JP4955162B2 - 生体器官拡張器具用バルーンおよび生体器官拡張器具 - Google Patents

生体器官拡張器具用バルーンおよび生体器官拡張器具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管、胆管、気管、食道、尿道、その他の臓器などの生体器官内に形成された狭窄部の改善に使用される生体器官拡張器具および生体器官拡張器具用バルーンに関する。特に、血管内治療における狭窄病変、主に心血管等の狭窄部位におけるPTCA施行後に行う生体器官拡張用ステントを安全かつ、スムーズな操作性のもとに、目的生体器官部位まで運ぶことの可能な生体器官拡張器具および生体器官拡張器具用バルーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、血管、胆管、食道、気管、尿道、その他の臓器などの生体管腔または体腔の狭窄部にステントを留置して管腔または体腔空間を確保する生体器官拡張法が行われている。これに使用されるステントとしては、機能および留置方法によって、バルーンエキスパンダブルステントとセルフエキスパンダブルステントとがある。
【0003】
バルーンエキスパンダブルステントは、ステント自身に拡張機能はなく、ステントを目的部位に留置するには、例えば、バルーンに装着されたステントを目的部位まで挿入した後、バルーンを拡張させ、バルーンの拡張力によりステントを拡張(塑性変形)させ目的部位の内面に密着させて固定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
バルーンエキスパンダブルステントを備えた生体器官拡張器具では、ステントはバルーン上に装着されて生体器官の狭窄部まで運ばれ、狭窄部内にてバルーンを拡張させバルーンの拡張力によりステントを押し拡げることにより、狭窄部内に留置されその改善を行う。従来の生体器官拡張器具においては、バルーンが、内部に注入される流体によりほぼ同一径の筒状に拡張する拡張可能部と、該器具のシャフト本体部に液密に接合するために拡張可能部の前後に設けられた接合部と、拡張可能部とそれぞれの接合部を繋ぐテーパ部とを備えた構造となっており、拡張可能部にステントを装着し、拡張可能部を筒状に拡張することによりステント全体を目的とする形状に拡張させる。このため、上記テーパ部がある程度の長さを備える場合、バルーンの拡張力によりステントを押し拡げた際に、拡張可能部の両端からはみ出した両テーパ部がそれぞれ、ステントの外径を越えて過度に拡張し、狭窄部近傍の正常な生体管腔または体腔の内壁を拡張して該内壁に損傷を与える場合があるという問題がある。
【0005】
このようなテーパ部の過度の拡張を防止するために、上記両テーパ部を実質的に設けない(テーパレス)形状のバルーンを備えた生体器官拡張器具も市販されている。このような器具では、必然的に、ステントの基端のすぐ近傍にバルーンの基端側の接合部が位置する。一方、このような器具においては、ステントの先端および基端の近傍となるシャフト本体部の外面にそれぞれ、ステントの位置をX線透視下で確認するためのX線不透過マーカーが固定されている。このため、基端側のマーカーは必然的に、内径の小さいバルーン基端側の接合部近傍に設置される。したがって、このような器具では、上記マーカーの存在によりシャフト本体部のバルーン拡張用ルーメンからバルーン基端側の接合部近傍を経てバルーン内部に流入するバルーン拡張用流体の流路が狭められ、該流体の流れが妨げられてバルーンの拡張・収縮時間が長くなるという問題がある。
【0006】
また、バルーンに装着されるステントは、ステンレス等の硬質な材料から形成されているため、従来の器具では、ステントが装着された部分と装着されてない部分との間において生体器官拡張器具の剛性(硬さ)が急激に変化し、ステント装着部分と非装着部分との境界部分で該器具がキンク(折れ曲がり)を発生し易く、該器具の耐キンク性が十分でないという問題がある。さらに、生体器官拡張器具を操作して目的部位まで挿入するために器具の手元で与えた押し込み力が、上述した剛性の急変した部分において吸収されてしまい該器具の先端まで確実に伝達されにくく、トラッカビリティ(蛇行した血管に対し、器具が追随して進むことができる性質)が低い傾向があるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、バルーンのステント非装着部分における過度の拡張を抑制し、正常な体腔内壁を損傷する虞れが極めて少ないとともに、拡張液体の流路の遮断若しくは拡張体内への液体の流入障害が極めて少なく、拡張体の拡張および収縮時間が短い(拡張収縮時間応答性が良好な)生体器官拡張器具および生体器官拡張器具用バルーンを提供するものである。さらに、本発明の目的は、ステント装着部分と非装着部分との境界における剛性(硬さ)の急激な変化を緩和でき、耐キンク性およびトラッカビリティの高い生体器官拡張器具および生体器官拡張器具用バルーンを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、内圧の変化により折り畳みおよび拡張可能であり、折り畳まれた状態でステントが装着され、その拡張力により該ステントを拡張させる生体器官拡張器具用バルーンであって、該バルーンは、その内部に注入される流体によりほぼ同一径の筒状に拡張する拡張可能部と、該拡張可能部よりも基端側に設けられ、外径が該拡張可能部の外径よりも小さい基端側接合部と、該基端側接合部および前記拡張可能部の間に設けられた基端側移行部とを備え、該基端側移行部は、前記基端側接合部よりも先端側に該基端側接合部と連続して設けられ、先端方向に向かって外径が一定の変化率で連続的に増大するテーパ形状をなしており、前記バルーンの長手方向軸線に対する傾斜角度α1が3〜10°である基端側低傾斜部と、該基端側低傾斜部よりも先端側に該基端側接合部と連続して設けられ、外径が先端方向に向かって前記基端側低傾斜部における外径の変化率よりも大きい変化率で増大する基端側高傾斜部とを備えており、前記バルーンの長手方向に沿って前記基端側高傾斜部の基端と先端とを結んだ直線の前記バルーンの軸線に対する傾斜角度β1が15〜50°であり、前記基端側高傾斜部は、前記基端側高傾斜部の基端と先端とを結んだ直線に対して前記バルーンの軸線方向に湾曲する、凹状形状を呈する曲面により形成されており、前記基端側低傾斜部の長さは、0.5〜10mmであり、前記前記基端側高傾斜部の長さは、0.3〜8.0mmであり、
前記バルーンは、さらに、前記拡張可能部よりも先端側に設けられ、外径が該拡張可能部の外径よりも小さい先端側接合部と、該先端側接合部および前記拡張可能部の間に設けられた先端側移行部とを備え、該先端側移行部は、前記先端側接合部よりも基端側に該先端側接合部と連続して設けられ、基端方向に向かって外径が一定の変化率で連続的に増大するテーパ形状をなしており、前記バルーンの長手方向軸線に対する傾斜角度α2が3〜10°である先端側低傾斜部と、該先端側低傾斜部よりも基端側に該先端側接合部と連続して設けられ、外径が基端方向に向かって前記先端側低傾斜部における外径の変化率よりも大きい変化率で増大する先端側高傾斜部とを備えており、前記バルーンの長手方向に沿って前記先端側高傾斜部の基端と先端とを結んだ直線の前記バルーンの軸線に対する傾斜角度β2が15〜50°であり、前記先端側高傾斜部は、前記先端側高傾斜部の基端と先端とを結んだ直線に対して前記バルーンの軸線方向に湾曲する、凹状形状を呈する曲面により形成されており、前記先端側低傾斜部の長さが、0.5〜10mmであり、前記先端側高傾斜部の長さが、0.3〜8.0mmであることを特徴とする生体器官拡張器具用バルーンである。
