JP4956825B2 - 反射鏡、その製造方法、そのクリーニング方法及び光源装置 - Google Patents

反射鏡、その製造方法、そのクリーニング方法及び光源装置 Download PDF

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Description

本発明は、極端紫外光を含むX線領域光を反射する反射鏡、その製造方法、そのクリーニング方法、及びそれを用いたX線領域光光源装置に関する。特に、本発明は、X線領域光によるフォトリソグラフィの光源装置に用いることができる反射鏡、特に、集光反射鏡の表面のクリーニングを確実に行えるようにした技術に関する。
下記特許文献1には、液体ターゲットにレーザ光を照射して、極端紫外光又は軟X線領域の短波長光を発光させる装置が開示されている。また、特許文献2には、モノスタナンにレーザ光を照射して極端紫外光を発光させる装置が開示されている。また、特許文献3には、極端紫外光光源装置のための集光反射鏡が開示されている。これらの装置は、半導体のリソグラフィー露光光源として用いられている。次世代のリソグラフィーにおいては、波長13.5nmの光を露光光源として使用することの研究が進められており、この光には錫(Sn)、リチウム(Li)、又はキセノン(Xe)原子輝線が用いられている。
これらの極端紫外光を含む波長100nm以下のX線領域光を、半導体のレジストの露光装置に導入するには、光の波長が短いために光学レンズを使用することができず、集光反射鏡(EUV用ミラー)が用いられている。この集光反射鏡は、ニッケルの鏡基台にルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、又はロジウム(Rh)をコーティングして形成されている。しかし、これらの光源では、X線領域光を発光させるために放電によりX線領域光の放射種である金属原子のプラズマを発生させる箇所と集光反射鏡とが、同室にあり、光源のプラズマ発生箇所から飛散した金属原子が、これらの集光反射鏡に堆積して、鏡の反射率が低下する。このために、所定時間間隔で、集光反射鏡の表面を、クリーニングする必要がある。
特開2007−208100号公報 特開2004−279246号公報 特開2005−310922号公報 M.Itoh,M.Hori and S.Nadahara,J.Vac.Sci.Technol.,B9(1),149-153(1991) M.Itoh and M.Hori,J.Vac.Sci.Technol.,B9(1),165-168(1991)
集光反射鏡のクリーニング方法としては、ハロゲンガスを用いることなどが考えられる。しかしながら、たとえば、極端紫外光の放射種に、錫を用いた場合に、集光反射鏡のルテニウムから成る反射面に、錫が堆積するが、この錫を、塩素ガスでクリーニングする場合には、その反射面に数原子層の錫が残り、完全には、錫を除去することができなかった。この結果、クリーニングしても、反射鏡の反射率は、徐々に低下し、反射鏡の使用寿命が短いという問題があった。
そこで、本発明者らは、この課題を解決するために、水素ラジカルを用いて、反射鏡のルテニウムで被覆された反射面をクリーニングすることを行った。しかしながら、錫が除去できるものの、ルテニウムがところどころ剥離して、反射面は、凹凸となり、光の集光精度と反射率が低下することが分かった。
本発明者らは、さらに、鋭意検討した結果、反射鏡の光反射面であるルテニウム表面をアモルファスとすることで、錫の堆積した反射面を水素ラジカルでクリーニングしても、錫が除去でき、しかも、ルテニウムの剥離は見られず、表面は凹凸にはならないことを発見した。
本発明は、この発見に基づくものであり、本発明の目的は、X線領域光の反射鏡において、堆積した放射種の金属原子を、精度良く除去できるようにすると共に、反射鏡を構成する表面の金属膜の剥離を防止し、クリーニングの後にも、表面の平坦度を維持できるようにすることである。そして、この結果として、集光精度や反射率の低下を抑制して、集光反射鏡の寿命を長期化することを発明の目的とする。
第1の発明は、X線領域光を反射する光反射面を有する反射鏡において、光反射面は、少なくとも表面をアモルファスの金属で形成し、金属は、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、又は、ロジウム(Rh)のうちの1種のみから成る単層であり、アモルファスは、金属へのイオン注入により形成されたものであることを特徴とする反射鏡である。
極端紫外光は、13〜14nmの波長域であるが、本件発明の対象する光の領域は、この極端紫外光を含むX線領域光である。反射鏡には、金属による全反射を利用する斜入射の反射鏡の他、たとえば、シリコンとモリブデンの多層膜上に、金属をコーティングした直入射の反射鏡が含まれる。また、反射鏡の表面に被覆される金属は、X線領域光、特に、極端紫外光領域の光反射率の高い金属が望ましい。たとえば、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、又は、ロジウム(Rh)のうち、少なくとも1種を用いることが望ましい。
また、反射鏡の表面に被覆する金属は、表面又は全体が、アモルファスとなっていることが、本件発明の特徴である。金属のアモルファスを形成するには、金属へのイオン注入により形成する。また、金属をスパッタリングなどで成膜する時に、反射鏡基台を冷却するなどして、金属膜のアモルファスを形成することもできる。
