JP4962393B2 - 油流制御弁の対向接続による油圧制御装置 - Google Patents

油流制御弁の対向接続による油圧制御装置 Download PDF

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本発明は、油圧制御装置に係り、特に第一のポートから油が供給され第二のポートから油が排出されるとき第一の方向に作動状態を変え,第二のポートから油が供給され第一のポートから油が排出されるとき第一の方向とは逆の第二の方向に作動状態を変える油圧サーボ装置のための油圧制御装置に係る。
第一および第二のポートを備え、第一のポートから油が供給され、第二のポートから油が排出されるとき第一の方向に作動状態が変わり、逆に第二のポートから油が供給され、第一のポートから油が排出されるとき第一の方向とは逆の第二の方向に作動状態が変わるサーボ機構は、例えば車輛技術の分野に於いては、変速機、特にトロイダル式或はベルト式無段変速機に於ける如く、多くの機械装置の構成に於いて知られている。
上記の如きサーボ機構を作動させるためには、圧油源からの油の供給を第一と第二のポートの間に切り換え、また同時に第二と第一のポートの排油路への接続を切り換えるサーボ弁を備えた油圧回路装置が設けられる。このような油圧回路装置に於けるサーボ弁は、一般に弁スプールの切り換え移動に応じて何れか一方が圧油供給通路に接続される2つの油圧供給ポートと、何れか一方が排油通路に接続される2つのドレーンポートとを備えた所謂4ポート型のサーボ弁である。トロイダル型無段変速装置に対するそのような4ポート型のサーボ弁を含む油圧回路の一例は下記の特許文献1に示されている。
特開2002-276786
上記の如きサーボ機構の作動が4ポート型のサーボ弁により制御される構造に於いては、サーボ弁にスティック等が生じ、一方のポートへの油圧の供給が止まらなくなると、サーボ機構の一方向への作動が止まらなくなり、サーボ機構を組み込んだ装置が車輛の変速装置である場合、そのことによって変速比が急増し、車輛に急減速が作用して走行不安定を生じたり、或は逆に変速装置が低い変速比に固定されたままとなり、車輛の再発進ができなくなる等の不都合が生ずる恐れがある。
本発明は、弁のスティック等によりサーボ機構が正常な制御機能を失ってしまうという障害を抑制できるよう改良された油圧制御装置を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明は、第一のポートから油が供給され第二のポートから油が排出されるとき第一の方向に作動状態を変え,前記第二のポートから油が供給され前記第一のポートから油が排出されるとき前記第一の方向とは逆の第二の方向に作動状態を変える油圧サーボ装置のための油圧制御装置にして、それぞれが圧油源からの油の供給を制御する油供給制御部と排油通路への導通を制御する油排出制御部とを有する第一および第二の油流制御弁と、前記第一および第二の油流制御弁の作動を制御する制御弁作動制御手段とを有し、前記第一のポートは前記第一の油流制御弁の前記油供給制御部より油を供給され得るようになっていると共に前記第二の油流制御弁の前記油排出制御部を経て油を排出され得るようになっており、前記第二のポートは前記第二の油流制御弁の前記油供給制御部より油を供給され得るようになっていると共に前記第一の油流制御弁の前記油排出制御部を経て油を排出され得るようになっており、前記制御弁作動制御手段による前記第一および第二の油流制御弁の作動制御により前記油圧サーボ装置の作動状態を制御するようになっていることを特徴とする油圧制御装置を提供するものである。
上記の如き油圧制御装置に於いて、前記制御弁作動制御手段は、前記油圧サーボ装置の作動状態を前記第一の方向に変えるべきとき、前記第二の油流制御弁が前記圧油源からの油の供給を遮断でき且つ前記排油通路への導通を遮断できるときには、前記第一の油流制御弁のみを制御してそれを行い、また前記油圧サーボ装置の作動状態を前記第二の方向に変えるべきとき、前記第一の油流制御弁が前記圧油源からの油の供給を遮断でき且つ前記排油通路への導通を遮断できるときには、前記第二の油流制御弁のみを制御してそれを行うようになっていてよい。
また、油圧制御装置には、前記第一および第二のポートの入口を交互に選択的に切り換える油路切換手段が設けられてよい。
以上の如き油圧制御装置は、特にトロイダル式無段変速機の変速制御装置として実施されるに適したものである。
