JP4956023B2 - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽光発電等に使用される結晶シリコン粒子を用いた光電変換装置の製造方法に関する。
太陽電池等の光電変換装置は、光電変換効率(以下「変換効率」ともいう)等の性能面での効率の良さ、資源の有限性への配慮、あるいは製造コストの低さ等といった市場ニーズを捉えて開発が進められている。太陽電池の光電変換材料としては、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンの大きなバルクを切断してシリコン基板を作製して用いている。しかしながら、この方法では、切断ロスが多いという点で省資源の点で問題がある。このことから、今後の市場において有望な光電変換装置の一つとして、結晶シリコン粒子を用いた光電変換装置が注目されている。
結晶シリコン粒子を作製するための原料としては、例えば単結晶シリコンを粉砕した結果として発生するシリコンの微小粒子や、流動床法で気相合成された高純度シリコン等が用いられている。これらの原料から結晶シリコン粒子を作製するには、それらの原料をサイズあるいは重量によって分別した後に、赤外線照射や高周波誘導加熱を用いて容器内で溶融し、その後粒状として自由落下させる方法(例えば、特許文献1,2を参照)、また溶融したシリコンを飛散させて粒子状の結晶にする方法(例えば、特許文献3を参照)によって行う。また、球状シリコンとアルミ箔とを接合して光電変換装置を作製する際に、高温加圧法で接合できるといった報告がある(特許文献4参照)。
国際公開第99/22048号パンフレット 米国特許第4188177号明細書 特開平5−78115号公報 米国特許第4451968号明細書
しかしながら、特許文献4に示すような接合方法では、アルミニウムとシリコンとの組み合わせによるp+層を接合部に形成してBSF(Back Surface Field)効果による太陽電池の変換効率の向上を達成することはできない。
また、結晶シリコン粒子とアルミニウム基板との接合部にp+層を形成するためには、結晶シリコン粒子とアルミニウム基板とを深く接合させ、シリコンリッチな共晶部を形成した後、その共晶部に固相成長によりアルミニウムリッチなシリコン層を析出させる方法があるが、このとき、アルミニウム−シリコンの共晶部はアルミニウム基板の全面に広がる。このアルミニウム−シリコンの共晶部の光反射率は、金属アルミニウムの光反射率90%に対して60%しかなく、アルミニウム基板表面からの反射光の利用効率が低減してしまうという問題があった。
本発明の課題は、導電性基板表面からの反射光の利用効率を高めて、光の利用効率を向上させることができる高効率の光電変換装置の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、各結晶シリコン粒子の接合部およびその周囲にアルミニウム−シリコン共晶部を互いに独立して形成し、前記多数個の結晶シリコン粒子を、それぞれの前記結晶シリコン粒子上に凸レンズ状の集光部が形成された透明保護層で覆うとともに、該集光部同士の間には平坦面からなる境界部を形成し、該境界部を前記アルミニウム−シリコン共晶部同士の間に位置させることにより、基板表面での反射による光の再利用効率を高めて、高効率の光電変換装置を提供できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の製造方法は、以下の構成を有する。
(A)アルミニウムから成る導電性基板の一主面に、複数の結晶シリコン粒子を互いに間隔をおいて配置する工程と、前記導電性基板をアルミニウムとシリコンの共晶温度よりも低い温度に保持する工程と、前記共晶温度以上に設定された熱板を複数の前記シリコン粒子の上部に接触させて押し付けることによって、隣接する前記シリコン粒子の間における前記一主面にはアルミニウム−シリコン共晶部を形成させずに、複数の前記シリコン粒子と前記導電性基板との界面に前記アルミニウム−シリコン共晶部を形成させる工程とを具備することを特徴とする光電変換装置の製造方法。
(B)前記導電性基板として前記一主面に凹凸が形成されたものを用いることを特徴とする(A)記載の光電変換装置の製造方法。
また、得られる光電変換装置は、以下の通りである。
