JP4961764B2 - 自動車のエンジンフード構造 - Google Patents

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この発明は、自動車のエンジンフード構造に関し、特に、アウタパネルとインナパネルとを具備する自動車のエンジンフード構造に関する。
従来から、自動車のエンジンルームの上方には、エンジンルームを開閉自在に覆うエンジンフードを設置することが知られている。
近年、衝突時の歩行者保護の要請から、エンジンフードに接触した歩行者の衝撃を緩和するため、エンジンフードやエンジンルーム内の構成部品等に衝撃吸収機能を付加することが提案されている。
例えば、下記特許文献1では、枠部を形成したインナパネルを備えるエンジンフード構造において、交差する二つの枠部のうち一方の枠部を細く形成することで、衝突変形時に、小さな変形ストロークで高い衝撃吸収性能を発揮できるエンジンフード構造が提案されている。
また、下記特許文献2では、エンジンルーム内の構成部品(例えば、エンジンやサスペンション関連部品)とエンジンフードとの間に、合成樹脂材料からなる衝撃吸収材を設置して、衝撃吸収性能を高める衝撃吸収構造が提案されている。
特開2004−322985号公報 特開2000−203378号公報
ところで、エンジンルーム内には、サスペンションダンパーを取付ける強固なサスペンションタワーが存在するが、このサスペンションタワーの存在によって、衝突変形時にエンジンフードが底付き変形して、歩行者に与える衝撃値が高くなる可能性がある。そこで、このサスペンションタワー部分の衝撃を如何に緩和させるかが問題となる。
この点、例えば、特許文献1のように、枠部の形状を工夫して衝撃値を低減することが考えられるが、枠部がサスペンションタワー上部に形成された場合には、変形スペースを確保できないため、かえって衝撃値が高くなり、衝撃を充分に吸収することができない。
また、特許文献2のように衝撃吸収材をサスペンションタワー上部に設置したり、または、対応するエンジンフード側に衝撃吸収材を設置することが考えられるが、衝撃吸収材をエンジンフードとサスペンションタワーの間に設置した場合には、その設置スペースが必要となり、またコストアップが生じ、さらには、エンジンフードに余分な衝撃吸収材を設けるため、エンジンフードの重量が増加するという問題が生じる。
そこで、本発明は、アウタパネルとインナパネルとを具備するエンジンフード構造において、余分な衝撃吸収材等を設けることなくエンジンフードを軽量に構成しつつも、歩行者保護を確実に図ることができる自動車のエンジンフード構造を提供することを目的とする。
この発明の自動車のエンジンフード構造は、エンジンフードの表面を形成するアウタパネルと、該アウタパネルの裏側に配置され、外縁に外枠部を形成し、該外枠部の内側には、開口部を有するように縦中枠部と横中枠部とから成る中枠部を形成し、これら枠部の一部をアウタパネルに接着する接着部を有するインナパネルとを備え、前記インナパネルに、エンジンルーム内に設けたサスペンションタワーの上方に位置する前記開口部の一部を覆うように、少なくとも、エンジンフード側端に位置する側端外枠部から延出する延出部を設け、該延出部の端縁部がエンジンフード後端に位置する後端外枠部および前記側端外枠部の車幅方向内方側に位置する前記縦中枠部と離間しているものである。
上記構成によれば、インナパネルに設けた延出部によって、サスペンションタワー上方に位置する開口部の一部が覆われ、サスペンションタワーの上方位置において、エンジンフードがアウタパネルとインナパネル延出部の二枚のパネル体で構成されることになり、エンジンフードに歩行者等が接触した際には、二枚のパネル体が徐々に変形して衝撃を吸収することになる。
このため、サスペンションタワー部分において、エンジンフードが底付き変形するおそれが低下し、確実に衝撃を緩和することができる。
また、枠部の中で剛性の高い外枠部に、延出部を設けることになるため、延出部の剛性をさらに高めることができる。
よって、延出部のエネルギ吸収性能がさらに向上して、エンジンフードの歩行者保護性能を向上することができる。
