JP4957978B2 - 紐締めフィッティング構造を備えた靴 - Google Patents

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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Description

本発明は紐締めフィッティング構造を備えた靴に関する。
シューレースはアッパーを足にフィットさせる。足にフィットしたアッパーは足を支持する。
しかし、MP関節の背屈時に足の形状が変化し、そのため、足囲も変化する。また、靴を長時間着用すると、足囲が大きくなることが多い。このような場合、靴の中の足はアッパーによって圧迫されるであろう。また、動作中に靴と足との間にズレが生じやすい。
特開2006−258(要約) 特開平11−18803号(要約) 実公昭33−5240号(第1図) 実公平5−9843号(第3図) EPO 329,392 A2(abstract) 特開平4−44701号(第2頁右上欄) WO 2004/93587 A1、US 2006/0162190 A1(abstract)
文献1の靴において、伸縮性のアッパーの内側には非伸縮性のベルトが固着されており、非伸縮性のベルトがアッパーの伸びを妨げる。この文献1の靴において、前記非伸縮性のベルトの先端にハトメ(ループ)が設けられており、したがって、着用中にハトメが足の周方向に移動することはないだろう。
また、ベルトが互いに前後方向に連なっており、かつ、アッパーの伸縮部材にベルトの先端が付着されており、そのため、ベルトの自由な変位が妨げられるだろう。
文献2の靴は足長方向のサイズが可変である。足長方向のサイズを可変とするために、この靴においては、アッパーの前後方向に伸縮自在な可撓性布部が中足部に設けられている。可撓性布部は前記周方向には伸縮しない。そのため、可撓性布部に設けられたハトメは周方向に移動しないから、着用中に足が圧迫されるだろう。
文献3の靴は前足の側面に広い伸縮片を有する。広い伸縮片は足に圧迫を感じさせにくいかもしれない。しかし、広い伸縮片は足の側面を支えることができないだろう。
また、ハトメ飾りは前後に連なっているので、ハトメは前後に移動しないだろう。したがって、ハトメの自由な移動が妨げられる。
文献4のハトメ部材は、ショア硬度が90〜100の樹脂で形成されている。ショア硬度が90〜100の樹脂は殆ど伸びないだろう。
文献5の靴は伸びない支持スターラップにより後足を支持する。
文献6の靴はアッパーの内皮と外皮との間に挟まれた一対のサイドパネル(緊締帯)を有する。各サイドパネルはゴムシートや伸縮布で構成されていてもよく、各々3つのハトメを有する。この文献6の靴は、人の足囲(周長)の大きさに応じてサイドパネルが周方向に伸縮して緊締するのを狙っている。
しかし、文献6の発明は同公報の(第1頁右欄や)第2頁右下欄に記述されているように、シューレースで連結されたサイドパネルが甲皮上を前後に移動せず、足の甲の規定の位置を確実に緊締することを目的としており、かつ、サイドパネルが幅広であり、したがって、サイドパネルに形成したハトメは足の前後方向の移動が全く意図されておらず、実質的に移動しないと考えられる。
また、この文献6の発明において、ゴムシートや伸縮布で構成されたサイドパネルは足の側面の広い部分を覆っており、また、中足骨よりも後方の部位まで覆っている。そのため、アッパーによる着用者の足の保持や支持機能が損なわれるだろう。
文献7の靴においては、ループからなるハトメが伸縮部の近傍に設けられている。同文献7のFIG.5を見ると、ループが伸縮部に接続されているように見えるが、同文献のFIG.3〜6を見て分るとおり、ループはアッパーの硬い部位に設けられている。
そのため、同文献のループからなるハトメは周方向に移動することができない。
本発明の目的は足を安定した状態で支持すると共に、足囲の変化した場合の足への圧迫および/または動作中の靴と足とのズレを減少させる靴を提供することである。
本発明のある態様の靴は、紐締めフィッティング構造を備えた靴であって、着地の衝撃を吸収するソールと、足の甲を包むアッパーと、前記アッパーを足の甲にフィットさせるためのシューレース手段とを有し、前記アッパーは、着用時に脚が上方に出る第1開口と、前記第1開口の前方に設けられた第2開口とを有しており、前記2つの開口は、前後に互いに連なっており;前記アッパーは、足の内側面、外側面、爪先、甲および背面を覆う主部と、前記第2開口の側縁に沿って設けられ、前記シューレース手段が通過すると共に係合する複数の第1ハトメおよび1以上の第2ハトメをそれぞれ有する第1および第2側縁部とを備え、ここにおいて、足の屈曲時に前記第2側縁部が前記主部に対して足の周方向、前方および後方に移動できるように、前記両側縁部および主部よりも伸縮し易く、かつ、前記足の屈曲時に前記第2側縁部の少なくとも周方向の近傍において前記足の周方向に伸縮可能で、かつ、前記第2側縁部の前方および後方において前後方向に伸縮可能な状態で配置された伸縮部を介して前記第2側縁部が前記主部に繋がっており、前記伸縮部よりも伸縮し難い前記主部は足の外側において第5趾のリスフラン関節および中足骨骨底を覆い、前記主部は足の内側において第1趾の中足骨の骨底および/または骨頭を覆っている紐締めフィッティング構造を備えている。
本態様の場合、足の屈曲や長時間の着用で生じた足囲の変化に応じて、伸縮部が足の周方向に伸縮する。そのため、アッパーが足にフィットし易い。
また、足の前後方向についても第2ハトメが移動することで、アッパーのフィット性能が更に向上するだろう。
すなわち、第2ハトメは足の周方向および前後方向の双方に移動する。
本発明において、前記アッパーが足にフィットする効果が得られるためには、第2側縁部が本質的に伸縮部のみを介して主部に繋がっている必要がある。たとえば、伸縮部を海と考え、主部を陸と考えた場合、第2側縁部は陸である主部に対し島状に配置される。伸縮し難い1つの第2側縁部に複数のハトメが形成されていてもよいが、この場合も前記第2側縁部は前記主部に対し島状に配置されている必要がある。
また、本発明において、前記第2ハトメを周方向に引っ張った場合に、伸縮部の伸びが少なくとも2.0mm以下の範囲において、好ましくは3.0mm以下の範囲において伸縮部が塑性変形しない(弾性変形する)場合に前記効果が十分に得られるだろう。
また、本発明において、第2ハトメを前後方向に変位(移動)させた場合に、前記移動量が0.5mm以下の範囲において好ましくは1.0mm以下の範囲において、伸縮部に塑性変形が本質的に生じない場合に前記効果が十分に発揮されるだろう。
弾性域において、ある程度の伸びや変位が得られないと、足囲の変化した場合に第2ハトメが2方向(周方向および前後方向)に移動しないからである。
また、本質的に伸縮しない主部が足の外側において第5趾のリスフラン関節および中足骨骨底を覆い、かつ、前記主部が足の内側において第1趾の中足骨の骨底および/または骨頭を覆う。そのため、足の支持が安定する。
