JP4961225B2 - 揺動型歯車装置 - Google Patents

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本発明は、ハウジングに固定された歯数n1 の第1歯車と、出力軸に取付けられた歯数n4 の第4歯車とを、入力軸との各軸芯を一致させて配置し、歯数n2 の第2歯車および歯数n3 の第3歯車を一体に設けた回転体を、第2歯車が第1歯車と噛み合い、第3歯車が第4歯車と噛み合うように前記入力軸の傾斜部で軸支し、前記第1、第2歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点と、前記第3、第4歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点とが一致する点を原点とするXY座標のX軸上に前記入力軸の軸芯を配置し、かつ、第1、第2歯車の噛み合い点と第4、第3歯車の噛み合い点とを該XY座標の同一象限若しくは異なる象限上に置いてなる揺動型歯車装置に関する。
従来より、揺動運動を行ういわゆる揺動型歯車装置を用いた減速歯車装置の原理が知られていた。この揺動型歯車装置は、4つの歯車のみで大減速比を得ることが可能であり、様々な利点を有するものである。しかしながら、揺動型歯車装置はその歯形を高精度かつ低コストでの生産が困難な球面インボリュート歯形とする必要があり、実用化には至らなかった。本発明者はこの球面インボリュート歯形に替えて、一方の歯車の歯形を、歯すじ方向において歯幅および歯たけが等しいいわゆる等高歯とし、他方の歯形を該等高歯の歯形を創成転写し、さらに該等高歯を、ローラ状のコロを凸状歯として用いることにより、揺動型歯車装置の実用化を可能とした。なお、揺動型歯車装置の詳細については、特公平7−56324号公報(特許文献1)に開示されている。
図7には、本発明者による揺動型歯車装置の要部断面が示されている。揺動型歯車装置は、入力軸1と出力軸2との間を、第1〜第4歯車A 〜A で連結し、これらの歯車によって減速を行っている。この第1〜第4歯車A〜Aは傘歯車である。そして、第1歯車A はハウジング6に一体的に固定されている。また、第2歯車A および第3歯車A は1つの回転体3に設けられ、回転体3は入力軸1の傾斜部1aで回転自在に支承されている。このように回転体3を傾斜支持すると、入力軸1の回転に伴って回転体3に揺動運動を発生させることができる。また、各歯車の噛み合い部にコロが介在されこのコロの転動により噛み合い摩擦を吸収している。
図8に示すように、コロ4aは、第1歯車A(第4歯車A )に形成された凹溝4bによって転動自在に支持されている。そして、凹溝4bから突出するコロ4aによって、半円筒状の凸状歯4を形成している。また、第2歯車A (第3歯車A )にも半円弧状凹溝を形成し、凹状歯5として構成する。そして、回転体3が矢印Bで示す方向に揺動運動を行うと、第2歯車A (第3歯車A )は矢印Cで示す方向に移動し、各凹状歯5と凸状歯4とを噛み合わせていく。この際に、各凹状歯と凸状歯との間に生ずる摺動を、コロ4aの転動で吸収している。したがって、バックラッシの設定をなくし、かつ、歯同士に意図的に予圧を付与しても、歯同士の噛み合いによる発熱を回避することが可能となる。
特公平7−56324号公報
上記の揺動型歯車装置は、上記凸状歯を凹溝とコロとで構成、すなわち、噛み合い部にコロを介在させることにより、原理的には噛み合い部の摩擦抵抗が低減されることになり、伝達効率を高めることが可能となる。
ところで、この種の揺動型歯車装置においては、揺動運動を規制する傾斜部が設けられており、この傾斜部は入力軸と一体的な回動を行うために入力軸と一体に形成されている。したがって、入力軸部と傾斜部の軸芯がそれぞれ異なっているので、傾斜部を含む入力軸の加工にあたって、軸芯ごとに軸芯を合わせて加工する必要があり、加工作業が煩雑になるだけでなく、精度面においても問題が残る。