【0009】
そして、前記基端側低傾斜部の内径は、先端方向に向かって増大していることが好ましい。また、前記基端側低傾斜部の肉厚は、前記基端側高傾斜部の肉厚よりも厚いことが好ましいまた、前記基端側移行部は、前記基端側高傾斜部よりも先端側に設けられ、外径が先端方向に向かって前記基端側高傾斜部における外径の変化率よりも小さい変化率で増大する第3の基端側傾斜部をさらに備えていることが好ましい。
【0011】
そして、前記先端側低傾斜部の肉厚は、前記先端側高傾斜部の肉厚よりも厚いことが好ましいまた、前記先端側移行部は、前記先端側高傾斜部よりも基端側に設けられ、外径が基端方向に向かって前記先端側高傾斜部における外径の変化率よりも小さい変化率で増大する第3の先端側傾斜部をさらに備えていることが好ましい。
【0012】
また、上記目的を達成するものは、チューブ状のシャフト本体部と、該シャフト本体部の先端部に設けられた上記バルーンと、折り畳まれた状態の前記バルーンを被包するように装着され、かつ該バルーンの拡張により拡張されるステントとを備える生体器官拡張器具であって、前記シャフト本体部は、一端が前記バルーン内と連通するバルーン拡張用ルーメンを備え、前記バルーンは、該バルーン拡張用ルーメン内に注入される流体により折り畳みおよび拡張可能であることを特徴とする生体器官拡張器具である。そして、前記基端側低傾斜部と前記ステントの基端との間の位置で前記バルーンの内部にある前記シャフトの外面に固定された補強体を備えていることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の生体器官拡張器具を図面に示した実施例を用いて説明する。図1は、本発明の生体器官拡張器具の一実施例の正面図である。図2は、本発明の生体器官拡張器具用バルーンの拡大平面図である。図3は、図2に示した生体器官拡張器具用バルーンの基端部を拡大して示す図である。図4は、図2に示した生体器官拡張器具用バルーンの先端部を拡大して示す図である。図5は、図1に示した生体器官拡張器具の先端付近の拡大断面図である。図6は、図1に示した生体器官拡張器具の中央接合部部分の拡大断面図である。図7は、図1のA−A線断面図である。図8は、図1のB−B線断面図である。図9は、図6のD−D線断面図である。図10は、図6のE−E線断面図である。図11は、図1に示した生体器官拡張器具の後端部の拡大断面図である。図12は、本発明の生体器官拡張器具に使用されるステントの一例を示す斜視図である。図13は、図1に示した生体器官拡張器具のバルーンを拡張し、ステントを押し拡げた状態を示す図である。
【0014】
なお、図2ないし図4では、説明の都合上、バルーンを予め規定された外径まで拡張した状態を示している。また、図5では、図1に示した生体器官拡張器具からステントを除いて、バルーンを予め規定された外径まで拡張した状態を示している。また、図1ないし図5の右側を「基端」、左側を「先端」とする。
【0015】
本発明の生体器官拡張器具用バルーン3は、内圧の変化により折り畳みおよび拡張可能であり、折り畳まれた状態でステント4が装着され、その拡張力によりステント4を拡張させるものである。バルーン3は、その内部に注入される流体によりほぼ同一径の筒状に拡張する拡張可能部31と、拡張可能部31よりも基端側に設けられ、外径が拡張可能部31の外径よりも小さい基端側接合部32bと、基端側接合部32bおよび拡張可能部31の間に設けられた基端側移行部33bとを備える。基端側移行部33bは、基端側接合部32bよりも先端側に基端側接合部32bと連続して設けられ、先端方向に向かって外径が増大しており、バルーン3の長手方向軸線Lに対する傾斜角度α1が3〜10°である基端側低傾斜部331bと、基端側低傾斜部331bよりも先端側に基端側接合部331bと連続して設けられ、外径が先端方向に向かって基端側低傾斜部331bにおける外径の変化率よりも大きい変化率で増大する基端側高傾斜部332bとを備える。
【0016】
本発明の生体器官拡張器具1は、チューブ状のシャフト本体部2と、シャフト本体部2の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーン3と、折り畳まれた状態のバルーン3を被包するように装着され、かつバルーン3の拡張により拡張されるステント4とを備える。シャフト本体部2は、一端がバルーン3内と連通するバルーン拡張用ルーメン16を備える。バルーン3は、その内部に注入される流体によりほぼ同一径の筒状に拡張する拡張可能部31と、拡張可能部31よりも基端側に設けられ、外径が拡張可能部31の外径よりも小さい基端側接合部32bと、基端側接合部32bおよび拡張可能部31の間に設けられた基端側移行部33bとを備える。基端側移行部33bは、基端側接合部32bよりも先端側に基端側接合部32bと連続して設けられ、先端方向に向かって外径が増大しており、バルーン3の長手方向軸線Lに対する傾斜角度α1が3〜10°である基端側低傾斜部331bと、基端側低傾斜部331bよりも先端側に基端側接合部331bと連続して設けられ、外径が先端方向に向かって基端側低傾斜部331bにおける外径の変化率よりも大きい変化率で増大する基端側高傾斜部332bとを備える。
【0017】
そこで、本発明の生体器官拡張器具1をいわゆるラピットエクスチェンジタイプと呼ばれ、シャフト本体部2の中間部にガイドワイヤー導入口36が設けられており、シャフト本体部2内にはこの導入口と連通し先端にて開口するガイドワイヤールーメン15を備えるものを用いて説明する。この生体器官拡張器具1では、シャフト本体部2は、シャフト本体部2の先端にて一端が開口し、他端がシャフト本体部の中間部(後述する接合コネクター7部分)にて開口するガイドワイヤールーメン15を備えている。なお、本発明の生体器官拡張器具はこのようなラピッドエクスチェンジタイプのものに限定されるものではなく、ガイドワイヤルーメンが器具の基端部で開口するオーバーザワイヤタイプのもの、ガイドワイヤと一体となったオンザワイヤタイプのもの等、いかなるものでもよい。
【0018】
この生体器官拡張器具1は、シャフト本体部2と、シャフト本体部2の先端部に固定されたステント拡張用バルーン3と、このバルーン3を上に装着されたステント4とを備える。シャフト本体部2は、中間部に接合コネクター7が設けられており、接合コネクター7を境に先端側シャフト部10と後端側シャフト部20に区分されており、それぞれは構造が異なっている。先端側シャフト部は、図6に示すようにガイドワイヤールーメン15を形成する内管12と、この内管12を被包し、先端が内管12の先端より若干後端側に位置し、内管12の外面との間にバルーン拡張用ルーメン16を形成する外管13を備えている。
