JP4958592B2 - レンズ用成形金型およびプラスチックレンズ - Google Patents

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Description

本発明は、レンズ用成形金型およびプラスチックレンズに関し、より詳細には、カメラ付き携帯電話などのレンズユニットに使用されるレンズを成形するレンズ用成形金型およびプラスチックレンズに関する。
従来、プラスチックレンズを射出成形する成形金型および成形方法としては、それぞれ光学面形成面を有する固定金型と可動金型とで形成されるキャビティ内に溶融樹脂を供給してプラスチックレンズを成形するようにした射出成形金型ならびに射出成形方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、ホットランナーのゲート部から供給される溶融樹脂の供給方向を、固定金型と可動金型とで成形されるレンズ部品の光軸と略平行としたレンズ部品製造方法及びその装置並びにレンズ部品が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−225086号公報 特開平10−58496号公報
特許文献1および特許文献2に開示されているレンズ部品を成形する成形金型は、いずれもレンズ部品の光学面を形成する光学面成形面が成形金型の型開き方向と直角方向に設けられている。カメラ付き携帯電話用レンズユニットなどのように多品種少量のレンズ部品を生産する場合、頻繁に品種切換えが要求されるが、このような成形金型により成形すると品種が切り換えられる都度、成形金型を交換するか、或いは、成形機から成形金型を下ろして入れ子を交換するなどの組換え作業を行った後、再び成形機に取り付け直す必要があり、生産性が低い問題があった。
また、レンズ部品は、高屈折率の高価な樹脂材料により成形され、且つ製品が極めて小型である特徴を有している。従って、特許文献1のようにコールドランナーによりレンズ部品を成形すると、コールドランナーで使用される樹脂量が、製品(レンズ部品)に使用される樹脂量より遥かに多量となる。製品によっては、コールドランナーの樹脂量が使用樹脂量の95%以上となる場合がある。コールドランナーの樹脂は、一度溶融されているので分子量が小さくなるなど性能が劣化している虞があるため再利用することができず、廃棄せざるを得ず、樹脂の使用効率が悪く、経済的観点からも大きな問題であった。
特許文献2に記載のレンズ部品製造装置は、ホットランナーを用いたものも示されており、ランナーで消費される樹脂量の問題は解消されているものの、樹脂を供給するゲート口をレンズの近傍に配置すると、ゲート部分がレンズ部品の光学面に干渉することが避けられず、レンズ部品の光学特性に悪影響を及ぼす可能性があった。また、ホットランナー射出手段は光学面形状部をもつ金型部品にあまり近づけることができず、このような干渉を避けると光学部品が大型化し、もしくは、光学面形状が大きく制限されるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、品種切換えが容易であり、樹脂の使用効率が高く、且つ光学特性の優れたレンズを低コストで製作することができるレンズ用成形金型およびプラスチックレンズを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記レンズ用成形金型およびプラスチックレンズによって達成される。
(1) 向かい合う2面で光学面を形成するプラスチックレンズを成形するレンズ用成形金型であって、
型開き方向に傾斜を持つ金型案内用斜面を有し且つ前記レンズ用の離形空間でのレンズフランジ部成形面を有する固定側金型及び可動側金型と、
前記固定側金型と可動側金型との型開き方向に対してレンズ用離形空間を中心に垂直方向へ前記金型案内用斜面に案内されて摺動可能の一対のスライドコアと、
前記一対のスライドコアそれぞれに保持されて前記離形空間において前記向かい合う光学面を成形するための形状部と、を備えるレンズ用成形金型。
上記構成のレンズ用成形金型によれば、レンズフランジ部成形面を有する固定側金型及び可動側金型と、一対のスライドコアとを備え、レンズの向かい合う光学面を成形するための形状部を該一対のスライドコアによって保持するようにしたので、レンズ用成形金型を成形機から下ろすことなく、形状部のみを交換するだけで仕様の異なるレンズを成形することができ、レンズの品種交換に容易に対応することができる。これにより、多品種少量のレンズの生産性を大幅に向上させることができる。
