JP2022156803A - シューズのアッパー構造およびシューズ - Google Patents

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Abstract

【課題】 足の底屈後の背屈動作をサポートできるシューズのアッパー構造を提供する。【解決手段】 シューズ1のアッパー構造において、着用者の足Pおよび踝LM、IMを覆うアッパー本体2を設ける。アッパー本体2が、足Pの楔状骨CFまたは舟状骨NBに対応する位置に配置され、弾性変形による伸縮性が相対的に大きい伸縮部20と、伸縮部20を囲繞する領域に配置され、相対的に伸縮性が小さい非伸縮部21と、踝LM、IMの直近上方位置に対応する位置に配置され、踝LM、IMの直近上方位置を緊締する緊締部4とを備えている。【選択図】 図1

Description

本発明は、足の底屈後の背屈動作をサポートできるシューズのアッパー構造、および当該アッパー構造を備えたシューズに関する。
運動時の足の背屈に関連した先行技術として、特開2020-92889号公報には、内外の踝を包むハイカットシューズにおいて、アッパー(1)の側縁部(15)の上端部(15E)から中間部(15M)にわたって延びる収容部(15B)に第1剛性パーツ(21)を収容したものが記載されている(段落[0006]、[0014]、[0028]、[0047]、図1、図2参照)。
上記公報には、運動時に第1剛性パーツ(21)が過大な背屈を抑制し、これにより、背屈時に足関節の屈曲角度が過大にならないようにして、走行や跳躍のパフォーマンスを安定させることができると記載されている([0016]、[0029]、[0050]、[0068]参照)。
その一方、車の運転時には、ペダルの踏み込みや踏み戻し、踏み替え等が行われており、その際、ドライバーの足は底背屈運動を行うので、底背屈の切り替えや底背屈動作をサポートすることができれば、ペダルの操作性を向上できる。
しかしながら、従来のシューズにおいては、上記公報に示すように、過大な背屈を抑制するように構成したものしかなく、上述した従来の課題を解決するものはなかった。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、足の底屈後の背屈動作をサポートできるシューズのアッパー構造を提供することにある。また、本発明は、このようなアッパー構造を備えたシューズを提供しようとしている。
本発明に係るシューズのアッパー構造は、着用者の足および踝を覆うアッパー本体を備えており、アッパー本体が、足の少なくとも楔状骨または舟状骨に対応する位置に配置され、弾性変形による伸縮性が相対的に大きい伸縮部と、伸縮部を囲繞する領域に配置され、相対的に伸縮性が小さい非伸縮部と、踝の直近上方位置に対応する位置に配置され、踝の直近上方位置を緊締する緊締部とを備えている。
本発明によれば、足の底屈時には、アッパー本体の伸縮部が弾性変形して伸長することにより、底屈動作を阻害することなくスムーズに底屈動作を行うことができるとともに、足の背屈時には、弾性変形により伸長した伸縮部が元に戻ろうとして収縮する際に弾性復元力が背屈方向に作用する(すなわち、弾性変形により蓄積された弾性ひずみエネルギが解放される)ことにより、底屈後の背屈動作をサポートすることができる。また、伸縮部が非伸縮部で囲繞されていることにより、伸縮部の伸縮時には、足の少なくとも楔状骨または舟状骨に対応する位置に配置された伸縮部を効果的に伸縮させることができるので、底屈動作を効果的に促進できるとともに、底屈後の背屈動作を効果的にサポートできる。さらに、踝の直近上方位置を緊締する緊締部を設けたので、緊締部により踵の直近上方位置を緊締することにより、踝の直近上方位置とアッパー本体との間に遊びが生じないようにすることができ、これにより、足の動きにともなってアッパー本体がずれることで底屈動作時に伸縮部が十分に伸長できず、その結果、背屈動作時に十分な弾性復元力が得られなくなるのを回避できる。
本発明では、伸縮部が、足の底屈時に伸長して弾性ひずみエネルギを蓄積し、足の背屈時に弾性ひずみエネルギを解放することにより、足の背屈をサポートするようになっている。
本発明では、アッパー本体の後端部が、踵後端に立てた鉛直方向の垂線に対して前方に向かって傾斜している。
本発明によれば、着用者がシューズを着用した状態で、着用者の足が自然に背屈状態におかれるようになっているので、足の底屈後に背屈動作に移行する際には、伸長部の戻り変形にともなって速やかに足を背屈状態に移行させることができる。
本発明では、アッパー本体の後端部の一部には、他の部分に比べて上下方向に圧縮変形しやすい圧縮変形部が設けられている。
本発明によれば、足の底屈時に伸縮部が弾性変形して伸長する際には、アッパー本体の後端部が上下方向に圧縮変形しようとするが、このとき、圧縮変形部が他の部分に比べて圧縮変形しやすくなっているので、圧縮変形部が圧縮変形することでアッパー本体の後端部がスムーズに圧縮変形でき、これにより、底屈動作を阻害することなくスムーズに底屈動作を行うことができる。