(1)アルミニウムから成る導電性基板の一主面に、表面に第1導電型の半導体部が形成された第2導電型の結晶シリコン粒子が多数個間隔をおいて配置されているとともに前記結晶シリコン粒子の下部が前記導電性基板に接合され、前記結晶シリコン粒子同士の間に絶縁物質が介在するとともに上部が前記絶縁物質から露出して配置されて、これら結晶シリコン粒子に透光性導体層が設けられた光電変換装置において、前記導電性基板の前記一主面の前記各結晶シリコン粒子の接合部及びその周囲にアルミニウム−シリコン共晶部が互いに独立して形成されており、前記多数個の結晶シリコン粒子は、それぞれの前記結晶シリコン粒子上に凸レンズ状の集光部が形成された透明保護層で覆われているとともに、該集光部同士の間には平坦面からなる境界部が形成されており、該境界部は前記アルミニウム−シリコン共晶部同士の間に位置していることを特徴とする光電変換装置。
(2)隣接する前記アルミニウム−シリコン共晶部同士の間の導電性基板表面に凹凸が形成され、入射光が散乱されることを特徴とする上記(1)に記載の光電変換装置。
(3)上記(1)または(2)に記載の光電変換装置を発電手段として用い、該発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成したことを特徴とする光発電装置。
本発明の(A)、(B)の製造方法によって得られる光電変換装置は、上記(1)によれば、アルミニウムから成る導電性基板の一主面に、表面に第1導電型の半導体部が形成された第2導電型の結晶シリコン粒子が多数個間隔をおいて配置されているとともに前記結晶シリコン粒子の下部が前記導電性基板に接合され、前記結晶シリコン粒子同士の間に絶縁物質が介在するとともに上部が前記絶縁物質から露出して配置されて、これら結晶シリコン粒子に透光性導体層が設けられた光電変換装置において、前記導電性基板の前記一主面の前記各結晶シリコン粒子の接合部及びその周囲にアルミニウム−シリコン共晶部が互いに独立して形成されており、前記多数個の結晶シリコン粒子は、それぞれの前記結晶シリコン粒子上に凸レンズ状の集光部が形成された透明保護層で覆われているとともに、該集光部同士の間には平坦面からなる境界部が形成されており、該境界部は前記アルミニウム−シリコン共晶部同士の間に位置していることによって、前記境界部に入射した光は、アルミニウム−シリコン共晶部よりも反射率の高い導電性基板の一主面で反射、散乱されて結晶シリコン粒子側へ入射することができるため、光の反射率が高まり、光の利用効率を向上させることができる。
また、上記(2)によれば、隣接するアルミニウム−シリコン共晶部同士の間の導電性基板表面(一主面)に凹凸が形成され、入射光が散乱されることにより、前記境界部において導電性基板表面に垂直に入射する光を周囲に散乱させて、光の利用効率を更に向上させることができる。
そして、上記(3)によれば、本発明の高効率の光電変換装置を用いることにより、発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成した光発電装置に供与する電力が増加し、高い能力の光発電装置にすることができる。
本発明の製造方法によって得られる光電変換装置の実施の形態について図面に基づいて以下に詳細に説明する。
図1は、本発明の製造方法によって得られる光電変換装置について実施の形態の一例を示す部分断面図である。図2は、本発明の製造方法によって得られる光電変換装置を上部より見たときの平面図である。図3は、本発明の製造方法によって得られる光電変換装置について実施の形態の一例を示す部分断面図である。
図3に示した結晶シリコン粒子12は、シリコン融液の液滴を容器(坩堝)のノズルから押し出し自由落下させて固化させることにより製造する溶融落下法(ジェット法)を用いて作製されたものである。導電性基板11の一主面(この例では上面)に、p型の結晶シリコン粒子12を多数個、その下部を例えば接合層(アルミニウム−シリコン共晶部)16によって導電性基板11に接合し、結晶シリコン粒子12の隣接するもの同士の間に絶縁物質14を介在させるとともにそれら結晶シリコン粒子12の上部を絶縁物質14から露出させて配置し、これら結晶シリコン粒子12にn型の半導体部としての半導体層13および透光性導体層15が設けられた構成である。
(結晶シリコン粒子)
本発明で用いる球状の結晶シリコン粒子12は、容器(坩堝)内においてシリコン原料全体を溶融させ、シリコン融液の上部をアルゴンガスなどで加圧して容器下部のノズル孔から押し出すことにより、多数のシリコンの液滴を噴出させて、自由落下中に凝固させて単結晶シリコンまたは多結晶シリコンの粒子となって収容容器に収容されたものを用いている。この他にも、シリコン粉末を溶融炉を通すことによって単結晶シリコン化した球状の結晶シリコン粒子12を用いてもよい。
