図1〜図14は、本発明のベルト装置及び画像形成装置の一実施例を示す図であり、図1は、本発明のベルト装置及び画像形成装置の一実施例を適用したタンデム型カラーレーザ複写装置1のブロック構成図である。
図1において、カラーレーザ複写装置1は、給紙部100、プリンタ部200及びスキャナ部300が順次重ねられた校正となっており、スキャナ部300の上には、原稿自動搬送装置(以下、ADFという。)400が搭載されている。
プリンタ部200は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ210Y、210C、210M、210Kからなる画像形成ユニット210、光書込ユニット230、中間転写ユニット240、2次転写部250、レジストローラ対260、ベルト定着方式の定着ユニット270及び用紙反転ユニット280等を備えている。
光書込ユニット230は、図示しない光源、ポリゴンミラー、fθレンズ、反射ミラー等を有し、各色の画像データに基づいて変調させたレーザ光を、各色のプロセスカートリッジ210Y、210C、210M、210Kの感光体211Y、211C、211M、211Kの表面に照射して、当該感光体211Y、211C、211M、211K上に各色の画像の静電潜像を形成する。
プロセスカートリッジ210Y、210C、210M、210Kは、図2に示すように構成されている。なお、図2は、イエロー用のプロセスカートリッジ210Yと、シアン用のプロセスカートリッジ210Cとの概略構成示しているが、他のプロセスカートリッジ210M、210Kについても、トナーの色が異なる点以外はそれぞれ同じ構成となっている。
プロセスカートリッジ210Y、210C、210M、210Kは、図2に示すように、ドラム状の感光体211Y、211C、211M、211K、帯電器212Y、212C、212M、212K、現像器213Y、213C、213M、213K、ドラムクリーニング装置214Y、214C、214M、214K及び除電器215Y、215C、215M、215K等を備えている。
上記帯電器212Y、212C、212M、212Kは、交流電圧が印加される帯電ローラを感光体211Y、211C、211M、211Kに摺擦させることで、ドラム表面を一様に帯電させる。なお、帯電器212Y、212C、212M、212Kとしては、帯電ローラに代えて帯電ブラシ等の他の部材を接触させるものであってもよく、また、接触帯電方式のものに限るものではなく、非接触帯電方式のスコロトロンチャージャを用いてもよい。
帯電処理の施された感光体211Y、211C、211M、211Kの表面には、光書込ユニット230によってそれぞれ各色の画像データに基づいて変調及び偏向されたレーザ光Lが照射され、感光体211Y、211C、211M、211Kのドラム表面に、それぞれ各色用の静電潜像が形成される。
プロセスカートリッジ210Y、210C、210M、210Kは、静電潜像の形成された各色の感光体211Y、211C、211M、211Kに現像器213Y、213C、213M、213Kからそれぞれ各色のトナーを供給して、当該静電潜像を現像して、それぞれ各色のトナー画像を形成させる。
そして、像担持体たる感光体211Y、211C、211M、211Kは、例えば、アルミニウム等からなる素管に、感光性を発揮する有機感光材からなる感光層が被覆されたドラム状のものが用いられているが、ドラム状のものに限るものではなく、ベルト状のものであってもよい。
現像器213Y、213C、213M、213Kは、ケーシング216Y、216C、216M、216K内に現像部217Y、217C、217M、217Kと攪拌部218Y、218C、218M、218Kとを有している。現像部217Y、217C、217M、217Kには、ケーシング216Y、216C、216M、216Kの開口から周面の一部を露出させる現像スリーブ219Y、219C、219M、219K及びドクターブレード220Y、220C、220M、220K等が設けられている。
筒状の現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kは、非磁性材料で形成されており、その表面がサンドブラスト処理等によって十点平均表面粗さRz10〜30[μm]程度まで粗面化されたものである。現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kは、この粗面化により、現像剤搬送能力が高められているが、粗面化の代わりに、表面に微小の溝を設けてもよい。現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kは、図示しない駆動機構によって回転され、回転駆動せしめられる現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kの内部には、マグネットローラ221Y、221C、221M、221Kが現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kに連れ回らないように固定されている。このマグネットローラ221Y、221C、221M、221Kは、その周方向に分かれる複数の磁極を有しており、これら磁極の影響により、現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kの周囲上に、複数の磁界を形成させる。
現像器213Y、213C、213M、213Kの攪拌部218Y、218C、218M、218Kには、2つの搬送スクリュウ222Y、222C、222M、222K、トナー濃度センサ(以下、Tセンサという。)223Y、223C、223M、223K等が設けられており、磁性キャリアと、マイナス帯電性のYトナーとを含む図示しない二成分現像剤が収容されている。この二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という)は、2つの搬送スクリュウ222Y、222C、222M、222Kによって図中奥行き方向に撹拌搬送されて摩擦帯電させられる。現像剤は、この攪拌搬送の際、現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kの表面に対してその軸線方向に接触することで、現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kの表面から攪拌部218Y、218C、218M、218K内に向けて伸びている磁界の影響によって現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kの表面に担持され、現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kの表面の回転に伴って攪拌部218Y、218C、218M、218K内から汲み上げられる。そして、現像剤は、現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kの表面の回転に伴ってドクターブレード220Y、220C、220M、220Kとの対向位置まで搬送される。この対向位置において、現像剤は、現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kとドクターブレード220Y、220C、220M、220Kとの間隙(500μm程度)をすり抜ける際に層厚が規制されるとともに、トナーの摩擦帯電が助長される。
