JP3864595B2 - リリーフ弁のリリーフ圧制御装置 - Google Patents

リリーフ弁のリリーフ圧制御装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リリーフ弁の設定圧制御装置に関する。詳しくはリリーフ圧が設定圧へ到達するまでの単位時間当たりの上昇量を変化させることができるリリーフ弁の設定圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧モータは、油圧ポンプから吐出される圧油を供給することによって回転駆動する。また油圧ポンプから吐出される圧油の供給を遮断すると油圧モータの回転は停止する。
【0003】
しかし油圧ポンプから吐出される圧油の供給を遮断しても、油圧モータは即座には停止しない。
【0004】
これは圧油供給が遮断しても負荷から受ける駆動力と油圧モータが持っている慣性によってしばらくの間は回転を続けるためである。
【0005】
このように油圧モータに対して回転運動の停止指令が与えられても油圧モータは回転を続ける。回転を続けている間は、油圧モータの回転方向の供給ポートから圧油を吸込む吸込作用をし、回転方向の戻り側ポートから圧油を吐出する吐出作用をする。これをポンプ作用という。
【0006】
油圧モータを車両の走行機構の駆動源に使用した場合を想定する。油圧モータに対して圧油の供給を遮断することにより、停止指令が与えられても迅速に回転を停止しないことは車両に迅速にはブレーキがかからないことを意味する。また油圧モータがポンプ作用をすることによって油圧モータの戻り側ポートから高圧の圧油が吐出される。戻り側ポートは通常、タンクへ連通し、他のアクチュエータ回路のドレン回路と接続している。このため全油圧回路中のドレン回路内が高圧となり他のアクチュエータの作動へ影響を与えるおそれがある。
【0007】
そこで、こうした油圧モータの慣性力による回転運動およびポンプ作用に伴う不都合を防止するべく、油圧モータが組み込まれた油圧回路には、図4に示すようなブレーキ回路が設けられている。
【0008】
図4は油圧モータが組み込まれた油圧回路に、リリーフ弁を用いたブレーキ回路を構成した従来技術を示す。
【0009】
同図4に示すように、油圧ポンプ1の圧油吐出路90は操作弁18に接続している。操作弁18と油圧モータ28の圧油供給排出ポート28a、28bとはそれぞれ管路19、管路20によって接続されている。操作弁18は油圧ポンプ1から吐出された圧油の流量および方向を制御して油圧モータ28の圧油供給排出ポート28aまたは圧油供給排出ポート28bに供給させる弁である。操作弁18は図示しない操作レバーによって操作され、操作弁18の弁位置C、D、Eが変化される。操作弁18が弁位置Eに位置されたときには、油圧モータ28の圧油供給排出ポート28aに圧油が供給され油圧モータ28が回転(これを正回転と定義する)される。操作弁18が弁位置Cに位置されたときには、油圧モータ28の圧油供給排出ポート28bに圧油が供給され油圧モータ28が逆方向に回転(これを逆回転と定義する)される。操作弁18が弁位置D(中立位置)に位置されたときは、油圧ポンプ1から油圧モータ28に供給される圧油は遮断される。
【0010】
油圧モータ28の圧油供給排出ポート28aとリリーフ弁3の供給ポート3aとは管路19、リリーフ管路43によって連通されている。同様に油圧モータ28の圧油供給排出ポート28bとリリーフ弁3の供給ポート3aとは管路20、リリーフ管路44によって連通されている。リリーフ管路43、44上にはそれぞれ油圧モータ28から排出された圧油をリリーフ弁3の供給ポート3a側の方向のみに導くチェック弁11、12がそれぞれ配設されている。チェック弁11、12は対向して設けられており、それぞれのチェック弁11、12の流出口はリリーフ弁3の供給ポート3aに連通している。したがってチェック弁11、12は油圧モータ28の圧油供給排出ポート28a、28bのうち高圧側の圧油を選択して圧油をリリーフ弁3の流入ポート3aに導く。
【0011】
リリーフ弁3にはバネ7によるバネ力が付与されている。バネ7のバネ力によってリリーフ弁3の設定圧が設定される。リリーフ弁3の排出ポート3bは圧油排出管路23を介してタンク10に連通している。
【0012】
タンク10と油圧モータ28の圧油供給排出ポート28aとは、管路23、吸込み管路45、管路19によって連通されている。同様にタンク10と油圧モータ28の圧油供給排出ポート28bとは、管路23、吸込み管路46、管路20によって連通されている。
【0013】
吸込み管路45、46上にはそれぞれタンク10の圧油を吸い込み、油圧モータ28の圧油供給排出ポート28a、28bの方向のみに導くチェック弁13、14がそれぞれ配設されている。チェック弁13、14は対向して設けられており、それぞれのチェック弁13、14の下流側は油圧モータ28の圧油供給排出ポート28a、28bに連通している。したがってチェック弁13、14は油圧モータ28の圧油供給排出ポート28a、28bのうち低圧となっている方を選択して圧油を油圧モータ28に導く。
【0014】
なお油圧ポンプ1の圧油吐出路90には、圧油吐出路90内の圧力を設定圧力以下にするリリーフ弁91が設けられている。リリーフ弁91から排出された圧油はタンク10に排出される。
【0015】
以下図4に示す油圧回路で行われる動作について説明する。
【0016】
