JP2786386B2 - 熱延鋼材の冷却制御方法および冷却制御装置 - Google Patents

熱延鋼材の冷却制御方法および冷却制御装置

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JP2786386B2
JP2786386B2 JP5064768A JP6476893A JP2786386B2 JP 2786386 B2 JP2786386 B2 JP 2786386B2 JP 5064768 A JP5064768 A JP 5064768A JP 6476893 A JP6476893 A JP 6476893A JP 2786386 B2 JP2786386 B2 JP 2786386B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱延鋼板の熱延ラン
アウトテーブルにおける熱延鋼材の冷却制御方法および
冷却制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延設備における仕上げ工程と巻取
り工程間において、熱延鋼板の巻取温度制御は、材質を
決定する上で重要である。従来の熱延鋼板の巻取温度制
御方法は、特公昭64−62206に記載されているよ
うに、冷却設備における水冷での上下面の温度降下量並
びに空冷での温度降下量の2種のモデルのみを用いてい
た。そして、これら2種の予測精度向上のために、鋼板
の温度を冷却設備の入り側と出側で実測し、この実績温
度と冷却設備での冷却バンクのオン/オフ実績を用い
て、上記2種のモデルで計算した温度降下量とで学習
し、この学習結果を次鋼板へ反映することで、制御精度
を向上させていた。図10は従来の熱間圧延鋼板の冷却
制御装置を示す回路ブロック図である。図において、1
は仕上げ圧延機、2は入り側温度計、6は巻取機、7は
入り側速度検出器、8は冷却バンク出力パターン決定
部、9は冷却バンク開閉入出力部、10は逐次最小二乗
法演算部、Rは冷却設備、Sは鋼板である。
【0003】次にこの従来例の動作について説明する。
仕上げ圧延機1で圧延された鋼板Sは、冷却設備Rを通
って巻取機6に順次巻き取られていく。冷却設備Rの入
り側には、鋼板Sの温度を測定する入り側温度計2が設
置されており、この入り側温度計2で実測した温度と、
仕上げ圧延機1から出た鋼板Sの入り側の速度検出器7
で測定された搬送速度と、冷却設備Rの出側(巻取機
6)で出側の速度検出器7’より測定された速度とを、
冷却バンク出力パターン決定部8に入力する。そして、
この入力された入り側温度や目標温度のデータと鋼板S
の板厚等のデータから最適な各冷却バンクパターンを冷
却バンク出力パターン決定部8から冷却バンク出力パタ
ーン決定部8で決定する。そして決定された冷却バンク
出力パターンは冷却バンク開閉入出力部9に与えられ
る。この冷却バンク開閉入出力部9では、その冷却バン
ク出力パターンに従って、各冷却バンクの注水制御を行
うとともに、各冷却バンクにおける注水実績を逐次最小
二乗法演算部10に入力する。逐次最小二乗法演算部1
0では、鋼板Sの冷却設備Rへの搬送速度並びに鋼板S
の冷却設備Rから搬送速度、入り側温度、出側温度、そ
して注水実績を使用して学習し、その学習結果を冷却バ
ンク出力パターン決定部8に、逐次、フィードバックし
て次回に通過する鋼板Sへの冷却制御に反映させる。冷
却バンク出力パターン決定部8では、逐次最小二乗法演
算部10で学習決定された学習項を用いて新たに計算す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の熱延鋼材の冷却
制御方法は、上記のように行っていたので、冶金学上で
公知の鋼におけるγ鉄からα鉄に変態する際、例えば、
オーステナイトからマルテンサイトへ変態するときにお
ける発熱による問題が発生する。この変態の現象によ
り、従来の技術では、各冷却バンク出力パターン決定に
水冷による温度降下量と空冷による温度降下量の2種の
冷却モデルのみだけで学習を実施しても、上記変態によ
る発熱量を考慮していない。図7は変態による発熱量モ
デルを示した図(Fe−C系状態図)であり、横軸は、
炭素量(%)を、縦軸は温度(℃)を示している。図7
において、A1,A2,A3,A4は炭素と鉄の含有量
に基づいて、鋼材の内部組織がある温度を境に変わる時
にその鋼材の結晶間から熱エネルギーを発生する変態現
象を示している。このため図8で示すように、この熱間