(2) 前記固定側金型のレンズフランジ部成形面にゲートを有する上記(1)記載のレンズ用成形金型。
上記構成のレンズ用成形金型によれば、固定側金型のフランジ部成形面にゲートを有するので、溶融樹脂をレンズの光学面以外の位置から供給することができ、更に、ゲート部分全体が光学面から十分に離れた配置となる。これにより、光学特性の優れたレンズを成形することができる。
(3) 前記ゲートがホットランナーである上記(2)記載のレンズ用成形金型。
上記構成のレンズ用成形金型によれば、ゲートがホットランナーであるので、コールドランナーでの成形と比較して、製品以外の部分(スプール、ランナーなど)で使用される樹脂量を大幅に削減することができる。これにより、高価な樹脂材料の無駄をなくしてレンズを安価に提供することができる。
さらに、ホットランナーノズルが型開閉方向に配置されるため容易に多数個取り金型を作ることが出来る。
(4) 前記ホットランナーが外部加熱方式である上記(3)記載のレンズ用成形金型。
このように外部加熱型のホットランナーにすると、ホットランナー内の樹脂滞留が少なくなるため、樹脂の劣化(着色・ヤケの発生)を防ぐことが出来る。
(5) 前記可動側金型のレンズフランジ部成形面の面積が前記固定側金型のレンズフランジ部成形面の面積より大きい上記(1)から(4)のいずれか1項記載のレンズ用成形金型。
上記構成のレンズ用成形金型によれば、可動側金型のレンズフランジ部成形面の面積が固定側より大きいので、金型の離型時に製品であるレンズを常に可動側金型に付けた状態とすることで、製品の取り込みを常に可動側でできる。
(6) 前記可動側金型のレンズフランジ部成形面に少なくとも1つ以上の凹部が備えられ、前記凹部はPL(パーティングライン)面に面し、かつ前記2つのスライドコアとは非接触配置である上記(1)〜(5)のいずれか1項記載のレンズ用成形金型。
上記構成のレンズ用成形金型によれば、可動側金型の側部平面用成形面に凹部を備えるので、可動側金型の凹部に樹脂が供給されて側部平面に凸部を有するレンズが形成される。該凸部は、型開きしたとき凹部と嵌合した状態であり、固定側金型に比べて可動側金型によるレンズ保持力が強くなっている。従って、成形後の型開き時に、レンズを安定して可動側金型の所定の位置に保持しておくことができる。また、可動側金型のレンズフランジ部成形面に設けた凹部がPL面に面することで、容易にレンズを成形金型から取り出すことができる。このように、この凹部があることで、製品が2つの可動側スライドのいずれにも持って行かれることがなく、可動側フランジ部に残すことが出来る。
(7) PL面との接触範囲で前記可動側金型のレンズフランジ部成形面が光軸に略平行で対向する二つの可動側平面部からなる上記(1)〜(6)のいずれか1項記載のレンズ用成形金型。
(8) 前記固定側金型のレンズフランジ部成形面が前記可動側金型のレンズフランジ部成形面の平面部に略平行に繋がる固定側平面部を備える上記(7)記載のレンズ用成形金型。
上記構成のレンズ用成形金型によれば、レンズフランジ部成形面が、レンズの光学軸に平行で対向する二つの可動側平面部及び固定側平面部を備えるので、レンズフランジ部に側部平面を形成することとなり、溶融樹脂を射出して型開きした後、該側部平面をロボットアームなどで安定して挟持して容易にレンズをレンズ用成形金型から取り出すことができる。更に、PL面で生じるバリが仮想円外に生じることを防ぐこともできる。
(9) 前記凹部が前記可動側平面部の少なくとも一方にあり、かつ、前記凹部の底面は可動側金型のレンズフランジ部成形面の曲面部を光軸方向から見た際の仮想円より内側に配置される上記(7)記載のレンズ用成形金型。
(10) 前記ゲート部近傍のレンズフランジ部成形面が、前記レンズの光学軸と略平行な平面成形面である上記(2)〜(9)のいずれか1項記載のレンズ用成形金型。
(11) 前記ゲートが配置された平面部が、固定側金型のレンズフランジ部成形面の曲面部を光軸方向から見た際の仮想円より内部に配置される上記(10)に記載のレンズ用成形金型。
上記構成のレンズ用成形金型によれば、レンズフランジ部の円弧部を連続させた仮想円内にゲート跡を納めることができるので、成形されたレンズを複数枚重ねて製品化する場合など、ゲート跡が円筒状の鏡筒に干渉することなくレンズを重ね合わせて組み込むことができる。
