JP4962004B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型のインクを用いて記録を行うインクジェット記録装置に関するものである。
近年、記録速度の高速化等に対応するため、インクジェット方式の記録装置において、一つの記録ヘッドの中に多くのノズルを設ける多ノズル化が促進されている。また、インクジェット方式の記録ヘッド(記録手段)を長尺に形成し、インクの種類(色相)に対応した複数の記録ヘッドを記録媒体の幅方向に延在して平行に配置するライン型のインクジェット記録装置が考案されており(例えば、特許文献1参照)、多方面での利用が検討されている。
このようなライン型のインクジェット記録装置では、記録媒体の幅方向の長さとほぼ同様の長さの記録ヘッドを用いる必要があるが、近年の記録媒体の大型化に伴い、記録媒体の幅方向の長さを有する長尺な記録ヘッドを設けることは、記録ヘッドの配置や記録ヘッドの製造段階での精度の確保、生産性等の理由により困難な場合が多い。
そこで、同一色相の記録ヘッドを複数千鳥状に配置することにより、一つの長尺な記録ヘッドを設けたのと同様に記録を行うことのできる構成のライン型のインクジェット記録装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、このように複数の記録ヘッドを配置する場合には、複数の記録ヘッドの繋ぎ目部分において記録画像にスジ等が表れにくくするために、記録ヘッドに設けられたノズルのうち、一部のノズルによる記録箇所が重複するように記録ヘッドを配置する構成がとられる場合がある(例えば、特許文献3参照)。
ところで、樹脂等のインク吸収性のない記録媒体にも画像記録を行うことができるインクジェット記録装置として、光等の活性エネルギー線によって硬化する活性エネルギー線硬化型のインクを用いて記録を行うインクジェット記録装置が考案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかし、光等の活性エネルギー線によって硬化する活性エネルギー線硬化型のインクを用いて記録を行うと、記録ヘッドのノズルからインクが吐出され記録媒体に着弾してから活性エネルギー線の照射によって硬化するまでのタイミングによって記録媒体上に着弾したインクのドットの大きさが異なる。
このため、一つの記録ヘッドの中に、活性エネルギー線照射装置との距離の異なるノズルが混在している場合や、記録ヘッドが複数ある場合であって、記録ヘッドから活性エネルギー線照射装置までの距離が記録ヘッドごとに異なる場合には、記録媒体上に着弾したインクのドットの大きさがノズルごと又は記録ヘッドごとに異なり、ノズルごと又は記録ヘッドごとに記録媒体上に記録された画像の反射濃度が異なってしまう。
そこで、記録ヘッドと活性エネルギー線照射装置との距離に応じてインクの吐出量を変化させることにより、記録媒体上に着弾したインクのドットの大きさにばらつきが出ないようにしたライン型のインクジェット記録装置も提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特開平成11−268355号公報 特開2002−337320号公報 特開2006−35770号公報 特開2001−310454号公報 特開2004−299070号公報
しかしながら、近年は、前述したように、一つの記録ヘッドの中に、活性エネルギー線照射装置との距離の異なるノズルが混在している場合や、同一色相のインクを吐出する記録ヘッドが記録媒体の幅方向に延在して平行に配置するライン型のインクジェット記録装置ライン型のインクジェット記録装置等において、同一色相のインクを吐出する記録ヘッドが複数ある場合がある。
このような場合においては、記録ヘッドからインクが吐出され記録媒体に着弾してから活性エネルギー線の照射によって硬化するまでのタイミングがノズルごと又は記録ヘッドごとに異なるため、記録媒体上に着弾したインクのドットの大きさがノズルごと又は記録ヘッドごとに異なる。このため、ノズルごと又は記録ヘッドごとに記録媒体上に記録された画像の反射濃度が異なり、高精細な画像を行うことができないとの問題がある。特に同一色相のインクによる記録においてインクのドットの大きさが異なる場合、異なる色相間でインクのドットの大きさが異なる場合と比べて画像の反射濃度の違いが画質に与える影響が大きい。
この点、特許文献5に記載されている技術は、インクの種類(色相)に対応した複数の記録ヘッドを備える場合において、各記録ヘッドと活性エネルギー線照射装置との距離に対応してインクの吐出量を変化させるものであり、同一色相のインクを吐出するノズル間で活性エネルギー線照射装置との距離が異なる場合についてインクのドットのばらつきを解消するものではなかった。
そこで、本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、一つの記録ヘッドの中に、活性エネルギー線照射装置との距離の異なるノズルが混在している場合や、同一色相のインクを吐出する記録ヘッドが複数あり、それぞれ活性エネルギー線照射装置との距離が異なる場合でも、記録媒体上に記録された画像の反射濃度にむらがなく、高精細な画像記録を行うことができるインクジェット記録装置を提供することを目的とするものである。
このような問題を解決するため、請求項1に記載されている発明は、
活性エネルギー線を照射することによって硬化する活性エネルギー線硬化型のインクを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
記録媒体に着弾した活性エネルギー線硬化型のインクに活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射手段と、
同一色相のインクを吐出するものとして、前記活性エネルギー線照射手段との距離が異なる少なくとも2つ以上のノズルを有し、前記ノズルから前記記録媒体上に活性エネルギー線硬化型のインクを吐出させることにより記録を行う記録手段と、
前記2つ以上のノズルのいずれによって記録された画像であっても反射濃度がほぼ同等となるように、画像の反射濃度を調整する反射濃度調整手段と、を備え
前記反射濃度調整手段は、前記活性エネルギー線照射手段との距離が同じである前記ノズル毎に、前記ノズルと前記活性エネルギー線照射手段との距離に対応して、前記記録媒体に着弾した活性エネルギー線硬化型のインクに照射する活性エネルギー線量を変化させるように前記活性エネルギー線照射手段を制御するものであることを特徴としている。
請求項2に記載されている発明は、
活性エネルギー線を照射することによって硬化する活性エネルギー線硬化型のインクを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
記録媒体に着弾した活性エネルギー線硬化型のインクに活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射手段と、
前記記録媒体の温度を変化させる温度調整手段をさらに備え、
同一色相のインクを吐出するものとして、前記活性エネルギー線照射手段との距離が異なる少なくとも2つ以上のノズルを有し、前記ノズルから前記記録媒体上に活性エネルギー線硬化型のインクを吐出させることにより記録を行う記録手段と、
前記2つ以上のノズルのいずれによって記録された画像であっても反射濃度がほぼ同等となるように、画像の反射濃度を調整する反射濃度調整手段と、を備え、
前記反射濃度調整手段は、前記活性エネルギー線照射手段との距離が同じである前記ノズル毎に、前記ノズルと前記活性エネルギー線照射手段との距離に対応して、前記記録媒体の温度を変化させるように前記温度調整手段を制御するものであることを特徴としている。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記記録手段は多諧調記録を行うものであって、
前記反射濃度調整手段は、中間調での濃度を基準としてインクに照射される活性エネルギー線量及び記録媒体の温度のうち少なくともいずれか一つを変化させるものであることを特徴としている。
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
同一色相のインクによって記録を行う前記記録手段が千鳥状に複数配置されており、
前記各記録手段には、それぞれ前記ノズルが列状に配置されて、各記録手段毎にノズル群を構成していることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のインクジェット記録装置において、
同一の前記記録手段の前記ノズル群を構成する前記ノズルのそれぞれは、前記活性エネルギー線照射手段との距離が等しく、
前記複数の記録手段は、前記活性エネルギー線照射手段との距離が相対的に近いノズル群を有する記録手段と、相対的に遠いノズル群を有する記録手段と、を含み、