すなわち、この種の揺動型歯車装置は、第1、第2歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点と、第3、第4歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点とが一致する原点を起点に、第2および第3歯車が揺動運動すなわち球面運動しながら噛み合いを行うものであるため、単に傾斜角だけでなくその原点の位置精度がきわめて重要となる。つまり、傾斜部が入力軸と一体に形成されている従来のものにおいては、入力軸と同芯部の加工と傾斜部の加工はそのつど加工機に対しその軸芯に応じて加工軸をセットしなおして加工する必要があり、特に傾斜部の加工の際にはそれ以外の入力軸部が傾斜部の軸芯に対して偏心運動することになるので、軸全体としてたわみが生じ、傾斜角および原点位置の加工精度に影響を与えることになる。
本発明はかかる点に着目してなされたもので、加工精度の確保の容易な揺動型歯車装置を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するための本発明の請求項1に係わる手段は、ハウジングに固定された歯数n1 の第1歯車と、出力軸に取付けられた歯数n4 の第4歯車とを、入力軸との各軸芯を一致させて配置し、歯数n2 の第2歯車および歯数n3 の第3歯車を一体に設けた回転体を、第2歯車が第1歯車と噛み合い、第3歯車が第4歯車と噛み合うように前記入力軸の傾斜部で軸受部材を介して軸支し、前記第1、第2歯車の基準ピッチ円を通る共通球面の中心点と、前記第3、第4歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点とが一致する点を原点とするXY座標のX軸上に前記入力軸の軸芯を配置し、かつ、上記原点から所定の角度傾斜する軸上に上記傾斜部の軸芯を配置し、第1、第2歯車の噛み合い点と第4、第3歯車の噛み合い点とを該XY座標の同一象限若しくは異なる象限上に置いてなる揺動型歯車装置であって、
上記傾斜部が、所定の傾斜角の貫通孔を有する中空偏心体として構成され、該中空偏心体の外周面および内周面のうち一方が入力軸と同軸でかつ入力軸上に嵌挿固定される固定面として構成され、他方が回転体を支承する支承面として構成されており、該傾斜部の支承面及び上記回転体の周面にそれぞれ環状のボール軌道面が形成され、該両ボール軌道面間にボールが配置されることで、上記回転体が、該回転体に形成される第2歯車及び第3歯車の各ピッチ円を通る上記共通球面の中心点が上記原点と一致するように、上記傾斜部の支承面に対し支承され、かつ、該傾斜部、該回転体及び該ボールにより上記軸受部材としての転がり軸受が構成され、該傾斜部が、その組み付け状態において、上記入力軸上に上記原点を持ちかつ入力軸に対して所定の傾斜角となるように形成されていることを特徴とする。
上記傾斜部が、入力軸に対して軸長の短い別部材つまり中空偏心体として構成されているので、一体型入力軸の場合に発生する軸のたわみを解消することができ、これにより、揺動型歯車装置の揺動運動を規制する原点および傾斜角を極めて高精度に形成でき、揺動型歯車装置の高精度の噛み合い精度の確保が可能となる。
また、上記傾斜部、上記回転体及び上記ボールにより転がり軸受が構成されることによって、部品点数の最小化を図ることが可能となり、構造の簡略化を図ることができる。
請求項2にかかわる手段は、請求項1において、上記入力軸が中空状に形成され、その半径方向内方において上記回転体を支承するように構成されており、上記傾斜部が上記中空状の入力軸の内周面に嵌挿固定されていることを特徴とする。
この構成によれば、中空状の入力軸の外周面および内周面の同軸加工が可能となり、軸方向の肉厚を同一にすることができ、半径方向最外端に位置する入力軸の外径の小径化を図ることができる。つまり、従来のように、中空入力軸の内周に傾斜部を直接加工する場合には、入力軸の軸芯に対して傾斜した軸芯の加工工具で加工する必要があるので、その内周面が局部的に薄くなり強度上不利となる。薄肉部の強度を確保するには、全体の肉厚を厚くする必要があり、その結果、入力軸の大径化につながる。したがって、傾斜部の別体化を図り、この傾斜部に傾斜軸芯を持たせ、かつ入力軸との支承面を入力軸と同軸に形成することによって、入力軸の小径化が図れる。
請求項3にかかわる手段は、請求項1において、上記回転体が入力軸の外周面によって支承され、上記傾斜部が入力軸の外周面に嵌挿固定されていることを特徴とする。この構成によれば、入力軸が単一の軸芯となるので単一の加工軸芯での加工となるので、加工が容易になるだけでなく加工精度の向上も可能となる。