(12) 上記(1)から(11)記載のレンズ用成形金型により成形されるプラスチックレンズであって、
向かい合う2面で光学面を形成する円盤状のレンズ部と、
該レンズ部の周囲に配置されるリング状のレンズフランジ部とを備え、
前記レンズフランジ部の側面に、光軸と略平行な成形時のパーティングラインを有するプラスチックレンズ。
(13) 上記(12)記載のプラスチックレンズであって、
前記レンズフランジ部外周面に1つ以上の凸部を有するプラスチックレンズ。
上記構成のプラスチックレンズによれば、レンズ面周囲に配置されるレンズフランジ部に設けられた側部平面に凸部が配置されたので、該凸部をレンズフランジ部の円弧部を連続させた仮想円内に納めることができ、成形されたレンズを円筒状の鏡筒に干渉なく嵌合させて組み込むことができる。
本発明によれば、品種切換えが容易であり、且つ樹脂の使用効率が高く、光学特性の優れたレンズを低コストで製作することができるレンズ用成形金型およびプラスチックレンズを提供できる。
以下、本発明に係るレンズ用成形金型および該成形金型で成形されるプラスチックレンズについて図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明のレンズ用成形金型により成形されるプラスチックレンズの外観斜視図、図2は開いた状態におけるレンズ用成形金型をレンズ用離形空間の中心を通る面で縦に切断して示す斜視図、図3は図2に示す型開き状態におけるレンズ用成形金型の縦断面図、図4は半閉じ状態におけるレンズ用成形金型の縦断面図、図5は型が完全に閉じて溶融樹脂の射出直前状態のレンズ用成形金型の縦断面図、図6は図5におけるVI−VI矢視縦断面図、図7はレンズ成形後の金型が開いた状態におけるレンズ用成形金型を縦に切断して示す斜視図である。
先ず、プラスチックレンズについて説明する。図1に示すように、プラスチックレンズ1は、向かい合う2面で光学面2を形成する略円盤状のレンズ部3と、レンズ部3の周囲に配置される略リング状のレンズフランジ部4と、を備える。
レンズフランジ部4は、レンズ部3の光学軸を挟んで対向配置された(図1において左右)一対の側部平面5と、側部平面5と直角方向に配置された(図1において上方)ゲート側平面6とを有する。一対の側部平面5およびゲート側平面6は、レンズ部3の光学軸に平行で光学面2に干渉しない位置に配設されている。
一対の側部平面5の少なくとも一方には、略矩形の凸部7が配置されている。凸部7は、レンズフランジ部4の外周面4bの円弧部を連続させた仮想円VC内に納まる高さとなっている。プラスチックレンズ1全体をこのような仮想円VC内に納めることによって、成形されたレンズを複数組み合わせる場合に、回転方向の位置決めが不要で、円筒状の鏡筒に干渉なく嵌合させて組み込むことができる。また、ゲート側平面6には、プラスチックレンズ1を射出成形するためのゲート(後に詳述する)が設けられている。
図2から図5に示すように、このようなプラスチックレンズ1を射出成形するためレンズ用成形金型10は、固定側金型11、及び可動側金型12を備える。固定側金型11は射出成形機(図示せず)の機枠に固定されており、可動側金型12は射出成形機の油圧装置などの駆動機構によって駆動されて固定側金型11に接近または離間する方向に移動自在に配設されている。
可動側金型12は、可動側型板13と、可動基台13上に対向配設された一対のスライドコア14と、一対のスライドコア14それぞれに保持されて対向配置された一対のレンズ面成形駒15と、可動基台13に固定されて一対の形状部15の中間に配置された可動側フランジ形成駒16とを備える。
一対のスライドコア14は、可動基台13上で型開き方向と直角方向に移動可能とされており、夫々の外側面には、固定側金型11方向に向かうに従って次第に中心に向かって傾斜する金型案内用斜面14aが形成されている。
一対の形状部15は、略円筒形状の部材であり互いに対向する先端には、小径部15aが突出して形成されている。小径部15aの端面は、プラスチックレンズ1の光学面2を形成する部分であり、球面または非球面レンズ用の曲面となっており、その表面は鏡面仕上げ加工が施されている。これにより、成形されるプラスチックレンズ1の光学面2の面粗度は、極めて小さくなる。形状部15の外周部15cと小径部15aとの段部側壁15bは、プラスチックレンズ1のレンズフランジ部4の平面部4aを形成するための形成面となる。