いま油圧モータ28の圧油流入出ポート28aに圧油が供給されて油圧モータ28が正回転されている状態であるとする。そしてこの状態から油圧モータ28の回転を停止させるため操作レバーが操作され操作弁18が弁位置(中立位置)Dに位置されたものとする。
【0017】
すると油圧モータ28は、負荷から受ける駆動力や油圧モータ28自身の慣性により回転を続ける。このとき油圧モータ28は圧油供給排出ポート28bから圧油を吐出するポンプ作用を行う。このため圧油は圧油供給排出ポート28bに連通する管路20が高圧となる。高圧となった管路20の圧油はリリーフ管路44上のチェック弁12を介してリリーフ弁3の供給ポート3aに導かれる。
【0018】
油圧モータ28には、ポンプ作用によって管路20が高圧になり管路19が低圧になることで逆回転方向への駆動力が発生する。この駆動力は負荷や慣性による正回転に対してブレーキの作用をする。
【0019】
リリーフ弁3は設定圧以上になろうとする管路20への圧油をタンク10へ戻す。つまりリリーフ弁3は管路20の圧力を制限することで、油圧モータ28に対するブレーキ作用と管路20の異常高圧を防止する作用とを有する。
【0020】
操作弁18は弁位置Dであるため、操作弁18からは圧油供給排出ポート28a、28bのいずれにも圧油は供給されない。従って油圧モータ28は逆回転することなく油圧モータ28は停止する。
【0021】
この事からも分かるように、リリーフ弁3の設定圧はブレーキ力を決めるものである。設定圧が高ければ油圧モータ28は迅速に停止し、設定圧が低ければ停止するまでの時間は長くなる。
【0022】
油圧モータ28の圧油供給排出ポート28aは、吸込み作用により低圧となっている。したがって、管路19の圧力がタンク10の圧力より低くなればタンク10内の圧油が吸込まれ、吸込み管路45上のチェック弁13を介して圧油供給排出ポート28aに供給される。このため圧力の急激な変動によるキャビテーション発生を防ぐことができる。
【0023】
なお油圧モータ28が逆回転に回転された状態で操作弁18が中立位置Dに位置された場合も同様である。油圧モータ28にはリリーフ弁3の設定圧に応じたブレーキ力が作用して油圧モータ28は停止する。
【0024】
上記図4に示した従来技術にあっては、リリーフ弁3の設定圧はバネ7のバネ力によって一義的に定まる。このため油圧モータ28を、油圧駆動車に搭載された車輪を駆動する油圧アクチュエータとして使用する場合には、油圧モータ28の停止時にリリーフ弁3の設定圧に応じたブレーキ力が急激に作用することになる。油圧駆動車では車両の安全のためブレーキ力を大きくしたいとの要望がある。すなわちリリーフ弁3の設定圧は高くなる。このため制動時にはオペレータは大きな衝撃を受ける。
【0025】
そこで油圧モータの停止時にブレーキ力を徐々に上昇させていくことによって衝撃を緩和させることができる油圧回路が提案されている。
【0026】
ブレーキ力を徐々に上昇させることができる油圧回路の一例を図5に示す。図5は特開平2−221778号公報に開示されている油圧回路である。
【0027】
油圧モータ50の圧油流入出ポート50a、50bには図4と同様にして油圧ポンプ1、操作弁18を介して圧油が供給されるものとして、これに対応する構成の図示および説明は省略する。
【0028】
また同図5に示すチェック13、14は図4と同様にタンク10の圧油を吸込む吸込み弁として機能する。
【0029】
以下図4と異なる部分について説明する。
【0030】
油圧モータ50の圧油供給排出ポート50aは管路51、51aを介してリリーフ弁64の供給ポート64aに連通している。リリーフ弁64にはリリーフ圧を設定するバネ65が設けられている。リリーフ弁64の排出ポート64bは管路71、管路52を介して図示しないタンクに連通している。
【0031】
ピストン67とバネ68は、リリーフ弁64のリリーフ圧を設定圧まで上昇させる時間を調整するために設けられている。ピストン67の一方の側(バネ作用側)67bにはバネ68が作用している。ピストン67のバネ作用側67bとは反対側(圧油作用側)67aと、リリーフ弁64の供給ポート64aとは、管路66によって連通している。管路66の分岐回路66aは、リリーフ弁64のバネ65が配設されている側に接続されている。ピストン67のバネ作用側67bは、絞りを介して管路71に連通している。
【0032】
一方油圧モータ50の反対側の圧油供給排出ポート50bについてもリリーフ弁64の供給ポート64aに連通され、同様に構成されている。
【0033】
以下図5の油圧回路の作動を説明する。
【0034】
圧油供給排出ポート50bへ圧油を供給して逆回転していた状態から図示しない操作弁を中立に戻して油圧モータ50を停止させる場合を想定する。
【0035】
油圧モータ50は、負荷から受ける駆動力や油圧モータ50の慣性により回転を続けようとする。そして油圧モータ50の圧油供給排出ポート50aから圧油を吐出するポンプ作用を行う。このため圧油供給排出ポート50aに連通する管路51が高圧となる。圧油供給排出ポート50aから吐出された圧油は管路51、51aを介してリリーフ弁64の流入ポート64aに導かれる。
【0036】
油圧モータ50には、ポンプ作用によって管路51が高圧になり管路52が低圧になることで正回転方向への駆動力が発生する。この駆動力によって逆回転に対してブレーキの作用をする。
【0037】
リリーフ弁64がリリーフ動作しているときリリーフ弁64の上流側圧油が絞り72および管路66を介してピストン67の圧油作用側67aに圧油が供給される。
【0038】