この発明の一実施態様においては、前記インナパネルに、エンジンフード組立時に、搬送装置の吸盤に吸着される被吸着部を備え、該被吸着部を前記延出部としたものである。
上記構成によれば、エンジンフード組立時に搬送装置の吸盤によって吸着されるインナパネルの被吸着部を、前記延出部とすることにより、組立時に必要な被吸着部を利用して、サスペンションタワー部分における衝撃吸収性能を高めることができる。
よって、別途専用の補強構造を施すことなく、エンジンフードの歩行者保護性能を向上することができる。
この発明の一実施態様においては、前記延出部を、略車両前後方向に延びる前記側端外枠部前記後端外枠部の車両前方側に位置して略車幅方向に延びる前記横中枠部とに跨って形成したものである。
上記構成によれば、延出部が略車両前後方向に延びる前記側端外枠部前記後端外枠部の車両前方側に位置して略車幅方向に延びる前記横中枠部に跨って形成されることで、前記側端外枠部前記横中枠部のコーナー部分に延出部が形成されることになる。
このため、延出部は二つの枠部によって支持されるため、一つの枠部で支持されるよりも剛性が高まり、衝撃吸収性能を高めることができる。
よって、延出部のエネルギ吸収性能が向上し、エンジンフードの歩行者保護性能をさらに向上することができる。
この発明の一実施態様においては、前記延出部の枠部から最も離間した位置に、アウタパネル側に突出形成した接着部を設定したものである。
上記構成によれば、延出部の枠部から最も離間した位置に、突出形成した接着部を設けることで、枠部から最も離間した部分の剛性を高めることができる。
このため、枠部から離間することで低下する延出部の剛性を、接着部の剛性を利用して補うことができる。
よって、延出部の剛性が全体的に高まることになり、エネルギ吸収性能が高まり、エンジンフードの歩行者保護性能を、さらに向上することができる。
この発明の一実施形態においては、前記エンジンフードを、車両前方側が低くなるように傾斜して設置し、前記延出部を、平面視でサスペンションタワーの車両前方側のみに重複するように設定したものである。
上記構成によれば、エンジンフードが傾斜することによって、サスペンションタワーとの上下方向距離が小さくなる車両前方側のみに延出部を設け、上下方向距離が大きい車両後方側では開口部を設定することにより、底付き変形が生じやすいサスペンションタワーの車両前方側では衝撃吸収性能を確保しつつも、底付き変形の生じにくいサスペンションタワーの車両後方側では軽量化を図ることができる。
よって、歩行者保護性能を確保しつつも、エンジンフードの軽量化を図ることができる。
この発明の一実施形態においては、前記エンジンフードを、車両前方側が低くなるように傾斜して設置し、前記サスペンションタワーの前後位置にそれぞれ略車幅方向に延びる前記後端外枠部、前記横中枠部を設置し、該横中枠部に、車両後方側に延びる延出部を設けたものである。
上記構成によれば、枠部をサスペンションタワーの上方位置を避けて設置しつつも、エンジンフードが傾斜することによってサスペンションタワーとの上下方向距離が小さい車両前方側の横中枠部のみに延出部を設けることにより、底付き変形が生じやすいサスペンションタワーの車両前方側では衝撃吸収性能を確保しつつも、底付き変形の生じにくいサスペンションタワーの車両後方側では軽量化を図ることができる。
よって、歩行者保護性能を確保しつつも、エンジンフードの軽量化を図ることができる。
この発明によれば、サスペンションタワーの上方位置において、エンジンフードがアウタパネルとインナパネルの延出部の二枚のパネル体で構成され、エンジンフードに歩行者等が接触した際には、この二枚のパネル体が徐々に変形して衝撃を吸収することになる。
このため、サスペンションタワー部分において、エンジンフードが底付き変形するおそれが低下し、確実に衝撃を緩和することができる。
よって、アウタパネルとインナパネルとを具備するエンジンフード構造において、余分な衝撃吸収材等を設けることなくエンジンフードを軽量に構成しつつも、歩行者保護を確実に図ることができる。
また、枠部の中で剛性の高い外枠部に、延出部を設けることになるため、延出部の剛性をさらに高めることができる。