前記反射濃度調整手段は、前記ノズル群と前記活性エネルギー線照射手段との距離に応じて、インクの照射される活性エネルギー線量及び記録媒体の温度のうち少なくともいずれか一つを変化させるものであることを特徴としている。
さらに、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記反射濃度調整手段は、前記記録媒体の種類に応じて、インクに照射される活性エネルギー線量及び記録媒体の温度のうち少なくともいずれか一つを変化させるものであることを特徴としている。
請求項1に記載された発明によれば、活性エネルギー線照射手段との距離が異なる複数のノズルがある場合に、照射タイミングのずれにより、ノズルごとにインクの硬化状態が変わることにより生じる画像の反射濃度のばらつきをなくすように調整を行うので、同一色相のインクを吐出するノズルが複数ある場合でも、全体としてむらのない高精細な画像を形成することができるという効果を奏する。
また、活性エネルギー線照射手段との距離が同じであるノズル毎に、ノズルと活性エネルギー線照射手段との距離に対応して、インクに照射する活性エネルギー線量を変化させるように活性エネルギー線照射手段を制御するので、例えば活性エネルギー線照射手段としてLEDを用いた場合等、照射光量を変化させることが容易な構成では、簡易な構成により画像の反射濃度のばらつきをなくすことができ、同一色相のインクを吐出するノズルが複数ある場合でも、全体としてむらのない高精細な画像を形成することができるという効果を奏する。
請求項2に記載された発明によれば、活性エネルギー線照射手段との距離が異なる複数のノズルがある場合に、照射タイミングのずれにより、ノズルごとにインクの硬化状態が変わることにより生じる画像の反射濃度のばらつきをなくすように調整を行うので、同一色相のインクを吐出するノズルが複数ある場合でも、全体としてむらのない高精細な画像を形成することができるという効果を奏する。
また、活性エネルギー線照射手段との距離が同じであるノズル毎に、ノズルと活性エネルギー線照射手段との距離に対応して、記録媒体の温度を変化させるように温度調整手段を制御するので、記録媒体の温度を変化させることによりインクの物性を変化させることができる。これにより、照射タイミングのずれに起因する画像の反射濃度のばらつきをなくすことができ、同一色相のインクを吐出するノズルが複数ある場合でも、全体としてむらのない高精細な画像を形成することができるという効果を奏する。
さらに、請求項3に記載された発明によれば、画像むら等の目立ちやすい中間調での記録において、インクに照射される活性エネルギー線量及び記録媒体の温度のうち少なくともいずれか一つに応じて調整を行うので、簡易かつ効果的に照射タイミングのずれに起因する画像の反射濃度のばらつきをなくすことができるという効果を奏する。
請求項4に記載された発明によれば、記録手段を千鳥状に複数配置することにより、長尺な記録手段を設ける必要がなく、生産段階の精度を向上させることができるとともに、記録手段ごとに活性エネルギー線照射手段との距離に応じた調整を行えばよく、より簡易な手法で照射タイミングのずれに起因する画像の反射濃度のばらつきをなくすことができるという効果を奏する。
請求項6に記載された発明によれば、記録媒体の種類に応じて調整を行うので、照射タイミングの違いによる反射濃度への影響が記録媒体の種類によって異なる場合にも対応することができるという効果を奏する。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明を適用可能な実施形態がこれに限定されるものではない。
[第1実施形態]
まず、図1から図9を参照しつつ、本発明の第1の実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録装置の要部構成を模式的に示した側面図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置100は、記録媒体Pを搬送経路に沿って搬送する搬送機構1と、搬送機構1により搬送される記録媒体Pを非記録面(記録面の側と反対側となる面)側から支持するプラテン2と、プラテン2に支持された記録媒体Pの記録面に画像を記録する画像記録ユニット3と、これらを統括的に制御する制御部4(図4参照)とを備えて構成されている。
搬送機構1は、プラテン2よりも記録媒体Pの搬送方向Xの上流側に配設され、所定幅を有する長尺な記録媒体Pが巻回された元巻きローラ11と、元巻きローラ11とプラテン2との間に配設され、元巻きローラ11から送られる記録媒体Pを案内するための4つの上流側従動ローラ12a〜12dと、プラテン2よりも搬送方向Xの下流側に配設され、元巻きローラ11から送られる記録媒体Pを巻き取るための巻き取りローラ13と、プラテン2と巻き取りローラ13との間に配設され、画像記録ユニット3にて画像記録された記録媒体Pを案内するための4つの下流側従動ローラ14a〜14dと、巻き取りローラ13を回転駆動させる搬送モータ等の駆動源(図示せず)とを備えている。
このような構成の搬送機構1は、制御部4の制御下にて、駆動源の駆動により巻き取りローラ13を回転させることにより、記録媒体Pを搬送方向Xに所定の速度で搬送可能となっている。
ここで、本実施の形態に用いられる記録媒体Pとしては、通常のインクジェット記録装置に適用される普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、各種布地、各種不織布、樹脂、金属、ガラス等の材質からなる記録媒体Pが適用可能である。また、記録媒体Pの形態としては、ロール状のものが適用可能である。
なお、本実施形態では、元巻きローラ11に巻回されたロール状の記録媒体Pを巻き取りローラ13によって巻き取る構成のインクジェット記録装置100について説明するが、インクジェット記録装置は、カットシート状や板状等の記録媒体Pを用いて画像記録を行う構成のものであってもよい。
プラテン2は、例えば略水平に配置された板状部材であり、記録媒体Pの非記録面側をプラテン2の上面に吸着させて支持する媒体支持機構22(図4参照)を備えている。媒体支持機構22は、例えば記録媒体Pを吸引することにより吸着させる吸引機構や記録媒体Pを静電吸着させる手段を適用できるが、媒体支持機構22の構成はここに例示したものに限定されない。
また、プラテン2の上方には、画像記録ユニット3が設けられている。
図2及び図3を参照しつつ、画像記録ユニット3について詳細に説明する。
図2は、画像記録ユニット3の要部構成を示した上面図である。
図2に示すように、画像記録ユニット3は、搬送される記録媒体Pに対してライン方式にて画像の記録を行うものであり、支持部材31上に、記録媒体Pの幅方向(記録媒体Pの搬送方向Xと直交する方向)にわたるライン型のヘッドユニット32a,32b,32c,32dと、ヘッドユニット32a,32b,32c,32dよりも搬送方向Xの下流側に配置され記録媒体Pの記録面に吐出され着弾したインクに活性エネルギー線としての紫外線を照射する光照射部33とが設けられている。
光照射部33は、記録媒体Pに着弾した活性エネルギー線硬化型のインクに活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射手段であり、本実施形態においては、紫外線硬化型のインクに紫外線を照射可能な光源37(図3参照)を備えている。
光照射部33は、画像記録時において、ヘッドユニット32から記録媒体Pの記録面に吐出されたインクにより形成された画像に対して光源37から紫外線を照射するようになっており、これによって、記録面上にてインクが硬化し、画像の記録が行われる。
なお、前記光源37としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管、冷陰極管、発光ダイオード並びに半導体レーザ等が適用可能であるが、光源37として適用可能なものは、ここに例示したものに限定されない。
ヘッドユニット32は、インクジェット記録装置100で使用される4色(例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))のインクに対応して4つ設けられており、これら4つのヘッドユニット32a,32b,32c,32dと光照射部33とが記録媒体Pの幅方向に沿って互いにほぼ平行となるように配置されている。
なお、インクジェット記録装置100で使用可能なインクは、ここに挙げた4色に限定されない。例えば、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)等の色インクや透明インク、白インク等を使用することもできる。この場合には、各インクに対応したヘッドユニットが支持部材31に搭載される。
各ヘッドユニット32は、同一色相のインクを吐出させる記録手段としての複数の記録ヘッド34によって構成されている。図2及び図3に示すように、記録ヘッド34は、隣接する記録ヘッド34に対して搬送方向Xにおける位置がずれるように互い違いに配置されており、ヘッドユニット32全体としてみると千鳥状に配置されている。
