JP4962431B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
この発明によると、位相検知手段によって検知される2以上の感光体の位相パターンが新品位相パターンと一致するか否かを判定することにより、感光体ユニットが新品であるか否かを判定する。したがって、例えば感光体ユニットを交換する際にユーザがいずれかの感光体を誤って回転させてしまっても、他の2つの感光体の位相パターンが新品位相パターンと一致すれば新品であると判定されるので、感光体ユニットの新品の検知精度が向上する。
新品の感光体ユニットであっても、製造公差などにより、位相検知手段によって検知される2以上の感光体の位相パターンが新品位相パターンに完全に一致しないこともあり得る。この発明によると、位相検知手段によって検知される2以上の感光体の位相パターンと新品位相パターンとのずれ量が所定量以下である場合は新品と判定するので、製造公差によって新品ではないと判定されてしまうことを低減できる。
例えば新品の感光体ユニットに交換する際にユーザが手を触れてしまい易い位置にある感光体は、ユーザが触れて回転してしまうことにより回転位相がずれる可能性が高い。回転位相がずれた感光体を用いて判定しても新品とは判定されないので、そのような回転位相がずれる可能性が高い感光体を用いて判定すると判定効率が悪くなる虞がある。すなわち、回転位相がずれる可能性が高い感光体を除外して他の感光体の位相パターンのみを用いて判定すると、新品であるか否かを効率よく判定できる。
感光体ユニットを装着する際、ユーザは感光体ユニットの進行方向前側と進行方向後側とを手で持つことが多い。この場合、感光体ユニットの進行方向後側については取っ手を設けることにより感光体に触れ難くくすることができるが、前側についてはユーザが下から手で支えるなどすることが多く、他の感光体に比べて触れ易い。したがって、進行方向の最も前側の感光体は回転位相がずれる可能性が高い感光体であるといえる。
本発明の実施形態1を図1ないし図6によって説明する。
(1)プリンタの全体構成
図1は、本発明の実施形態1に係るプリンタ1(画像形成装置の一例)の全体構成図である。以下、図1の紙面右側をプリンタ1の前側、紙面左側をプリンタ1の後側として説明する。
給紙カセット7から送り出された用紙4は給紙ローラ12によってレジストローラ13へ送られ、レジストローラ13により所定のタイミングで後方のベルトユニット15上へ送り出される。
ベルトフレーム20には、4つの転写ローラ19が前後方向に回転可能に支持されている。転写時にはこれらの転写ローラ19と感光体ドラム31(感光体の一例)との間に転写バイアスが印加される。
ベルトユニット15の上方にはプロセス部25が配され、プロセス部25の上方にはスキャナ部27が配されている。
スキャナ部27は、図示しないレーザ発光部から出射されたレーザ光LをK(ブラック)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の各色に対応する感光体ドラム31の表面に照射する。
4つの現像カートリッジ26は前後に並んだ状態で感光体ユニット28に着脱可能に設けられている。各現像カートリッジ26は上部にトナー収容室38が設けられ、その下側に供給ローラ39、現像ローラ40、及び層厚規制ブレード41が設けられている。各トナー収容室38には、現像剤として各色の正帯電性の非磁性1成分のトナーがそれぞれ収容されている。また、各トナー収容室38には、トナーを撹拌するためのアジテータ42が設けられている。
各感光体ドラム31はそれぞれ互いに独立して回転可能に感光体ユニット28に取り付けられており、図示しない駆動機構によって回転駆動される。図示しない駆動機構は各感光体ドラム31にそれぞれ独立して回転駆動力を伝達することにより、各感光体ドラム31を独立して回転させられるように構成されている。
本体ケース2内には制御部55が設けられている。制御部55(新旧検知手段の一例)はCPU、ROM(記憶手段の一例)、RAMなどで構成されており、プリンタ1の動作全般を制御する。
感光体ドラム31の表面は帯電器32により一様に正に帯電された後、スキャナ部27からのレーザ光Lの高速走査により露光され、静電潜像が形成される。感光体ドラム31の表面に形成された静電潜像は現像ローラ40から供給されるトナーによって現像され、各色のトナー像となる。