金属の表面又は全体をアモルファスとするのに、金属の成膜の後にイオン注入をする場合、アルゴンイオン、クリプトンイオン、ルテニウムイオン、モリブデンイオン、又は、ロジウムイオンのうち少なくとも1種を用いることができる。このイオン注入によるエネルギーにより、金属の多結晶膜の少なくとも表面をアモルファスとすることがてきる。非特許文献1、又は、非特許文献2によると、金属にイオン注入を行うことにより、金属をアモルファスとすることができることは、明らかである。
X線領域光の放射種は、特に、限定されないが、錫、又は錫化合物を光放射種とすることが望ましい。この場合には、13.5nmの極端紫外光を得ることができる。また、ルテニウムで表面が被膜された反射鏡において、水素ラジカル、ハロゲンラジカル、又は、ハロゲンガスなどにより、ルテニウムを剥離させることなく、錫を精度良く除去することができる。
イオン注入において、金属がルテニウムである場合には、ルテニウムイオン注入、金属がモリブデンである場合には、モリブデンイオン注入、金属がロジウムである場合には、ロジウムイオン注入を用いると、同一材料であることから、反射率の低減が防止できる。
第2の発明は、X線領域光を反射する光反射面を有する反射鏡の製造方法において、光反射面をルテニウムとし、その表面からイオンを注入して、少なくとも表面をアモルファスとすることを特徴とする反射鏡の製造方法である。
この発明においても、イオンは、アルゴンイオン、クリプトンイオン、又はルテニウムイオンのうち少なくとも1種であることが望ましい。
また、第3の発明は、X線領域光を反射する光反射面を有する反射鏡のクリーニング方法において、上記第1の発明の反射鏡を、水素ラジカル、ハロゲンラジカル、又は、ハロゲンガスで、反射鏡の表面をクリーニングすることを特徴とする反射鏡のクリーニング方法である。
この方法により、反射鏡の被覆膜である金属を剥離させることなく、光源の放射種原子を除去することができる。
また、第4の発明は、光取出口を有するチャンバと、金属または金属化合物のX線領域光放射種を含む原料をチャンバに供給する原料供給手段と、チャンバ内に供給されたX線領域光放射種を加熱して励起させて高温プラズマを発生させるためのプラズマ生成部と、高温プラズマから放射されるX線領域光を所定の位置に集光させる集光反射鏡と、集光反射鏡の表面に堆積された汚染物質層を除去するクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給手段と、を備えるX線領域光光源装置において、集光反射鏡を第1の発明の反射鏡としたことを特徴とするX線領域光光源装置である。
本発明は、本発明により表面が処理された集光反射鏡を用いた光源装置である。
ここにおいて、チャンバには、プラズマ生成部と前記集光反射鏡が収容されたチャンバとを区画するシャッタが設けられていることが望ましい。
第1の発明によると、反射鏡の光反射面の少なくとも表面をアモルファスの金属で構成したので、ハロゲンガス、水素ラジカル、ハロゲンラジカルにより、光反射面に堆積した光源の放射種原子を、反射面表面の金属膜を剥離させることなく、除去することができる。したがって、反射鏡のクリーニングにより、集光精度や、反射率の低下を防止することができる。これにより、反射鏡の寿命を長期化することができる。特に、金属にルテニウムを用い、放射種に錫又は錫を含む化合物を用いた場合に、金属表面に堆積する錫を、金属膜を剥離させることなく、精度良く除去することができる。
反射鏡の表面を被覆する金属が、イオン注入により処理されたルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、又は、ロジウム(Rh)のうち少なくとも1種で構成することで、ハロゲンガス、水素ラジカル、ハロゲンラジカルにより、光源の放射種金属原子の堆積物を、金属膜を剥離させることなく、精度良く除去することができる。特に、金属にルテニウムを用い、放射種に錫又は錫を含む化合物を用いた場合に、金属表面に堆積する錫を、ルテニウム膜を剥離させることなく、精度良く除去することができる。
第2の発明は、光反射面をルテニウムとし、その表面からイオンを注入して、表面処理を行うようにしたので、クリーニングの容易な反射鏡を容易に得ることができる。
特に、イオンにアルゴンイオンを用いれば、反射鏡表面の金属膜の剥離が防止でき、放射種原子の堆積物を容易に除去する金属膜を形成することができる。また、注入するイオンにルテニウムイオンを用いると、ルテニウムは、ルテニウム膜と同一成分の金属原子であることから、イオン注入による反射率の低減が防止される。
第3の発明は、上記の反射鏡の表面を、水素ラジカル又はハロゲン原子ラジカルで、クリーニングすることにより、光源の放射種原子反射鏡の表面からほぼ完全に除去することができる。したがって、反射鏡の反射率の低減を防止でき、反射鏡の寿命を長期化することができる。
第4の発明は、上記の集光反射鏡を用いたX線領域光光源装置であるので、集光反射鏡の反射率や集光精度の低減が防止できるので、装置としての効率や精度の低減を防止することができる。
以下、本発明の具体的な実施例に基づいて説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明の効果を確認するために、以下の実験を行った。図1に示すように、反射鏡101は、ニッケル(Ni)で、12mm角の反射鏡を形造る平面基台(鏡基台)103を形成し、その表面に、ルテニウムをスパッタリングにより形成して、反射鏡の光反射面を被覆するルテニウムから成る金属膜104を形成した。この金属膜104の厚さは、一様に350nmとし、スパッタリングは、鏡基台の温度を室温として行った。次に、IMX−3500RS(アルバック製)のイオン注入装置を用いて、エネルギー180keV、ドーズ量2×1015/cm2 で、深さ50nmの範囲に、アルゴン(Ar)イオンを注入した。これにより、ルテニウムの金属膜の少なくとも表面をアモルファスとした。