本発明において、「シューレース手段」の用語はシューレースが1本のみではなく、2本以上設けられる場合を含むことを意味する。
本発明において、「ハトメ」の用語はシューレースが通過する孔自体を意味する。
したがって、本発明の「ハトメ」にはループ材からなるハトメ部材で形成された貫通孔が含まれ、また、U字状の金具や樹脂などからなるハトメ部材で形成されたハトメが含まれる。
本発明において、伸縮し易い伸縮部は、素材のヤング率が小さいゴム弾性を有するシートや帯状部材の他に、本質的に伸縮性を有しない素材に円形、長円形、方形の複数の貫通孔が千鳥状に形成されて伸縮性が発現されたものでもよい。また、伸縮部は伸縮性を有する2枚の布帛状部材が二重に重ねられて形成されてもよい。
本発明において、伸縮部よりも伸縮し難い主部は、伸縮性のあるメッシュ材を非伸縮性のテープ材で拘束して本質的に伸縮しないようにしてもよい。
図1は本発明の第1実施例の靴を示す概略斜視図である。 図2は同実施例の靴を着用して踵を上げた背屈状態における靴を示す概略斜視図である。 図3は同実施例の靴と足の骨格との関係を足の内側から見た状態で示す概略側面図である。 図4は同実施例の靴と足の骨格との関係を足の外側から見た状態で示す概略側面図である。 図5は同実施例の靴の内部を足の内側から見た概略斜視図である。 図6は同実施例の靴の内部を足の外側から見た概略斜視図である。 図7は同実施例の靴を足の内側から見た概略側面図である。 図8は同実施例の靴を着用して踵を上げた背屈状態における靴を示す概略側面図である。 図9は同実施例の靴を第2ハトメおよびサイドパネルを含む部位で切断して示すアッパーの横断面図である。 図10は第2実施例の靴を示す概略斜視図である。 図11は同実施例の靴を第2ハトメおよびサイドパネルを含む部位で切断して示すアッパーの横断面図である。 図12は本発明の第3実施例の靴を示す概略斜視図である。 図13は同実施例の靴と足の骨格との関係を足の内側から見た状態で示す概略側面図である。 図14は同実施例の靴と足の骨格との関係を足の外側から見た状態で示す概略側面図である。 図15Aは同実施例の靴を第2ハトメおよび伸縮部を含む部位で切断して示すアッパーの横断面図、図15Bは同実施例の靴を補強材および伸縮部を含む部位で切断して示すアッパーの横断面図である。 図16は本発明の第4実施例の靴を内側前方から見て示す概略斜視図である。 図17は同実施例の靴を外側前方から見て示す概略斜視図である。 図18は同実施例の靴と足の骨格との関係を足の内側から見た状態で示す概略側面図である。 図19は同実施例の靴と足の骨格との関係を足の外側から見た状態で示す概略側面図である。 図20Aは同実施例の靴を第2ハトメを含む伸縮部の部位で切断して示すアッパーの横断面図、図20Bは同実施例の靴を補強部を含む伸縮部の部位で切断して示すアッパーの横断面図である。 図21A、図21Bおよび図21Cは、それぞれ、試験例1、2および3の靴において、踵の上昇量Hとハトメ間の距離の変化量ΔDとの関係を示すグラフである。 図22Aおよび図22Bは、それぞれ、試験例4および比較例の靴において、踵の上昇量Hとハトメ間の距離の変化量ΔDとの関係を示すグラフである。 図23A、図23B、図23C、図23D、図23E、図23Fおよび図23Gは、それぞれ、試験例11,12,13,14,15,16および17の第2ハトメに相当する部位を示す平面図である。 図24は官能試験の結果を示す図表である。 図25A、図25B、図25Cおよび図25Dは、それぞれ、試験例11,12,17および16の靴について、踵の上昇量Hとハトメ間の距離の変化量ΔDとの関係を示すグラフである。 図26Aおよび図26Bは、それぞれ、試験例11〜17に用いた靴においてハトメと足の骨格との位置関係を示す内側面図および外側面図である。
本態様の好ましい実施例においては、足の前後方向において前記第2ハトメが第1趾の中足趾節間関節(いわゆるMP関節)から第4趾のリスフラン関節までの領域のみに配置されている。
この場合、前記領域はアッパーのフィット性能に大きな影響を与える。したがって、かかる領域に第2ハトメが配置された場合、前記アッパーのフィット性能が高まるだろう。
また、この場合、前記第1趾のMP関節よりも前方や第4趾のリスフラン関節の後方に、前記第2ハトメが配置されていない。そのため、アッパーによる足の支持が不安定になるおそれがない。
別の好ましい実施例においては、前記第2ハトメが足の内側と外側に各々設けられている。
第2ハトメが一対設けられた場合、一対の第2ハトメの位置が各々変化することが可能である。したがって、アッパーのフィット性能が更に高くなるだろう。
更に好ましい実施例においては、前記足の内側の第2ハトメが第1趾の中足趾節間関節よりも後方で、かつ、前記第1趾の中足骨の骨底よりも前方の位置にのみ配置され、前記外側の第2ハトメが第4趾の中足趾節間関節よりも後方で、かつ、前記第4趾の中足骨の骨底よりも前方の位置にのみ配置されている。
本態様において、かかる位置に第2ハトメが配置された場合、一対の第2ハトメが足囲の変化に応じて足の周方向に移動する。
この移動は、第2ハトメに係合するシューレース手段の張力の変化が増大するのを抑制するだろう。それ故、アッパーのフィット性が高いだろう。
また、前記の位置以外に第2ハトメが配置されていない場合、足の支持が不安定になりにくい。
本態様の好ましい実施例において、足の内側において前記第2ハトメは1個もしくは2個設けられ、かつ、3個以上設けられておらず、足の外側において前記第2ハトメは1個もしくは2個設けられ、かつ、3個以上設けられていない。
第2ハトメが足の内側や外側に3個以上設けられると、足の支持が不安定になったり、コストアップの原因となる。したがって、足の内外の一方につき、第2ハトメは2個以下が好ましい。
また、前記第2ハトメはシューレースによるアッパーの緊締を緩くする。
したがって、前記第2ハトメの数は前記第1ハトメの数よりも少ないのが好ましいだろう。
更に、前記第2ハトメの数は、足の内側および外側において各々、1個のみであるのがより好ましいと推測される。
かかる観点から、第2開口の前後方向の前半部と後半部の各々において、前記第1ハトメが互いに対向するように配置されるのが好ましいだろう。
また、第1ハトメは足の保持を安定させる。したがって、前記第2ハトメが内側または外側に複数設けられ、前記内側または外側の複数の第2ハトメの間には前記第1ハトメが設けられていてもよい。
本態様の別の好ましい実施例においては、前記伸縮部は前記第2側縁部を前方、後方および下方から囲んでおり、前記第2側縁部の前方および後方において前記第2開口の側縁に沿って配置された第1部と、前記第2側縁部の下方に配置された第2部とを備え、前記第1部が前記第2部よりも伸縮しにくい。
この実施例の場合、第2部よりも伸縮しにくい第1部によって第2側縁部が前後方向に移動する最大量を規制したり、あるいは、シューレースの締結時に第2側縁部が前後方向に不用意に移動するのを抑制することができる。したがって、伸縮部の第2部を伸び易い小さな剛性にすることが可能である。
