JP4958761B2 - 巻取り温度制御装置および制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は,熱間圧延ラインの巻取温度装置およびその制御方法に係り,とりわけ鋼板の高品質化のために,巻取り温度だけでなく中間温度を目標温度に一致させ,さらにその温度で一定時間保持する必要のあるDP(Dual Phase)鋼の温度制御に好適な,巻取り温度制御装置およびその制御方法に関する。
巻取温度制御において,巻取り温度だけでなく,中間温度や冷却パターン,冷却速度に配慮して制御を行う方法がある。例えば,特許文献1には,鋼板が冷却設備の各部位を通過するときの目標温度を決定し,鋼板温度の推定を目標温度に一致させるように冷却制御を行うことで,冷却パターンを制御する方法が示されている。また特許文献2には,鋼板温度の推定の精度を向上することで鋼板の温度履歴を高精度に制御する方法として,動的比熱を冶金学的知見により高精度化する手法が示されている。さらに特許文献3では,冷却帯を前半と後半に分け,前半ゾーンでγ→α変態完了までの温度履歴を制御し,後半ゾーンで予測巻取り温度が目標巻取り温度になるような冷却装置の開閉パターンを決定する方法が示されている。
特開平6−246320号公報 特開2006−193759号公報 特開平6−238312号公報
上記従来技術はいずれも鋼板の冷却温度パターンや中間温度に配慮した制御を行うことができるが,温度制御の精度向上の観点から,以下の問題があった。特許文献1では,鋼板温度の推定精度が温度制御精度に直接影響を与えるが,鋼板温度の推定精度を高める方法については示されていなかった。このため鋼板温度の推定精度が不十分なことにより,制御精度が低下する懸念があった。一方,特許文献2では鋼板温度推定に使用するモデルを高精度化することで,鋼板温度の推定精度を高める方法が記載されているが,推定精度を高めた結果,さらに残されたモデル誤差による制御精度低下への対処方法については示されていなかった。特許文献3では前半冷却時の鋼板温度パターンや中間温度での保持時間を想定して制御する方法が示されているが,中間温度を測定し,測定結果を使用して制御精度を向上する手法については記載されておらず,実際には想定通りの制御が行えていない恐れがあった。
また上記従来技術のいずれにおいても,冷却装置に進入する鋼板温度のバラツキや,冷却制御中の想定していない速度変化,中間温度の目標値からの偏差の巻取り温度に及ぼす影響の補償方法等については記載されておらず,目標とする中間温度と巻取り温度を実現できなかったり,必要とされる中間温度保持時間が守れない恐れがあった。
本発明の目的は,上記従来技術の問題点に鑑み,目標とする中間温度と巻取り温度を実現し,かつ必要とされる中間温度保持時間を確保ができる巻取り冷却装置を提供することにある。
前記した課題を解決するために,本発明の巻取り温度制御装置は,中間温度を計測するための中間温度計の設置を前提とし,鋼板の進行方向に対して中間温度計より上流の前半冷却設備と,下流の後半冷却設備に対して,冷却に先立って,それぞれの冷却設備のヘッダーの開閉パターンを鋼板長手方向の各部位について算出するプリセット制御手段と,冷却中に計測された中間温度の目標中間温度からの偏差を解消する中間温度偏差補正手段と,プリセット計算時に想定した圧延機出側温度と実際に検出した圧延機出側温度の偏差の中間温度に及ぼす影響を低減するミル出側温度偏差補償手段と,プリセット計算時に想定した鋼板温度と実際の鋼板速度の偏差が中間温度に及ぼす影響を低減する前半冷却用速度偏差補償手段を備えた前半冷却用ダイナミック制御手段とを設ける。さらに,冷却中に計測された巻取り温度の目標巻取り温度からの偏差を解消する巻取り温度偏差補正手段と,中間温度目標値と中間温度計の計測値の偏差が巻取り温度に及ぼす影響を低減する中間温度偏差補償手段と,プリセット計算時に想定した鋼板温度と実際の鋼板速度の偏差が巻取り温度に及ぼす影響を低減する鋼板冷却用速度偏差補償手段を備えた後半冷却用ダイナミック制御手段とを含んで構成されることを特徴とする。
またヘッダーの開閉パターンを制御コードで表現し,簡易な線形最適化手法で所望のヘッダー開閉パターンを求めることで,プリセット制御の演算量を大幅に削減する。
さらにプリセット制御の結果得られたヘッダーパターンと鋼板速度から,鋼板の中間温度での保持時間を算定する中間温度保持時間算出手段と,中間温度保持時間が不足している場合には,速度パターン変更処理を行う速度パターン変更手段を含んで構成される。
また中間温度を目標値に一致させるための前半冷却設備に対するダイナミック制御の影響が,後半冷却設備の不安定な動作や巻取り温度の制御精度に及ぶことに対して,この影響を抑制する安定化制御手段を含んで構成される。
本発明の巻取り温度制御方法は、熱間圧延機で圧延された鋼板を,該熱間圧延機の出側に備えられた冷却装置で冷却し,ダウンコイラで巻取られる前の鋼板温度に加えて,冷却装置のあらかじめ定められた中間位置を通過するときの鋼板温度を所定の目標温度に制御する巻取り温度制御方法において,鋼板の冷却制御に先立って,冷却ヘッダー開閉の組み合わせであるヘッダーパターンと鋼板の速度に関する情報と圧延機出側の鋼板温度の推定値から,板温推定モデルを用いて鋼板の前記中間位置における中間温度を推定し,推定結果を用いて目標中間温度を実現するための前半冷却用ヘッダーパターンを決定し,前記中間温度の推定値を目標中間温度と一致させた上で,前記ヘッダーパターンと鋼板の速度に関する情報と中間温度の推定値から,板温推定モデルを用いて鋼板の巻取り温度を推定し,推定結果を用いて目標巻取り温度を実現するための後半冷却用ヘッダーパターンを決定することを特徴とする。
さらに、前記前半冷却用ヘッダーパターンを取り込むことで前記前半冷却用ヘッダーパターンが補正されたことを認識し,補正タイミングから冷却ヘッダーの応答遅れにより中間温度変化が抑制できない間,計測した中間温度の変化量に不感帯を設定し,前記前半冷却用ヘッダーパタ−ンの補正により中間温度変化が抑制された後,前記不感帯を解除することを特徴とする。
本発明によると,熱間圧延における巻取り冷却工程で,鋼板の巻取り温度に加え,中間温度を目標に一致させる制御を行う場合に,前半冷却用ダイナミック制御手段を設けたことで,冷却制御中に鋼板の速度変化,ミル出側温度のバラツキ,中間温度の目標温度との不一致が発生しても,これらの中間温度への影響を最小化でき,鋼板の長手方向で中間温度を高精度に制御することができる。
同様に,後半冷却用ダイナミック制御手段を設けたことで,冷却制御中に鋼板の速度変化,中間温度の目標温度との不一致,巻取り温度の目標温度との不一致が発生しても,これらの巻取り温度への影響を最小化でき,鋼板の長手方向で巻取り温度を高精度に制御することができる。
さらに中間温度保持時間算出手段を設けたことで,プリセット制御の結果得られたヘッダーパターンと鋼板速度の下で,中間温度での保持時間を推定できる。また速度パターン変更手段により,保持時間が不足していた場合には最高速度を下げる処理を行うことで,中間温度保持時間を確保した冷却制御を行うことができる。
以上により,DP鋼のような特殊冷却仕様の鋼板において,その品質向上を図ることができる。また安定化制御手段は前半冷却用ダイナミック制御手段が中間温度を複雑に変化させることに対して,これに伴う後半冷却用ダイナミック制御手段の不必要な動作を抑制でき、後半冷却装置を安定して動作させることができる。
本発明の最良の実施形態は,熱間圧延機152で圧延された鋼板151を,熱間圧延機の出側に備えられた冷却装置170,171で冷却し,鋼板がダウンコイラ154で巻取られる前の巻取り温度に加えて,鋼板が冷却装置のあらかじめ定められた中間位置を通過するときの中間温度を所定の目標温度に制御する巻取り冷却制御装置である。
熱間圧延機と前記中間位置の間の冷却装置に設けられた冷却ヘッダー162の開閉の組み合わせである前半冷却用ヘッダーパターンの情報から鋼板の中間温度を推定するとともに,前記中間位置とダウンコイラの間の冷却装置に設けられた冷却ヘッダーの開閉の組み合わせである後半冷却用ヘッダーパターンの情報から鋼板の巻取り温度を推定する板温推定モデル114を備える。
冷却制御に先立って,板温推定モデル114を用いて中間温度と巻取り温度を推定し,推定結果を用いて,目標中間温度を実現するための前半冷却用ヘッダーパターンと目標巻取り温度を実現するための後半冷却用ヘッダーパターンを算出するプリセット制御手段110を備える。
また冷却制御中の鋼板の状態を観測し,観測した中間温度を目標中間温度に一致させるための前記前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出して出力する前半冷却用ダイナミック制御手段121と,冷却制御中の鋼板の状態を観測し,観測した巻取り温度を目標巻取り温度に一致させるための前記後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出して出力する後半冷却用ダイナミック制御手段122を備える。
前半冷却用ダイナミック制御手段121は,目標中間温度と冷却制御中の鋼板から計測した中間温度の偏差を補償するための前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する中間温度偏差補正手段123と,プリセット制御時に想定した鋼板の熱間圧延機出側温度と冷却制御中の鋼板から計測した熱間圧延機の出側温度の偏差を補償するための前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出するミル出側温度偏差補償手段124と,プリセット制御時に想定した鋼板速度と冷却制御中の鋼板速度の偏差を補償するための前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する前半冷却用速度偏差補償手段125と,これらの出力を,鋼板長手方向の各部位毎に合成して前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する前半冷却用操作量合成手段を備える。
前記後半冷却用ダイナミック制御手段122は,目標巻取り温度と冷却制御中の鋼板から計測した巻取り温度の偏差を補償するための後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する巻取り温度偏差補正手段127と,目標中間温度と冷却制御中の鋼板から計測した中間温度の偏差を補償するための後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する中間温度偏差補償手段128と,プリセット制御時に想定した鋼板速度と冷却制御中の鋼板速度の偏差を補償するための後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する後半冷却用速度偏差補償手段129と,これらの出力を,鋼板長手方向の各部位毎に合成して後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する後半冷却用操作量合成手段130を備える。