現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kの表面とドクターブレード220Y、220C、220M、220Kとの間隙をすり抜けた現像剤は、現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kの表面の回転に伴って、感光体211Y、211C、211M、211Kに対向する現像領域に移動し、この現像領域では、マグネットローラ221Y、221C、221M、221Kが現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kの法線方向に強い磁力を発揮して、現像剤を穂立ちさせて磁気ブラシを形成する。形成された磁気ブラシは、その先端を感光体211Y、211C、211M、211Kに摺擦させながら移動して、感光体211Y、211C、211M、211K上のY用の静電潜像に各色のトナーを付着させる。この付着により、感光体211Y、211C、211M、211K上にトナー像が形成される。
現像によってトナーを消費した現像剤は、現像剤担持体たる現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kの回転に伴って現像器213Y、213C、213M、213K内に戻され、さらに、現像器213Y、213C、213M、213K内に形成されている反発磁界や重力の影響を受けて現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kの表面から離脱して、現像部217Y、217C、217M、217Kより低い位置に配設された攪拌部218Y、218C、218M、218K内に戻される。
上記攪拌部218Y、218C、218M、218K内において、2つの搬送スクリュウ222Y、222C、222M、222Kの間には仕切壁224Y、224C、224M、224Kが設けられている。この仕切壁224Y、224C、224M、224Kにより、攪拌部218Y、218C、218M、218K内が2つに仕切られている。2つの搬送スクリュウ222Y、222C、222M、222Kのうち、図中右側に配設されている方は、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、現像剤を図中手前側から奥側へと搬送しながら現像スリーブ219Y、219C、219M、219Kに供給する。図中奥端まで搬送された現像剤は、仕切壁224Y、224C、224M、224Kに設けられた図示しない開口部を通って図中左側の搬送スクリュウ222Y、222C、222M、222Kに受け渡される。そして、現像剤は、次に、この搬送スクリュウ222Y、222C、222M、222Kの回転駆動により、図中側から手前側へと搬送された後、仕切壁224Y、224C、224M、224Kに設けられた図示しないもう一方の開口部を通って図中右側の搬送スクリュウ222Y、222C、222M、222K上に戻される。このようにして、現像剤は、攪拌部218Y、218C、218M、218K内を循環搬送される。
透磁率センサからなるTセンサ223Y、223C、223M、223Kは、図中右側の搬送スクリュウ222Y、222C、222M、222Kの下方に設けられ、その上を搬送される現像剤の透磁率に応じた値の電圧を出力する。現像剤の透磁率は、トナー濃度とある程度の相関を示すため、Tセンサ223Y、223C、223M、223Kは、各色のトナー濃度に応じた値の電圧を、図5に示す制御部503に出力する。制御部503は、RAM等を備えており、このRAM等にTセンサ223Y、223C、223M、223Kからの出力電圧の目標値であるY用Vtref、M用Vtref、C用Vtref、K用Vtrefのデータを格納する。各色用のVtrefは、図示しない各色のトナー供給装置の駆動制御に用いられる。具体的には、上記制御部は、各色用のTセンサ223Y、223C、223M、223Kからの出力電圧の値を各色用Vtrefに近づけるように、図示しない各色のトナー供給装置を駆動制御して現像器213Y、213C、213M、213Kの攪拌部218Y、218C、218M、218K内に各色のトナーを補給させる。この補給により、現像器213Y、213C、213M、213K内の現像剤の各色トナー濃度が、所定の範囲内に維持される。
次に、ドラムクリーニング装置214Y、214C、214M、214Kについて説明する。感光体211Y、211C、211M、211K上に形成されたトナー像は、後述の中間転写ベルト241に中間転写され、中間転写後の感光体211Y、211C、211M、211Kの表面は、ドラムクリーニング装置214Y、214C、214M、214Kによって転写残トナーがクリーニングされる。ドラムクリーニング装置214Y、214C、214M、214Kは、ファーブラシ225Y、225C、225M、225K、回収ローラ226Y、226C、226M、226K、スクレーパブレード227Y、227C、227M、227K、回収スクリュウ228Y、228C、228M、228K、クリーニングブレード229Y、229C、229M、229K等を備えている。
上記ファーブラシ225Y、225C、225M、225Kは、芯材にアクリルカーボン製の起毛が無数に植毛されたローラ状ブラシであり、図示しない無数の起毛の先端を感光体211Y、211C、211M、211Kに順次摺擦させるように、感光体211Y、211C、211M、211Kとの対向部でカウンタ方向の表面移動となる図中反時計回りに回転駆動される。回収ローラ226Y、226C、226M、226Kは、ファーブラシ225Y、225C、225M、225Kに接触するように、ファーブラシ225Y、225C、225M、225Kとの対向部でカウンタ方向の表面移動となる図中反時計回りに回転駆動されながら、図示しない電源から正極性のクリーニングバイアスの印加を受ける。感光体211Y、211C、211M、211K上の転写残トナーは、ファーブラシ225Y、225C、225M、225Kの起毛によって掻き取られてファーブラシ225Y、225C、225M、225K内に捕捉された後、クリーニングバイアスの影響を受けて回収ローラ226Y、226C、226M、226Kの表面に静電的に付着されることで回収される。回収された転写残トナーは、回収ローラ226Y、226C、226M、226Kに当接するスクレーパブレード227Y、227C、227M、227Kによって回収ローラ226Y、226C、226M、226Kの表面から掻き取られて、回収スクリュウ228Y、228C、228M、228K上に落下し、回収スクリュウ228Y、228C、228M、228Kは、回転駆動されることで、落下してきた転写残トナーを受け取って、図示しないトナーリサイクル装置に送る。
上記ファーブラシ225Y、225C、225M、225Kで捕捉し切れなかった感光体211Y、211C、211M、211K上の転写残トナーは、ファーブラシ225Y、225C、225M、225Kよりも感光体211Y、211C、211M、211Kの回転方向下流側に配設されたクリーニングブレード229Y、229C、229M、229Kによって掻き取られて、ファーブラシ225Y、225C、225M、225Kに捕捉されるようになる。このクリーニングブレード229Y、229C、229M、229Kは、例えば、ポリウレタンゴム製等の弾性材料で形成されている。
ドラムクリーニング装置214Y、214C、214M、214Kによってクリーニングされた感光体211Y、211C、211M、211Kは、回転に伴って、除電器215Y、215C、215M、215Kによって除電され、帯電器212Y、212C、212M、212Kによって一様帯電されて、初期状態に戻って、再度画像形成に供される。
図3は、上記画像形成ユニット210、中間転写ユニット240、2次転写部250、レジストローラ対260及び定着ユニット270部分の拡大構成図である。中間転写ユニット(ベルト装置)240は、中間転写ベルト241やベルトクリーニング装置242等を有しており、中間転写ベルト241は、張架ローラ243、駆動ローラ244及び2次転写バックアップローラ245に張り渡されている。中間転写ベルト241を挟んで、各感光体211Y、211C、211M、211Kに対向する位置に、4つの中間転写バイアスローラ246Y、246C、246M、246Kが配設されており、各中間転写バイアスローラ246Y、246C、246M、246Kの間の位置に、3つの接地ローラ247が配設されている。