図3は、ヘッドユニット32a,32b,32c,32dの一つと光照射部33とを下面側(記録媒体Pに対向する面)から見たものであり、ヘッドユニット32と光照射部33との配置を説明する説明図である。
なお、以下において、各ヘッドユニット32a,32b,32c,32dを構成する記録ヘッド34のうち、光照射部33に対する距離の近いものを近距離の記録ヘッド34a、光照射部33に対する距離の遠いものを遠距離の記録ヘッド34bとする。
図3に示すように、各記録ヘッド34の下面には、複数のノズル35が設けられたノズル面36となっており、ノズル35は、ノズル面36上に記録媒体Pの幅方向に延在して列状に形成されている。画像記録ユニット3は、各記録ヘッド34のノズル面36が画像記録時においてプラテン2上を搬送される記録媒体Pの記録面に対向するように配置されている。
各記録ヘッド34a,34bは、その端部が隣接する記録ヘッド34a,34bの端部とわずかに重なり合うように配置されており、重なり合っている部分のノズル35の分だけ重複した箇所に記録がなされるようになっている。
本実施形態において、同一色相のインクを吐出する1つのヘッドユニット32a,32b,32c,32dを構成する各記録ヘッド34a,34bのノズル35から光照射部33の光源37までの距離lは、当該ノズル35の設けられている記録ヘッド34が近距離の記録ヘッド34aであるか遠距離の記録ヘッド34bであるかにより異なる。すなわち、近距離の記録ヘッド34aに設けられているノズル35は光源37との間の距離laが短く、遠距離の記録ヘッド34bに設けられているノズル35は光源37との間の距離lbが長くなっている。
また、ノズル35から光照射部33の光源37までの距離は、その記録ヘッド34a,34bが、どのヘッドユニット32a,32b,32c,32dを構成するものであるかによっても異なり、例えば、図2に示す本実施形態の構成によれば、ブラック(K)のインクを吐出するヘッドユニット32aが搬送方向Xの最上流に位置し、イエロー(Y)のインクを吐出するヘッドユニット32dが搬送方向Xの最下流に位置している。このため、ノズル35から光照射部33の光源37までの距離は、ブラック(K)のインクを吐出するヘッドユニット32aを構成する記録ヘッド34に設けられているノズル35が最も長く、イエロー(Y)のインクを吐出するヘッドユニット32dを構成する記録ヘッド34に設けられているノズル35が最も短くなっている。
なお、本実施形態においては、同一の記録ヘッド34a,34bに設けられているノズル35は、すべて光照射部33の光源37までの距離lが同じとなっているので、後述するノズル35から光照射部33の光源37までの距離lに従った階調補正処理等は、記録ヘッド34a,34bごとに行うことができる。
また、各記録ヘッド34のノズル35の内部には、インクを吐出させるためのインク吐出手段38が付設されている。インク吐出手段38は、例えば、電圧を印加することによって変形するピエゾ素子等の圧電素子(図示せず)で構成されており、圧電素子に駆動電圧を印加することによって圧電素子を変形させ、これによりインク流路を圧縮してノズル35からインクを吐出させるようになっている。なお、インク吐出手段38の構成はここに例示したものに限定されず、インク吐出手段の作動により各ノズル35からインク滴を別個に吐出することのできる構成のものであれば、圧電素子を用いた構成以外のものも適用できる。
また、記録ヘッド34a,34bは、濃度階調法によって画像の階調を表現するようになっている。ここで、濃度階調法とは、画像を構成する画素毎の濃度、即ち、一画素に対して吐出されるべきインクの液滴数又は液滴量を変化させる方法である。すなわち、記録媒体P上に形成される画像は、記録ヘッド34a,34bのノズル35から吐出されるインクのインク吐出量(なお、インク吐出量は、インクの液滴量×液滴数)の変化に基づいて階調が変化することとなる。また、画像の階調表現を、例えば、ディザ法や誤差拡散法などの面積階調法の手法と組み合わせることで行うようにしてもよい。
ここで、本実施の形態に用いられる「インク」について説明する。
本実施の形態で用いられるインクは、活性エネルギー線を照射することにより硬化する活性エネルギー線硬化型インクであり、特に、「光硬化技術−樹脂・開始剤の選定と配合条件及び硬化度の測定・評価−(技術協会情報)」に記載の「光硬化システム(第4章)」の「光酸・塩基発生剤を利用する硬化システム(第1節)」、「光誘導型交互共重合(第2節)」等に適合するインクが適用可能であり、通常のラジカル重合により硬化するものであってもよい。
具体的に、本実施の形態に用いられるインクは、活性エネルギー線としての紫外線の被照射により硬化する性質を具備する紫外線硬化型インクであり、主成分として、少なくとも重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光開始剤と、色材とを含むものである。ただし、本実施の形態に用いるインクとして、上記「光誘導型交互共重合(第2節)」に適合するインクを用いる場合には、光開始剤は除外されてもよい。
上記光硬化性インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、その両系のインクが本実施の形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能であり、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施の形態に用いられるインクとして適用してもよい。
しかしながら、酸素による重合反応の阻害が少ない又は無いカチオン重合系インクのほうが機能性・汎用性に優れるため、本実施の形態では、特に、カチオン重合系インクを用いている。
なお、本実施の形態に用いられるカチオン重合系インクは、具体的に、少なくともオキセタン化合物,エポキシ化合物,ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性化合物と、光カチオン開始剤と、色材とを含む混合物であり、上記の通り、紫外線の被照射により硬化する性質を具備するものである。
次に、制御部4について図4を参照して詳細に説明する。
ここで、図4は、制御部4の要部構成を示す機能ブロック図である。また、図5(a)は、階調補正テーブル43aを示す図であり、図5(b)は、距離補正テーブル43eを示す図であり、図5(c)は、記録媒体補正テーブル43gを示す図である。
図4に示すように、制御部4は、CPU(Central Processing Unit)41、RAM(Random Access Memory)42、ROM(Read Only Memory)43、インターフェイス(I/F)44等から構成されており、制御部4はインターフェイス44を介して、搬送機構1、プラテン2の媒体支持機構22、画像記録ユニット3の各記録ヘッド34に備えられるインク吐出手段38等が電気的に接続されている。
ROM43は、情報を読み込み可能に記憶するメモリである。本実施形態において、ROM43には、インクジェット記録装置100の各部の動作に関する各種制御プログラム(図示省略)、階調補正テーブル43a、階調補正プログラム43b、インク吐出量制御プログラム43c等が記憶されている。
ここで、階調補正テーブル43aは、画像の画像データの階調補正に係る階調補正特性データを有するLUT(Look Up Table)である。階調補正特性データとは、具体的には、例えば、図5(a)に示すように、画像データに含まれる各画素の赤、緑、青成分の輝度を示す所定ビット数のRGBデータの入力画像信号レベル(入力値)と、これら入力画像信号レベルに応じて階調補正されたYMCKデータのD/A入力レベル(出力値)とを対応付けたものである。なお、本実施の形態では、入力画像信号レベルを、0〜255の濃度レベルで表現するものとし、D/A入力レベルを、白レベルが0.0となり、黒レベルが1.0となるような濃度レベルで表現するものとする。
また、ROM43は、上記各種プログラムの実行に係る制御データ(図示省略)、搬送速度テーブル43d、距離補正テーブル43e、重複部補正テーブル43f、記録媒体補正テーブル43g等の各種のLUT(Look Up Table)を記憶している。
搬送速度テーブル43dは、搬送機構1による記録媒体Pの搬送速度に係るLUTである。この搬送速度テーブル43dは、本実施の形態においては、搬送機構1による記録媒体Pの搬送速度に係る情報を含んで構成されており、例えば、高解像度の画像を形成するときには搬送速度が遅く、低解像度で画像を形成するときには搬送速度を速くするというように、画像の解像度、画質等に応じて所定の搬送速度が対応付けられている。
また、距離補正テーブル43eは、各ノズル35から光照射部33の光源37までの距離に係る情報を含んで構成されており、各ノズル35から光照射部33の光源37までの距離と画像の階調値とを対応付けたLUTである。