次に、錫をこのルテニウム金属膜の上に、蒸着により厚さ1.8nmに堆積させた。このように形成した反射鏡101を、図2に示すプラズマ処理チャンバー100に入れて、水素ラジカル発生装置102に水素ガスを流して、水素ラジカルを反射鏡101の反射面に照射して、表面のクリーニングを行った。チャンバー100内の圧力は、0.5Torr、水素ガス流量は、500sccm、ラジカル照射時間は、15sec/回とした。そして、その表面を光学的顕微鏡で観察すると共に、XPSにて、金属膜の成分分析を行った。なお、水素ラジカル発生装置102では、ガスが加熱され、水素ラジカルと共に、高温ガスが発生する。それによる反射鏡101への熱ダメージを検証するために、ヘリウムガスを水素ラジカル発生装置102に導入して、ヘリウムガスを反射鏡101に向けて流して、上記と同様な実験を行った。それらの結果を表1に示す。
表1の結果から分かるように、錫を堆積させた反射鏡を、水素ラジカルでクリーニングした場合には、ルテニウム金属膜の部分的な剥離もなく、表面の損傷はなかった。また、同様に、ヘリウムガスでクリーニングした場合も、表面の損傷はなかった。錫を堆積させない反射鏡を、同様に、水素ラジカルでクリーニングした場合も、ルテニウム金属膜の部分的な剥離もなく、表面の損傷は見られなかった。
次に、反射鏡の表面の成分をXPSで分析した結果を表2に示す。
表の値は、各元素の原子パーセントを表す。錫対ルテニウムの比率は、錫をルテニウム金属膜に蒸着した直後は、11.1であるが、水素ラジカルによりクリーニングした後には、0.77に低下した。よって、錫の除去率(=(錫の減少量/クリーニング前の錫の量)=(クリーニング前比率−クリーニング後比率)/クリーニング前比率)は、0.985である。すなわち、錫が99%、除去されていることが分かる。これにより、水素ラジカルにより、堆積した錫原子が効果的に除去されていることが理解される。尚、酸素原子などの他の原子は、空気中から取り込まれものと思われる。
次に、比較例として、ルテニウムの金属膜に、アルゴンをイオン注入しない反射鏡を試料として、準備した。そして、上記と同様な条件で、錫を1.8nmの厚さにルテニウム金属膜の上に蒸着で堆積させた。その後に、図2に示すプラズマ処理チャンバー100に、その試料を入れて、水素ラジカルをルテニウム金属膜の表面に供給して、クリーニングを行った。そして、表面の状態を光学顕微鏡で観測した。その結果を図3に示す。(a)は、水素ラジカルによるクリーニング前の状態を示し、(b)は、水素ラジカルによるクリーニング後の表面の状態を示す。(b)によると、ルテニウム金属膜の表面が泡状になって、ルテニウムが剥離しているのが分かる。
また、この比較列の試料の表面のXPSによる原子分析により、錫対ルテニウムの比率を測定した。水素ラジカルによるクリーニング前では、その比率は9.48で、クリーニング後は、1.3であった。もちろん、ルテニウム金属膜の部分的な剥離が見られた。上記の定義による錫の除去率は、0.863である。この錫の除去率を、上記の実施例と比較すると、実施例の方が錫の除去率が1.14倍程、大きいことが分かる。すなわち、ルテニウム金属膜にアルゴンをイオン注入した反射鏡は、その後に堆積される錫が、アルゴンをイオン注入しない反射鏡に比べて、水素ラジカルにより、除去し易いことが分かった。これにより、本発明では、水素ラジカルによるクリーニングに際して、ルテニウム金属膜の部分的な剥離が防止される共に、錫が除去され易いことが理解される。
本発明のルテニウム金属膜にアルゴンを50nmの深さにイオン注入した反射鏡の表面は、水素ラジカルでクリーニングした後であっても、クリーニングする前と同様な平坦性が観測された。これにより、ルテニウム金属膜にアルゴンをイオン注入することで、ルテニウム金属膜の部分的な剥離を防止した状態で、ルテニウム金属膜に堆積した錫原子を、ほぼ完全に除去できることが分かった。
ルテニウムにアルゴンをイオン注入することで、イオン注入されたルテニウムの領域が、アモルファスとなる。この結果として、ルテニウム金属膜の部分的な剥離や凹凸を形成することなく、水素ラジカルによる錫の除去が容易になる。このことから、ルテニウム金属膜の少なくとも表面がアモルファスであれば、本件発明の効果は達成できる。また、イオン注入により、ルテニウムの表面をアモルファスとするのであるから、注入するイオンは、アモルファスにできる原子量の大きい、クリプトンイオン、ルテニウムイオン、モリブデンイオン、又は、ロジウムイオンなどを用いることができると思われる。また、反射鏡の反射面に被膜するルテニウムは、極端紫外光の反射率が高いので、選択されるが、同様に、極端紫外光の反射率の高いモリブデン(Mo)、又は、ロジウム(Rh)金属膜で被膜する場合も、錫を水素ラジカルにより効果的にクリーニングすることができると考えられる。また、金属膜上に堆積する錫は、光源の放射種によるものであるので、他の放射種原子であるリチウムの場合においても、水素ラジカルによるクリーニングにおいて、本件発明の金属膜の少なくとも表面をアモルファスとすることが、効果的であると推察される。なお、水素ラジカルにより、金属膜上に堆積した錫は、スタナン(SnH4 )などのガスとなって蒸発することで、錫が除去される。
以下、本発明の集光反射鏡を用いた極端紫外光光源装置について説明する。
(1)装置の構成について
図4は、本発明の第1の実施例に係る極端紫外光光源装置の構成の概略を示す断面図である。極端紫外光光源装置は、第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b及び絶縁材2cよりなるプラズマ生成部2が収容される第1のチャンバ1aと、集光反射鏡(本発明の反射鏡)4が収容される第2のチャンバ1bとを備えている。第1のチャンバ1aには、原料導入管6aを介して放電ガス供給ユニット6が接続されている。
