JP4958761B2 - 巻取り温度制御装置および制御方法 - Google Patents
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Description
SL1s=Lsc …(1)
ただし,Lsc:定数である。
SL2s=Lmd …(2)
ただし,Lmd:ミル157からダウンコイラ154までの距離である。
(V1a)2=Lmd×2×Acc1+Vmax×Vmax …(3)
SLcs={Lmd+(Vmax−V1a)/Acc2×(Vmax+V1a)/2} …(4)
ただし,V1a:第1加速終了速度,Acc1:第1加速度,Acc2:第2加速度,Vmax:最大速度である。
SLds={Striplen−(Vmax−Vf)/Dcc×(Vmax+Vf)/2−dccmargin} …(5)
ただし,Striplen:鋼板長さ,Vf:終期速度,Dcc:減速度,dccmargin:鋼板151がミル157の尻抜けのどれくらい前で減速を完了するかのマージン。
SLde={Striplen−dccmargin} …(6)
算出した速度パターンにしたがって,S6−2以降で,目標温度を実現するヘッダーパターンを,板温推定モデル117を用いた演算で算出する。本実施例では鋼板を長手方向に区分したセクションを定義し,各セクションについて線形逆補間法にしたがって,ヘッダーパターンを算出する例を示す。
Ln=Ln-1+Δ・Vt …(7)
S7−3で演算の完了を判定する。ミル払い出し長さLnが,鋼板151の全長にミル157から中間温度計156の距離を加えた値より大きくなった時,鋼板1本に対応した中間温度予測計算がすべて終了しているので,演算完了となる。演算が完了していない場合には,S7−4で鋼板の温度トラッキングを行う。すなわち,前時刻の鋼板の位置に対して,Δだけ時間が経過した後に鋼板がどれだけ進むかがLnとLn-1の関係から分かるので,鋼板の温度分布を対応した距離だけ移動する処理を行う。S7−5でΔの間にミルから排出された鋼板151にミル出側温度を設定する。S7−6で当該時刻に鋼板151の各部位の上下部に存在するヘッダーの開閉の情報から,各部位が水冷か空冷かを判定する。水冷の場合はS7−7で,例えば(8)式にしたがって熱伝達係数を計算する。
hw=9.72*105*ω0.355*{(2.5-1.15*logTw)*D/(pl*pc)}0.646/(Tsu−Tw) …(8)
ただし,ω:水量密度,Tw:水温,D:ノズル直径,pl:ライン方向のノズルピッチ,pc:ラインと直行方向のノズルピッチ,Tsu:鋼板151の表面温度である。
Hr=σ・ε[{(273+Tsu)/100}4−{(273+Ta)/100}4]/(Tsu−Ta) …(9)
ただし,σ:ステファンボルツマン定数(=4.88),ε:放射率,Ta:空気温度(℃),Tsu:鋼板151の表面温度である。
Tn=Tn-1−(ht+hb)*Δ/(ρ*C*B) …(10)
ただし,Tn:現在の板温,Tn-1:Δ前の板温,ht:鋼板表面の熱伝達係数,hb:鋼板裏面の熱伝達係数,ρ:鋼板の密度,C:鋼板の比熱,B:鋼板の厚みである。
∂T/∂t={λ/(ρ*C)}(∂2T/∂t2) …(11)
ただし,λ:熱伝導率,T:材料温度である。
Δn1=G1・{1/(∂Tm/Δn)}・ΔTm …(12)
ただし,Δn1:中間温度FB制御による制御コード変更量,G1:定数(中間温度FB制御ゲイン),(∂Tm/Δn):第1の影響係数テーブル1101から抽出した該当層別の影響係数,ΔTm:中間温度偏差である。
Δn2=G2・(Δn/∂Tf)・ΔTf
=G2・{1/(∂Tm/Δn)}・(∂Tm/∂Tf)・ΔTf …(13)
ただし,Δn2:ミル出側温度偏差FF制御による前半冷却用制御コード変更量,G2:定数(ミル出側温度FF制御ゲイン),(∂Tm/∂Tf):第3の影響係数テーブル1003から抽出した該当層別の影響係数,ΔTf:ミル出側温度偏差である。計算されたΔn2は,適用部位特定手段1008に出力される。
Δn3=G3・(Δn/∂V)・ΔV
=G3・{1/(∂Tm/Δn)}・(∂Tm/∂V)・ΔV …(14)
ただし,Δn3:板速偏差FF制御による前半冷却用制御コード変更量,G3:定数(板速偏差FF制御ゲイン),(∂Tm/∂V):第2の影響係数テーブルから抽出した該当層別の影響係数,ΔV:板速偏差である。