本発明では、圧縮変形部が、足のアキレス腱に対応する位置に配置されている。この場合、足の底屈動作の際には、アキレス腱に対応するアッパー本体の領域が圧縮変形しやすくなっているので、アキレス腱への負荷を軽減できる。
本発明では、アッパー本体が、足の足背上部に対応する領域に形成された前後方向の開口を有するとともに、開口を塞ぐ舌革部を有しており、伸縮部が舌革部に設けられている。
本発明によれば、足の底屈時には、舌革部の伸縮部が弾性変形して伸長することにより、底屈動作を阻害することなくスムーズに底屈動作を行うことができるとともに、足の背屈時には、弾性変形により伸長した舌革部の伸縮部が元に戻ろうとして収縮する際に弾性復元力が作用することにより、背屈動作をサポートすることができる。
本発明では、舌革部の伸縮部の少なくとも一方の側方において、アッパー本体の開口の縁部に伸縮部が設けられている。
本発明によれば、足の底屈時には、舌革部の伸縮部およびアッパー本体の開口縁部の伸縮部が弾性変形して伸長することにより、底屈動作を阻害することなくスムーズに底屈動作を行うことができるとともに、足の背屈時には、弾性変形により伸長した各伸縮部が元に戻ろうとして収縮する際に弾性復元力が作用することにより、背屈動作をサポートすることができる。
本発明に係るシューズは、前記アッパー構造と、その下部に固着されたソールとを備えている。
以上のように、本発明によれば、足の背屈時には、底屈時の弾性変形により伸長した伸縮部が収縮する際に弾性復元力を作用させることにより、背屈動作をサポートできる。また、伸縮部の伸縮時には、伸縮部が非伸縮部で囲繞されていることにより、伸縮部を効果的に伸縮させることができるので、背屈動作を効果的にサポートできる。さらに、踝の直近上方位置を緊締する緊締部を設けたことにより、踝の直近上方位置とアッパー本体との間に遊びが生じないようにすることができ、これにより、足の動きにともなってアッパー本体がずれることで底屈動作時に伸縮部が十分に伸長できず、その結果、背屈動作時に十分な弾性復元力が得られなくなるのを回避できる。
本発明の第1の実施例によるアッパー構造を備えたシューズ(左足用)の外甲側側面概略図であって、着用者の足の骨格構造を併せて示しており、シューズの着用時に足が背屈した状態が示されている。 前記シューズ(図1)の内甲側側面概略図である。 前記シューズ(図1)の平面概略図である。 前記シューズ(図1)の踵後端面概略図である。 前記シューズ(図1)において、足が底屈した状態を示している。 本発明の第2の実施例によるアッパー構造を備えたシューズ(左足用)の外甲側側面概略図であって、シューズの着用時に足が背屈した状態が示されている。 前記シューズ(図6)において、着用者の足の骨格構造を併せて示している。 前記シューズ(図6)の内甲側側面概略図である。 前記シューズ(図6)の平面概略図である。 本発明の第3の実施例によるアッパー構造を備えたシューズ(左足用)の外甲側側面概略図であって、シューズの着用時に足が背屈した状態が示されている。 前記シューズ(図10)の踵後端面概略図である。
<第1の実施例>
図1ないし図5は、本発明の第1の実施例によるアッパー構造およびこれを採用したシューズを説明するための図であって、ここでは、シューズとして、ドライビングシューズを例にとる。また、左足用のシューズを例示して説明するが、右足用のシューズについても同様に適用されるので、右足用のシューズについての例示は省略する(第2、第3の実施例においても同様)。
以下の説明文中(後述する第2、第3の実施例においても同様)、上方(上側/上部/上)および下方(下側/下部/下)とは、シューズの上下方向の位置関係を表し、前方(前側/前部/前)および後方(後側/後部/後)とは、シューズの前後方向の位置関係を表しており、幅方向とはシューズの幅方向(左右方向)を指すものとする。たとえば図1の外甲側側面図を例にとった場合、上方および下方は、同図の上方および下方をそれぞれ指し、前方および後方は、同図の左方および右方をそれぞれ指しており、幅方向は、同図の紙面奥行方向を指している。
図1ないし図5には、シューズが着用者により着用された状態が示されており、各図中、着用者の足Pおよび脚Lが細線または一点鎖線で示されているが、シューズが着用者により着用されていない状態についても、図1ないし図4に示す状態と同様である。図1ないし図4は、着用者がシューズを着用して足Pおよび脚Lを脱力した状態にした(すなわち、アッパー表面に張力や圧縮力を作用させないようにした)とき、脚Lが前傾して足Pが背屈状態におかれ、この背屈状態がいわゆるニュートラル状態であることを示している。これに対して、図5は、着用者がシューズを着用した状態で足Pを底屈させた状態を示している。このとき、脚Lは直立状態に移行している。
各図中、符号CC、TL、CB、MTはそれぞれ踵骨、距骨、立方骨、中足骨を示し、符号NB、CFはそれぞれ舟状骨、楔状骨を示し、符号FB、TBはそれぞれ腓骨、脛骨を示している。腓骨FBの下部には外踝LMが配置され、脛骨TBの下部には内踝IMが配置されている。楔状骨CFは、図3に示すように、内甲側から外甲側に向かって順に配置された内側楔状骨CF、中間楔状骨CF、外側楔状骨CFから構成されている。図3中、符号MP、LF、TTはそれぞれ中足趾節関節、リスフラン関節、ショパール関節(横足根関節)を示しており、符号MT、MTはそれぞれ第1趾中足骨、第5趾中足骨を示している。また、図4中、符号ATはアキレス腱を示している。