圧油の供給に応じてピストン67が移動してバネ68が圧縮される。ピストン67はバネ作用側67bのバネ68バネ力と圧油作用側67aの圧油の圧力とが釣り合う位置まで移動する。
【0039】
したがってピストン67が移動するに伴い管路66、66aを介してリリーフ弁64には、バネ68の圧縮に応じた圧力の圧油が作用する。このためリリーフ弁64のリリーフ圧はピストン67の移動に応じて徐々に上昇する。
【0040】
このとき、圧油作用側67aに供給されるリリーフ弁64の上流側圧油の流量は、絞り72によって小さくされる。また、バネ作用側67b側から排出される圧油の流量は、絞り73によって小さくされる。
【0041】
したがってピストン67の移動速度およびリリーフ弁64のリリーフ圧の上昇速度は緩やかに変化する。つまり油圧モータ50に加わるブレーキ力が緩やかに上昇する。そしてピストン67がストロークエンドに達したときリリーフ弁64のリリーフ圧は設定圧すなわち最大になる。この時点で油圧モータ50に加わるブレーキ力が最大になる。
【0042】
以上のように図5に示す油圧回路では、油圧モータ50の停止時にリリーフ弁50のリリーフ圧を徐々に上昇させることによって油圧モータ50に加えるブレーキ力を徐々に上昇させるようにしている。このため油圧モータ50の停止時のブレーキ力による衝撃が緩和される。
【0043】
【発明が解決しようとする課題】
ところで油圧モータに加えられるブレーキ力の単位時間当たりの上昇量を作業形態によって変化させたいとの要請がある。
【0044】
上記の油圧モータ50に加えられるブレーキ力の単位時間当たりの上昇量は、ピストン67、バネ68などの構成要素が定まれば一義的に定まる。
【0045】
たとえば油圧モータが油圧駆動車に搭載され、油圧モータを駆動源として車輪を駆動する場合を想定する。
【0046】
従来、油圧駆動車のトランスミッションにはトルクコンバータを用いたものが一般的である。トルクコンバータを用いた油圧駆動車のブレーキ力の作用は概して緩やかである。本発明に示すような、油圧モータを用いてブレーキ作用をする車両は、前述の通り迅速にブレーキ力が作用する。つまりブレーキ力の単位時間当りの上昇量が異なっている。
【0047】
ここでトルクコンバータ車両の操作に馴れたオペレータが、油圧モータを用いてブレーキ作用する車両に乗換えた場合を想定する。
【0048】
このときオペレータにとってはブレーキの操作感覚が異なり、車両で行う掘削や積み込み作業あるいは走行など、やり難く感じることになる。つまり作業性が低下する。
【0049】
具体的な作業で示す。
【0050】
油圧駆動車が走行している状態から停止するには、トルクコンバータを用いた車両と同様に緩やかにブレーキ力を上昇させて停止することが必要となる。このような状態では単位時間あたりのブレーキ力の上昇量を小さくし、緩やかに油圧モータを停止し、車両を停止させる必要がある。油圧モータを用いてブレーキ力を作用させる車両では、リリーフ弁のリリーフ圧の単位時間あたりの上昇量を小さくする必要がある。
【0051】
これに対し、車両の推進力を用いて土砂等の掘削作業を行う場合がある。この時は推進力を大きくしたい要望がある。トルクコンバータを用いた車両では、エンジンの回転数に応じたトルクが発生する。しかしながら油圧モータを用いてブレーキ作用する車両では、推進力に対する土砂等の抵抗によってブレーキ力が作用してしまう。このときブレーキ力の単位時間あたりの上昇量が緩やかであると、油圧モータが必要なトルクを出力しない。つまりリリーフ圧の低い状態でリリーフ弁から流量がタンクへ戻ってしまうことになる。
【0052】
このときは、ブレーキ力の単位時間あたりの上昇量を大きくする必要がある。
【0053】
以上のようにリリーフ弁のリリーフ圧の単位時間当たりの上昇量を状況に応じて変化させることによって油圧駆動車の作業効率を向上させることができる。
【0054】
そこで本発明は、オペレータの好みや慣れに応じて、リリーフ弁のリリーフ圧の単位時間当たりの上昇量を変化させることによって、油圧駆動車などの油圧駆動機械の作業効率を向上させることを解決課題とする。
【0055】
【課題を解決するための手段及び作用、効果】
そこで、本発明の第1発明では、上記解決課題達成のために、
リリーフ圧の上昇量を制御するリリーフ弁のリリーフ圧制御装置において、
リリーフ弁(3)のリリーフ圧を設定する弾性部材(7)と、
シリンダ(8)内部に摺動自在に配設されるピストン(83)と、
前記シリンダ(8)内部であって前記ピストン(83)の一端側に位置するヘッド室(82)と、
前記シリンダ(8)内部であって前記ピストン(83)の他端側に位置するボトム室(84)と、備え、
前記ピストン(83)が前記ボトム室(84)側から前記ヘッド室(82)側へ移動するに応じて、当該ピストン(83)が前記弾性部材(7)の押圧方向と同一方向にリリーフ弁(3)を押圧するように、当該ピストン(83)と前記弾性部材(7)又はリリーフ弁(3)の弾性部材(7)側とを連結し、
上流側管路(16)でリリーフ弁(3)の上流側(3a)と前記ボトム室(84)とを連通し、
リリーフ弁(3)の下流側(3b)から前記ヘッド室(82)への圧油供給を許容するチェック弁(9)が設けられた第1の下流側管路(24、31)で、リリーフ弁(3)の下流側(3b)と前記ヘッド室(82)とを連通し、
並列する複数の絞り(5、6)が設けられた第2の下流側管路(24、32、33)で、リリーフ弁(3)の下流側(3b)と前記ヘッド室(82)とを連通し、
前記複数の絞り(5、6)のうち少なくとも一つの絞りを常時連通させるとともに、前記常時連通する絞り以外の絞りのうち少なくとも一つの絞りを、連通させるか遮断させるか切換えることによって、前記ヘッド室(82)から排出される圧油の流量を変化させること