Ri=(i−I1)/(I2−I1) …(15)
ただし,I1:前半冷却装置排出位置の鋼板セクション番号,I2:前半冷却装置進入位置の鋼板セクション番号である。
(Δn3)i=Δn3×Ri …(16)
次に,前半冷却用操作量合成手段126の処理を説明する。前半冷却用操作量合成手段126はΔn1,(Δn2)i,(Δn3)iを加算して,各鋼板セクションの操作量を算出する。具体的には,鋼板セクションiに関する前半冷却用ダイナミック制御手段121の出力Ndiを,(17)式で計算する。
Ndi={Δn1+(Δn2)i+(Δn3)i} …(17)
前半冷却用ダイナミック制御手段121は各セクションのNdiを出力し,この値にしたがって,前半冷却用制御コード算出手段116が出力した制御コードが修正され,前半冷却用ヘッダーパターン変換手段141に出力される。
Δn4=G4・{1/(∂Tc/Δn)}・ΔTm …(18)
ただし,Δn4:巻取り温度FB制御による後半冷却用制御コード変更量,G4:定数(巻取り温度FB制御ゲイン),(∂Tc/Δn):第4の影響係数テーブルから抽出した該当層別の影響係数,ΔTc:巻取り温度偏差である。
Δn5=G5・(Δn/∂Tm)・ΔTm
=G5・{1/(∂Tc/Δn)}・(∂Tc/∂Tm)・ΔTm …(19)
ただし,Δn5:中間温度偏差FF制御による後半冷却用制御コード変更量,G5:定数(中間温度FF制御ゲイン),(∂Tc/∂Tm):第6の影響係数テーブルから抽出した該当層別の影響係数,ΔTm:ミル出側温度偏差である。
Δn6=G6・(Δn/∂V)・ΔV
=G6・{1/(∂Tc/Δn)}・(∂Tc/∂V)・ΔV …(20)
ただし,Δn6:板速偏差FF制御による後半冷却用制御コード変更量,G6:定数(板速偏差FF制御ゲイン),(∂Tc/∂V):第5の影響係数テーブルから抽出した該当層別の影響係数,ΔV:板速偏差である。
Ri=(i−I1)/(I2−I1) …(21)
ただし,I1:後半冷却装置排出位置の鋼板セクション番号,I2:後半冷却装置進入位置の鋼板セクション番号である。
(Δn6)i=Δn6×Ri …(22)
次に,後半冷却用操作量合成手段130の処理を説明する。第2の操作量合成手段130はΔn4,(Δn5)i,(Δn6)iを加算して,各鋼板セクションの操作量を算出する。具体的には,鋼板セクションiに関する後半冷却用ダイナミック制御手段122の出力Ndiを,(23)式で計算する。
Ndi ={Δn1+(Δn2)i+(Δn3)i } …(23)
後半冷却用ダイナミック制御手段122は各セクションのNdiを出力し,この値にしたがって,後半冷却用制御コード算出手段117が出力した制御コードが修正され,後半冷却用ヘッダーパターン変換手段142に出力される。
Tk=L/Vmax …(24)
ただし,L:前半冷却装置170の中間温度計156に最も近接した開ヘッダーと後半冷却装置171の中間温度計156に最も近接した開ヘッダーとの距離,Vmax:最大速度である。保持時間Tkがあらかじめ定められた必要保持時間を満足していれば,S28−5で処理を終了する。保持時間Tkが必要保持時間より小さい場合には,速度パターン変更手段2702に処理を渡し,最大速度を下げることで保持時間を満足させるための処理を行う。
ΔVs=L/ΔTk …(25)
そして最大速度をη・ΔVsに設定する。ηは0〜1の定数である。次にS29−2でプリセット制御手段110を起動し,実施例1の処理を実行することにより,最大速度の低下によるヘッダーパターンの変化を算出できる。S29−3で中間温度保持時間算出手段2701を再度起動し鋼板151の中間温度保持時間を算出する。そしてS29−4で保持時間が必要保持時間を満足しているかどうかを判定し,満足するまでS29−1〜S29−3の処理を繰り返す。
ΔTms=(∂Tm/∂V)・ΔV …(26)
S31−2でΔTmsを後半冷却用ダイナミック制御手段122に出力する。(26)式から,速度変化により中間温度がΔTmsだけ変化することが予想されるが,この温度変化は,いずれ前半冷却用速度偏差補償手段125により抑制される。
Δn5=Δn5*+G5・(Δn/∂Tm)・ΔTm*
=Δn5*+G5・{1/(∂Tc/Δn)}・(∂Tc/∂Tm)・ΔTm* …(27)