上記の如く、第一のポートから油が供給され第二のポートから油が排出されるとき第一の方向に作動状態を変え,第二のポートから油が供給され第一のポートから油が排出されるとき第一の方向とは逆の第二の方向に作動状態を変える油圧サーボ装置のための油圧制御装置に於いて、それぞれが圧油源からの油の供給を制御する油供給制御部と排油通路への導通を制御する油排出制御部とを有する第一および第二の油流制御弁と、これら第一および第二の油流制御弁の作動を制御する制御弁作動制御手段とを有し、第一のポートは第一の油流制御弁の油供給制御部より油を供給され得るようになっていると共に第二の油流制御弁の油排出制御部を経て油を排出され得るようになっており、第二のポートは第二の油流制御弁の油供給制御部より油を供給され得るようになっていると共に第一の油流制御弁の油排出制御部を経て油を排出され得るようになっており、制御弁作動制御手段による第一および第二の油流制御弁の作動制御により油圧サーボ装置の作動状態が制御されるようになっていれば、第一および第二の油流制御弁が正常に作動しているときには、第一または第二の油流制御弁のみを作動させて油圧サーボ装置の作動状態を第一の方向または第二の方向に変えることができ、また第一または第二の油流制御弁に油流の供給が止まらない障害が生じたときには、第二または第一の油流制御弁の作動により第一または第二の油流制御弁の過剰な油の供給を抑制して油圧サーボ装置の作動状態を制御下に維持することができる。
或はまた、油圧サーボ装置の作動状態を第一の方向または第二の方向に変えるに当っては、油圧サーボ装置の作動状態を第一の方向に変えるには第一の油流制御弁のみを作動させ、油圧サーボ装置の作動状態を第二の方向に変えるには第二の油流制御弁のみを作動させるようにすることがでる。そして、第一または第二の油流制御弁に油圧の供給が止まらない障害が生じたときには、第二または第一の油流制御弁の作動により第一または第二の油流制御弁の油の過剰な供給を抑制して油圧サーボ装置の作動状態を制御下に維持することができる。
即ち、油圧サーボ装置の作動状態を第一の方向に変えるべきときには、第二の油流制御弁は圧油源からの油の供給を遮断し且つ排油通路への導通を遮断した状態とし、第一の油流制御弁のみを制御してそれを行い、油圧サーボ装置の作動状態を第二の方向に変えるべきときには、第一の油流制御弁は圧油源からの油の供給を遮断し且つ排油通路への導通を遮断した状態とし、第二の油流制御弁のみを制御してそれを行うよう、油圧サーボ装置の全ての作動状態に対し、その都度一時に一つの油流制御弁を作動させた制御により対応することができ、一つの4ポート型制御弁が2つに分けて設けられても制御上何らの複雑化は生じない。
その上で、第一の油流制御弁にスティック等が生じて第一の油流制御弁からの油の供給が止まらなくなったときには、第二の油流制御弁を開方向に作動させれば、第一の油流制御弁からの油を適宜排油通路へ逃がすことにより油圧サーボ装置が第一の方向へ所定の目標位置を越えて行き過ぎてしまうことを阻止することができ、また必要ならば油圧サーボ装置の第一の方向への行き過ぎを元の位置へ向けて戻すことができる。この場合、第一の油流制御弁からの止まらなくなった油の供給が弁の全開に当る量でない限り、第二の油流制御弁の開度を適宜増大させることにより第一の油流制御弁からの止まらなくなった油の供給に打ち勝って油圧サーボ装置を第二の方向へ状態変化させる機能も失わないようにすることができる。第二の油流制御弁にスティック等が生じて第二の油流制御弁からの油の供給が止まらなくなったときには、第一の油流制御弁により同様の補助制御が得られる。
更に、上記の如き油圧制御装置に於いて、第一および第二のポートの入口を交互に選択的に切り換える油路切換手段が設けられていれば、第一のおよび第二の油流制御弁の何れか一方にその油供給制御部より油が供給されない不具合が生じたとき、油路切換手段により第一および第二のポートの入口を臨時に切り換え、他方の油流制御弁の油供給制御部より供給される油によりサーボ装置を所望通り作動させることができる。
油圧サーボ装置がトロイダル式無段変速機の変速制御装置であるときには、制御油圧は変速装置をアップシフトすべきとき或いはダウンシフトをすべきときに限って個別の油圧として供給されることが求められるので、個別の油圧を個別の油流制御弁により制御する本発明はこれによく適したものである。