プリセット制御手段110は,熱間圧延機と前記中間位置の間に設けられた冷却ヘッダーの開放順序の優先関係を格納している前半冷却ヘッダー用優先順位テーブル401と,中間位置からダウンコイラの間に備えられた冷却ヘッダーの開放順序の優先関係を格納している後半冷却ヘッダー用優先順位テーブル402と,前半冷却用ヘッダーパターンを,前半冷却ヘッダー用優先順位テーブル401の情報を用いて生成した制御コードと対応づけた上で,板温推定モデル114を用いて中間温度を推定し,推定結果を用いて目標中間温度を実現するための制御コードを算出して出力する前半冷却用制御コード算出手段116を含む。また後半冷却用ヘッダーパターンを,後半冷却ヘッダー用優先順位テーブル402の情報を用いて生成した制御コードと対応づけた上で,板温推定モデル114を用いて巻取り温度を推定し,推定結果を用いて目標巻取り温度を実現するための制御コードを算出して出力する後半冷却用制御コード算出手段117を含んで構成される。
本実施形態によれば、熱間圧延後の,鋼板の巻取り制御において,中間温度で一定時間保持する必要のある特殊な鋼種においても,鋼板長手方向の広範な部位において,高精度で十分な時間の中間温度保持が行え,かつ高精度な巻取り温度が得られる。この結果,冷却中に中間温度保持を必要とするDP鋼に代表される高級鋼板の組成品質を向上させることができるとともに,良好な鋼板形状を得ることができる。以下本発明の複数の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例による巻取り温度制御装置の構成図を示す。巻取り温度制御装置100は制御対象150から種々の信号を受信し,制御信号を制御対象150に出力する,まず制御対象150の構成を説明する。
本実施例で制御対象150は熱間圧延の巻取り冷却設備であり,圧延機152のミル157で圧延された850℃〜1000℃程度の温度の鋼板151を巻取り冷却装置153で冷却し,ダウンコイラ154で巻取る。巻取り冷却装置153には,鋼板151の上側から水冷する上部冷却装置160と鋼板151の下側から水冷する下部冷却装置161が備えられており,各冷却装置は,水を放出する冷却ヘッダー162が一定本数組み合わされたバンク163を複数個,それぞれ備えている。本実施例では,各冷却ヘッダー162の操作指令として開と閉が選択される場合を例に説明する。
ミル出側温度計155は,圧延機152で圧延された直後の鋼板の温度を計測し,巻取り冷却装置153の中央部付近に備えられた中間温度計156は温度計設置位置を通過中の鋼板の温度を,巻取り温度計157はダウンコイラ154で巻取る直前の温度を計測する。本実施例で巻取り温度制御の目的は,中間温度計156と巻取り温度計157で計測された温度を目標温度に一致させ,かつ鋼板温度を中間温度付近で一定時間保持することである。本実施例では,図1のように,圧延機152出側から中間温度計156までの冷却装置を前半冷却装置170,中間温度計156から巻取り温度計157までの冷却装置を鋼板冷却装置171と称することにする。目標温度は,鋼板長手方向の各部位で一定でも良いし,各部位に応じて異なった値を設定することもできる。
次に,巻取り温度制御装置100の構成を示す。以下,冷却ヘッダー162の開閉パターンの集合をヘッダーパターンと称する。巻取り温度制御装置100は,鋼板151が巻取り冷却部153で冷却されるのに先立って各冷却ヘッダー162の開閉パターンに対応した制御指令を算出するプリセット制御手段110,鋼板151が巻取り冷却装置153で冷却されているときに,ミル出側温度計155,中間温度計156,巻取り温度計157の測定温度等実績や鋼板151の速度をリアルタイムに取り込んで,制御指令を変更するダイナミック制御手段120,制御指令を各冷却ヘッダー162の開閉パターンに変換するヘッダーパターン変換手段140を備えている。
本実施例では先願の特願2005−311367(特開2007-118027)の開示にならい,制御指令を,ヘッダーパターンと一意に対応する制御コードで記述する場合を例に説明するが,ヘッダーパターンの記述法としてはビットパターン等,その他の表現方法も考えられる。
プリセット制御手段110は,速度パターンテーブル111,目標温度テーブル112,冷却ヘッダー優先順位テーブル113を有している。これから冷却する鋼板に対応した層別の情報を取り込み,板温推定モデル114を用いた演算により,鋼板151に対して所望の冷却を実現するためのヘッダーパターンを算出する制御コード算出手段115を備えている。さらに制御コード算出手段115は,前半冷却装置170に対する制御コードを算出する前半冷却用制御コード算出手段116と,後半冷却装置171に対する制御コードを算出する後半冷却用制御コード算出手段117から構成される。
ダイナミック制御手段120は,冷却制御中に,前半冷却装置170に対して中間温度を目標値に制御するためのヘッダーパターン修正量を算出する前半冷却用ダイナミック制御手段121と,後半冷却装置171に対して巻取り温度を目標値に制御するためのヘッダーパターン修正量を算出する後半冷却用ダイナミック制御手段122により構成される。
前半冷却用ダイナミック制御手段121は,中間温度計156からの検出温度を用いて,これと目標中間温度との偏差を補正するための制御コード修正量を算出する中間温度偏差補正手段123,ミル出側温度計155からの検出温度を用いて,これとプリセット制御演算時に想定したミル出側温度との偏差を補償するための制御コード修正量を算出するミル出側温度偏差補償手段124,ミル157やダウンコイラ154の回転速度から鋼板151の速度を求め,この結果とプリセット制御演算時に想定した鋼板速度との偏差を補償するための制御コード修正量を算出する前半冷却用速度偏差補償手段125を備えている。
また中間温度偏差補正手段123,ミル出側温度偏差補償手段124,前半冷却用速度偏差補償手段125の計算結果を鋼板長手方向の各部位に着目して合成し,前半冷却用ダイナミック制御手段121の出力を算出する前半冷却用操作量合成手段126備えている。
一方,後半冷却用ダイナミック制御手段122は,巻取り温度計157からの検出温度を用いて,これと目標巻取り温度との偏差を補正するための制御コード修正量を算出する巻取り温度偏差補正手段127,中間温度計156からの検出温度と目標中間温度との偏差を補償するための制御コード修正量を算出する中間温度偏差補償手段128,ミル157やダウンコイラ154の回転速度から鋼板151の速度を求め,この結果とプリセット制御演算時に想定した鋼板速度との偏差を補償するための制御コード修正量を算出する後半冷却用速度偏差補償手段129を備えている。さらに巻取り温度偏差補正手段127,中間温度偏差補償手段128,後半冷却用速度偏差補償手段129の計算結果を鋼板長手方向の各部位に着目して合成し,後半冷却用ダイナミック制御手段122の出力を算出する,後半冷却用操作量合成手段130を備えている。
ヘッダーパターン変換手段140は,冷却制御中に前半冷却用ダイナミック制御手段121からの制御コードを受け取り,これを前半冷却装置170を制御するためのヘッダーパターンに変換する前半冷却用ヘッダーパターン変換手段142と,後半冷却用ダイナミック制御手段122からの制御コードを受け取り,これを後半冷却装置171を制御するためのヘッダーパターンに変換する後半冷却用ヘッダーパターン変換手段142により構成される。
図2に速度パターンテーブル111の構成を示す。図は圧延機152がタンデムミルの場合の,速度パターンを例に示している。鋼板の種類(鋼種),板厚,板幅に対して,ミル157から鋼板151の先端が払い出されるときの速度(初期速度),その後,鋼板151の先端がダウンコイラ154に巻き取られるまでの加速度(第1加速度),その後,最大速度に達するまでの加速度(第2加速度),最大速度,最大速度から終期速度まで減速するときの減速度,および終期速度が層別毎に蓄積されている。
制御コード算出手段115は,該当鋼板の鋼種,板厚,板幅を判定して,速度パターンテーブル111から対応する速度パターンを抽出する。ここで、mpmはm/分であり,1分間に鋼板が進む距離を示している。たとえば鋼種がDP1,板厚3.0〜4.0mm,板幅が1200mmのときには,初期速度525mpm,第1加速度2mpm/s,第2加速度9mpm/s,最大速度1000mpm,減速度6mpm/s,終期速度850mpmが抽出されることを示している。
図3に目標巻取り温度テーブル112の構成を示す。鋼種に対応して中間温度と巻取り温度の目標値が層別されている。制御コード算出手段115は該当鋼板の鋼種を判定して,目標巻取り温度テーブル112から対応する目標中間温度と目標巻取り温度を抽出し,これを用いて制御コード算出のための演算を行う。
図4に冷却ヘッダー優先順位テーブル113の構成を示す。以下では,前半冷却装置170,後半冷却装置171が共に5つのバンクを備えており,各バンクが8つのヘッダーを備えている場合を例に説明する。ヘッダー数の総和は前半冷却装置170,後半冷却装置171共40である。冷却ヘッダー優先順位テーブル113は,前半冷却ヘッダー用優先順位テーブル401と後半冷却ヘッダー用優先順位テーブル402からなり,各40個のヘッダーの開放順位に,1〜40の優先順位を付与している。
優先順位は,鋼種,板厚,ヘッダー区分(上ヘッダーまたは下ヘッダー)に対して,優先的に開放する冷却ヘッダーの順序が格納されており,例えば前半冷却ヘッダー用優先順位テーブル401の優先順位1の下の(1,1)は第1バンクの第1ヘッダーを最大の優先順位で開放することを示している。鋼種がDP鋼(二相鋼,Dual Phase)等の場合,中間温度の制御に加え中間温度での保持時間確保の必要性から,通常,前半冷却装置170ではミル157に近いヘッダーを,また後半冷却装置171はダウンコイラ154に近いヘッダーを優先的に開放し,中間温度計156付近で十分な空冷領域を確保する。
図4で,鋼種がDP1,板厚2.0mm〜4.0mmの層別はこのような場合の例を示しており,前半ヘッダーでは第1バンクの第1ヘッダー(ミル157に最も近いヘッダー)から順に高い優先順位で開放し,後半ヘッダーでは第8バンクの8番目のヘッダー(ダウンコイラ154に最も近いヘッダー)から順に高い優先順位で開放することを示している。すなわち前半冷却装置170では(1,1),(1,2),(1,3),(1,4),(1,5),・・・・・,(5,7),(5,8)の順で,優先的に開放することを示している。また後半冷却装置171では(10,8),(10,7),(10,6),(10,5),(10,4),・・・・・,(6,2),(6,1)の順で,優先的に開放することを示している。