このような結晶シリコン粒子12は、太陽電池等の光電変換装置を形成するために使用される。従って、溶解させるシリコンには、所望の半導体となるための不純物を含有させておく。所望の抵抗値を有するとともに第1の導電型(例えばp型)とするためのドーパント、例えばp型ドーパントがドーピングされている。p型ドーパントとしてはホウ素,アルミニウム,ガリウム,インジウムがあるが、シリコンに対する偏析係数が大きい点やシリコン溶融の状態での蒸発係数が小さい点からは、ホウ素を用いることが好ましい。
本発明においては、p型を示すドーパントとなるアルミニウムを含んだp+シリコン層17が析出され、そのp+シリコン層17を、結晶シリコン粒子12と導電性基板11との界面に形成して、p+層(BSF層)として用いることが好ましく、そのために結晶シリコン粒子12にはp型ドーパントを添加している。
(半導体層)
第2導電型の半導体層13を形成するには、結晶シリコン粒子12と導電性基板11との接合に先立って、工程コストの低い熱拡散法により結晶シリコン粒子12に形成する。第2導電型のドーパントとしては、元素周期律表のV族元素のP,As,Sb、III族元素のB,Al,Ga等を用い、石英からなる拡散炉にドーパントを導入しながら結晶シリコン粒子12の表面に第2導電型の半導体層13を形成する。なお、この例では、拡散されてn型となるV族のPを加熱した石英管に導入する熱拡散法を示したが、結晶シリコン粒子12をアルミニウムを含む導電性基板11に接合した後、結晶シリコン粒子12上に半導体層13としてn型の非晶質シリコン層を積層してもよい。
(導電性基板)
導電性基板11としては、その少なくとも一主面(結晶シリコン粒子12が接合される主面)に導電層(アルミニウム等を含む金属層)が形成されていればよく、導電性基板11は金属基板でも良いし、ガラス,セラミック等から成る絶縁基板の一主面に導電層を形成したものでも良い。導電性基板11の一主面に形成されるアルミニウム等を含む金属層としては、好ましくは銀,銅,錫等から成る金属層であり、さらに好ましくはアルミニウムから成る金属層である。導電性基板11がアルミニウムから成る金属基板である場合、結晶シリコン粒子12の接合により、その接合部にアルミニウムとシリコンの共晶部が形成され、結晶シリコン粒子12と導電性基板11との間に強い接着強度が発生する。
次に、導電性基板11の一主面である上面に結晶シリコン粒子12を、平面視で正三角形の頂点に位置するようにして、即ち最密形成された正六角形の中心に位置するようにして、多数個配置する。図2にその配置例を示す。これ以外にも格子状を成すように配置してもよく、菱形の頂点に位置させてもよい。
図2に示すように、結晶シリコン粒子12のアルミニウム−シリコン共晶部16同士の間は導電性基板11が露出して形成されている。前記露出している部分は導電性基板11の表面を粗くして形成したものであり、表面が粗くなることにより入射した光を散乱させて、結晶シリコン粒子12に再入射させることができる。前記露出している部分は、隣接するアルミニウム−シリコン共晶部16同士の間の距離が50〜500μmであるのがよい。また、その表面の算術平均粗さRaは0.15〜25μmであるのが好ましい。0.15μm未満では、Raが光の波長よりも小さくなり光が散乱されにくくなり、25μmを超えると、絶縁物質14に薄い部分が形成されてリーク電流が発生しやすくなる。
前記露出している部分の表面の粗面化を成すには、表面に円錐体状、三角錐体状、四角錐体状、山形状等の凹凸形状を形成すればよく、その方法として、RIE(反応性イオンエッチング)を用いたドライエッチング法、水酸化ナトリウム水溶液等を用いた選択ウエットエッチング法、サンドブラスト法等がある。好ましくは、圧縮空気と研磨材を混合してノズルから噴射させて導電性基板11の表面を加工するサンドブラスト加工によるのがよい。
従来は、特許文献4に記載されているように、結晶シリコン粒子12と導電性基板11との接合部において、アルミニウムとシリコンの共晶部の形成が促進されるように、多数の結晶シリコン粒子12の上に0.05N/cm2の荷重をかけながら、アルミニウムとシリコンの共晶点(577℃)以上の温度で、窒素ガスあるいは窒素ガス−水素ガスの混合ガスの還元雰囲気の加熱炉内を通過させることによって、結晶シリコン粒子12を導電性基板11上面に接合させていた。このとき、導電性基板11と結晶シリコン粒子12との接合界面には、アルミニウムとシリコンの共晶から成る接合層16が形成されていた。