図1ないし図3に示すように、シューズ1のアッパー構造は、着用者の足Pおよび脚Lの下部を覆うアッパー本体2を有している。アッパー本体2は、足Pの全体を覆うようにシューズ1の全長にわたって延設されており、足Pの前足領域、中足領域(土踏まず領域)、踵領域にそれぞれ対応する前足部F、中足部M、踵部Hを有している。アッパー本体2は、さらに踝(つまり外踝LMおよび内踝IM)を覆うとともに、踝LM、IMの上方位置まで延びており、シューズ1は、いわゆるハイカットシューズと呼称される類のシューズである。アッパー本体2の上端には、足Pを挿入するための履き口10が開口形成されている。アッパー本体2の下部には、ソール3が接着等により固着されている。
アッパー本体2は、足背上部に伸縮部(グレー着色領域)20を有している(図4を除く各図参照)。伸縮部20は、平面視概略矩形状の領域であって(図3参照)、上側に配置されかつ外甲側から内甲側に向かって実質的に左右方向に延びる上側縁部20aと、上側縁部20aの外甲側端から前方に向かって斜め下方に延びる外甲側縁部20bと、上側縁部20aの内甲側端から前方に向かって斜め下方に延びる内甲側縁部20bと、下側に配置されかつ外甲側縁部20bの下端から内甲側縁部20bの下端に向かって実質的に左右方向に延びる下側縁部20cとから構成されている。上側縁部20aおよび外甲側縁部20bは、外甲側において、逆向きの「く」の字状(または横向きのV字状)に交差している(図1参照)。上側縁部20aおよび内甲側縁部20bは、内甲側において、「く」の字状(または横向きのV字状)に交差している(図2参照)。なお、各縁部の連結部はアール状に形成されており、応力集中が生じないようになっている。
伸縮部20は、足Pの楔状骨CF(図示例では、内側楔状骨CF、中間楔状骨CFおよび外側楔状骨CF)ならびに舟状骨NBに対応する位置に配置されている。好ましくは、伸縮部20は、主に、内側楔状骨CF、中間楔状骨CF、外側楔状骨CFおよび舟状骨NBの各上面を覆うように配置されている。伸縮部20の周囲には、非伸縮部21が配設されている。別の言い方をすれば、伸縮部20は、非伸縮部21により囲繞されている。伸縮部20の各縁部は、非伸縮部21に縫製等により固着されている。より詳細には、非伸縮部21には、伸縮部20に対応する平面視概略矩形状の開口部21Cが貫通形成されており、伸縮部20は開口部21Cを閉塞しつつ開口部21Cの縁部に縫製等により固着されている。伸縮部20は、弾性変形による伸縮性が相対的に大きい領域であり、これに対して、非伸縮部21は、相対的に伸縮性が小さい領域である。伸縮部20は、縫い目を有しないノーソー(no-sew)材が好ましい。これは、縫い目が伸縮性に影響を与え得るからである。
伸縮部20は、たとえばスパンデックスやエラストマー、ラバーのような弾性繊維を含む伸縮性素材から構成されている。ここで、スパンデックスとは、ポリウレタンを溶剤に溶かして紡糸した弾性繊維のことである。なお、伸縮部20の弾性に異方性がある(つまり、方向によって弾性係数に違いがある)場合には、たとえば、弾性係数が小さい方向(つまり、伸びにくい方向)がアッパー本体2の前後方向に向くように、伸縮部20が配置される。これにより、同じ大きさのひずみに対してより大きな弾性ひずみエネルギが蓄積するようになる。非伸縮部21は、相対的に伸縮性の低い素材から構成されており、非伸縮部21の表地としては、たとえば天然皮革や人工皮革、合成皮革、ナイロン等が用いられ、裏地としてはたとえばメッシュ素材が用いられている。
一方、ソール3は軟質弾性部材から構成されており、具体的には、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性合成樹脂やその発泡体、ポリウレタン(PU)等の熱硬化性樹脂やその発泡体、またはブタジエンラバーやクロロプレンラバー等のラバー素材やその発泡体から構成されている。ソール3の底部の所望の領域には、硬質弾性部材からなるアウトソール(図示せず)が設けられている。硬質弾性部材としては、具体的には、熱可塑性ポリウレタン(TPU)やポリアミドエラストマー(PAE)等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、またはソリッドラバーが用いられている。また、ソール3は、踵後端において上方に延びる略平坦状の巻上げ部3aを有している。運転の際には、巻上げ部3aが車内のフロアに当接することにより、シューズ1の姿勢を安定させるようになっている。
アッパー本体2の上部において、履き口10の直近下方位置には、緊締部(アンカー部)4が設けられている。緊締部4は、踝LM、IMの直近上方位置(図示例では、内踝IMの直近上方位置)に対応する位置に配置されており、踝LM、IMの直近上方位置を緊締するための部材である。緊締部4は、たとえばベルト状の部材であって、図示例では、一端(基端)がアッパー本体2の内甲側に縫製等で固着されており、他端(先端)がアッパー本体2の外甲側において面ファスナ(図示せず)等を介して係脱自在に設けられている。緊締部4は、非伸縮部21と同様に、相対的に伸縮性の低い素材から構成されており、たとえば天然皮革や人工皮革、合成皮革、ナイロン等が用いられている。