中間転写ベルト(ベルト部材)241は、図4に示すように、ベルトループ内側からベース層241a、弾性層241b及び表面層241cを有している。ベース層241aは、例えば、伸びの少ないフッ素系樹脂や伸びの大きなゴム材料に帆布等の伸び難い材料を含有または積層した層であり、表面層241cは、フッ素系樹脂等の表面エネルギーが低くてトナーと良好な離型性を発揮する材料からなる層である。弾性層241bは、例えば、フッ素系ゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム等の弾性材料からなる層であり、中間転写ベルト241全体にある程度の弾性を発揮させるために設けられている。
弾性層241bを設ける理由は、次に説明する理由による。すなわち、古くは、中間転写ベルト241を樹脂材料からなる一層構造としていたが、本実施例のカラーレーザ複写装置1のように4色トナー像を形成するものでは、このような一層構造であると、文字の中抜けやベタ部のエッジ抜け等の現象が発生し易くなり、これらの抜けの発生にはトナー同士の凝集力が関与している。具体的には、4色トナー像中の各色トナー層は、重ね合わせの中間転写工程から一括2次転写工程までを経由する間に、各ニップに進入することで繰り返し圧力を受けて、その度にトナー同士の凝集力が高められ、2次転写直前では、トナー同士の凝集力が相当に高められて、中抜けやエッジ抜けを発生させ易くなる。そこで、弾性層241bを設けることで、中間転写ベルト241全体にある程度の弾性を発揮させるようにし、各ニップでの加圧によるトナー同士の凝集を軽減して、中抜けやエッジ抜けの発生を抑えることができる。また、近年においては、フルカラー画像を普通紙のみならず、和紙や意図的に凹凸が設けられた表面凹凸紙等の特殊紙にも出力したいという要求が高まっている。しかしながら、これらの特殊紙では、その表面の凹凸に起因して各ニップにおける感光体211Y、211C、211M、211Kや中間転写ベルト241との密着性が低くなるため、転写不良を引き起こし易い。弾性層241bを設けると、ベルト表面を特殊紙の表面形状に沿わせて柔軟に変形させることが可能なため、特殊紙とベルトとの密着性を高めて特殊紙での転写不良の発生を抑えることもできる。
中間転写ベルト241は、上記図3において、上述した張架ローラ243を含む10本のローラ(張架部材)によってテンション張架されており、制御部503によって駆動制御されるベルト駆動モータ502(図5参照)によって駆動される駆動ローラ244の回転によって図3中時計回りに無端回転移動される。
4つの中間転写バイアスローラ246Y、246C、246M、246Kは、それぞれ中間転写ベルト241のベース層241a側(内周面側)に接触するように配設されており、図示しない電源から中間転写バイアスの印加を受ける。また、中間転写ベルト241をそのベース層241a側から感光体211Y、211C、211M、211K、C、M、Kに向けて押圧してそれぞれ中間転写ニップを形成する。各中間転写ニップには、上記中間転写バイアスの影響により、感光体211Y、211C、211M、211Kと中間転写バイアスローラ246Y、246C、246M、246Kとの間に中間転写電界が形成される。感光体211Y、211C、211M、211K上に形成された各色のトナー像は、この中間転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト241上に中間転写される。中間転写ベルト241には、まず、Y色のトナー像がY色の感光体211Yから転写され、その後、このY色のトナー像の上に、C、M、Kの各色の感光体211C、211M、211KC、から各色のトナー像が順次重ね合わせて中間転写される。
この感光体211Y、211C、211M、211Kから中間転写ベルト241への重ね合わせの中間転写により、中間転写ベルト241上には、多重トナー像たる4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
ベルト部材たる中間転写ベルト241は、各中間転写ニップの間に位置する部分に、それぞれベース層241a側から接地ローラ247が当接しており、接地ローラ247は、導電性の材料で構成されている。そして、接地ローラ247は、各中間転写ニップで中間転写バイアスローラ246Y、246C、246M、246Kから中間転写ベルト241に伝わった中間転写バイアスによる電流が、他の中間転写ニップやプロセスカートリッジ210Y、210C、210M、210Kにリークするのを阻止している。
中間転写ベルト241上に重ね合わせ転写された4色トナー像は、後述の2次転写ニップで図示しない転写紙に2次転写される。2次転写ニップ通過後の中間転写ベルト241の表面に残留する転写残トナーは、図中左側の駆動ローラ244との間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置242によってクリーニングされる。なお、図3では、ベルトクリーニング装置242として、上述のドラムクリーニング装置214Y、214C、214M、214Kと同様にファーブラシ方式とクリーニングブレード方式とを併用させたものを用いているが、何れか一方の方式のクリーニング装置であってもよい。
この中間転写ユニット240の下方には、2次転写部250が配設されており、2次転写部250は、紙搬送ベルト251が2本の張架ローラ252によって張架されている。紙搬送ベルト251は、少なくとも何れか一方の張架ローラ252の回転駆動に伴って、図3中反時計回りに無端回転移動され、2本の張架ローラ252のうち、図3中右側に配設された一方の張架ローラ252は、中間転写ユニット240の2次転写バックアップローラ245との間に、中間転写ベルト241及び紙搬送ベルト251を挟み込んだ状態となっている。この挟み込みにより、中間転写ユニット240の中間転写ベルト241と、2次転写部250の紙搬送ベルト251とが接触する2次転写ニップが形成されている。
そして、この2次転写バックアップローラ245側の張架ローラ252には、トナーと逆極性の2次転写バイアスが図示しない電源によって印加され、この2次転写バイアスの印加により、2次転写ニップには中間転写ユニット240の中間転写ベルト241上の4色トナー像を中間転写ベルト241側から2次転写バックアップローラ245側の張架ローラ252側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成される。レジストローラ対260によって中間転写ベルト241上の4色トナー像に同期するように2次転写ニップに転写紙(記録媒体)が送り込まれ、この2次転写ニップに送り込まれた転写紙に、2次転写電界やニップ圧の影響を受けた4色トナー像が2次転写される。なお、このように2次転写バックアップローラ245側の張架ローラ252に2次転写バイアスを印加する2次転写方式に代えて、転写紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
上記2次転写ニップよりも中間転写ベルト241の移動方向上流側に、レジストローラ対260が配設されており、レジストローラ対260のローラ間には、後述する給紙部100からプリンタ部200内に給紙された転写紙が搬送されてくる。一方、上記中間転写ユニット240において、中間転写ベルト241上に形成された4色トナー像は、中間転写ベルト241の無端回転移動に伴って2次転写ニップに進入する。レジストローラ対260は、ローラ間に挟み込んだ転写紙を2次転写ニップで4色トナー像に密着させるタイミングにタイミング調整して送り出し、2次転写ニップでは、中間転写ベルト17上の4色トナー像がタイミング調整して送られてきた転写紙に密着して、転写紙上に2次転写されて、白色の転写紙上でフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された転写紙は、紙搬送ベルト251の無端回転移動に伴って2次転写ニップを出た後、紙搬送ベルト251上から定着ユニット270に送られる。なお、レジストローラ対260は、接地されていてもよいし、転写紙から受ける紙粉の除去のためにバイアスを印加してもよい。また、バイアスとしては、DCバイアスだけに限るものではなく、ACバイアスにDCバイアスを重畳したものでもよい。