前述のように、本実施形態においては、各色相のインクに対応したヘッドユニット32a,32b,32c,32dのうち、いずれのヘッドユニット32を構成している記録ヘッド34に設けられているノズル35であるかによって光源37までの距離が異なり、さらに、同一色相のインクを吐出する一つのヘッドユニット32を構成する記録ヘッド34のうちでも、それが近距離の記録ヘッド34aであるか遠距離の記録ヘッド34bであるかによってもノズル35から光源37までの距離が異なる。
このため、距離補正テーブル43eは、図5(b)に示すように、ブラック(K)のインクを吐出するヘッドユニット32aを構成する記録ヘッド34のうち、近距離の記録ヘッド34aに設けられているノズル35、遠距離の記録ヘッド34bに設けられているノズル35、シアン(C)のインクを吐出するヘッドユニット34bを構成する記録ヘッド34のうち、近距離の記録ヘッド34aに設けられているノズル35、遠距離の記録ヘッド34bに設けられているノズル35…というように、4つの色相に対応した4つのヘッドユニット32を構成する記録ヘッド34を、さらに当該記録ヘッド34が近距離の記録ヘッド34aであるか、遠距離の記録ヘッド34bであるかというように、記録ヘッド34を光源37との距離に応じて8段階に分け、ノズル35から光源37までの距離に基づいて画像データの階調の補正量が各記録ヘッド34a,34bごとに規定されたLUTである。なお、距離補正テーブル43eは、ノズル35から光源37までの距離に基づいて、画像データの階調の補正量を各ノズル35ごと又は一定のノズル群ごとに対応付けたものであってもよい。
すなわち、距離補正テーブル43eは、例えば、各記録ヘッド34からのインク吐出に基づいて形成される画像のうち、ブラック(K)のインクを吐出するヘッドユニット32aを構成する記録ヘッド34により形成される画像の階調値、シアン(C)のインクを吐出するヘッドユニット32bを構成する記録ヘッド34により形成される画像の階調値、マゼンタ(M)のインクを吐出するヘッドユニット32cを構成する記録ヘッド34により形成される画像の階調値及びイエロー(Y)のインクを吐出するヘッドユニット32dを構成する記録ヘッド34により形成される画像の階調値が、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に小さくなるように、また、同一色相のインクを吐出する記録ヘッドの中でも近距離の記録ヘッド34aにより形成される画像の階調値が遠距離の記録ヘッド34bにより形成される画像の階調値よりも小さくなるように、各記録ヘッド34に設けられたノズル35の光源37に対する位置に応じて所定の補正係数が対応付けられている。
具体的には、例えば、図5(b)に示すように、ブラック(K)のインクを吐出する記録ヘッド34のうち遠距離の記録ヘッド34bの補正係数は1.00であり、近距離の記録ヘッド34aの補正係数は0.98である。また、シアン(C)のインクを吐出する記録ヘッド34のうち遠距離の記録ヘッド34bの補正係数は0.95であり、近距離の記録ヘッド34aの補正係数は0.93である。また、マゼンタ(M)のインクを吐出する記録ヘッド34のうち遠距離の記録ヘッド34bの補正係数は0.90であり、近距離の記録ヘッド34aの補正係数は0.89である。イエロー(Y)のインクを吐出する記録ヘッド34のうち遠距離の記録ヘッド34bの補正係数は0.87であり、近距離の記録ヘッド34aの補正係数は0.86である。なお、ここに示した補正係数は一例であり、各記録ヘッド34a,34bの補正係数はこれに限定されない。
また、図3に例示したように、隣接する記録ヘッド34の端部同士が重なり合い、重複した箇所に記録を行うノズル35がある場合に、何ら補正を行わずに記録を行った場合には、重複した記録箇所の反射濃度が他の部分と異なり、記録画像にすじが現れる等、画質の低下が生じる。このため、重複部補正テーブル43fは、記録箇所の重複するノズル35による記録部分とそれ以外のノズル35による記録部分との単位面積当たりの記録率又はノズル35のインク吐出手段38に印加する駆動電圧を異ならせることにより反射濃度をほぼ同等とするためのものである。本実施形態においては、特に反射濃度の違いが画質に影響しやすい中間調における単位面積当たりの記録率又はノズル35のインク吐出手段38に印加する駆動電圧について、重複部補正テーブル43fに規定された所定の補正係数に従った補正を行うようになっている。
具体的には、図6に示すように、記録箇所の重複するノズル35を有する記録ヘッド34aと記録ヘッド34bについて、それぞれ入力諧調値に対する濃度補正値を決定し、さらに、記録箇所の重複するノズル35部分についての濃度補正値を決定する。
この結果、図7に示すように、補正前の元画像の入力諧調値では記録ヘッド34aで記録される箇所、記録ヘッド34bで記録される箇所、及び記録箇所の重複するノズル35部分で記録される箇所で単位面積当たりの記録率に差がない場合(図7(a))に、重複部補正テーブル43fを適用して補正を行うと、記録ヘッド34aで記録される箇所、記録ヘッド34bで記録される箇所、及び記録箇所の重複するノズル35部分で記録される箇所の単位面積当たりの記録率が調整され(図7(b))、重複した記録箇所の反射濃度が他の部分と同等になるように補正される。
さらに、記録媒体補正テーブル43gは、記録媒体Pの構成材料に基づいて、画像データの階調の補正量が規定されたLUTである。具体的には、記録媒体補正テーブル43gは、例えば、図5(c)に示すように、構成材料の異なる各記録媒体P(例えば、構成材料aである記録媒体A〜構成材料dである記録媒体D)に応じて所定の補正係数(例えば、構成材料aである記録媒体Aに対応する補正係数1.00、構成材料bである記録媒体Bに対応する補正係数0.95、構成材料cである記録媒体Cに対応する補正係数0.75、構成材料dである記録媒体Dに対応する補正係数0.90)が規定されている。なお、記録媒体Pの種類はここに挙げたものに限定されず、記録に用いる記録媒体Pの種類に応じて記録媒体補正テーブル43gが用意される。
RAM42は、各種情報を記憶可能に構成された揮発性のメモリであり、各種のデータ等を記憶する記憶領域、各種プログラム、データを展開する作業領域等を備えて構成されている。本実施形態において、RAM42の記憶領域には、記録媒体P上への画像の記録を指示するための画像データ(図示せず)等が記憶されている。
ここで、画像データは、例えば、有線、無線を問わず所定の通信手段を介して当該インクジェット記録装置100に接続された外部装置等から入力されたものであっても良いし、また、例えば光ディスク等の所定の記憶媒体に記録され、所定の読取装置によって読み取られたものであってもよい。
CPU41は、ROM43に格納されている各種プログラムの中から指定されたプログラムを、RAM42内の作業領域に展開して、当該プログラムと協働して各種処理を実行する。
具体的には、CPU41は、階調補正プログラム43bを実行することで、画像の画像データの階調を補正する階調補正処理を実行可能となっている。
特に、本実施形態では、この階調補正処理において、CPU41は、画像の反射濃度を調整する反射濃度調整手段として、複数のノズル35のいずれによって記録された画像であっても記録画像の反射濃度がほぼ同等となるように、距離補正テーブル43eに基づく距離対応補正、重複部補正テーブル43fに基づく重複する記録箇所の反射濃度を補正する重複部濃度補正、及び記録媒体補正テーブル43gに基づく記録媒体Pの種類に応じた補正、を行うように、ノズル35ごと又は記録ヘッド34ごとの画像データの階調補正処理を行う。
すなわち、CPU41は、階調補正テーブル43aの階調補正特性データに基づき階調が補正された画像データの階調を、距離補正テーブル43eに基づいて補正するようになっている。このとき、CPU41は、各記録ヘッド34からのインク吐出に基づいて形成される画像の階調値が、記録媒体Pの搬送方向Xの上流側に配設された記録ヘッド34ほど大きく、記録媒体Pの搬送方向Xの下流側に配設された記録ヘッド34ほど小さくなるように、画像データの階調を補正する。
例えば、本実施形態では、記録媒体Pの搬送方向Xの最上流に配設されているブラック(K)のインクを吐出するヘッドユニット32aを構成する遠距離の記録ヘッド34bに対応する画像の階調値が最も大きく、記録媒体Pの搬送方向Xの最下流に配設されているイエロー(Y)のインクを吐出するヘッドユニット32dを構成する近距離の記録ヘッド34aに対応する画像の階調値が最も小さくなるように画像データの階調が補正される。
さらに、階調補正処理において、CPU41は、距離補正テーブル43eに基づいて階調が補正された画像データの階調を、重複部補正テーブル43fに基づいて補正するようになっている。
さらに、階調補正処理において、CPU41は、重複部補正テーブル43fに基づいて階調が補正された画像データの階調を、記録媒体補正テーブル43gに基づいて補正するようになっている。
