以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の最良の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機およびスロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な変動表示手段を有し、該変動表示手段において予め定められた特定の表示態様の表示結果を導出表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機であれば、すべてに適用することが可能である。
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1の正面図である。パチンコ遊技機1には、遊技領域7が形成された遊技盤6が取付けられる。遊技者が操作ノブ5を操作すると、打球供給皿3に貯留された遊技球(パチンコ玉)が1個ずつ発射されて遊技領域7内に打込まれる。
遊技領域7の中央には、図柄等の各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示(可変表示、更新表示ともいう)させる装置として、特別図柄(たとえば、0〜11の12種類の図柄)を変動表示させる変動表示装置9が設けられる。また、変動表示装置9では、演出用のキャラクタ、背景画像等のその他の画像も表示される。
なお、変動表示装置9により変動表示される特別図柄は、数字、文字、図形、模様、キャラクタ等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、キャラクタのみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。ここで、キャラクタとは、人間、動物、あるいは、物等を表す映像をいう。
この変動表示装置9は、画像を表示する液晶表示器(LCD(liquid crystal display)表示器)で構成された表示装置であり、特別図柄がそれぞれ変動表示される左,中,右変動表示部が画像上で設けられる。左,中,右変動表示部のそれぞれでスクロール等の所定の変動表示パターンで個別に変動表示される特別図柄は、左,中,右図柄と呼ばれる。
左,中,右の各図柄として表示される複数種類の特別図柄には、左,中,右の特別図柄ごとに図柄の配列順序が予め定められている。複数種類の特別図柄は、図柄の配列順序に従って変動(可変,更新)表示される。このような複数種類の特別図柄のそれぞれには特別図柄番号データが対応付けられる。
なお、変動表示装置9は、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED(Light Emitting Diode)等のLED、EL(ElectroLuminescent display)、蛍光表示管(VFD(Vacuum Fluorescent Display))等のその他の画像表示式の表示装置であってもよい。また、外周に複数種類の図柄が描かれた回転ドラムを回転駆動する回転ドラム式等のその他の機械式の変動表示装置であってもよい。
変動表示装置9で特別図柄の変動表示が開始されるときには、左,中,右図柄の変動表示が一斉に開始される。その後、左,右,中図柄の順に図柄が順次停止表示されていき、表示結果が導出表示される。このような変動表示の開始時から表示結果の導出表示時までの時間は、変動時間(変動表示期間、または、変動表示時間ともいう)と呼ばれる。
変動表示装置9の上方には、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示可能な普通図柄表示部10が設けられる。普通図柄表示部10は、当り図柄である○印を表示可能な、当り表示部10aと、はずれ図柄である×印を表示可能な、はずれ表示部10bとを含み、当り図柄とはずれ図柄とを交互に点灯表示することにより、普通図柄を変動表示する。変動表示装置9の下方には、特別図柄の変動表示を始動させる、遊技球を受入れ可能な始動口14を有する始動用電動役物14aと、普通図柄の変動表示を始動させる、遊技球を受入れ可能な2つの通過口11とが設けられる。
通過口11に遊技球が進入すると、ゲートスイッチ12により遊技球の通過(始動通過という)が検出され、それに応じて、乱数値となる数値データが抽出されて始動通過記憶データとして後述するRAM(Random Access Memory)55に記憶される。
始動通過記憶データの記憶個数には上限値が設定されており、上限値に達しない状態で始動通過が検出されると普通図柄の変動表示の実行条件が成立して始動通過が有効となるが、上限値に達した状態で始動通過が検出されると実行条件が成立せず始動通過が無効となる。
始動通過記憶データに基づき普通図柄の変動表示を開始させることができる開始条件(普通図柄の変動表示が実行中でないこと)が成立すると、普通図柄の変動表示が開始される。これにより、始動通過記憶データが複数記憶されているときには、それぞれのデータに基づいて普通図柄の変動表示が順次実行される。開始条件が未成立の始動通過記憶データの個数は、変動表示装置9の上方に設けられた通過記憶表示部15でのLEDの点灯数により表示される。