定着ユニット270は、図3に示すょうに、定着ベルト271を加熱ローラ272と従動ローラ273によって張架しながら無端回転移動させるベルトユニット274と、このベルトユニット274の加熱ローラ272に押圧される加圧ローラ275とを備えている。定着ベルト271と加圧ローラ275とは、互いに当接して定着ニップを形成しており、紙搬送ベルト251から受け取った転写紙を定着ニップに挟み込む。ベルトユニット274の加熱ローラ272は、内部に図示しない熱源を有しており、この熱源の発熱によって定着ベルト271を加熱し、加熱された定着ベルト271が、定着ニップに挟み込まれた転写紙を加熱する。この加熱やニップ圧の影響により、フルカラー画像が転写紙に定着される。
再び、図1において、給紙部100は、ペーパーバンク101内に多段に給紙カセット102が収納されており、各給紙カセット102には、それぞれ用紙サイズの異なる転写紙が複数枚収納可能である。各給紙カセット102には、当該給紙カセット102内の転写紙を送り出す給紙ローラ103と給紙ローラ103で送り出された転写紙を1枚ずつ分離して送り出す分離ローラ104が配設されており、給紙部100には、それぞれの給紙カセット102から送り出された転写紙をプリンタ部200に搬送する給紙路105と搬送ローラ106が配設されている。給紙部100は、原稿読取動作の開始とほぼ同時に、給紙動作を開始して、給紙ローラ103の1つが選択回転され、ペーパーバンク101内の多段に収容されている給紙カセット102の1つから転写紙を送り出す。給紙部100は、送り出された転写紙を、分離ローラ104で1枚ずつ分離して給紙路105に進入させた後、搬送ローラ106によってプリンタ部200内の給紙路203に給紙する。
また、カラーレーザ複写装置1は、プリンタ部200の側面に、手差しトレイ204が設けられており、また、手差しトレイ204上の転写紙を1枚ずつ分離して送り出す給紙ローラ205と分離ローラ206が設けられている。
そして、カラーレーザ複写装置1は、手差しトレイ204が選択されると、給紙ローラ205を回転駆動させて、手差しトレイ204上の転写紙を送り出すとともに、分離ローラ206で1枚ずつ分離してプリンタ部200の手差し給紙路207に給紙する。
カラーレーザ複写装置1は、プリンタ部200内の給紙路203あるいは手差し給紙路207に給紙された転写紙を、レジストローラ対260、2次転写ニップを経由させて搬送して、4色トナー像を2次転写させ、定着ユニット270でトナー像を定着させた後、機外へと排出する。
そして、定着ユニット270を通過した転写紙は、図1の排紙ローラ対201を経て機外へと排出されてスタック部57にスタックされるか、あるいは、定着ユニット270の下方に配設された用紙反転ユニット280に送られる。
用紙反転ユニット280は、送り込まれてきた転写紙を上下反転された後、再度、中間転写ユニット240の中間転写ベルト241と2次転写部250の紙搬送ベルト251とが接触する2次転写ニップに搬送して、他面(裏面)にも4色トナー像を2次転写させ、定着ユニット270を経由してから機外へと排出させる。なお、転写紙を定着ユニット270から排紙ローラ対201に送るのか、あるいは、用紙反転ユニット280に送るのかは、切換爪202による紙搬送路の切り換えによって行われる。
スキャナ部300は、コンタクトガラス301、光源と第1ミラーを搭載する第1走行体302、第2ミラーと第3ミラーを搭載する第2走行体303、結像レンズ304及び読取センサ305等を備えており、第1走行体302及び第2走行体303は、コンタクトガラス301の下方のカラーレーザ複写装置1の本体筐体内に収納されて、副走査方向(図1の左右方向)に移動可能に配設されている。スキャナ部300は、第1走行体302と第2走行体303が副走査方向に移動しつつ、第1走行体302上の光源からコンタクトガラス301上にセットされた原稿に読取光を照射して、当該読取光の原稿からの反射光を第1走行体302上の第1ミラーで第2走行体303上の第2ミラーに反射し、第2ミラーで入射光を第2走行体303上の第3ミラーに反射して、第3ミラーで、入遮光を結像レンズ304方向に反射する。結像レンズ304は、入射光を読取センサ305に集光させ、読取センサ305は、入射光を光電変換して、原稿の画像を読み取る。
ADF400は、原稿台401、給紙ローラ402、分離ローラ403、搬送ローラ404、搬送ベルト405、排紙ローラ406及び排紙台407等を備えており、コンタクトガラス301を開閉可能にカラーレーザ複写装置1の本体筐体に取り付けられている。
ADF400は、開くことでコンタクトガラス301の上面を開放して、コンタクトガラス301上へのブック型原稿等の原稿のセットを可能とし、コンタクトガラス301上に原稿がセットされた状態で閉じられると、当該原稿をコンタクトガラス301上に押しつける押さえ板としての機能を果たす。
ADF400は、閉じられた状態で、原稿台401上にシート状の原稿がセットされ、読み取り開始が指示されると、給紙ローラ402で原稿台401上の原稿を送り出して、分離ローラ403で当該送り出される原稿を1枚ずつ分離する。ADF400は、1枚ずつ分離されて送り出された原稿を搬送ローラ404で搬送ベルト405に搬送し、搬送ベルト405で、搬送されてきた原稿をコンタクトガラス301上の読取位置に搬送してセットする。ADF400は、コンタクトガラス301上の読取位置の原稿のスキャナ部300による読み取りが完了すると、当該読み取りの完了した原稿を搬送ベルト405で排紙ローラ406へと搬送して、搬送ローラ406で、排紙台407上に排出する。
次に、このカラーレーザ複写装置1の基本動作について説明する。カラーレーザ複写装置1は、原稿のコピーを取る場合には、例えば、シート状の原稿の束がADF400の原稿台401上にセットされる。但し、原稿がブック状に閉じられている片綴じ原稿(ブック型原稿)である場合には、ADF400が開かれて、スキャナ300のコンタクトガラス402が露出され、片綴じ原稿がコンタクトガラス402上にセットされて、その後、閉じられたADF400によって片綴じ原稿が押さえられる。
このようにして原稿がセットされた後、図示しない操作部のコピースタートキーが押下されると、カラーレーザ複写装置1は、スキャナ300による原稿読取動作を開始する。ただし、ADF400にシート原稿がセットされた場合には、この原稿読取動作に先立って、自動搬送装置400がシート原稿をコンタクトガラス402上の読取位置まで自動搬送する。
原稿読取動作では、まず、第1走行体302と第2走行体303がともに副走査方向への走行を開始し、第1走行体302に設けられた光源から光が原稿に発射される。原稿面で反射された反射光が第1走行体302上の第1ミラー、第2走行体303上の第2ミラー、第3ミラーによって順次反射されて、結像レンズ304に入射され、結像レンズ304で読取センサ305に読取センサ305に入射される。読取センサ305は、入射光を光電変換して、原稿の画像を読み取る。
カラーレーザ複写装置1は、この原稿読取動作と並行して、各プロセスカートリッジ210Y、210C、210M、210K内の各機器や中間転写ユニット240、2次転写部250、定着ユニット270がそれぞれ駆動を開始し、読取センサ305によって構築された画像情報に基づいて、光書込ユニット230を駆動制御して、各感光体211Y、211C、211M、211K上に、Y、C、M、Kのトナー像を形成する。カラーレーザ複写装置1は、各感光体211Y、211C、211M、211K上のトナー像を、中間転写ベルト241上に重ね合わせて転写させ、4色トナー像を中間転写ベルト241上に形成させる。