ここで、反射濃度とは、記録媒体Pの表面に光を照射したときに、記録媒体Pの表面で反射する光を検出することにより測定できるものである。画像記録後の記録媒体Pの場合、記録媒体Pの表面がインクによって遮蔽されている率が高いほど反射濃度が高くなり、インクによる遮蔽率が低いほど反射濃度が低くなるとの関係にある。いずれのノズル35によって記録された画像であるかにかかわらず記録画像の反射濃度をほぼ同等となるようにすることにより、記録画像の平滑化を図ることができ、むらのない高精細な記録画像を生成することができる。
反射濃度を測定する装置としては、例えば、図8に示すように、記録媒体Pの表面に対してほぼ45度の角度から記録媒体Pの表面に光を照射する照射手段51と、照射手段51によって照射される光の焦点の真上に設けられ、記録媒体Pの表面に対してほぼ90度の角度で反射する光を検出する検出手段52とを備え、照射手段51から照射された光のうち、記録媒体Pの表面で記録媒体Pの表面に対してほぼ90度の角度で反射する光の量を検出手段52で検出することにより反射濃度を測定する測定装置50が用いられる。なお、反射濃度を測定する装置はここに例示したものに限定されない。
なお、前記距離補正テーブル43e、重複部補正テーブル43f、及び記録媒体補正テーブル43gは、いずれのノズル35によって記録された画像であっても記録画像の反射濃度がほぼ同等となるように、例えば、各ノズル35による記録画像の反射濃度を前述の測定装置50によって測定した測定値の違いに応じて補正値が設定されている。
また、CPU41は、画像記録時において、インク吐出量制御手段として、インク吐出量制御プログラム43cを実行することにより、前記階調補正テーブル43a、距離補正テーブル43e、重複部補正テーブル43f、及び記録媒体補正テーブル43gに基づき階調が補正された画像データに基づいて、複数の記録ヘッド34a,34bのノズル35から吐出されるインク吐出量、即ち、一画素に対して吐出されるべきインク液滴数(又は液滴量)を制御して、単位面積当たりの記録率を調整するようになっている。
次に、本実施形態におけるインクジェット記録装置100の動作について、図9を参照して説明する。
図9は、インクジェット記録装置100における階調補正処理を説明するためのフローチャートである。なお、この階調補正処理は、制御部4のCPU41が、ROM43に格納されている階調補正プログラム43bをRAM42の作業領域に展開し、階調補正プログラム43bとの協働により実現されるものであり、本実施形態において画像の反射濃度を調整する反射濃度調整処理である。
なお、本実施の形態においては、ユーザによる所定の操作に基づいて、又は予めデフォルトとして定められた条件により、記録を行う際の解像度、記録を行う記録媒体Pの種類等の画像記録条件が設定されるものとする。
まず、ユーザによる所定の操作に基づいて、記録媒体Pに対する画像の記録が指示され、外部のPC(Personal Computer)等から画像データを取得すると(ステップS1)、CPU41は、画像データをRAM42の記憶領域に格納し、当該画像データに対する階調補正処理を実行する。
すなわち、CPU41は、階調補正プログラム43bを読み出すとともに、ROM43に記憶されている階調補正テーブル43aを読み出して、RAM42の所定の作業領域に展開する。そして、CPU41は、階調補正テーブル43aの階調補正特性データに基づいて、RAM42に記憶されている画像データを、その入力画像信号レベルに応じたD/A入力レベルに階調補正する。これにより、画像データをRGBデータからYMCKデータに変換する(ステップS2)。
次に、CPU41は、階調補正テーブル43aに基づき階調が補正された画像データの階調を、距離補正テーブル43eに基づいて補正する(ステップS3)。階調補正テーブル43aに基づき階調が補正された画像データの階調を、さらに距離補正テーブル43eに基づいて補正することにより、ブラック(K)のインクを吐出するヘッドユニット32aのうち遠距離の記録ヘッド34bのノズル35により記録される画像の階調値が一番大きく、イエロー(Y)のインクを吐出するヘッドユニット32dのうち近距離の記録ヘッド34aのノズル35により記録される画像の階調値が一番小さくなるように画像の階調値が補正される。
また、CPU41は、ROM43から重複部補正テーブル43fを読み出して、この重複部補正テーブル43fに基づいて、前記距離補正テーブル43eに基づき階調が補正された画像データの階調値を、重複記録部分であるか否かに応じて補正する(ステップS4)。これによって、同じ箇所に重複して記録を行うノズル35がある場合にも画像全体の反射濃度をほぼ同等にすることができる。
さらに、CPU41は、ROM43から記録媒体補正テーブル43gを読み出し、当該画像記録において使用される記録媒体Pの種類に対応する補正値に基づいて所定の演算を行うことにより、前記重複部補正テーブル43fに基づき階調が補正された画像データの階調を記録媒体Pに対応するように補正する(ステップS5)。
このように階調補正処理を行うことによって、CPU41は、画像データの階調特性を最適化し、各ヘッドユニット32a,32b,32c,32dに出力する出力画像データを生成する(ステップS6)。
なお、階調が最適化された画像データに対して、CPU41が、さらに誤差拡散処理等の所定の処理を施して出力画像データを生成するようにしてもよい。
なお、階調補正処理を行う順序は、ここに例示したものに限定されず、例えば記録媒体補正テーブル43gに基づく階調補正を行った後に、距離補正テーブル43eに基づく階調補正、重複部補正テーブル43fに基づく階調補正を行ってもよい。
出力画像データが生成されると、CPU41は、搬送速度テーブル43dに基づいて当該画像記録における解像度等に応じた搬送速度で記録媒体Pを搬送するように搬送機構1を制御するとともに、インク吐出量制御手段として、階調補正処理により生成された出力画像データに基づいて、各ノズル35から吐出させるインクの吐出量、すなわち、一画素に対して吐出されるべきインク液滴数(又は液滴量)の調整を行う。そして、CPU41は、記録手段である記録ヘッド34a,34bのインク吐出手段38を制御して、所定の位置に所定量のインクを吐出させる。記録媒体Pの上に着弾したインクには光照射部33から紫外線が照射され、これにより、インクが硬化して、記録媒体P上に記録画像が形成される。
以上のように、本実施の形態のインクジェット記録装置100によれば、光照射部33との距離によって硬化に差が生じるインクを用いて画像記録を行う場合に、CPU41が、光照射部33からノズル35までの距離に応じて、光照射部33からの距離が遠いほど階調値が大きくなるように画像の階調値を補正する。このため、同一色相のインクを吐出するものとして光照射部33との距離が異なる記録ヘッド34a,34bが複数ある場合でも、記録媒体P上に記録された画像の反射濃度にむらがなく、高精細な画像記録を行うことができる。
また、CPU41は、同じ箇所に重複して記録を行うノズル35がある場合に、重複記録箇所とそれ以外の箇所とで単位面積当たりの記録率を変更するように補正を行うので、複数の記録ヘッド34a,34bを、隣接する端部が重なり合うように千鳥状に配置した場合でも、記録画像にスジ等が表れず、高精細な画像記録を行うことができる。
そして、このように、光照射部33との距離による補正、記録の重複部分に関する補正を行うため、ヘッドユニット32a,32b,32c,32dを同一色相のインクを吐出する複数の記録ヘッド34a,34bで構成し、各記録ヘッド34a,34bの端部が重なるように千鳥状に配置した場合にも、画像全体の反射濃度をほぼ同等にすることができる。このため、長尺な記録ヘッド34a,34bを用いることなく、大型の記録媒体Pにも対応可能なインクジェット記録装置100を実現することができる。
さらに、CPU41は、記録媒体Pの種類に応じて画像データを補正するので、インクの吸収性、濡れ性、表面エネルギー等の異なる記録媒体Pを使用する場合でも、当該画像記録に用いる記録媒体Pの特性に応じて出力画像データの階調を適正に補正することができ、記録媒体Pの種類にかかわらず、高精細な画像記録を行うことができる。
また、インクとして、カチオン重合系インクを用いているので、ラジカル重合系インクに比べて、紫外線に対する感度が高く且つ酸素による重合反応の阻害が少ないので、記録媒体P上に吐出されたインクの硬化に必要な光照射部33からの紫外線の照度を低減させることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
例えば、本実施形態では、記録ヘッド34a,34bにノズル35を複数設けるものとしたが、ノズル35は記録ヘッド34a,34bに列状に設けられていればよく、ノズル35を設ける数は特に限定されない。
また、本実施形態において、記録手段としての記録ヘッド34a,34bを千鳥状に複数配置するものとしたが、記録ヘッド34の数及び配置はここに例示したものに限定されない。