本発明によれば、揺動型歯車装置の揺動中心としての原点位置の精度と傾斜角の精度の向上が可能となり、揺動型歯車装置の噛み合い精度を向上させることができる。
以下本発明の実施例を図1〜10に基づいて説明する。なお、上記従来例と同一ないし相当部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。本発明にかかわる揺動型歯車装置は、ハウジング6に固定された歯数n1 の第1歯車Aと、出力軸2に取付けられた歯数n4 の第4歯車Aとを、入力軸1との各軸芯を一致させて配置し、歯数n2 の第2歯車Aおよび歯数n3 の第3歯車Aを一体に設けた回転体3を、第2歯車Aが第1歯車Aと噛み合い、第3歯車Aが第4歯車Aと噛み合うように前記入力軸1の傾斜部1aで軸支し、前記第1、第2歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点と、前記第3、第4歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点が一致する点を原点OとするXY座標のX軸上に前記入力軸の軸芯Gを配置し、かつ、上記原点Oから所定の角度傾斜する軸上に上記傾斜部7の軸芯Hを配置し、第1、第2歯車A,Aの噛み合い点と第4、第3歯車A,Aの噛み合い点とを該XY座標の同一象限若しくは異なる象限上に置くことによって構成される。
上記揺動型歯車装置は、より具体的には、歯数の異なる4つの歯車として、第1〜第4歯車A1 〜A を有している。各歯車は傘歯車である。このうち第1歯車A は、ハウジング6に一体的に固定され、回転をしない固定歯車である。第2歯車A 、第3歯車A は、入力軸1によって軸支される回転体3に形成されている。また、第4歯車A4 は出力軸2に設けられ、ハウジング6により回転自在に支持されている。そして、第1歯車A と第2歯車A 、第3歯車A と第4歯車A4 とがそれぞれ噛み合っている。
回転体3は、入力軸1の軸芯Gに対して所定の角度をなす軸芯Hを有する傾斜部1aによって支持されている。入力軸1自体も、ハウジング6によって回動自在に支持されている。入力軸1が回転すると、傾斜部7が首を振るような運動をし、これに軸支される回転体3は、揺動運動をする。この、回転体3の揺動運動に伴い、第2歯車A を第1歯車A に、また、第3歯車A を第4歯車A4 にそれぞれ噛み合わせていく。すると、第2歯車A は、1周期の揺動運動(入力軸1の1回転)当り、第1歯車A との歯数差に相当する分だけ第1歯車A に対して回転する。すなわち、第1歯車A と、第2歯車A との間で、1段階の減速がなされる。
ここで、第1歯車A の歯数を 100、第2歯車A の歯数を 101とした場合を考える。入力軸1が1回正回転すると、第1歯車A に対して第2歯車A は1/100 だけ正回転する。第2歯車A の運動は、第3歯車A3 に直接伝わり、第3歯車A3 と第4歯車A4 との間でも、同様の噛み合いを行う。この場合、第3歯車A3 と第4歯車A4 との間に歯数差を与えておけば、該第3歯車A3 と第4歯車A4 との間でも、1段階の減速がなされる。すなわち、入力軸1の回転運動が出力軸2に伝達される際に、第1、第2歯車A1 ,A2 と、第3、第4歯車A3 ,A4 とで、2段階の減速作用が行われることになる。なお、第3歯車A3 と第4歯車A4 の間の歯数差がゼロの場合には、同一箇所での噛み合いとなり減速作用は行われず、第1歯車A1 と第2歯車A2 との間での減速作用のみとなる。
上記揺動型歯車装置の減速比をR(入力軸1が1回転したときの出力軸2の回転数)とすると、R=1−(n4 ×n2 )/(n3 ×n1 ) ……(i)
ここで、n1 :第1歯車A の歯数,n2 :第2歯車A の歯数,n3 :第3歯車A3 の歯数,n4 :第4歯車A4 の歯数とし、n1 =1000,n2 =1001,n3 =1000,n4 =999とすると、減速比R=1/ 100万(正回転)となる。このように、揺動型歯車装置は、僅か4枚の歯車で大きな減速比を得ることができるものである。
