなく連続していることを意味する。このようなアダプターポリヌクレオチドは、図1に示すように、直鎖状1本鎖DNAとアニーリングすることにより前記直鎖状1本鎖DNAを環状に配置させることが可能となる。
本発明の方法においては、直鎖状1本鎖DNAを環状化するためのライゲーション反応に耐熱性DNAリガーゼが使用される。耐熱性DNAリガーゼとは、隣接したDNA鎖の5’末端と3’末端をホスホジエステル結合で連結する酵素であって、2本鎖DNAを1本鎖DNAに解離させるような高温(DNA解離温度)、例えば80〜100℃、好ましくは90〜95℃でも実質的に活性を失わない酵素を意味する。例えば、一般的に解離温度として使用される95〜100℃に30分〜1時間程度さらしても30%以上、好ましくは50%以上の酵素活性を維持するようなリガーゼが挙げられ、一般にLCR反応への使用に適したものとして市販されるリガーゼであれば「耐熱性DNAリガーゼ」に含まれると理解される。耐熱性DNAリガーゼは、一般に高温環境に生息するパイロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)やアエロパイラム・ペルニックス(Aeropyrum pernix)、サーモコッカス属(Thermococcus sp.)などの超好熱性菌やサーマス・アクアティカス(Thermus aquaticus)などの高度好熱性菌から単離されるが、耐熱性をさらに高めるために組み換えが行われているものも本発明の方法に使用し得る。具体的には、(Stratagene社製のPfu DNA リガーゼやEpicentre社製のAmpligase DNA リガーゼ、和光純薬工業社製耐熱性DNAリガーゼ、New England Biolabs社製の9°Nth DNA Ligase、Taq DNA Ligase)などが挙げられる。
本発明の方法において、工程a)で調製される反応混合物は、上記の直鎖状1本鎖DNA、アダプターポリヌクレオチド、耐熱性DNAリガーゼを含む。これらの濃度、存在比率は当該分野の技術常識に基づいて適宜決定することができる。直鎖状1本鎖DNAの濃度は例えば1〜100μmol/l、好ましくは20〜80μmol/l、より好ましくは40〜60μmol/lであり、アダプターポリヌクレオチドの濃度は例えば0.05〜50μmol/l、好ましくは1〜40μmol/l、より好ましくは3〜12μmol/lなどであるが、これらの範囲に限定されるものではない。また、好ましい直鎖状1本鎖DNAとアダプターポリヌクレオチドとのモル比は後述するライゲーション反応の繰り返し回数などにより変動するが、例えば100:1〜1:5、好ましくは50:1〜1:1、より好ましくは20:1〜4:1である。
なお、本発明の方法では、後述するようにアダプターポリヌクレオチドは環状化した1本鎖DNAから解離して再利用することができるため、当初の反応混合物中にアダプターポリヌクレオチドが直鎖状1本鎖DNAよりも低い割合(例えば上に示したようなモル比20:1など)でしか存在しない場合であっても効率的に環状1本鎖DNAを製造することができる。
耐熱性DNAリガーゼの添加量は、例えば市販のものを使用する場合は、反応混合物中のDNAの濃度や量に基づいて製造者の指示に従って好ましい値を決定し得る。
また、工程a)で調製される反応混合物はさらに、ライゲーション反応に必要な様々な物質を含んでもよい。一般に、使用するリガーゼの種類に応じて反応バッファーの組成が決定されるが、例えばTris-HCl(pH 7.5)、KCl、MgCl2、ATP、NAD(P)、DTTなどを適切な濃度で含むことができる。実際には、市販のリガーゼに添付される反応バッファーを製造者の指示に従って使用すれば十分である。
上記工程a)で直鎖状1本鎖DNA、アダプターポリヌクレオチドおよび耐熱性DNAリガーゼを含む反応混合物を調製した後、工程b)からd)で、それぞれ直鎖状1本鎖DNAとアダプターポリヌクレオチドの結合(アニーリング)、ライゲーション反応による環状化、熱変性による環状化一本鎖DNAとアダプターポリヌクレオチドへの分離を行うことにより、環状一本鎖DNAが製造される(図1参照)。