アッパー本体2の踵後端部には、圧縮変形部5が設けられている。圧縮変形部5は、足Pの底屈動作時にアッパー本体2の踵後端部の上下方向の圧縮変形を許容して促進させるためのものであって、踵後端部の他の部分に比べて上下方向に圧縮変形しやすくなっている。
圧縮変形部5は、図4に示すように、踵後端方向から見て、たとえば概略菱形状、概略紡錘状または概略両凸レンズ状に形成されている。すなわち、圧縮変形部5は、上側に配置されかつ前方に向かって斜め下方に傾斜しつつ延びる上側縁部5aと、下側に配置されかつ前方に向かってまたは斜め上方に傾斜しつつ延びる下側縁部5bとから構成されている。圧縮変形部5の周囲には、非伸縮部21が配設されており、圧縮変形部5は非伸縮部21により囲繞されている。圧縮変形部5の各縁部5a、5bは、非伸縮部21に縫製等により固着されている。より詳細には、非伸縮部21には、踵後端部において、圧縮変形部5に対応する概略菱形状、概略紡錘状または概略両凸レンズ状の開口部21Dが貫通形成されており、圧縮変形部5は開口部21Dを閉塞しつつ開口部21Dの縁部に縫製等により固着されている。非伸縮部21の配設領域は、総括すると、アッパー本体2のうち、伸縮部20および圧縮変形部5を除く領域である。伸縮部20および圧縮変形部5の間には、図1、図2および図5に示すように、非伸縮部21が後方に向かって斜め上方に延びるように帯状に配設されている。
圧縮変形部5は、図4に示すように、足のアキレス腱ATに対応する位置に配設されている。この例では、踵後端方向から見て、アキレス腱ATは、圧縮変形部5の左右方向の中央部を通って上下方向に延びている。
圧縮変形部5は、たとえばメッシュ素材等の柔軟素材から構成されており、圧縮変形時に規則正しい折り目(つまり皺)が入るようになっているものが好ましい。また、折り目の形成時には、圧縮変形部5がアッパー本体2の内部に突出して足Pを圧迫することで足当たりを悪くしないようになっているものが好ましい。また、図示していないが、アッパー本体2の踵後端部には、足Pの踵骨CCをホールドするために、ヒールカウンターが設けられるとともに、たとえば発泡ポリウレタン等のスポンジからなる2層構造のスポンジ層が設けられているのが好ましい。
ここで、ソール3の底面(接地面)3bを水平面100上に配置した状態で(図1、図2参照)、水平面100に対してシューズ1の踵後端を通る垂線101を立てるとともに、アッパー本体2の踵後端面に接する接線102を引くと、接線102は垂線101に対して前方に傾斜している。
具体的には、接線102は垂線101に対して前方に角度θだけ傾斜しているのが好ましい。この角度θは、好ましくは、
5°≦θ≦30°
の関係式を満足している。
次に、本実施例の作用効果について説明する。
ここでは、車の運転を行う際の足の動きに着目する。ドライバーが運転中にペダルの踏み込みを行うために底屈を行うと、図5に示すように、足の距腿関節を中心とする足関節(以下、単に「足関節」という)により足首が足裏方向に向かって回転し、足の甲部が脛部から離間する。このとき、アッパー本体2の足背上部(すなわち、足の少なくとも楔状骨CFまたは舟状骨NBに対応する位置)が前後方向に伸びようとするので、アッパー本体2の伸縮部20が弾性変形し、足背上部に沿って前後方向に伸長する(図5参照)。図5を図1と比較すると分かるように、伸縮部20の足背上部に沿った長さが弾性変形後に伸びている。これにより、アッパー本体2の足背上部の引張変形が容易になるとともに、引張変形にともなって伸縮部20に弾性ひずみエネルギが蓄積される。
また、足が底屈する際には、アッパー本体2の踵後端の圧縮変形部5が上下方向に圧縮変形しやすくなっているので、底屈動作が阻害されることなくスムーズに行われる(図5参照)。図5を図1と比較すると分かるように、圧縮変形部5の圧縮変形時には、圧縮変形部5には横方向の規則正しい折り目が入っている。さらに、圧縮変形部5が足のアキレス腱ATに対応する位置に配置されており(図4参照)、足の底屈動作の際には、アキレス腱ATに対応するアッパー本体5の領域が圧縮変形しやすくなっているので、底屈動作時にアキレス腱ATへの負荷を軽減できる。
次に、ドライバーがペダルの踏み戻しや踏み替えを行うために足を背屈させようとする際には、足関節により足首が足甲方向に向かって回転して足の甲部が脛部に接近しようするが、このとき、底屈時に伸縮部20に蓄積されていた弾性ひずみエネルギが解放されることにより、伸縮部20が元の状態に戻ろうとして弾性復元力が背屈方向に作用するので、ドライバーが背屈時に足に作用させる力を軽減させることができ、底屈後の背屈動作への移行をサポートすることができる。これにより、ペダルの操作性を向上できる。また、長時間の運転中でもドライバーの足の疲労を軽減させ得る。さらに、高齢ドライバーによるアクセルペダルの踏み込み過ぎによる事故や、ペダルの踏み戻しができないことに起因した事故を減少させられる可能性がある。