なお、前述のごとく、第1歯車A の歯数と第2歯車A の歯数差が1の場合には、揺動運動が1周期進むと、第1歯車A と第2歯車A との間で、噛み合う歯は1つずれる。また、同歯数差が2の場合は、揺動運動が1周期進むと、第1歯車A と第2歯車A との間で、噛み合う歯は2つずれる。同様にして、歯数差がnの場合には、噛み合う歯はn個ずれることになる。このことは、第3、第4歯車A3 ,A4 の関係においても同じである。
続いて、揺動型歯車装置の歯形を求める手法について、以下に説明する。ここで、図1に示す揺動型歯車装置の各傘歯車の歯形を求める手法を示す展開図を図5に、その要部拡大図を図6に示す。なお、各歯車A1,A2 ,A3 ,A4 は摸式的にピッチ円錐で示している。
ここでは、第1歯車A1 、第2歯車A2 の各ピッチ円を通る共通球面Cir1と、第3歯車A3 、第4歯車A4 の各ピッチ円を通る共通球面Cir2とを考える。そして、各共通球面の中心点を一致させ、該一致点を原点Oとする。さらに、原点Oを原点とするXY座標を考える。このXY座標のX軸上に入力軸1の軸芯Gを配置する。また、第1、第2歯車A ,A2 の噛み合い点をC1 、第3、第4歯車A3 ,A4 の噛み合い点をC2 とする。そして、噛み合い点C1,C2 を、第1象限と第3象限若しくは第2象限と第4象限に置く。
また、入力軸1の軸芯Gと傾斜部7の軸芯Hとがなす角度をθ、第1歯車A1 の背円錐とピッチ円錐の中心線とでなす角度をθ1 、第2歯車A2 の背円錐とピッチ円錐の中心線とでなす角度をθ2 とすると、θ1 +θ2 =θである。なお、θ1 ,θ2 のいずれか一方の角度を零とすることも可能であり、この場合は、前記角度を零とした方の歯車が冠歯車となる。同様にして、第3、第4歯車A3 ,A4 の背円錐と各ピッチ円錐の中心線とでなす角度は、第3歯車A3 はθ3 、第4歯車A4 はθ4 かつθ3 +θ4 =θである。
また、第1〜第4歯車の歯数をそれぞれn1 ,n2 ,n3 ,n4 とし、n1 ,n2 の値、n3 ,n4 の値は互いに異なるものとする。ここで、第1〜第4歯車A1 〜A4 の各ピッチ円錐の頂点O1 ,O2 ,O3 ,O4 から、各背円錐の頂点D1 ,D2 ,D3 ,D4 までの距離D1 O1 ,D2 O2 ,D3 O3 ,D4 O4 を、ピッチ円半径とする円筒歯車ER1 ,ER2 ,ER3 ,ER4 を考える。そして、このピッチ円上に形成されるインボリュート歯形若しくは任意の歯形を想定し、これを第1〜第4歯車A1 〜A4 の相当円筒歯車とする。ここで、該相当円筒歯車の相当歯数をZ1 ,Z2 ,Z3 ,Z4 とすると、
Z1 =n1 /Sinθ1 ……(ii)
Z2 =n2 /Sinθ2 ……(iii )
Z3 =n3 /Sinθ3 ……(iv)
Z4 =n4 /Sinθ4 ……(v)
と表すことができる。
したがって、本発明にかかわる歯形は、上記式(ii),(iii )で得られる関係を基礎に相当円筒歯車において、第1歯車A1 に等高歯の歯形を形成し、さらに、第2歯車A2 に該歯形を創成転写する。第3、第4歯車A3 ,A4 も同様にして形成する。すなわち、第1〜第4歯車A〜Aは2対の等高歯歯車対が形成されることになり、従来の球面インボリュウト歯形に比べて加工精度の自由度の高い揺動型歯車装置が得られることになる。
さて、本発明の実施の形態では、揺動型歯車装置の揺動運動を規制する上で要となる入力軸および傾斜部の構造は以下のように構成されている。図1に示す実施態様1の揺動型歯車装置は、中実入力軸1を中心に、半径方向外方に向かって、傾斜部7、軸受け部材8、回転体3が順次重合配置され、入力軸1からの駆動力が半径方向外方に向かって伝達され、回転体3が原点Oを中心にした揺動運動つまり球面運動を行い上記第1〜第4歯車A1〜A4 の噛み合いを規制するように構成されている。
上記入力軸1は、一端において軸受け手段としてのベアリングを介してハウジング6に支承され、他端においてニードルベアリングを介して出力軸2の内周面に支承されている。この入力軸1には、その中央部において傾斜部7を支承する支承部1aが同心的に配置され、その支承部1aに隣接して傾斜部7を一方向に位置決めする段差部としてのフランジ面1bが設けられている。よって、このフランジ面1bとロックナット9によって傾斜部7が入力軸上に一体的に圧接挟持されている。