カラーレーザ複写装置1は、原稿読取動作の開始とほぼ同時に、給紙部100の給紙動作を開始させ、給紙ローラ103の1つを選択回転させて、ペーパーバンク101内に多段に収容されている給紙カセット102の1つから転写紙を送り出させる。給紙部100は、給紙ローラ103の送り出した転写紙を、分離ローラ104で1枚ずつ分離して給紙路105に進入させ、搬送ローラ106でプリンタ部200内の給紙路203に給紙する。なお、転写紙としては、給紙部100から搬送するだけでなく、上述のように、手差しトレイ204から給紙を行ってもよい。
カラーレーザ複写装置1は、プリンタ部200内の給紙路203あるいは手差し給紙路207に給紙された転写紙を、レジストローラ対260を介して2次転写ニップに送って、2次転写ニップ部で中間転写ベルト241上の4色トナー像を転写紙に2次転写させ、定着ユニット270で定着させた後、機外へと排出する。
なお、タンデム型の電子写真方式でカラー画像を形成する場合には、直接転写方式のものよりも、本実施例のカラーレーザ複写装置1のような間接転写方式のものを採用することが望ましい。すなわち、電子写真方式のタンデム型には、転写紙等の記録媒体に対して直接転写を行う直接転写方式と、間接転写を行う間接転写方式とがある。直接転写方式のタンデム型とは、例えば、図15に示すように、各色のプロセスカートリッジ1000Y、1000M、1000C、1000Kからなる画像形成ユニット1010との対向位置に紙搬送ユニット1020を備えており、この紙搬送ユニット1020によって搬送している転写紙等の記録媒体に対して、各色のプロセスカートリッジ1000Y、1000M、1000C、1000Kから各色のトナー像を直接的に重ね合わせて転写する方式である。この直接転写方式では、記録媒体の搬送経路を直線的に構成しようとすると、図 15に示すように、画像形成ユニット1010の両脇に定着部1030や紙搬送ユニット1020への給紙機構1040を設ける必要があり、画像形成装置本体の平面積が大きくなってしまうという欠点がある。また、大型化を防止するために、定着部1030を紙搬送ユニット1020に接近して配置すると、両者間で記録媒体を撓ませるスペースを確保することができず、両者の搬送速度差等によって不良画像を生じるおそれがある。
一方、本実施例のカラーレーザ複写装置1のように、間接転写方式のタンデム型は、各単色トナー像を中間転写体である中間転写ベルト241上に重ね合わせ転写して多色トナー像を得た後、記録媒体に一括転写する方式である。この間接転写方式では、画像形成ユニット210と2次転写部250との間に中間転写ベルト241を介在させることで、給紙機構や定着部を画像形成ユニット210の上下方向に配設して、平面積の大型化を抑えることができる。
そして、カラーレーザ複写装置1は、図5に、中間転写ユニット240の要部とその周囲とを示すように、Y用の感光体211Yの図中左側方に、スケール検知センサ(スケール検知手段)501が配設されており、スケール検知センサ501は、中間転写ベルト241の表面に設けられた後述のスケールシール(スケール)505(図6参照)内の目盛を検知する。中間転写ベルト241を無端回転移動させる張架ローラ243には、図示しないギヤ等からなる駆動伝達系を介してベルト駆動モータ(ベルト駆動手段)502が接続されており、ベルト駆動モータ502が駆動伝達系を介して張架ローラ243を回転駆動させることで、張架ローラ243に張架されている中間転写ベルト241を無端回転移動させる。そして、ベルト駆動モータ502は、制御部503によりその駆動が制御される。
そして、中間転写ベルト241は、中間転写ベルト241の端部の拡大平面図である図6に示すように、中間転写ベルト241の一方の端部付近(図5の手前側の端部付近)に、中間転写ベルト241の表面全周に渡ってスケールシール505が貼り付けられている。中間転写ベルト241のシール貼り付け領域は、ベルト幅方向の非画像領域であり、各色のトナー像は、このシール貼り付け領域よりもベルト中央側に転写される。スケールシール505は、シール表面のバックグラウンドとなる低反射率部505aと、シール長さ方向に所定幅を有し所定ピッチで形成されているスリット状の複数の高反射率部505bと、形成されている。中間転写ベルト241が無端回転移動されると、低反射率部505aと高反射率部505bとがスケール検知センサ501に交互に検知される。
なお、本実施例のカラーレーザ複写装置1では、中間転写ベルト241がその駆動開始から終了までの間に、1周未満の無端回転移動量で重ね合わせの中間転写と一括2次転写とを完了し得る長さに形成されており、転写紙1枚にフルカラー画像を出力する間に、中間転写ベルト241を1周以上無端回転移動させずに、転写紙1枚へのフルカラー画像の出力を終えることができる。
上記スケール検知センサ501は、スケール検知センサ501の出力電圧とスケールシール505との関係を説明するための模式図である図7に示すように、発光素子501aと受光素子501bとを有する反射型フォトセンサが用いられており、発光素子501aから出射された光が、スケールシール505の表面で反射して、受光素子501bに入射される。
スケール検知センサ501は、受光素子501bの受光量に応じた電圧値の電圧を、図5の制御部503に出力し、このスケール検知センサ501によるスケールシール505の低反射率部505aと高反射率部505bの目盛検知ピッチは、中間転写ベルト241が設計基準速度で等速に無端回転移動されているときには、図7に示すように、T秒となる。具体的には、スケール検知センサ501は、目盛である高反射率部505bでの光反射に基づくHigh(高)電圧をt1秒間出力した後、低反射率部505aでの光反射に基づくLow(低)電圧をt2秒間出力するという出力変化を繰り返し、High電圧の立ち上がり部の発生間隔が目盛検知ピッチとなって、「t1+t2=T秒」となる。この目盛検知ピッチは、高反射率部505bを目盛とした場合の時間間隔であるが、低反射率部505aを目盛とした場合にも、同様の値になる。具体的には、目盛である低反射率部505aに基づくLow電圧の出力がt2秒間行われた後、高反射率部505bに基づくHigh電圧の出力がt1秒間行われ、Low電圧の立ち下がり部の出現間隔がT秒になる。したがって、中間転写ベルト241が設計基準速度で等速に無端回転移動されている限り、スケール検知センサ501による目盛検知ピッチがT秒となる。
中間転写ベルト241の無端回転移動速度(以下、ベルト速度という。)がベルト厚み偏差等に起因して変動すると、目盛検知ピッチがT秒から変動する。目盛検知ピッチがT秒よりも長くなると、ベルト速度が設計基準速度よりも遅くなったことを示しており、目盛検知ピッチがT秒よりも短くなると、ベルト速度が設計基準速度よりも速くなったことを示している。
そして、本実施例のカラーレーザ複写装置1は、図8に示すように、回路ブロック構成されており、上記制御部503、スケール検知センサ501、上記スキャナ部300の読取センサ305、上記プリンタ部200のベルト駆動モータ502、光書込ユニット230、画像形成ユニット210及びマーク検知センサ510等を備えている。
制御部503は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、ROM内のプログラムに基づいてRAMをワークメモリとして利用しつつ、各センサの検出結果や図示しない操作部の指示等を参照して、読取センサ305、ベルト駆動モータ502、光書込ユニット230、画像形成ユニット210等のカラーレーザ複写装置1の各部を制御して、カラーレーザ複写装置1としての基本動作処理を制御するとともに、スケール検知センサ501及びマーク検知センサ510の検知結果に基づいてベルト駆動モータ502の動作をフィードバック制御して中間転写ベルト241へのトナー像の重ね合わせ制御を行う。
上記マーク検知センサ510は、図9に示すように、中間転写ベルト241のベルト幅方向のスケール検知センサ501の隣に配設されており、反射型フォトセンサが用いられている。