更に好ましい実施例において、前記第2開口は前記第1部の部位において湾曲しており、前記第1部は前記第2開口に沿って湾曲しており、ここにおいて、前記湾曲した第1部は直線状に変形することで前記前後方向に伸び、かつ、前記湾曲した第1部の曲率が大きくなることで前記前後方向に縮む。
これにより、伸縮しにくい第1部を容易かつローコストで制作することができる。
本態様の別の好的な実施例においては、前記伸縮部は前記足の内側面または外側面の一部を覆い、かつ、前記内側面および外側面において、前記アッパーの主部を横断しておらず、前記伸縮部の下方において、前記主部における前記伸縮部よりも前方の部位と前記主部における前記伸縮部よりも後方の部位とが前記伸縮部よりも伸縮しにくい部材を介して連なっている。
この場合、伸縮部はアッパーの側面を横断していないから、伸縮部をアッパーのいずれの部位に設けても、伸縮部により足の支持が不安定となるのを抑制し得る。
この場合、必要に応じてアッパーを足にフィットさせるためにアッパーの主部を横断する別の伸縮部が設けられてもよい。
更に、前記別の伸縮部を足の内側に設け、この別の伸縮部に、別の第2ハトメを有する別の第2側縁部を設けてもよい。
本発明の別の態様の靴は、紐締めフィッティング構造を備えた靴であって、着地の衝撃を吸収するソールと、足の甲を包むアッパーと、前記アッパーを足の甲にフィットさせるためのシューレース手段とを有し、前記アッパーは、着用時に脚が上方に出る第1開口と、前記第1開口の前方に設けられた第2開口とを有しており、前記2つの開口は、前後に互いに連なっており;前記アッパーは、足の内側面、外側面、爪先、甲および背面を覆う主部と、前記第2開口の側縁に沿って設けられ前記シューレース手段が通過すると共に係合する複数の第1ハトメを有する側縁部と、前記主部の内部または外部の空間において前記内側面に沿って上方ないし斜め上方に向って前記足の内側面を覆う第1サイドパネルと、前記主部の内部または外部の空間において前記外側面に沿って上方ないし斜め上方に向って前記足の外側面を覆う第2サイドパネルとを備え、ここにおいて、前記各サイドパネルは、前記サイドパネルの先端に設けられ前記シューレース手段が通過すると共に係合する第2ハトメを有する先端部と、前記主部および/または前記ソールに付着される下端部と、前記先端部と前記下端部との間に配置され前記先端部が前記下端部に対して足の前後方向に移動するのを許容する中間部とを備え、ここにおいて、前記両サイドパネルのうちの少なくとも一方のサイドパネルは、前記先端部から前記下端部までの長さが大きくなるように前記中間部が伸縮する紐締めフィッティング構造を備えている。
本態様の場合、足囲の変化に対しサイドパネルの中間部が伸縮する。本サイドパネルの前記中間部は足の内外の側面に沿って長く設けられることが可能であり、そのため、剛性の高い部材で中間部を形成しても中間部の伸縮量が大きい。したがって、アッパーのフィット性能が高い。
また、サイドパネルの先端部が下端部を中心に回転することで、足の前後方向にも第2ハトメが移動する。したがって、アッパーのフィット性能が更に高まるだろう。
すなわち、第2ハトメは足の周方向および前後方向の双方に移動する。
伸び易い伸縮部は主部とは別のサイドパネルに設けられる。したがって、伸び難い主部による足の支持が安定する。
本態様において、サイドパネルは主部の内部または外部の空間に設けられる。
本発明において、主部の内部の空間とは、主部で定義される空間を意味し、主部の外装材よりも内の空間をいい、内装材が存在する場合には内装材と外装材との間の空間を含む。したがって、主部が外装材と内装材とを有する場合には、各パネルは内装材と外装材との間に配置されていてもよい。つまり、各パネルが内装材を介して足の側面や甲に接する場合も本発明に含まれる。また、パネルは内装材で構成されてもよい。
本発明において、主部の外部の空間にサイドパネルが設けられた場合、サイドパネルは主部を介して足の側面に巻き付く。この場合も、サイドパネルの伸縮部が伸縮することによりフィット性能が向上する。
しかし、サイドパネルが足の側面に接するようにサイドパネルが設けられているのが好ましい。この場合は、足囲の変化に対し直ちにサイドパネルが伸びる。
本態様において、足の前後方向において前記第2ハトメが第1趾のMP関節から第4趾のリスフラン関節までの領域にのみ配置されているのが好ましい。
本態様によれば、前記領域はアッパーのフィット性能に大きな影響を与える。したがって、かかる領域に第2ハトメが配置された場合、前記アッパーのフィット性能が高まるだろう。
別の好ましい実施例では、前記両サイドパネルの双方において、前記先端部から前記下端部までの長さが大きくなるように前記中間部が伸縮する。
本態様によれば、伸縮する中間部が一対設けられた場合、一対の中間部の長さが足囲の変化に応じて大きく変化することが可能である。したがって、アッパーのフィット性能が更に高くなるだろう。
更に好ましい実施例では、前記足の内側の第2ハトメが第1趾の中足趾節間関節よりも後方で、かつ、前記第1趾の中足骨の骨底よりも前方の位置にのみ配置され、前記外側の第2ハトメが第4趾の中足趾節間関節よりも後方で、かつ、前記第4趾の中足骨の骨底よりも前方の位置にのみ配置されている。
本態様によれば、かかる位置に第2ハトメが配置された場合、一対の中間部が足囲の変化に応じて足の周方向に伸縮する。この伸縮は、第2ハトメに係合するシューレース手段の張力の変化が増大するのを抑制するだろう。それ故、アッパーのフィット性能が高いだろう。
また、前記の位置以外に第2ハトメが配置されていない場合、足の支持が不安定になりにくい。
本態様の好ましい実施例において、足の内側において前記第2ハトメは1個もしくは2個設けられ、かつ、3個以上設けられておらず、足の外側において前記第2ハトメは1個もしくは2個設けられ、かつ、3個以上設けられていない。
第2ハトメが足の内側や外側に3個以上設けられると、足の支持が不安定になったり、コストアップの原因となる。したがって、足の内外の一方につき、第2ハトメは2個以下が好ましい。
また、前記第2ハトメはシューレースによるアッパーの緊締を緩くする。
したがって、前記第2ハトメの数は前記第1ハトメの数よりも少ないのが好ましいだろう。
更に、前記第2ハトメの数は、足の内側および外側において各々、1個のみであるのがより好ましいと推測される。
かかる観点から、第2開口の前半部と後半部の各々において、前記第1ハトメが互いに対向するように配置されるのが好ましいだろう。
前記第2ハトメが内側または外側に複数設けられ、前記内側または外側の複数の第2ハトメの間には前記第1ハトメが設けられていてもよい。
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲は請求の範囲によって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