第1のチャンバ1a内には、リング状の第1の主放電電極(カソード)2aとリング状の第2の主放電電極(アノード)2bとがリング状の絶縁材2cを挟んで、それぞれの貫通穴が略同軸上に位置した連結孔を構成するように配置され、プラズマ生成部2を構成する。第1の主放電電極2aと第2の主放電電極2bとは高電圧パルス発生部11に接続され、第1の主放電電極2aおよび第2の主放電電極2b間にパルス電力が供給されて放電が発生したとき、この連通穴もしくは連通穴近傍にて高温プラズマが生成される。
第2のチャンバ1bには、極端紫外光を集光する集光反射鏡4が設けられる。集光反射鏡4は、例えば、径の異なる回転楕円体形状、回転放物体形状、またはウォルター型のミラーを複数枚具える。これらのミラーは、同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置される。このミラーは、例えば、ニッケル(Ni)等からなる平滑面を有する基体材料の反射面側に、ルテニウム(Ru)を緻密にコーティングすることで、0°〜25°の斜入射角度の極端紫外光を良好に反射できるようにしたものである。そして、このルテニウムから成る金属膜の表面からアルゴンイオンが注入されて表面処理が成されている。このアルゴンのイオン注入により金属膜の表面がアモルファスとなった集光反射鏡である。すなわち、上記の実施例で示した表面処理された反射鏡が用いられる。また、金属膜は、ルテニウムの他に、モリブデン(Mo)、およびロジウム(Rh)などの、極端紫外光に対して反射率の高い金属を用いることも可能である。なお、極端紫外光光源装置に使用される集光反射鏡については、特許文献3に、詳しく記載されており、その集光反射鏡を用いることができる。
また、第2のチャンバ1bには、プラズマ生成部2と集光反射鏡4との間の空間に、高温プラズマと接する金属(例えば、放電電極)がこのプラズマによってスパッタされて生成する金属粉等のデブリや、放射種に起因するデブリ等の捕捉や運動エネルギーを低下させるとともにEUV光を通過させるためのホイルトラップ3が設置される。ホイルトラップ3は、同心円状に配置された内部リングと外部リングの2個のリングと、この2個のリングにより両側が支持されて放射状に配置された複数の薄いプレートから構成されている。プレートを配置した空間を細かく分割することにより、その部分の圧力を上げ、デブリの運動エネルギーを低下させるとともに、プレートやリングに捕捉する。
一方、このホイルトラップ3は高温プラズマから見ると、2個のリングを除けばプレートの厚みしか見えず、極端紫外光のほとんどは通過する。第2のチャンバ1bには、集光反射鏡4に到達するデブリの量をさらに少なくするため、第1の主放電電極2aとホイルトラップ3との間の空間にガスカーテンが形成される。そのため、第2のチャンバ1bの内部には、第2のチャンバ1bの側壁に形成された開口から挿入されたガスカーテンノズル7aが配置され、極端紫外光を減衰させるおそれのないガスを供給するためのガス供給ユニット7がガスカーテンノズル7aに接続されている。ガスカーテンが形成されると、集光反射鏡4に向かって飛散するデブリに対して局所的にガス圧の高い空間が形成されるため、デブリが減速されることによって、集光反射鏡4にデブリが堆積することを抑制することができる。
さらに、プラズマ生成部2の内部の圧力を調整すると共にチャンバ内を排気するためのガス排気ユニット8が、第2のチャンバ1bに設けられたガス排出口8aに接続されている。ガス排気ユニット8は、真空ポンプ等のガス排気手段(不図示)を有する。
制御部12は、露光機の制御部13からの発光指令信号等に基づき、高電圧パルス発生部11、放電ガス供給ユニット6、ガス供給ユニット7、ガス排気ユニット8を制御する。例えば、極端紫外光光源装置の制御部12は、露光機の制御部13からの発光指令信号を受信すると、放電ガス供給ユニット7を制御して、チャンバ1b内のプラズマ発生部の内部に放電ガスを供給する。
また、第2のチャンバ1bに設けられた不図示の圧力モニタからの圧力データに基づき、プラズマ生成部2の内部が所定の圧力となるよう、放電ガス供給ユニット6からの放電ガス供給量を制御するとともに、ガス排気ユニット8による排気量を制御する。その後、極端紫外光を放射する高温プラズマを発生させるため、高電圧パルス発生部11を制御して、第1の主放電電極2aおよび第2の主放電電極2b間に電力を供給する。
(2)極端紫外光の放射について
第1のチャンバ1a内に、放電ガス供給ユニット6より第2の主放電電極2b側に接続された原料導入管6aを介して放電ガスが導入される。放電ガスは、プラズマ生成部2において波長13.5nmの極端紫外光を放出する放射源を高効率に形成するためのものであり、例えば、スタナン(SnH4 )である。プラズマ生成部2の内部に導入されたSnH4 は、リング状の第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b及び絶縁材2cにより形成されている連通穴を通過して第2のチャンバ1b側に流れ、ガス排出口8aに到達する。ガス排出口8aに到達した放電用ガスは、ガス排気ユニット8により排気される。
ここで、プラズマ生成部2の内部の圧力は、ガス排気ユニット8の排気速度を制御することにより、1〜20Paに調節される。この圧力調節は、例えば、以下のように行われる。まず、制御部12が圧力モニタ(図示せず)から出力されるプラズマ生成部2の内部における圧力データを受信する。制御部12は、受信した圧力データに基づき、放電ガス供給ユニット6及びガス排気ユニット8を制御して、チャンバ1a内へのSnH4 (スタナン)の供給量ならびに排気量を調節することにより、プラズマ生成部2の圧力が所定の圧力となるように調節する。