そして、中間転写ベルト241には、図9に示すように、基準マーク505kが設けられており、基準マーク505kの形成領域(基準マーク形成領域)は、非画像部となっていて、各色トナー像は基準マーク505kよりも中間転写ベルト241のベルト中央側に転写される。
マーク検知センサ(基準マーク検知手段)510は、その検知位置が基準マーク505kの通過位置に設定されており、基準マーク505kが通過する際の光反射率の変化に基づいて、基準マーク505kを検知して、検知結果を制御部503に出力する。
そして、図9に示すように、中間転写ベルト241は、図9の左端のベルト部分が、張架ローラ252によって張架されながら、図中左端から右側へと回転移動するが、この移動の際、そのベルト部分がY用の中間転写ニップに進入するのに先立って、スケール検知センサ501との対向位置を通過して、スケールシール505の目盛(低反射率部505aや高反射率部505b)をスケール検知センサ501が検知する。中間転写ベルト241は、その表面のスケールシール505の先端505sと後端505eとの間に、ベルト周長の偏差に起因してギャップが形成されている。
そして、基準マーク505kは、このスケールシール505のギャップの存在している位置であって、スケールシール505よりもベルト幅方向中央側にずれた箇所に設けられている。基準マーク505kは、無垢の中間転写ベルト241の表面よりも高反射率または低反射率になるように加工されており、マーク検知センサ510の検知位置を基準マーク505kが通過する際の光反射率の変化に基づいて、マーク検知センサ510が、基準マーク505kを検知する。
次に、本実施例の作用を説明する。まず、カラーレーザ複写装置1の制御部503による中間転写ベルト241のベルト駆動フィードバック制御について、図10に基づいて説明する。
制御部503は、中堅転写ベルト241のベルト駆動フィードバック制御では、図10に示すように、まず、スケール検知センサ501からの出力電圧値に基づいて、目盛検知ピッチPrを演算する(ステップS101)。すなわち、制御部503は、中間転写ベルト241のスケールシール505の低反射率部505aと高反射率部505bのうち、高反射率部505bの反射のスケール検知センサ501の検出電圧であるHigh電圧の立ち上がり部、あるいは、低反射率部505aの反射のスケール検知センサ501の検出電圧であるLow電圧の立ち下がり部の発生間隔をカウントすることによって目盛検知ピッチPrを演算する。
次いで、制御部503は、演算した目盛検知ピッチPrをピッチ基準値Pb(上記T秒に対応する値))と同じであるか否か判断し(ステップS102)、同じであると、中間転写ベルト241のベルト速度変動が起こっていないと判断して、次の目盛検知ピッチPrを検出するために、リターンして、上記同様に処理する。
ステップS102で、演算した目盛検知ピッチPrがピッチ基準値Pbと異なるときには、制御部503は、中間転写ベルト241のベルト速度変動が起こっていると判断して、ベルト速度を設計基準速度に戻すために、「Pr−Pb」の解に応じた比率でベルト駆動モータ502の回転速度を増減制御し(ステップS103)、リターンして上記同様に処理する。
このように、ベルト駆動のフィードバック制御では、目盛検知ピッチPrとピッチ基準値Pbとの比較結果をベルト駆動モータ502の駆動制御にフィードバックさせることで、ベルト速度変動を抑えている。なお、制御部503は、「Pr−Pb」の解がプラスの値になった場合には、その値に応じた比率でベルト駆動モータ502の回転速度を減速させることで、ベルト速度を設計基準速度まで遅くし、「Pr−Pb」の解がマイナスの値になった場合には、その値に応じた比率でベルト駆動モータ502の回転速度を上昇させて、ベルト速度を設計基準速度まで速くする。このように、中間転写ベルト241のベルト速度変動を抑えることで、ベルト速度変動に起因する各色トナー像の重ね合わせズレを抑えることができる。
ところが、中間転写ベルト241の周長に偏差があると、どうしても目盛ピッチ異常箇所が生じてしまう。例えば、中間転写ベルト241のベルト周長が基準よりも長くなると、図11に示すように、スケールシール505のベルト周方向の貼り合わせ開始点となる先端505sと、貼り合わせ終了点となる後端505eとが、ピッタリと繋ぎ合わされなくなる。そして、先端505sと後端505eとの間にギャップが形成されてしまい、スケールシール505内で最も先端505s側に位置する高反射率部505bと、最も後端505e側に位置する高反射率部505bとの間隔が基準よりも大きくなる。
このように先端505sと後端505eの高反射率部505b相互間の間隔が基準よりも大きくなると、スケール検知センサ501の当該高反射率部505bのHigh電圧の立ち上がり部や低反射率部505aのLow電圧の立ち下がり部の発生タイミングがそのギャップの長さ分だけ遅れる。したがって、目盛検知ピッチPrが、本来であればベルト周方向の高反射率部505bの長さL1と、これに隣設する低反射率部505aの長さL2との合計L3に対応する目盛検知ピッチPrとなるべきところが、この目盛検知ピッチPrよりもギャップ分だけ長い検知ピッチとなる。その結果、最も先端505s側に位置する高反射率部505bと、最も後端505e側に位置する高反射率部505bとの間は、中間転写ベルト241のベルト速度が変動していないにもかかわらず、目盛検知ピッチPrが変動させてしまい、目盛ピッチ異常箇所となる。
このようなスケールシール505の目盛ピッチ異常箇所は、制御部503に中間転写ベルト241のベルト速度が低下していると誤認させて、上記フィードバック制御に反映させてしまう。そして、中間転写ベルト241のベルト速度を基準よりも速めて、かえって速度変動を助長してしまうことになる。
また、例えば、図11の中間転写ベルト241のベルト周長が基準よりも長くなった場合とは逆に、中間転写ベルト241のベルト周長が基準よりも短くなると、スケールシール505の先端505s側と後端505e側とが重なった目盛ピッチ異常箇所となり、かかる目盛ピッチ異常箇所では、ベルト速度の上昇を誤認させて、同様にベルト速度変動を助長させてしまう。
そこで、本実施例のカラーレーザ複写装置1は、上記マーク検知センサ510による基準マーク505kの検知結果に基づいて、これらの誤認を回避する処理を、図12に示すように行う。
すなわち、制御部503は、図12に示すように、まず、操作者によるコピースタート命令等に基づいてベルト駆動を開始すると(ステップS201)、ベルト速度が安定化するまで制御処理を中断する(ステップS202)。すなわち、ベルト駆動開始直後は中間転写ベルト241のベルト速度が設計基準速度まで上昇していないため、すぐにフィードバック制御を行うと、逆にベルト速度変動を生じさせることとなるので、ベルト駆動開始直後では、ベルト速度が安定化するまで待機する。このベルト速度の安定化の判断は、例えば、ベルト駆動開始直後から高反射率部505bの反射のスケール検知センサ501の検出電圧であるHigh電圧の立ち上がり部、あるいは、低反射率部505aの反射のスケール検知センサ501の検出電圧であるLow電圧の立ち下がり部が所定回数検知するか、所定時間が経過するのを待つことで行う。
ステップS202で、ベルト速度が安定化すると、制御部503は、上記図10に示した中間転写ベルト241のベルト駆動フィードバック制御処理を開始し(ステップS203)、光書込ユニット230による光書込を開始すると(ステップS204)、各色トナー像の重ね合わせ転写が終了するのを待って(ステップS205)、残り出力ジョブが有るか否かチェックする(ステップS206)。
ステップS206で、1枚限りのコピーやプリントアウト(以下、1枚出力という。)が命令されている場合のように残り出力ジョブが存在しないときには、制御部503は、マーク検知センサ510が基準マーク505kを検出するのを待ち(ステップS207)、マーク検知センサ510が基準マーク505kを検出すると、検出直後にベルト駆動を停止して一連の制御処理を終了する(ステップS208)。