第1実施例:
以下、本発明の第1実施例が図1〜図9を参照して説明される。
以下の説明では、左足用の靴が例示される。また、以下の図において、矢印OUTは靴の外側方向、矢印INは靴の内側方向を示す。
靴の全体構造:
図1に示す紐締めフィッティング構造を備えた靴は、ソール1、アッパー2およびシューレース3を備えている。
ソール1は着地の衝撃を吸収するものである。アッパー2は足の甲を包むもので、舌片4(主部の一部)を有している。シューレース3はアッパー2を足の甲にフィットさせるためのものである。
図1および図2において、前記シューレース3の両端部分は図示が省略されているが、アッパー2内に足を挿入した後に、前記端部同士は互いに固く結ばれる。シューレース3の端部同士が互いに結ばれることにより、アッパー2が足に対しタイトな状態でフィットする。
なお、シューレース3の各端部はアッパー2に設けた固定具に固く止められてもよい。
アッパー2は、第1開口P1と第2開口P2とを備えている。第1開口P1は着用時に脚Leが上方Z1に出る開口である。
図3および図4に示すように、第2開口P2は第1開口P1の前方Y1、すなわち、足の爪先Tに向って設けられた開口である。第2開口P2はアッパー2の上部において、前後方向Yに長く設けられている。前記2つの開口P1,P2は互いに連なっている。前記舌片4は前記第2開口P2を下方Z2から閉じ、足の甲Isを上方から覆う。
アッパー2:
図5および図6において、前記アッパー2は、メインアッパー(主部)2M、側縁部20、第1および第2サイドパネル51,52を備えている。
メインアッパー2M;
前記メインアッパー2Mは、図3の足の内側面S1、図4の外側面S2、爪先T、甲Isおよび背面Bを覆う。メインアッパー2Mには、前記第1開口P1および第2開口P2が形成されており、前記第2開口P2の前端において連なる前記舌片4が含まれる。
前記側縁部20は前記第2開口P2の側縁に沿って前記第2開口P2を囲うように設けられている。前記側縁部20は前記シューレース3が通過すると共に係合する複数の第1ハトメH1を有する。前記側縁部20は、たとえば人工皮革やテープ材のような本質的に伸びない素材で形成されている。前記第1ハトメH1は前記側縁部20に形成された小孔からなる。
前記メインアッパー2Mの内外の側面21,22には、たとえば、図7および図8の内側面図において明示するように、メインアッパー2Mの一部を構成するメッシュ部材の表面に多数本のテープ材2tが縫着されて補強されてなる。これらのテープ材2tは本質的に伸びない素材で形成されており、これにより、メインアッパー2Mの内側面21および図1の外側面22が足の前方Y1および後方Y2や周方向Rに本質的に伸びない。
なお、前記テープ材2tは周知の構造であり、図1〜図6において図示が省略ないし簡略化されている。
図9において、前記各サイドパネル51,52は第2ハトメH2を有する。前記各サイドパネル51,52は先端部53と、ソール1およびメインアッパー2Mに固着された下端部54と、前記先端部53と下端部54との中間部55とが一体に連なってなる。
前記先端部53は前記中間部55および下端部54を介してのみ前記メインアッパー2Mおよびソール1に繋がっている。なお、下端部54はソール1に固着されずにメインアッパー2Mに縫着されていてもよい。
前記先端部53において、サイドパネル51,52の一部を構成するテープ材にはハトメ部材53aが縫着されている。図1〜図8において、前記サイドパネル51,52のハトメ部材53aが設けられていない部位については網点が施されている。
前記第2ハトメH2は前記先端部53およびハトメ部材53aに形成された小孔からなり、図1の前記シューレース3が通過すると共に係合する。
なお、図1においては第1ハトメH1および第2ハトメH2には、ハトメの前後方向Yの位置を区別するために、前から後に向って順に下付数字が付されているが、各実施例の説明や図2以後においては下付数字が省略される。
図3の第1サイドパネル51は帯状に形成されており、前記メインアッパー2Mの内部の空間において前記内側面S1に沿って上方ないし斜め上方(前方に行くに従い斜め上方)に向って前記足の内側面S1に巻き付き、内側面S1の一部を覆う。
図4の第2サイドパネル52は帯状に形成されており、前記メインアッパー2Mの内部の空間において前記外側面S2に沿って上方ないし斜め上方に向って前記足の外側面S2に巻き付き、外側面S2の一部を覆う。
前記中間部55は前記先端部53と前記下端部54との間に配置され、図5および図6に明示するように、メインアッパー2Mに付着されていない。したがって、中間部55は前記先端部53が前記下端部54に対して足の前後方向Yに移動するのを許容する。一方、各サイドパネル51,52の中間部55は伸縮部を構成しており、以下に説明するように、前記先端部53から前記下端部54までの長さが大きくなるように伸縮する。
ここで、前記各サイドパネル51,52のテープ材およびハトメ部材53aは、本質的に伸びない素材で形成されている。
しかし、図5の前記各サイドパネル51,52の中間部55には、図3および図4に明示するように、千鳥状に複数の円形の貫通孔55hが形成されている。前記サイドパネル51,52の延びる方向に大きな引張力が負荷されると、前記貫通孔55hの形状が楕円形に変化すると共に、中間部55が足の周方向に伸びる。
図3の前記内側の第2ハトメH2は第1趾f1のMP関節MP1から第1趾f1のリスフラン関節LJまでの領域に配置されている。好ましくは、図3の前記足の内側の第2ハトメH2は第1趾f1の中足骨B41の骨頭B41hよりも後方Y2で、かつ、前記第1趾f1の中足骨B41の骨底B41bよりも前方Y1の位置に配置される。
一方、図4の前記外側の第2ハトメH2は第4趾f4の中足骨B44の骨頭B44hよりも後方Y2で、かつ、前記第4趾f4の中足骨B44の骨底B44bよりも前方Y1の位置に配置されるのが好ましい。
図3および図4に示すように、第2ハトメH2の前方Y1には少なくとも内外一対の第1ハトメH1を設けるのが好ましく、複数対の第1ハトメH1を設けるのが更に好ましい。
また、第2ハトメH2の後方Y2には少なくとも内外一対の第1ハトメH1を設けるのが好ましく、複数対の第1ハトメH1を設けるのが更に好ましい。
第1ハトメH1に挿通されたシューレースによりアッパーが緊締され、これにより支持が安定する。
図3の前記第1サイドパネル51は下端部54から先端部53に行くに従い斜め前方の上方に向って延びている。前記第1サイドパネル51の中間部55は第1趾f1の中足骨B41の骨頭B41hよりも後方Y2で、かつ、前記第1趾f1の中足骨B41の骨底B41bよりも前方Y1の部位(第1趾f1の中足骨B41の骨体)に沿って配置されている。
一方、図4の前記第2サイドパネル52は下端部54から先端部53に行くに従い斜め前方の上方に向って延びている。前記第2サイドパネル52の中間部55は第4趾f4の中足骨B44の骨頭B44hよりも後方Y2で、かつ、前記第4趾f4の中足骨B44の骨底B44bよりも前方Y1の部位(第4趾f4の中足骨B44の骨体)に沿って配置されている。