また、足の底背屈動作の際の伸縮部20の伸縮時には、アッパー本体2の伸縮部20が非伸縮部21で囲繞されていることにより(図4以外の各図参照)、足の少なくとも楔状骨CFまたは舟状骨NBに対応する位置に配置された伸縮部20を効果的に伸縮させることができるので、底屈動作を効果的に促進できるとともに、底屈後の背屈動作を効果的にサポートできる。
しかも、緊締部4により、アッパー本体2の履き口10の直近下方位置、したがって、脚Lにおいて内踝IMおよび外踝LMの直近上方位置(この例では、内踝IMの直近上方位置)が緊締されており(図3以外の各図参照)、脚Lの周囲とアッパー本体2の履き口10との間に遊びがなくなっている(図1、図2、図5参照)。そのため、足Pの底屈動作時には、アッパー本体2の履き口10が脚Lに対して前後方向にずれることも内踝IMより下方にずれることもなくなり(つまり、内踝IMが緊締部4のストッパとして作用し)、これにより、アッパー本体2の足背上部に配置された伸縮部20が前後方向にロスなく伸長して十分な弾性ひずみエネルギを蓄積でき(図5参照)、その結果、足Pの底屈後の背屈動作への移行時には、蓄積されていた弾性ひずみエネルギを解放することによって、背屈動作を確実にサポートできる。また、緊締部4の緊締により、底屈時には圧縮変形部5が上下方向にロスなく圧縮変形することができる(図5参照)。
これに対して、アッパー本体2の履き口10の直近下方位置(すなわち、脚Lにおいて内踝IMおよび外踝LMの直近上方位置)が緊締部4により緊締されずに、脚Lの周囲とアッパー本体2の履き口10との間に遊びが生じている場合には、足Pの底屈動作の際にアッパー本体2の履き口10が脚Lに対して前後方向および上下方向にずれることで、アッパー本体2の伸縮部20が伸長時にロスを生じて十分に伸長することができず、十分な弾性ひずみエネルギを蓄積できない。その結果、足Pの背屈動作の際には、伸縮部20の背屈動作をサポートするほどの十分な弾性復元力が作用しなくなる。また、圧縮変形部5についても、底屈時の上下方向の圧縮変形時にロスが生じて、アッパー本体2の踵後端部がずれることにより、靴擦れ等の原因になる。
さらに、アッパー本体2の後端部は、踵後端に立てた鉛直方向の垂線101に対して前方に向かって傾斜しており(図1、図2参照)、具体的には、図示例のように角度θだけ傾斜しているのが好ましく、角度θは、5°≦θ≦30°であるのが好ましい。このような関係式が成立しているので、着用者がシューズ1を着用した状態で、着用者の足Pが自然に背屈状態におかれるようになっている(図1、図2参照)。すなわち、着用者がシューズ1を着用して足Pおよび脚Lを脱力状態にし、アッパー表面に張力や圧縮力を作用させないようにしたとき、脚Lが前傾して足Pが背屈状態におかれるようになっている。
これにより、足の底屈時には、足首の足裏方向への回転角を大きくすることができ、伸縮部20の弾性伸びを増加させて伸縮部20に蓄積される弾性ひずみエネルギを大きくすることができる。その結果、足の背屈状態への移行時に伸縮部20が戻り変形する際、大きな弾性反発力が作用するので、底屈から背屈への移行をよりスムーズにサポートできるようになる。なお、足の底屈時には、図5に示すように、アッパー本体2の後端部の前方への傾斜角はθ’(<θ)になっている。
<第2の実施例>
図6ないし図9は、本発明の第2の実施例によるアッパー構造およびこれを採用したシューズを説明するための図であって、これらの図において、前記第1の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。この第2の実施例においても、前記第1の実施例と同様に、ドライビングシューズを例にとる。図6、図7は前記第1の実施例の図1に、図8は前記第1の実施例の図2に、図9は前記第1の実施例の図3にそれぞれ対応している。よって、図6および図8はシューズが着用者により着用された状態を示しているが、シューズが着用者により着用されていない状態についても同様であって、各図は、着用者がシューズを着用して足Pおよび脚Lを脱力した状態にした(すなわち、アッパー表面に張力や圧縮力を作用させないようにした)とき、脚Lが前傾して足Pが背屈状態におかれることを示している。
この第2の実施例では、図6ないし図9に示すように、アッパー本体2において、足の足背上部に対応する領域に前後方向に延びる開口25が形成されるとともに、開口25を覆いかつアッパー本体2の上端の履き口10の上方まで延びる(図6、図8参照)舌革部26が設けられている点が前記第1の実施例と異なっている。開口25内には、靴紐40が配設されている。舌革部26は、伸縮部(グレー着色領域)26Aを有している。伸縮部26Aは、平面視概略矩形状の領域であって(図9参照)、足Pの楔状骨CF(図7の例示では、内側楔状骨CF、中間楔状骨CFおよび外側楔状骨CF)ならびに舟状骨NBに対応する位置に配置されている。好ましくは、伸縮部26Aは、主に、内側楔状骨CF、中間楔状骨CF、外側楔状骨CFおよび舟状骨NBの各上面を覆うように配置されている。