ただし,Δn5*:速度変化直前の中間温度偏差FF制御による後半冷却用制御コード変更量,ΔTm':速度変化直前の中間温度と制御時点の中間温度の偏差であり,ΔTm*とTm'とは下式の関係になる。
ΔTm*=0 (0<ΔTm'<ΔTms のとき)
ΔTm*=ΔTm'−ΔTms (ΔTms<ΔTm'のとき)
ΔTm*=ΔTm' (ΔTm'≦0のとき)
(27)式は0<ΔTms(速度が増加した場合)の例であるが,ΔTms<0(速度が低下した場合)の場合も類似の処理で対応できる。
Claims (19)
- 熱間圧延機で圧延された鋼板を,熱間圧延機の出側に備えられた冷却装置で冷却し,鋼板がダウンコイラで巻取られる前の巻取り温度に加えて,鋼板が冷却装置のあらかじめ定められた中間位置を通過するときの中間温度を所定の目標温度に制御する巻取り冷却制御装置において,
前記熱間圧延機と前記中間位置の間の冷却装置に設けられた冷却ヘッダーの開閉の組み合わせである前半冷却用ヘッダーパターンの情報から鋼板の中間温度を推定するとともに,前記中間位置とダウンコイラの間の冷却装置に設けられた冷却ヘッダーの開閉の組み合わせである後半冷却用ヘッダーパターンの情報から鋼板の巻取り温度を推定する板温推定モデルと,
冷却制御に先立って,前記板温推定モデルを用いて中間温度と巻取り温度を推定し,推定結果を用いて,目標中間温度を実現するための前半冷却用ヘッダーパターンと目標巻取り温度を実現するための後半冷却用ヘッダーパターンを算出するプリセット制御手段と,
冷却制御中の鋼板の状態を観測し,観測した中間温度を目標中間温度に一致させるための前記前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出して出力する前半冷却用ダイナミック制御手段と,
冷却制御中の鋼板の状態を観測し,観測した巻取り温度を目標巻取り温度に一致させるための前記後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出して出力する後半冷却用ダイナミック制御手段と,を備えたことを特徴とする巻取り温度制御装置。 - 前記前半冷却用ダイナミック制御手段は,
目標中間温度と冷却制御中の鋼板から計測した中間温度の偏差を補償するための前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する中間温度偏差補正手段と,
プリセット制御時に想定した鋼板の熱間圧延機出側温度と冷却制御中の鋼板から計測した熱間圧延機の出側温度の偏差を補償するための前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出するミル出側温度偏差補償手段と,
プリセット制御時に想定した鋼板速度と冷却制御中の鋼板速度の偏差を補償するための前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する前半冷却用速度偏差補償手段と,
前記中間温度偏差補正手段と前記ミル出側温度偏差補償手段と前記前半冷却用速度偏差補償手段の出力を,鋼板長手方向の各部位毎に合成して前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する前半冷却用操作量合成手段と,を備えたことを特徴とする請求項1記載の巻取り温度制御装置。 - 前記後半冷却用ダイナミック制御手段は,
目標巻取り温度と冷却制御中の鋼板から計測した巻取り温度の偏差を補償するための後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する巻取り温度偏差補正手段と,
目標中間温度と冷却制御中の鋼板から計測した中間温度の偏差を補償するための後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する中間温度偏差補償手段と,
プリセット制御時に想定した鋼板速度と冷却制御中の鋼板速度の偏差を補償するための後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する後半冷却用速度偏差補償手段と,