よって、延出部のエネルギ吸収性能がさらに向上して、エンジンフードの歩行者保護性能を向上することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
まず、図1〜図5により、第一実施形態について説明する。図1はエンジンフードの全体底面図、図2はアウタパネルを除いた状態のエンジンフード(左半分)と車体側部を含む平面図、図3は図2のA−A線矢視断面図、図4は図2のB−B線矢視断面図、図5は搬送装置によるインナパネルの搬送状態を説明する側面図である。
本実施形態のエンジンフード1は、図1に示すように、エンジンフード1の外表面を形成するアウタパネル2と、内表面を形成するインナパネル3と、両パネル2,3を接着保持する複数の接着シール4…とを具備する。
前述のアウタパネル2は、大きな一枚の略台形状の金属製のパネル体で成形され、その表面を所定の曲面形状に成形することで車体外表面の一部を構成している。
前述のインナパネル3は、このアウタパネル2の裏側(エンジンルームE側)に配置され、同様に金属製のパネル体で成形され、アウタパネル2の剛性を確保するとともに、エンジンフード1の内表面を形成している。
このインナパネル3は、エンジンルームE(図3参照)側に突出する断面略ハット状の枠部30を複数形成することで剛性を高めている。この枠部30は、インナパネル3の外周縁部に形成した外枠部31(31A,31B,31C,31D)と、内部に形成した中枠部32からなり、このうち中枠部32は前端を基点として略放射状で車両前後方向に延びる三つの縦中枠部32a,32a,32aと、この縦中枠部32a,32a,32a間と側端外枠部31C,31D間を車幅方向に延びる複数の横中枠部32b…とで構成している。
エンジンフード1前端に設けた前端外枠部31Aには、フードストライカ34等の支持剛性を高めるため、エンジンルームE側にさらに突出した前端補強部33を設けている。
エンジンフード1後端に設けた後端外枠部31Bの両側端部には、車体側に設けたヒンジ部材(図示せず)に固定されるヒンジ固定部35を設けている。このヒンジ固定部35をヒンジ部材固定することで、エンジンフード1を、エンジンルームE上に開閉自在に設置できる。
また、インナパネル3の枠部30の間には、複数の開口部36…を設けている、このように開口部36を設けることで、余分なパネル部分を除去してインナパネル3の軽量化を図っている。
前述の接着シール4…は、円形の弾性体によって形成され、インナパネル3の各開口部36…を取り囲むようにして、インナパネル3とアウタパネル2との間に介装して設置している(図3,図4参照)。この接着シール4…によって、アウタパネル2とインナパネル3を接着して、アウタパネル2がインナパネル3から浮き上がるのを防止している。
なお、この他にも、インナパネル3とアウタパネル2は、外端縁部に設けた接合フランジ37(図3、図4参照)で接合されることで、一体となるように構成している。
本実施形態では、インナパネル3の側端外枠部31C,31Dと外側の縦中枠部32a,32aの間に位置する後端開口部36’,36’に、側端外枠部31C,31Dから車幅方向内方側に延びる延出部38,38を設けている。この延出部38,38は、後述するように衝突変形時の歩行者保護の衝撃吸収部としての機能を有する。
この延出部38の詳細構造および衝撃吸収機能について、図2、図3、図4を参照して説明する。
図2に示すように、エンジンフード1下方のエンジンルームE内には、車両側部のフロントフェンダ40側から車幅方向内方側に延びるサスペンションタワー41を設けている。このサスペンションタワー41は、サスペンション装置のうち上下方向に延びるダンパ(図示せず)を内部に収容していることから、その頂部41aを上方に突出形成している。このため、エンジンフード1とサスペンションタワー41との上下方向距離は短く、衝突時に歩行者がエンジンフード1に接触した場合等には、エンジンフード1がサスペンションタワー41部分で底付き変形をしてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、エンジンフード1のインナパネル3に、サスペンションタワー41部分に対応して、開口部36’と延出部38とを設けている。すなわち、サスペンションタワー41上方位置のエンジンフード1を、アウタパネル2のみの部分(開口部36’部分)と、アウタパネル2とインナパネル3の延出部38の部分とで構成されるように設定しているのである。