可動側フランジ形成駒16は、プラスチックレンズ1のレンズフランジ部4の外周面4bの半周部分(図1において下半分)を形成するためのものであり、略半円筒形状のレンズフランジ部成形面17が形成されている。レンズフランジ部成形面17には、形状部15の外周部15c(下半周部)が隙間なく且つ摺動自在に嵌合する。レンズフランジ部成形面17には、レンズ側部平面5を成形するための平面状の可動側平面18が光軸を中心として対向して形成されている。可動側平面18には、更に凹部19が形成されている。
固定側金型11には、スライドコア14の厚さと同じ幅を有し、下方(可動側金型方向)が開放されたスライドコア室20が形成されている。スライドコア室20の側壁には、スライドコア14の金型案内用斜面14aと同じ傾斜を有する金型案内用斜面21が形成されている。そして、型締めされるとき、スライドコア14の金型案内用斜面14aとスライドコア室20の金型案内用斜面21とが摺接する。
スライドコア室20の中央には、固定側フランジ形成駒22が固定されている。固定側フランジ形成駒22は、プラスチックレンズ1のレンズフランジ部4の外周面4bの半周部分(図1において上半分)を形成するためのものであり、略半円筒形状のレンズフランジ部成形面23が形成されている。レンズフランジ部成形面23は、金型10が閉じたとき形状部15の外周部15c(上半周部)に隙間なく嵌合する。
レンズフランジ部成形面23の対向する面には、レンズ側部平面5の上半分(図1参照)を成形するための平面状の固定側平面24が形成されている。また、略半円筒形状のレンズフランジ部成形面23の上部には、プラスチックレンズ1のゲート側平面6を形成するための平面成形面26が設けられている。
平面成形面26の略中央に設けられた溶融樹脂吐出口には、外部加熱形のホットランナー25のバルブゲートが接続されている。
このように構成されたレンズ用成形金型10は、図4に示すように、可動側金型12が矢印A方向に移動して固定側金型11に接近すると、スライドコア室20にスライドコア14の先端が進入し、スライドコア室20の金型案内用斜面21によってスライドコア14の金型案内用斜面14aが押圧されて、一対のスライドコア14が矢印B方向に移動して互いに接近する。
図5および図6に示すように、固定側金型11の下面と、可動基台13の上面とが当接して金型10の型締めが完了すると、可動側フランジ形成駒16、固定側フランジ形成駒22、および一対の形状部15によってプラスチックレンズ1を成形するための(離型空間である)キャビティ27が金型10内部に形成される。
詳細には、可動側フランジ形成駒16のレンズフランジ部成形面17および固定側フランジ形成駒22のレンズフランジ部成形面23によってプラスチックレンズ1のレンズフランジ部4の外周面4bを形成するための形成面が、また、一対の形状部15の小径部15aと段部側壁15bとによってプラスチックレンズ1のレンズフランジ部4の平面部4aおよび光学面2を形成するための形成面が形成される。
レンズ用成形金型10が閉じられた状態で、ホットランナー25のバルブゲートを開き、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂などの透明光学材料が溶融した樹脂をキャビティ27内に射出する。キャビティ27内の溶融樹脂の温度がガラス遷移点以下に冷却した後、図7に示すように、可動側金型12を矢印C方向に移動させると、一対のスライドコア14が矢印D方向に互いに離間する方向に移動してレンズ用成形金型10が開く。
レンズ用成形金型10の開動作初期において、一対のスライドコア14が矢印D方向に移動する速度より、可動側金型12が矢印C方向に移動する速度の方が速いので、形状部15の小径部15aがプラスチックレンズ1のレンズフランジ部4から抜け出す前に、ホットランナー25のバルブゲートがプラスチックレンズ1のゲート側平面6から離間する。これにより、ゲート部が切断される。
また、図7に示すように、型開き時にもプラスチックレンズ1の凸部7が可動側フランジ形成駒16の凹部19に嵌合しているので、プラスチックレンズ1は固定側金型11に比べて可動側金型12により強固に保持される結果となっている。これにより、プラスチックレンズ1は、所定の位置に安定して保持された状態で可動側金型12に残って型開きが行われる。尚、凹部19は可動側フランジ形成駒16だけに設けられているので、型開き時に凸部7が可動側金型12だけに付着し、プラスチックレンズ1が安定して可動側金型12に残る。即ち、図1に示すように、凸部7の上面が固定側金型11と可動側金型12とのパーティングラインPLとなり、可動側金型12からの取り出しを容易にする。