より詳細には、工程b)では、直鎖状1本鎖DNAとアダプターポリヌクレオチドの相補配列を結合させることにより、前記直鎖状1本鎖DNAの5’末端と3’末端とを隣接させる。直鎖状1本鎖DNAとアダプターポリヌクレオチドとの結合(アニーリング)は、反応混合物を適当な温度に置くことにより行われ、その温度は例えば55〜65℃、好ましくは60℃であるが、当業者の理解するようにアダプターポリヌクレオチドの長さやTm値によって適切な値は変動するため、適宜調整することが可能である。反応時間も同様にポリヌクレオチドの長さや反応温度との関係で任意に設定することができる。例えば1秒から3分まで、好ましくは5秒から1分まで、より好ましくは10秒であるが、反応混合物が実質的に設定温度に到達していれば十分であり、より長い時間設定とすることも可能である。
この工程b)において直鎖状1本鎖DNAとアダプターポリヌクレオチドの相補配列が結合する際に直鎖状1本鎖DNAが曲がって5’末端と3’末端が隣接・接近した構造となるため、次の工程c)において環状化(ライゲーション反応)を効率的に行うことが可能となる。
工程c)では、前記直鎖状1本鎖DNAの5’末端と3’末端とを連結させる。すなわち、反応混合物を適切な温度に一定時間置くことにより、反応混合物中に含まれるDNAリガーゼが作用して直鎖状1本鎖DNAの5’末端と3’末端を連結させる。反応温度は使用する耐熱性DNAリガーゼの至適温度に設定することが好ましいが、当該リガーゼが活性を有する温度の範囲内で自由に設定することができる。例えば和光純薬工業社製 耐熱性DNAリガーゼを使用する場合、60〜90℃、好ましくは70℃に設定される。適切な反応時間はリガーゼの種類や酵素量などに依存し、例えば5〜30分、好ましくは10分である。
工程d)では、環状化された1本鎖DNAとアダプターポリヌクレオチドを解離させる。即ち、反応混合物のDNAの解離温度(高温)に置くことにより、工程c)が終了した時点で結合している環状1本鎖DNAとアダプターポリヌクレオチドを解離させる。反応温度は一般に使用されるDNA解離温度であればよく、例えば90〜100℃、好ましくは93〜98℃、例えば95℃に設定される。また、反応時間は例えば1秒〜1分、好ましくは5〜30秒、より好ましくは10秒に設定することができる。この工程によってアダプターポリヌクレオチドが当初の1本鎖の状態に戻るため、後述するように再び工程b)に戻って、環状化されずに残っている1本鎖DNAとの結合に再利用することが可能となる。
好ましくは、本発明においては工程b)からd)の一連の操作(以下、サイクルとも表す)が反復して行われる。工程b)からd)のサイクルを繰り返して、アダプターポリヌクレオチドを繰り返し利用しつつ直鎖状1本鎖DNAを次々と環状化させることにより、高収率で環状化1本鎖DNAを製造することが可能となる。
反復回数は例えば少なくとも2回、好ましくは10回以上、より好ましくは25回以上であり、直鎖状1本鎖DNAの枯渇、リガーゼ活性の低下、必要とする環状化1本鎖DNAの収量などを考慮して当業者が適当な回数を決定することができる。
なお、本発明は、当該技術分野の技術常識に基づいて様々に変更、改良された方法をも包含する。例えば、工程b)からd)を反復して行う場合、最初と最後を除く途中の各サイクルが工程b)、c)、d)を含み、かつこの順で実施されればよく、特に最初と最後のサイクルでは、環状1本鎖DNAを適切に製造するための手段を取り得ることを当業者は容易に理解する。
例えば、一般に、反応を開始した直後は反応混合物を解離温度に上げて非特異的なアニーリングを防止することが好ましい。本発明においては、例えば95℃で2分間処理される。また、最後のサイクルでは工程c)で反応混合物をライゲーション温度に置いた後で、反応混合物をそれまでとは異なった解離条件で処理して(例えば98℃で2分間)環状1本鎖DNAとアダプターポリヌクレオチドを解離させてもよい。さらに、その後4℃に急冷して反応を終了させてもよい。
その他、サイクル毎に温度や時間の設定の変更や、工程b)とc)を同一条件で一括して行うことなどの変更も可能である。
以下、実施例を参照して本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例において、薬品名後に会社名を記していないものは和光純薬工業社製である。また、特別に記さない限り、溶媒は水である。
なお、使用した溶媒とゲルの組成は以下の通りである。