上記中間転写ベルト241は、基準マーク505kをほぼ上記マーク検知センサ510に検知される位置で、無端回転移動が停止する。この中間転写ベルト241のベルト停止位置を中間転写ベルト241の「ホームポジション」という。このホームポジションは、スケールシール505の目盛ピッチ異常箇所をスケール検知センサ501に検知させる手前の位置でもある。
ホームポジションで駆動停止された中間転写ベルト241は、次回の画像形成プロセスが開始されると、その目盛ピッチ異常箇所がスケール検知センサ501で検知されながら、無端回転移動を開始することになる。そして、中間転写ベルト241の速度が安定化するまでの間に、目盛ピッチ異常箇所をスケール検知センサ501による検知位置から完全に待避させる。
このようにして目盛ピッチ異常箇所が検知位置から待避した後に、図12のステップS204で、フィードバック制御が開始される。
1枚出力の画像形成プロセスである場合、検知位置から待避した目盛ピッチ異常箇所がベルト無端回転移動に伴って1周して再び検知位置に戻ってくる前に、フルカラー画像の出力は完了する。したがって、光書込が開始されたり、各色トナー像の重ね合わせ転写が行われたりするときのフィードバック制御で、目盛ピッチ異常箇所がスケール検知センサ501に検知されてベルト速度変動が誤認されるという事態が起こらない。
このように、マーク検知センサ510による検知結果に基づいて中間転写ベルト241をホームポジションで停止させることで、次の1枚目の出力において、目盛ピッチ異常箇所に起因するトナー像の重ね合わせズレを回避することができる。
なお、中間転写ベルト241をホームポジションで停止させることで、次の1枚目の出力におけるフィードバック制御で目盛ピッチ異常箇所をスケール検知センサ501に検知させないようにした例について説明したが、次のような位置でベルト駆動を停止させてもよい。すなわち、次のフィードバック制御中に目盛ピッチ異常箇所をスケール検知センサ501に検知させるが、少なくとも各色トナー像の重ね合わせ開始から終了までの間は検知させずにベルト駆動を継続し得る位置である。
この場合、光書込中も目盛ピッチ異常箇所を検知させない位置であるとより好適である。すなわち、本実施例のカラーレーザ複写装置1のように、中間転写ベルト241を感光体211Y、211C、211M、211Kに当接させて中間転写ニップを形成しているものにおいては、中間転写ベルト241のベルト速度変動に伴って感光体211Y、211C、211M、211Kの周速を変動させ、光書込位置を乱してしまうおそれがあるため、光書込中にも目盛ピッチ異常箇所を検知させないことで、このような乱れによるトナー像の乱れを回避することもできる。
このように、中間転写ベルト241をホームポジションで停止させることで、次の1枚目の出力において目盛ピッチ異常箇所に起因するトナー像の重ね合わせズレを回避することができるが、2枚目以降の出力では、問題が残る。すなわち、連続コピーや連続プリントのように複数枚の画像出力がなされる場合には、中間転写ベルト241が1周以上無端回転移動するため、中間転写ベルト241の駆動が停止する前に目盛ピッチ異常箇所が再びスケール検知センサ501に検知され、ベルト速度変動が誤認されて、2枚目以降の出力でトナー像の重ね合わせズレを引き起こす可能性がある。
そこで、本実施例のカラーレーザ複写装置1は、2枚目以降の出力について、上記基準マーク505kの検知タイミングに基づいて各色用の静電潜像の光書込を開始する。
具体的には、制御部503は、ステップS206で、残りプリントジョブがあると、2枚目以降の出力があると判断して、基準マーク505kをマーク検知センサ510が検知するのを待って(ステップS209)、ステップS204に移行して、次の出力用の光書込を開始し(ステップS204)、以降、上記同様に処理する(ステップS204〜S209)。
そして、2枚目以降の出力についても、光書込や重ね合わせ転写の途中で目盛ピッチ異常箇所が検知されて、ベルト速度変動が誤認されて、2枚目以降の出力でトナー像の重ね合わせズレを引き起こすことを回避することができる。
このように、マーク検知センサ510の検知結果に基づいて、光書込の開始タイミング、ひいては重ね合わせ転写の開始タイミングを決定することで、2枚目以降の出力についても、目盛ピッチ異常箇所に起因するトナー像の重ね合わせズレを回避することができる。
そして、中間転写ベルト241の速度制御に影響するのは、上記中間転写ベルト241の周長に偏差だけでなく、中間転写ベルト241のスケールシール505部分の汚れがある。すなわち、スケールシール505が汚れてくると、高反射率部505bの光反射率が低下してベルト速度変動の誤認を引き起こす場合がある。
そこで、本実施例のカラーレーザ複写装置1は、スケール検知センサ501からのHigh電圧の最小閾値を設定し、この最小閾値を下回るHigh電圧パルス波を検知した場合には、シール汚れ警報を報知出力する。
ところが、この警告を出力するのは、最終に近い判断であって、汚れを検出すると、すぐに警告を発生するのではなく、汚れが検知された段階で、その部分に対して補正制御を行う。
そこで、カラーレーザ複写装置1は、中間転写ベルト241を交換した直後の電源ON動作時に、制御部503が、基準マーク505kをマーク検知センサ510が検知した時点からスケールセンサ501がスケールシール505の継目を検知するまでの時間を測定し、基準マーク505kとスケール継目との位置関係を制御部503内のRAM等に記憶する。この基準マーク505kとスケール継目との位置関係は、中間転写ベルト241が交換されない限り、変化しない。
そして、図13に示すように、経時変化等で中間転写ベルト241の汚れ、傷等が発生し場合、カラーレーザ複写装置1の電源ON動作時またはジョブ終了時に少なくとも中間転写ベルト241を一回転させ、基準マーク505kとスケール継目との位置関係以外にスケールシール505に異常が検知される。例えば、スケールシール505の高反射率部505bが、図13に示す高反射率部505g1から高反射率部505g2までの4パルス分の高反射率部505bが汚れのために反射しなくなった場合、制御部503は、高反射率部505g1の位置が基準マーク505kから何パルス目にあるのかを計算記憶するとともに、高反射率部g1のスケールパルスPg1からスケールパルスPg2までの間に、何パルス分抜けてしまうかを計算して記憶する。
そして、次のコピー動作が開始されると、制御部503は、汚れまたは傷は基準マーク505kからの位置が記憶されていてどの程度スケールのパルスが入ってこないかが分かっているので、その間のスケール異常分を補正することで、中間転写ベルト241の回転駆動を変動なく制御することができる。即ち、ここでの制御部503は、マーク検知センサ510からのマーク検知信号に含まれる基準マーク505kを検出してからスケールセンサ501からのパルス信号に含まれるパルスの何番目のものが出力されなくなったか、及びパルスが幾数分抜けたかを計算してスケール異常箇所の位置情報としてメモリに記憶し、次のコピー動作が開始されるとメモリに記憶されたスケール異常箇所の位置情報に基づいてスケール異常箇所のスケールセンサ501の検知結果を補完する機能を持つものである。
このように、本実施例のカラーレーザ複写装置1の中間転写ユニット(ベルト装置)240は、張架ローラ243、駆動ローラ244及び2次転写バックアップローラ245等の複数の張架部材に張架されて無端回転移動される中間転写ベルト(ベルト部材)241と、駆動ローラ244を介して中間転写ベルト241の回転を制御する制御部503及びベルト駆動モータ502と、中間転写ベルト241に周方向に形成され当該周方向に目盛を有するスケールシール505と、当該スケールシール505の目盛を検知するスケール検知センサ501と、中間転写ベルト241の周方向の所定位置に設けられた基準マーク505kと、当該基準マーク505kを検知するマーク検知センサ510と、を備え、スケール検知センサ501の検知結果に基づいて制御部503がベルト駆動モータ502による中間転写ベルト241の回転を制御するとともに、マーク検知センサ510の検知結果に基づいてスケールシール505の異常箇所を検出して、当該検出した異常箇所のスケール検知センサ501の検知結果を補完して、当該補完結果に基づいて、中間転写ベルト241の回転制御を行っている。