圧延設備における各位置(FDT〜CT)の冷却バンク
を制御する冷却パターン(図8のB1)のように、急激
な変化特性の冷却パターンとなり、鋼板の冷却温度制御
が実際の制御からかけ離れたものになる。この結果鋼板
の温度制御を行う上で温度予測精度が劣化し十分な品質
の鋼板を生産できないという問題点があった。
【0005】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、冷却する上での鋼材の変態に
よる発熱量を考慮することにより、より高精度な学習制
御ができ、鋼材に対する温度予測精度を向上させるとと
もに、十分な品質の鋼材を生産できる熱延鋼材の冷却制
御方法および冷却制御装置を提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る熱
延鋼材の冷却制御方法は、鋼材が変態する変態温度を求
めておき、冷却設備の入り側から出側までの複数の地点
における鋼材の予測温度を計算するとともに、この計算
した予測温度が上記変態温度を通過する場合に、変態に
よって鋼材の内部で発生する発熱量を考慮して冷却設備
の出側での鋼材の予測温度を計算し、上記冷却設備の出
側での予測温度(予測CT温度)が目標温度(目標CT
温度)に一致するように上記冷却設備を制御するように
したものである。 請求項2の発明に係る方法は、請求項
1のものにおいて、上記鋼材の予測温度と実測による鋼
材の実績温度との誤差がなくなるような学習係数を求
め、現在圧 延している鋼材以降の鋼板を、上記学習係数
を用いて制御するものである。 請求項3の発明に係る方
法は、請求項1のものにおいて、上記予測温度が上記変
態温度を通過して鋼材に変態が生じる場合を履歴から判
断し、鋼材に変態が生じる場合のみ冷却設備を制御する
ようにした。 請求項4の発明に係る方法は、請求項1の
ものにおいて、上記冷却設備の上流側と下流側のそれぞ
れにおいて、上記鋼材の予測温度と実測による鋼材の実
績温度との誤差がなくなるような学習係数を求め、現在
圧延している鋼材以降の鋼板を、上記上流側と下流側の
学習係数を用いて制御するようにした。 請求項5〜8の
発明に係る熱延鋼材の冷却制御装置は、請求項1〜4の
方法を実現する装置である。 請求項5の発明に係る装置
は、冷却設備の入り側及び出側に設けられ、冷却設備の
入り側及び出側における鋼材に関する種々の物理状態を
検出する各種センサと、上記各種センサからのデータに
基づいて冷却設備の入り側から出側までの複数の地点に
おける鋼材の予測温度を計算するとともに、この計算し
た予測温度が鋼材の変態温度を通過する場合に、変態に
よって鋼材の内部で発生する発熱量を考慮して冷却設備
の出側での鋼材の予測温度を計算し、上記冷却設備の出
側での予測温度が目標温度に一致するように上記冷却設
備を制御する制御手段とを備えているものである。 請求
項6の発明に係る装置は、上記鋼材の予測温度と実測に
よる鋼材の実績温度との誤差がなくなるような学習係数
を求め、現在圧延している鋼材以降の鋼板を、上記学習
係数を用いて制御する機能を請求項5の制御手段に設け
たものである。 請求項7の発明に係る装置は、上記予測
温度が上記変態温度を通過して鋼材に変態が生じる場合
を履歴から判断し、鋼材に変態が生じる場合のみ冷却設
備を制御する機能を請求項5の制御手段に設けた。 請求
項8の発明に係る装置は、請求項5の構成に加えて、冷
却設備の中間位置に温度センサを設け、上記冷却設備の
上流側と下流側のそれぞれにおいて、上記鋼材の予測温
度と実測による鋼材の実績温度との誤差がなくなるよう
な学習係数を求め、現在圧延している鋼材以降の鋼板
を、上記上流側と下流側の学習係数を 用いて制御する機
能を請求項5の制御手段に設けた。
【0007】
【作用】請求項1,5によれば、まず、鋼材の変態温度
を予め求めておく。そして、鋼材に関する種々の物理状
態を示す各種データに基づいて冷却設備の入り側から出
側までの複数の地点における鋼材の予測温度を計算する
(例えば、各冷却バンク出側における鋼材の予測温度を
計算する)。次に、この計算した予測温度が上記変態温
度を通過する場合に、変態によって鋼材の内部で発生す
る発熱量を考慮して冷却設備の出側での鋼材の予測温度
を計算する。そして、上記冷却設備の出側での予測温度
が目標温度に一致するように上記冷却設備を制御する
(例えば、各冷却バンクのオン/オフによる温度制
御)。これにより、すなわち、鋼の変態による発熱量を