前記巻取り温度偏差補正手段と前記中間温度偏差補償手段と前記後半冷却用速度偏差補償手段の出力を,鋼板長手方向の各部位毎に合成して後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する後半冷却用操作量合成手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の巻取り温度制御装置。 - 前記プリセット制御手段は,
熱間圧延機と前記中間位置の間に設けられた冷却ヘッダーの開放順序の優先関係を格納している前半冷却ヘッダー用優先順位テーブルと,
前記中間位置からダウンコイラの間に備えられた冷却ヘッダーの開放順序の優先関係を格納している後半冷却ヘッダー用優先順位テーブルと,
前記前半冷却用ヘッダーパターンを,前記前半冷却ヘッダー用優先順位テーブルの情報を用いて生成した制御コードと対応づけた上で,前記板温推定モデルを用いて中間温度を推定し,推定結果を用いて目標中間温度を実現するための制御コードを算出して出力する前半冷却用制御コード算出手段と,
前記後半冷却用ヘッダーパターンを,前記後半冷却ヘッダー用優先順位テーブルの情報を用いて生成した制御コードと対応づけた上で,前記板温推定モデルを用いて巻取り温度を推定し,推定結果を用いて目標巻取り温度を実現するための制御コードを算出して出力する後半冷却用制御コード算出手段と,を含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の巻取り温度制御装置。 - 前記制御コードはすべてのヘッダーが開した状態を最大値,すべてのヘッダーが閉した状態を最小値とし,制御コードの増加に伴い,前記中間温度または前記巻取り温度が単調に減少するように対応づけられていることを特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。
- 前記制御コードはすべてのヘッダーが開した状態を最小値,すべてのヘッダーが閉した状態を最大値とし,制御コードの増加に伴い,前記中間温度または前記巻取り温度が単調に増加するように対応づけられていることを特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。
- 前記前半冷却用ダイナミック制御手段は,
目標中間温度と冷却制御中の鋼板から計測した前記中間位置の温度の偏差を補償するための前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を制御コードの修正量として算出する中間温度偏差補正手段と,
プリセット制御時に想定した鋼板の熱間圧延機出側温度と冷却制御中の鋼板から計測した熱間圧延機の出側温度の偏差を補償するための前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を前記制御コードの修正量として算出するミル出側温度偏差補償手段と,
プリセット制御時に想定した鋼板速度と冷却制御中の鋼板速度の偏差を補償するための前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を制御コードの修正量として算出する前半冷却用速度偏差補償手段と,
前記中間温度偏差補正手段と前記ミル出側温度偏差補償手段と前記前半冷却用速度偏差補償手段の出力を,鋼板長手方向の各部位毎に合成して制御コードの修正量を算出する前半冷却用操作量合成手段とを備え,
前記巻取り温度制御装置は,
各ヘッダー直下の鋼板長手方向の部位を認識した上で,前記前半冷却用制御コード算出手段が鋼板の長手方向の各部位に対応づけて算出した出力した前半冷却用制御コードを,前記前半冷却用ダイナミック制御手段が出力した制御コードで修正した結果を前半冷却用ヘッダーパターンに変換して冷却装置に出力する前半冷却用ヘッダーパターン変換手段と,を含んで構成されることを特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。 - 前記後半冷却用ダイナミック制御手段は,
目標巻取り温度と冷却制御中の鋼板から計測した巻取り温度の偏差を補償するための後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を制御コードの修正量として算出する巻取り温度偏差補正手段と,
目標中間温度と冷却制御中の鋼板から計測した前記中間位置の温度の偏差を補償するための後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を制御コードの修正量として算出する中間温度偏差補償手段と,