舌革部26において、伸縮部26A以外の領域は、非伸縮部26Bから構成されている。非伸縮部26Bは、伸縮部26Aの前側および後側に配置されており、伸縮部26Aの前後端縁部に縫製等により固着されている。伸縮部26Aは、弾性変形による伸縮性が相対的に大きい領域であり、これに対して、非伸縮部26Bは、相対的に伸縮性が小さい領域である。
伸縮部26Aは、前記第1の実施例の伸縮部20と同様に、たとえばスパンデックスやエラストマー、ラバーのような弾性繊維を含む伸縮性素材から構成されている。伸縮部26Aの弾性に異方性がある場合には、たとえば、弾性係数が小さい方向がアッパー本体2の前後方向に向くように、伸縮部26Aが配置される。これにより、同じ大きさのひずみに対してより大きな弾性ひずみエネルギが蓄積するようになる。非伸縮部26Bは、相対的に伸縮性の低い素材から構成されており、非伸縮部26Bの表地としては、たとえば天然皮革や人工皮革、合成皮革、ナイロン等が用いられ、裏地としてはたとえばメッシュ素材が用いられている。
舌革部26の伸縮部26Aの両側方において、アッパー本体2の開口部25の縁部には、前記第1の実施例の伸縮部20と同様の伸縮部20が配置されている。前記実施例では、伸縮部20が外甲側から足甲上部を通って内甲側まで一体に連設された例を示したが、この第2の実施例では、前記第1の実施例の伸縮部20における足甲上部領域を舌革部26の伸縮部26Aがカバーしており、その左右両側方の領域を左右一対の伸縮部20がカバーしていて、全体のカバー領域が前記第1の実施例の伸縮部20の配設領域と略一致している。
アッパー本体2の外甲側における伸縮部20は、図6、図7に示すように、上側に配置されかつ実質的に左右方向に延びる上側縁部20aと、上側縁部20aの外甲側端から前方に向かって斜め下方に延びる外甲側縁部20bと、下側に配置されかつ外甲側縁部20bの下端から実質的に左右方向に延びる下側縁部20cとから構成されている。同様に、アッパー本体2の内甲側における伸縮部20は、図8に示すように、上側に配置されかつ実質的に左右方向に延びる上側縁部20aと、上側縁部20a
の内甲側端から前方に向かって斜め下方に延びる内甲側縁部20bと、下側に配置されかつ内甲側縁部20bの下端から実質的に左右方向に延びる下側縁部20cとから構成されている。図示例では、舌革部26の伸縮部26Aが足Pの楔状骨CF(内側楔状骨CF、中間楔状骨CFおよび外側楔状骨CF)ならびに舟状骨NBに対応する位置に配置されているが、アッパー本体2の内外甲側における各伸縮部20および伸縮部26Aを併せた領域が、楔状骨CF(内側楔状骨CF、中間楔状骨CFおよび外側楔状骨CF)ならびに舟状骨NBに対応する位置に配置されるようにしてもよい。
アッパー本体2の外甲側において、伸縮部20の上側縁部20aおよび外甲側縁部20bは、逆向きの「く」の字状(または横向きのV字状)に交差しており(図6、図7参照)、アッパー本体2の内甲側において、伸縮部20の上側縁部20aおよび内甲側縁部20bは、「く」の字状(または横向きのV字状)に交差している(図8参照)。なお、各縁部の連結部はアール状に形成されており、応力集中が生じないようになっている。
緊締部4の一端(基端)はアッパー本体2の内甲側に縫製等で固着されており(図8参照)、他端(先端)はアッパー本体2の外甲側に面ファスナ40を介して係脱自在に設けられている(図6参照)。アッパー本体2の内外甲側において、各伸縮部20の配設領域には、それぞれベルト片28が設けられている(図6、図8中の一点鎖線参照)。各ベルト片28の先端には、靴紐40が通される貫通孔が形成されている。内外甲側の各ベルト片28を靴紐40で緊締することにより、舌革部26の伸縮部26Aおよびアッパー本体2の開口25の縁部の伸縮部20が一体化されて、全体として一つの伸縮部として機能するようになっている。また、各ベルト片28を緊締することにより、アッパー本体2の踵部Hを足Pの踵領域に斜め下方から密着させて、足の底屈時に足Pの踵領域の浮き上がりを防止できる。なお、図示していないが、アッパー本体2の内外甲側において、伸縮部20に靴紐用のハトメ孔を補強材を介して設けるようにしてもよく、靴紐40をハトメ孔に通して緊締することによっても、足の底屈時の踵の浮き上がりを防止できる。
この第2の実施例の作用効果は、前記第1の実施例と同様であるが、舌革部26の伸縮部26Aおよびアッパー本体2の開口25の縁部の伸縮部20が前記第1の実施例の伸縮部20として機能する点が異なっている。したがって、足の底屈動作の際には、舌革部26の伸縮部26Aおよび伸縮部20が弾性変形し、足背上部に沿って前後方向に伸長する。これにより、アッパー本体2の足背上部の引張変形が容易になるとともに、引張変形にともなって伸縮部26Aおよび伸縮部20に弾性ひずみエネルギが蓄積される。なお、足が底屈する際にアッパー本体2の踵後端の圧縮変形部5が上下方向に圧縮変形する点は、前記第1の実施例と同様である。
次に、足の背屈動作の際には、底屈時に舌革部26の伸縮部26Aおよび伸縮部20に蓄積されていた弾性ひずみエネルギが解放されることにより、伸縮部26Aおよび伸縮部20が元の状態に戻ろうとして弾性復元力が背屈方向に作用するので、底屈後の背屈動作への移行をサポートすることができる。