を特徴とする。
【0056】
第1発明を図1を参照して説明する。
【0057】
第1発明によれば、操作弁18を中立に戻して油圧モータ21,22がポンプ作用し、油圧モータ22の圧油供給排出ポート22b側が高圧になった場合、この高圧の圧油がチェック弁12を介してリリーフ弁3の供給ポート3aに供給される。
【0058】
リリーフ弁3の上流側圧油である圧油供給排出ポート22bの吐出圧油は、ピストン83の押し室84側(これをボトム室84側と定義する)に供給される。リリーフ弁3の上流側3aに供給された圧油の圧力に応じた力がピストン83に作用する。このときピストン83は移動され、このピストン83の移動に応じて弾性部材7が圧縮される。このためリリーフ弁3のリリーフ圧が上昇していく。
【0059】
一方で、ピストン83のボトム室84側に対向する側(これをヘッド室82側と定義する)にはたとえばチエック弁9を介して、リリーフ弁3の下流側圧油である圧油(タンク10に排出する圧油)が下流側3bから供給されている。すなわち、ピストン83のヘッド室82側の圧油は、排出時は、絞り5を通過することになる。逆にヘッド室82側が吸込み作用をする場合にはチエック弁9を介して速やかに圧油を供給する。
【0060】
このピストン83のボトム室84側に対向するヘッド室82側に供給された圧油は、管路32、33を通過してリリーフ弁3の下流側3b(タンク10)に排出される。この管路32、33上には絞り5、6が設けられている。したがって、この絞り5、6の絞り量(開口面積)によって、ピストン83のボトム室84側に対向するヘッド室82側からリリーフ弁3の下流側3b(タンク10)へ排出する流量が定まる。
【0061】
この流出流量はピストン83が移動する速度を規定する。この移動速度はすなわちピストン83がバネ7を圧縮する速度であり、リリーフ圧を上昇させる速度に他ならない。
【0062】
そこで流量制御手段4、25によって複数の絞り5、6のうち少なくとも一つの絞り5が常時連通されるとともに、常時連通する絞り5以外の絞りのうち少なくとも一つの絞り6が、連通させるか遮断させるか切換えられることによって、ピストン83のヘッド室82側からリリーフ弁3の下流側3b(タンク10)へ流れる流量が変化される。このためピストン83がリリーフ圧を上昇させる側に移動する速度が変化する。つまり図2に示すように、流量制御手段4、25によってリリーフ弁3のリリーフ圧の単位時間当たりの上昇量がF、Gに切換えられる。
【0063】
以上のように第1発明によれば、複数の絞り5、6のうち少なくとも一つの絞り5が常時連通されるとともに、常時連通する絞り5以外の絞りのうち少なくとも一つの絞り6が、連通させるか遮断させるか切換えられることによって、絞り量を変化させリリーフ弁3のリリーフ圧の単位時間当たりの上昇量を変化させることができる。本発明のリリーフ弁のリリーフ圧制御装置が組み込まれた油圧駆動機械では、作業内容に応じて絞り量を変化させることにより作業効率を向上させることができる。
【0064】
また、本発明の第2発明では、上記解決課題達成のために、
リリーフ圧の上昇量を制御するリリーフ弁のリリーフ圧制御装置において、
リリーフ弁(3)のリリーフ圧を設定する弾性部材(7)と、
シリンダ(8)内部に摺動自在に配設されるピストン(83)と、
前記シリンダ(8)内部であって前記ピストン(83)の一端側に位置するヘッド室(82)と、
前記シリンダ(8)内部であって前記ピストン(83)の他端側に位置するボトム室(84)と、備え、
前記ピストン(83)が前記ボトム室(84)側から前記ヘッド室(82)側へ移動するに応じて、当該ピストン(83)が前記弾性部材(7)の押圧方向と同一方向にリリーフ弁(3)を押圧するように、当該ピストン(83)と前記弾性部材(7)又はリリーフ弁(3)の弾性部材(7)側とを連結し、
上流側管路(16)でリリーフ弁(3)の上流側(3a)と前記ボトム室(84)とを連通し、
リリーフ弁(3)の下流側(3b)から前記ヘッド室(82)への圧油供給を許容するチェック弁(9)が設けられた第1の下流側管路(24、31)で、リリーフ弁(3)の下流側(3b)と前記ヘッド室(82)とを連通し、
可変絞り(27)が設けられた第2の下流側管路(24、35)で、リリーフ弁(3)の下流側(3b)と前記ヘッド室(82)とを連通し、
前記可変絞り(27)の開口面積を変化させることによって、前記ヘッド室(82)から排出される圧油の流量を変化させること
を特徴とする。
【0084】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るリリーフ弁のリリーフ圧制御装置の実施の形態について説明する。
【0085】
なお本実施形態では、油圧駆動車に搭載された油圧回路に、リリーフ弁のリリーフ圧制御装置が組み込まれた場合を想定している。
【0086】
図1は、実施形態の油圧回路図である。
【0087】
油圧モータ21、22は油圧駆動車の左右の車輪または履帯をそれぞれ駆動する油圧アクチュエータである。
【0088】
油圧ポンプ1は、油圧モータ21、22の駆動源である。油圧ポンプ1の圧油吐出路90は操作弁18に接続されている。操作弁18と左走行用油圧モータ21の圧油供給排出ポート21a、21bとはそれぞれ管路19、管路20によって接続されている。同様に操作弁18と右走行用油圧モータ22の圧油供給排出ポート22a、22bとはそれぞれ管路19、管路20によって接続されている。