しかしながら、上記従来の方法では、アルミニウムとシリコンの共晶融液が横に展開するため、導電性基板11表面全体がアルミニウム−シリコン共晶となってしまう。なぜならば、アルミニウムとシリコンとの接合が開始されるには、界面に形成されているそれぞれの酸化膜を破るだけの荷重をかける必要があり、この酸化膜を破壊するために必要な荷重及び温度は大きなものとならざるを得ず、接合の開始後に一挙に接合が進行するため制御性に欠けるためであった。大きな荷重であるため、アルミニウムとシリコンの間に形成された共晶部は横に流れて隣に移動していき、導電性基板11全面に共晶が形成されてしまうことによる。
また、本発明のような各結晶シリコン粒子12上に凸レンズ状の集光部(小型集光レンズ)を被せた構成の集光型の光電変換装置の場合、集光部間の境界部19は集光に寄与しないため、境界部19に入射した光は、導電性基板11表面に達し、アルミニウム−シリコン共晶部16よりも反射率の高い導電性基板11の一主面で反射、散乱されて結晶シリコン粒子12側へ入射させることができる。その結果、光の反射率が高まり、光の利用効率を向上させることができる。
また、境界部19に垂直に入射した光は、導電性基板11表面が平坦であれば垂直に反射されて、そのまま利用されることなく放出されてしまう。これを防ぐために、導電性基板11の表面を粗くして光を散乱させることで結晶シリコン粒子12に再入射させることが好ましい。また、このアルミニウム−シリコン共晶部16の光反射率は、金属アルミニウムの光反射率90%に対して60%しかなく、導電性基板11表面からの反射光の利用率が低減してしまう。従って、アルミニウム等からなる導電性基板11の露出表面部の上方に位置するように境界部19を配置することによって、アルミニウム−シリコン共晶部16同士の間に境界部19を位置させる。
(製造方法)
本発明の光電変換装置の製造方法について以下に詳細に説明する。
まず、従来の方法での問題点は、結晶シリコン粒子12それぞれの界面状態にばらつきがあるにもかかわらず、焼成炉で一挙に接合を行うところに無理があった点であり、本発明では熱板を用いて短時間に接合する技術を用いた。500℃近くまで昇温された炉内に結晶シリコン粒子12が配置された導電性基板11を投入し、577℃の共晶温度以上に制御された熱板を、結晶シリコン粒子12の上部に接触させて押し付けることで短時間に接合を形成する。この結果、結晶シリコン粒子12を離して配置しても、個別に共晶接合が同程度に進み、共晶の広がりを制御できるようになった。この方法を用いることにより、アルミニウム−シリコン共晶部16の広がりを抑制して、図2にみられるように、結晶シリコン粒子12の下部及びその近辺のみに形成されるように、制限することができた。
なお、アルミニウム−シリコン共晶部16を少なくしても薄くp+シリコン層17が形成されていることがわかった。
(光電変換装置)
次に、図3に示すような光電変換装置を形成した。
まず、上記のようにして導電性基板11に接合された結晶シリコン粒子12の表層部に形成された第2導電型の半導体層13を導電性基板11から分離するために、結晶シリコン粒子12の上部半分以上の部位に耐エッチング液のレジストを転写法にて塗布し、エッチング液に浸漬して露出した結晶シリコン粒子12表面の第2導電型の半導体層13をエッチング液で除去する。
次に、結晶シリコン粒子12の隣接するもの同士の間に介在するように、導電性基板11上の結晶シリコン粒子12同士の間にムラ無く全面に絶縁物質14をコーティングする。この絶縁物質14は、正極と負極の分離を行うための絶縁材料からなり、例えばポリイミドを主成分とする。ポリイミドは、処理温度を低く抑えることが可能で、弾性係数も小さく、導電性基板11と絶縁物質14との熱膨張係数の差を吸収する点で好ましい材料である。
さらに、結晶シリコン粒子12上に透光性導体層15を形成し、各結晶シリコン粒子12で発生した光電流を収電できるようにする。この透光性導体層15は、錫ドープ酸化インジウム膜,酸化スズ膜,酸化亜鉛膜等からなり、膜厚を850Å程度に制御することで反射防止効果をも有している。また透光性導体層15は、量産に適した信頼性の高い均質な膜質を得るには、スパッタリング法で形成するのが好ましいが、CVD法、ディップ法、電析法により形成することもできる。また透光性導体層15は、第2導電型の半導体層13上に上部電極として形成されるとともに、絶縁物質15上にも形成されて、個々の結晶シリコン粒子12によって形成された光電変換素子を並列に接続することができる。