TEバッファー
4mmol/l Tris−HCl(トリス-ヒドロキシメチル-アミノメタン)塩酸
1mmol/l エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム2水和物(EDTA)
pH8.0に調整

2.0%TAE電気泳動用ゲル
2.0%アガロース
4mmol/l Tris−HCl
1mmol/l EDTA
1mmol/l 酢酸
(1、環状1本鎖DNAの合成)
環状1本鎖DNAの合成に用いたポリヌクレオチドを表1に記す。共にカートリッジ精製を行った。

表1:環状1本鎖DNAの合成に用いたポリヌクレオチド配列

上記の表において43C(配列番号1)が直鎖状1本鎖DNAに、Bind(配列番号2)がアダプターポリヌクレオチドに相当する。

表1の2種類のポリヌクレオチド(43C:60μmol/l、Bind:3μmol/l)と和光純薬工業社製耐熱性DNAリガーゼ組換え体(1.25ul)を合計25ulに混合し、下記に示した条件で反応を行った。その他、前記耐熱性DNAリガーゼに添付の反応バッファーを使用した。混合液中における最終的な組成は、耐熱性リガーゼ(1.25ul/25ul)添付バッファー(2.5ul/25ul)、表1の2種類のポリヌクレオチド(43C:60μmol/l、Bind:3μmol/l)である。

95℃、2分間 −(1)
95℃、10秒間 −(2)
60℃、10秒間 −(3)
70℃、10分間 −(4)
98℃、2分間 −(5)
4℃、∞ −(6)
((2)〜(4)を25サイクル)

反応終了後、Genとるくん(タカラバイオ社)を添加し、エタノール沈殿を行った。その後、75%エタノールで2回、99.5%エタノールで1回洗浄し、65℃で乾燥させた後に、超純水で30μlに溶解した。
溶解後、ExonucleaseI(タカラバイオ社)を添加し、37℃、60分反応させた後、Genとるくんを添加し、エタノール沈殿を行った。その後、75%エタノールで2回、99.5%エタノールで1回洗浄し、65℃で乾燥させた後に、TEバッファーで30μlに溶解し、環状1本鎖DNA調製液とした。
(2、環状1本鎖DNAの合成の確認)
環状1本鎖DNAの合成の確認に用いたプライマーを表2に記す。共にHPLC精製を行っている。

表2:環状1本鎖DNAの合成確認に用いたプライマー配列
(F:配列番号3、R:配列番号4)

環状1本鎖DNAの合成をポリメラーゼ反応により確認した。
反応混合物組成
0.02μg/ml 環状1本鎖DNA調製液
1.6nmol/l 表2のプライマー(FとR)
4U/25μl Bst DNA ポリメラーゼ(New England Biolabs Incorporation)
1.6nmol/l 表1のプライマー(Bind)
(反応バッファーは、Bst DNA ポリメラーゼの製造者の指示に従った。)