添付の図1は本発明をトロイダル型無段変速機の変速制御用油圧制御装置に適用した一つの実施の形態を示す概略図である。図に於いて、10はトロイダル型無段変速機としては周知の構造に於けるパワーローラであり、トラニオン12より偏心軸14を経て支持されて図には示されていない一対のディスクの間に挾圧された状態に配置され、一対のディスクに対する傾動角を変えることにより、一対のディスク間に伝達される回転動力の変速比を変更するようになっている。一対のディスクに対するパワーローラの傾動角の変更は、トラニオン12が油圧アクチュエータ16により図にて上下に一時的に変位されることによりもたらされる。
即ち、パワーローラの中心軸線がディスクの中心軸線に交差しているときには、パワーローラがディスクに対し如何なる傾動角にあっても、駆動側ディスクがパワーローラとの接触点に於いてパワーローラに及ぼす力はパワーローラの傾動軸線に平行に作用し、従ってパワーローラには傾動角を変更させる力は作用しないが、パワーローラの中心軸線がディスクの中心軸線に対し上下何れか一方に変位されると、パワーローラと駆動側ディスクとの接点で見て、変位方向がディスクの回転方向に沿う方向であれば、パワーローラにはそれを駆動側ディスクの中心へ向かわせる方向の力が作用することから、パワーローラは変速比を増大させる方向(即ちダウンシフト方向)に傾動され、また逆に、変位方向がディスクの回転方向に逆らう方向であれば、パワーローラにはそれを駆動側ディスクの中心より遠ざける方向の力が作用することから、パワーローラは変速比を減小させる方向(即ちアップシフト方向)に傾動される。
こうして変速比を一定に保つべきときには、駆動側ディスクよりパワーローラに及ぼされる駆動力に抗するだけの力をトラニオンに与えてパワーローラをその中心軸線が駆動ディスク(従ってまた被駆動ディスク)の中心軸線に交差する位置に維持し、変速比を変更すべきときには、随時パワーローラの中心軸線をディスクの中心軸線に対し一時変位させることにより変速比を増減させることができる。図示の実施の形態に於いては、パワーローラ10は図には示されていない駆動ディスクとの接触点に於いて下向きに駆動されるようになっており、パワーローラ10がその中心軸線を駆動ディスクの中心軸線に交差させる中立位置より下方へ変位されると変速比は増大側に変更され(即ちダウンシフトされ)、パワーローラ10がその中立位置より上方へ変位されると変速比は減小側に変更される(即ちアップシフトされる)ようになっている。
油圧アクチュエータ16はトラニオン12の下端と連結されたピストン18と、該ピストンの下方に形成された油圧室20と、該ピストンの上方に形成された油圧室22とを有しており、ポート24より油圧室20内へ油が給入され、ポート26より油圧室22内の油が排出されることによりピストン18が上向きに変位されてアップシフトを生じ、逆にポート26より油圧室22内へ油が給入され、ポートを24より油圧室22内の油が排出されることによりピストン18が下向きに変位されてダウンシフトを生ずるようになっている。
パワーローラと駆動ディスクおよび被駆動ディスクの間には必要な回転動力を伝達するに足る摩擦力を発生させるべく強い押圧力が作用されており、従ってパワーローラをトラニオンごと上下に変位させるには各摺動係合部に於ける摩擦に打ち勝つだけの強い力が必要である。またパワーローラ10には上記の通り駆動側ディスクより下向きの駆動力が及ぼされており、またピストン18にはトラニオンその他の重力が作用しているので、特にトラニオン12を上向きに変位させるには強い力が必要である。いずれにしてもここでの油の処理は所謂油圧制御である。しかし、トロイダル型無段変速機に於ける変速制御は、本質的にはパワーローラの上下変位の制御であり、油は非圧縮性であるので、本発明の対象である油圧制御装置の作動は、本質的には油圧室20および22に対する油の出し入れの量の制御である。
油圧室20および22に対する油の給排制御のための図示の油圧制御装置は、油圧ポンプ等よりなる圧油源28と、2つの油流制御弁30および32と、排油溜34とを含んでいる。油流制御弁30は、給油取入れポート36、給油取出しポート38、排油取入れポート40、排油取出しポート42を備えた弁ハウジング44と、ポート36と38の間の連通または遮断およびポート40と42の間の連通または遮断を制御する弁スプール46と、該弁スプールをポート36と38の間を遮断しまたポート40と42の間を遮断する位置へ付勢する圧縮コイルばね48と、弁スプール46を圧縮コイルばね48のばね力に抗してポート36と38の間を連通しまたポート40と42の間を連通する位置へ駆動する電磁駆動装置50とを含んでいる。