また、足の底背屈動作の際の伸縮部26Aの伸縮時には、舌革部26の伸縮部26Aの前後に非伸縮部26Bが配設されていることにより、足の少なくとも楔状骨CFまたは舟状骨NBに対応する位置に配置された伸縮部26Aを効果的に伸縮させることができるので、底屈動作を効果的に促進できるとともに、底屈後の背屈動作を効果的にサポートできる。
なお、アッパー本体2の後端部が、踵後端に立てた鉛直方向の垂線101に対して前方に向かって角度θだけ傾斜しており、この角度θは5°≦θ≦30°であるのが好ましい。この関係式が成立している点は、前記第1の実施例と同様である。これにより、上述したように、着用者がシューズ1を着用した状態で、着用者の足Pが自然に背屈状態におかれるようになっており(図6ないし図8参照)、したがって、着用者がシューズ1を着用して足Pおよび脚Lを脱力状態にし、アッパー表面に張力や圧縮力を作用させないようにしたとき、脚Lが前傾して足Pが背屈状態におかれるようになっている。
よって、足の底屈時には、足首の足裏方向への回転角を大きくすることができ、伸縮部26Aおよび伸縮部20の弾性伸びを増加させて伸縮部26Aおよび伸縮部20に蓄積される弾性ひずみエネルギを大きくすることができる。その結果、足の背屈状態への移行時に伸縮部26Aおよび伸縮部20が戻り変形する際、大きな弾性反発力が作用するので、底屈から背屈への移行をよりスムーズにサポートできるようになる。
<第3の実施例>
図10および図11は、本発明の第3の実施例によるアッパー構造およびこれを採用したシューズを説明するための図であって、これらの図において、前記第1、第2の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。この第3の実施例においても、前記第1、第2の実施例と同様に、ドライビングシューズを例にとる。図10は前記第2の実施例の図6に、図11は前記第1の実施例の図4にそれぞれ対応している。よって、図10はシューズが着用者により着用された状態を示しているが、シューズが着用者により着用されていない状態も同様であって、同図は、着用者がシューズを着用して足Pおよび脚Lを脱力した状態にした(すなわち、アッパー表面に張力や圧縮力を作用させないようにした)とき、脚Lが前傾して足Pが背屈状態におかれることを示している。
前記第1および第2の実施例では、アッパー本体2の踵後端において、非伸縮部21に貫通形成した開口部21Dをメッシュ素材等の柔軟素材からなる圧縮変形部5で単に覆うようにした例を示したが、この第3の実施例では、図10および図11に示すように、メッシュ素材の表裏を挿通しつつ左右方向に延びるステッチ(縫い目)50を入れることにより、ステッチ50に沿って凹部を形成している。図示例では、上下方向に間隔を隔てた複数本(たとえば3本)のステッチ50が配設されており、これにより、上下方向に間隔を隔てた複数(たとえば3個)の凹部が形成されている。
この第3の実施例によれば、圧縮変形部5の圧縮変形の際には、各ステッチ50による各凹部に沿って規則正しい折り目が入ることにより、各凹部の位置で各凹部に沿って圧縮変形部5が圧縮変形するようになるので、圧縮変形が阻害されることなく、スムーズな圧縮変形が促進されるとともに、圧縮変形時に圧縮変形部5が内部の足P(とくにアキレス腱AT)を過度に圧迫することもなくなって、足当たりを向上できる。
足の底背屈時における伸縮部26Aおよび伸縮部20の作動については、前記第1、第2の実施例と同様であり、前記第1、第2の実施例と同様の作用効果を奏する。
図示例では、各ステッチ50が左右方向に整列して規則正しく配設されているものが示されているが、各ステッチ50は不規則に配設されているものでもよい。
また、この第3の実施例では、前記第2の実施例のベルト片28に相当するベルトが、アッパー本体2の踵後端から足背上部に向かって延びる左右一対の長尺のベルト28から構成されている点が前記第2の実施例と異なっている。
<第1の変形例>
前記第1の実施例では、伸縮部20(前記第2、第3の実施例では、舌革部26の伸縮部26A)が、足Pの内側楔状骨CF、中間楔状骨CF、外側楔状骨CFおよび舟状骨NBに対応する位置に配置され、主に、内側楔状骨CF、中間楔状骨CF、外側楔状骨CFおよび舟状骨NBの各上面を覆うように配置された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
シューズ1の着用時に足Pを底屈したとき、アッパー本体2の足背上部に張力を生じさせる領域であれば、伸縮部が配置される領域は、足背上部の一部の領域でもよく、たとえば、内側楔状骨CF、中間楔状骨CF、外側楔状骨CFおよび舟状骨NBを含む領域のうちの一部の領域、たとえば中間楔状骨CFのみ、中間楔状骨CFおよび内側楔状骨CFのみ、中間楔状骨CFおよび外側楔状骨CFのみ、内側楔状骨CFおよび外側楔状骨CFのみ、舟状骨NBのみ、または、舟状骨NBおよびいずれかの楔状骨CFのみの領域でもよい。なお、足を底屈させた際の足の皮膚伸びを測定したところ、中間楔状骨CFおよび(または)舟状骨NBに対応する皮膚領域の伸びが最も大きかった。そこで、本明細書中では、伸縮部が配置される領域として、足Pの少なくとも楔状骨CFまたは舟状骨NBに対応する領域と表現している。