放電ガスが、リング状の第1の主放電電極2a、リング状の第2の主放電電極2b、リング状の絶縁材2cにより形成されている連通穴を流れている状態で、第2の主放電電極2bと第1の主放電電極2aとの間に、高電圧パルス発生部11からおよそ+20kV〜−20kVの高電圧パルス電圧が印加される。その結果、絶縁材2c表面に沿面放電 (creeping discharge)が発生することにより、第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間は実質的に短絡した状態となり、第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間にパルス状の大電流が流れる。
その後、ピンチ効果及びジュール加熱によってプラズマ生成部2の内部に発生した放電ガスによる高温プラズマから、波長13.5nmの極端紫外光が放射される。プラズマ生成部2から放射された極端紫外光は、第2のチャンバ1b内に設けられた集光反射鏡4により集光され、EUV光取出部5から図示を省略した露光機側光学系である照射部に出射される。
(3)クリーニングについて
第1および第2の主放電電極2a,2b間に放電を生じさせている工程(プラズマ生成工程)が経過するに伴って、放電ガス中に含まれる極端紫外光放射源、或いは高温プラズマと接する主放電電極を構成する物質の一部が、ガスカーテンやホイルトラップ3によって捕捉されることなく集光反射鏡4の光反射面上に堆積し、これらの汚染物質よりなる汚染物質層が形成される。
このような汚染物質層を除去するため、第2のチャンバ1bには、クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給ユニット24と、水素ラジカル発生装置24’と、集光反射鏡4の光反射面に対してクリーニングガスを直接的に吹き付けるためのクリーニングガス又は水素ラジカル供給ノズル25とが設けられている。また、クリーニングガスがハロゲンガスである場合、第1および第2の主放電電極2a,2bを構成する物質とハロゲンガスとが反応することによる第1および第2の主放電電極2a,2bの劣化や、或いは、チャンバ1bに接続された露光機内に搭載される精密機器がハロゲンガスより侵食されるおそれを回避する必要がある。そのため、第2のチャンバ1bには、第2のチャンバ1b内を密閉するための第1,第2のゲート21,22、第1,第2のゲートバルブ21a,22aが設けられている。
第1,第2のゲートバルブ21a,22aは、プラズマ生成部2に接続される連結部10a、極端紫外光取出口5の2箇所に設けられており、集光反射鏡4の光反射面をクリーニングする前後において、第1,第2のゲートバルブ21a,22aにより開閉されるものである。
クリーニング処理は次のように行われる。
(1)まず、露光機から受信した放電停止信号に基づき、制御部12から高電圧パルス発生部11に対し放電停止信号が送信される。高電圧パルス発生部11は、制御部12から放電停止信号を受信することにより、第1および第2の主放電電極2a,2bに対する高圧パルス電圧の印加を停止し、プラズマ生成部2における放電を停止する。
さらに、制御部12は、放電ガス供給ユニット6に対し放電ガス停止信号を送信する。放電ガス停止信号を受信した放電ガス供給ユニット6は、プラズマ生成部2に対する放電ガスの供給を停止する。
(2)プラズマ生成部2に対する放電ガスの供給を停止した状態で、制御部12は、ホイルトラップ3とプラズマ生成部2との間の空間にガスカーテンを形成するためのガス供給ユニット7に対してガス停止信号を送信する。ガス停止信号を受信したガス供給ユニット7は、ガスの供給を停止する。
(3)次に、第1,第2のゲートバルブ21a,22aの各々は、制御部から送信されたゲート閉信号を受信することにより、開いた状態になっている第1,第2のゲート21,22の各々を駆動して、第2のチャンバ1bの連結部10a、EUV光取出口5を閉塞する。これにより、第2のチャンバ1b内に残存している、極端紫外光放射種を含む放電ガス及びガスカーテンを形成するためのガスが、プラズマ生成時から常時稼動しているガス排気ユニット8によりチャンバ外へ排出される。
(4)この状態で、制御部12は、クリーニングガス供給ユニット24に対しクリーニングガス供給信号を送信する。又は、水素ラジカル発生装置24’に対して、水素ラジカル供給信号を送信する。クリーニングガス又は水素ラジカル供給信号を受信したクリーニングガス供給ユニット24、又は水素ラジカル供給ユニット24’は、クリーニングガス又は水素ラジカル供給ノズル25の送出部24a内にクリーニングガス又は水素ラジカルを供給する。これにより、光反射面上に堆積した汚染物質層が効率良く除去される。
(5)制御部12は、所定時間の後処理工程を実施した後、クリーニングガス供給ユニット24又は水素ラジカル発生装置24’に対し、クリーニングガス停止信号又は水素ラジカル停止信号を送信する。クリーニングガス停止信号又は水素ラジカル停止信号を受信したクリーニングガス供給ユニット24又は水素ラジカル発生装置24’は、クリーニングガス又は水素ラジカルの供給を停止する。
(6)第2のチャンバ1b内においては、供給されたクリーニングガスや水素ラジカルが常時稼動しているガス排気ユニット8によって第2のチャンバ1b外に排出され、クリーニングガスが残存しない状態になる。この状態で、制御部12は、第1,第2のゲートバルブ21,22の各々に対し、ゲート開信号を送信する。ゲート開信号を受信した第1,第2のゲートバルブ21,22の各々は、第1,第2のゲート21,22の各々を開き、第2のチャンバ1b設けられた連結部10a及びEUV光取出口5の各々を開放する。これにより、第1,第2のゲートの全てが開放された状態になる。