一方,ミル出側温度や巻取り温度の計測性の理由で,ミル157やダウンコイラ154に近接した冷却ヘッダーを優先的に開放しない場合もある。図4の,鋼種がDP1,板厚6.0mm〜8.0mmの層別はこのような場合の例を示しており,ミル157に近接した2つの冷却ヘッダーとダウンコイラ154に近接した4つの冷却ヘッダーの優先順位を低い値としてある。
これ以外にも鋼板151の材質作り込み,ダイナミック制御における制御余裕の確保等の理由でヘッダーにはさまざまな優先順位が付与される場合があるが,いずれも図4のテーブル内容を変更することで対応できる。本実施例では層別項目を鋼種と板厚にしたが,板幅等を加えても良い。また上ヘッダーと下ヘッダーを同一優先順位としたが,異なる優先順位を付与することもできる。
本実施例でヘッダーパターンは対応する制御コードで表現する。図5に,制御コードと冷却ヘッダー開閉パターンの対応を示す。制御コード40が全閉である。以下,優先順位1の冷却ヘッダーのみが開しているヘッダー開閉パターンを39,優先順位1と2の二つの冷却ヘッダーが開しているヘッダー開閉パターンを38のように制御コード化している。すなわち,すべての冷却ヘッダーが開した状態の制御コードを0,すべての冷却ヘッダーが閉した状態の制御コードを40(前半冷却装置170,後半冷却装置171それぞれの冷却ヘッダーの総数)とする。たとえば,鋼種がDP,板厚が2.0〜3.0mm,冷却ヘッダー区分が前半ヘッダーの場合であれば,図4からヘッダーの優先順位にしたがって,(1,1)のみ開の状態を制御コード49,(1,1)(1,2)が開の状態を制御コード48,(1,1)(1,2),(1,3)が開の状態を制御コード47とし,この要領で以下,全ヘッダーが開している状態の制御コードである0まで,ヘッダーの開放パターンに制御コードを付与する。
図6に前半冷却用制御コード算出手段116および後半冷却用制御コード算出手段117が実行するアルゴリズムを示す。前半冷却装置170,後半冷却装置171で冷却ヘッダー数が同じなので,実行するアルゴリズムも同様である。以下で,目標温度,推定温度は,前半冷却用制御コード116の場合,中間温度であり,後半冷却用制御コード116の場合,巻取り温度である。
S6−1で速度パターンテーブル111から取り込んだ冷却鋼板に対応した層別の値をもとに,鋼板151のミル157払い出し時における第1加速開始位置,第2加速開始位置,定常速度開始位置,定常速度から終期速度に移行するための減速開始位置を算出し,鋼板151のミル157での払い出し開始からダウンコイラ154での巻取り完了までの速度パターンを計算する。第1加速開始位置SL1s,第2加速開始位置SL2a,定常速度開始位置SLcs,減速開始位置SLds,減速完了位置SLdeは,以下に示す(1)式〜(6)式でそれぞれ算出できる。
SL1s=Lsc …(1)
ただし,Lsc:定数である。
SL2s=Lmd …(2)
ただし,Lmd:ミル157からダウンコイラ154までの距離である。
(V1a)2=Lmd×2×Acc1+Vmax×Vmax …(3)
SLcs={Lmd+(Vmax−V1a)/Acc2×(Vmax+V1a)/2} …(4)
ただし,V1a:第1加速終了速度,Acc1:第1加速度,Acc2:第2加速度,Vmax:最大速度である。
SLds={Striplen−(Vmax−Vf)/Dcc×(Vmax+Vf)/2−dccmargin} …(5)
ただし,Striplen:鋼板長さ,Vf:終期速度,Dcc:減速度,dccmargin:鋼板151がミル157の尻抜けのどれくらい前で減速を完了するかのマージン。
SLde={Striplen−dccmargin} …(6)
算出した速度パターンにしたがって,S6−2以降で,目標温度を実現するヘッダーパターンを,板温推定モデル117を用いた演算で算出する。本実施例では鋼板を長手方向に区分したセクションを定義し,各セクションについて線形逆補間法にしたがって,ヘッダーパターンを算出する例を示す。
S6−2では鋼板151の各セクションについて,解の制御コードを挟むような二つの制御コードnL,nHを定義する。ここでは冷却ヘッダーの全開と全閉の間に解が存在することから,一律にnL=0,nH=40とする。ここで制御コードの増加に伴って,開している冷却ヘッダー数が単純に減少するので,n1<n2のとき,これらのヘッダーパターンに対応した目標温度Tc1,Tc2について,Tc1<Tc2が成立する。次にS6−3で,nLとnHの平均をn0とする。そしてS6−4で制御コードn0に対応した各セクションの中間または巻取り温度Tc0を,板温推定モデル114を用いた演算で推定する。
S6−5で各セクション毎に目標温度Ttargetに対する推定温度Tc0の符号を判定し,Tc0>Ttarget の場合は,n0とnLの間に解があるので,n0を新たにnHとおく。逆にTc0<Ttarget の場合は,n0とnHの間に解があるので,n0を新たにnLとおく。
S6−6でアルゴリズムの終了条件を判定し,満足していない時はS6−3〜S6−5の実行を繰り返す。アルゴリズムの終了は,S6−3〜S6−5の一定回数以上の繰り返しを完了,推定温度Tcと目標温度Ttargetの偏差が一定値以下,n0がnH,nLのいずれかの成立,を条件に判定すれば良い。制御コード付与の方法としては,本実施例とは逆に,すべての冷却ヘッダーが閉した状態の制御コードを0,すべての冷却ヘッダーが開した状態の制御コードを40とし,これに対応して付与することもできる。
図7に図6のS6−4に対応する温度推定演算の詳細な処理について,前半冷却用制御コード算出手段116の場合を示す。温度推定演算方法として,鋼板151を長手方向に分割し,ミル157での払い出し開始から鋼板尾端が中間温度計156を通過するまでの間を,一定刻みΔで時刻を進めて鋼板151の冷却挙動を差分計算する例を示す。
S7−1で計算時刻を更新し,さらに図6のS6−1で生成した速度パターンから,該当時刻の板速Vtを計算する。S7−2で,算出した板速を用いて,現時刻におけるミル157での払い出し長さLnを計算する。払い出し長さLnとは,圧延を終えてミルから払い出された鋼板の長さで,(7)式で計算できる。ただしLn-1は,前計算時刻の払い出し長さである。
Ln=Ln-1+Δ・Vt …(7)
S7−3で演算の完了を判定する。ミル払い出し長さLnが,鋼板151の全長にミル157から中間温度計156の距離を加えた値より大きくなった時,鋼板1本に対応した中間温度予測計算がすべて終了しているので,演算完了となる。演算が完了していない場合には,S7−4で鋼板の温度トラッキングを行う。すなわち,前時刻の鋼板の位置に対して,Δだけ時間が経過した後に鋼板がどれだけ進むかがLnとLn-1の関係から分かるので,鋼板の温度分布を対応した距離だけ移動する処理を行う。S7−5でΔの間にミルから排出された鋼板151にミル出側温度を設定する。S7−6で当該時刻に鋼板151の各部位の上下部に存在するヘッダーの開閉の情報から,各部位が水冷か空冷かを判定する。水冷の場合はS7−7で,例えば(8)式にしたがって熱伝達係数を計算する。
hw=9.72*105*ω0.355*{(2.5-1.15*logTw)*D/(pl*pc)}0.646/(Tsu−Tw) …(8)
ただし,ω:水量密度,Tw:水温,D:ノズル直径,pl:ライン方向のノズルピッチ,pc:ラインと直行方向のノズルピッチ,Tsu:鋼板151の表面温度である。
(8)式は,いわゆるラミナー冷却の場合の熱伝達係数である。水冷方法としてはこの他にスプレー冷却等,種々あり,いくつかの熱伝達係数の計算式が知られている。また冷却方式が同じでも,数式としては最新の実験的知見を反映する等で異なったものになる場合もある。一方,空冷の場合は,例えば(9)式にしたがって熱伝達係数を計算する。
Hr=σ・ε[{(273+Tsu)/100}4−{(273+Ta)/100}4]/(Tsu−Ta) …(9)
ただし,σ:ステファンボルツマン定数(=4.88),ε:放射率,Ta:空気温度(℃),Tsu:鋼板151の表面温度である。
(8)式と(9)式に代表される熱伝達系数式を,鋼板151の表と裏について冷却状態に従って計算し,鋼板表面での熱移動量をそれぞれ定量化する。そしてS7−9で鋼板151の各部位の温度を,Δ経過する前の温度をもとに,Δ間の熱量の移動を加減算することで,計算し,ミル157と中間温度計156の間の鋼板の温度分布を算出する。この結果,中間温度計156取り付け位置の鋼板温度が得られるとともに,中間温度計156取り付け位置より上流の鋼板温度は,次回以降の計算に用いられる。鋼板151の厚み方向の熱移動を無視する場合であれば,鋼板151の長手方向の各部位について(10)式で計算できる。
Tn=Tn-1−(ht+hb)*Δ/(ρ*C*B) …(10)
ただし,Tn:現在の板温,Tn-1:Δ前の板温,ht:鋼板表面の熱伝達係数,hb:鋼板裏面の熱伝達係数,ρ:鋼板の密度,C:鋼板の比熱,B:鋼板の厚みである。
また鋼板151の厚み方向の熱伝導を考慮する必要がある場合には,良く知られる熱方程式を解くことで計算できる。熱方程式は(11)式で表され,これを鋼板151を厚み方向に分割して計算機で差分計算する方法は,種々の文献で公開されている。
∂T/∂t={λ/(ρ*C)}(∂2T/∂t2) …(11)
ただし,λ:熱伝導率,T:材料温度である。
そしてS7−10でミル157から中間温度計156までの,ライン内の鋼板長手方向で必要な計算が完了するまで,S7−6〜S7−9を繰り返す。またS7−1〜S7−10を,S7−3で演算の終了が判定されるまで繰り返す。
図8にS6−4に対応する温度推定演算の詳細な処理について,後半冷却用制御コード算出手段117の場合を示す。全体の処理は概ね図7と同様であるが,図8の計算対象が中間温度計156設置位置からダウンコイラ154までの鋼板なので,S8−5で鋼板の中間温度計156通過部を特定する。その特定部分に目標中間温度を設定し,S8−6〜S8−9では中間温度計156取り付け位置からダウンコイラ154までの鋼板温度を計算する。すなわちS8−9で鋼板151について,中間温度計156からダウンコイラ154までの温度を計算する。またS8−10で該当時刻に,中間温度計156からダウンコイラ154までの間に存在する鋼板の計算完了を判定する。
図9に,速度パターンの最適化による制御コードの変化の一例を示す。処理1回目では,各部位で同一の初期値(nL=0,nH=40)に対する処理なので,図9(a)に示すように,鋼板151の全域で20に更新される。処理2回目では,制御コード20に対して鋼板151の各部位の温度予測結果が,Ttargetより大きいか小さいかで,更新後の制御コードが異なる。