上記傾斜部7は、入力軸1に対し別部材として構成されるとともに所定の傾斜角θでもって貫通する貫通孔を有する中空偏心体として構成されている。この中空偏心体としての傾斜部7は、回転体3を軸受け部材8を介して支承する支承面7aとしての外周面と、上記入力軸1の支承部1aに圧入固定される固定面7bとしての内周面と、上記フランジ面1bおよびロックナット9の端面と平行でかつ上記固定面7bとしての内周面と直角を成す位置決め端面7cとを備えている。
このように形成された傾斜部7を入力軸1の支承部1a上に圧入し、位置決め端面7cをフランジ面1bに当接してロックナット9で締め付けて固定することで、中空偏心体としての傾斜部7は、原点Oがフランジ面1bによって所定の位置に位置決めされるとともに、支承面7aとしての外周面の軸芯が入力軸1の軸芯Gに対し原点Oを起点に所定の傾斜角をなす傾斜部7の軸芯Hとして確保されることになる。
上記傾斜部7と回転体3との間に配置される軸受け部材8は、基本的にボール8c、外輪8bおよび内輪8aによって構成される転がり軸受けとして構成されている。外輪8bは、上記回転体3の一部として構成され、その内周面にボール8cが転動可能に配置される環状の凹溝8eを備え、軸方向の端面にはそれぞれ第2、第3歯車A,Aが形成されている。また、内輪8aは、傾斜部7の一部として構成され、支承面7aとしての外周には環状の凹溝8dが形成されており、この凹溝8dは上記外輪8bの凹溝8eと共同して傾斜部7の軸芯Hと同心のボール軌道面を構成している。したがって、外輪8bとして構成される回転体3は、傾斜部7の軸芯Hと同心の軌道面上において転動可能に支承される軸受け部材としてのボール8cによって支承されることになる。
以上のように、実施形態1は傾斜部7を別体に形成し、入力軸1の主要各部が、同一軸芯として構成(異なる軸芯を持たない)されているので、入力軸の加工が単純化されるとともに傾斜部7の位置精度を高精度にすることが可能となる。傾斜部7の軸芯と入力軸1の軸芯との交点位置すなわち原点O位置の精度の確保は、第1〜第4歯車A1〜A4 の噛み合い精度に影響を与えることになるが、傾斜部7を別部材として構成することにより傾斜部自体の加工精度の向上だけでなく別体であるがゆえに、フランジ面と傾斜部の端面との間にシムを介在させシムの調整によって原点位置の調整が可能となるので、高精度な原点位置の確保が可能になる。
なお、上記傾斜部7は入力軸1の支承部1aに対し回転不能に固定する必要があるが、その方法としては、圧入に限らずキーによる方法等であってもよい。
次に、図4に示す実施態様2の揺動型歯車装置について説明する。実施態様1の揺動型歯車装置が、入力軸1が半径方向中央に位置し、駆動力を半径方向外方の回転体3に伝える構造であるのに対し、実施態様2の揺動型歯車装置は、中空入力軸1の半径方向内方に傾斜部7および回転体3が配置され、入力軸1の駆動力が半径方向内方に向かって伝達されるように構成されている。この入力軸1は、その外周面側に電動モータ10のステータが固定されており、内周には、入力軸1の軸芯と同心の支承部1aを備え、その支承面に回転体3の揺動運動を規制する別体の傾斜部7が嵌挿固定されている。
この傾斜部7は、上記実施態様1と同様に、入力軸1に対し別部材として構成されるとともに所定の傾斜角θでもって貫通する貫通孔を有する中空偏心体として構成されている。この中空偏心体としての傾斜部7は、回転体3を軸受け部材8を介して支承する支承面8aとしての内周面と、上記入力軸1の内周面に入力軸の軸芯と同軸的に形成された支承部1aに圧入固定される固定面7bとしての外周面と、入力軸内周面に形成されたフランジ面1bおよびロックナット9の端面と平行でかつ上記固定面7bとしての外周面と直角を成す位置決め端面7cとを備えている。
このように形成された傾斜部7を入力軸の支承部1aに圧入し、位置決め端面7cをフランジ面1bに当接してロックナット9で締め付けて固定することで、中空偏心体としての傾斜部は、原点Oがフランジ面1bによって所定の位置に位置決めされるとともに支承面7aとしての内周面の軸芯が入力軸の軸芯Gに対し原点Oを起点に所定の傾斜角をなす傾斜部の軸芯Hとして確保されることになる。