したがって、中間転写ベルト241が摩耗や傷、さらには、汚れで劣化しても、中間転写ベルト241の位置を安価かつ正確に割り出すことができ、中間転写ベルト241の回転制御を安価かつ正確に行うことができる。
また、本実施例のカラーレーザ複写装置1は、中間転写ベルト241の表面上に、中間転写ベルト241の周方向に目盛を有するスケールシール505を中間転写ベルト241の周方向に形成するとともに、中間転写ベルト241の周方向の所定位置に基準マーク505kを形成し、スケールシール505の目盛を検知するスケール検知センサ501と、当該基準マーク505kを検知するマーク検知センサ510と、を設け、スケール検知センサ501の検知結果に基づいて制御部503及びベルト駆動モータ502による中間転写ベルト241の回転を制御するとともに、マーク検知センサ510の検知結果に基づいてスケールシール505の異常箇所を検出して、当該検出した異常箇所のスケール検知センサ501の検知結果を補完して、当該補完結果に基づいて、中間転写ベルト241の回転制御を行っている。
したがって、中間転写ベルト241が摩耗や傷、さらには、トナーの付着等の汚れで劣化しても、中間転写ベルト241の位置を安価かつ正確に割り出して、中間転写ベルト241の回転制御を安価かつ正確に行うことができ、各色のトナー画像の中間転写ベルト241への重ね合わせ転写を安価かつ正確に行って、画像品質を向上させることができる。
さらに、本実施例のカラーレーザ複写装置1は、マーク検知センサ510の検知結果に基づいてスケールシール505の異常箇所を検出すると、当該異常個所の基準マーク505kからの位置情報を求めて当該求めた位置情報を記憶し、スケール検知センサ501の検知結果の補完を、当該記憶した位置情報に基づいて行い、当該補完結果に基づいて、中間転写ベルト241の回転制御を行っている。
したがって、中間転写ベルト241の1回転毎に基準マーク505kの検出を行うことなく、中間転写ベルト241の位置を安価かつ正確で速やかに割り出して、中間転写ベルト241の回転制御を安価かつ正確で速やかに行うことができ、各色のトナー画像の中間転写ベルト241への重ね合わせ転写を安価かつ正確で速やかに行って、処理速度を向上させることができるとともに画像品質を向上させることができる。
また、本実施例のカラーレーザ複写装置1は、スケールシール505の異常箇所の検出をカラーレーザ複写装置1の電源がオンされた後の初期設定動作時及びジョブ終了後に実行している。
したがって、中間転写ベルト241の1回転毎に基準マークの検出を行うことなく、適切な時期にスケールシール505の異常箇所の検出を行って、安価かつ正確でより一層速やかに中間転写ベルト241の位置を割り出して、中間転写ベルト241の回転制御を安価かつ正確でより一層速やかに行うことができ、各色のトナー画像の中間転写ベルト241への重ね合わせ転写を安価かつ正確でより一層速やかに行って、処理速度をより一層向上させることができるとともに画像品質を向上させることができる。
なお、上記説明では、スケールシール505を、中間転写ベルト241に貼付して目盛を設けた場合について説明したが、目盛としては、印刷やレーザ加工等の方法で中間転写ベルト241に直接設けてもよい。
また、中間転写ベルト241として、基準よりも長い周長であるためにピッチ異常箇所の目盛検知ピッチPrをピッチ基準値よりも長くした中間転写ベルト241を用いているが、ピッチ基準値よりも短い中間転写ベルト241を用いても、同様に適用することができる。
さらに、スケール検知センサ501、マーク検知センサ510として、それぞれ反射型フォトセンサを用いた場合について説明したが、スケール検知手段や基準マーク検知手段としては、反射型フォトセンサに限るものではなく、例えば、目盛として、中間転写ベルト241に設けた貫通孔を形成し、この貫通孔の目盛を透過する光を投射し、また、受光する発光素子と受光素子を備えた透過型フォトセンサを用いてもよい。
また、上記説明では、基準マーク505kの検知と目盛ピッチ異常箇所の検知とを同期させるようにスケール検知センサ501とマーク検知センサ510を設けているが、それぞれの検知タイミングをずらすように、スケール検知センサ501とマーク検知センサ510を設けてもよい。
さらに、上記説明では、目盛検知ピッチPrに基づいて中間転写ベルト241のベルト速度のフィードバック制御を行っているが、目盛検知ピッチPrから求めたベルト速度Vに基づいてフィードバック制御を行ってもよい。
また、上記説明では、ベルト装置及び画像形成装置として、タンデム型のカラーレーザ複写装置1に適用した場合について説明したが、画像形成装置としては、タンデム型の電子写真方式ではなく、像担持体等からなる像生成部を1つだけ用いて重ね合わせ転写を実施するシングル型の電子写真方式であってもよい。
ただし、シングル型の電子写真方式では、4色トナー像等の多重像を完成させるまでの中間転写ベルト等のベルト部材を何周もさせる必要があるため、タンデム型に比較して、画像形成時間を長期化させることになる。また、シングル型の電子写真方式では、多重像を完成させるまでにベルト部材を何周もさせて、目盛ピッチ異常箇所を繰り返し検知させることになり、基準マークの検知結果に基づいてベルト駆動停止位置や光書込開始タイミングを管理しても、重ね合わせ中の速度変動が生じてしまう。
そこで、シングル型の電子写真方式では、ベルト部材のフィードバック制御として、例えば、図14に示すような制御処理を行う。すなわち、シングル型の電子写真方式の画像形成装置では、目盛検知ピッチPrを演算した後(ステップS301)、その演算中に基準マークが検知されたか否かチェックする(ステップS302)。ステップS302で、基準マークが検知されなかった場合には、配設ピッチが狂っていない配設ピッチの目盛間の検知ピッチに基づいて目盛検知ピッチPrが演算されたことになるため、ピッチ基準値Pbとして正規のT秒を選択し(ステップS303)、目盛検知ピッチPrとピッチ基準値Pbとを比較する(ステップS304)。一方、ステップS302で、目盛検知ピッチPrの演算中に基準マークが検知された場合には、配設ピッチが狂っている目盛ピッチ異常箇所における目盛間の検知ピッチに基づいて目盛検知ピッチPrを演算されたことになるため、ピッチ基準値Pbとして正規のT秒にαを加算したものを選択し(ステップS305)、目盛検知ピッチPrとピッチ基準値Pbとを比較する(ステップS304)。
そして、ステップS304で、目盛検知ピッチPrとピッチ基準値Pbが同じときには、検出した目盛検知ピッチPrに狂いがないと判断して、ベルト速度制御を行い、ステップS304で、目盛検知ピッチPrとピッチ基準値Pbが異なる場合には、目盛検知ピッチPrとピッチ基準値Pbの差に値に基づいてモータ回転速度を増減させる。
したがって、目盛ピッチ異常箇所についても、その目盛検知ピッチPrと適切なピッチ基準値Pbとの比較に基づいたベルト速度制御を行うことができ、目盛ピッチ異常箇所に起因する目盛検知ピッチPrの変動をベルト速度変動によるものと誤認させる事態を回避して、誤認による重ね合わせズレを回避することができる。
このように、基準マークの検知結果に基づいてピッチ基準値を切り換えることで、シングル型の電子写真方式の画像形成装置であっても、誤認による重ね合わせズレを回避することができる。ただし、図5との比較から分かるように、シングル型の電子写真方式でのフィードバック制御では、通常よりも演算処理内容が複雑になるため、より処理スピードの速い演算機能を必要とする。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。