始動通過記憶データの値が所定の当り判定値と一致するときには、普通図柄の当りと判定され、当り図柄が普通図柄の表示結果として導出表示される。一方、始動通過記憶データの値が当り判定値と一致しないときには、普通図柄のはずれと判定され、はずれ図柄が普通図柄の表示結果として導出表示される。
始動用電動役物14aは、ソレノイド16によって駆動される左右一対の可動片の開閉によって開閉可能である。始動用電動役物14aは、普通図柄の変動表示結果が当りとなった場合に始動口14に遊技球が進入し易い開成状態となり、その開成状態で遊技球が1つ入賞すると始動口14に遊技球が進入し難い閉成状態に戻る。また、始動用電動役物14aは、開成状態となってから所定の開放期間が経過すれば、遊技球が入賞しなくても閉成状態に戻る。
始動口14に遊技球が進入すると、始動口スイッチ17により遊技球(始動入賞球)が検出され、それに応じて、乱数値となる数値データ(大当り判定用および図柄決定用のランダムカウンタのカウント値)が抽出されて始動入賞記憶データ(保留データ、保留記憶データともいう)として、後述するRAM55に記憶される。
なお、本最良の形態においては、始動入賞記憶データの記憶個数である始動入賞記憶数には上限値(4個)が設定され、上限値に達しない状態で、始動入賞が検出されると特別図柄の変動表示の実行条件が成立して対応する始動入賞が有効となるが、上限値に達した状態で、始動入賞が検出されると実行条件が成立せず、始動入賞が無効となる。
始動入賞記憶データに基づき特別図柄の変動表示を開始させることができる開始条件(始動入賞記憶がある状態で、特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技状態中でもない場合)が成立すると、特別図柄の変動表示が開始される。これにより、始動入賞記憶データが複数記憶されているときには、それぞれのデータに基づいて特別図柄の変動表示が順次実行され、始動入賞記憶データが消化される。開始条件が未成立の始動入賞記憶データの個数は、変動表示装置9において画像により表示される。
始動入賞記憶データが大当りとすることを示すデータであるときには、特別図柄の変動表示結果を大当りとすると判定され、特定の表示態様としての大当り図柄の組合せ(たとえば、「777」等のゾロ目)が変動表示の表示結果として導出表示される。一方、始動入賞記憶データがはずれとすることを示すデータであるときには、変動表示結果をはずれとすると判定され、はずれ図柄の組合せが特別図柄の変動表示の表示結果として導出表示される。
始動用電動役物14aの下方には、遊技球が入賞可能な大入賞口18と大入賞口18を開閉する開閉板20とを備えた可変入賞球装置19が設けられる。特別図柄の変動表示結果が大当り図柄の組合せとなると、大当り遊技状態となり、開閉板20が、遊技者に不利な第2の状態である閉状態から遊技者に有利な第1の状態である開状態に制御される。開閉板20は、ソレノイド21によって駆動される。
可変入賞球装置19における大入賞口18の内部には、特定入賞領域と通常入賞領域とが設けられる。特定入賞領域に入賞した遊技球は、V入賞球と呼ばれ、Vカウントスイッチ22により検出された後、カウントスイッチ23により検出される。通常入賞領域に進入した遊技球は、カウントスイッチ23のみにより検出される。
大当り遊技状態の可変入賞球装置19において、大入賞口18が開口した第1の状態で、大入賞口18に進入した遊技球の数が所定個数(たとえば、10個)に達したとき、または、所定期間(たとえば、30秒間)経過したときのうちのいずれか早い方の条件が成立したときには、第1の状態が一旦終了して開閉板20が開成し、第2の状態に制御される。
そして、可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した遊技球が特定入賞領域に入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、その回における可変入賞球装置19の第1の状態が終了して第2の状態となった後、再度、開閉板20が開成されて、可変入賞球装置19を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば、16回と定められる。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態は、ラウンドと呼ばれる。
また、特別図柄の変動表示結果が特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)のうちの予め定められた特別の表示態様(たとえば、奇数のゾロ目。以下、確変大当り図柄の組合せともいう)となると、大当り遊技状態の終了後において、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態としての確率変動状態(以下、確変状態という)および変動時間短縮状態(以下、時短状態という)に制御される。