(7)この状態で、制御部12は、放電ガス供給ユニット6に対し放電ガス供給信号を送信する。放電ガス供給信号を受信した放電ガス供給ユニット6は、プラズマ生成部2に対し放電ガスを供給する。また、制御部12は、ガスカーテンを形成するためのガス供給ユニット7に対してガス供給信号を送信する。ガス供給信号を受信したガス供給ユニット7によって、第2のチャンバ1b内にガスカーテン形成用のガスが供給され、プラズマ生成部2とホイルトラップ3との間にガスカーテンが形成される。
(8)制御部12は、プラズマ生成部2における放電ガスの圧力が最適になると共にガスカーテンが形成された後、高電圧パルス発生部11に対し放電開始信号を送信する。放電開始信号を受信した高電圧パルス発生部11によって、第1および第2の主放電電極2a,2bに対し高圧パルス電圧が印加されプラズマ生成部2における放電が再開される。
クリーニングガスとして水素ラジカルを使用する場合は、クリーニングガス供給ユニット24に代えて、水素のプラズマを生成して水素ラジカル発生する水素ラジカル発生装置24’を切り換えて使用することになる。クリーニングガスとして水素ラジカルを使用する場合は、主放電電極の劣化や精密機器の侵食といった問題はないので、ゲートバルブ21a,22aはなくても良く、したがって、極端紫外光の発光中にクリーニングを行なうことも可能である。しかし、極端紫外光の発光停止中にクリーニングを行なう場合は、クリーニングを行なう空間を小さくしてクリーニングの効率を上げるために、ゲートバルブ21a,22aを用いても良い。また、クリーニングガスとして水素ラジカルを使用する場合、水素ラジカルを生成する水素ラジカル供給装置24’として、例えば特開2006-228813 に記載のラジカル生成装置を使用することができる。
次に、図5に本発明の第2の実施例の回転電極を採用した極端紫外光光源装置の概略構成例を示す。基本的には図4に示すEUV光源装置において、第1の主放電電極、第2の主放電電極を回転可能に構成したものである。図4と共通する構成要素については、説明を省略する。
チャンバ1は、放電部20を収容する放電空間31と集光反射鏡4を収容する集光空間32とに大きく分割され、放電空間と集光空間の間には隔壁1cが設けられ、隔壁1cにはホイルトラップ3が設けられている。放電空間は第1のガス排気ユニット81と接続され、集光空間は第2のガス排気ユニット82と接続される。各空間は、それぞれに接続されたガス排気ユニット81,82により減圧雰囲気とされる。放電部20は、金属製の円盤状部材である第1の主放電電極20aと、同じく金属製の円盤状部材である第2の主放電電極20bとが絶縁材20cを挟むように配置された構造である。
第1の主放電電極20aの中心と第2の主放電電極20bの中心とは略同軸上に配置され、第1の主放電電極20aと第2の主放電電極20bは、絶縁材20cの厚みの分だけ離間した位置に固定される。ここで、第2の主放電電極20bの直径は、第1の主放電電極20aの直径よりも大きい。第2の主放電電極20bには、モータ20dの回転軸20eが取り付けられている。ここで、回転軸20eは、第1の主放電電極20aの中心と第2の主放電電極20bの中心が回転軸20eの略同軸上に位置するように、第2の主放電電極20bの略中心に取り付けられる。
回転軸20eは、例えば、メカニカルシール20fを介してチャンバ1内に導入される。メカニカルシール20fは、チャンバ1内の減圧雰囲気を維持しつつ、回転軸20eの回転を許容する。第2の主放電電極20bの下側には、例えばカーボンブラシ等で構成される第1の摺動子20gおよび第2の摺動子20hが設けられている。第2の摺動子20hは第2の主放電電極20bと電気的に接続される。一方、第1の摺動子20gは第2の主放電電極20bを貫通する貫通孔を介して第1の主放電電極20aと電気的に接続される。なお、図示を省略した絶縁機構により、第1の主放電電極20aと電気的に接続される第1の摺動子20gと第2の主放電電極20bとの間では絶縁破壊が発生しないように構成されている。
第1の摺動子20gと第2の摺動子20hは摺動しながらも電気的接続を維持する電気接点であり、高電圧パルス発生部11と接続される。高電圧パルス発生部11は、第1の摺動子20g、第2の摺動子20hを介して、第1の主放電電極20aと第2の主放電電極20bとの間にパルス電力を供給する。すなわち、モータ20dが動作して第1の主放電電極20aと第2の主放電電極20bとが回転していても、第1の主放電電極20aと第2の主放電電極20bとの間には、第1の摺動子20g、第2の摺動子20hを介して、高電圧パルス発生部11よりパルス電力が供給される。
高電圧パルス発生部11から第1の摺動子20g、第2の摺動子20hとの配線は、図示を省略した絶縁性の電流導入端子を介してなされる。電流導入端子は、チャンバ1に取り付けられ、チャンバ1内の減圧雰囲気を維持しつつ、高電圧パルス発生部11から第1の摺動子20g、第2の摺動子20hとの電気的接続を可能とする。金属製の円盤状部材である第1の主放電電極20a、第2の主放電電極20bの周辺部は、エッジ形状に構成される。高電圧パルス発生部11より第1の主放電電極20a、第2の主放電電極20bに電力が供給されると、両電極のエッジ形状部分間で放電が発生する。
第2の主放電電極20bの周辺部には溝部が設けられ、この溝部に高温プラズマ用原料である固体Snが供給される。原料供給は、予め、溝部に固体Snを配置するようにしてもよいし、原料供給ユニット61より供給するようにしてもよい。原料供給ユニット61は、例えば、固形のSnを定期的に第2の主放電電極20bの溝部に供給するように構成される。第2の主放電電極20bの溝部に配置もしくは供給されたSnは、第2の主放電電極20bの回転により放電部20におけるEUV光出射側であるEUV光集光部側に移動する。