【0089】
操作弁18は油圧ポンプ1から吐出された圧油の流量および方向を制御して油圧モータ21、22の圧油供給排出ポート21a、22aまたは反対側の圧油供給排出ポート21b、22bに供給させる弁である。操作弁18は図示しない操作レバーを操作することにより、操作弁18の弁位置C、D、Eが変化し、また、モータの押退容積を変化させる。操作弁18が弁位置Eに位置されたときには、油圧モータ21、22の圧油供給排出ポート21a、22aに圧油が供給され油圧モータ21、22が回転(これを正回転と定義する)される。操作弁18が弁位置Cに位置されたときには、油圧モータ21、22の反対側の圧油供給排出ポート21b、22bに圧油が供給され油圧モータ21、22が逆方向に回転(これを逆回転と定義する)される。操作弁18が弁位置D(中立位置)に位置されたときは、油圧ポンプ1から油圧モータ21、22に供給される圧油が遮断される。
【0090】
油圧モータ21、22の圧油供給排出ポート21a、22aとリリーフ弁3の上流側3aとは管路19、リリーフ管路43、チェック弁11を介して接続している。同様に油圧モータ21、22の反対側の圧油供給排出ポート21b、22bとリリーフ弁3の上流側3aとは管路20、リリーフ管路44、チェック弁12を介して接続している。チェック弁11、12は、油圧モータ21、22から排出された圧油をリリーフ弁3の上流側3aの方向のみに導くように設けられている。チェック弁11、12はリリーフ管路43、44上で対向して設けられている。それぞれのチェック弁11、12の排出口はリリーフ弁3の上流側3aに連通している。したがってチェック弁11、12は油圧モータ21、22の圧油供給排出ポート21a、22a、反対側の圧油供給排出ポート21b、22bのうち最大の圧力となっている圧油を選択してリリーフ弁3の上流側3aに導く。なお対向するチェック弁11、12の代わりにシャトル弁を用いてもよい。
【0091】
リリーフ弁3にはバネ7によるバネ力が付与されている。バネ7のバネ力によってリリーフ弁3のリリーフ圧が設定される。リリーフ弁3の下流側3bは圧油排出管路23を介してタンク10に連通している。
【0092】
管路19は吸込み管路45、チェック弁13を介してタンク10に接続されている。管路20は吸込み管路46、チェック弁14を介してタンク10に接続されている。
【0093】
吸込み管路45、46上にはタンク10の圧油を吸い込み、管路19、管路20の方向のみに導くチェック弁13、14がそれぞれ配設されている。チェック弁13、14は吸込み管路45、46上に対向して設けられている。チェック弁13の排出口は管路19に連通し、チェック弁14の排出口は管路20に連通している。したがってチェック弁13、14は、油圧モータ21、22の圧油供給排出ポート21a、22a、21b、22bがタンク10の圧力よりも低くなっているときに、タンク10内の圧油を管路19、20へそれぞれ供給する。
【0094】
なおリリーフ弁91は、油圧モータ21、22からの戻り側の背圧をタンク10の圧力より若干高めに設定するものである。リリーフ弁91から排出された圧油はタンク10に排出される。
【0095】
リリーフ弁3には、バネ7を圧縮させるピストン83が付設されている。ピストン83はシリンダ8内に摺動自在に配設され、ピストン83と一体に設けられたロッド81がバネ7の一端に接続されている。バネ7の他端はリリーフ弁3に接続されている。したがってピストン83がバネ7を押圧する側に移動されるとリリーフ圧が上昇する。
【0096】
シリンダ8のボトム室84とリリーフ弁3の上流側3aとは管路16によって連通されている。ボトム室84へ、管路16を介してリリーフ弁3の上流側3aに圧油が供給されるとピストン83がバネ7を押圧する側に移動しリリーフ圧が上昇する。なお本実施形態では、ピストン83によってバネ7を直接圧縮することでリリーフ弁3のリリーフ圧を上昇させる構成としているが、バネ7を圧縮しないでリリーフ弁3のバネ7が配設されている側をピストン83によって押圧することでリリーフ弁3のリリーフ圧を上昇させる構成としてもよい。
【0097】
リリーフ弁3のバネ7が設けられている側に対向する側は、管路15を介してリリーフ弁3の上流側3aに接続している。
【0098】
シリンダ8のボトム室84に対向するヘッド室82と、リリーフ弁3の下流側3bの管路23とは、管路23からヘッド室82側への圧油供給を許容するチェック弁9を介して接続されている。すなわちシリンダ8のヘッド室82と、リリーフ弁3の下流側3bの管路23とは、管路31、24によって連通されている。管路31上には、チェック弁9が設けられている。
【0099】
シリンダ8のヘッド室82と、リリーフ弁3の下流側3bの管路23とは、並列に設けられた2つの絞り5、6を介して接続されている。すなわちシリンダ8のヘッド室82と、リリーフ弁3の下流側3bの管路23とは、管路32、24によって、また管路33、24によって接続されている。管路32、33上には固定絞り5、6がシリンダ8のヘッド室82と管路24に対してそれぞれ並列に設けられている。固定絞り5、6の絞り量(開口面積)はそれぞれ所定の大きさに設定されている。
【0100】
2つの固定絞り5、6のうち一方の固定絞り6とシリンダ8のヘッド室82とを接続する管路34上には電磁切換弁4が設けられている。
【0101】