また、実施態様2における軸受け部材は、実施態様1と同様に、ボール8c、内輪8aおよび外輪8bで構成されており、外輪8aが傾斜部7の一部として構成されており、内輪8aが回転体3の一部として構成されている。
したがって、実施態様2に示す揺動型歯車装置においても実施形態1と同様の作用効果が得られるが、固有の効果として以下の点を上げることができる。つまり、入力軸の内周面に直接所定の傾斜角を有する傾斜部を形成する場合、中空入力軸の肉厚が局部的に薄くなり、薄肉部における必要強度を確保するためには、中空入力軸の外形そのものを大きくする必要があり、歯車装置としての小型化が損なわれることになる。したがって、実施態様2のように軸受け部材としての外輪に傾斜部を形成することで中空入力軸の肉厚を均一に形成することができるので、入力軸の必要強度を確保した上で入力軸の小径化を図ることが可能となる。
本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本発明に係わる実施態様1の揺動歯車装置の断面図。 本発明に係わる実施態様1の主要部の断面図。 本発明に係わる実施態様1の主要部の斜視図。 本発明に係わる実施態様2の揺動型歯車装置の断面図。 本発明に係わる揺動歯車装置の相当平歯車への展開説明図。 図5の要部の拡大図。 従来の揺動型歯車装置の断面図 従来の揺動型歯車装置の噛み合い部の説明図。
1 入力軸
1a 支承部
1b フランジ面
2 出力軸
3 回転体
4 凸状歯
5 凹状歯
6 ハウジング
7 傾斜部
7a 支承面
7b 固定面
7c 位置決め端面
8 軸受け部材
8a 内輪
8b 外輪
8c ボール
8d 凹溝(ボール軌道面)
8e 凹溝(ボール軌道面)
9 ロックナット
10 電動モータ

Claims (3)

  1. ハウジングに固定された歯数n1 の第1歯車と、出力軸に取付けられた歯数n4 の第4歯車とを、入力軸との各軸芯を一致させて配置し、歯数n2 の第2歯車および歯数n3 の第3歯車を一体に設けた回転体を、第2歯車が第1歯車と噛み合い、第3歯車が第4歯車と噛み合うように前記入力軸の傾斜部で軸受部材を介して軸支し、前記第1、第2歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点と、前記第3、第4歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点とが一致する点を原点とするXY座標のX軸上に前記入力軸の軸芯を配置し、かつ、上記原点から所定の角度傾斜する軸上に上記傾斜部の軸芯を配置し、第1、第2歯車の噛み合い点と第4、第3歯車の噛み合い点とを該XY座標の同一象限若しくは異なる象限上に置いてなる揺動型歯車装置であって、
    上記傾斜部が、所定の傾斜角の貫通孔を有する中空偏心体として構成され、該中空偏心体の外周面および内周面のうち一方が入力軸と同軸でかつ入力軸上に嵌挿固定される固定面として構成され、他方が回転体を支承する支承面として構成されており、
    該傾斜部の支承面及び上記回転体の周面にそれぞれ環状のボール軌道面が形成され、該両ボール軌道面間にボールが配置されることで、上記回転体が、該回転体に形成される第2歯車及び第3歯車の各ピッチ円を通る上記共通球面の中心点が上記原点と一致するように、上記傾斜部の支承面に対し支承され、かつ、該傾斜部、該回転体及び該ボールにより上記軸受部材としての転がり軸受が構成され、
    該傾斜部が、その組み付け状態において、上記入力軸上に上記原点を持ちかつ入力軸に対して所定の傾斜角となるように形成されていることを特徴とする揺動型歯車装置。
  2. 上記入力軸が中空状に形成され、その半径方向内方において上記回転体を支承するように構成されており、
    上記傾斜部が上記中空状の入力軸の内周面に嵌挿固定されていることを特徴とする請求項1に記載の揺動型歯車装置。
  3. 上記回転体が入力軸の外周面によって支承され、
    上記傾斜部が入力軸の外周面に嵌挿固定されていることを特徴とする請求項1に記載の揺動型歯車装置。
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