一方、チャンバ1には、上記EUV集光部側に移動したSnまたはLiに対してレーザ光を照射するレーザ照射機30が設けられる。レーザ照射機30からのレーザ光は、チャンバ1に設けられた不図示のレーザ光透過窓部、レーザ光集光手段を介して、上記EUV集光部側に移動したSn上に集光光として照射される。レーザ照射機30よりレーザ光が照射されたSnは、第1の主放電電極20a、第2の主放電電極20b間で気化し、一部は電離する。このような状態下で、第1、第2の主放電電極20a,20b間に高電圧パルス発生部11より電圧が約+20kV〜−20kVであるようなパルス電力を供給すると、第1の主放電電極20a、第2の主放電電極20bの周辺部に設けられたエッジ形状部分間で放電が発生する。
これにより、高温プラズマが生成され、当該高温プラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。放射された極端紫外光は、ホイルトラップ3を介して集光空間32内に設けられた集光反射鏡4に入射し、集光されてEUV光取出部5から図示を省略した露光機側光学系である照射部に出射される。
ここで、本実施例の極端紫外光光源装置においても、集光反射鏡4は、例えば、ニッケル(Ni)等からなる平滑面を有する基体材料の反射面側に、ルテニウム(Ru)を緻密にコーティングして金属膜を形成し、このルテニウムから成る金属膜の表面からアルゴンイオンが注入されて表面処理が成されている。このアルゴンのイオン注入により金属膜の表面がアモルファスとなった集光反射鏡である。すなわち、上記の実施例で示した表面処理された反射鏡が用いられる。本実施例装置においては、前記第1の実施例と同様、第1および第2の主放電電極20a,20b間に放電を生じさせている工程(プラズマ生成工程)が経過するに伴って、集光反射鏡4の光反射面上に、汚染物質よりなる汚染物質層が形成される。
そこで、集光空間32には、クリーニングガス又は水素ラジカルを供給するクリーニングガス供給ユニット24又は水素ラジカル発生装置24’と、クリーニングガス又は水素ラジカル供給ノズル25とを設けている。そして、プラズマの生成により集光反射鏡4の光反射面上に堆積した汚染物質層を、クリーニングガス又は水素ラジカル供給ノズル25から集光反射鏡4の光反射面に対してクリーニングガス又は水素ラジカルを吹き付けて除去する。
また、第1の実施例と同様、集光反射鏡4の光反射面をクリーニングする前後において、放電空間31と集光空間32の間、極端紫外光取出口5の2箇所に設けられた、第1,第2のゲート21,22は、第1,第2のゲートバルブ21a,22aにより開閉される。水素ラジカルを用いて表面をクリーニングする場合には、クリーニングガス供給ユニット24を、水素プラズマを発生して水素ラジカルを生成する水素ラジカル発生装置24’に切り換えて、水素ラジカルを供給する。
次に、図6に本発明の第3の実施例の回転電極を採用した極端紫外光光源装置の概略構成例を示す。本実施例は回転電極の構成が図6に示したものと相違する。その他の構成は、図5に示すEUV光源装置とほぼ同等である。よって、以下、図5と共通する構成要素については、説明を省略する。また、図6では、制御部12、露光機13などは省略されている。
図6において、金属製の円盤状部材である第1および第2の主放電電極20a,20bは、パルス電力供給時に電界が集中する周縁部のエッジ部分が、所定距離だけ離間して互いに向かい合うように配置される。すなわち、各電極表面を含む仮想平面が交差するように各電極を配置することが好ましい。なお上記所定距離は、両電極20a,20bの周縁部のエッジ部分間距離が最も短い部分での距離である。このように配置することにより、両電極の周縁部のエッジ部分間距離が最も短い部分(放電部45)で多く放電が発生するので、放電位置が安定する。
図6に示すEUV光源装置においては、EUV放射種を含む原料であるSnを加熱により液化させてコンテナ41,42に貯蔵し、この液化した原料を、回転軸46を軸として回転する第1および第2の主放電電極20a,20bの一部が通過するように構成したものである。このように構成することにより、EUV放射種を含む原料は、各主放電電極20a,20bのエッジ部に供給される。
具体的には、図6に示すように、第1の回転電極20aは、その一部が液化したEUV放射種を含む原料43を収容する導電性の第1のコンテナ41の中に浸されるように配置される。同様に、第2の回転電極20bは、その一部が液化した原料43を収容する導電性の第2のコンテナ42の中に浸されるように配置される。第1のコンテナ41および第2のコンテナ42は、第1のチャンバ1a内の減圧雰囲気を維持可能な絶縁性の電力導入部44を介して高電圧パルス発生部11と接続される。原料43である液化したSnは導電性であり、第1、第2のコンテナ41,42も導電性であるので、第1のコンテナ41および第2のコンテナ42間に高電圧パルス発生部11にパルス電力を供給することにより、導電性の原料43に一部が浸漬している第1の主放電電極20aおよび第2の主放電電極20b間にパルス電力が供給される。
すなわち、図6に示す極端紫外光光源装置は、原料供給ユニット(第1、第2のコンテナ)が下側に、EUV光取出し部5が上側に位置するように構成される。導電性の原料43に一部が浸漬している第1および第2の主放電電極20a,20bが回転すると、原料が付着した電極部分がEUV光出射側に移動する。EUV光出射側にはレーザ照射機30が設けられ、上記原料に対してレーザ光を照射する。このレーザ光により、上記原料は気化・電離する。このような状態で、高電圧パルス発生部11からパルス電力が第1、第2の主放電電極に印加されると、電極間周辺部には高温プラズマが発生し、このプラズマからEUV光が放射される。放射された極端紫外光は、隔壁1cに設けられたホイルトラップ3を介して集光空間32内に設けられた集光反射鏡4に入射し、集光されてEUV光取出部5から図示を省略した露光機側光学系である照射部に出射される。この集光反射鏡4は、上記実施例と同様に、例えば、ニッケル(Ni)等からなる平滑面を有する基体材料の反射面側に、ルテニウム(Ru)を緻密にコーティングして金属膜を形成し、このルテニウムから成る金属膜にアルゴンイオンを注入することで、表面をアモルファスとした反射鏡である。すなわち、上記の実施例で示した表面処理された反射鏡が用いられる。