第2実施例:
図10および図11は第2実施例を示す。
本第2実施例において、メインアッパー2Mはサイドパネル51,52の中間部55を収容する袋状の収容部29を有する。前記サイドパネル51,52の先端部53は、前記収容部29から突出している。
図11の前記メインアッパー2Mの内外の側面21,22は、それぞれ、表面材23と裏面材24とが、図10に示すように、互いに縫合されて形成されている。前記互いに縫合された2つの部材23,24の間に前記収容部29が形成されている。
前記各サイドパネル51,52は前記収容部29の形状に沿った帯状に形成されている。
前記サイドパネル51,52としては、前記第1実施例と同様に中間部55に貫通孔55hが形成された伸縮部を有していてもよいし、あるいは、前記貫通孔55hを形成する代わりにゴム弾性を持つ樹脂テープで形成されてもよい。
なお、「ゴム弾性」とは、加硫ゴムのように、大きな塑性変形を生じることなく繰り返し伸び縮み(弾性変形)可能な性質を意味する。
本第2実施例のその他の構成は、前記第1実施例と同様であり、同一部分もしくは相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
第3実施例:
つぎに、第3実施例が図12〜図15Bを参照して説明される。
本第3実施例において、第1ハトメH1はメインアッパー2Mの第1側縁部20Aに設けられ、一方、第2ハトメH2はメインアッパー2Mに連なる第2側縁部20Bに設けられている。前記第2側縁部20Bの一部を形成するハトメ部材53bは伸縮部5で囲われている。
図12〜図14において、前記伸縮部5の部位には網点が施されている。前記内外の一対の伸縮部5,5は第2開口P2を間にして互いに対向している。
本質的に伸縮しない前記メインアッパー2Mには切欠き25が形成されており、当該切欠き25の部位に前記伸縮部5が設けられている。図15Aに示す前記ハトメ部材53bは、前記伸縮部5を構成する部材57、58の上に縫着されており、前記第2側縁部20Bは前記部材57,58およびハトメ部材53bが重ね合わされた部位からなり、前記伸縮部5を介してのみメインアッパー2Mに連なっている。
つまり、図12の前記伸縮部5は第2側縁部20Bの周囲を囲っており、前記伸縮部5を海、メインアッパー2Mを陸とすると、第2側縁部20Bは陸であるメインアッパー2Mに対し島のように配置されている。すなわち、前記伸縮部5を介してのみ前記第2側縁部20Bがメインアッパー2Mに繋がっている。
前記伸縮部5よりも伸縮し難い前記メインアッパー2Mは、図14の足の外側において第5趾f5のリスフラン関節LJおよび中足骨骨底B45bを覆い、図13の前記メインアッパー2Mは足の内側において第1趾f1の中足骨の骨底B41bおよび骨頭B41hを覆っている。
図13および図14に明示するように、本実施例では、前記伸縮部5はソール1まで延びておらず、前記伸縮部5の下方において前記メインアッパー2Mは前後方向Yに連なっている。したがって、前記伸縮部5の伸縮し易い部材であっても、また、2つの伸縮部5,5が互いに対向する位置に配置されていても足の支持が安定する。
なお、メインアッパー2Mは足の内側において第1趾の中足骨の骨底B41bまたは骨頭B41hの一方のみを伸縮しない部材で覆い、他方を伸縮性のある部材で覆っていてもよい。
図15Aに示すように、たとえば、前記伸縮部5は伸縮可能なメッシュ状の生地58とゴム弾性を持つ樹脂シート57とが伸縮しないテープ材2tにおいて縫合されていてもよい。
図14の前記伸縮部5は、前記第2側縁部20Bの前後において伸縮部5を補強する第1部50と該第1部50以外の伸縮部5からなる第2部59とを備える。前記第1部50は伸縮部5の側縁に沿って湾曲しており、切り欠かれたように窪んでいる。前記第1部50は図15Bに示すように前記樹脂シート57の上に補強材50aが接着および縫着されてなる。前記湾曲した第1部50の補強材50aは前記第2部59よりも伸びにくい素材で形成されているが、前後方向Yに直線状に伸びたり、曲率が大きくなって縮むことが可能であり、第1部50の一部を構成している。前記第1部50は前記第2側縁部20Bが前後方向Yに移動するのを抑制して、第2ハトメH2が小さな力で前後方向Yに移動するのを防止したり、あるいは、前後方向の移動量の最大量を規制する。したがって、第2ハトメH2は前後方向Yよりも周方向Rに移動し易い。
前記第2部59は前記前後方向Yおよび周方向Rの双方に伸縮可能である。
図12において、足の屈曲時に前記第2側縁部20Bが前記メインアッパー2Mに対して足の周方向R(図示せず)、前方Y1および後方Y2に移動できるように、前記伸縮部5の第1部50および第2部59は前記両側縁部20A,20Bおよびメインアッパー2Mよりも伸縮し易く、かつ、前記足の屈曲時に前記第2側縁部20Bの周方向の近傍、つまり、前記第2部59が前記足の周方向Rおよび前後方向Yに伸縮可能で、かつ、前記第2側縁部20Bの前方Y1および後方Y2において前記第1部50が前後方向Yに伸縮可能な状態で配置されている。
なお、第1部50を形成する補強材50aを設ける必要はない。
本第3実施例のその他の構成は前記第1実施例と同様であり、同一部分もしくは相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
第4実施例:
つぎに、第4実施例が図16〜図20を参照して説明される。
本第4実施例において、第1ハトメH1はメインアッパー2Mの第1側縁部20Aに設けられ、一方、第2ハトメH2は内外側の伸縮部5A,5Bのうちの外側の伸縮部5Bに設けられている。
なお、伸縮部5A,5Bの部位には網点が施されている。
図18の足の内側において、前記伸縮部5Aを除くメインアッパー2Mは、つまり、伸縮部5A,5Bよりも伸び難いメインアッパー2Mは第1趾f1の中足骨の骨底B41bおよび骨頭B41hを覆っている。一方、前記メインアッパー2Mは、図19の足の外側において、第5趾f5のリスフラン関節LJおよび中足骨骨底B45bを覆っている。
図16に示すように、前記伸縮部5Aと伸縮部5Bとは、第2開口P2を隔てて互いに斜向いの位置に配置されている。図17および図18の前記各伸縮部5A,5Bは、アッパー2の内外の側面を横断している。
図18および図19に示すように、伸縮部5A,5Bの上端には、第1部50が設けられている。前記伸縮部5Bの第1部50は、前記第2側縁部20Bが前後方向Yに移動するのを許容すると共に規制し、かつ、第2側縁部20Bが周方向R(図示せず)に移動するのを妨げにくい。
これにより、第2ハトメH2は前後方向Yよりも周方向Rに移動し易い。
本第4実施例のその他の構成は、前記第1実施例と同様であり、同一部分もしくは相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