考慮して計算される予測温度および目標温度に基づいて
制御を行なうことにより、鋼材の変態の影響が加味さ
れ、精度の高い温度予測による制御が行えるので、品質
の高い鋼材を生産できるようになる。 請求項2,6で
は、現在流れている鋼板以降の鋼板に対して、鋼材の予
測温度と実測による鋼材の実績温度との誤差がなくなる
ように求めた学習係数による制御を行う。 請求項3,7
では、予測温度が変態温度を通過して鋼材に変態が生じ
る場合を履歴から判断する。そして、鋼材に変態が生じ
る場合のみ冷却設備の制御を行うものである。すなわ
ち、鋼材が一定長を通過する度にその通過するポイント
に対する制御を行う。 請求項2,6では、1つの学習係
数により制御を行うようにしたが、請求項4,8では、
より精度の高い制御のため、冷却設備の上流側と下流側
のそれぞれにおいて学習係数を求め、この2つの学習係
数を用いて制御を行う。
【0008】
【実施例】実施例1. 以下、この発明の実施例を図に基づいて説明する。図1
この発明の実施例1による熱間圧延鋼板の冷却制御装
置を示す回路ブロック図である。図1において、1Aは
冷却設備、3Aは仕上げ圧延機、4Aは巻取機、5A,
5A’は入り側,出側の速度検出器、6A,6A’は入
り側,出側の温度計、7Aは板厚計、8Aは温度予測装
置、9Aは温度学習装置、10Aは冷却バンク・オン/
オフ決定装置、11Aは冷却バンク制御装置、Sは鋼板
(鋼材)である。図9は鋼板の比熱の特性を示す図であ
り、温度と、定圧モル比熱からなる。仕上げ圧延機3A
で圧延された鋼板Sは、冷却設備1Aを通って巻取機4
Aに巻き取られるようになっている。また、この冷却設
備1Aの入り側及び出側には速度検出器5A,5A’と
温度計6A,6A’が、入り側には板厚計7Aがそれぞ
れ設置されている。これら鋼板Sに関する種々の物理状
態を測定する検出器(センサ)により、鋼板Sの冷却設
備1Aの入り側における実績温度及び搬送速度と、出側
における実績温度及び搬送速度を、温度計6A,6A’
及び速度検出器5A,5A’で検出し、鋼板Sの実績板
厚を板厚計7Aで検出する。冷却設備1Aは、10数個
の冷却ゾーンに分割されており、各冷却ゾーン毎に独立
に開閉できる。これらの各冷却ゾーンの注水量を制御し
て鋼板Sの温度制御を全長に亘って可能としている。
【0009】次に、この実施例1の動作の概略を説明す
る。速度検出器5A,5A’、温度計6A,6A’、板
厚計7Aの検出結果は、鋼板Sの温度予測装置8Aある
いは温度学習装置9Aに入力される。温度予測装置8A
と温度学習装置9Aにより冷却バンク・オン/オフ決定
装置10Aは、速度検出器5A,5A’、温度計6A,
6A’、板厚計7Aにより鋼板Sの温度等のデータが検
出される(通常バンク長分鋼板が通過する毎に)毎に、
冷却設備1Aの各冷却バンクのオン/オフを演算し、目
標の巻取温度になるように決定する。そして、決定され
た冷却バンクのオン/オフパターンは、冷却バンク制御
装置11Aにより対象の鋼板部分が通過したときに水冷
されるように制御する。このように、温度学習装置9A
には、速度検出器5A,5A’と温度計6A,6A’
入り側及び出側で測定された実績搬送速度、実績温度、
板厚計7Aの実績板厚並びに冷却注水実績が入力され、
前述の3種の物理現象を表す水冷と空冷による温度降下
量、鋼の変態による発熱量がモデル式により、空冷及び
オンした冷却バンクでの水冷による各冷却バンクの出側
における鋼板Sの予測温度と、冷却設備1Aの出側に設
置されている温度計 6A’の位置での鋼板Sの予測温度
とが計算され、この計算した予測温度と目標温度とに基
づいて制御を行う。そして、実績温度と計算した予測
度の誤差がなくなるように学習係数が決定され、この結
果が次鋼板に反映される。
【0010】図2は実施例1の上述した動作概要の演算
処理を更に詳細に説明するフローチャートである。次
に、この実施例1の演算処理について図2を参照して説
明する。始めに、鋼板Sの炭素量を基に図7を参照して
鋼板Sの変態温度(変態点)を求める(ステップS1
0)。これは、例えば、温度予測装置8Aあるいは温度
学習装置9Aに図7のようなマップを持たせておき、冷
却対象となる鋼板Sの炭素量を予めインプットしておけ
ば、例えば、鋼板Sがγ鉄からα鉄に変態する変態温度
を予め求めておくことができる。次に、冷却バンク毎に
空冷,水冷による温度降下量を求める。すなわち、空冷
及びオンした冷却バンクでの水冷による各冷却バンク出
