JP4956724B2 - トレーシングシステム - Google Patents
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Description
よって、複数の作業工程に対応するために、一人の作業者が行う複数の組付け作業別に特化した特徴抽出処理を組付け工程の作業順序に従って行うと共に、各組付け作業別の標準作業データを標準データ蓄積部に蓄積し、特徴抽出部の出力と該作業に対する標準データを比較することができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るトレーシングシステムのブロック構成図である。
第1の実施形態に係る作業トレーシングシステム1は、例えば図1に示すように、携帯測定装置10とトレースデータ処理装置20とが無線で接続されて構築されている。携帯測定装置10は、内蔵のセンサー部11から地磁気及び加速度に関するデータをトレースデータ処理装置20に送信し、トレースデータ処理装置20は、携帯測定装置10から送信されたセンサーデータを処理し作業トレースの適否を判定する。トレースデータ処理装置20は、生産指令管理装置30に接続されている。この生産指令管理装置30は、DPS(Digital Picking System)制御装置41に接続されており、生産指令管理装置30とDPS制御装置41との間で生産指示データが同期している。
生産指令管理装置30は、作業指令情報、即ち作業工程や各工程の内容に関する情報を管理し、DPS制御装置41を経由してランプ42の点灯/消灯の指令などを行う。図示を省略するが、その際、各ランプ42の傍らに作業内容を示した表示部やメニューボードが配置され、作業者に対して行うべき作業内容を示している。
この携帯測定装置10は、腕時計タイプで腕に取り付けられたり、若しくは腕章内に取り付けられる。
特徴抽出部22は、地磁気センサー11a及び加速度センサー11bで得たセンサーデータに基いて特徴を抽出して特徴量を求める。具体的には、特徴抽出部22は、受信部21で受信したセンサー情報に含まれるセンサーデータに基いて特徴を抽出して特徴量を求める。
標準データ蓄積部23は、基準となる標準状態における特徴量を標準データとして蓄積する。具体的には、作業者が携帯測定装置10を装着した状態で、作業工程別の各工程に基準となる動作を行う。すると、携帯測定装置10から地磁気センサー11a及び加速度センサー11bのセンサーデータをセンサー情報として受信部21が受信し、このセンサー情報に含まれるセンサーデータに基いて特徴抽出部22が特徴を抽出して特徴量を求める。この処理を同一の作業について行い、複数の特徴量を得る。そして、標準データ書込処理部28が、これらの複数の特徴量から基準となる標準データを選定したり、複数の特徴量を平均化処理して標準データを求め、標準データ蓄積部23に書き込ませる。この標準データの選定、平均化処理及び書込処理は人為的な確認処理を経て行ってもよい。なお、標準データ蓄積部23には、作業毎に標準データが蓄積される。
参照部24は、検査対象となる動作を作業者が行った際に特徴抽出部22から出力される出力データと、標準データ蓄積部23に蓄積されている標準データとを比較し、判定部25に比較結果を出力する。
判定部25は、参照部24から比較結果の入力を受け、作業者による作業の的確性を判定する。
照合結果蓄積部26は、判定部25の判定結果を蓄積する。
警告発生部27は、判定部25からNGの判定を受けると、ブザーやパトライトをONして作業者に告知する。
作業指令受信処理部29は、生産指令管理装置30からの作業指令を受信する。この作業指令により、標準データ蓄積部23に蓄積されている標準データのうち、どの標準データを用いて参照部24が特徴抽出部22からの出力データと比較するかを選択することができる。
図2は、第2の実施形態に係るトレーシングシステム2のブロック構成図である。
図2に示すトレーシングシステム2は、携帯測定装置50とトレースデータ処理装置60とが無線で接続され、トレースデータ処理装置60が生産指令管理装置30に接続され、この生産指令管理装置30がDPS制御装置41に接続されている点で第1の実施形態と同じであるが、図1に示す特徴抽出部22、標準データ蓄積部23、参照部24、判定部25及び標準データ書込処理部28がトレースデータ処理装置側ではなく、携帯測定装置50に設けている点で第1の実施形態とは異なる。即ち、携帯測定装置50は、地磁気センサー51a及び加速度センサー51bを有するセンサー部51とデータ処理部52と特徴抽出部53と標準データ蓄積部54と参照部55と判定部56と標準データ書込処理部57と出力部58とを備えている。第1の実施形態における送信部13は出力部58に相当し、無線受信機5を経由してトレースデータ処理装置60に無線で送信することもできるし、必要に応じてメモリ部(図示せず)に判定部56の結果を蓄積して、有線で外部にその結果を出力することもできる。
さらに、図示を省略するが、生産指令管理装置30内に、トレースデータ処理装置60を内蔵し、直接生産管理システムと無線で送受信することもできる。