具体的には、図3に示すように、サスペンションタワー41の車両前方側部分41bに対応して平板状に延びる延出部38を設けて、サスペンションタワー41の頂部41aや車両後方側部分41cに対応して開口部36’を設けている。
このうち、延出部38は、図2に示すように、側端外枠部31Cから車幅方向内方側に延びるように形成されるとともに、サスペンションタワー41の前方位置の横中枠部32b’から車両後方側に延びるように形成され、その側端外枠部31Cと横中枠部32b’によって形成される角部39(コーナ部)を跨ぐように形成されている(図2参照)。このため、延出部38は、一つの枠部に片持ち状態で形成される場合よりも高い剛性を得ることができる。
特に、この延設部38を形成する枠部が、側端外枠部31Cという全ての枠部30の中でも太く剛性の高い枠部(図4参照)であることから、延出部38は、より高い剛性を得ることができる。
また、延出部38の端縁部38aは、緩やかな円弧形状に形成している。これにより、衝突変形時に延出部38がアウタパネル2側に変形したとしても、延出部38がアウタパネル2側に突出することはない。
さらに、延出部38の枠部から最も離間した先端38bには、接着シール4を設置する接着部38cを形成している。この接着部38cは、アウタパネル2側(上方側)に突出形成しており、延出部38の先端38bの剛性を高めている。
これにより、側端外枠部31Cや横中枠部32b’から離間することで低下する延出部38の先端38bの剛性を、接着部38cの剛性を利用して補うことができる。
このように延出部38を設けることで、衝突時に歩行者がエンジンフード1に干渉した場合には、サスペンションタワー41部分の変形が徐々に生じる。すなわち、アウタパネル2が一枚の場合(開口部36だけの場合)には、サスペンションタワー41部分で底付き変形が生じるおそれがあるが、延出部38を設けたことで、パネル体二枚を変形させることで変形を遅らせ、底付き変形のおそれを解消している。
これにより、エンジンフード1のサスペンションタワー41部分における衝撃緩和性能を高めることができ、歩行者保護性能を高めることができる。
また、前述の開口部36’は、この延出部38の車両後方側から車両内方側を取り囲むように形成され、サスペンションタワー41との関係では、サスペンションタワー41の車両後方側部分に形成している。このように開口部36’を形成することで、エンジンフード1の軽量化を図っている。
具体的には、図3に示すように、エンジンフード1が所定の傾斜角αを持って車両前方側が低くなるように傾斜して設置されているため、車両後方側の方が車両前方側に比してサスペンションタワー41との上下方向距離が大きくなる(L1>L2)。よって、サスペンションタワー41の車両後方側部分では、変形空間を確保できるため、延出部38を設けなくても、底付き変形のおそれがなくなる。そこで、この部分を開口部36’とすることで、エンジンフード1の軽量化を図っている。
なお、図2〜図4では、車体の左側部分のみを示して説明したが、右側部分も同様の構成を有する。
また、図4において、42は、車両前後方向に延びるホイルエプロンレインである。
次に、エンジンフード1の組立時のインナパネル3の搬送作業について、図5を利用して説明する。
エンジンフード1の組立作業は、まず、インナパネル3とアウタパネル2をそれぞれ別の鋼板シートからプレス機でプレス成形し、そのプレス成形したインナパネル3とアウタパネル2を搬送装置で組立ラインに搬送し、その後に、両パネル2,3を組み合わせて溶接機で溶接することによって行う。
このことから、インナパネル3は、プレス成形された後に、搬送装置で搬送されることになる。図5は、搬送装置によるインナパネル3の搬送作業を示したものである。