プリセット制御時に想定した鋼板速度と冷却制御中の鋼板速度の偏差を補償するための後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を制御コードの修正量として算出する後半冷却用速度偏差補償手段と,
前記巻取り温度偏差補正手段と前記中間温度偏差補償手段と前記後半冷却用速度偏差補償手段の出力を,鋼板長手方向の各部位毎に合成して制御コードの修正量を算出する後半冷却用操作量合成手段とを備え,
前記巻取り温度制御装置は,
各ヘッダー直下の鋼板長手方向の部位を認識した上で,前記後半冷却用制御コード算出手段が鋼板の長手方向の各部位に対応づけて算出した出力した後半冷却用制御コードを,前記後半冷却用ダイナミック制御手段が出力した制御コードで修正した結果を後半冷却用ヘッダーパターンに変換して冷却装置に出力する後半冷却用ヘッダーパターン変換手段と,を含んで構成されることを特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。 - 前記前半冷却用ダイナミック制御手段は,前記制御コードの変化が中間温度に与える影響を格納した第1の影響係数テーブルと,前記熱間圧延機の出側温度の変化が中間温度に与える影響を格納した第2の影響係数テーブルと,前記鋼板の速度の変化が中間温度に与える影響を格納した第3の影響係数テーブルを備え,
前記中間温度偏差補正手段は,目標中間温度と冷却制御中の鋼板で計測した中間温度の偏差と,第1の影響係数テーブルから取り込んだ係数とから前記前半冷却用制御コードの修正量を算出し,
前記冷却前温度偏差補償手段は,プリセット制御時に想定した鋼板の熱間圧延機出側温度と冷却制御中の鋼板で計測した熱間圧延機の出側温度の偏差と,第1の影響係数テーブルから取り込んだ係数と,第2の影響係数テーブルから取り込んだ係数とから前半冷却用前記制御コードの修正量を算出し,
前記前半冷却用速度偏差補償手段は,プリセット制御時に想定した鋼板速度と冷却制御中の鋼板速度の偏差と,第1の影響係数テーブルから取り込んだ係数と,第3の影響係数テーブルから取り込んだ係数とから前記前半冷却用制御コードの修正量を算出すること,を特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。 - 前記後半冷却用ダイナミック制御手段は,前記制御コードの変化が巻取り温度に与える影響を格納した第4の影響係数テーブルと,前記中間位置の温度の目標中間温度に対する変化が巻取り温度に与える影響を格納した第5の影響係数テーブルと,前記鋼板の速度の変化が巻取り温度に与える影響を格納した第6の影響係数テーブルを備え,
前記巻取り温度偏差補正手段は,目標巻取り温度と冷却制御中の鋼板から検出した巻取り温度の偏差と,第4の影響係数テーブルから取り込んだ係数とから前記制御コードの修正量を算出し,
前記中間温度偏差補償手段は,プリセット制御時に想定した鋼板の冷却前温度と冷却制御中の鋼板から検出した冷却前温度の偏差と,第4の影響係数テーブルから取り込んだ係数と,第5の影響係数テーブルから取り込んだ係数とから前記制御コードの修正量を算出し,
前記後半冷却用速度偏差補償手段は,プリセット制御時に想定した鋼板速度と冷却制御中の鋼板速度の偏差と,第4の影響係数テーブルから取り込んだ係数と,第5の影響係数テーブルから取り込んだ係数とから前記制御コードの修正量を算出すること,を特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。 - 前記プリセット制御手段から出力された前記前半冷却用ヘッダーパターンと前記後半冷却用ヘッダーパターンから前記中間位置付近の空冷範囲を特定し,特定した空冷範囲と鋼板速度から,鋼板が中間温度で保持される時間を算出する中間温度保持時間算出手段と,算出された中間温度保持時間が所定の必要保持時間を満足しないときには,鋼板の最大速度を低下させる処理を行う速度パターン変更手段と,を備えたことを特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。