【0019】
内管12としては、外径が0.35〜1.0mm、好ましくは0.45〜0.8mmであり、内径が0.2〜0.9mm、好ましくは0.35〜0.7mmである。外管13としては、外径が0.6〜1.5mm、好ましくは0.8〜1.1mmであり、内径が0.5〜1.4mm、好ましくは0.7〜1.0mmである。
【0020】
内管12、外管13の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など、さらに、架橋もしくは部分架橋物も含む)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用でき、好ましくは上記の熱可塑性樹脂であり、より好ましくは、架橋もしくは部分架橋ポリオレフィンである。
【0021】
そして、バルーン3は、先端側接合部32aおよび基端側接合部32bを有し、先端側接合部32aが内管12の先端より若干後端側の位置に固定され、後端側接合部32bが外管13の先端に固定されている。また、バルーン3は、基端部付近にてバルーン拡張用ルーメン16と連通している。
【0022】
バルーン3は、折り畳み可能なものであり、拡張させない状態では、内管12の外周に折りたたまれた状態となることができるものである。バルーン3は、装着されるステント4を拡張できるようにほぼ同一径の筒状部分(好ましくは、円筒部分)となった拡張可能部31を有している。上記の略円筒部分は、完全な円筒でなくてもよく、多角柱状のものであってもよい。バルーン3の先端側接合部32aおよび基端側接合部32bは、それぞれ、拡張可能部31よりも小さい外径を有しており、上述のように、先端側接合部32aが内管12にまた基端側接合部32bが外管13の先端に接着剤または熱融着などにより液密に固着されている。
【0023】
そして、バルーン3は、拡張可能部31と基端側接合部32bとの間に基端側移行部33bを備えており、拡張可能部31と先端側接合部32aとの間に基端側移行部33aを備えている。基端側移行部33bの外径は、拡張可能部31の基端から基端方向に向かって基端側接合部32bに達するまでなめらかに縮径している。また、図5に示すように、基端側移行部33bの内径も、拡張可能部31の基端から基端方向に向かって基端側接合部32bに達するまでなめらかに縮径している。同様に、先端側移行部33aの外径は、拡張可能部31の先端から先端方向に向かって先端側接合部32aに達するまでなめらかに縮径している。また、図5に示すように、先端側移行部33aの内径も、拡張可能部31の先端から先端方向に向かって先端側接合部32aに達するまでなめらかに縮径している。
【0024】
図513に示すように、バルーン3に装着されたステント4は、全長にわたってバルーン3のほぼ同一径の筒状に拡張する拡張可能部3上に位置している。これにより、バルーン3を拡張することにより、ステント全体を目的とする形状に拡張することができ、ステントの端部付近に拡張不足が生じることがない。そして、バルーン3の先端側移行部33aはステント4よりも先端側に位置し、基端側移行部33bはステント4よりも基端側に位置しており、よってこれらの移行部は、それぞれ、ステント4の先端および基端からはみ出した(露出した)状態となっている。
【0025】
バルーン3の基端側移行部33bは、図2および図3に示すように、基端側接合部32bより先端側に接合部32bと連続し、かつ接合部32bと隣接して設けられた基端側低傾斜部331bと、基端側低傾斜部331bより先端側に低傾斜部331bと連続し、かつ低傾斜部331bと隣接して設けられた基端側高傾斜部332bとを備える。低傾斜部331bの外径は、先端方向に向かって所定の変化率でなめらかに増大しており、高傾斜部332bの外径は、低傾斜部331bにおける外径の変化率よりも大きい変化率で先端方向に向かって増大している。
【0026】
そして、本発明では、バルーン3の長手方向の軸線Lに対する低傾斜部331bの傾斜角度α1は、3〜10°、好ましくは、4〜7°に設定される。なお、この傾斜角度α1は、バルーン3の長手方向に沿って低傾斜部331bの外面の先端と基端とを結んだ直線とバルーン3の軸線Lとがなす角度である。上記角度α1の上限は、バルーン3の基端側移行部33b全体の膨張を抑制し、バルーン3の拡張力によりステント4を拡張させた際に、基端側移行部33bがステント4の外径を越えて過度に拡張することを防止する観点から設定され、上記角度α1の下限は、低傾斜部331bの先端近傍における内径を十分に大きいものとし、後述する補強体18が存在する低傾斜部331bの先端近傍においてバルーン拡張用流体が流れるための流路面積を十分に確保してバルーンの拡張・収縮にかかる時間を短縮する観点から設定される。なお、本発明者らは、傾斜角度α1が20°である場合、基端側移行部33bがステント4の外径を越えて過度に拡張する傾向が著しく増大することを確認した。
【0027】
また、低傾斜部331bの内径は、上述した低傾斜部331bの外径と同様に、先端方向に向かって所定の変化率でなめらかに増大している。このため、後述するマーカー18を設置しても、バルーン膨張用流体(例えば、造影剤)の流路面積を広く確保することが可能となり、該流体をバルーン3内にスムーズに流すことができる。
【0028】
なお、本実施例の基端側低傾斜部331bは、その外径および内径が先端方向に向かって一定の変化率で連続的に増大するテーパ形状をなしている。しかし、本発明における基端側低傾斜部の形状は上記のものに限定されなく、外径および/または内径が段階的に(ステップワイズで)変化する形状としてもよく、あるいは外面が凹状若しくは凸状に湾曲した曲面からなる形状としてもよい。
【0029】
また、バルーン3の基端側低傾斜部331bの肉厚は、図5に示すように、基端側高傾斜部332bの肉厚よりも厚くなっている。このため、バルーン3の低傾斜部331bにおける剛性(硬さ)は、基端側高傾斜部332bにおける剛性(硬さ)よりも高くなっている。これにより、この低傾斜部331bと後述する補強体18とが相俟って、バルーン3のステント4が装着されてない部分を補強することが可能となり、ステント4が装着された部分と非装着部分との境界部分における生体器官拡張器具1の剛性(硬さ)の急変を緩和できる。このため、この部分における耐キンク性を高め、かつ、器具1の手元部分で与えた力を器具1の先端部までより確実に伝達でき、生体器官拡張器具1の追従性(トラッカビリティ)を高めることができる。
【0030】
バルーン3の長手方向の軸線Lに対する基端側高傾斜部332bの傾斜角度β1は、特に限定されないが、15〜50°が好ましく、特に好ましくは20〜35°に設定される。なお、この傾斜角度β1は、バルーン3の長手方向に沿って高傾斜部332bの外面の先端と基端とを結んだ直線とバルーン3の軸線Lとがなす角度である。上記角度β1の上限は、バルーン3を小さな外径にコンパクトに折り畳むことを容易にするという観点から設定され、上記角度β1の下限は、上記した低傾斜部331bと相俟って、バルーン3の基端側移行部33b全体の膨張を抑制し、バルーン3の拡張力によりステント4を拡張させた際に、基端側移行部33bがステント4の外径を越えて過度に拡張することを防止するという観点から設定される。