すなわち、図10(a)に示すように、同色のインクを吐出する記録ヘッド60a,60b,60c,60dをインクの色相ごとに一つずつ設け、このうちの一つ又は複数の記録ヘッド60を光照射部33に対して斜めになるように配置してもよい。このように光照射部33に対して斜めに配置することにより、当該記録ヘッド60による記録の解像度を向上させることができる。なお、図10(a)では、文字等の記録に多く用いられ、特に解像度を高くする必要性の高いブラック(K)のインクを吐出する記録ヘッド60aのみ、光照射部33に対して斜めになるようにしているが、斜めに配置する記録ヘッド60はこれに限定されない。すべての記録ヘッド60a,60b,60c,60dを光照射部33に対して斜めに配置してもよい。
このように、記録ヘッド60aを光照射部33に対して斜めに配置した場合には、図10(b)に示すように、同じ記録ヘッド60aの中でも、ノズル61によって光照射部33との距離が異なることとなる。このため、この場合には、距離補正テーブルにおいてノズル61ごとに補正値を対応付け、光照射部33との距離lcが最も近いノズル61による記録の画像の階調値が最も小さく、光照射部33との距離ldが最も遠いノズル61による記録の画像の階調値が最も大きくなるように(光照射部33との距離が遠いノズル61ほど画像の階調値が大きくなるように)、ノズル61ごとに画像の階調値を補正するようにする。
また、本実施形態では、画像データに階調処理を施し、記録画像の単位面積当たりの記録率を調整するようにしたが、画像の反射濃度を調整する手法はこれに限定されない。例えば、記録手段である記録ヘッド34a,34bの各ノズル35に付設されたインク吐出手段38に対して印加する駆動電圧を変更することにより画像の反射濃度を調整するようにしてもよい。
すなわち、インク吐出手段38に対して印加する駆動電圧値が高いほど記録濃度が高くなり、駆動電圧値が低いほど記録濃度も低くなる。このため、例えば、図11(a)に示すように、例えば、中間調での濃度を基準として(中間調での濃度を0として)、駆動電圧の補正値を定め、光照射部33の光源37との距離に応じて、記録濃度を高くしたい場合には、図11(b)に示すように、図11(a)に示すような駆動電圧の補正値に従って、インク吐出手段38に印加する駆動電圧値を引き上げる補正を行うようにしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、CPU41は、階調補正手段として、階調補正テーブル43aに基づいて階調が補正された画像データの階調を補正するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、階調補正テーブル43aを用いずに、画像データの階調を直接補正するような構成であってもよい。
また、CPU41は、反射濃度調整手段として、距離補正テーブル43eによる補正と併せて、重複部補正テーブル43f、記録媒体補正テーブル43gによる補正をも行うようにしたが、重複部補正テーブル43f、記録媒体補正テーブル43gによる補正を行うか否かは、適宜任意に変更可能としてもよい。
また、本実施の形態における補正に加えて、例えば、インクの物性に基づき画像データの階調の補正量が規定されたインク物性補正テーブルをROM43等の記憶手段に記憶しておき、CPU41が、前記インク物性補正テーブルに基づいて、画像データの階調値を補正するような構成であってもよい。これにより、画像データの階調特性をさらに最適化することができる。
また、上記実施の形態に用いられるインク(ラジカル重合系インク,カチオン重合系インク及びハイブリッド型インクを含む。)は、紫外線の被照射により硬化するものであるが、必ずしもこれには限定されず、紫外線以外の活性エネルギー線の被照射により硬化するものであってもよい。ここでいう「活性エネルギー線」とは、紫外線、電子線、X線、可視光線、赤外線等の電磁波を含むものである。つまり、上記実施の形態に用いられるインクには、紫外線以外の活性エネルギー線で重合して硬化する重合性化合物と、紫外線以外の活性エネルギー線で重合性化合物どうしの重合反応を開始させる光開始剤とが適用されてもよい。紫外線以外の活性エネルギー線で硬化する光硬化型のインクを上記実施の形態に用いる場合は、その活性エネルギー線を照射する光源を光照射部として適用する必要がある。
また、本実施の形態では、記録媒体P上に着弾したインク滴が、着弾直後においてドット径が時間の経過とともに小さくなるような性質を有するインクを用いるものとし、光照射部33との距離が遠いノズル(記録ヘッド)ほど、画像の階調値が大きくなるようにしたが、インクの特性はこれに限られるものではない。
例えば、記録媒体上に着弾後のドット径が時間の経過とともに大きくなるような性質を有するインクを用いてもよく、この場合には、距離補正テーブル43eは、光照射部33との距離が遠いノズル(記録ヘッド)ほど、画像の階調値が小さくなるように、画像データの階調の補正量が規定されたものが用いられることとなる。
さらに、本実施形態においてインクジェット記録装置100は、ライン方式のヘッドユニット32a,32b,32c,32dを備える画像記録ユニット3により画像記録を行うものとしたが、例えば、記録媒体Pを搬送方向(副走査方向)に搬送させながら、キャリッジ等に搭載された記録ヘッドを主走査方向に往復移動させるとともに、記録ヘッドからインクを吐出させて、画像を形成するシリアルヘッド方式のインクジェット記録装置であってもよい。この場合にも、各記録ヘッドのノズルと光照射部との距離に応じて画像の階調値が補正される。
その他、本発明が上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
[第2の実施形態]
次に、図12から図14を参照しつつ、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、いずれのノズルによって記録された画像であっても反射濃度がほぼ同等となるように、画像の反射濃度を調整する手法が第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
図12は、本実施形態にかかるインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。第2の実施形態において、インクジェット記録装置は、第1の実施形態とほぼ同様の活性エネルギー線照射手段としての光照射部33、記録手段としての複数のノズル(図示せず)を有する記録ヘッド34a,34bを備えている。また、インクジェット記録装置は、第1の実施形態とほぼ同様のCPU41を備える制御部4(反射濃度調整手段)を備えている。
図12に示すように、制御部4のROM43には、第1の実施形態と同様に、階調補正テーブル43a、距離補正テーブル43e、重複部補正テーブル43f、記録媒体補正テーブル43g等のLUTが格納されている。また、本実施形態においては、光照射部33から照射される活性エネルギー線としての紫外線の照射光量を調整するための照射光量補正テーブル43hが、ROM43に格納されている。
図13は、ノズル(又は記録ヘッド34a,34b)と光照射部33(又は光照射部33に備えられる図示しない光源)との距離と、光照射部33からの照射光量の補正係数との関係を示したグラフである。ノズルと光照射部33との距離が遠くなるほど、インクが記録媒体上に着弾してから紫外線が照射されるまでの照射タイミングが遅くなるためインクの硬化が遅くなり、ノズルと光照射部33との距離が近くなるほど、インクが記録媒体上に着弾してから紫外線が照射されるまでの照射タイミングが早くなるためインクの硬化が早くなる、というように、ノズルと光照射部33との距離によってインクの硬化状態に差が生じる。
この点、照射光量が多いほど記録媒体上でインクが早く硬化するため、ノズルと光照射部33との距離が遠くなるほど照射光量が多くなるように補正することにより、ノズルと光照射部33との距離の違いによって生じるインクの硬化状態の差がなくなるように調整することが可能となる。照射光量を照射光量補正テーブル43hにおいては、図13に示すように、ノズルと光照射部33との距離が遠くなるほど照射光量の補正係数が小さくなるように、ノズルと光照射部33との距離と照射光量の補正係数とが対応付けられている。
また、照射光量の補正係数は、記録媒体の種類によっても異なり、例えば、図13では、記録媒体Aの場合には、ノズルと光照射部33との距離が遠くなるに従って照射光量の補正係数はわずかに小さくなる程度であるが、記録媒体Bの場合には、ノズルと光照射部33との距離に対応して照射光量の補正係数が大きく変化し、ノズルと光照射部33との距離が遠くなるほど照射光量の補正係数が小さくなるようになっている。
CPU41は、階調補正処理において、第1の実施形態と同様に、階調補正テーブル43a、距離補正テーブル43e、重複部補正テーブル43f、記録媒体補正テーブル43gに基づく階調値の補正を行った後、ROM43に格納された照射光量補正テーブル43hを読み出して、ノズルと光照射部33との距離に対応して、記録媒体上に着弾したインクに対して照射する照射光量を調整する。