- 前記前半冷却用ダイナミック制御手段が算出した前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を取り込み,前半冷却用制御コードの補正量が変化したタイミングから,冷却ヘッダーの応答遅れにより前記前半冷却用ダイナミック制御手段が中間温度変化を抑制できない間,中間温度の変化量に不感帯を設定することで後半冷却用ダイナミック制御手段の出力を安定化させる安定化制御手段と,を備えたことを特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。
- 前記前半冷却用ダイナミック制御手段が算出した前半冷却用制御コードの補正量を取り込み,前半冷却用制御コードの補正量が変化したタイミングから,冷却ヘッダーの応答遅れにより前記前半冷却用ダイナミック制御手段が中間温度変化を抑制できない間,中間温度の変化量に不感帯を設定することで後半冷却用ダイナミック制御手段の出力を安定化させる安定化制御手段と,を備えたことを特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。
- 熱間圧延機で圧延された鋼板を,熱間圧延機の出側に備えられた冷却装置で冷却し,ダウンコイラで巻取られる前の鋼板温度に加えて,冷却装置のあらかじめ定められた中間位置を通過するときの鋼板温度を所定の目標温度に制御する巻取り温度制御方法において,
熱間圧延機と前記中間位置の間の冷却装置に設けられた冷却ヘッダーの開閉の組み合わせである前半冷却用ヘッダーパターンを決定する情報から鋼板の中間温度を推定するとともに,前記中間位置とダウンコイラの間の冷却装置に設けられた冷却ヘッダーの開閉の組み合わせである後半冷却用ヘッダーパターンの情報から鋼板の巻取り温度を推定し,推定結果を用いて目標中間温度を実現するための前半冷却用ヘッダーパターンと目標巻取り温度を実現するための後半冷却用ヘッダーパターンを決定し,
冷却制御中の鋼板の状態を観測し,
目標中間温度と冷却制御中の鋼板から検出した中間温度の偏差を解消するために前記前半冷却用ヘッダーパターンを補正し,プリセット制御時に想定した熱間圧延機出側の鋼板温度と鋼板から計測した温度の偏差を補償するために前記前半冷却用ヘッダーパターンを補正し,プリセット制御時に想定した鋼板速度と実際の鋼板速度の偏差の中間温度に与える影響を補償するために前記前半冷却用ヘッダーパターンを補正し,
目標巻取り温度と冷却制御中の鋼板から検出した巻取り温度の偏差を解消するために前記後半冷却用ヘッダーパターンを補正し,鋼板の中間温度の目標値と鋼板から計測した中間温度の偏差の巻取り温度へ与える影響を補償するために前記後半冷却用ヘッダーパターンを補正し,プリセット制御時に想定した鋼板速度と実際の鋼板速度の偏差の巻取り温度に与える影響を補償するために前記後半冷却用ヘッダーパターンを補正すること,を特徴とする巻取り温度制御方法。 - 熱間圧延機と前記中間位置の間の冷却装置に設けられた前半冷却用ヘッダーの開放順序と前記中間位置とダウンコイラの間の冷却装置に設けられた後半冷却用ヘッダーの開放順序のそれぞれに優先順位を付与し,
前半冷却用ヘッダーの開閉の組み合わせである前半冷却用ヘッダーパターンを,前記前半冷却用ヘッダーに付与した優先順位の情報を用いて生成した前半制御用制御コードと対応づけた上で,前記前半制御用制御コードと鋼板の速度に関する情報とから,板温推定モデルを用いて鋼板の中間温度を推定し,推定結果を用いて目標中間温度を実現するための前半冷却用制御コードを決定し,
後半冷却用ヘッダーの開閉の組み合わせである後半冷却用ヘッダーパターンを,前記後半冷却用ヘッダーに付与した優先順位の情報を用いて生成した後半制御用制御コードと対応づけた上で,前記後半制御用制御コードと鋼板の速度に関する情報とから,板温推定モデルを用いて鋼板の巻取り温度を推定し,推定結果を用いて目標巻取り温度を実現するための後半冷却用制御コードを決定し,
冷却制御中は,
目標中間温度と鋼板から検出した中間温度の偏差を解消するためのヘッダーの開閉を前記前半冷却用制御コードの補正量として算出し,プリセット制御時に想定した熱間圧延機出側の鋼板温度と鋼板から計測した温度の偏差を補償するためのヘッダーの開閉を前記前半冷却用制御コードの補正量として算出し,プリセット制御時に想定した鋼板速度と実際の鋼板速度の偏差の中間温度に与える影響を補償するためのヘッダーの開閉を前記前半冷却用制御コードの補正量として算出し,