同様に、油流制御弁32は、給油取入れポート52、給油取出しポート54、排油取入れポート56、排油取出しポート58を備えた弁ハウジング60と、ポート52と54の間の連通または遮断およびポート56と58の間の連通または遮断を制御する弁スプール62と、該スプールをポート52と54の間を遮断しまたポート56と56の間を遮断する位置へ付勢する圧縮コイルばね64と、弁スプール62を圧縮コイルばね64のばね力に抗してポート52と54の間を連通しまたポート56と58の間を連通する位置へ駆動する電磁駆動装置66とを含んでいる。
圧油源28は、一方では、油路68と70を経て油流制御弁30の給油取入れポート36に接続され、これに対応する給油取出しポート38は油路72と74を経てトロイダル型無段変速機のポート24に接続されている。かかる給油経路に対応して、トロイダル型無段変速機のポート26は油路76と78を経て油流制御弁30の排油取入れポート40に接続され、これに対応する排油取出しポート42は油路80と82を経て排油溜34に接続されている。
しかし、また、圧油源28は、他方では、油路68と84を経て油流制御弁32の給油取入れポート52に接続され、これに対応する給油取出しポート54は油路86と76を経てトロイダル型無段変速機のポート26に接続されている。かかる給油経路に対応して、トロイダル型無段変速機のポート24は、油路74と88を経て油流制御弁32の排油取入れポート56に接続され、これに対応する排油取出しポート58は油路90と82を経て排油溜34に接続されている。油流制御弁30および32の電磁駆動装置50および66への通電は、マイクロコンピュータを備えた制御弁作動制御手段92により制御されるようになっている。
上記の如き構成に於いて、任意の変速比を所定の目標値まで減小させるべきときには、制御弁作動制御手段92の制御により、先ず、油流制御弁30の電磁駆動装置50のみに電流Iuが供給される。図2のAに示す如く電流値がIuo以上となったところで給油取入れポート36と給油取出し38の間の連通が始まり、トロイダル型無段変速機のピストン室20には電流Iuに応じた油量Q(L/min)が供給される。またこのとき反対側のポート26は排油取入れポート40と排油取出しポート42の連通により排油溜り34に連通される。このとき油圧室20内の油圧Puは、図2のBに示す如く電流がIuoを越えたところから最高値Pu1まで急速に上昇する。
こうしてピストン18が上方へ変位されると、パワーローラは変速比を減小させる方向(アップシフト方向)に偏向されるので、その結果生じた変速比の変化が図には示されていないパワーローラの偏向角度を検出するセンサ等により検出され、その信号が制御弁作動制御手段92へ送られる。変速比の変化につれて制御弁作動制御手段92は適当なフィードバック制御を実行し、パワーローラ10に所望の傾動が生じ或いは生ずる見通しが立ったところで、電磁駆動装置50への供給電流を減少させて行き、終には停止する。次いで油流制御弁32の電磁駆動装置66のみへ電流Idを供給してピストン18を中立位置まで戻すことが行なわれる。このときには、電流値がIdo以上となったところで給油取入れポート52と給油取出し54の間が連通され、トロイダル型無段変速機のピストン室22には電流Idに応じた油量Q(L/min)(但し流れ方向を考慮すれば−Q(L/min)が供給される。またこのとき反対側のポート24は排油取入れポート56と排油取出しポート58の連通により排油溜り34に連通される。これは図2のAに示す通りであり、このとき油流制御弁32の電磁駆動装置66へ供給される電流Idと油圧室22に供給される油圧Pdの関係は図2のBに示す通りである。油圧Pdは電流IdがIdoを越えたところから急速に最大値Pd1まで上昇する。
無段変速機の変速比を増大させるダウンシフト制御は、上記と逆に、先ず油流制御弁32のみを作動させてパワーローラ10を下方へ変位させ、次いで油流制御弁30のみを作動させてパワーローラ10を上方へ変位させて元の中立位置に戻す要領にて行われる。