【0031】
高傾斜部332bの内径は、上述した高傾斜部332bの外径と同様に、低傾斜部331bにおける内径の変化率よりも大きい変化率で先端方向に向かって増大している。
【0032】
本実施例では、バルーン3の基端側高傾斜部332bは、図2に示すように、先端方向に向かって拡張可能部31と反対方向に湾曲する、凹状形状を呈する曲面により形成されている。このような形状とすることにより、上記した低傾斜部331bと相俟って、基端側移行部33b全体の膨張を確実に抑制し、バルーン3の拡張力によりステント4を拡張させた際に、基端側移行部33bがステント4の外径を越えて過度に拡張することをより確実に防止できる。
【0033】
バルーン3の長手方向に沿って高傾斜部332bの外面の先端と基端を結んだ曲線の湾曲半径(曲率半径)R1は、特に限定されないが、1〜20mmが好ましく、より好ましくは1〜10mmに設定される。このような範囲とすることにより、上記した低傾斜部331bと相俟って、基端側移行部33b全体の膨張を確実に抑制し、バルーン3の拡張力によりステント4を拡張させた際に、基端側移行部33bがステント4の外径を越えて過度に拡張することをより確実に防止できるという利点がある。
【0034】
なお、本発明の基端側高傾斜部は上記のような形状に限定されるものではなく、先端方向に向かって一定の変化率でテーパー状に外径および/または内径が変化する形状や、先端方向に向かって拡張可能部31の側に湾曲する凸状を呈する曲面からなる形状であってもよい。
【0035】
また、本実施例では、バルーン3の基端側移行部33bは、高傾斜部332bより先端側に高傾斜部332bと連続し、かつ高傾斜部332bと隣接して設けられた基端側第3傾斜部333bを備えている。この第3傾斜部333bの外径は、先端方向に向かって拡張可能部31の基端に達するまで、高傾斜部332bにおける外径の変化率よりも小さい変化率でなめらかに増大している。また、第3傾斜部333bの内径も同様に、先端方向に向かって拡張可能部31の基端に達するまで、高傾斜部332bにおける外径の変化率よりも小さい変化率でなめらかに増大している。このような第3傾斜部333bを設けることにより、拡張可能部31と高傾斜部332b間の急激な傾斜の変化を緩和し、バルーン3を折り畳むことを容易にするという利点がある。
【0036】
バルーン3の長手方向の軸線Lに対する基端側第3傾斜部333bの傾斜角度θ1は、特に限定されないが、45°以下が好ましく、特に好ましくは5〜20°に設定される。なお、この傾斜角度θ1は、バルーン3の長手方向に沿って第3傾斜部333bの外面の先端と基端とを結んだ直線とバルーン3の軸線Lとがなす角度である。上記角度θ1は、拡張可能部31と高傾斜部332b間の急激な傾斜の変化を緩和し、バルーン3を折り畳むことを容易にするという観点から設定される。ただし、本発明では、折り畳みの状態によっては、第3傾斜部333bを必ずしも設けなくてよく、基端側高傾斜部332bのすぐ先端側に拡張可能部31を隣接させてもよい。
【0037】
また、本実施例の基端側第3傾斜部331bは外径および内径が先端方向に向かって一定の変化率で連続的に増大するテーパ形状をなしているが、本発明における基端側第3傾斜部の形状は上記のものに限定されなく、外径および/または内径が段階的に(ステップワイズで)変化する形状としてもよい。
【0038】
バルーン3の先端側移行部33aは、図2および図4に示すように、先端側接合部32aより基端側に接合部32aと連続し、かつ接合部32aと隣接して設けられた先端側低傾斜部331aと、先端側低傾斜部331aより基端側に低傾斜部331aと連続し、かつ低傾斜部331aと隣接して設けられた先端側高傾斜部332aとを備える。低傾斜部331aの外径は、基端方向に向かって所定の変化率でなめらかに増大しており、高傾斜部332aの外径は、低傾斜部331aにおける外径の変化率よりも大きい変化率で基端方向に向かって増大している。また、これと同様に、低傾斜部331aの内径も、基端方向に向かって所定の変化率でなめらかに増大しており、高傾斜部332aの外径も、低傾斜部331aにおける外径の変化率よりも大きい変化率で基端方向に向かって増大している。
【0039】
そして、バルーン3の長手方向の軸線Lに対する低傾斜部331aの傾斜角度α2は、3°以上、10°以下が好ましく、より好ましくは、4°以上、7°以下に設定される。なお、この傾斜角度α2は、バルーン3の長手方向に沿って低傾斜部331aの外面の先端と基端とを結んだ直線とバルーン3の軸線Lとがなす角度である。上記角度α2の上限は、バルーン3の先端側移行部33a全体の膨張を抑制し、バルーン3の拡張力によりステント4を拡張させた際に、先端側移行部33aがステント4の外径を越えて過度に拡張することを防止する観点から設定され、上記角度α1の下限は、後述する二軸延伸ブロー成形によりバルーンを製造する場合に、低傾斜部331aの肉厚を適度に薄くし、これにより低傾斜部331aの剛性(硬さ)を適度なものに保つという観点から設定される。なお、本発明者らは、傾斜角度α2が20°である場合、先端側移行部33aがステント4の外径を越えて過度に拡張する傾向が著しく増大することを確認した。
【0040】
なお、本実施例の先端側低傾斜部331aは、その外径および内径が基端方向に向かって一定の変化率で連続的に増大するテーパ形状をなしている。しかし、本発明における先端側低傾斜部の形状は上記のものに限定されなく、外径および/または内径が段階的に(ステップワイズで)変化する形状としてもよく、あるいは外面が凹状若しくは凸状に湾曲した曲面からなる形状としてもよい。
【0041】
また、バルーン3の先端側低傾斜部331aの肉厚は、図5に示すように、先端側高傾斜部332aの肉厚よりも厚くなっている。このため、バルーン3の低傾斜部331aにおける剛性(硬さ)は、先端側高傾斜部332aにおける剛性(硬さ)よりも高くなっている。これにより、この低傾斜部331aと後述する補強体17とが相俟って、バルーン3のステント4が装着されてない部分を補強することが可能となり、ステント4が装着された部分と非装着部分との境界部分における生体器官拡張器具1の剛性(硬さ)の急変を緩和できる。このため、この部分における耐キンク性を高め、かつ、器具1の手元部分で与えた力を器具1の先端部までより確実に伝達でき、生体器官拡張器具1の追従性(トラッカビリティ)を高めることができる。
【0042】
バルーン3の長手方向の軸線Lに対する先端側高傾斜部332aの傾斜角度β2は、特に限定されないが、15〜50°が好ましく、特に好ましくは20〜35°に設定される。なお、この傾斜角度β2は、バルーン3の長手方向に沿って高傾斜部332aの外面の先端と基端とを結んだ直線とバルーン3の軸線Lとがなす角度である。上記角度β2の上限は、バルーン3を折り畳むことを容易にするという観点から設定され、上記角度β2の下限は、上記した低傾斜部331aと相俟って、バルーン3の先端側移行部33a全体の膨張を抑制し、バルーン3の拡張力によりステント4を拡張させた際に、基端側移行部33aがステント4の外径を越えて過度に拡張することを防止するという観点から設定される。