図9に示すように,鋼板速度が低速である鋼板151の先端,後端に近い部分は,ヘッダーを閉する方向の制御コードに更新され,鋼板速度が高速である鋼板151の中央部は,ヘッダーを開する方向の制御コードに更新される例を示している。具体的には図9(b)の処理2回目に示すように,先端部,後端部は,1回目の処理のS6−5でnL=20,nH=40に更新された結果,制御コードはその平均である30に更新されている。一方,中央部は1回目の処理のS6−5でnL=0,nH=20に更新された結果,制御コードは10に更新されている。このようにして,前半冷却用制御コード算出手段116と後半冷却用制御コード算出手段116のそれぞれについて図6のS6−3〜S6−6を繰り返すことで,制御コードが順次更新される。
図10に前半冷却用ダイナミック制御手段121の構成と,各部の処理を詳細に示す。前半冷却用制御コード算出手段116が出力した制御コードは,鋼板151を冷却制御中に,前半冷却用ダイナミック制御手段121によりリアルタイムで補正される。前半冷却用ダイナミック制御手段121は,図1の説明で述べた中間温度偏差補正手段123,ミル出側温度偏差補償手段124,前半冷却用速度偏差補償手段125,前半冷却用操作量合成手段126を備えている。さらに補正量の計算に使用する第1の影響係数テーブル1001,第2の影響係数テーブル1002,第3の影響係数テーブル1003を備えている。前半冷却用ダイナミック制御手段121の前半冷却用操作量合成手段126で算出された鋼板長手方向の各部位毎の制御コード変化量と,前半冷却用制御コード算出手段116が出力した制御コードを加算して算出された制御コードは,前半冷却用ヘッダーパターン変換手段141に対して出力される。
図11に第1の影響係数テーブル1001の構成を示す。第1の影響係数テーブル1001には,制御コードの変化に対する中間温度の変化量∂Tm/Δn(℃)が格納されており,冷却ヘッダー162を一つ開,または閉したときの中間温度Tmの変化量に対応した数値である。∂Tm/Δnは,板厚,板速,前半冷却用制御コードで層別されて格納されている。図の例では,板厚が3mm以下,鋼板151の速度が450mpm以下,前半冷却用制御コードが9以下の場合には,(∂Tm/Δn)=3.0℃であり,冷却ヘッダー162を一つ開または閉すると,中間温度計156で計測される中間温度Tmが3℃,低下または上昇することを示している。
図12に第2の影響係数テーブル1002の構成を示す。第2の影響係数テーブル1002には,鋼板速度の変化に対する中間温度の変化量∂Tm/∂V(℃/mpm)が格納されており,値は,鋼板151の速度を1mpm増加,または減少させたときの中間温度Tmの変化量である。∂Tm/∂Vは,板厚,板速,前半冷却用制御コードで層別されて格納されている。図の例では,板厚が3mm以下,鋼板151の速度が450mpm以下,制御コードnが9以下の場合には,(∂Tm/∂V)=2.2℃であり,鋼板151の速度を1mpm増加,または減少させると,中間温度計156で計測される中間温度Tmが2.2℃,低下または上昇することを示している。
図13に第3の影響係数テーブル1003の構成を示す。第3の影響係数テーブル1003には,ミル出側温度の変化に対する中間温度の変化量∂Tm/∂Tfが格納されており,これはミル出側温度計位置の鋼板温度が1℃増加,または減少したときの中間温度Tmの変化量に対応した数値である。∂Tm/∂Tfは,板厚,板速,前半冷却用制御コードで層別されて,格納されている。図の例では,板厚が3mm以下,鋼板151の速度が450mpm以下,制御コードnが9以下の場合には,(∂Tm/∂Tf)=0.9℃であり,ミル出側温度の計測値が1℃高い,または低い場合には,中間温度計156で計測される中間温度Tmが0.9℃,増加または減少することを示している。
図11〜13において層別項目は同様に減らすこともできるし,ミル出側温度等をさらに追加して増やすこともできる。
次に中間温度偏差補正手段123の処理を説明する。中間温度偏差補正手段123は,一定周期で起動され,中間温度を検出してフィードバック(FB)制御を行う。中間温度偏差補正手段123は中間温度偏差算出手段1004を備えており,計測した中間温度と目標温度の偏差の大きさに対して,これを抑制するための適切な前半冷却用制御コードの変更量を計算する。すなわち中間温度偏差算出手段1004では,目標中間温度と中間温度計156での計測値の差分を取り込み,さらに第1の影響係数テーブル1001から,現在の状態に該当した層別の影響係数(∂Tm/Δn)を取り込み,(12)式の演算により,制御コードの変更量を計算する。
Δn1=G1・{1/(∂Tm/Δn)}・ΔTm …(12)
ただし,Δn1:中間温度FB制御による制御コード変更量,G1:定数(中間温度FB制御ゲイン),(∂Tm/Δn):第1の影響係数テーブル1101から抽出した該当層別の影響係数,ΔTm:中間温度偏差である。
一方,ミル出側温度偏差補償手段124も同様に一定周期で起動され,ミル出側温度偏差フィードフォワード(FF)制御を行う。ミル出側温度偏差補償手段124は,プリセット計算時に想定したミル出側温度とミル出側温度計155で検出された実績温度の偏差に対して,適切な制御コードの変更量を計算するミル出側温度偏差補正量算出手段1005と,計算結果を鋼板151の長手方向のどの部位に適用するかを決定する適用部位特定手段1008を備えている。ミル出側温度偏差補正量算出手段1005は,セットアップ計算時に想定したTfとミル出側温度計155で計測したTfの差分ΔTfを取り込む。さらに第1の影響係数テーブル1001と第3の影響係数テーブル1003から,現在の冷却状態に該当した層別の影響係数(∂Tm/Δn),(∂Tm/∂Tf)を取り込み,(13)式の演算により,前半冷却用制御コードの変更量を計算する。
Δn2=G2・(Δn/∂Tf)・ΔTf
=G2・{1/(∂Tm/Δn)}・(∂Tm/∂Tf)・ΔTf …(13)
ただし,Δn2:ミル出側温度偏差FF制御による前半冷却用制御コード変更量,G2:定数(ミル出側温度FF制御ゲイン),(∂Tm/∂Tf):第3の影響係数テーブル1003から抽出した該当層別の影響係数,ΔTf:ミル出側温度偏差である。計算されたΔn2は,適用部位特定手段1008に出力される。
図14に,適用部位特定手段1008の処理を示す。ここで鋼板151には,図15に示すように長手方向にセクション1501が定義されている。図の例では,鋼板先端から鋼板後端に渡り,n個のセクションが定義されており,それぞれにセクション番号が付与されている。すなわち鋼板先端のセクションに1,以下,鋼板後端のセクションにnが付与されている。
S14−1で,ミル出側温度計155設置位置直下を通過している鋼板のセクション番号を取り込む。ここでは取り込んだセクション番号をiとする。ミルの制御を行う鉄鋼システムの制御装置では,通常,鋼板151のトラッキング位置情報を計算している。すなわち,鋼板151の先頭位置(ミル157からの払い出し長さ),尾端位置等を,ミル157のロール回転速度,ダウンコイラ154の回転速度,詳細は省略するがHMD(Hot Metal Detector),CMD(Cold Metal Detector)等の位置センサ等から取り込んだ信号を用いて周期的に計算している。この情報と,ミル出側温度計155の取り付け位置との関係から,ミル出側温度計設置位置を通過中の鋼板セクション番号が特定できる。
次にS14−2で,ミル出側温度偏差補正量算出手段1005の出力Δn2を取り込む。そしてS14−3で,S14−1で取り込んだミル出側温度計155設置位置のセクション番号iに,Δn2を登録する。以下,この値を(Δn2)iとする。
前半冷却用速度偏差補償手段125も同様に一定周期で起動され,速度偏差フィードフォワード制御を行う。前半冷却用速度偏差補償手段125はプリセット計算時に想定した該当時刻の鋼板速度と実際の鋼板速度の偏差に対して,適切な前半冷却用制御コードの変更量を計算する速度偏差補正量算出手段1006と,計算結果を鋼板151の長手方向のどの部位に適用するかを決定する適用部位特定手段1009を備えている。
速度偏差補正量算出手段1006は,セットアップで想定した鋼板速度と実績速度の偏差ΔVを取り込み,さらに第1の影響係数テーブル1001と第2の影響係数テーブル1002から,現在の状態に該当した層別の影響係数(∂Tm/Δn),(∂Tm/∂V)を取り込み,(14)式の演算により,制御コードの変更量を計算する。
Δn3=G3・(Δn/∂V)・ΔV
=G3・{1/(∂Tm/Δn)}・(∂Tm/∂V)・ΔV …(14)
ただし,Δn3:板速偏差FF制御による前半冷却用制御コード変更量,G3:定数(板速偏差FF制御ゲイン),(∂Tm/∂V):第2の影響係数テーブルから抽出した該当層別の影響係数,ΔV:板速偏差である。
計算されたΔn3は,適用部位特定手段1009に出力される。図16に適用部位特定手段1009の処理を示す。S16−1で,鋼板151のトラッキング情報から,前半冷却装置170の侵入位置と排出位置にある鋼板の,鋼板セクション番号を取り込む。次にS16−2で,取り込んだセクション番号から,制御コードの補正が必要なセクションを決定し,各セクションの補正比を算出する。鋼板セクション番号iの補正比Riは,(15)式により計算できる。
Ri=(i−I1)/(I2−I1) …(15)
ただし,I1:前半冷却装置排出位置の鋼板セクション番号,I2:前半冷却装置進入位置の鋼板セクション番号である。
そしてS16−3で,速度偏差補正量算出手段1006の出力Δn3を取り込む。S16−4で,Δn3とS16−2で算出した補正比Riとから,各セクションの制御コード補正量を計算し,該当セクション番号に登録する。鋼板セクション番号iの補正量(Δn3)i は(16)式で算出できる。
(Δn3)i=Δn3×Ri …(16)
次に,前半冷却用操作量合成手段126の処理を説明する。前半冷却用操作量合成手段126はΔn1,(Δn2)i,(Δn3)iを加算して,各鋼板セクションの操作量を算出する。具体的には,鋼板セクションiに関する前半冷却用ダイナミック制御手段121の出力Ndiを,(17)式で計算する。
Ndi={Δn1+(Δn2)i+(Δn3)i} …(17)
前半冷却用ダイナミック制御手段121は各セクションのNdiを出力し,この値にしたがって,前半冷却用制御コード算出手段116が出力した制御コードが修正され,前半冷却用ヘッダーパターン変換手段141に出力される。
図17に前半冷却用制御コード算出手段116が出力した前半冷却用制御コードを,前半冷却用ダイナミック制御手段121が補正したときの,補正結果を示す。図では鋼板部位500m〜520mの前半冷却用制御コードが保持されているのに対し,520m〜525mの前半冷却用制御コードが12から14に補正されている。
本実施例では,各補正量算出手段1004〜1006を一定周期で起動することとしたが,起動方法としては鋼板151がミル157から一定長払い出されたタイミング毎に起動する方法や,ミル出側温度や中間温度,鋼板速度に一定以上の偏差が生じたタイミングで起動する方法等,種々,考えられる。