本実施例の極端紫外光光源装置においても、前記第1、第2の実施例と同様、第1および第2の主放電電極20a,20b間に放電を生じさせている工程(プラズマ生成工程)が経過するに伴って、集光反射鏡4の光反射面上に、汚染物質よりなる汚染物質層が形成される。そこで、集光空間32には、クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給ユニット24又は水素ラジカル発生装置24’と、クリーニングガス又は水素ラジカル供給ノズル25とを設けている。そして、プラズマの生成により集光反射鏡4の光反射面上に堆積した汚染物質層を、クリーニングガス又は水素ラジカル供給ノズル25から集光反射鏡4の光反射面に対してクリーニングガス又は水素ラジカルを直接的に吹き付けて除去する。また、第1の実施例と同様、集光反射鏡4の光反射面をクリーニングする前後において、放電空間31と集光空間32の間、極端紫外光取出口5の2箇所に設けられた、第1,第2のゲート21,22は、第1,第2のゲートバルブ21a,22aにより開閉される。また、前実施例と同様に、水素ラジカルを用いて表面をクリーニングする場合には、クリーニングガス供給ユニット24を、水素プラズマを発生して水素ラジカルを生成する水素ラジカル発生装置24’に切り換えて、水素ラジカルを供給する。
本発明は、極端紫外光を含むX線領域光の反射鏡として用いることができる。この反射鏡は、ナノオーダの分解能を有するフォトリソグラフィの露光光源用の反射鏡として用いることができる。
実験例に係る反射鏡の構造を示した断面図。 本発明の実験例に係るクリーニングチャンバーの構成図。 金属膜にアルゴンイオンを注入しない場合の水素ラジカルによるクリーニング前後の金属膜表面の状態を示した顕微鏡写真。 本発明の第1の実施例装置を示した構成図。 本発明の第2の実施例装置を示した構成図。 本発明の第2の実施例装置を示した構成図。
2…プラズマ生成部
4…集光反射鏡
24…クリーニングガス供給ユニット
24’…水素ラジカル発生装置
101…反射鏡(試料)
25…クリーニングガス又は水素ラジカル供給ノズル

Claims (8)

  1. X線領域光を反射する光反射面を有する反射鏡において、
    前記光反射面は、少なくとも表面をアモルファスの金属で形成し、
    前記金属は、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、又は、ロジウム(Rh)のうちの1種のみから成る単層であり、
    前記アモルファスは、前記金属へのイオン注入により形成されたものである
    ことを特徴とする反射鏡。
  2. 注入される前記イオンは、アルゴンイオン、クリプトンイオン、ルテニウムイオン、モリブデンイオン、又は、ロジウムイオンのうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の反射鏡。
  3. 前記X線領域光は、錫、又は錫化合物を光放射種とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の反射鏡。
  4. X線領域光を反射する光反射面を有する反射鏡の製造方法において、
    前記光反射面をルテニウムとし、その表面からイオンを注入して、少なくとも表面をアモルファスとすることを特徴とする反射鏡の製造方法。
  5. 前記イオンは、アルゴンイオン、クリプトンイオン、又はルテニウムイオンのうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の反射鏡の製造方法。
  6. X線領域光を反射する光反射面を有する反射鏡のクリーニング方法において、
    請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の反射鏡を、水素ラジカル、ハロゲンラジカル、又は、ハロゲンガスで、前記反射鏡の表面をクリーニングすることを特徴とする反射鏡のクリーニング方法。
  7. 光取出口を有するチャンバと、
    金属または金属化合物のX線領域光放射種を含む原料をチャンバに供給する原料供給手段と、
    チャンバ内に供給されたX線領域光放射種を加熱して励起させて高温プラズマを発生させるためのプラズマ生成部と、
    前記高温プラズマから放射されるX線領域光を所定の位置に集光させる集光反射鏡と、
    前記集光反射鏡の表面に堆積された汚染物質層を除去するクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給手段と、を備えるX線領域光光源装置において、
    前記集光反射鏡を請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の反射鏡としたことを特徴とするX線領域光光源装置。
  8. 前記チャンバには、前記プラズマ生成部と前記集光反射鏡が収容されたチャンバとを区画するシャッタが設けられていることを特徴とする請求項7に記載のX線領域光光源装置。
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