【0043】
本実施例では、バルーン3の先端側高傾斜部332aは、図3に示すように、基端方向に向かって拡張可能部31と反対方向に湾曲する、凹状形状を呈する曲面により形成されている。これにより、上記した低傾斜部331aと相俟って、先端側移行部33a全体の膨張を確実に抑制し、バルーン3の拡張力によりステント4を拡張させた際に、先端側移行部33aがステント4の外径を越えて過度に拡張することをより確実に防止できる。
【0044】
バルーン3の長手方向に沿って高傾斜部332aの外面の先端と基端を結んだ曲線の湾曲半径(曲率半径)R2は、特に限定されないが、1〜20mmが好ましく、より好ましくは1〜10mmに設定される。このような範囲とすることにより、上記した低傾斜部331aと相俟って、基端側移行部33a全体の膨張を確実に抑制し、バルーン3の拡張力によりステント4を拡張させた際に、先端側移行部33aがステント4の外径を越えて過度に拡張することをより確実に防止できるという利点がある。
【0045】
なお、本発明の基端側高傾斜部は上記のような形状に限定されるものではなく、基端方向に向かって一定の変化率でテーパー状に外径および/または内径が変化する形状や、基端方向に向かって拡張可能部31の側に湾曲する凸状を呈する曲面からなる形状であってもよい。
【0046】
また、本実施例では、バルーン3の先端側移行部33aは、高傾斜部332aより先端側に高傾斜部332aと連続し、かつ高傾斜部332aと隣接して設けられた先端側第3傾斜部333aを備えている。この第3傾斜部333aの外径は、基端方向に向かって拡張可能部31の先端に達するまで、高傾斜部332aにおける外径の変化率よりも小さい変化率でなめらかに増大している。また、第3傾斜部333aの内径も同様に、基端方向に向かって拡張可能部31の先端に達するまで、高傾斜部332aにおける外径の変化率よりも小さい変化率でなめらかに増大している。このような第3傾斜部333aを設けることにより、拡張可能部31と高傾斜部332a間の急激な傾斜の変化を緩和し、バルーン3を折り畳むことを容易にするという利点がある。
【0047】
バルーン3の長手方向の軸線Lに対する先端側第3傾斜部333aの傾斜角度θ2は、特に限定されないが、45°以下が好ましく、特に好ましくは5〜20°に設定される。なお、この傾斜角度θ2は、バルーン3の長手方向に沿って第3傾斜部333aの外面の先端と基端とを結んだ直線とバルーン3の軸線Lとがなす角度である。上記角度θ2は、拡張可能部31と高傾斜部332a間の急激な傾斜の変化を緩和し、バルーン3を小さな外径にコンパクトに折り畳むことを容易にするという観点から設定される。ただし、本発明では、折り畳みの状態によっては、第3傾斜部333aを必ずしも設けなくてよく、先端側高傾斜部332aのすぐ先端側に拡張可能部31を隣接させてもよい。
【0048】
また、本実施例の先端側第3傾斜部331aは外径および内径が先端方向に向かって一定の変化率で連続的に増大するテーパ形状をなしているが、本発明における先端側第3傾斜部の形状は上記のものに限定されなく、外径および/または内径が段階的に(ステップワイズで)変化する形状としてもよい。
バルーン3は、図5に示すように、バルーン3の内面と内管12の外面との間に拡張空間3cを形成する。この拡張空間は、基端部ではその全周において拡張用ルーメン16と連通している。このように、バルーン3の基端は、比較的大きい容積を有する拡張用ルーメンと連通しているので、拡張用ルーメン16よりバルーン内への拡張用流体の注入が確実である。
【0049】
バルーン3の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアリレーンサルファイド(例えば、ポリフェニレンサルファイド)等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用できる。特に、延伸可能な材料であることが好ましく、バルーン3は、高い強度および拡張力を有する二軸延伸されたものが好ましい。
【0050】
上述したバルーン3は、例えば以下に述べるような二軸延伸ブロー成形により製造することができる。
【0051】
まず、上述した材料で構成されるチューブ(筒体)を適当な温度(例えば15〜300℃)で所定の長さに延伸する。これによりチューブは、軸方向(カテーテル本体2の長手方向)に延伸される。
【0052】
次に、延伸したチューブを金型内で膨張させ、ブロー成形を行う。この金型の成形空間(キャビティ)は、拡張時のバルーン3の形状とほぼ同形状とされる。金型内においてチューブ内には、例えば窒素ガスのような高圧ガスが注入される。このブロー成形の際には、金型の加熱によりチューブの温度を上げ、チューブを軟化させ、径方向に膨張させる。これにより、チューブは、最初に行った軸方向への延伸とは異なる方向へ延伸され、その結果、二軸延伸によるバルーン3が得られる。なお、チューブの軸方向の延伸は、ブロー成形の後に行ってもよく、あるいは、金型内で上記チューブを膨張させると同時に行う、すなわちブロー成形と同時に行ってもよい。
【0053】
以上のような製造方法を採用することにより、寸法精度が高く、形状、膜強度、特性等にバラツキが少ないバルーン3を簡単に製造することができる。
【0054】
バルーン3の大きさとしては、特に限定されるものではないが、拡張されたときの円筒部分(拡張可能部31)の外径が、1.5〜6mm、好ましくは2〜4mmであり、長さが10〜50mm、好ましくは10〜40mmである。また、先端側接合部3aの外径が、0.5〜1.5mm、好ましくは0.6〜1.3mmであり、長さが1〜5mm、好ましくは1〜2.0mmである。また、基端側接合部3bの外径が、0.5〜1.6mm、好ましくは0.7〜1.5mmであり、長さが1〜5mm、好ましくは2〜4mmである。また、基端側移行部33b全体の長さが1〜10mm、好ましくは、3〜7mmであり、基端側低傾斜部331bの長さが、0.5〜10mm、好ましくは、0.5〜5mmであり、基端側高傾斜部332bの長さが0.3〜8.0mm、好ましくは、0.5〜5mmであり、基端側低傾斜部333bの長さが、2.0mm以下、好ましくは、0.1〜1.5mmである。また、先端側移行部33a全体の長さが1〜10mm、好ましくは、3〜7mmであり、先端側低傾斜部331aの長さが、0.5〜10mm、好ましくは、0.5〜5mmであり、先端側高傾斜部332aの長さが0.3〜8.0mm、好ましくは、0.5〜5mmであり、先端側低傾斜部333aの長さが、2.0mm以下、好ましくは、0.1〜1.5mmである。