図18に後半冷却用ダイナミック制御手段122の構成と,各部の処理を詳細に示す。後半冷却用制御コード算出手段117が出力した制御コードは,鋼板151を冷却制御中に,後半冷却用ダイナミック制御手段122によりリアルタイムで補正される。
後半冷却用ダイナミック制御手段122は,図1で述べた巻取り温度偏差補正手段127,中間温度偏差補償手段128,後半冷却用速度偏差補償手段129,後半冷却用操作量合成手段130を備えている。さらに補正量の計算時に使用する第4の影響係数テーブル1801,第5の影響係数テーブル1802,第6の影響係数テーブル1803を備えている。後半冷却用ダイナミック制御手段122の後半冷却用操作量合成手段130で算出された,鋼板長手方向の各部位毎の制御コード変化量は,後半冷却用ヘッダーパターン変換手段142に対して出力される。
図19に第4の影響係数テーブル1801の構成を示す。第4の影響係数テーブル1401には,制御コードの変化に対する巻取り温度の変化量∂Tc/Δn(℃)が格納されており,これは冷却ヘッダー162を一つ開,または閉したときの巻取り温度Tcの変化量に対応している。∂Tc/Δnは,板厚,板速,後半冷却用制御コードで層別されて格納されている。図の例では,板厚が3mm以下,鋼板151の速度が450mpm以下,前半冷却用制御コードが9以下の場合には,(∂Tc/Δn)=4.0℃であり,冷却ヘッダー162を一つ開または閉すると,巻取り温度計157で計測される巻取り温度Tcが4.0℃,低下または上昇することを示している。
図20に第5の影響係数テーブル1802の構成を示す。第5の影響係数テーブル1802には,鋼板速度の変化に対する巻取り温度の変化量∂Tc/∂V(℃/mpm)が格納されており,この値は,鋼板151の速度を1mpm増加,または減少させたときの巻取り温度Tcの変化量である。∂Tc/∂Vは,板厚,板速,後半冷却用制御コードで層別されて格納されている。図の例では,板厚が3mm以下,鋼板151の速度が450mpm以下,制御コードnが9以下の場合には,(∂Tc/∂V)=3.2℃であり,鋼板151の速度を1mpm増加,または減少させると,巻取り温度計157で計測される巻取り温度Tcが3.2℃,低下または上昇することを示している。
図21に第6の影響係数テーブル1803の構成を示す。第6の影響係数テーブル1803には,中間温度の変化に対するミル出側温度の変化量∂Tc/∂Tmが格納されており,これは中間温度計測位置の鋼板温度が1℃増加,または減少したときのミル出側温度Tcの変化量に対応した数値である。∂Tc/∂Tmは,板厚,板速,後半冷却用制御コードで層別されて,格納されている。図の例では,板厚が3mm以下,鋼板151の速度が450mpm以下,制御コードnが9以下の場合には,(∂Tc/∂Tm)=0.9℃であり,中間温度の計測値が1℃高い,または低い場合には,巻取り温度計157で計測される巻取り温度Tcが0.9℃,増加または減少することを示している。
図19〜21の層別項目は同様に減らすこともできるし,中間温度等を追加して増やすこともできる。
次に巻取り温度偏差補正手段127の処理を説明する。巻取り温度偏差補正手段127は,一定周期で起動され,巻取り温度を検出してフィードバック(FB)制御を行う。巻取り温度偏差補正手段127は,巻取り温度の目標温度に対する偏差の大きさに対して適切な後半冷却用制御コードの変更量を計算する巻取り温度偏差補正量算出手段1804を備えている。巻取り温度偏差補正量算出手段1804は,目標巻取り温度と巻取り温度計157での計測値の差分を取り込み,さらに第4の影響係数テーブル1801から,現在の状態に該当した層別の影響係数(∂Tc/Δn)を取り込み,(18)式の演算により,制御コードの変更量を計算する。
Δn4=G4・{1/(∂Tc/Δn)}・ΔTm …(18)
ただし,Δn4:巻取り温度FB制御による後半冷却用制御コード変更量,G4:定数(巻取り温度FB制御ゲイン),(∂Tc/Δn):第4の影響係数テーブルから抽出した該当層別の影響係数,ΔTc:巻取り温度偏差である。
一方,中間温度偏差補償手段128も同様に一定周期で起動され,中間温度偏差フィードフォワード(FF)制御を行う。中間温度偏差補償手段128は,中間温度の目標値と中間温度計155で検出された実績温度の偏差に対して適切な後半冷却用制御コードの変更量を計算する中間温度偏差補正量算出手段1805と,計算結果を鋼板151の長手方向のどの部位に適用するかを決定する適用部位特定手段1808を備えている。中間温度偏差補正量算出手段1805は,中間温度目標値と中間温度計156で計測したTmの差分ΔTmを取り込み,さらに第4の影響係数テーブル1801と第6の影響係数テーブル1803から,現在の状態に該当した層別の影響係数(∂Tc/Δn),(∂Tc/∂Tm)を取り込み,(19)式の演算により,後半冷却用制御コードの変更量を計算する。
Δn5=G5・(Δn/∂Tm)・ΔTm
=G5・{1/(∂Tc/Δn)}・(∂Tc/∂Tm)・ΔTm …(19)
ただし,Δn5:中間温度偏差FF制御による後半冷却用制御コード変更量,G5:定数(中間温度FF制御ゲイン),(∂Tc/∂Tm):第6の影響係数テーブルから抽出した該当層別の影響係数,ΔTm:ミル出側温度偏差である。
計算されたΔn5は,適用部位特定手段1808に出力される。図22に,適用部位特定手段1808の処理を示す。同様に鋼板151には,図15に示すように長手方向にセクション1501が定義されている。S22−1で,中間温度計156設置位置のセクション番号を取り込む。ここでは取り込んだセクション番号をiとする。次にS22−2で,中間温度偏差補正量算出手段1805の出力Δn5を取り込む。そしてS22−3で,S22−1で取り込んだ中間温度計156設置位置のセクション番号iに,Δn5を登録する。以下,この値を(Δn5)i とする。
後半冷却用速度偏差補償手段129も同様に一定周期で起動され,速度偏差フィードフォワード制御を行う。後半冷却用速度偏差補償手段129はプリセット計算時に想定した該当時刻の鋼板速度と,実際の鋼板速度の偏差に対して適切な後半冷却用制御コードの変更量を計算する速度偏差補正量算出手段1806と,計算結果を鋼板151の長手方向のどの部位に適用するかを決定する適用部位特定手段1809を備えている。速度偏差補正量算出手段1806は,セットアップで想定した鋼板速度と実績速度の偏差ΔVを取り込む。さらに第4の影響係数テーブル1801と第5の影響係数テーブル1802から,現在の状態に該当した層別の影響係数(∂Tc/Δn),(∂Tc/∂V)を取り込み,(20)式の演算により,制御コードの変更量を計算する。
Δn6=G6・(Δn/∂V)・ΔV
=G6・{1/(∂Tc/Δn)}・(∂Tc/∂V)・ΔV …(20)
ただし,Δn6:板速偏差FF制御による後半冷却用制御コード変更量,G6:定数(板速偏差FF制御ゲイン),(∂Tc/∂V):第5の影響係数テーブルから抽出した該当層別の影響係数,ΔV:板速偏差である。
計算されたΔn6は,適用部位特定手段1809に出力される。図23に適用部位特定手段1809の処理を示す。S23−1で,鋼板151のトラッキング情報から,後半冷却装置171の侵入位置と排出位置にある鋼板の,鋼板セクション番号を取り込む。次にS23−2で,取り込んだセクション番号から,制御コードの補正が必要なセクションを決定し,各セクションの補正比を算出する。鋼板セクション番号iの補正比Riは,(21)式で計算できる。
Ri=(i−I1)/(I2−I1) …(21)
ただし,I1:後半冷却装置排出位置の鋼板セクション番号,I2:後半冷却装置進入位置の鋼板セクション番号である。
そしてS23−3で,速度偏差補正量算出手段1806の出力Δn6を取り込む。S23−4で,Δn6とS23−2で算出した補正比とから,各セクションの制御コード補正量を計算し,該当セクション番号に登録する。鋼板セクション番号iの補正量(Δn6)i は(22)式で算出できる。
(Δn6)i=Δn6×Ri …(22)
次に,後半冷却用操作量合成手段130の処理を説明する。第2の操作量合成手段130はΔn4,(Δn5)i,(Δn6)iを加算して,各鋼板セクションの操作量を算出する。具体的には,鋼板セクションiに関する後半冷却用ダイナミック制御手段122の出力Ndiを,(23)式で計算する。
Ndi ={Δn1+(Δn2)i+(Δn3)i } …(23)
後半冷却用ダイナミック制御手段122は各セクションのNdiを出力し,この値にしたがって,後半冷却用制御コード算出手段117が出力した制御コードが修正され,後半冷却用ヘッダーパターン変換手段142に出力される。
図24に後半冷却用制御コード算出手段117が出力した後半冷却用制御コードを,後半冷却用ダイナミック制御手段122が補正したときの補正結果を示す。図では鋼板部位500m〜510mの後半冷却用制御コードが保持されているのに対し,鋼板部位510m〜525mの後半冷却用制御コードが24から22に補正されている。
本実施例では,各補正量算出手段1804〜1806を一定周期で起動することとしたが,起動方法としては鋼板151がミル157から一定長払い出されたタイミング毎に起動する方法や,中間温度や巻取り温度,鋼板速度に一定以上の偏差が生じたタイミングで起動する方法等,種々,考えられる。
図25に前半冷却用ヘッダーパターン変換手段141が実行するアルゴリズムを示す。S25−1で,冷却ヘッダー直下を通過している鋼板151の先端からの距離Lhを算出する。S25−2でLhが0より小さいかどうか判定し,小さい場合には鋼板151が該当冷却ヘッダーまで到達していないので,処理を抜けてS25−5に進む。大きい場合には,鋼板151が該当冷却ヘッダーまで到達しているので,S25−3で距離Lhに対応した前半冷却用制御コードを抽出する。すなわちLhと図15の鋼板部位を照合し,Lhに対応する部位の前半冷却用制御コードを抽出する。S25−4では,該当部位の前半冷却用制御コードから優先順位がいくつの冷却ヘッダーまでを開するか決定できるので,この情報と前半冷却ヘッダー用優先順位テーブル402に格納されている情報を用いて,該当冷却ヘッダーの開閉を決定する。S25−5では,すべての冷却ヘッダーについての演算が終了したかどうかを判定し,終了していない場合には,終了するまで,S25−1〜S25−4の処理を繰り返す。