この搬送装置50は、ベース51に装着したヘッド部52に、上下方向にスライド可能な吸盤部53…を複数設けて、この吸盤部53…の先端でインナパネル3を吸着するように構成している。また、この搬送装置50の側方には、プレス成形後のインナパネル3を積層する積層パレット54を設置している。
搬送作業は、プレス成形したインナパネル3を一枚ずつ吸盤部53…で吸着して、ヘッド部52を移動させることで、所望の位置に搬送することによって行なう。
このとき、インナパネル3は、この搬送装置50の吸盤部53…によって吸着されるが、プレス成形が行なわれた後の吸着であることから、吸着される被吸着部の部位は、限定される。
本実施形態のインナパネル3では、図1に示すように、前述の延出部38,8と前端外枠部31A後方の平面部38’,38’に被吸着部Pを設定している。すなわち、インナパネル3の歩行者保護性能を高める延設部38,38を利用して、搬送作業の作業性を向上する部位の機能も得ているのである。
このため、生産時に使用される被吸着部P(図1参照)と歩行者保護性能を高める延出部38と兼ねることができ、インナパネル3のパネル部分をより少なくできる。
よって、本実施形態のインナパネル3によると、より効率的に延出部38を使用できるため、開口部36を多く設けることができ、エンジンフード1の軽量化を図ることができる。
次に、このように構成した本実施形態の作用効果について詳述する。
本実施形態では、インナパネル3に、サスペンションタワー41上方に位置する開口部36’を覆うように、側端外枠部31Cから延出する延出部38を設けている。
これによれば、インナパネル3に設けた延出部38によって、サスペンションタワー41上方に位置する開口部36’が覆われ、サスペンションタワー41の上方位置において、エンジンフード1がアウタパネル2とインナパネル3の延出部38の二枚のパネル体で構成され、エンジンフード1に歩行者等が接触した際には、二枚のパネル体が徐々に変形して衝撃を吸収することになる。
このため、サスペンションタワー41部分において、エンジンフード1が底付き変形するおそれがなくなり、確実に衝撃を緩和することができる。
よって、アウタパネル2とインナパネル3とを具備するエンジンフード1構造において、余分な衝撃吸収材等を設けることなくエンジンフード1を軽量に構成しつつも、歩行者保護を確実に図ることができる。
また、この実施形態では、インナパネル3に、エンジンフード1組立時に、搬送装置50の吸盤部53に吸着される被吸着部Pを備え、その被吸着部Pを延出部38に設けている。
これによれば、エンジンフード組立時に搬送装置50の吸盤部53に吸着されるインナパネル3の被吸着部Pを、延出部38とすることにより、生産時に必要な被吸着部Pを利用して、サスペンションタワー41に対応する部分の衝撃吸収性能を高めることができる。
よって、別途専用の補強構造を施すことなく、エンジンフード1の歩行者保護性能を向上することができる。
また、この実施形態では、延出部38を、略車両前後方向に延びる側端外枠部31Cと略車幅方向に延びる横中枠部32b’に跨って形成している。
これによれば、側端外枠部31Cと横中枠部32b’との角部39に、延出部38が形成されることになる。
このため、延出部38は二つの枠部によって支持されるため、一つの枠部で支持されるよりも剛性が高まり、衝撃吸収性能を高めることができる。
よって、延出部38のエネルギ吸収性能が向上するため、エンジンフード1の歩行者保護性能をさらに向上することができる。
また、この実施形態では、延出部38を形成する枠部を側端外枠部31Cとしている。
これによれば、枠部30の中で太く剛性の高い側端外枠部31Cに、延出部38を設けているため、延出部38の剛性をさらに高めることができる。
よって、延出部38のエネルギ吸収性能がさらに向上して、エンジンフード1の歩行者保護性能を向上することができる。
また、この実施形態では、延出部38の先端38bに、アウタパネル2側に突出形成した接着部38cを設定している。
これによれば、接着部38cの剛性を利用して、延出部38の先端38bの剛性を高めることができる。