電磁切換弁4は、管路34の開閉を切換える弁である。電磁切換弁4が弁位置Aに切換えられた場合には管路34は閉じられる。このときシリンダ8のヘッド室82から排出された圧油は固定絞り5を介してのみリリーフ弁3の下流側3b(タンク10)へ排出される。一方電磁切換弁4が弁位置Bに切換えられた場合には管路34は開かれ、シリンダ8のヘッド室82から流出された圧油は固定絞り5および6を介してリリーフ弁3の下流側(タンク10)へ流出される。
【0102】
電磁切換弁4は、操作盤25に設けられたスイッチ26によって切換操作される。操作盤25はオペレータが操作できる位置に配設されている。スイッチ26の操作信号iは電気信号として電磁切換弁4の電磁ソレノイドに入力される。
【0103】
スイッチ26が操作され弁位置Aを指示する操作信号Sが電磁切換弁4の電磁ソレノイドに入力されると電磁切換弁4は弁位置Aに切換えられる。一方スイッチ26が操作され弁位置Bを指示する操作信号Sが電磁切換弁4の電磁ソレノイドに入力されると電磁切換弁4は弁位置Bに切換えられる。
【0104】
なお本実施形態では、スイッチ26の操作に応じて電磁切換弁4を切換えるようにしているが、本願では図示しない他の作業用アクチュエータの操作レバーの操作に応じて自動的に切換える等、油圧駆動車の作業形態を検出して自動的に電磁切換弁4を切換えるように構成してもよい。
【0105】
また本実施形態では、油圧ポンプ1を固定容量型とし、油圧モータ21、22を可変容量型としているが、もちろん操作弁18を二つ用いることにより別回路を構成して可変容量型の油圧ポンプ1、固定容量型の油圧モータ21、22としてもよい。
【0106】
以下図1に示す油圧回路で行われる動作について説明する。
【0107】
図1で左右の油圧モータ21、22のうち一方の油圧モータ22を代表させて説明する。
【0108】
いま操作弁18が弁位置Eに操作されている状態であるとする。このとき油圧モータ22の圧油流入出ポート22aへ油圧ポンプ1から圧油が供給され油圧モータ22が正回転される。この状態から油圧モータ22の回転を停止させるため操作レバーが操作され操作弁18が弁位置(中立位置)Dに位置されたものとする。
【0109】
油圧モータ22は、負荷から受ける駆動力と慣性により回転を続けようとする。そして油圧モータ22の圧油供給排出ポート22aはチエック弁13を介してタンク10から圧油を吸込み圧油供給排出ポート22bから圧油を吐出するポンプ作用を行う。このため圧油供給排出ポート22bに接続する管路20が高圧となる。チェック弁11、12では圧油供給排出ポート22a、22bのうち圧力の高い方の圧油が選択される。このため圧油供給排出ポート22bから吐出された圧油がリリーフ管路44上のチェック弁12を介してリリーフ弁3の上流側3aに導かれる。
【0110】
油圧モータ22には、ポンプ作用によって管路20が高圧になり管路19が低圧になることで逆回転方向への駆動力が発生する。この駆動力は負荷や慣性による正回転に対してブレーキの作用をする。
【0111】
リリーフ弁3は設定圧以上になろうとする管路20への圧油をタンク10へ戻す。つまりリリーフ弁3は管路20の圧力を制限することで、油圧モータ22に対するブレーキ作用と管路20の異常高圧が防止される。
【0112】
操作弁18は弁位置Dであるため、操作弁18からは圧油供給排出ポート22a、22bのいずれにも圧油は供給されない。従って油圧モータ22は逆回転することなく油圧モータ22は停止する。
【0113】
この事からも分かるように、リリーフ弁3の設定圧はブレーキ力を決めるものである。設定圧が高ければ油圧モータ22は迅速に停止し、設定圧が低ければ停止するまでの時間は長くなる。
【0114】
油圧モータ22の圧油供給排出ポート22aは、吸込み作用により低圧となっている。したがって、管路19の圧力がタンク10の圧力より低くなればタンク10内の圧油が吸込まれ、吸込み管路45上のチェック弁13を介して圧油供給排出ポート22aに供給される。このため圧力の急激な変動によるキャビテーション発生を防ぐことができる。
【0115】
なお油圧モータ22が逆回転に回転された状態で操作弁18が中立位置Dに位置された場合も同様である。油圧モータ22にはリリーフ弁3の設定圧に応じたブレーキ力が作用して油圧モータ22は停止する。
【0116】
つぎにリリーフ弁3のリリーフ圧の上昇の制御について説明する。
【0117】
リリーフ弁3の上流側圧油である圧油供給ポート22bの吐出圧油は、シリンダ8のボトム室84に供給される。リリーフ弁3の供給ポート3aに供給された圧油の圧力に応じた力がピストン83に作用する。このときピストン83は移動され、このピストン83の移動に応じてバネ7が圧縮される。このためリリーフ弁3のリリーフ圧が上昇していく。
【0118】
一方で、シリンダ8のヘッド室82にはチエック弁9を介して、リリーフ弁3の下流側3bの圧油(タンク10に排出する圧油)が排出ポート3bから供給されている。すなわちピストン8のヘッド室82側の圧油は、排出時は、絞り弁5を通過することになる。逆にヘッド室82側が吸込み作用をする場合にはチエック弁9を介して速やかに圧油を供給する。
【0119】
このようにチェック弁9は管路23を介してタンク10からの圧油の吸込みのみを許容するので、圧油がピストン83のヘッド室82側から管路23を介してタンク10へ排出される際には緩やかに排出を行い、逆に圧油がタンク10から管路23を介してピストン83のヘッド室82側へ供給する際には迅速に供給を行うことができる。
【0120】
これによりリリーフ圧を上げるときには緩やかに、下げるときには迅速にリリーフ弁3を作動させることができる。
【0121】