その後、透光性導体層15の直列抵抗値を低くするために、透光性導体層15上に銀ペースト等を櫛歯状に塗布形成してグリット電極(不図示)とし、導電性基板11を一方の電極とし、透光性導体層15およびグリット電極をもう一方の電極とすることにより、太陽電池としての光電変換装置が得られる。
次に、結晶シリコン粒子12の上のそれぞれにレンズ状の集光部が配置されるようにして、樹脂成形品からなる透明保護層をかぶせた。これにより、それぞれのレンズ状の集光部の間の境界部19にそのまま直進してきた光は、結晶シリコン粒子12間にある表面を粗面とされた金属アルミニウムからなる導電性基板11で90%の反射率で反射及び散乱され、近辺の結晶シリコン粒子12に入射して光電変換に寄与することとなる。この様子は図1に示している。このとき、結晶シリコン粒子12間にある導電性基板11表面をより反射率の高い金属でメッキしていても良い。この場合、例えば、銀膜が好ましい。
最上面がレンズ状の集光部を有する樹脂成形品で覆われた上記の光電変換装置の最表面部に、樹脂を溶剤に溶かした粘性の液を転写法で塗布し、その上にガラス基板をラミネート処理することにより、光電変換モジュールを作製した。このことにより、可撓性の光電変換装置となり、また、結晶シリコン粒子12を用いた球状太陽電池を曲げながらガラス基板から容易に剥ぎ取ることができ、ガラス基板と光電変換装置をリサイクル・リユースすることができる。また、ガラス基板に接着することによって、樹脂では持ち得なかった機械的強度、耐火性、耐久性をともに満足させることができる。
上記の光電変換モジュールは、低コストかつ高変換効率であることに加えて、ガラス基板を容易にリサイクルできる構造となっており、設置架台やコンバーターなどを用いたトータルシステムにおいても効果を発揮し得る。
また、本発明の製造方法によって得られる光発電装置は、上記本発明の光電変換装置を発電手段として用い、この発電手段の発電電力を、発光装置や照明装置、モーター等の各種の負荷へ供給するように成したものである。これにより、高変換効率で信頼性が高い本発明の製造方法によって得られた光電変換装置によって発電能力が向上し、長期間にわたって高い発電効率が得られるとともに高い信頼性を確保することができる。
本発明の製造方法によって得られた光電変換装置の実施例について以下に説明する。
結晶シリコン粒子12を、シリコン融液の液滴を容器(坩堝)のノズルから噴出させ自由落下させて固化させることにより製造する、いわゆるジェット法によって、製造した。即ち、Arの不活性ガスの雰囲気中で、坩堝へシリコン原料を充填して昇温し溶解したシリコン融液を、坩堝下端に形成されたノズルより噴出させて自由落下させ、固化させることにより、球状の結晶シリコン粒子12を作製した。
次に、この結晶シリコン粒子12を石英ボート上に載置して熱処理することにより、結晶シリコン粒子12の表面にリン不純物を熱拡散させて、結晶シリコン粒子12表面におよそ1μmの厚さのn型の半導体層13を形成した。
次に、多数の直径約300μmの結晶シリコン粒子12を、500μmの厚みの高純度アルミニウムからなる導電性基板11上に、図2に示すように、平面視で正三角形の頂点に位置するようにして配設した。隣接するアルミニウム−シリコン共晶部16同士の中心間の距離は400μmであった。また、前記導電性基板11はサンドブラスト法により表面を粗くし、その表面の算術平均粗さRaを5μmとした。
次に、結晶シリコン粒子12を上面に載置した導電性基板11を、5体積%の水素ガスを含む窒素ガスの還元雰囲気の加熱炉に導入し、急速に520℃まで昇温した。そして、共晶点より2℃高い579℃の熱板を、0.05N/cm2の力で、結晶シリコン粒子12の上部から導電性基板11に押し付けることで、アルミニウムとシリコンとを一部共晶化した。このとき、導電性基板11表面に共晶が広がらないように押し付け時間を30秒のみとし、熱板を導電性基板11から離した。結晶シリコン粒子12の下部と導電性基板11との間に、アルミニウム−シリコン共晶部16が形成されることにより、結晶シリコン粒子12と導電性基板11とは充分な接着強度を有するとともに、電気的にオーミックな接合部を有するものとなった。