側における鋼板Sの予測温度を計算する(ステップS1
1)。この温度降下によりステップS10で求めた変態
点を通過したか否かを判断する。すなわち、ステップS
11で求めた鋼板Sの予測温度が、ステップS10で求
めた変態点を通過するか否かを判断している(ステップ
S12)。変態点を通過していれば(ステップS12で
YES)、図9とステップS13内の式(発熱エネルギ
ーのT1からT2まで積分)により、変態によって鋼板
Sの内部で発生する発熱量を計算し、この発熱量に基づ
いて、冷却設備1Aの出側に設置されている温度計6
A’の位置での鋼板Sの予測温度を計算(ステップS
13,S14)、ステップS15に進む。また、変態点
を通過していなければ(ステップS12でNO)、ステ
ップS15に進む。ステップS15では、冷却設備1A
の出側に設置されている温度計6A’の位置での鋼板S
の予測温度である予測CT温度が、冷却設備1Aの出側
に設置されている温度計6A’の位置での鋼板Sの目標
温度である目標温CT度になったか否かを判断する。
の結果、その目標CT温度になっていれば(YES)、
各冷却バンクのオン/オフを決定し(ステップS1
6)、その目標CT温度になっていなければ(NO)、
下流の次にオンすべき冷却バンクをオンし(ステップS
17)、ステップS11の処理に戻る。この結果、熱延
鋼材の冷却設備における特性は図8のB2となる。実施
例1によれば、3種の物理現象を考慮して、空冷及びオ
ンした冷却バンクでの水冷による各冷却バンクの出側に
おける鋼板Sの予測温度と、冷却設備1Aの出側に設置
されている温度計6A’の位置での鋼板Sの予測温度と
が計算され、この予測温度を目標温度と比較して一致さ
せるよう冷却設備の温度制御を行うようにしている。
ち、本発明の基本となる技術思想は、冷却設備の入り側
から出側までの複数の地点における各冷却バンクの出側
における鋼板の予測温度を計算するとともに、鋼板の変
態を考慮して冷却設備の出側のおける鋼板の予測温度を
計算し、この予測温度を目標温度と比較して一致させる
よう冷却設備の温度制御を行うということにある。 そし
て、実施例1では、1つの鋼板Sの実績温度を用いて、
実績温度と計算した予測温度の誤差がなくなるように温
度学習係数を求め、この学習係数を用いて現在流れてい
る鋼板以降の鋼板(次に圧延される鋼板)に対して制御
する。 従って、鋼板の変態の影響が加味され、精度の高
い温度予測による制御が行えることになるので、品質の
高い鋼板を生産できることになる。
【0011】実施例2. 図3は、この発明の実施例2による熱間圧延鋼板の冷却
制御装置を示す回路ブロック図である。図3において、
12Aはフィードバック制御装置である。実施例1の装
置と比較して、フィードバック制御装置12Aが設けら
れている。実施例2では、冷却設備1Aの出側に設置さ
れている温度計6A’において検出された鋼板Sの実績
温度が、目標温度と外れていればこの温度差を用いてフ
ィードバック演算装置12Aによりフィードバック制御
を実施する。例えば、PID制御により最終のバンクを
用いてオン/オフさせれば良い。このフィードバック演
算装置12Aは、鋼板Sに変態が生じる場合と生じない
場合とを温度の履歴から判断する。そして、冷却バンク
制御装置1Aは鋼材に変態が生じる場合のみ、変態によ
る発熱量を考慮してフィードバック制御によるオン/オ
フの数を演算し、この演算結果により制御する。
【0012】図4は、この実施例2の上述した動作概要
の演算処理を更に詳細に説明するフローチャートであ
る。次に、この実施例2の演算処理について図4を参照
して説明する。フィードバック演算装置12Aは、ステ
ップS16までは実施例1(図2)と同じ制御を行う。
そして、ステップS16の後、フィードバック演算装置
12Aは、鋼板の実績温度と目標温度との差を用いてフ
ィードバック制御を実施するものである(ステップS2
5,S26)。尚、ステップS25でNOであれば、鋼
板Sに変態が生じる場合と生じない場合とを、温度の履
歴,例えば、ステップS12での判断により鋼材に変態
が生じるか否かを判断できる。 この実施例2では、ステ
ップS25,S26により、同一鋼板S内でこの鋼板が
一定長を通過する度にその通過するポイントに対するフ
ィードバック制御を行うものであるので、実施例1より
も、制御の追従性がよい。
【0013】実施例3. 図5はこの発明の実施例3による熱間圧延鋼板の冷却制
御装置を示す回路ブロック図である。図5において、6