図26に後半冷却用ヘッダーパターン変換手段142が実行するアルゴリズムを示す。S26−1で,冷却ヘッダー直下を通過している鋼板151の先端からの距離Lhを算出する。S26−2でLhが0より小さいかどうか判定し,小さい場合には鋼板151が該当冷却ヘッダーまで到達していないので,処理を抜けてS26−5に進む。大きい場合には,鋼板151が該当冷却ヘッダーまで到達しているので,S26−3で距離Lhに対応した後半冷却用制御コードを抽出する。すなわちLhと図15の鋼板部位を照合し,Lhに対応する部位の後半冷却用制御コードを抽出する。S26−4で該当部位の後半冷却用制御コードから,優先順位がいくつの冷却ヘッダーまでを開するか決定できるので,この情報と後半冷却ヘッダー用優先順位テーブル402に格納されている情報を用いて,該当冷却ヘッダーの開閉を決定する。S26−5では,すべての冷却ヘッダーについての演算が終了したかどうかを判定し,終了していない場合には,終了するまで,S26−1〜S26−4の処理を繰り返す。
本実施例では冷却ヘッダー数が前半冷却装置170,後半冷却装置171とも40の場合を例に説明したが,設備に応じて種々の値になる。
次に実施例1に対して,プリセット演算実行後,鋼板151が中間温度で一定時間保持されたかどうかを判定し,保持時間が不足している場合には,これを確保するために速度パターンを変更する処理を付加した実施例2を説明する。
図27に実施例1(図1)の巻取り温度制御装置100に,中間温度保持時間算出手段2701と速度パターン変更手段2702を付加した実施例2を示す。中間温度保持時間算出手段2701はプリセット制御手段110で計算された前半冷却用制御コードと後半冷却用制御コードを,速度パターンテーブル111から該当層別の最大速度を取り込む。さらに冷却ヘッダー優先順位テーブル113から該当層別における各ヘッダーの開放優先順位を取り込み,これらを基に鋼板151が中間温度で何秒間保持されているかを推定する。
図28に中間温度保持時間算出手段2701が実行する処理を示す。S28−1で前半冷却用制御コードと前半冷却装置170の各冷却ヘッダーの優先順位から,中間温度計156に最も近接した開ヘッダーを特定する。S28−2では同様に後半冷却用制御コードと後半冷却装置171の各冷却ヘッダーの優先順位から,中間温度計156に最も近接した開ヘッダーを特定する。S28−3で速度パターンテーブル111から冷却中の鋼板151に対応した層別の最大速度を抽出する。以上の情報を用いてS28−4で鋼板151が中間温度で保持された時間を推定する。保持時間Tkは(24)式により算出できる。
Tk=L/Vmax …(24)
ただし,L:前半冷却装置170の中間温度計156に最も近接した開ヘッダーと後半冷却装置171の中間温度計156に最も近接した開ヘッダーとの距離,Vmax:最大速度である。保持時間Tkがあらかじめ定められた必要保持時間を満足していれば,S28−5で処理を終了する。保持時間Tkが必要保持時間より小さい場合には,速度パターン変更手段2702に処理を渡し,最大速度を下げることで保持時間を満足させるための処理を行う。
図29に速度パターンを変更するための一連の処理を示す。S29−1で速度パターン変更手段2702において,不足保持時間ΔTkを計算し,(25)式によりこれを補償する低下速度量ΔVsを算出する。不足保持時間ΔTkは必要保持時間からTkを減じた値である。
ΔVs=L/ΔTk …(25)
そして最大速度をη・ΔVsに設定する。ηは0〜1の定数である。次にS29−2でプリセット制御手段110を起動し,実施例1の処理を実行することにより,最大速度の低下によるヘッダーパターンの変化を算出できる。S29−3で中間温度保持時間算出手段2701を再度起動し鋼板151の中間温度保持時間を算出する。そしてS29−4で保持時間が必要保持時間を満足しているかどうかを判定し,満足するまでS29−1〜S29−3の処理を繰り返す。
本処理でηを1に近い値に設定すると,一度の演算で中間温度での保持時間を満足させることができるが,最大速度を必要以上に低下させる場合がある。一方,ηを0に近い値に設定すると,S29−1〜S29−3の処理を何度か繰り返す必要があるが,保持時間を満足する範囲で最大に近い速度を得ることができる。上記に配慮して,計算時間や計算負荷の制約でηを決めればよい。
実施例2では最大速度の低下に伴うヘッダーパターンの変化を厳密に考慮して,速度低下処理を行う例を示したが,ηをあらかじめ適切な値に設定することで,S29−1〜S29−3の繰り返し演算を省略し,1回の再計算でプリセット処理を完了することもできる。この場合,計算時間の最大値が確定できるメリットがある。
次に本発明の第3の実施例を説明する。前半冷却用ダイナミック制御手段121の制御結果が後半冷却用ダイナミック制御手段122の動作に及ぼす影響に制限を加え,冷却制御を安定化させる実施例である。
図30に実施例1(図1)の巻取り温度制御装置100に,安定化制御手段3001を付加した実施例3を示す。本実施例で新たに設けた安定化制御手段3001は,前半冷却用ダイナミック制御手段121の前半冷却用操作量合成手段126が有している信号のうち,安定化処理に必要なものを取り込み,安定化制御演算を実行した結果を後半冷却用ダイナミック制御手段122に出力する。安定化処理としては種々考えられるが,本実施例では,前半冷却用ダイナミック制御手段121の速度偏差補償演算に対する冷却ヘッダー162の応答遅れにより中間温度が過渡動作し,後半冷却用ダイナミック制御手段122の中間温度偏差補償手段の出力が不安定になることを防止する例を示す。
図31に安定化制御手段3001の動作を示す。S31−1で速度変化ΔVに対応した中間温度の変化量ΔTmsを推定する。ΔTmsはΔVと第2の影響係数テーブル1002から抽出した該当層別の(∂Tm/∂V)から,(26)式にて算出できる。
ΔTms=(∂Tm/∂V)・ΔV …(26)
S31−2でΔTmsを後半冷却用ダイナミック制御手段122に出力する。(26)式から,速度変化により中間温度がΔTmsだけ変化することが予想されるが,この温度変化は,いずれ前半冷却用速度偏差補償手段125により抑制される。
一方,冷却ヘッダー162を開閉してから鋼板表面の状態が変化するまでに,冷却ヘッダーの応答遅れ等により通常,2秒程度を必要とする。このため速度変化に対応した中間温度の変化が過渡的に観測される場合があるが,これに対応して後半冷却用ダイナミック制御手段122の中間温度偏差補償手段128が動作すると,冷却ヘッダーが短時間に開閉して冷却制御が不安定になる。中間温度偏差補償手段128はΔTmsを受け取り,速度変化から前半冷却用速度偏差補償手段125によるヘッダー操作の効果が中間温度で観測されるまでの一定時間Δtlの間,ΔTms以内の温度偏差に相当するヘッダー修正量を抑制する処理を行う。
具体的には(27)式により,現状から0〜ΔTmsの温度変化に対して不感帯を設定し,これに対応したヘッダー修正を行わないようにする。
Δn5=Δn5*+G5・(Δn/∂Tm)・ΔTm*
=Δn5*+G5・{1/(∂Tc/Δn)}・(∂Tc/∂Tm)・ΔTm* …(27)
ただし,Δn5*:速度変化直前の中間温度偏差FF制御による後半冷却用制御コード変更量,ΔTm':速度変化直前の中間温度と制御時点の中間温度の偏差であり,ΔTm*とTm'とは下式の関係になる。
ΔTm*=0 (0<ΔTm'<ΔTms のとき)
ΔTm*=ΔTm'−ΔTms (ΔTms<ΔTm'のとき)
ΔTm*=ΔTm' (ΔTm'≦0のとき)
(27)式は0<ΔTms(速度が増加した場合)の例であるが,ΔTms<0(速度が低下した場合)の場合も類似の処理で対応できる。
速度変化からΔt1経過した後,(27)式の処理は解除され,(19)式で示した通常の中間温度偏差補償手段128の処理に復帰する。冷却制御安定化処理としては,この他にも中間温度に目標値からの偏差があった場合に,中間温度偏差補正手段123が中間温度を安定化させるまで,中間温度偏差補償手段128の動作を抑制する手法等,種々の方法が考えられる。
本発明は熱間圧延ラインの冷却制御のうち,中間温度を制御する必要のある高級鋼板の冷却制御に広く適用できる。
本発明の実施例1による巻取り温度制御システムの構成図。 速度パターンテーブルの構成を示した説明図。 目標温度テーブルの構成を示した説明図。 冷却ヘッダー優先順位テーブルの構成を示した説明図。 冷却ヘッダー開閉パターンと制御コードの対応例を示す説明図。 前半冷却用及び後半冷却用制御コード算出処理を示すフローチャート。 前半冷却用制御コード算出処理における巻取り温度予測計算の処理を示すフローチャート。 後半冷却用制御コード算出処理における巻取り温度予測計算の処理を示すフローチャート。 制御コード計算中の制御コードの遷移を示す説明図。 前半冷却用ダイナミック制御手段の構成図。 第1の影響係数テーブルの構成を示す説明図。 第2の影響係数テーブルの構成を示す説明図。 第3の影響係数テーブルの構成を示す説明図。 ミル出側温度偏差補償手段における適用部位特定手段の処理を示すフローチャート。 鋼板の長手方向セクション分けの説明図。 前半冷却用速度変化補償手段における適用部位特定手段の処理を示すフローチャート。 前半冷却用ダイナミック制御手段による制御コード補正処理の説明図。 後半冷却用ダイナミック制御手段の構成図。 第4の影響係数テーブルの構成を示す説明図。 第5の影響係数テーブルの構成を示す説明図。 第6の影響係数テーブルの構成を示す説明図。 中間温度偏差補償手段における適用部位特定手段の処理を示すフローチャート。 後半冷却用速度変化補償手段における適用部位特定手段の処理を示すフローチャート。 後半冷却用ダイナミック制御手段による制御コード補正処理の説明図。 前半冷却用ヘッダーパターン変換手段の処理を示すフローチャート。 後半冷却用ヘッダーパターン変換手段の処理を示すフローチャート。 本発明の実施例2による巻取り温度制御システムの構成図。 中間温度保持時間算出手段の処理を示すフローチャート。 速度パターン変更手段の処理を示すフローチャート。 本発明の実施例3による巻取り温度制御システムの構成図。 安定化制御手段の処理を示すフローチャート。
符号の説明
100…制御装置、110…プリセット制御手段、111…速度パターンテーブル、112…目標温度テーブル、113…冷却ヘッダ−優先順位テーブル、114…板温推定モデル、115…制御コード算出手段、116…前半冷却用制御コード算出手段、117…後半冷却用制御コード算出手段、120…ダイナミック制御手段、121…前半冷却用ダイナミック制御手段、123…中間温度偏差補正手段、124…ミル出側温度偏差補償手段、125…前半冷却用速度偏差補償手段、126…前半冷却用操作量合成手段、122…後半冷却用ダイナミック制御手段、127…巻取り温度偏差補正手段、128…中間温度偏差補償手段、129…後半冷却用速度偏差補償手段、1130…後半冷却用操作量合成手段、140…ヘッダーパターン変換手段、141…前半冷却用ヘッダーパターン変換手段、142…後半冷却用ヘッダーパターン変換手段、150…制御対象、151…鋼板、152…圧延機、153…巻取冷却装置、154…ダウンコイラ、155…ミル出側温度計、156…中間温度計、157…巻取温度計、160…上部冷却装置、161…下部冷却装置、162…冷却ヘッダー、163…バンク、170…前半冷却装置、171…後半冷却装置、1101…第1の影響係数テーブル、1102…第2の影響係数テーブル、1103…第3の影響係数テーブル、1801…第4の影響係数テーブル、1802…第5の影響係数テーブル、1803…第6の影響係数テーブル、2710…中間温度保持時間算出手段、2702…速度パターン変更手段、3001…安定化制御手段。