次に、結晶シリコン粒子12が配設された導電性基板11上の結晶シリコン粒子12同士の間に、ポリイミドからなる絶縁物質14を約100μmの厚みになるように充填塗布し乾燥させた。
次に、多数の結晶シリコン粒子12上の全面に、上部電極膜としての透光性導体層15(ITO膜)を、スパッタリング法により、85nmの厚みで形成した。
最後に、透光性導体層15上に銀ペーストをディスペンサーでグリッド状にパターン形成して、フィンガー電極およびバスバー電極となる銀ペーストパターンを形成し、焼成を行ってフィンガー電極およびバスバー電極を形成した。
上記のようにして本発明の製造方法によって得られた光電変換装置について、所定の強度および所定の波長の光を照射して、光電変換装置の電気特性を示す光電変換効率(単位:%)を測定した。電気特性の測定は、ソーラーシミュレータ(WACOM社製:WXS155S−10)を用いて、JIS C 8913に基づいた方法により実施した。
その結果、開放電圧580mV、短絡電流密度32mA/cm2、14.2%の変換効率を得ることができた。
[比較例]
ジェット法によって作製された球状の結晶シリコン粒子12を石英ボート上に載置して熱処理することにより、結晶シリコン粒子12の表面にリン不純物を熱拡散させた。
次に、多数の直径約300μmの結晶シリコン粒子12を、500μmの厚みの高純度アルミニウムからなる導電性基板11上に、図2のように配設した。そして、導電性基板11の上の多数の結晶シリコン粒子12を、熱板と導電性基板11とにより0.05N/cm2の高圧ではさみ合わせた。
次に、上記の状態の結晶シリコン粒子12及び導電性基板11を、5体積%の水素ガスを含む窒素ガスの還元雰囲気の加熱炉内で昇温させて、結晶シリコン粒子12の下部で全体の2〜5割の部位を導電性基板11に接合させた後、熱板を導電性基板11より離して降温させた。このとき、アルミニウム−シリコン共晶部16は導電性基板11表面全面に広がっていた。
次に、結晶シリコン粒子12間の部位に絶縁物質14を充填塗布し乾燥させ、さらに上部電極膜としての透光性導体層(ITO膜)15を形成した。次に、銀ペーストをディスペンサーでグリッド状にパターン形成して焼成し、フィンガー電極およびバスバー電極を形成した。
この光電変換装置について、上記実施例と同様の方法により、電気特性を評価した結果、開放電圧580mV、短絡電流密度29mA/cm2、13.1%の変換効率を得た。
実施例と比較例の結果から、比較例に比べて実施例の方が短絡電流が大きくなったのは、実施例においては透明保護層の集光部間に形成された平坦面からなる境界部を通過して入射した光が、導電性基板表面で有効に反射、散乱されたことによって光の利用効率が向上したことによるものである。
なお、本発明の製造方法によって得られる光発電装置は以上の実施の形態および実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。
本発明の製造方法によって得られる光電変換装置について実施の形態の一例を示す部分断面図である。 本発明の製造方法によって得られる光電変換装置について実施の形態の一例を示す平面図である。 本発明の製造方法によって得られる光電変換装置について実施の形態の他例を示す部分断面図である。
11・・・導電性基板
12・・・結晶シリコン粒子
13・・・第2導電型の半導体層
14・・・絶縁物質
15・・・透光性導体層
16・・・アルミニウム−シリコン共晶部
17・・・p+シリコン層
19・・・境界部

Claims (2)

  1. アルミニウムから成る導電性基板の一主面に、複数の結晶シリコン粒子を互いに間隔をおいて配置する工程と、
    前記導電性基板をアルミニウムとシリコンの共晶温度よりも低い温度に保持する工程と、
    前記共晶温度以上に設定された熱板を複数の前記シリコン粒子の上部に接触させて押し付けることによって、隣接する前記シリコン粒子の間における前記一主面にはアルミニウム−シリコン共晶部を形成させずに、複数の前記シリコン粒子と前記導電性基板との界面に前記アルミニウム−シリコン共晶部を形成させる工程と
    を具備することを特徴とする光電変換装置の製造方法。
  2. 前記導電性基板として前記一主面に凹凸が形成されたものを用いることを特徴とする請求項1記載の光電変換装置の製造方法。
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