図5に示すように、生体器官拡張器具1のシャフト本体部2(この実施例では、内管12)には、バルーン3の内部であって、かつ、ステント4の先端とバルーン3の先端側低傾斜部331aとの間の位置の外面に先端側補強体17が固定されている。同様に、シャフト本体部2(この実施例では、内管12)には、バルーン3の内部であって、かつ、ステント4の基端とバルーン3の基端側低傾斜部331bとの間の位置の外面に基端側補強体18が固定されている。このような補強体を設けることにより、ステント4が装着された部分と装着されてない部分との境界において生体器官拡張器具1がキンクすることを防止できる。
【0055】
そして、ステント4は、上述した2つの補強体17,18間に挟まれる位置で折り畳まれたバルーン3上に装着されることが好ましく、各補強体17,18の外径は、バルーン3に装着されるステント4の外径とほぼ等しいか若干大きいものとなっている(図示せず)ことが好ましい。これにより、ステント4の補強体17,18を越える移動が防止される。
【0056】
そして、上述したように、バルーン3の基端側低傾斜部331bの肉厚は比較的大きく、この低傾斜部331bにおけるバルーン3の剛性(硬さ)が比較的高いものとなっている。したがって、補強体18と基端側低傾斜部331bとが相俟って、ステント4が装着された部分から基端方向に向かって生体器官拡張器具1の剛性(硬さ)を緩やかに変化させている。このようにすることにより、ステント4が装着された部分と装着されてない部分との境界部分における耐キンク性を高め、かつ、器具1の手元部分で与えた力を器具1の先端部までより確実に伝達でき、生体器官拡張器具1の追従性(トラッカビリティ)を高めることができる。
【0057】
さらに、バルーン3の基端側低傾斜部331bは上述したように、その内径が先端方向に向かって増加している。このため、補強体18が存在する低傾斜部331bの先端近傍において、拡張用ルーメン16からバルーン内に流入しまたバルーン内からルーメン16へ排出されるバルーン拡張用流体が流れるための流路面積を十分に確保でき、バルーンの拡張・収縮にかかる時間を短縮することができる。
【0058】
また、上述したように、バルーン3の先端側低傾斜部331aの肉厚は比較的大きく、この低傾斜部331aにおけるバルーン3の剛性(硬さ)が比較的高いものとなっている。したがって、補強体17と基端側低傾斜部331aとが相俟って、ステント4が装着された部分から先端方向に向かって生体器官拡張器具1の剛性(硬さ)を緩やかに変化させている。このようにすることにより、ステント4が装着された部分と装着されてない部分との境界部分における耐キンク性を高め、かつ、器具1の手元部分で与えた力を器具1の先端部までより確実に伝達でき、生体器官拡張器具1の追従性(トラッカビリティ)を高めることができる。
【0059】
補強体は、所定の長さを有するリング状のもの、管状体を半割りにしたもの、もしくは線状体をコイル状に巻き付けたものなどが好適である。さらに、補強体は、X線不透過材料(例えば、金、白金、タングステンあるいはそれらの合金、あるいは銀−パラジウム合金等)により形成することが好ましい。このようにすることによりバルーン3の拡張可能部31の先端および基端の位置、ひいては、ステント4の先端および基端の位置をX線造影により確認することができる。
【0060】
本発明の生体器官拡張器具1に使用されるステント4は、略管状体に形成され、生体内への挿入のための直径を有し、管状体の内部より半径方向外方に広がる力が付加されたとき、言い換えればバルーン3が拡張したときに拡張可能(伸張可能)なものであり、いわゆるバルーンエキスパンダブルステントである。ステント4としては、例えば、図12に示すように、ステント4の軸方向に長くかつ中央部が開口した略楕円状もしくは多角形状の構成要素22が、ステント4の中心軸に対してほぼ等角度間隔にて略円周上に配列され、かつ、構成要素の円周方向の隣接部(側部)間が接続部23(23a,23b,23c,23d)にて接続された環状ユニット24(24a,24b,24c,24d,24e,24f)からなり、かつ、複数の環状ユニット24a,24b,24c,24d,24e,24fがステント4の軸方向に並んでいる。さらに、一つの環状ユニット4の接続部23と隣り合う環状ユニット24の接続部23とが連結部25(25a,25b,25c,25d,25e)により少なくとも一カ所連結されているものが好適である。しかし、ステント4の形状はこのようなものに限定されるものではなく、網目状などの公知のものが使用できる。
【0061】
ステント4の形成材料としては、ある程度の生体適合性を有するものが好ましく、例えば、ステンレス鋼、タンタルもしくはタンタル合金、プラチナもしくはプラチナ合金、金もしくは金合金、コバルトベース合金等が考えられる。またステント形状を作製した後に貴金属メッキ(金、プラチナ)をしてもよい。ステンレス鋼としては、最も耐腐食性のあるSUS316Lが好適である。さらに、ステントの最終形状を作成したのち、焼なましすることが好ましい。焼きなましを行うことにより、ステント全体の柔軟性および可塑性が向上し、屈曲した血管内での留置性が良好となる。焼きなましを行わない場合に比べて、ステントを拡張した後の拡張前形状に復元しようとする力、特に、屈曲した血管部位で拡張したときに発現する直線状に復帰しようとする力が減少し、屈曲した血管内壁に与える物理的な刺激が減少し、再狭窄の要因を減少させることができる。焼きなましは、ステント表面に酸化皮膜が形成されないように、不活性ガス雰囲気下(例えば、アルゴンガス)にて、900〜1200℃に加熱したのち、ゆっくりと冷却することにより行うことが好ましい。
【0062】
ステント4の非拡張時の直径は、0.9〜1.5mm程度が好適であり、特に、1.0〜1.3mmがより好ましい。また、一つの環状ユニットの長さ、言い換えれば、一つの構成要素の軸方向の長さは、1.5〜4.0mm程度が好適であり、特に、2.0〜3.0mmがより好ましい。また、環状ユニットの数としては、3〜10が好適である。ステント4の中央部の環状ユニットの肉厚としては、0.05〜0.12mm程度が好適であり、特に、0.06〜0.10mmが好適である。両端部の環状ユニットの肉厚としては、0.05〜0.07mm程度が好適である。両端部の環状ユニットの肉厚は、中央部分の環状ユニットの肉厚の3/5〜4/5程度が好適である。
【0063】
次に、シャフト本体部2の後端側シャフト部20について、図11を用いて説明する。後端側シャフト部20は、シャフトチューブ32とその後端に固定されたハブ8とを備える。そして、シャフトチューブ32内には、剛性付与体33が挿入されており、剛性付与体33は後端部にてシャフトチューブ32に固定され、先端は、シャフトチューブ32の先端より突出し、後述する接合コネクター7を貫通し、先端側シャフト内に延びている。この実施例では、剛性付与体33の先端部は、先端側シャフトの内管12と外管13との間、言い換えれば、バルーン拡張用ルーメン16内に到達している。
【0064】