かかる構成に於いて、今、油流制御弁32を作動させて無段変速機の変速比を増大させるダウンシフト制御を行っている最中に油流制御弁32に異物の噛込み等によるスティックが生じ、電磁駆動装置66への通電を切っても弁スプール62が全閉位置まで戻らなくなったとする。かかる状態をそのまま放置すると、無段変速機の油圧室22への油の供給が続けられ、目標変速比に到達しても更にたをダウンシフトを続けてしまうという不具合を生じることとなる。
そこで、そのような異常事態が、例えば上記の図には示されていないパワーローラ偏向角度センサにより検知されたときには、油流制御弁30を作動させ、その排油取入れポート40と排油取出しポート42とを連通させ、スティックを生じた油流制御弁32の給油取出しポート54より無段変速機の油圧室22へ向けて送られつつある油を排油溜34へ向けて逃がし、また一方で油流制御弁30の給油取出しポート38に現れる油を無段変速機の油圧室20へ向けて供給し、これら両作用により無段変速機の異常な変速比増大を迅速に停止させ、また必要ならば変速比を減小方向に後戻りさせることもできる。
同様に、油流制御弁30を作動させて無段変速機の変速比を減小させるアップシフト制御を行っている最中に油流制御弁30に異物の噛込み等によるスティックが生じ、電磁駆動装置50への通電を切っても弁スプール46が全閉位置まで戻らなくなった場合、かかる状態をそのまま放置すると、無段変速機の油圧室20への油の供給が続けられ、無段変速機が最小変速比に固定された状態となり、車輛が一旦停止されると、発進が困難になるという不都合が生ずる恐れがある。
このような異常事態に対しても、そのことが例えば上記のパワーローラ偏向角度センサにより検知されたときには、油流制御弁32を作動させ、その排油取入れポート56と排油取出しポート58とを連通させ、スティックを生じた油流制御弁30の給油取出しポート38より無段変速機の油圧室20へ向けて送られつつある油を排油溜34へ向けて逃がし、また一方で油流制御弁32の給油取出しポート54に現れる油を無段変速機の油圧室22へ向けて供給し、これら両作用により無段変速機の異常な変速比減小を停止させ、また必要ならば変速比を増大方向に後戻りさせることもできる。
また、油流制御弁30および32には、弁座部に於ける異物の噛込み等により上記の如く電磁駆動装置50または66への通電が切られても弁スプールが全閉位置まで戻らなくなるという障害が生ずる恐れがあると共に、電磁駆動装置50または66に係る電気系統の故障または弁座部に於ける異物の噛込み等により、電磁駆動装置50または66に通電を行っても弁スプールに所期の変位が生ぜず、それらの給油取出しポート38または54に所期の圧油が現れないという障害が生ずる恐れもある。
この点に関し、上記の如く無段変速機の変速比を小さくする制御、即ちアップシフト制御は、油流制御弁30のみを用いて行われ、無段変速機の変速比を大きくする制御、即ちダウンシフト制御は、油流制御弁32のみを用いて行われるようになっていれば、油流制御弁32の給油取出しポート54に所期の圧油が現れないという障害が生じても、アップシフト制御の制御性は失われず、また油流制御弁30の給油取出しポート38に所期の圧油が現れないという障害が生じても、ダウンシフト制御の制御性は失われないという利点が得られる。
図3は上に説明した実施の形態にサーボ弁94を追加した他の一つの実施の形態を示す図1と同様の図である。サーボ弁94は制御弁作動制御手段92により適時aの状態とbの状態との間に切り換えられるようになっている。
かかるサーボ弁94を設けることにより、油流制御弁30または32の給油取出しポート38または54のいずれかに所期の圧油が現れないという障害が生じても、アップシフト制御およびダウンシフト制御のいずれの制御性も失われないようにすることができる。
即ち、サーボ弁がaの状態に切り換えられているときには、油圧制御装置は図1および2について上に説明した要領にて作動されれば、正常時の作動に加えて、油流制御弁30または32にスティック等が生じて油圧の供給が止まらなくなったとき、他方の油流制御弁によりそれを抑制することができる。また、電磁駆動装置50が作動しなくなったときには、アップシフトはできなくなるが、ダウンシフトは妨げられず、逆に電磁駆動装置66が作動しなくなったときには、ダウンシフトはできなくなるが、アップシフトは妨げられない。しかし、油流制御弁30の給油取出しポート38に所期の油圧が現れない故障が生じると、そのままではアップシフトが行なえなくなる。そこで、油流制御弁30の給油取出しポート38に所期の油圧が現れない故障が生じたときには、アップシフトを行なうときのみサーボ弁をbの状態に切り換える制御を追加すれば、油流制御弁30の給油取出しポート38に所期の油圧が現れない故障が生じてもアップシフト制御を確保することができる。