目標巻取り温度と冷却制御中の鋼板から検出した巻取り温度の偏差を解消するためのヘッダーの開閉を前記後半冷却用制御コードの補正量として算出し,鋼板の中間温度の目標値と鋼板から計測した中間温度の偏差の巻取り温度へ与える影響を補償するためのヘッダーの開閉を前記後半冷却用制御コードの補正量として算出し,プリセット制御時に想定した鋼板速度と実際の鋼板速度の偏差の巻取り温度に与える影響を補償するためのヘッダーの開閉を前記後半冷却用制御コードの補正量として算出し,
鋼板の冷却制御に先立って決定した前半冷却用制御コードを算出した該前半冷却用制御コードの補正量の総和で補正した値を前半冷却用ヘッダーパターンに変換して冷却装置に出力するとともに,後半冷却用制御コードを算出した該後半冷却用制御コードの補正量の総和で補正した値を後半冷却用ヘッダーパターンに変換して冷却装置に出力することを特徴とする請求項14記載の巻取り温度制御方法。 - 熱間圧延機で圧延された鋼板を,該熱間圧延機の出側に備えられた冷却装置で冷却し,ダウンコイラで巻取られる前の鋼板温度に加えて,冷却装置のあらかじめ定められた中間位置を通過するときの鋼板温度を所定の目標温度に制御する巻取り温度制御方法において,
鋼板の冷却制御に先立って,熱間圧延機と前記中間位置の間の冷却装置に設けられた冷却ヘッダーの開閉の組み合わせである前半冷却用ヘッダーパターンを決定する情報から鋼板の中間温度を推定するとともに,前記中間位置とダウンコイラの間の冷却装置に設けられた冷却ヘッダーの開閉の組み合わせである後半冷却用ヘッダーパターンの情報から鋼板の巻取り温度を推定し,推定結果を用いて,目標中間温度を実現するための前半冷却用ヘッダーパターンと目標巻取り温度を実現するための後半冷却用ヘッダーパターンを算出し,
冷却制御中は,鋼板の中間位置の温度を計測した上で目標中間温度との偏差を算出し,該偏差を解消するために前記前半冷却用ヘッダーパターンを補正し,前記偏差の巻取り温度へ及ぼす影響を解消するために前記後半冷却用ヘッダーパターンを補正すること,を特徴とする請求項14記載の巻取り温度制御方法。 - 目標中間温度と目標巻取り温度を実現するためのヘッダーパターンを決定し,該ヘッダーパターンから前記中間位置付近の空冷範囲を特定した上で,中間温度保持時間が必要保持時間を満足するかどうか判定し,前記中間温度保持時間が必要保持時間を満足しない場合に,鋼板の最大速度を低下した上で目標中間温度と目標巻取り温度を実現するためのヘッダーパターンを再度決定し,再度決定したヘッダーパターンのもとで,中間温度保持時間が必要保持時間を満足するかどうか判定し,満足しない場合に,鋼板の最大速度を低下した上で目標中間温度と目標巻取り温度を実現するためのヘッダーパターンを再度決定し,これを中間温度保持時間が必要保持時間を満足するまで繰り返すこと,を特徴とする請求項14記載の巻取り温度制御方法。
- 熱間圧延機で圧延された鋼板を,該熱間圧延機の出側に備えられた冷却装置で冷却し,ダウンコイラで巻取られる前の鋼板温度に加えて,冷却装置のあらかじめ定められた中間位置を通過するときの鋼板温度を所定の目標温度に制御する巻取り温度制御方法において,
鋼板の冷却制御に先立って,冷却ヘッダー開閉の組み合わせであるヘッダーパターンと鋼板の速度に関する情報と圧延機出側の鋼板温度の推定値から,板温推定モデルを用いて鋼板の前記中間位置における中間温度を推定し,推定結果を用いて目標中間温度を実現するための前半冷却用ヘッダーパターンを決定し,
前記中間温度の推定値を目標中間温度と一致させた上で,前記ヘッダーパターンと鋼板の速度に関する情報と中間温度の推定値から,板温推定モデルを用いて鋼板の巻取り温度を推定し,推定結果を用いて目標巻取り温度を実現するための後半冷却用ヘッダーパターンを決定することを特徴とする巻取り温度制御方法。 - 前記前半冷却用ヘッダーパターンを取り込むことで前記前半冷却用ヘッダーパターンが補正されたことを認識し,補正タイミングから冷却ヘッダーの応答遅れにより中間温度変化が抑制できない間,計測した中間温度の変化量に不感帯を設定し,前記前半冷却用ヘッダーパタ−ンの補正により中間温度変化が抑制された後,前記不感帯を解除することを特徴とする請求項18記載の巻取り温度制御方法。
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