第1、第2の実施形態におけるトレーシングシステム1,2による動作トレース確認処理について説明する。なお、第1の実施形態と第2の実施形態とにおける基本的な動作トレース確認処理は同じであるので、以下の説明では、第1の実施形態の場合を想定する。
トレースデータ処理装置20は、随時地磁気センサー11a及び加速度センサー11bからの出力データを受信する。よって、トレースデータ処理装置20は、各センサー11a及び11bからの出力データ列をモニターすることで、作業者の軌跡を判断する。
先ず、バッファーに蓄積されたセンサーの出力データ列から作業の一工程を区切る。
そして、作業内容に応じて指定された特徴を抽出して特徴量を求める。その際、周期毎に微分処理、積分処理若、差分処理若しくは平均化処理など特徴を抽出するために、作業内容に応じたデータ処理がなされてもよい。
ここで、標準データ蓄積部23からの標準データは、作業指令受信処理部29からの指令に応じて抽出したデータであり、このデータは、予め同じ作業を正しく行って地磁気センサー11a及び加速度センサー11bからのデータを同様の処理を経て、標準データとして標準データ蓄積部23に蓄積したものである。
よって、参照部24は、特徴抽出部22から入力された特徴量のデータを標準データと比較し、比較結果を判定部25に出力する。ここで、比較結果は、標準データとの類似性を数値化して示すことができる。その際、波形の傾き、山や谷の数などを基準に判断する。
ここで、加速度センサー11bの波形は平均化処理を行った結果であり、データ列f(t)から、
f(i)={f(i−2)+f(i−1)+f(i)+f(i+1)+f(i+2)}/5
として求めたものである。但し、tは自然数であり、iは3以上の自然数である。この移動平均処理とは、大きな周期の変動に変動周期の短い雑音のような信号が重なっており、そのような信号を削除するために行われる処理である。
図示した例では、加速度センサー11bのy成分の微分値はTa〜Teの間だけ大きく振動しており、それ以外ではあまり変動していない。よって、加速度センサー11bのy成分の変動区間が、インパクトレンチを回している時間に相当する。よって、Ta〜Teの時間が基準となる閾値より小さい場合には、十分締め付け作業がなされていないと判断することができる。
なお、第2の実施形態でも同様な動作トレース確認処理を行うことができる。
図4は第3の実施形態に係る作業トレーシングシステムの構成図である。
第3の実施形態では図1に示す第1の実施形態と比べ、携帯測定装置110がセンサー部111において地磁気センサーを搭載していないでジャイロセンサーなどの角度センサー111aと加速度センサー11bを搭載し、データ処理部112が角度データと加速度データをセンサー部111から随時受けると、センサー部111がそれらのセンサーデータを送信部113に送り、送信部113が無線受信機5に転送する点で異なる。その他の処理は第1の実施形態と同様である。
5 無線受信機
10,50,110 携帯測定装置
11,51,111 センサー部
11a,51a 地磁気センサー
11b,51b,111b 加速度センサー
12,52,112 データ処理部
13,113 送信部
20,60 トレースデータ処理装置
21,61 受信部
22,53 特徴抽出部
23,54 標準データ蓄積部
24,55 参照部
25,56 判定部
26,62 照合結果蓄積部
27,63 警告発生部
28,57 標準データ書込処理部
29,64 作業指令受信処理部
30 生産指令管理装置
40 デジタルピッキングシステム
41 DPS制御装置
42 ランプ
43 ボタン
58 出力部
Claims (2)
- 地磁気センサー及び加速度センサーを有するセンサー部と、該センサー部から出力された上記地磁気センサー及び上記加速度センサーの各成分の値に基いて特徴を抽出して特徴量を求める特徴抽出部と、基準となる標準状態における特徴量を標準データとして蓄積する標準データ蓄積部と、上記特徴量抽出部から出力された出力データと上記標準データ蓄積部に蓄積されている標準データとを比較する参照部と、を備え、
上記標準データ蓄積部には、上記センサー部を装着した作業者が作業工程の順に基準となる作業を行うことにより、上記特徴抽出部が求めた特徴量から基準となる標準データを選定して蓄積されており、
上記参照部は、トレース対象となる作業に応じて上記センサー部から出力された上記地磁気センサー及び上記加速度センサーの各成分の値に基いて上記特徴抽出部が求めた特徴量と、上記標準データ蓄積部に蓄積されている標準データとを比較する、トレーシングシステム。 - 携帯測定装置とトレースデータ処理装置とが無線又は有線で接続されて構成され、上記トレースデータ処理装置が、作業指令情報を管理する生産指令管理装置に接続され、
上記携帯測定装置が前記センサー部を有し、
上記トレースデータ処理装置が前記特徴抽出部、前記標準データ蓄積部及び前記参照部を有し、
上記トレースデータ処理装置が、上記生産指令管理装置からの生産指令データに基いて、一又は複数の組付け作業別に特化した特徴抽出処理と参照処理の順序制御を行う、請求項1に記載のトレーシングシステム。
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