トナー像が転写された用紙4はトナー像を用紙4に定着させるために加熱ローラ44と加圧ローラ45との間で加熱され、トナー像が定着された用紙4は本体ケース2上部に設けられた排紙ローラ49へ搬送され、この排紙ローラ49によって排紙トレイ5上に排出される。
感光体ドラム31は使用するに従って劣化する。したがってある程度使用すると交換する必要がある。前述したように本実施形態の感光体ドラム31は感光体ユニット28に一体に取り付けられているので、交換の際には感光体ユニット28ごと交換することになる。制御部55は感光体ドラム31の回転数をカウントし、ある回転数を超えると図示しない操作部にメッセージを表示してユーザに感光体ユニット28を交換するよう案内する。
図2は、新品の感光体ユニット28の各感光体ドラム31に設けられている反射シール51及び光電センサ52の位置を示す模式図である。図示するように新品の感光体ユニット28では、感光体ドラム31Yの反射シール51は感光体ドラム31Kの反射シール51の位置を基準として時計回りに90度ずれている。同様に感光体ドラム31Mの反射シール51は時計回りに180度ずれており、感光体ドラム31Cの反射シール51は270度ずれている。
各検出信号はそれぞれ対応する感光体ドラム31の回転位相を表している。そして、これら複数の検出信号が出力されるパターンは、各感光体ドラム31の回転位相の組み合わせである位相パターン(新品位相パターン)を表している。ここで、回転位相とは、感光体ドラム31の外周上の基準点(本実施形態では反射シール51が貼られている位置)が検出されるタイミングであり、位相パターンとは各感光体ドラム31の基準点が検出される時間差あるいは回転角度差をいう。
感光体ドラム31Kと感光体ドラム31Yとの時間差=時間RKY
感光体ドラム31Yと感光体ドラム31Mとの時間差=時間RYM
感光体ドラム31Mと感光体ドラム31Cとの時間差=時間RMC
なお、新品位相パターンを記憶する方法はこれに限られず、例えば隣り合う感光体ドラム31の検出信号が出力される回転角度差を記憶してもよい。
図4は旧品の感光体ユニット28の各感光体ドラム31に設けられている反射シール51の位置を示す模式図であり、図5は旧品の位相パターンを示す波形図である。本実施形態では新旧検知を行った後、図4に示すように各感光体ドラム31の回転位相が一致するように感光体ドラム31の回転を停止させる。この場合、旧品の位相パターン(旧品位相パターン)は図5に示すように各感光体ドラム31について同時に検出信号が出力されるパターンとなる。
図3に示す新品位相パターンと図5に示す旧品位相パターンとを比較すれば明らかなように、新品位相パターンと旧品位相パターンとは一致しない。したがって、感光体ユニット28が新品であるか否かを判定するためには、その感光体ユニット28の位相パターンを新品位相パターンと比較すればよい。
図6は、感光体ユニット28の新旧を判定する処理のフローチャートである。
S101では、制御部55は判定対象の感光体ユニット28の全ての感光体ドラム31を同時に回転させ、各光電センサ52からの検出信号を取得する。これにより判定対象の感光体ユニット28の位相パターンが取得される。なお、必ずしも同時に回転させる必要はなく、例えば一つずつ順に回転させてもよい。
具体的には例えば、制御部55は判定対象の感光体ユニット28において感光体ドラム31Kの検出信号が出力された時から感光体ドラム31Yの検出信号が出力された時までの時間TKYと、新品位相パターンにおける感光体ドラム31Kの検出信号が出力された時から感光体ドラム31Yが出力された時までの時間RKYとを比較する。そして、時間TKYと時間RKYとの時間差(ずれ量)が所定範囲内であれば、一致すると判定する。
ただし、この所定範囲は時間RKYよりも短い時間であるとする。なぜなら、判定対象の感光体ユニット28が旧品である場合、時間TKYは0となるので、時間TKYと時間RKYとの時間差はRKYとなる。この場合、所定時間が時間RKYよりも長いとすると、時間差(この場合はRKY)は誤差の範囲内であることになり、旧品が新品と誤判定されてしまうからである。逆にいうと、新品位相パターンは、時間RKYが所定時間よりも長くなるように設定されている必要がある。これは他の感光体ドラム31の組み合わせについても同様である。
制御部55は、時間TKYと時間RKYとの時間差が所定範囲内である場合は一致すると判定してS108に進み、所定範囲を超えている場合は一致しないと判定してS103に進む。