<第2の変形例>
前記第1ないし第3の実施例では、緊締部4がベルト状(つまりバンド状/帯状)の部材から構成された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。アッパー本体2の上部において履き口10の近傍位置にハトメ孔を設け、当該ハトメ孔に挿通した靴紐によりアッパー本体2の上部を緊締するようにしてもよい。
<第3の変形例>
前記第1ないし第3の実施例では、アッパー本体2の踵後端において、非伸縮部21に貫通形成した開口部21Dにメッシュ素材からなる圧縮変形部5を配設した例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
圧縮変形部5としては、蛇腹状の部材を用いるようにしてもよい。この場合には、圧縮変形部5がジグザグの折り目に沿って規則正しく圧縮変形するので、非常にスムーズに圧縮変形を行えるようになる。なお、圧縮変形部5を設けずに、開口部21Dを開口形成したままにおくか、または、開口部21Dに代えて切込みやスリットを形成するようにしてもよい。
<第4の変形例>
前記第2および第3の実施例では、アッパー本体2において開口25の内外甲側縁部にそれぞれ伸縮部20を設けた例を示したが、これらの伸縮部20は省略するようにしてもよく、伸縮部20に代えて切込みを形成するようにしてもよい。この場合、底屈時には切込みが開くように作用し、背屈時には切込みが閉じるように作用する。
<その他の変形例>
上述した各実施例および各変形例はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施例を構築し得る。
<他の適用例>
前記実施例および前記各変形例では、本発明がドライビングシューズに適用された例を示したが、本発明は、ランニングシューズやウォーキングシューズを含むスポーツシューズにも適用可能である。たとえば、ランニングシューズやウォーキングシューズの場合には、走行時や歩行時の遊脚期において足の背屈状態が維持されることにより、着地時の躓きを防止できる。
以上のように本発明は、シューズとくにドライビングシューズにおいて、着用者の足の背屈をサポートするためのアッパー構造に有用である。
1: ドライビングシューズ(シューズ)

2: アッパー本体
20、26A: 伸縮部
21、26B: 非伸縮部
25: 開口
26: 舌革部

3: ソール

4: 緊締部

5: 圧縮変形部

P: 足
LM、IM: 踝
LM: 外踝
IM: 内踝
CF: 楔状骨
NB: 舟状骨
AT: アキレス腱

θ: 傾斜角
特開2020-92889号公報(段落[0006]、[0014]、[0016]、[0028]、[0029]、[0047]、[0050]、[0068]、図1、図2参照)。

Claims (8)

  1. シューズのアッパー構造において、
    着用者の足および踝を覆うアッパー本体を備え、
    前記アッパー本体が、
    足の少なくとも楔状骨または舟状骨に対応する位置に配置され、弾性変形による伸縮性が相対的に大きい伸縮部と、
    前記伸縮部を囲繞する領域に配置され、相対的に伸縮性が小さい非伸縮部と、
    踝の直近上方位置に対応する位置に配置され、踝の直近上方位置を緊締する緊締部と、
    を備えたシューズのアッパー構造。
  2. 請求項1において、
    前記伸縮部が、足の底屈時に伸長して弾性ひずみエネルギを蓄積し、足の背屈時に前記弾性ひずみエネルギを解放することにより、足の背屈をサポートするようになっている、
    ことを特徴とするシューズのアッパー構造。
  3. 請求項1において、
    前記アッパー本体の後端部が、踵後端に立てた鉛直方向の垂線に対して前方に向かって傾斜している、
    ことを特徴とするシューズのアッパー構造。
  4. 請求項1において、
    前記アッパー本体の後端部の一部には、他の部分に比べて上下方向に圧縮変形しやすい圧縮変形部が設けられている、
    ことを特徴とするシューズのアッパー構造。
  5. 請求項4において、
    前記圧縮変形部が、足のアキレス腱に対応する位置に配置されている、
    ことを特徴とするシューズのアッパー構造。
  6. 請求項1において、
    前記アッパー本体が、足の足背上部に対応する領域に形成された前後方向の開口を有するとともに、前記開口を塞ぐ舌革部を有しており、前記伸縮部が前記舌革部に設けられている、
    ことを特徴とするシューズのアッパー構造。
  7. 請求項6において、
    前記舌革部の前記伸縮部の少なくとも一方の側方において、前記アッパー本体の前記開口の縁部に前記伸縮部が設けられている、
    ことを特徴とするシューズのアッパー構造。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の前記アッパー構造と、その下部に固着されるソールとを備えたシューズ。
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