剛性付与体33は、シャフトチューブ32の基端より、その内部を先端側に延びている。また、剛性付与体33は、シャフト本体部2の湾曲の障害とならないように、基端部のみシャフトチューブ32もしくはハブ8に固定されており、その他の部分、具体的には、シャフトチューブ32の基端部を除く内部、接合コネクター7部分、先端側シャフト部(内管12および外管13)のいずれにも固定されていない。剛性付与体33は、シャフトチューブ32の可撓性をあまり低下させることなく、屈曲部位でのシャフトチューブ32の極度の折れ曲がり、シャフトチューブ32の血管内での蛇行を防止する。剛性付与体33は、線状体により形成されていることが好ましい。線状体としては、金属線であることが好ましく、線径0.05〜1.5mm、好ましくは0.1〜1.0mmのステンレス鋼等の弾性金属、超弾性合金などであり、特に好ましくは、ばね用高張力ステンレス鋼、超弾性合金線である。
【0065】
ここでいう超弾性合金とは一般に形状記憶合金といわれ、少なくとも生体温度(37℃付近)で超弾性を示すものである。特に好ましくは、49−53原子%NiのTi−Ni合金、38.5−41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1−10重量%XのCu−Zn−X合金(X=Be、Si、Sn、Al、Ga)、36−38原子%AlのNi−Al合金等の超弾性合金が好適に使用される。特に、上記のTi−Ni合金が望ましい。また、Ti−Ni合金の一部を0.01〜10.0原子%Xで置換したTi−Ni−X合金(X=Co,Fe,Mn,Cr,V,Al,Nb,W,Bなど)とするか、またはTi−Ni合金の一部を0.01〜30.0原子%Xで置換したTi−Ni−X合金(X=Cu,Pb,Zr)とすること、また、冷間加工率または/および最終熱処理の条件を選択することにより、機械的特性を適宜変えることができる。また、上記のTi−Ni−X合金を用いて冷間加工率および/または最終熱処理の条件を選択することにより、機械的特性を適宜変えることができる。
【0066】
シャフトチューブ32は、基端において剛性付与体33を固定しており、さらに、このシャフトチューブ32の後端は、ハブ8に固定されている、シャフトチューブ32の基端より若干先端よりの位置に、バルーン拡張用流体流入口34が形成されている。ハブ8とシャフトチューブ32の境界部の外面には、両者を被覆するように、キンク防止用のチューブ35が取り付けられている。また、ハブ8の後端部は、バルーン拡張用流体注入器具(例えば、シリンジ)の接続部となっている。シャフトチューブ32としては、外径が0.6〜1.5mm、好ましくは0.8〜1.3mmであり、内径が0.5〜1.4mm、好ましくは0.7〜1.2mmである。
【0067】
シャフトチューブ32の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリイミド、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用でき、好ましくは上記の熱可塑性樹脂である。
【0068】
接合コネクター7は、図6、図9および図10に示すように、先端中心より中央部へ軸方向にのび、中央部から湾曲し後端側の外側面に到達する内管挿通路を備え、この挿通路内を内管12の後端部は貫通し、接合コネクター7の側面より突出する内管12の後端部が、ガイドワイヤー導入口36を形成している。また、接合コネクター7には、先端から基端に延びるバルーン拡張用流体流通路37a,37bが形成されている。この実施例では、図10に示すように、2つのバルーン拡張用流体流通路が形成されている。この流通路により、内管12と外管13の間により形成されているバルーン拡張用ルーメン16とシャフトチューブ32内に形成されているバルーン拡張用ルーメン16とは連通している。また、上述のように、接合コネクター7には、先端より基端まで貫通した剛性付与体導通路が形成されており、これを剛性付与体33は貫通している。
【0069】
そして、上述した生体器官拡張器具において、生体管腔(体腔)内あるいはガイドカテーテル内への挿入を容易にするために、シャフト本体部の外面、拡張器具の先端部(バルーンの先端側移行部から先端側および基端側移行部から基端側)の外面に潤滑性を呈するようにするための処理を施すことが望ましい。このような処理としては、例えばポリ2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド系ポリマー、ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーコーティングあるいはポリジメチルシロキサンを主鎖に持つ反応性シリコーン樹脂などの潤滑性を呈する物質をコーティングもしくは固定することにより行うことができる。
【0070】
上述した生体器官拡張器具において、ハブ8の後端部にバルーン拡張用流体注入器具(例えば、シリンジ)を接続し、バルーン拡張用流体流入口34よりバルーン拡張用流体を導入すると、この流体はシャフト本体部2のバルーン用ルーメン16を通ってバルーン3内に流入する。これにより、バルーン3の内圧が増加し、バルーン3の拡張可能部31がほぼ同一径の筒状に拡張する。そして、このバルーン3の拡張力により、ステント4が拡張される。
【0071】
このとき、バルーン3はかなりの高圧(8〜12気圧程度)で拡張されるため、図15に示すように、ステント4の両端からはみ出した先端側移行部33aおよび基端側移行部33bがそれぞれ、予め成形された形状よりも大きく膨張する。しかしながら、これら移行部にはそれぞれ、上述した低傾斜部が設けられているため、これらの移行部がステント4の外径を越えて過度に拡張することはなく、生体器官内においてこれら移行部が正常な生体管腔または体腔の内壁を不必要に拡張して該内壁を損傷することがない。
【0072】
【発明の効果】
本発明の生体器官拡張器具用バルーンは、内圧の変化により折り畳みおよび拡張可能であり、折り畳まれた状態でステントが装着され、その拡張力により該ステントを拡張させる生体器官拡張器具用バルーンであって、該バルーンは、その内部に注入される流体によりほぼ同一径の筒状に拡張する拡張可能部と、該拡張可能部よりも基端側に設けられ、外径が該拡張可能部の外径よりも小さい基端側接合部と、該基端側接合部および前記拡張可能部の間に設けられた基端側移行部とを備え、該基端側移行部は、前記基端側接合部よりも先端側に該基端側接合部と連続して設けられ、先端方向に向かって外径が増大しており、前記バルーンの長手方向軸線に対する傾斜角度α1が3〜10°である基端側低傾斜部と、該基端側低傾斜部よりも先端側に該基端側接合部と連続して設けられ、外径が先端方向に向かって前記基端側低傾斜部における外径の変化率よりも大きい変化率で増大する基端側高傾斜部とを備える。
【0073】
また、本発明の生体器官拡張器具は、チューブ状のシャフト本体部と、該シャフト本体部の先端部に設けられた上記バルーンと、折り畳まれた状態の前記バルーンを被包するように装着され、かつ該バルーンの拡張により拡張されるステントとを備える生体器官拡張器具であって、前記シャフト本体部は、一端が前記バルーン内と連通するバルーン拡張用ルーメンを備え、前記バルーンは、該バルーン拡張用ルーメン内に注入される流体により折り畳みおよび拡張可能である。
【0074】