つぎに、本発明の効果を明瞭にするために試験例および比較例について行った試験結果を示す。
まず、以下に示す試験例1〜4および比較例の靴を用意した。
試験例1:図1〜図9に示した実施例1の靴を作成し、この靴を試験例1とした。
試験例2:図10および図11に示した実施例2の靴を作成し、この靴を試験例2とした。この試験例2ではサイドパネルに比較的低剛性の素材を採用した。
試験例3:図10および図11に示した実施例2の靴を作成し、この靴を試験例3とした。この試験例3ではサイドパネルに比較的高剛性で、かつ、ゴム弾性を有する素材を採用し、更に、サイドパネルに貫通孔を千鳥状に形成した。
試験例4:図16〜図20に示した実施例4の靴を作成し、この靴を試験例4とした。
比較例:図12〜図15に示した実施例3において、伸縮部に相当する部位の伸縮材の裏面に本質的に伸びない織布を裏打ちし、これを比較例とした。なお、この比較例では伸縮部に相当する部位は実質的に伸びない。
前記各試験例および比較例の靴のハトメの近傍にマーカーを貼付し、各靴を図7のように足に装着し、以下に示すD1〜D6の距離を測定した。
1は内外の第1ハトメH11の近傍に貼付したマーカー間の距離である。
2は内外の第1ハトメH12の近傍に貼付したマーカー間の距離である。
3は内外の第2ハトメH23の近傍に貼付したマーカー間の距離である。
4は内外の第1ハトメH14の近傍に貼付したマーカー間の距離である。
5は内外の第1ハトメH15の近傍に貼付したマーカー間の距離である。
6は内外の第1ハトメH16の近傍に貼付したマーカー間の距離である。
ついで、図7の状態から図8のようにMP関節を背屈させて踵を上昇させながら前記マーカー間の距離を測定器で測定し、前記踵が20mm上昇する度の前記マーカー間の距離Diを求めた。この測定を各試験例および比較例について行った。
前記各サンプルについて、D1〜D6の変化量ΔD1〜ΔD6を算出し、その結果を各サンプルごとに図21A〜図21C、図22Aおよび図22Bに示す。
この結果について、以下に考察が説明される。
図22Bの比較例において、第2ハトメH23間の距離の変化量ΔD3は2%を超えているのに対し、図21A〜図21Cおよび図22Aの各試験例においてはΔD3が±0.5%程度以下になった。
これは、図8の踵を上昇させた時の足囲の変化に応じて、伸縮部が伸縮したためであると考えられる。
また、比較例の各変化量ΔD1〜ΔD6の総量ΣΔD(変化量ΔDiの絶対値の総和)は試験例のそれΣΔDに比べ大きい。これは、足の踵を持ち上げた際に、距離D3〜D6に相当する部位に存在する長母趾伸筋腱や内側、中間、外側の楔状骨及び舟状骨が足の甲から前方に向って迫り出し、前記D3〜D6の距離が伸び、一方、前記D3〜D6の距離の伸びによりMP関節近傍の前記D2の距離が縮むためであると考察される。
一方、比較例において、各変化量ΔD1〜ΔD6のうち、踵が80mm〜100mm上昇した時点での変化量は距離D3が最も大きいことが分かる。また、前記第2ハトメH23の前方のハトメ間距離D1,D2はマイナス側に変位する傾向があるのに対し、前記第2ハトメH23の後方のハトメ間距離D4〜D6はプラス側に変位する傾向が強い。したがって、第2ハトメH2は、図1の前記第2ハトメH23の部位、つまり第1〜第5中足骨の骨体の部位に設けられるのが最も好ましいであろうと推測される。
一対のサイドパネルに伸縮部を有する図21A〜図21Cの試験例1〜3の前記変化量の総量ΣΔDは、アッパーのメインアッパーに伸縮部を有する図22Aの試験例4のそれΣΔDよりも小さいことが分かる。特に、この現象は踵の上昇量Hが20mm〜80mmの間において顕著であることが分かる。
その理由について考察する。
図7の状態から図8のように踵が上昇すると、足の甲に舌片4の中央部分が押され、図1の第2ハトメH23間および上方の第1ハトメH15間などが拡がろうとする。この際、サイドパネル51(52)の中間部55が足の周方向に沿って伸びるだけでなく、サイドパネル51の先端部53は前後方向Yにも移動する。たとえば、図7の第2ハトメH2と隣の第1ハトメH1との距離Dy1,Dy2は、図7と図8の比較から分かるように、それぞれ、屈曲前後において変化している。すなわち、屈曲後にDy2は短くなり、一方、Dy1は長くなっている。
このように、サイドパネルの先端部53が前後方向Yに移動することにより、図1の第2ハトメH2からその隣の第1ハトメH12、第1ハトメH14までの距離が変化する。この前後方向Yの距離の変化により、第1ハトメH1i間の距離Diの変化も小さくなるものと推測される。
また、試験例1、2もしくは3において変化量の各総量ΣΔDが試験例4の変化量の総量ΣΔDに比べ小さい別の理由は、試験例1〜3において第2ハトメが2箇所設けられているのに対し、試験例4において第2ハトメが1箇所であるためであると推測される。
サイドパネルが足の内外側面に接するように設けられた試験例1の変化量の総量ΣΔDは、サイドパネルがアッパーの袋内に設けられた試験例2,3の変化量の総量ΣΔDよりも小さい。その理由は試験例1のサイドパネルの方が試験例2の袋内のサイドパネルに比べ前後に動き易い上、足の形状の変化に応じてサイドパネルが直ちに変形し得るからであると推測される。
つぎに、第2ハトメの好ましい数および位置について行った試験を示す。
まず、図26Aおよび図26Bに示すアスレチックシューズを用い、シューレースのみを代えて以下に示す試験例11〜17を用意した。図26Aの靴において、ハトメH3、H3の位置は図3の靴の第1ハトメH1、H1の位置に相当し、図26AのハトメH3、H3の位置は図3の第1ハトメH1、H1の位置に相当する。また、図3の第2ハトメH2は図26AのハトメH3、H3の間の位置に相当する。なお、前記試験に合わせ、ハトメの使用数を6とした。
図23A〜図23Gは前記試験例11〜17に用いたシューレースを示す概念的な平面図である。これらの平面図において、ハトメH3〜H3は全て第1ハトメであり、各ハトメH3〜H3間を通常の非伸縮シューレース31または伸縮性のあるゴム紐様の伸縮シューレース32を用いて締め付けた。図において、太線は通常の非伸縮シューレース31を示しており、細い線はゴム紐様の伸縮シューレース32を示す。
たとえば、試験例11においては第1ハトメH3−H3の間のみを伸縮シューレース32で締め付け、第1ハトメH3−H3の間を非伸縮シューレースで締め付け、第1ハトメH3−H3の間を別の非伸縮シューレースで締め付けた。なお、伸縮シューレース32の伸びは約15%程度以下に設定した。
伸縮シューレース32は第1ハトメ間が拡がるのを許容し、したがって、伸縮シューレース32で連結された第1ハトメの部位は第2ハトメが設けられた場合に近似した挙動を呈すると推測される。かかる推測に基づいて、以下に説明するテストを行った。
試験例11〜17の靴を被験者4名が着用し、足の踵を上げた際に、足が靴によって安定して保持されているか否かについて官能テストを行った。