S105では、判定対象の感光体ユニット28の感光体ドラム31Y及び感光体ドラム31Mの位相パターンと、新品位相パターンの感光体ドラム31Y及び感光体ドラム31Mの位相パターンとが一致するか否かを判定する。
S107では、制御部55は判定対象の感光体ユニット28の感光体ドラム31M及び感光体ドラム31Cの位相パターンと、新品位相パターンの感光体ドラム31M及び感光体ドラム31Cの位相パターンとが一致するか否かを判定する。
S109では、制御部55は各感光体ドラム31の回転位相が一致するように各感光体ドラム31をそれぞれ異なるタイミングで停止させる。
具体的には例えば、感光体ユニット28を装着する際に感光体ユニット28が本体ケース2内に向かって進行するときの進行方向(図1の矢印53)の最も前側の感光体ドラム31Cを除外してもよい。感光体ユニット28を装着する際、ユーザは一方の手で感光体ユニット28の進行方向前側を持ち、他方の手で進行方向後側を持つことが多い。この場合、進行方向後側については取っ手54(図1参照)を設けることにより感光体ドラム31Kに触れ難くくすることができるが、前側についてはユーザが下から手で支えるなどすることが多く、そのため感光体ドラム31Cは他の感光体ドラム31K〜31Mに比べてユーザが手を触れ易い。回転位相がずれた感光体ドラム31を用いて判定しても新品とは判定されないので、そのような回転位相がずれる可能性が高い感光体ドラム31Cを用いて判定すると判定効率が悪くなる虞がある。すなわち、感光体ドラム31Cを除外して他の感光体の位相パターンのみを用いて判定すると、効率よく新品を検知できる。
以上説明した本発明の実施形態1に係るプリンタ1によると、全ての感光体ドラム31の数よりも少ない数の感光体ドラム31であって且つ2以上の感光体ドラム31の位相パターンが新品位相パターンと一致するか否かを判定することにより、感光体ユニット28が新品であるか否かを判定する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
逆にいうと、すでに反射シールの位置で各感光体ドラムのピーク点の回転位相を一致させる構成を有している画像形成装置の場合は、本発明を適用することにより、新たな構成部品を追加することなく感光体ユニットの新品の検知精度を向上させることができる。
2…本体ケース
28…感光体ユニット
31K、31Y、31M、31C…感光体ドラム(感光体)
52…光電センサ(位相検知手段)
55…制御部(記憶手段、新旧検知手段)
Claims (5)
- 本体ケースと、
前記本体ケースに着脱可能であり、複数の感光体が取り付けられている感光体ユニットと、
各前記感光体の回転位相を検知する位相検知手段と、
前記感光体ユニットが新品であるときの各前記感光体の回転位相の組み合わせである新品位相パターンを記憶している記憶手段と、
前記位相検知手段によって検知される2以上の前記感光体の位相パターンが前記新品位相パターンと一致するか否かを判定し、一致する場合は、前記感光体ユニットは新品であると判定する新旧検知手段と、
を備え、
前記新旧検知手段は、判定後に2以上の前記感光体の位相パターンが前記新品位相パターンと一致しないように各前記感光体の回転を停止させる画像形成装置。 - 前記新旧検知手段は、判定後に各前記感光体の回転位相が一致するように各前記感光体の回転を停止させる請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記新旧検知手段は、前記位相検知手段によって検知される2以上の前記感光体の位相パターンと前記新品位相パターンとのずれ量が所定量以下である場合は、前記感光体ユニットは新品であると判定する請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記新旧検知手段は、特定の前記感光体を除外して他の前記感光体の位相パターンのみを用いて前記感光体ユニットが新品であるか否かを判定する請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記新旧検知手段は、前記感光体ユニットを装着する際に前記感光体ユニットが前記本体ケース内に向かって進行するときの進行方向の最も前側の感光体を除外する請求項4に記載の画像形成装置。
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