このため、ステントからはみ出した上記基端側移行部における過度の拡張を有効に抑制でき、正常な生体内壁を損傷することがない。また、上記基端側低傾斜部の内径を確保することが可能なため、X線不透過マーカーが存在してもバルーン膨張用流体の流れが妨げられることがなく、バルーンの膨張・収縮時間を短縮でき、バルーン膨張・収縮の応答性にも優れる。さらに、上記基端側低傾斜部を比較的肉厚に形成することにより、この低傾斜部の補強効果によってステント端部付近の剛性の急変が緩和され、ステント装着部分と非装着部分との境界における耐キンク性、追従性(トラッカビリティ)にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の生体器官拡張器具の一実施例の正面図である。
【図2】図2は、本発明の生体器官拡張器具用バルーンの拡大平面図である。
【図3】図3は、図2に示した生体器官拡張器具用バルーンの先端部を拡大して示す図である。
【図4】図4は、図2に示した生体器官拡張器具用バルーンの基端部を拡大して示す図である。
【図5】図5は、図1に示した生体器官拡張器具の先端付近の拡大断面図である。
【図6】図6は、図1に示した生体器官拡張器具の中央接合部部分の拡大断面図である。
【図7】図7は、図1のA−A線断面図である。
【図8】図8は、図1のB−B線断面図である。
【図9】図9は、図6のD−D線断面図である。
【図10】図10は、図6のE−E線断面図である。
【図11】図11は、図1に示した生体器官拡張器具の後端部の拡大断面図である。
【図12】図12は、本発明の生体器官拡張器具に使用されるステントの一例を示す斜視図である。
【図13】図13は、図1に示した生体器官拡張器具のバルーンを拡張し、ステントを押し拡げた状態を示す図である。
【符号の説明】
1 生体器官拡張器具
2 シャフト本体部
3 生体器官拡張器具用バルーン
31 拡張可能部
32a 先端側接合部
33a 先端側移行部
331a 先端側低傾斜部
332a 先端側高傾斜部
333a 先端側第3傾斜部
32b 基端側接合部
33b 基端側移行部
331b 基端側低傾斜部
332b 基端側高傾斜部
333b 基端側第3傾斜部
4 ステント
17 補強体
18 補強体

Claims (8)

  1. 内圧の変化により折り畳みおよび拡張可能であり、折り畳まれた状態でステントが装着され、その拡張力により該ステントを拡張させる生体器官拡張器具用バルーンであって、
    該バルーンは、その内部に注入される流体によりほぼ同一径の筒状に拡張する拡張可能部と、該拡張可能部よりも基端側に設けられ、外径が該拡張可能部の外径よりも小さい基端側接合部と、該基端側接合部および前記拡張可能部の間に設けられた基端側移行部とを備え、
    該基端側移行部は、前記基端側接合部よりも先端側に該基端側接合部と連続して設けられ、先端方向に向かって外径が一定の変化率で連続的に増大するテーパ形状をなしており、前記バルーンの長手方向軸線に対する傾斜角度α1が3〜10°である基端側低傾斜部と、該基端側低傾斜部よりも先端側に該基端側接合部と連続して設けられ、外径が先端方向に向かって前記基端側低傾斜部における外径の変化率よりも大きい変化率で増大する基端側高傾斜部とを備えており、
    前記バルーンの長手方向に沿って前記基端側高傾斜部の基端と先端とを結んだ直線の前記バルーンの軸線に対する傾斜角度β1が15〜50°であり、
    前記基端側高傾斜部は、前記基端側高傾斜部の基端と先端とを結んだ直線に対して前記バルーンの軸線方向に湾曲する、凹状形状を呈する曲面により形成されており、
    前記基端側低傾斜部の長さが、0.5〜10mmであり、
    前記基端側高傾斜部の長さが、0.3〜8.0mmであり、
    前記バルーンは、さらに、前記拡張可能部よりも先端側に設けられ、外径が該拡張可能部の外径よりも小さい先端側接合部と、該先端側接合部および前記拡張可能部の間に設けられた先端側移行部とを備え、
    該先端側移行部は、前記先端側接合部よりも基端側に該先端側接合部と連続して設けられ、基端方向に向かって外径が一定の変化率で連続的に増大するテーパ形状をなしており、前記バルーンの長手方向軸線に対する傾斜角度α2が3〜10°である先端側低傾斜部と、該先端側低傾斜部よりも基端側に該先端側接合部と連続して設けられ、外径が基端方向に向かって前記先端側低傾斜部における外径の変化率よりも大きい変化率で増大する先端側高傾斜部とを備えており、
    前記バルーンの長手方向に沿って前記先端側高傾斜部の基端と先端とを結んだ直線の前記バルーンの軸線に対する傾斜角度β2が15〜50°であり、
    前記先端側高傾斜部は、前記先端側高傾斜部の基端と先端とを結んだ直線に対して前記バルーンの軸線方向に湾曲する、凹状形状を呈する曲面により形成されており、
    前記先端側低傾斜部の長さが、0.5〜10mmであり、
    前記先端側高傾斜部の長さが、0.3〜8.0mmであることを特徴とする生体器官拡張器具用バルーン。
  2. 前記基端側低傾斜部の内径が先端方向に向かって増大していることを特徴とする請求項1に記載の生体器官拡張器具用バルーン。
  3. 前記基端側低傾斜部の肉厚は、前記基端側高傾斜部の肉厚よりも厚いことを特徴とする請求項1または2に記載の生体器官拡張器具用バルーン。
  4. 前記基端側移行部は、前記基端側高傾斜部よりも先端側に設けられ、外径が先端方向に向かって前記基端側高傾斜部における外径の変化率よりも小さい変化率で増大する第3の基端側傾斜部をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の生体器官拡張器具用バルーン。
  5. 前記先端側低傾斜部の肉厚は、前記先端側高傾斜部の肉厚よりも厚いことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の生体器官拡張器具用バルーン。
  6. 前記先端側移行部は、前記先端側高傾斜部よりも基端側に設けられ、外径が基端方向に向かって前記先端側高傾斜部における外径の変化率よりも小さい変化率で増大する第3の先端側傾斜部をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の生体器官拡張器具用バルーン。
  7. チューブ状のシャフト本体部と、該シャフト本体部の先端部に設けられた請求項1ないし6のいずれかに記載のバルーンと、折り畳まれた状態の前記バルーンを被包するように装着され、かつ該バルーンの拡張により拡張されるステントとを備える生体器官拡張器具であって、前記シャフト本体部は、一端が前記バルーン内と連通するバルーン拡張用ルーメンを備え、前記バルーンは、該バルーン拡張用ルーメン内に注入される流体により折り畳みおよび拡張可能であることを特徴とする生体器官拡張器具。
  8. 前記基端側低傾斜部と前記ステントの基端との間の位置で前記バルーンの内部にある前記シャフトの外面に固定された補強体を備えていることを特徴とする請求項7に記載の生体器官拡張器具。
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