ヘッド室82に供給された圧油は、固定絞り5のみまたは固定絞り5、6の両方を通過してリリーフ弁3の下流側(タンク10)に排出される。
【0122】
圧油を固定絞り5だけを通過させて流出させるか、固定絞り5、6の両方を通過させて流出させるかは、電磁切換弁4の切換えにより選択される。
【0123】
オペレータは油圧駆動車の現在の作業形態に応じて操作盤25のスイッチ26を切換操作して電磁切換弁4を切換える。
【0124】
いまスイッチ26が弁位置Aを指示する場合には弁位置Aに切換えるための操作信号Sが電磁切換弁4の電磁ソレノイドに入力される。この結果電磁切換弁4は弁位置Aに切換えられる。
【0125】
電磁切換弁4が弁位置Aに切換えられると管路34は閉じられる。このときシリンダ8のヘッド室82から排出された圧油は固定絞り6を通過しなくなる。つまり固定絞り6が遮断されることによってシリンダ8のヘッド室82から排出された圧油は固定絞り5のみを介してリリーフ弁3の下流側3b(タンク10)へ排出される。このように2つの固定絞り5、6のうち一つの固定絞り5のみしか圧油が通過できないためシリンダ8のヘッド室82から排出される圧油の流量が小さくなり、ピストン83がバネ7を圧縮する速度が小さくなる。
【0126】
図2はリリーフ弁3のリリーフ圧Pが時間tの経過に伴い上昇する様子を示す図である。
【0127】
電磁切換弁4が弁位置Aに切換えられた場合には、上述したようにピストン83がバネ7を圧縮する速度が小さくなる。したがって特性Fのようにリリーフ圧Pの単位時間当たりの上昇量は小さくなる特性を示す。このため油圧モータ22が完全に停止するまでには時間がかかるが、油圧モータ22の停止時の衝撃を緩和することができる。
【0128】
一方スイッチ26が弁位置Bを指示する場合には弁位置Bに切換えるための操作信号Sが電磁切換弁4の電磁ソレノイドに入力される。この結果電磁切換弁4は弁位置Bに切換えられる。
【0129】
電磁切換弁4が弁位置Bに切換えられると管路34は開かれる。このときシリンダ8のヘッド室82から排出された圧油は固定絞り6を通過する。つまり固定絞り6が連通されることによってシリンダ8のヘッド室82から排出された圧油は二つの固定絞り5、6を介してリリーフ弁3の排出ポート3b(タンク10)へ排出される。このように2つの固定絞り5、6の両方を圧油が通過するためシリンダ8のヘッド室82から排出される圧油の流量が大きくなり、ピストン83がバネ7を圧縮する速度が大きくなる。
【0130】
電磁切換弁4が弁位置Bに切換えられた場合には、上述したようにピストン83がバネ7を圧縮する速度が大きくなる。したがって図2において特性Gのようにリリーフ圧Pの単位時間当たりの上昇量が大きくなる特性を示す。このため油圧モータ22が完全に停止するまでの時間を短縮することができる。
【0131】
以上のように本実施形態によれば、絞り5、6の絞り量を変化させることによってリリーフ弁3のリリーフ圧の単位時間当たりの上昇量を変化させることができる。本発明のリリーフ弁のリリーフ圧制御装置が組み込まれた油圧駆動機械では、作業内容に応じて絞り量を変化させることにより作業効率を向上させることができる。
【0132】
なお本実施形態では、2つの固定絞り5、6を設け連通させるべき固定絞りの数として1つまたは2つを選択するようにしているが、固定絞りの数は3以上でもよい。つまり3以上の固定絞りを設け、3以上の固定絞りの中から連通させるべき固定絞りの数を1つ、2つ、3つ、…と選択するように構成してもよい。この場合複数の固定絞りのうち少なくとも一つの固定絞りを常時連通させ、常時連通する固定絞り以外の固定絞りのうち少なくとも一つの固定絞りを、連通させるか遮断させるか切換えればよい。
【0133】
また図1に示す実施形態では、複数の固定絞りの中から連通させるべき固定絞りの数を選択することで絞りの絞り量(開口面積)を変化させ、これによりシリンダ8のヘッド室82から排出される圧油の流量を変化させるようにしている。しかし図3に示すように複数の固定絞りの代わりに可変絞り27を配設し、可変絞り27の絞り量を変化させることによって、シリンダ8のヘッド室82から排出される圧油の流量を変化させるように構成してもよい。
【0134】
以下図3に示す油圧回路について説明する。なお図1と同一の符号は同一の構成要素であり、重複した説明は省略する。以下図1と異なる部分について説明する。
【0135】
図3に示す実施形態では、シリンダ8のヘッド室82と、リリーフ弁3の下流側3bとの間は管路35によって連通されている。管路35上には、可変絞り27が配設されている。
【0136】
可変絞り27の絞り量(開口面積)は、スイッチ26の操作量に応じて変化される。
【0137】
以下図3に示す油圧回路で行われる動作について説明する。
【0138】
操作盤25のスイッチ26が操作され、その操作量によって可変絞り27の絞り量(開口面積)が指示される。このとき可変絞り27の絞り量を示す操作信号Sが可変絞り27に入力される。この結果可変絞り27の絞り量が変化される。
【0139】
可変絞り27の絞り量が大きくなるようにつまり開口面積が小さくなるようにスイッチ26が操作された場合には可変絞り27の絞り量が大きくなり(開口面積が小さくなり)、シリンダ8のヘッド室82から流出される圧油の流量が小さくなる。この結果ピストン83がバネ7を圧縮する速度が小さくなる。このため図2の特性Fのようにリリーフ圧Pが変化する。つまり単位時間当たりのリリーフ圧Pの上昇量が小さくなる特性を示す。
【0140】