確変状態は、確率向上状態ともいい、大当りとなる確率が変動して通常遊技状態(大当り遊技状態、確変状態、および、時短状態以外の遊技状態)よりも高くなった状態である。確変状態は、次回の大当りが発生するまで継続される。時短状態は、特別図柄の変動表示の変動時間が通常遊技状態時の変動時間よりも短縮された状態である。たとえば、確変状態中、確変状態終了後もしくは大当り遊技状態終了後変動表示が100回行なわれるまでの間、または、大当り遊技状態となるまでの間、時短状態に制御される。確変大当り図柄の組合せによる大当りは確変大当りと呼ばれ、確変大当り図柄の組合せ以外の非確変大当り図柄の組合せによる大当りは非確変大当りと呼ばれる。確変状態および時短状態は、それぞれ、後述する遊技制御用マイコン53の確率変動制御機能および変動時間短縮制御機能により実現される。
また、特別図柄の変動表示中においては、左図柄と右図柄とが同じ図柄に揃ったリーチ状態(リーチ態様、リーチ表示態様ともいう)が発生する場合がある。ここで、リーチ状態とは、複数の表示領域(変動表示領域、変動表示部ともいう)における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)となる条件を満たしている表示状態をいう。
また、リーチとして定義されるもののうちには、複数の表示領域のすべてで特定の表示態様を保持した状態で変動表示を行なっている、所謂、全回転リーチも含まれる。さらに、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ状態に比べて、大当りが発生し易いものがある。このような特定のリーチ状態をスーパーリーチという。
また、特別図柄の変動表示中においては、表示結果が大当り図柄の組合せとなるときに、特別図柄を非確変大当り図柄の組合せ、または、確変大当り図柄の組合せで一旦仮に停止(たとえば、図柄が更新されていない状態で揺動している状態等であり、以下、仮停止という)させた後、特別図柄が再度変動表示され、その後、表示結果として、最終的に確定した非確変大当り図柄の組合せまたは確変大当り図柄の組合せを導出表示する再変動表示が行なわれる。この再変動表示においては、表示結果が大当り図柄の組合せとなるときに、確変大当り図柄となるか非確変大当り図柄となるかという楽しみを遊技者に与えることができる。
遊技領域7には、一般入賞口である入賞口24等の他の構造物も設けられる。また、入賞口24の内部には、入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ99が設けられる。遊技領域7の下端部には、どの入賞口にも入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口26が設けられる。遊技領域7の外周には、飾りLED42および飾りランプ25等の各種ランプが設けられる。遊技領域7の上部の左右には、効果音等の音を発生するスピーカ41,41が設けられる。
賞球の払出しについては、たとえば、大入賞口18、始動口14、および、入賞口24に入賞した入賞球1個に対して、それぞれ、15個、5個、10個の賞球が払出される。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。なお、プリペイドカードには、球貸し可能な遊技球数を特定する情報(たとえば、金額:遊技球数25個/100円)が記録されている。そして、遊技者がプリペイドカードをカードユニット50に挿入し所定の操作を行なうと、カードユニット50において、プリペイドカードに記録されている情報により特定される球貸し可能な遊技球数のうち操作に応じた数の遊技球を払出すための処理が行なわれる。
カードユニット50の前面には、たとえば、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、プリペイドカードが挿入されるカード挿入口、および、カード挿入口の内部に設けられるカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を開放するためのカードユニット錠が設けられる。
図2は、パチンコ遊技機1における主な制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、パチンコ遊技機1は、制御回路として、主基板(遊技制御基板ともいう)31、演出制御基板80、および、払出制御基板(賞球制御基板ともいう)37を備える。これらの制御基板のそれぞれには、制御用のマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」という)等が搭載される。また、パチンコ遊技機1は、これらの制御基板や、前述した各種ソレノイドや各種LED,ランプ等の電気部品を駆動するための電源を供給するための電源基板910を備える。
電源基板910には、AC24Vの電流が供給される。電源基板910は、その交流を直流に整流して所定電圧の直流を生成し、前述した電気部品に供給する。また、図示しないが、カードユニット50にもAC24Vを供給する。