Bは温度計であり、冷却設備1Aのほぼ中間点に設けら
れている。他は実施例1の構成と同じであるが、本実施
例3では、温度学習装置9Aにおいては、冷却設備1A
の入り側における温度計6A並びに中間位置の温度計6
Bで検出された実績温度、あるいはその温度計6B並び
に冷却設備1Aの出側における温度計6Aで検出された
実績温度を用いる。そして、もし鋼板が変態を生じて発
熱すると判断した場合のみ、上記の3種の物理現象によ
る温度降下量計算をそれぞれ実施し、実績温度と計算
た予測温度の誤差を無くするように中間温度計の上流
(冷却設備1Aの入り側の温度計6Aから中間の温度計
6Bまでの冷却ゾーン)と下流側(中間位置の温度計6
Bから冷却設備1Aの出側の温度計6A’までのゾー
ン)のそれぞれの学習係数を決定する。温度予測装置8
Aは、この決定された学習係数を用いて鋼板Sの温度予
測を行い、冷却バンク・オン/オフ決定装置10Aは、
鋼板Sが速度検出器5Aと温度計6Aと板厚計7Aによ
り検出される(通常バンク長分鋼板が通過する毎に)毎
に、冷却設備1Aの冷却バンクのオン/オフを演算し、
目標の巻取温度になるように決定する。この決定された
冷却バンクのオン/オフパターンは、冷却バンク制御装
置11Aにより対象の鋼板Sの部分が通過したときに冷
却されるように制御する。
【0014】図6は実施例3の上述した動作概要の演算
処理を更に詳細に説明するフローチャートである。次
に、この実施例3の演算処理について図6を参照して説
明する。尚、ステップS16までは実施例1,2(図
2,4)と同じなので、説明を省略する。この実施例3
では、ステップS16の後、実績温度と計算した予測温
度の誤差を無くするように中間温度計の上流側(冷却設
備1Aの入り側の温度計6Aから中間の温度計6Bまで
の冷却ゾーン)と下流側(中間位置の温度計6Bから冷
却設備1Aの出側の温度計6A’までのゾーン)のそれ
ぞれの学習係数を決定する(ステップS37)。 の実
施例3は実施例1と構成上はほとんど同じであるが、冷
却設備のほぼ中間の位置に温度計を設置してあり、上流
側と下流側のそれぞれの学習係数、すなわち2つの学習
係数により制御を行うので、実施例1より、精度の高い
制御ができる
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1,5に係
る発明によれば、鋼材の変態の影響が加味され、精度の
高い温度予測による制御が行えることになるので、品質
の高い鋼材を生産できる。 請求項2,6に係る発明によ
れば、現在流れている鋼材以降の鋼材に対して、鋼材の
予測温度と実測による鋼材の実績温度との誤差がなくな
るように求めた学習係数による制御が行え、請求項1,
5と同様、鋼材の変態の影響が加味され、精度の高い温
度予測による制御が行えることになるので、品質の高い
鋼材を生産できる。 請求項3,7によれば、同一鋼材内
でこの鋼材が一定長を通過する度にその通過するポイン
トに対するフィードバック制御を行なえるので、上述し
た各請求項による効果の他、制御の追従性を良くでき
る。 さらに、請求項4,8に係る発明では、中間データ
も加味して2つの学習係数 により制御を行なえるので、
請求項2,6に係る発明よりも更に精度の高い制御が行
える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す圧延鋼材の冷却制御装
置の回路ブロック図である。
【図2】図1の装置における動作を説明するフローチャ
ートである。
【図3】この発明の他の実施例を示す圧延鋼材の冷却制
御装置の回路ブロック図である。
【図4】図3の装置における動作を説明するフローチャ
ートである。
【図5】この発明のさらに他の実施例を示す圧延鋼材の
冷却制御装置の回路ブロック図である。
【図6】図5の装置における動作を説明するフローチャ
ートである。
【図7】熱延された鋼板における変態特性を示す図であ
る。
【図8】熱延された鋼板の冷却設備における冷却特性を
示す図である。
【図9】鋼材の比熱の特性を示す図である。