上記の反応混合物を調製した後、63℃・60分インキュベートした。また、Bindのプライマーを含まない対照混合物を調製し、同様にインキュベートした。
この反応は、環状1本鎖DNAに対してアニーリングしたBindポリヌクレオチドがプライマーとなって3’方向にDNAを複製し、その複製されたDNAをさらに鋳型としてFとRのプライマーによりDNAを増幅するものである。
(3、検出)
核酸染色試薬SYBR GreenI(タカラバイオ社)を1/10に希釈し、サンプル25μlに対して1μlを混合し、302nmの波長を当て高感度フィルターで観察した。
また、2.0%TAE電気泳動用ゲルを使用し、電気泳動漕であるMupid-ex(アドバンス社)を用いて電気泳動(100V、60分)を行い、その後、核酸染色試薬SYBR GreenIで染色し254nmの波長を当て高感度フィルターで観察した。
結果を表3、および図2、図3に示す。

表3:環状1本鎖合成確認の結果

図2、図3より長鎖のDNAが合成されていることが確認されたことから、環状1本鎖DNAが合成されていることを確認した。また、ExonucleaseIの処理で環状1本鎖以外を分解し得ることも同時に確認できた。
(4、ライゲーション反応の繰り返し反応による環状1本鎖DNAの濃度比較)
上記1の環状1本鎖DNAの合成に示したのと同様の方法で、ライゲーション反応を繰り返し行って、作製された環状1本鎖DNAの濃度の比較を行った。
反応混合物に加える直鎖状1本鎖DNAとアダプターポリヌクレオチドの濃度は、43Cが60μmol/l、Bindが3μmol/lとなるように調製した。

C:リガーゼなし
D:(2)〜(4)のサイクル1回
E:(2)〜(4)のサイクル25回

反応後、Genとるくん(タカラバイオ社)を添加し、エタノール沈殿を行った。その後、75%エタノールで2回、99.5%エタノールで1回洗浄し、65℃で乾燥させた後に、超純水で30μlに溶解した。
溶解後、ExonucleaseI(タカラバイオ社)を添加し、37℃、60分反応させた後、Genとるくんを添加し、エタノール沈殿を行った。その後、75%エタノールで2回、99.5%エタノールで1回洗浄し、65℃で乾燥させた後に、TEバッファーで25μlに溶解し、各濃度を吸光度(260nm)により検出した(図4)。リガーゼを加えずに行ったCをゼロ点とした。
図4より、本発明の方法を用いてライゲーションのサイクルを繰り返して行うことにより、環状1本鎖DNAが高収率で製造されていることが分かった。
本発明の方法による、環状化1本鎖DNAの製造の概略を示す。 SYBR GreenIを用いて環状1本鎖を検出した写真を示す。Aはプライマーを加えずにポリメラーゼ反応を行った対照サンプルであり、Bは通常の合成反応を行ったサンプルを示す。 電気泳動により環状1本鎖を検出したゲル写真を示す。 ライゲーション反応を1回、および25回反復して行った場合の、環状1本鎖合成の濃度を比較したグラフを示す。

Claims (1)

  1. 環状1本鎖DNAの製造方法であって、
    a)直鎖状1本鎖DNAと、前記直鎖状1本鎖DNAの5’末端領域および3’末端領域の相補配列を隣接して有するアダプターポリヌクレオチドと、耐熱性リガーゼとを含む反応混合物を調製する工程、
    b)直鎖状1本鎖DNAとアダプターポリヌクレオチドの相補配列を結合させることにより、前記直鎖状1本鎖DNAの5’末端と3’末端とを隣接させる工程、
    c)前記直鎖状1本鎖DNAの5’末端と3’末端とを連結する工程、
    d)環状化された1本鎖DNAとアダプターポリヌクレオチドを解離させる工程、
    を含
    工程b)からd)の一連の操作を同一反応混合物内で少なくとも2回反復して行い、かつ、
    工程a)で調製した反応混合物中における、直鎖状1本鎖DNAに対するアダプターポリヌクレオチドのモル比が1未満である、前記製造方法。
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