JP4958694B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents
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Description
従来の固体電解コンデンサで電極構造がリードフレーム型のものは、以下のような形状をしていた。即ち、図3に示すように弁作用を有する金属であるアルミ箔1の表面に、誘電体皮膜11、固体電解質層2、陰極引出層21(カーボン層及び銀ペースト層を含む)を順次形成して、陽極引出し部10と陰極部20を有するコンデンサ素子30が作製され、
次に、図7に示すように複数のコンデンサ素子30を積層状態にし、陽極引出し部10と陽極リードフレーム12を抵抗溶接などにより接続し、陰極リードフレーム24は陰極引出部21に導電性接着剤23を介して接続し、最後に外装樹脂4を用いて被覆し、その後、陽極および陰極リードフレームを外装樹脂に沿って折曲して固体電解コンデンサを作製していた。
前記陽極引出部に陽極リードフレーム、前記陰極部に陰極リードフレームをそれぞれ接続し、該陽極リードフレームと該陰極リードフレームの一部を露出させてコンデンサ素子を覆う外装樹脂を備える固体電解コンデンサにおいて、
前記陽極リードフレーム及び/又は前記陰極リードフレームは、該陽極リードフレーム又は/及び陰極リードフレームが前記外装樹脂から露出する第1折曲部と、該第1折曲部から前記外装樹脂に沿って前記固体電解コンデンサの底面に向かって略垂直方向に延在した垂直部と前記底面とをつなぐ第2折曲部とを有し、該第1折曲部及び該第2折曲部の各々に少なくとも1つの折曲用溝が形成されてなることを特徴とする。
前記陽極引出部に陽極リードフレーム、前記陰極部に陰極リードフレームをそれぞれ接続し、該陽極リードフレームと該陰極リードフレームの一部を露出させてコンデンサ素子を覆う外装樹脂を備える固体電解コンデンサにおいて、
前記陽極リードフレーム及び/又は前記陰極リードフレームは、該陽極リードフレーム又は/及び陰極リードフレームが前記外装樹脂から露出する第1折曲部と、該第1折曲部から前記外装樹脂と接しない前記固体電解コンデンサの底面に向かって延在した延在部と、該延在部と前記底面とをつなぐ第2折曲部とを有し、前記延在部に、少なくとも1つの折曲用溝が形成されてなることを特徴とする。
A≦0.3であることを特徴とする特徴とする。
また、前記陽極リードフレーム及び/又は陰極リードフレームの前記固体電解コンデンサの底面に露出した露出部と前記外装樹脂との間に固定剤を塗布して固定すると、第1折曲部と第2折曲部に不要な力が加わりにくくなるため、曲げた部分の信頼性が増す。
また、プレス加工又はエッチング加工により一度にたくさんの折曲用溝を容易に作製でき、さらに、レーザ加工によっても容易に製造することができる。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態について、下記に詳述する。図3に、コンデンサ素子の構造を示し、図1に本発明の固体電解コンデンサの構造を示す。
まず、はじめに板状に切り出した弁作用金属であるアルミ箔1を形成し、次に、アルミ箔1を0.01〜2wt%のリン酸水溶液又はアジピン酸水溶液などで電解化成処理し、表面に誘電体皮膜11を形成する。
次に、固体電解質層2まで形成したアルミ箔1に陰極引出し層21として、水溶液や有機溶媒にカーボン粉末を拡散させた溶液に浸漬又は塗布により、固体電解質層2の上にカーボン層を形成し、カーボン層の上に銀ペースト層を形成してコンデンサ素子30を作製する。
〔実施の形態2〕
本発明の実施の形態2は、実施形態1の折曲用溝5について、前記陽極リードフレーム12と前記陰極リードフレーム24は、該陽極、陰極リードフレームが前記外装樹脂4から露出する第1折曲部から前記固体電解コンデンサの底面に向かって延在した延在部に1つの折曲用溝5を形成したこと、陽極及び/又は陰極リードフレームに耐熱用テープを貼り、その後、型に入れて外装樹脂を注入する以外は実施形態1と同様に作製した。
〔実施の形態3〕
本発明の実施の形態3は、実施形態1の前記陽極リードフレーム12と前記陰極リードフレーム24が前記外装樹脂4から外部に露出している露出部と外装樹脂との間に固定剤6を塗布した以外は実施形態1と同様に作製した。
実施例1の固体電解コンデンサとしては、実施の形態1で説明したと同様にして作製したもので、図1のA寸法を0.3mm、さらに、プレス加工により折曲用溝5は、陽極リードフレーム12と陰極リードフレーム24の両方に対して、第1折曲部と第2折曲部にそれぞれ1個ずつ形成した。ここで、折曲用溝5は、エッチング加工またはレーザ加工でも同様に形成できる。
図4のように、折曲用溝5を設けることで、曲げる支点を折曲用溝内にすると、曲がる部分と曲がらない部分が押し合わないため、曲げ部分が浮き上がるような状態が無くなり、無理なく曲げられる。さらに、加工して取除いた部分が折り曲げによって再度加わるため、ESRが悪化しにくい。