よって、延出部38の先端38bの剛性が高まることで、延出部38全体のエネルギ吸収性能が高まり、エンジンフード1の歩行者保護性能をさらに向上することができる。
また、この実施形態では、エンジンフード1を、車両前方側が低くなるように傾斜して設置し、延出部38を、平面視でサスペンションタワー41の車両前方側部分のみに重複するように設けている。
これによれば、エンジンフード1の傾斜によってサスペンションタワー41との上下方向距離が小さい車両前方側のみに延出部38を設け、上下方向距離が大きい車両後方側に開口部36’を設定することにより、底付き変形が生じやすいサスペンションタワー41の車両前方側では衝撃吸収性能を確保しつつも、底付き変形の生じにくいサスペンションタワー41の車両後方側では軽量化を図ることができる。
よって、歩行者保護性能を確保しつつも、エンジンフード1の軽量化を図ることができる。
また、この実施形態では、エンジンフード1を、車両前方側が低くなるように傾斜して設置し、サスペンションタワー41の前後位置にそれぞれ車幅方向に延びる枠部(32b’,31B)を設置し、その枠部のうち前方の枠部(32b’)に、車両後方側に延びる延出部38を設けたものである。
上記構成によれば、枠部30をサスペンションタワー41の上方位置を避けて設置しつつも、エンジンフード1の傾斜によってサスペンションタワー41との上下方向距離が小さい前方側の枠部(32b’)のみに延出部38を設けることにより、底付き変形が生じやすいサスペンションタワー41の車両前方側では衝撃吸収性能を確保しつつも、底付き変形の生じにくいサスペンションタワー41の車両後方側では軽量化を図ることができる。
よって、歩行者保護性能を確保しつつも、エンジンフード1の軽量化を図ることができる。
次に、第二実施形態について、図6で説明する。この図は第一実施形態の図2に対応する平面図であり、同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
この実施形態は、サスペンションタワー141の位置を前述の第一実施形態よりも車両後方側に設定したものであり、このサスペンションタワー位置の後退に対応してインナパネル103の延出部138の位置も後退させたものである。
図6に示すように、この実施形態では、延出部138を、側端外枠部31Cと後端外枠部31Bとに跨って形成している。すなわち、後端外枠部31Cから車両前方側に延びるように延出部138を形成し、その前方に開口部136’を設定しているのである。このように延設部138を設けることで、サスペンションタワー141を延出部138で覆うことができる。
また、この延出部138の先端には、第一実施形態と同様にアウタパネル側に突出形成した接着部138cを設けている。
このように、延出部138を設けることにより、本実施形態でも前述の第一実施形態と同様に、サスペンションタワー141部分でのエンジンフード1の底付き変形が抑制される。よって、衝撃吸収性能を高めることができる。
特に、本実施形態では、延出部138の位置を後退させて後端外枠部31Bから延びるように形成したため、延出部138の剛性を、後端外枠部31Bの高い剛性を利用してさらに高めることができ、第一実施形態の延出部38よりも高い剛性を得ることができ、衝撃吸収性能をさらに高めることができる。
したがって、本実施形態では、さらに高い歩行者保護性能を得ることができる。
その他の作用効果については、前述の第一実施形態と同様である。
次に、第三実施形態について、図7で説明する。この図も第一実施形態の図2に対応する平面図であり、同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
この実施形態は、第一、第二実施形態のインナパネル3と枠部の形状が異なり、インナパネル203の枠部のうち、中枠部232を、六角形状の蜂の巣状に拡がるように形成したものである。このように中枠部232を六角形状にすることで、エンジンフード1自体をより歩行者保護性能が高いものとすることができる。
本実施形態も、他の実施形態と同様にサスペンションタワー41の上方のインナパネル203に開口部236’を設定すると共に、サスペンションタワー41の前部部分を中枠部232から延びる延設部238で覆うように設定している。