主基板31には、遊技制御用のプログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイコン53、各入賞口スイッチ12,17,22,23,99などの各種検出器からの検出信号を遊技制御用マイコン53に与えるスイッチ回路、各種ソレノイド16,21などの各装置等駆動用ソレノイドを遊技制御用マイコン53からの指令に従って駆動するソレノイド回路、および、遊技制御用マイコン53から与えられるデータに従って情報出力信号を盤用外部端子板34を介してホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路などが設けられる。
情報出力信号は、大当りの発生を示す大当り情報、変動表示装置9における図柄の変動表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変状態情報等の情報をパチンコ遊技機1から外部装置に出力するための信号である。
遊技制御用マイコン53は、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行なうCPU56、および、I/Oポート57を含む。そして、CPU56により、ROM54から遊技制御用のプログラムが読出され、そのプログラムがタイマ割込みに従って定期的(たとえば、4msecごと)に繰返し実行されることにより、遊技制御用マイコン53は各種の遊技制御を実行する。
演出制御基板80には、演出制御用のプログラムに従ってパチンコ遊技機1における遊技の演出を制御する演出制御用マイコン800、画像表示用のIC(Integrated Circuit)であるVDP(Video Display Processor)、画像表示のための作業領域として用いられるVRAM(Video Random Access Memory)、画像データを記憶したキャラクタROM、音声出力用のICであるサウンドジェネレータ、音声データROM、音声増幅回路、および、ランプドライバ回路などが設けられる。
演出制御用マイコン800は、前述した遊技制御用マイコン53と同様、ROM、RAM、CPU、および、I/Oポートを含む。そして、CPUにより、ROMから演出制御用のプログラムが読出され、そのプログラムがタイマ割込みに従って定期的に繰返し実行されることにより、演出制御用マイコン800は各種の遊技演出の制御を実行する。
また、演出制御基板80には、変動表示手段としての変動表示装置9と、音出力手段としてのスピーカ41,41と、発光手段としての普通図柄表示部10(10a,10b)、通過記憶表示部15、飾りLED42、および、飾りランプ25とが接続される。
払出制御基板37には、払出制御用のプログラムに従ってパチンコ遊技機1における遊技球の払出しや遊技球の発射などを制御する払出制御用マイコン370などが設けられる。
払出制御用マイコン370は、前述した遊技制御用マイコン53と同様、ROM、RAM、CPU、および、I/Oポートを含む。そして、CPUにより、ROMから払出制御用のプログラムが読出され、そのプログラムがタイマ割込みに従って定期的に繰返し実行されることにより、払出制御用マイコン370は遊技球の払出制御を実行する。
また、払出制御基板37には、払出モータ289とモータ位置センサ295と払出個数カウントスイッチ301とからなる球払出装置97、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、球切れランプ52、賞球ランプ51、タッチリング308、発射モータ94、および、枠用外部端子板160などが接続される。
モータ位置センサ295、払出個数カウントスイッチ301、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、タッチリング308からの検出信号は払出制御用マイコン370に与えられる。また、払出モータ289、球切れランプ52、賞球ランプ51、および、発射モータ94には、払出制御用マイコン370から制御信号が与えられる。
球払出装置97は、払出制御用マイコン370からの指令に従って、ステッピングモータである払出モータ289が駆動されることにより、遊技球を1個ずつ打球供給皿3に払出す。モータ位置センサ295は、払出モータの回転位置を検出するための発光素子と受光素子とによるセンサであり、遊技球が詰まったこと(いわゆる、球噛み)を検出する。払出個数カウントスイッチ301は、近接スイッチによるセンサであり、球払出装置97から実際に払出される遊技球を検出する。
満タンスイッチ48は、払出された遊技球により打球供給皿3が満杯になったことを検出する。球切れスイッチ187は、球払出装置97に供給される遊技球の有無を検出する。払出制御用マイコン370は、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していたり、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示していると、払出モータ289の駆動を停止させる。球切れランプ52は、球払出装置97に供給される遊技球が切れたことを示すランプである。賞球ランプ51は、遊技球が入賞して賞球が払出されたことを示すランプである。