実施例2の固体電解コンデンサとしては、実施の形態1で説明したと同様にして作製したもので、A寸法を0.2mm、さらに、折曲用溝5は、実施例1と同数形成した。
実施例3の固体電解コンデンサとしては、実施の形態1で説明したと同様にして作製したもので、A寸法を0.1mm、さらに、折曲用溝5は、実施例1と同様な数形成した。
実施例4の固体電解コンデンサとしては、実施の形態2で説明したと同様にして作製したもので、A寸法を0mm(図2)、さらに、折曲用溝5は、陽極リードフレーム12と陰極リードフレーム24の両方の延在部25にそれぞれ1個ずつ形成し、図2(c)のように、楔形状とし先端の角度は90度とした。この場合、曲げる部分と曲がらない部分がちょうど接するようになるため、曲がる部分と曲がらない部分が押し合わないため浮きがでない。
実施例5の固体電解コンデンサとしては、実施の形態3で説明したと同様にして作製したもので、陽極リードフレーム12と陰極リードフレーム24の外装樹脂からの露出部分に、両リードフレームを固定するために外装樹脂との間に固定剤6であるエポキシ系接着剤を塗布した。これによりESL特性はほとんど変化せず、さらに、両リードフレームの第1、第2折曲部などに不要な力が加わらなくなるため、信頼性がより向上する。
従来例1の固体電解コンデンサとしては、図7のように陽極リードフレーム12と陰極リードフレーム24に折曲用溝5を形成しないで、折り曲げて作製したもので、A寸法が0.46mmである。
従来例2の固体電解コンデンサとしては、図7のように陽極リードフレーム12と陰極リードフレーム24に折曲用溝5を形成しないで、折り曲げて作製したもので、A寸法が0.4mmである。
従来例ではA寸法が0.46mm、0.4mmとも1nHきることができず、さらに、0.4mmより小さくなると、陽極リードフレーム12と陰極リードフレーム24ともに折り曲げると浮きなどが生じ、外形樹脂4に沿って折り曲げられず、ESLの値として1nHを切ることができなかった。
Claims (6)
- 弁作用金属の表面に誘電体皮膜を形成した陽極部と、該陽極部から引出した陽極引出部と、該陽極部に固体電解質層、陰極引出層を順次形成した陰極部と、を有したコンデンサ素子を形成し、
前記陽極引出部に陽極リードフレーム、前記陰極部に陰極リードフレームをそれぞれ接続し、該陽極リードフレームと該陰極リードフレームの一部を露出させてコンデンサ素子を覆う外装樹脂を備える固体電解コンデンサにおいて、
前記陽極リードフレーム及び/又は前記陰極リードフレームは、該陽極リードフレーム又は/及び陰極リードフレームが前記外装樹脂から露出する第1折曲部と、該第1折曲部から前記外装樹脂に沿って前記固体電解コンデンサの底面に向かって略垂直方向に延在した垂直部と前記底面とをつなぐ第2折曲部とを有し、該第1折曲部及び該第2折曲部の各々に少なくとも1つの折曲用溝が形成され、
前記陽極リードフレーム及び前記陰極リードフレームのそれぞれの前記第1折曲部と前記第2折曲部との間の外装樹脂の厚みをAとすると、A≦0.3mmであることを特徴とする固体電解コンデンサ。 - 弁作用金属の表面に誘電体皮膜を形成した陽極部と、該陽極部から引出した陽極引出部と、該陽極部に固体電解質層、陰極引出層を順次形成した陰極部と、を有したコンデンサ素子を形成し、
前記陽極引出部に陽極リードフレーム、前記陰極部に陰極リードフレームをそれぞれ接続し、該陽極リードフレームと該陰極リードフレームの一部を露出させてコンデンサ素子を覆う外装樹脂を備える固体電解コンデンサにおいて、
前記陽極リードフレーム及び/又は前記陰極リードフレームは、該陽極リードフレーム又は/及び陰極リードフレームが前記外装樹脂から露出する第1折曲部と、該第1折曲部から前記外装樹脂と接しない前記固体電解コンデンサの底面に向かって延在した延在部と、該延在部と前記底面とをつなぐ第2折曲部とを有し、前記延在部に、少なくとも1つの折曲用溝が形成されてなることを特徴とする固体電解コンデンサ。 - 前記折曲用溝が楔状の形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解コ
ンデンサ。 - 前記陽極リードフレーム及び前記陰極リードフレームのそれぞれの前記第1折曲部と前記第2折曲部との間の外装樹脂の厚みをAとすると、
A≦0.3であることを特徴とする請求項2に記載の固体電解コンデンサ。 - 前記折曲用溝は、プレス加工、エッチング加工またはレーザ加工の内のいずれかで形成されてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陽極リードフレーム及び/又は陰極リードフレームの前記固体電解コンデンサの底面
に露出した露出部と前記外装樹脂との間に固定剤を塗布されてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
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