また、この延設部238は、側端外枠部231Cと斜め前方に延びる二つの横中枠部232a,232bとに跨って形成されており、延設部238自体の剛性を高めている。
このように、本実施形態においても、延設部238を設けたことにより、前述の実施形態と同様にサスペンションタワー41部分の底付き変形が抑制されて、歩行者保護性能を高めることができる。また、開口部236’を設けたことにより、エンジンフード1の軽量化も図ることができる。
よって、本実施形態でも、歩行者保護性能を確保しつつも、エンジンフード1の軽量化を図ることができる。
その他の作用効果については、前述の第一、第二実施形態と同様である。
以上、この発明の構成と、前述の実施形態との対応において、
この発明の第一枠部は、側端外枠部31C,31D,231Cに対応し、
第二枠部は、横中枠部32b’後端外枠部31Bに対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる自動車のエンジンフード構造に適用する実施形態を含むものである。
第一実施形態のエンジンフードの全体底面図。 アウタパネルを除いた状態のエンジンフードと車体側部を含む平面図。 図2のA−A線矢視断面図。 図2のB−B線矢視断面図。 搬送装置によるインナパネルの搬送状態を説明する側面図。 図2に対応する第二実施形態の平面図。 図2に対応する第三実施形態の平面図。
E…エンジンルーム
1…エンジンフード
2…アウタパネル
3,103,203…インナパネル
31…外枠部
31B…後端外枠部(エンジンフード後端に位置する外枠部)
31C,31D…側端外枠部
32…中枠部
32a…縦中枠部
32b…横中枠部
36,36’,136’,236’…開口部
38,138,238…延出部
38a…延出部の端縁部
41,141…サスペンションタワー
50…搬送装置
P…被吸着部

Claims (6)

  1. 自動車のエンジンフード構造であって、
    エンジンフードの表面を形成するアウタパネルと、
    該アウタパネルの裏側に配置され、外縁に外枠部を形成し、該外枠部の内側には、開口部を有するように縦中枠部と横中枠部とから成る中枠部を形成し、これら枠部の一部をアウタパネルに接着する接着部を有するインナパネルとを備え、
    前記インナパネルに、エンジンルーム内に設けたサスペンションタワーの上方に位置する前記開口部の一部を覆うように、少なくとも、エンジンフード側端に位置する側端外枠部から延出する延出部を設け、
    該延出部の端縁部がエンジンフード後端に位置する後端外枠部および前記側端外枠部の車幅方向内方側に位置する前記縦中枠部と離間している
    自動車のエンジンフード構造。
  2. 前記インナパネルに、エンジンフード組立時に、搬送装置の吸盤に吸着される被吸着部を備え、
    該被吸着部を前記延出部とした
    請求項1記載の自動車のエンジンフード構造。
  3. 前記延出部を、略車両前後方向に延びる前記側端外枠部前記後端外枠部の車両前方側に位置して略車幅方向に延びる前記横中枠部とに跨って形成した
    請求項1または2記載の自動車のエンジンフード構造。
  4. 前記延出部の枠部から最も離間した位置に、アウタパネル側に突出形成した接着部を設定した
    請求項記載の自動車のエンジンフード構造。
  5. 前記エンジンフードを、車両前方側が低くなるように傾斜して設置し、
    前記延出部を、平面視でサスペンションタワーの車両前方側のみに重複するように設定した
    請求項3または4記載の自動車のエンジンフード構造。
  6. 前記エンジンフードを、車両前方側が低くなるように傾斜して設置し、
    前記サスペンションタワーの前後位置にそれぞれ略車幅方向に延びる前記後端外枠部、前記横中枠部を設置し、
    該横中枠部に、車両後方側に延びる延出部を設けた
    請求項3または4記載の自動車のエンジンフード構造。
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