ここで、固定側金型11には固定側平面24が、可動側金型12には同じ平面を形成する可動側平面18があり、成形されたプラスチックレンズ1には一対の側部平面5が成形され、ロボットアームなどでこの側部平面5を挟持して自動的にレンズ用成形金型10から取り出される。そして、必要に応じて複数枚レンズを使用する製品では、円筒形の鏡筒(図示せず)に挿入されてレンズユニットとして組み付けられる。このとき、ゲート側平面6に残るゲート跡および凸部7は、レンズフランジ部4の外周面4bの円弧部を連続させた仮想円VC内にあるので、ゲート跡や凸部7が鏡筒に干渉することなく嵌合する。
本実施形態のレンズ用成形金型10によれば、レンズフランジ部成形面17、23を有する固定側金型11及び可動側金型12と、一対のスライドコア14とを備え、該一対のスライドコア14によってレンズ1の向かい合う光学面2を成形するための形状部15を保持するようにしたので、レンズ用成形金型10を成形機から下ろすことなく、形状部15のみを交換するだけで仕様の異なるレンズ1を成形することができ、レンズ1の品種交換に容易に対応することができる。これにより、多品種少量のレンズ1の生産性を大幅に向上させることができる。
また、固定側金型11のフランジ部成形面23にゲートを有するので、溶融樹脂をレンズ1の光学面2以外の位置から供給することができる。これにより、光学特性の優れたレンズ1を成形することができる。
更に、ゲートがホットランナー25であるので、コールドランナーでの成形と比較して、製品以外の部分(スプール、ランナーなど)で使用される樹脂量を大幅に削減することができる。また、ホットランナーを外部加熱方式とすることで均質かつ更に使用樹脂量を少なくできる。これにより、高価な樹脂材料の無駄をなくしてレンズ1を安価に提供することができる。
また、レンズフランジ部成形面17、23がレンズ1の光学軸に平行でレンズ側部平面用の固定側平面24、可動側平面18を備えるので、レンズフランジ部4に側部平面5を形成することができ、溶融樹脂を射出して型開きした後、該側部平面5をロボットアームなどで安定して挟持して容易にレンズ1をレンズ用成形金型10から取り出すことができる。
なお、実施形態では、可動側金型16のレンズフランジ部成形面17と固定側金型11のレンズフランジ部成形面23とは、ほぼ同じ面積であるが、可動側金型16のレンズフランジ部成形面17の面積を大きくすることで、成形後のレンズ1を可動側金型16に残すことができる。その例として、本実施形態の凹部19が備えられている。
図8には、成形後のレンズ1を可動側金型16に残すための金型の他の構成が示されている。
図8(a)は、可動側平面の面積を大きくする概略図、図8(b)は、凹部のみを備える概略図である。
図8(a)に示すように、端的には可動側平面18aのみを延長して残すことで、可動側金型16のレンズフランジ部成形面を大きくし、成形後のレンズ1を可動側金型16に残す。図8(b)では、固定側平面24、可動側平面18を廃した形態を示しており、可動側金型16に備えられた凹部により成形後のレンズ1が可動側金型16に保持される。
更にまた、側部平面用成形面26にゲートが配置され、可動側金型12にレンズ1の光学軸に平行で光学面2に干渉しないレンズ側部平面用成形面18、24が設けられているので、レンズフランジ部4の外周面4bの円弧部を連続させた仮想円VC内にゲート跡や凸部7を納めることができる。これにより、成形されたレンズ1は、ゲート跡や凸部7が円筒状の鏡筒に干渉することなく嵌合して組み込まれる。
また、可動側金型12の側部平面用成形面18に凹部19を備えるので、可動側金型12の凹部19に樹脂が供給されて該凹部19と嵌合する凸部7がレンズ1に形成される。従って、成形後の型開き時に、固定側金型11に比べてレンズ1を安定して可動側金型12に保持しておくことができる。これにより、ロボットアームなどによって自動的、且つ容易にレンズ1を成形金型10から取り出すことができる。
更に本実施形態のプラスチックレンズ1によれば、レンズ面周囲に配置されるレンズフランジ部4に設けられた側部平面5に凸部7が配置されたので、該凸部7をレンズフランジ部4の外周面4bの円弧部を連続させた仮想円VC内に納めることができ、成形されたレンズ1を円筒状の鏡筒に干渉なく嵌合させて組み込むことができる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、スライドコア14は斜面において固定側金型11にスライド可能に保持される構成とすることもできるなど、適宜、変形、改良、等が可能である。