Claims (19)

  1. 熱間圧延機で圧延された鋼板を,熱間圧延機の出側に備えられた冷却装置で冷却し,鋼板がダウンコイラで巻取られる前の巻取り温度に加えて,鋼板が冷却装置のあらかじめ定められた中間位置を通過するときの中間温度を所定の目標温度に制御する巻取り冷却制御装置において,
    前記熱間圧延機と前記中間位置の間の冷却装置に設けられた冷却ヘッダーの開閉の組み合わせである前半冷却用ヘッダーパターンの情報から鋼板の中間温度を推定するとともに,前記中間位置とダウンコイラの間の冷却装置に設けられた冷却ヘッダーの開閉の組み合わせである後半冷却用ヘッダーパターンの情報から鋼板の巻取り温度を推定する板温推定モデルと,
    冷却制御に先立って,前記板温推定モデルを用いて中間温度と巻取り温度を推定し,推定結果を用いて,目標中間温度を実現するための前半冷却用ヘッダーパターンと目標巻取り温度を実現するための後半冷却用ヘッダーパターンを算出するプリセット制御手段と,
    冷却制御中の鋼板の状態を観測し,観測した中間温度を目標中間温度に一致させるための前記前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出して出力する前半冷却用ダイナミック制御手段と,
    冷却制御中の鋼板の状態を観測し,観測した巻取り温度を目標巻取り温度に一致させるための前記後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出して出力する後半冷却用ダイナミック制御手段と,を備えたことを特徴とする巻取り温度制御装置。
  2. 前記前半冷却用ダイナミック制御手段は,
    目標中間温度と冷却制御中の鋼板から計測した中間温度の偏差を補償するための前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する中間温度偏差補正手段と,
    プリセット制御時に想定した鋼板の熱間圧延機出側温度と冷却制御中の鋼板から計測した熱間圧延機の出側温度の偏差を補償するための前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出するミル出側温度偏差補償手段と,
    プリセット制御時に想定した鋼板速度と冷却制御中の鋼板速度の偏差を補償するための前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する前半冷却用速度偏差補償手段と,
    前記中間温度偏差補正手段と前記ミル出側温度偏差補償手段と前記前半冷却用速度偏差補償手段の出力を,鋼板長手方向の各部位毎に合成して前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する前半冷却用操作量合成手段と,を備えたことを特徴とする請求項1記載の巻取り温度制御装置。
  3. 前記後半冷却用ダイナミック制御手段は,
    目標巻取り温度と冷却制御中の鋼板から計測した巻取り温度の偏差を補償するための後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する巻取り温度偏差補正手段と,
    目標中間温度と冷却制御中の鋼板から計測した中間温度の偏差を補償するための後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する中間温度偏差補償手段と,
    プリセット制御時に想定した鋼板速度と冷却制御中の鋼板速度の偏差を補償するための後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する後半冷却用速度偏差補償手段と,
    前記巻取り温度偏差補正手段と前記中間温度偏差補償手段と前記後半冷却用速度偏差補償手段の出力を,鋼板長手方向の各部位毎に合成して後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を算出する後半冷却用操作量合成手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の巻取り温度制御装置。
  4. 前記プリセット制御手段は,
    熱間圧延機と前記中間位置の間に設けられた冷却ヘッダーの開放順序の優先関係を格納している前半冷却ヘッダー用優先順位テーブルと,
    前記中間位置からダウンコイラの間に備えられた冷却ヘッダーの開放順序の優先関係を格納している後半冷却ヘッダー用優先順位テーブルと,
    前記前半冷却用ヘッダーパターンを,前記前半冷却ヘッダー用優先順位テーブルの情報を用いて生成した制御コードと対応づけた上で,前記板温推定モデルを用いて中間温度を推定し,推定結果を用いて目標中間温度を実現するための制御コードを算出して出力する前半冷却用制御コード算出手段と,
    前記後半冷却用ヘッダーパターンを,前記後半冷却ヘッダー用優先順位テーブルの情報を用いて生成した制御コードと対応づけた上で,前記板温推定モデルを用いて巻取り温度を推定し,推定結果を用いて目標巻取り温度を実現するための制御コードを算出して出力する後半冷却用制御コード算出手段と,を含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の巻取り温度制御装置。
  5. 前記制御コードはすべてのヘッダーが開した状態を最大値,すべてのヘッダーが閉した状態を最小値とし,制御コードの増加に伴い,前記中間温度または前記巻取り温度が単調に減少するように対応づけられていることを特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。
  6. 前記制御コードはすべてのヘッダーが開した状態を最小値,すべてのヘッダーが閉した状態を最大値とし,制御コードの増加に伴い,前記中間温度または前記巻取り温度が単調に増加するように対応づけられていることを特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。
  7. 前記前半冷却用ダイナミック制御手段は,
    目標中間温度と冷却制御中の鋼板から計測した前記中間位置の温度の偏差を補償するための前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を制御コードの修正量として算出する中間温度偏差補正手段と,
    プリセット制御時に想定した鋼板の熱間圧延機出側温度と冷却制御中の鋼板から計測した熱間圧延機の出側温度の偏差を補償するための前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を前記制御コードの修正量として算出するミル出側温度偏差補償手段と,
    プリセット制御時に想定した鋼板速度と冷却制御中の鋼板速度の偏差を補償するための前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を制御コードの修正量として算出する前半冷却用速度偏差補償手段と,
    前記中間温度偏差補正手段と前記ミル出側温度偏差補償手段と前記前半冷却用速度偏差補償手段の出力を,鋼板長手方向の各部位毎に合成して制御コードの修正量を算出する前半冷却用操作量合成手段とを備え,
    前記巻取り温度制御装置は,
    各ヘッダー直下の鋼板長手方向の部位を認識した上で,前記前半冷却用制御コード算出手段が鋼板の長手方向の各部位に対応づけて算出した出力した前半冷却用制御コードを,前記前半冷却用ダイナミック制御手段が出力した制御コードで修正した結果を前半冷却用ヘッダーパターンに変換して冷却装置に出力する前半冷却用ヘッダーパターン変換手段と,を含んで構成されることを特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。
  8. 前記後半冷却用ダイナミック制御手段は,
    目標巻取り温度と冷却制御中の鋼板から計測した巻取り温度の偏差を補償するための後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を制御コードの修正量として算出する巻取り温度偏差補正手段と,
    目標中間温度と冷却制御中の鋼板から計測した前記中間位置の温度の偏差を補償するための後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を制御コードの修正量として算出する中間温度偏差補償手段と,
    プリセット制御時に想定した鋼板速度と冷却制御中の鋼板速度の偏差を補償するための後半冷却用ヘッダーパターンの変更量を制御コードの修正量として算出する後半冷却用速度偏差補償手段と,
    前記巻取り温度偏差補正手段と前記中間温度偏差補償手段と前記後半冷却用速度偏差補償手段の出力を,鋼板長手方向の各部位毎に合成して制御コードの修正量を算出する後半冷却用操作量合成手段とを備え,
    前記巻取り温度制御装置は,
    各ヘッダー直下の鋼板長手方向の部位を認識した上で,前記後半冷却用制御コード算出手段が鋼板の長手方向の各部位に対応づけて算出した出力した後半冷却用制御コードを,前記後半冷却用ダイナミック制御手段が出力した制御コードで修正した結果を後半冷却用ヘッダーパターンに変換して冷却装置に出力する後半冷却用ヘッダーパターン変換手段と,を含んで構成されることを特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。
  9. 前記前半冷却用ダイナミック制御手段は,前記制御コードの変化が中間温度に与える影響を格納した第1の影響係数テーブルと,前記熱間圧延機の出側温度の変化が中間温度に与える影響を格納した第2の影響係数テーブルと,前記鋼板の速度の変化が中間温度に与える影響を格納した第3の影響係数テーブルを備え,
    前記中間温度偏差補正手段は,目標中間温度と冷却制御中の鋼板で計測した中間温度の偏差と,第1の影響係数テーブルから取り込んだ係数とから前記前半冷却用制御コードの修正量を算出し,
    前記冷却前温度偏差補償手段は,プリセット制御時に想定した鋼板の熱間圧延機出側温度と冷却制御中の鋼板で計測した熱間圧延機の出側温度の偏差と,第1の影響係数テーブルから取り込んだ係数と,第2の影響係数テーブルから取り込んだ係数とから前半冷却用前記制御コードの修正量を算出し,