本官能テストの結果は、周知の一対比較(AHP)法によって各試験例11〜16について評価数値を算出した。この算出結果を図24の棒グラフに示す。
図24のグラフから分るように、伸縮シューレース32をハトメH3および/またはH3にのみ設けた試験例11,12および14は大きい評価数値を示しており、足を安定して保持できることが分る。前記伸縮シューレース32はハトメ3およびハトメ3の双方に設けた場合に比べ、ハトメ3、3の一方に設けると、評価数値が高い。したがって、第2ハトメH2は片側2個よりも1個の方が足を安定して支持できるだろう。
一方、伸縮シューレース32をハトメH3に設けた試験例13,15および16は小さい数値を示しており、足を安定して保持できないことが分る。
特に、伸縮シューレース32を3つのハトメH3−H3にわたって設けた場合には、足の保持が不安定になることが分る。
つぎに、各試験例11,12,17,16の靴のハトメの近傍にマーカーを貼付し、各靴を足に装着し、前述の試験例1〜4と同様に前記距離D〜Dを測定した。その結果を図25A〜図25Dに示す。
この結果について以下に考察が説明される。
図25A〜図25Dのグラフから分るように、伸縮シューレース32をハトメH3またはH3に設けた試験例11,12は、伸縮シューレース32をハトメH3に設けた試験例17,16に比べ、ハトメ間距離D〜Dの変化が小さい。
特に、ハトメH3間のみを伸縮シューレース32で締結した試験例11は各ハトメ間距離D〜Dの変化が小さい。
ここで、各試験例11〜17として用いた図26Aおよび図26Bに示すアッパー2の各ハトメH3〜H3の足の骨格に対する位置を見ると、ハトメH3,H3は前記足の内側において第1趾の中足趾節間関節MPよりも後方Y2で、かつ、前記第1趾の中足骨の骨底B4Bよりも前方Y1の位置に配置され、一方、前記外側において第4趾の中足趾節間関節MPよりも後方Y2で、かつ、前記第4趾の中足骨の骨底B4bよりも前方Y1の位置に配置されている。
したがって、これらの領域にのみ第2ハトメH2を設けた場合に足の安定した保持と、足囲の変化に応じたフィット性能が最も高くなるものと推測される。
一方、図23Fのように、3つのハトメH3〜H3を伸縮シューレース32で連結した試験例16の場合には、図24および図25Dから分るとおり、ハトメ間距離D〜Dが著しく大きく拡がりすぎて、足を安定して保持することができないことがわかる。したがって、前記特許文献6(Nakano)においてサイドパネルをゴムまたは伸縮布で形成した場合には、足を安定して保持する機能が著しく低下するおそれがあると推測される。
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、サイドパネルはメインアッパーの外表面に沿って設けられてもよい。また、サイドパネルの伸縮部は足の内側面または外側面の一方にのみ設けられてもよい。
また、一対のサイドパネルを設け、一対のサイドパネルの一方にのみ伸縮部が設けられてもよいし、サイドパネルの位置は前後方向にずらして(斜向いに)配置してもよい。
また、伸縮部を有していないサイドパネルが一対設けられ、かつ、アッパーの前記サイドパネル以外の部分に伸縮部が設けられてもよい。この場合、伸縮部が設けられた第2ハトメが移動するだけでなく、サイドパネルに設けた第1ハトメが前後方向に移動する。
また、第1部はゴム弾性を持つ素材で形成されてもよいし、この場合、前後方向Yに直線状に設けられてもよい。また、第1部は必ずしも設ける必要がない。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
本発明は靴のアッパーを足にフィットさせるシューレースを備えた靴に適用される。
1:ソール
2:アッパー
2M:メインアッパー
2t:テープ材
20:側縁部
20A:第1側縁部
20B:第2側縁部
21:内側面
22:外側面
23:表面材
24:裏面材
25:切欠き
29:収容部
3:シューレース
4:舌片
5:伸縮部
5A:伸縮部
5B:伸縮部
50:第1部
50a:補強材
59:第2部
51:第1サイドパネル
52:第2サイドパネル
53:(サイドパネルの)先端部
53a:ハトメ部材
53b:ハトメ部材
54:(サイドパネルの)下端部
55:(サイドパネルの)中間部
55h:貫通孔
B:背面
B41 :第1趾の中足骨
B41 h:(第1趾の中足骨の)骨頭
B41 b:(第1趾の中足骨の)骨底
B45 :第5趾の中足骨
B45 h:(第5趾の中足骨の)骨頭
B45 b:(第5趾の中足骨の)骨底
f1:第1趾
f4:第4趾
f5:第5趾
H1:第1ハトメ
H2:第2ハトメ
IN:内側方向
Is:甲
OUT:外側方向
P1:(アッパーの)第1開口
P2:(アッパーの)第2開口
Le:脚
LJ:リスフラン関節
MP:MP関節
R:周方向
S1:(足の)内側面
S2:(足の)外側面
T:爪先
Y:前後方向
Y1:前方
Y2:後方
Z1:上方
Z2:下方

Claims (13)

  1. 紐締めフィッティング構造を備えた靴であって、
    着地の衝撃を吸収するソールと、足の甲を包むアッパーと、前記アッパーを足の甲にフィットさせるためのシューレース手段とを有し、
    前記アッパーは、着用時に脚が上方に出る第1開口と、前記第1開口の前方に設けられた第2開口とを有しており、前記2つの開口は、前後に互いに連なっており;
    前記アッパーは、
    足の内側面、外側面、爪先、甲および背面を覆う主部と、
    前記第2開口の側縁に沿って設けられ前記シューレース手段が通過すると共に係合する複数の第1ハトメを有する側縁部と、
    前記主部の内部または外部の空間において前記内側面に沿って上方ないし斜め上方に向って前記足の内側面を覆う第1サイドパネルと、
    前記主部の内部または外部の空間において前記外側面に沿って上方ないし斜め上方に向って前記足の外側面を覆う第2サイドパネルとを備え、ここにおいて、
    前記各サイドパネルは、前記サイドパネルの先端に設けられ前記シューレース手段が通過すると共に係合する第2ハトメを有する先端部と、
    前記主部および/または前記ソールに付着される下端部と、
    前記先端部と前記下端部との間に配置され前記先端部が前記下端部に対して足の前後方向に移動するのを許容する中間部とを備え、
    ここにおいて、前記両サイドパネルのうちの少なくとも一方のサイドパネルは、前記先端部から前記下端部までの長さが大きくなるように前記中間部が伸縮し、
    ここにおいて、足の前後方向において前記第2ハトメが第1趾の中足趾節間関節から第4趾のリスフラン関節までの間にのみ配置されており、前記第1趾の中足趾節間関節よりも前方および第4趾のリスフラン関節よりも後方には配置されていない。
  2. 請求項の靴において、前記両サイドパネルの双方において、前記先端部から前記下端部までの長さが大きくなるように前記中間部が伸縮する。
  3. 請求項の靴において、前記足の内側の第2ハトメが第1趾の中足趾節間関節よりも後方で、かつ、前記第1趾の中足骨の骨底よりも前方の位置にのみ配置され、