すなわち、本実施形態において、光照射部33の光源は、部分的に照射光量の調整が可能な構成となっており、例えばLED等を複数備えて構成されている。
なお、光源が、照射される紫外線自体の光量を部分ごとに調整することができないような構成のもの(例えば水銀ランプ等)であっても、光源近傍に光源から照射された紫外線を斜めに遮光する遮光部材等を設け、CPU41がこの遮光部材の角度等を調整することにより、記録媒体上に着弾したインクに照射される紫外線の光量を調整するように構成してもよい。
なお、その他の構成は、第1の実施形態において示したものとほぼ同様であるため、同一箇所には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、本実施形態におけるインクジェット記録装置の動作について、図14を参照して説明する。
図14は、インクジェット記録装置における画像の反射濃度を調整する反射濃度調整処理を説明するためのフローチャートである。
制御部4のCPU41は、第1の実施形態と同様に、階調補正テーブル43a、距離補正テーブル43e、重複部補正テーブル43f、記録媒体補正テーブル43gに基づいて画像の階調を補正する階調補正処理を行う。なお、この階調補正処理に関するステップS11からステップS16は、第1の実施形態において説明した階調補正処理に関するステップS1からステップS6(図9参照)と同様の処理であるため、その説明を省略する。
画像データについての階調補正処理が完了し、出力画像データが生成されると(ステップS16)、CPU41は、ROM43から照射光量補正テーブル43hを読み出し、ノズルと光照射部33との距離に対応して、記録媒体上に着弾したインクに対して照射する照射光量を調整する(ステップS17)。そして、各ノズルから出力画像データに基づいてインクを吐出させるとともに、記録媒体上に着弾したインクに対して調整後の照射光量で光照射部33から紫外線を照射する(ステップS18)。これにより、インクが硬化して、記録媒体上に画像が形成される。
以上のように、本実施形態においては、画像データについての階調補正処理を行うとともに、ノズルと光照射部33との距離に対応して光照射部33から照射する紫外線の照射光量の調整も行うので、より適切に画像の反射濃度を調整することができ、いずれのノズルによって記録された画像であっても反射濃度をほぼ同等にすることができる。
なお、本実施形態では、階調補正処理において、階調補正テーブル43aに基づく補正、距離補正テーブル43eに基づく補正、重複部補正テーブル43fに基づく補正、記録媒体補正テーブル43gに基づく補正を行うものとしたが、これらすべての補正処理を行う場合に限定されない。例えば階調補正処理として、距離補正テーブル43eに基づく補正のみを行うものとしてもよい。
また、本実施形態では、画像データに階調補正処理を施すことによって画像の反射濃度を調整するようにしたが、画像の反射濃度を調整する手法はこれに限定されない。例えば、記録手段である記録ヘッドの各ノズルに付設されたインク吐出手段38に対して印加する駆動電圧値を変更することにより画像の反射濃度を調整するようにしてもよい。
その他、本発明が上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは第1の実施形態と同様である。
[第3の実施形態]
次に、図15から図17を参照しつつ、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態は、いずれのノズルによって記録された画像であっても反射濃度がほぼ同等となるように、画像の反射濃度を調整する手法が第1の実施形態及び第2の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点について説明する。
図15は、本実施形態にかかるインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。第2の実施形態において、インクジェット記録装置は、第1の実施形態とほぼ同様の活性エネルギー線照射手段としての光照射部33、記録手段としての複数のノズルを有する記録ヘッド(図示せず)を備えている。また、インクジェット記録装置は、第1の実施形態及び第2の実施形態とほぼ同様のCPU41を備える制御部4(反射濃度調整手段)を備えている。
また、本実施形態において、インクジェット記録装置には、記録媒体を部分的に加熱可能な温度調整手段としてヒータ70が設けられている。ヒータ70としては、例えば、記録媒体を非記録面側から支持するプラテンに設けられるプラテンヒータが適用できる。この場合、例えば熱線の分布を部分ごとに変化させることができる構成とし、記録媒体の部分ごとに異なる温度で加熱可能なように構成する。
なお、温度調整手段はこれに限定されず、例えば、記録媒体の記録面側から非接触で記録媒体を加熱する非接触型のヒータを用いてもよい。この場合には、ヒータと記録媒体との間に熱を遮蔽する遮蔽部材を取り付けて、記録媒体の部分ごとに異なる温度で加熱可能なように構成する。
図15に示すように、制御部4のROM43には、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、階調補正テーブル43a、距離補正テーブル43e、重複部補正テーブル43f、記録媒体補正テーブル43g等のLUTが格納されている。また、本実施形態においては、ヒータ70による加熱温度を調整するための媒体温度補正テーブル43iが、ROM43に格納されている。
図16は、ノズル(又は記録ヘッド34a,34b)と光照射部33(又は光照射部33に備えられる図示しない光源)との距離と、ヒータによる加熱温度の補正係数との関係を示したグラフである。ノズルと光照射部33との距離が遠くなるほど、インクが記録媒体上に着弾してから紫外線が照射されるまでの照射タイミングが遅くなるためインクの硬化が遅くなり、ノズルと光照射部33との距離が近くなるほど、インクが記録媒体上に着弾してから紫外線が照射されるまでの照射タイミングが早くなるためインクの硬化が早くなる、というように、ノズルと光照射部33との距離によってインクの硬化状態に差が生じる。
この点、記録媒体の温度が高いほど記録媒体上でインクが早く硬化するため、ノズルと光照射部33との距離が遠くなるほど温度が高くなるように補正することにより、ノズルと光照射部33との距離の違いによって生じるインクの硬化状態の差がなくなるように調整することが可能となる。記録媒体の加熱温度を補正する媒体温度補正テーブル43iにおいては、図16に示すように、ノズルと光照射部33との距離が遠くなるほど温度補正係数が小さくなるように、ノズルと光照射部33との距離と照射光量の補正係数とが対応付けられている。
また、温度補正係数は、記録媒体の種類によっても異なり、例えば、図16では、記録媒体Aの場合には、ノズルと光照射部33との距離が遠くなるに従って温度補正係数はわずかに小さくなるが、記録媒体Bの場合には、ノズルと光照射部33との距離に対応して、温度補正係数が記録媒体Aの場合よりも大きく変化し、ノズルと光照射部33との距離が遠くなるほど温度補正係数が小さくなるようになっている。
CPU41は、階調補正処理において、第1の実施形態と同様に、階調補正テーブル43a、距離補正テーブル43e、重複部補正テーブル43f、記録媒体補正テーブル43gに基づく階調値の補正を行った後、ROM43に格納された媒体温度補正テーブル43iを読み出して、ノズルと光照射部33との距離に対応して、記録媒体の温度を調整する。
すなわち、本実施形態において、CPU41は、ノズルと光照射部33との距離が遠いほどヒータの温度を高く設定し、記録媒体を加熱するようになっている。
なお、その他の構成は、第1の実施形態に示したものとほぼ同様であるため、同一箇所には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、本実施形態におけるインクジェット記録装置の動作について、図17を参照して説明する。
図17は、インクジェット記録装置における画像の反射濃度を調整する反射濃度調整処理を説明するためのフローチャートである。
制御部4のCPU41は、第1の実施形態と同様に、階調補正テーブル43a、距離補正テーブル43e、重複部補正テーブル43f、記録媒体補正テーブル43gに基づいて画像の階調を補正する階調補正処理を行う。なお、この階調補正処理に関するステップS21からステップS26は、第1の実施形態において説明した階調補正処理に関するステップS1からステップS6(図9参照)と同様の処理であるため、その説明を省略する。