【図10】従来の圧延鋼材の冷却制御装置を示す回路ブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 仕上げ圧延機 2 温度計(入り側) 4A,6 巻取機 7 速度検出器(入り側) 8 冷却バンク出力パターン決定部 9 冷却バンク開閉入出力部 10 逐次最小二乗法演算部 1A 冷却設備 2A 鋼板 3A 仕上げ圧延機 5A,5A’ 速度検出器 6A,6A’,6B 温度計 7A 板厚計 8A 温度予測装置 9A 温度学習装置 10A 冷却バンク・オン/オフ決定装置 11A 冷却バンク制御装置 12A フィードバック制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G05D 23/19 B21B 37/00 BBL

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仕上げ圧延機で圧延された鋼材を冷却設
    備で冷却して巻取機に巻き取るようにした熱延鋼材の冷
    却制御方法において、鋼材が変態する変態温度を求めておき、鋼材に関する種
    々の物理状態を示す各種データに基づいて冷却設備の入
    り側から出側までの複数の地点における鋼材の予測温度
    を計算するとともに、この計算した予測温度が上記変態
    温度を通過する場合に、変態によって鋼材の内部で発生
    する発熱量を考慮して冷却設備の出側での鋼材の予測温
    度を計算し、上記冷却設備の出側での予測温度が目標温
    度に一致するように上記冷却設備を制御する ことを特徴
    とする熱延鋼材の冷却制御方法。
  2. 【請求項2】 上記鋼材の予測温度と実測による鋼材の
    実績温度との誤差がなくなるような学習係数を求め、現
    在圧延している鋼材以降の鋼板を、上記学習係数を用い
    て制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載
    の熱延鋼材の冷却制御方法。
  3. 【請求項3】 上記予測温度が上記変態温度を通過して
    鋼材に変態が生じる場合を履歴から判断し、鋼材に変態
    が生じる場合のみ上記冷却設備を制御することを特徴と
    する請求項1に記載の熱延鋼材の冷却制御方法。
  4. 【請求項4】 上記冷却設備の上流側と下流側のそれぞ
    れにおいて、上記鋼材の予測温度と実測による鋼材の実
    績温度との誤差がなくなるような学習係数を求め、現在
    圧延している鋼材以降の鋼板を、上記上流側と下流側の
    学習係数を用いて制御することを特徴とする請求項1に
    記載の熱延鋼材の冷却制御方法。
  5. 【請求項5】 仕上げ圧延機で圧延された鋼材を冷却設
    備で冷却して巻取機に巻き取るようにした熱延鋼材の冷
    却制御装置において、 上記冷却設備の入り側及び出側に設けられ、冷却設備の
    入り側及び出側における鋼材に関する種々の物理状態を
    検出する各種センサと、 上記各種センサからのデータに基づいて冷却設備の入り
    側から出側までの複数の地点における鋼材の予測温度を
    計算するとともに、この計算した予測温度が鋼材の変態
    温度を通過する場合に、変態によって鋼材の内部で発生
    する発熱量を考 慮して冷却設備の出側での鋼材の予測温
    度を計算し、上記冷却設備の出側での予測温度が目標温
    度に一致するように上記冷却設備を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする熱延鋼材の冷却制御装置。
  6. 【請求項6】 上記制御手段は、上記鋼材の予測温度と
    実測による鋼材の実績温度との誤差がなくなるような学
    習係数を求め、現在圧延している鋼材以降の鋼板を、上
    記学習係数を用いて制御することを特徴とする請求項5
    に記載の熱延鋼材の冷却制御装置。
  7. 【請求項7】 上記制御手段は、上記予測温度が上記変
    態温度を通過して鋼材に変態が生じる場合を履歴から判
    断し、鋼材に変態が生じる場合のみ上記冷却設備を制御
    することを特徴とする請求項5に記載の熱延鋼材の冷却
    制御装置。
  8. 【請求項8】 冷却設備の中間位置に温度センサを設
    け、上記制御手段は、上記冷却設備の上流側と下流側の
    それぞれにおいて、上記鋼材の予測温度と実測による鋼
    材の実績温度との誤差がなくなるような学習係数を求
    め、現在圧延している鋼材以降の鋼板を、上記上流側と
    下流側の学習係数を用いて制御することを特徴とする請
    求項5に記載の熱延鋼材の冷却制御装置。
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