本発明のレンズ用成形金型により成形されるプラスチックレンズの外観斜視図である。 開いた状態におけるレンズ用成形金型をレンズ用離形空間の中心を通る面で縦に切断して示す斜視図である。 図2に示す型開き状態におけるレンズ用成形金型の縦断面図である。 半閉じ状態におけるレンズ用成形金型の縦断面図である。 金型が完全に閉じて溶融樹脂の射出直前状態のレンズ用成形金型の縦断面図である。 図5におけるVI−VI矢視縦断面図である。 レンズが成形されて金型が開いた状態におけるレンズ用成形金型を縦に切断して示す斜視図である。 (a)は、可動側平面の面積を大きくする概略図、(b)は、凹部のみを備える概略図である。
符号の説明
1 プラスチックレンズ
2 光学面
4 レンズフランジ部
5 レンズ側部平面
6 ゲート側平面
7 凸部
10 レンズ用成形金型
11 固定側金型
12 可動側金型
14 スライドコア
14a 金型案内用斜面
15 形状部
17 レンズフランジ部成形面
18 可動側平面
19 凹部
21 金型案内用斜面
23 レンズフランジ部成形面
24 固定側平面
25 ホットランナー
26 平面成形面(レンズ側部平面用成形面)
27 キャビティ(レンズ用離形空間)

Claims (13)

  1. 向かい合う2面で光学面を形成するプラスチックレンズを成形するレンズ用成形金型であって、
    型開き方向に傾斜を持つ金型案内用斜面を有し且つ前記レンズ用の離形空間でのレンズフランジ部成形面を有する固定側金型及び可動側金型と、
    前記固定側金型と可動側金型との型開き方向に対してレンズ用離形空間を中心に垂直方向へ前記金型案内用斜面に案内されて摺動可能の一対のスライドコアと、
    前記一対のスライドコアそれぞれに保持されて前記離形空間において前記向かい合う光学面を成形するための形状部と、を備えるレンズ用成形金型。
  2. 前記固定側金型のレンズフランジ部成形面にゲートを有する請求項1記載のレンズ用成形金型。
  3. 前記ゲートがホットランナーである請求項2記載のレンズ用成形金型。
  4. 前記ホットランナーが外部加熱方式である請求項3記載のレンズ用成形金型。
  5. 前記可動側金型のレンズフランジ部成形面の面積が前記固定側金型のレンズフランジ部成形面の面積より大きい請求項1から4のいずれか1項記載のレンズ用成形金型。
  6. 前記可動側金型のレンズフランジ部成形面に少なくとも1つ以上の凹部が備えられ、前記凹部はPL(パーティングライン)面に面し、かつ前記2つのスライドコアとは非接触配置である請求項1〜5のいずれか1項記載のレンズ用成形金型。
  7. PL面との接触範囲で前記可動側金型のレンズフランジ部成形面が光軸に略平行で対向する二つの平面部からなる請求項1〜6のいずれか1項記載のレンズ用成形金型。
  8. 前記固定側金型のレンズフランジ部成形面が前記可動側金型のレンズフランジ部成形面の平面部に略平行に繋がる固定側平面部を備える請求項7記載のレンズ用成形金型。
  9. 前記凹部が前記平面部の少なくとも一方にあり、かつ、前記凹部の底面は可動側金型のレンズフランジ部成形面の曲面部を光軸方向から見た際の仮想円より内側に配置される請求項7記載のレンズ用成形金型。
  10. 前記ゲート部近傍のレンズフランジ部成形面が、前記レンズの光学軸と略平行な平面成形面である請求項2〜のいずれか1項記載のレンズ用成形金型。
  11. 前記ゲートが配置された平面部が、固定側金型のレンズフランジ部成形面の曲面部を光軸方向から見た際の仮想円より内部に配置される請求項10に記載のレンズ用成形金型。
  12. 請求項1から11記載のレンズ用成形金型により成形されるプラスチックレンズであって、
    向かい合う2面で光学面を形成する円盤状のレンズ部と、
    該レンズ部の周囲に配置されるリング状のレンズフランジ部とを備え、
    前記レンズフランジ部の側面に、光軸と略平行な成形時のパーティングラインを有するプラスチックレンズ。
  13. 請求項12に記載のプラスチックレンズであって、
    前記レンズフランジ部外周面に1つ以上の凸部を有するプラスチックレンズ。
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