同様に、油流制御弁32の給油取出しポート54に所期の油圧が現れない故障が生じたときには、そのままではダウンシフトが行なえなくなるが、そのときには、ダウンシフトを行なうときのみサーボ弁をbの状態に切り換える制御を追加すれば、油流制御弁32の給油取出しポート54に所期の油圧が現れない故障が生じてもダウンシフト制御を確保することができる。
以上に於いては本発明をいくつかの実施の形態について詳細に説明したが、これらの実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
本発明をトロイダル型無段変速機の変速制御用油圧制御装置に適用した一つの実施の形態を示す概略図。 図1に示す油圧制御装置の作動を示すグラフであり、図Aは油流制御弁30、32の電磁駆動装置50、66への供給電流Iu、Idと油圧室20、22へ供給される圧油の流量Qとの関係を示し、図Bは電流Iu、Idと油圧室20、22へ供給される圧油の圧力Pu、Pdの関係を示す。 図1のトロイダル型無段変速機の変速制御用油圧制御装置にサーボ弁94を追加した他の一つの実施の形態を示す概略図。
符号の説明
10…パワーローラ、12…トラニオン、14…偏心軸、16…油圧アクチュエータ、18…ピストン、20,22…油圧室、24,26…ポート、28…圧油源、30,32…油流制御弁、34…排油溜、36…給油取入れポート、38…給油取出しポート、40…排油取入れポート、42…排油取出しポート、44…弁ハウジング、46…弁スプール、48…圧縮コイルばね、50…電磁駆動装置、52…給油取入れポート、54…給油取出しポート、56…排油取入れポート、58…排油取出しポート、60…弁ハウジング、62…弁スプール、64…圧縮コイルばね、66…電磁駆動装置、68〜90…油路、92…制御弁作動制御手段、94…サーボ弁

Claims (2)

  1. 第一のポート(24)から油が供給され第二のポート(26)から油が排出されるとき第一の方向に作動状態を変え,前記第二のポート(26)から油が供給され前記第一のポート(24)から油が排出されるとき前記第一の方向とは逆の第二の方向に作動状態を変える油圧サーボ装置(10〜16)のための油圧制御装置にして、
    それぞれが圧油源(28)からの油の供給を制御する油供給制御部(36−38,52−54)と排油通路(82)への導通を制御する油排出制御部(40−42,56−58)とを有する第一および第二の油流制御弁(30,32)と、
    前記第一および第二の油流制御弁の作動を制御する制御弁作動制御手段(92)とを有し、
    前記第一の油流制御弁(30)は、前記圧油源(28)からの油の前記第一のポート(24)への供給を許容しまた前記第二のポート(26)の排油通路(82)への導通を許容する導通位置と前記圧油源(28)からの油の前記第一のポート(24)への供給を遮断しまた前記第二のポート(26)の排油通路(82)への導通を遮断する遮断位置との間で切り換わる2位置切換弁であり、
    前記第二の油流制御弁(32)は、前記圧油源(28)からの油の前記第二のポート(26)への供給を許容しまた前記第一のポート(24)の排油通路(82)への導通を許容する導通位置と前記圧油源(28)からの油の前記第二のポート(26)への供給を遮断しまた前記第一のポート(24)の排油通路(82)への導通を遮断する遮断位置との間で切り換わる2位置切換弁であり、
    前記制御弁作動制御手段(92)は、前記油圧サーボ装置(10〜16)の作動状態を前記第一の方向に変えるべきときには、前記第一の油流制御弁(30)を前記導通位置にし、前記第二の油流制御弁(32)を前記遮断位置にし、前記油圧サーボ装置(10〜16)の作動状態を前記第二の方向に変えるべきときには、前記第二の油流制御弁(32)を前記導通位置にし、前記第一の油流制御弁(30)を前記遮断位置にすることを特徴とする油圧制御装置。
  2. 更に前記第一および第二のポート(24,26)の入口を交互に選択的に切り換える油路切換手段(94)を有することを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
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