    前記前半冷却用速度偏差補償手段は,プリセット制御時に想定した鋼板速度と冷却制御中の鋼板速度の偏差と,第1の影響係数テーブルから取り込んだ係数と,第3の影響係数テーブルから取り込んだ係数とから前記前半冷却用制御コードの修正量を算出すること,を特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。
  10. 前記後半冷却用ダイナミック制御手段は,前記制御コードの変化が巻取り温度に与える影響を格納した第4の影響係数テーブルと,前記中間位置の温度の目標中間温度に対する変化が巻取り温度に与える影響を格納した第5の影響係数テーブルと,前記鋼板の速度の変化が巻取り温度に与える影響を格納した第6の影響係数テーブルを備え,
    前記巻取り温度偏差補正手段は,目標巻取り温度と冷却制御中の鋼板から検出した巻取り温度の偏差と,第4の影響係数テーブルから取り込んだ係数とから前記制御コードの修正量を算出し,
    前記中間温度偏差補償手段は,プリセット制御時に想定した鋼板の冷却前温度と冷却制御中の鋼板から検出した冷却前温度の偏差と,第4の影響係数テーブルから取り込んだ係数と,第5の影響係数テーブルから取り込んだ係数とから前記制御コードの修正量を算出し,
    前記後半冷却用速度偏差補償手段は,プリセット制御時に想定した鋼板速度と冷却制御中の鋼板速度の偏差と,第4の影響係数テーブルから取り込んだ係数と,第5の影響係数テーブルから取り込んだ係数とから前記制御コードの修正量を算出すること,を特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。
  11. 前記プリセット制御手段から出力された前記前半冷却用ヘッダーパターンと前記後半冷却用ヘッダーパターンから前記中間位置付近の空冷範囲を特定し,特定した空冷範囲と鋼板速度から,鋼板が中間温度で保持される時間を算出する中間温度保持時間算出手段と,算出された中間温度保持時間が所定の必要保持時間を満足しないときには,鋼板の最大速度を低下させる処理を行う速度パターン変更手段と,を備えたことを特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。
  12. 前記前半冷却用ダイナミック制御手段が算出した前半冷却用ヘッダーパターンの変更量を取り込み,前半冷却用制御コードの補正量が変化したタイミングから,冷却ヘッダーの応答遅れにより前記前半冷却用ダイナミック制御手段が中間温度変化を抑制できない間,中間温度の変化量に不感帯を設定することで後半冷却用ダイナミック制御手段の出力を安定化させる安定化制御手段と,を備えたことを特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。
  13. 前記前半冷却用ダイナミック制御手段が算出した前半冷却用制御コードの補正量を取り込み,前半冷却用制御コードの補正量が変化したタイミングから,冷却ヘッダーの応答遅れにより前記前半冷却用ダイナミック制御手段が中間温度変化を抑制できない間,中間温度の変化量に不感帯を設定することで後半冷却用ダイナミック制御手段の出力を安定化させる安定化制御手段と,を備えたことを特徴とする請求項4記載の巻取り温度制御装置。
  14. 熱間圧延機で圧延された鋼板を,熱間圧延機の出側に備えられた冷却装置で冷却し,ダウンコイラで巻取られる前の鋼板温度に加えて,冷却装置のあらかじめ定められた中間位置を通過するときの鋼板温度を所定の目標温度に制御する巻取り温度制御方法において,
    熱間圧延機と前記中間位置の間の冷却装置に設けられた冷却ヘッダーの開閉の組み合わせである前半冷却用ヘッダーパターンを決定する情報から鋼板の中間温度を推定するとともに,前記中間位置とダウンコイラの間の冷却装置に設けられた冷却ヘッダーの開閉の組み合わせである後半冷却用ヘッダーパターンの情報から鋼板の巻取り温度を推定し,推定結果を用いて目標中間温度を実現するための前半冷却用ヘッダーパターンと目標巻取り温度を実現するための後半冷却用ヘッダーパターンを決定し,
    冷却制御中の鋼板の状態を観測し,
    目標中間温度と冷却制御中の鋼板から検出した中間温度の偏差を解消するために前記前半冷却用ヘッダーパターンを補正し,プリセット制御時に想定した熱間圧延機出側の鋼板温度と鋼板から計測した温度の偏差を補償するために前記前半冷却用ヘッダーパターンを補正し,プリセット制御時に想定した鋼板速度と実際の鋼板速度の偏差の中間温度に与える影響を補償するために前記前半冷却用ヘッダーパターンを補正し,
    目標巻取り温度と冷却制御中の鋼板から検出した巻取り温度の偏差を解消するために前記後半冷却用ヘッダーパターンを補正し,鋼板の中間温度の目標値と鋼板から計測した中間温度の偏差の巻取り温度へ与える影響を補償するために前記後半冷却用ヘッダーパターンを補正し,プリセット制御時に想定した鋼板速度と実際の鋼板速度の偏差の巻取り温度に与える影響を補償するために前記後半冷却用ヘッダーパターンを補正すること,を特徴とする巻取り温度制御方法。
  15. 熱間圧延機と前記中間位置の間の冷却装置に設けられた前半冷却用ヘッダーの開放順序と前記中間位置とダウンコイラの間の冷却装置に設けられた後半冷却用ヘッダーの開放順序のそれぞれに優先順位を付与し,
    前半冷却用ヘッダーの開閉の組み合わせである前半冷却用ヘッダーパターンを,前記前半冷却用ヘッダーに付与した優先順位の情報を用いて生成した前半制御用制御コードと対応づけた上で,前記前半制御用制御コードと鋼板の速度に関する情報とから,板温推定モデルを用いて鋼板の中間温度を推定し,推定結果を用いて目標中間温度を実現するための前半冷却用制御コードを決定し,
    後半冷却用ヘッダーの開閉の組み合わせである後半冷却用ヘッダーパターンを,前記後半冷却用ヘッダーに付与した優先順位の情報を用いて生成した後半制御用制御コードと対応づけた上で,前記後半制御用制御コードと鋼板の速度に関する情報とから,板温推定モデルを用いて鋼板の巻取り温度を推定し,推定結果を用いて目標巻取り温度を実現するための後半冷却用制御コードを決定し,
    冷却制御中は,
    目標中間温度と鋼板から検出した中間温度の偏差を解消するためのヘッダーの開閉を前記前半冷却用制御コードの補正量として算出し,プリセット制御時に想定した熱間圧延機出側の鋼板温度と鋼板から計測した温度の偏差を補償するためのヘッダーの開閉を前記前半冷却用制御コードの補正量として算出し,プリセット制御時に想定した鋼板速度と実際の鋼板速度の偏差の中間温度に与える影響を補償するためのヘッダーの開閉を前記前半冷却用制御コードの補正量として算出し,
    目標巻取り温度と冷却制御中の鋼板から検出した巻取り温度の偏差を解消するためのヘッダーの開閉を前記後半冷却用制御コードの補正量として算出し,鋼板の中間温度の目標値と鋼板から計測した中間温度の偏差の巻取り温度へ与える影響を補償するためのヘッダーの開閉を前記後半冷却用制御コードの補正量として算出し,プリセット制御時に想定した鋼板速度と実際の鋼板速度の偏差の巻取り温度に与える影響を補償するためのヘッダーの開閉を前記後半冷却用制御コードの補正量として算出し,
    鋼板の冷却制御に先立って決定した前半冷却用制御コードを算出した該前半冷却用制御コードの補正量の総和で補正した値を前半冷却用ヘッダーパターンに変換して冷却装置に出力するとともに,後半冷却用制御コードを算出した該後半冷却用制御コードの補正量の総和で補正した値を後半冷却用ヘッダーパターンに変換して冷却装置に出力することを特徴とする請求項14記載の巻取り温度制御方法。
  16. 熱間圧延機で圧延された鋼板を,該熱間圧延機の出側に備えられた冷却装置で冷却し,ダウンコイラで巻取られる前の鋼板温度に加えて,冷却装置のあらかじめ定められた中間位置を通過するときの鋼板温度を所定の目標温度に制御する巻取り温度制御方法において,
    鋼板の冷却制御に先立って,熱間圧延機と前記中間位置の間の冷却装置に設けられた冷却ヘッダーの開閉の組み合わせである前半冷却用ヘッダーパターンを決定する情報から鋼板の中間温度を推定するとともに,前記中間位置とダウンコイラの間の冷却装置に設けられた冷却ヘッダーの開閉の組み合わせである後半冷却用ヘッダーパターンの情報から鋼板の巻取り温度を推定し,推定結果を用いて,目標中間温度を実現するための前半冷却用ヘッダーパターンと目標巻取り温度を実現するための後半冷却用ヘッダーパターンを算出し,
    冷却制御中は,鋼板の中間位置の温度を計測した上で目標中間温度との偏差を算出し,該偏差を解消するために前記前半冷却用ヘッダーパターンを補正し,前記偏差の巻取り温度へ及ぼす影響を解消するために前記後半冷却用ヘッダーパターンを補正すること,を特徴とする請求項14記載の巻取り温度制御方法。
  17. 目標中間温度と目標巻取り温度を実現するためのヘッダーパターンを決定し,該ヘッダーパターンから前記中間位置付近の空冷範囲を特定した上で,中間温度保持時間が必要保持時間を満足するかどうか判定し,前記中間温度保持時間が必要保持時間を満足しない場合に,鋼板の最大速度を低下した上で目標中間温度と目標巻取り温度を実現するためのヘッダーパターンを再度決定し,再度決定したヘッダーパターンのもとで,中間温度保持時間が必要保持時間を満足するかどうか判定し,満足しない場合に,鋼板の最大速度を低下した上で目標中間温度と目標巻取り温度を実現するためのヘッダーパターンを再度決定し,これを中間温度保持時間が必要保持時間を満足するまで繰り返すこと,を特徴とする請求項14記載の巻取り温度制御方法。
  18. 熱間圧延機で圧延された鋼板を,該熱間圧延機の出側に備えられた冷却装置で冷却し,ダウンコイラで巻取られる前の鋼板温度に加えて,冷却装置のあらかじめ定められた中間位置を通過するときの鋼板温度を所定の目標温度に制御する巻取り温度制御方法において,
    鋼板の冷却制御に先立って,冷却ヘッダー開閉の組み合わせであるヘッダーパターンと鋼板の速度に関する情報と圧延機出側の鋼板温度の推定値から,板温推定モデルを用いて鋼板の前記中間位置における中間温度を推定し,推定結果を用いて目標中間温度を実現するための前半冷却用ヘッダーパターンを決定し,
    前記中間温度の推定値を目標中間温度と一致させた上で,前記ヘッダーパターンと鋼板の速度に関する情報と中間温度の推定値から,板温推定モデルを用いて鋼板の巻取り温度を推定し,推定結果を用いて目標巻取り温度を実現するための後半冷却用ヘッダーパターンを決定することを特徴とする巻取り温度制御方法。
  19. 前記前半冷却用ヘッダーパターンを取り込むことで前記前半冷却用ヘッダーパターンが補正されたことを認識し,補正タイミングから冷却ヘッダーの応答遅れにより中間温度変化が抑制できない間,計測した中間温度の変化量に不感帯を設定し,前記前半冷却用ヘッダーパタ−ンの補正により中間温度変化が抑制された後,前記不感帯を解除することを特徴とする請求項18記載の巻取り温度制御方法。
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