    前記外側の第2ハトメが第4趾の中足趾節間関節よりも後方で、かつ、前記第4趾の中足骨の骨底よりも前方の位置にのみ配置されている。
  4. 請求項の靴において、足の内側において前記第2ハトメは1個もしくは2個設けられ、かつ、3個以上設けられておらず、
    足の外側において前記第2ハトメは1個もしくは2個設けられ、3個以上設けられていない。
  5. 請求項の靴において、前記第2ハトメが内側または外側に複数設けられ、前記内側または外側の複数の第2ハトメの間には前記第1ハトメが設けられている。
  6. 紐締めフィッティング構造を備えた靴であって、
    着地の衝撃を吸収するソールと、足の甲を包むアッパーと、前記アッパーを足の甲にフィットさせるためのシューレース手段とを有し、
    前記アッパーは、着用時に脚が上方に出る第1開口と、前記第1開口の前方に設けられた第2開口とを有しており、前記2つの開口は、前後に互いに連なっており;
    前記アッパーは、
    足の内側面、外側面、爪先、甲および背面を覆う主部と、
    前記第2開口の側縁に沿って設けられ、前記シューレース手段が通過すると共に係合する複数の第1ハトメおよび1以上の第2ハトメをそれぞれ有する第1および第2側縁部とを備え、ここにおいて、
    足の屈曲時に前記第2側縁部が前記主部に対して足の周方向、前方および後方に移動できるように、前記両側縁部および主部よりも伸縮し易く、かつ、前記足の屈曲時に前記第2側縁部の少なくとも周方向の近傍において前記足の周方向に伸縮可能で、かつ、前記第2側縁部の前方および後方において前後方向に伸縮可能な状態で配置された伸縮部を介して前記第2側縁部が前記主部に繋がっており、
    前記伸縮部よりも伸縮し難い前記主部は足の外側において第5趾のリスフラン関節および中足骨骨底を覆い、前記主部は足の内側において第1趾の中足骨の骨底および/または骨頭を覆っており、
    ここにおいて、足の前後方向において前記第2ハトメが第1趾の中足趾節間関節から第4趾のリスフラン関節までの間にのみ配置されており、前記第1趾の中足趾節間関節よりも前方および第4趾のリスフラン関節よりも後方には配置されていない。
  7. 請求項の靴において、前記1以上の第2ハトメは複数個の第2ハトメからなり、前記第2ハトメが足の内側と外側の前記第2側縁部に各々設けられている。
  8. 請求項の靴において、前記足の内側の第2ハトメが第1趾の中足趾節間関節よりも後方で、かつ、前記第1趾の中足骨の骨底よりも前方の位置にのみ配置され、
    前記外側の第2ハトメが第4趾の中足趾節間関節よりも後方で、かつ、前記第4趾の中足骨の骨底よりも前方の位置にのみ配置されている。
  9. 請求項の靴において、足の内側において前記第2ハトメは1個もしくは2個設けられ、かつ、3個以上設けられておらず、
    足の外側において前記第2ハトメは1個もしくは2個設けられ、かつ、3個以上設けられていない。
  10. 請求項の靴において、前記第2ハトメが内側または外側に複数設けられ、前記内側または外側の複数の第2ハトメの間には前記第1ハトメが設けられている。
  11. 紐締めフィッティング構造を備えた靴であって、
    着地の衝撃を吸収するソールと、足の甲を包むアッパーと、前記アッパーを足の甲にフィットさせるためのシューレース手段とを有し、
    前記アッパーは、着用時に脚が上方に出る第1開口と、前記第1開口の前方に設けられた第2開口とを有しており、前記2つの開口は、前後に互いに連なっており;
    前記アッパーは、
    足の内側面、外側面、爪先、甲および背面を覆う主部と、
    前記第2開口の側縁に沿って設けられ、前記シューレース手段が通過すると共に係合する複数の第1ハトメおよび1以上の第2ハトメをそれぞれ有する第1および第2側縁部とを備え、ここにおいて、
    足の屈曲時に前記第2側縁部が前記主部に対して足の周方向、前方および後方に移動できるように、前記両側縁部および主部よりも伸縮し易く、かつ、前記足の屈曲時に前記第2側縁部の少なくとも周方向の近傍において前記足の周方向に伸縮可能で、かつ、前記第2側縁部の前方および後方において前後方向に伸縮可能な状態で配置された伸縮部を介して前記第2側縁部が前記主部に繋がっており、
    前記伸縮部よりも伸縮し難い前記主部は足の外側において第5趾のリスフラン関節および中足骨骨底を覆い、前記主部は足の内側において第1趾の中足骨の骨底および/または骨頭を覆っており、
    前記伸縮部は前記第2側縁部を前方、後方および下方から囲んでおり、
    前記第2側縁部の前方および後方において前記第2開口の側縁に沿って配置された第1部と、
    前記第2側縁部の下方に配置された第2部とを備え、前記第1部が前記第2部よりも伸縮しにくい。
  12. 請求項11の靴において、前記第2開口は前記第1部の部位において湾曲しており、前記第1部は前記第2開口に沿って湾曲しており、
    ここにおいて、前記湾曲した第1部は直線状に変形することで前記前後方向に伸び、かつ、前記湾曲した第1部の曲率が大きくなることで前記前後方向に縮む。
  13. 紐締めフィッティング構造を備えた靴であって、
    着地の衝撃を吸収するソールと、足の甲を包むアッパーと、前記アッパーを足の甲にフィットさせるためのシューレース手段とを有し、
    前記アッパーは、着用時に脚が上方に出る第1開口と、前記第1開口の前方に設けられた第2開口とを有しており、前記2つの開口は、前後に互いに連なっており;
    前記アッパーは、
    足の内側面、外側面、爪先、甲および背面を覆う主部と、
    前記第2開口の側縁に沿って設けられ、前記シューレース手段が通過すると共に係合する複数の第1ハトメおよび1以上の第2ハトメをそれぞれ有する第1および第2側縁部とを備え、ここにおいて、
    足の屈曲時に前記第2側縁部が前記主部に対して足の周方向、前方および後方に移動できるように、前記両側縁部および主部よりも伸縮し易く、かつ、前記足の屈曲時に前記第2側縁部の少なくとも周方向の近傍において前記足の周方向に伸縮可能で、かつ、前記第2側縁部の前方および後方において前後方向に伸縮可能な状態で配置された伸縮部を介して前記第2側縁部が前記主部に繋がっており、
    前記伸縮部よりも伸縮し難い前記主部は足の外側において第5趾のリスフラン関節および中足骨骨底を覆い、前記主部は足の内側において第1趾の中足骨の骨底および/または骨頭を覆っており、
    前記伸縮部は前記足の内側面または外側面の一部を覆い、かつ、前記内側面および外側面において、前記アッパーの主部を横断しておらず、
    前記伸縮部の下方において、前記主部における前記伸縮部よりも前方の部位と前記主部における前記伸縮部よりも後方の部位とが前記伸縮部よりも伸縮しにくい部材を介して連なっている。
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