一方可変絞り27の絞り量が小さくなるようにつまり開口面積が大きくなるようにスイッチ26が操作された場合には可変絞り27の絞り量が小さくなり(開口面積が大きくなり)、シリンダ8のヘッド室82から流出される圧油の流量が大きくなる。この結果ピストン83がバネ7を圧縮する速度が大きくなる。このため図2の特性Gのようにリリーフ圧Pが変化する。つまり単位時間当たりのリリーフ圧Pの上昇量が大きくなる特性を示す。
【0141】
以上のように本実施形態によれば、可変絞り27の絞り量を変化させることによってリリーフ弁3のリリーフ圧の単位時間当たりの上昇量を変化させることができる。本発明のリリーフ弁のリリーフ圧制御装置が組み込まれた油圧駆動機械では、作業内容に応じて絞り量を変化させることにより作業効率を向上させることができる。なお図1に示す実施形態によればリリーフ圧Pの上昇特性を2段階(FまたはG)にしか切換えることしかできない。これに対して図3に示す実施形態によれば、可変絞り27の絞り量を連続的に調整することでリリーフ圧Pの上昇特性を連続的に変化させることができる。
【0142】
以上説明した実施形態では、リリーフ弁を油圧モータに接続して、油圧モータから流出された圧油をリリーフする場合を想定して説明した。しかしながら本発明のリリーフ弁のリリーフ圧制御装置としては、油圧モータから流出された圧油をリリーフさせる場合以外の用途にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態を示す図で、リリーフ弁のリリーフ圧制御装置が組み込まれた油圧回路図である。
【図2】図2は、リリーフ弁のリリーフ圧が時間の経過に伴い上昇する様子を示す図である。
【図3】図3は、図1とは異なる実施形態を示す図で、リリーフ弁のリリーフ圧制御装置が組み込まれた油圧回路図である。
【図4】図4は、従来技術を示す図である。
【図5】図5は、従来技術を示す図である。
【符号の説明】
1…油圧ポンプ
21、22…油圧モータ
3…リリーフ弁
4…電磁切換弁
5、6…固定絞り
7…バネ
8…シリンダ
9、11、12、13、14…チェック弁
10…タンク
27…可変絞り
25…操作盤
26…スイッチ
43、44…リリーフ圧管路
45、46…吸込み管路
82…ピストン

Claims (2)

  1. リリーフ圧の上昇量を制御するリリーフ弁のリリーフ圧制御装置において、
    リリーフ弁(3)のリリーフ圧を設定する弾性部材(7)と、
    シリンダ(8)内部に摺動自在に配設されるピストン(83)と、
    前記シリンダ(8)内部であって前記ピストン(83)の一端側に位置するヘッド室(82)と、
    前記シリンダ(8)内部であって前記ピストン(83)の他端側に位置するボトム室(84)と、備え、
    前記ピストン(83)が前記ボトム室(84)側から前記ヘッド室(82)側へ移動するに応じて、当該ピストン(83)が前記弾性部材(7)の押圧方向と同一方向にリリーフ弁(3)を押圧するように、当該ピストン(83)と前記弾性部材(7)又はリリーフ弁(3)の弾性部材(7)側とを連結し、
    上流側管路(16)でリリーフ弁(3)の上流側(3a)と前記ボトム室(84)とを連通し、
    リリーフ弁(3)の下流側(3b)から前記ヘッド室(82)への圧油供給を許容するチェック弁(9)が設けられた第1の下流側管路(24、31)で、リリーフ弁(3)の下流側(3b)と前記ヘッド室(82)とを連通し、
    並列する複数の絞り(5、6)が設けられた第2の下流側管路(24、32、33)で、リリーフ弁(3)の下流側(3b)と前記ヘッド室(82)とを連通し、
    前記複数の絞り(5、6)のうち少なくとも一つの絞りを常時連通させるとともに、前記常時連通する絞り以外の絞りのうち少なくとも一つの絞りを、連通させるか遮断させるか切換えることによって、前記ヘッド室(82)から排出される圧油の流量を変化させること
    を特徴とするリリーフ弁のリリーフ圧制御装置。
  2. リリーフ圧の上昇量を制御するリリーフ弁のリリーフ圧制御装置において、
    リリーフ弁(3)のリリーフ圧を設定する弾性部材(7)と、
    シリンダ(8)内部に摺動自在に配設されるピストン(83)と、
    前記シリンダ(8)内部であって前記ピストン(83)の一端側に位置するヘッド室(82)と、
    前記シリンダ(8)内部であって前記ピストン(83)の他端側に位置するボトム室(84)と、備え、
    前記ピストン(83)が前記ボトム室(84)側から前記ヘッド室(82)側へ移動するに応じて、当該ピストン(83)が前記弾性部材(7)の押圧方向と同一方向にリリーフ弁(3)を押圧するように、当該ピストン(83)と前記弾性部材(7)又はリリーフ弁(3)の弾性部材(7)側とを連結し、
    上流側管路(16)でリリーフ弁(3)の上流側(3a)と前記ボトム室(84)とを連通し、
    リリーフ弁(3)の下流側(3b)から前記ヘッド室(82)への圧油供給を許容するチェック弁(9)が設けられた第1の下流側管路(24、31)で、リリーフ弁(3)の下流側(3b)と前記ヘッド室(82)とを連通し、
    可変絞り(27)が設けられた第2の下流側管路(24、35)で、リリーフ弁(3)の下流側(3b)と前記ヘッド室(82)とを連通し、
    前記可変絞り(27)の開口面積を変化させることによって、前記ヘッド室(82)から排出される圧油の流量を変化させること
    を特徴とするリリーフ弁のリリーフ圧制御装置。
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