画像データについての階調補正処理が完了し、出力画像データが生成されると(ステップS26)、CPU41は、ROM43から媒体温度補正テーブル43iを読み出し、ノズルと光照射部33との距離に対応して、記録媒体を加熱するヒータの設定温度を調整する(ステップS27)。そして、CPU41は、ヒータ70を動作させ、調整後の温度で記録媒体を加熱する(ステップS28)。そして、記録媒体の温度が十分に上昇すると、各ノズルから出力画像データに基づいてインクを吐出させるとともに、記録媒体上に着弾したインクに対して光照射部33から紫外線を照射する。これにより、インクが硬化して、記録媒体上に画像が形成される。なお、図示しない温度センサ等を記録媒体の記録面付近に設けて、記録媒体の温度が十分に上昇したか否かを検出し、CPU41は、検出結果に応じてヒータ70のON/OFFや設定温度の変更等の制御を行うようにしてもよい。
以上のように、本実施形態においては、画像データについての階調補正処理を行うとともに、ノズルと光照射部33との距離に対応して、距離が遠いほど記録媒体の温度が高くなるように記録媒体を加熱するので、より適切に画像の反射濃度を調整することができ、いずれのノズルによって記録された画像であっても反射濃度をほぼ同等にすることができる。
なお、本実施形態では、階調補正処理において、階調補正テーブル43aに基づく補正、距離補正テーブル43eに基づく補正、重複部補正テーブル43fに基づく補正、記録媒体補正テーブル43gに基づく補正を行うものとしたが、これらすべての補正処理を行う場合に限定されない。例えば階調補正処理として、距離補正テーブル43eに基づく補正のみを行うものとしてもよい。
また、本実施形態では、画像データに階調補正処理を施すことによって画像の反射濃度を調整するようにしたが、画像の反射濃度を調整する手法はこれに限定されない。例えば、記録手段である記録ヘッドの各ノズルに付設されたインク吐出手段38に対して印加する駆動電圧を変更することにより画像の反射濃度を調整するようにしてもよい。
また、第2の実施形態で示したように、ノズルと光照射部33との距離に対応して光照射部33からの照射光量を調整する補正を合わせて行ってもよい。
その他、本発明が上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは第1の実施形態及び第2の実施形態と同様である。
本発明の第1の実施形態として例示するインクジェット記録装置を概略的に示した図である。 図1のインクジェット記録装置の画像記録ユニットの要部構成を示した平面図である。 図2に示した画像記録ユニットの一のヘッドユニットと光照射部との関係を示した平面図である。 図1のインクジェット記録装置の制御部の要部構成を示す機能ブロック図である。 図5(a)は、図1のインクジェット記録装置による階調補正処理に係る、階調補正テーブルの一例を示す図であり、図5(b)は、距離補正テーブルの一例を示す図であり、図5(c)は、記録媒体補正テーブルの一例を示す図である。 重複記録箇所がある場合の入力階調値と濃度補正値との関係を示したグラフである。 重複記録箇所がある場合の元画像と補正後の画像との関係を説明するための図である。 反射濃度を測定する測定装置の一例を示す概略構成図である。 図1のインクジェット記録装置による階調補正処理を説明するためのフローチャートである。 図10(a)は、図2に示す画像記録ユニットの一変形例の要部構成を示した平面図である。図10(b)は、図10(a)に示す一の記録ヘッドのノズルと光照射部との関係を示した説明図である。 駆動電圧を変化させる場合の補正値の例を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態として例示するインクジェット記録装置を概略的に示した図である。 本発明の第2の実施形態における照射光量補正係数の一例を示すグラフである。 図12のインクジェット記録装置による反射濃度調整処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第3の実施形態として例示するインクジェット記録装置を概略的に示した図である。 本発明の第3の実施形態における照射光量補正係数の一例を示すグラフである。 図15のインクジェット記録装置による反射濃度調整処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
100 インクジェット記録装置
3 画像記録ユニット
32a〜32d ヘッドユニット
34a,34b 記録ヘッド(記録手段)
33 光照射部
37 光源
4 制御部
41 CPU(反射濃度調整手段)
42 RAM
43 ROM
43a 階調補正テーブル
43b 階調補正プログラム
43c インク吐出量制御プログラム
43d 搬送速度テーブル
43e 距離補正テーブル
43f 重複部補正テーブル
43g 記録媒体補正テーブル
70 ヒータ(温度調整手段)
X 搬送方向

Claims (6)

  1. 活性エネルギー線を照射することによって硬化する活性エネルギー線硬化型のインクを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
    記録媒体に着弾した活性エネルギー線硬化型のインクに活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射手段と、
    同一色相のインクを吐出するものとして、前記活性エネルギー線照射手段との距離が異なる少なくとも2つ以上のノズルを有し、前記ノズルから前記記録媒体上に活性エネルギー線硬化型のインクを吐出させることにより記録を行う記録手段と、
    前記2つ以上のノズルのいずれによって記録された画像であっても反射濃度がほぼ同等となるように、画像の反射濃度を調整する反射濃度調整手段と、を備え
    前記反射濃度調整手段は、前記活性エネルギー線照射手段との距離が同じである前記ノズル毎に、前記ノズルと前記活性エネルギー線照射手段との距離に対応して、前記記録媒体に着弾した活性エネルギー線硬化型のインクに照射する活性エネルギー線量を変化させるように前記活性エネルギー線照射手段を制御するものであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 活性エネルギー線を照射することによって硬化する活性エネルギー線硬化型のインクを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
    記録媒体に着弾した活性エネルギー線硬化型のインクに活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射手段と、
    前記記録媒体の温度を変化させる温度調整手段をさらに備え、
    同一色相のインクを吐出するものとして、前記活性エネルギー線照射手段との距離が異なる少なくとも2つ以上のノズルを有し、前記ノズルから前記記録媒体上に活性エネルギー線硬化型のインクを吐出させることにより記録を行う記録手段と、
    前記2つ以上のノズルのいずれによって記録された画像であっても反射濃度がほぼ同等となるように、画像の反射濃度を調整する反射濃度調整手段と、を備え、
    前記反射濃度調整手段は、前記活性エネルギー線照射手段との距離が同じである前記ノズル毎に、前記ノズルと前記活性エネルギー線照射手段との距離に対応して、前記記録媒体の温度を変化させるように前記温度調整手段を制御するものであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 前記記録手段は多諧調記録を行うものであって、
    前記反射濃度調整手段は、中間調での濃度を基準としてインクに照射される活性エネルギー線量及び記録媒体の温度のうち少なくともいずれか一つを変化させるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 同一色相のインクによって記録を行う前記記録手段が千鳥状に複数配置されており、
    前記各記録手段には、それぞれ前記ノズルが列状に配置されて、各記録手段毎にノズル群を構成していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 同一の前記記録手段の前記ノズル群を構成する前記ノズルのそれぞれは、前記活性エネルギー線照射手段との距離が等しく、
    前記複数の記録手段は、前記活性エネルギー線照射手段との距離が相対的に近いノズル群を有する記録手段と、相対的に遠いノズル群を有する記録手段と、を含み、
    前記反射濃度調整手段は、前記ノズル群と前記活性エネルギー線照射手段との距離に応じて、インクの照射される活性エネルギー線量及び記録媒体の温度のうち少なくともいずれか一つを変化させるものであることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記反射濃度調整手段は、前記記録媒体の種類に応じて、インクに照射される活性エネルギー線量及び記録媒体の温度のうち少なくともいずれか一つを変化させるものであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
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