タッチリング308は、遊技者が操作ノブ5に触れていることを検出する。払出制御用マイコン370は、タッチリング308からの検出信号を受信しているときに、駆動を許可する駆動信号を発射制御回路を介して発射手段である発射モータ94に出力する。発射モータ94は、払出制御用マイコン370からの駆動信号に従って駆動され、遊技球を打撃して発射する打球発射装置において遊技球を1個ずつ遊技領域7に向けて発射する。発射モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って払出制御用マイコン370により調整される。
枠用外部端子板160は、払出制御用マイコン370から出力された賞球払出数を示す賞球情報信号、および、貸球数を示す球貸し個数信号を外部に出力する。また、枠用外部端子板160には、ドア開放スイッチ161が接続される。
また、払出制御基板37には、インターフェース基板160を介して、カードユニット50が接続される。カードユニット50で用いられる電源電圧AC24Vは、電源基板910から払出制御基板37およびインターフェース基板66を介して供給される。また、インターフェース基板160には、打球供給皿3の近傍に設けられる球貸しスイッチ62、返却スイッチ63、球貸可LED61、および、度数表示LED60が接続される。
球貸しスイッチ62は、遊技者による操作に応じて球貸しスイッチ信号をカードユニット50に与える。返却スイッチ63は、遊技者による操作に応じて返却スイッチ信号をカードユニット50に与える。球貸可LED61は、点灯することにより球貸し可能状態であることを示す。度数表示LED60は、プリペイドカードに記録されている球貸し可能な度数を表示する。度数は、たとえば、遊技球25個分(100円分)を1単位として表示される。
また、前述したような遊技を行なうために、遊技制御用マイコン53から演出制御用マイコン800、および、払出制御用マイコン370のそれぞれには、各制御用マイコンが実行する制御内容を指令(指示、指定)する制御指令情報の一例となるコマンド(制御コマンド)がそれぞれ送信される。
具体的に、遊技制御用マイコン53から演出制御用マイコン800には、演出制御用マイコン800により制御が行なわれる演出制御基板80に接続された機器を制御するための指令情報である表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンド等の情報が送信される。演出制御用マイコン800は、受信した表示制御コマンドに基づいて、変動表示装置9を動作させて特別図柄の変動表示を実行させる制御を行なう。
また、演出制御用マイコン800は、受信した音制御コマンドに基づいて所定の効果音をスピーカ41,41から出力させる制御を行なう。また、演出制御用マイコン800は、受信したランプ制御コマンドに基づいて、ランプおよびLED等の各種発光体の発光制御を行なう。
払出制御用マイコン370に送信される情報には、賞球の払出制御に関する指令情報としての遊技制御用マイコン53からの信号と、貸球の払出制御に関する指令情報としてのカードユニット50からの信号とが含まれる。払出制御用マイコン370では、受信した信号に基づいて球払出装置97を制御して、所定個数の賞球または貸球を払出すための制御が行なわれる。
たとえば、遊技制御用マイコン53は、入賞球検出スイッチ99の検出信号、始動口スイッチ17の検出信号、Vカウントスイッチ22の検出信号、および、カウントスイッチ23の検出信号に基づいて所定個数の賞球を払出すための賞球信号を払出制御用マイコン370に送信する。また、カードユニット50は、遊技者による球貸しスイッチの操作に応じて所定個数の貸球を払出すための貸球信号を払出制御用マイコン370に送信する。払出制御用マイコン370では、その出力されてきた賞球信号または貸球信号に基づいて球払出装置97を制御して、それぞれ所定個数の賞球または貸球を払出すための制御を行なう。
主基板31(遊技制御用マイコン53)から各制御基板へ送信される情報には、前述したような制御の指令内容を示すコマンドと、該コマンドの取込みタイミングを示すINT信号とが含まれる。ここで、コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御モードの種類を指令する1バイトのMODEデータと、MODEデータで指令された制御モードにおける具体的な制御内容を指令する1バイトのEXTデータとにより構成される。遊技制御用マイコン53は、このような2バイトのデータを、INT信号により取込みタイミングを示しつつ、指令先の各制御基板へ順次送信することにより、制御内容を指令する。
なお、図2においては、表示制御機能と音制御機能とランプ制御機能とをそれぞれ1つのマイコンに含ませる例を示した。しかし、これに限らず、表示制御機能、ランプ制御機能、および、音制御機能をそれぞれ別のマイコンの機能に含ませ、それぞれのマイコンが前述したような表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを受信し、そのコマンドに応じて各種制御を行なうようにしてもよい。
図3は、主基板31により実行されるメイン処理の処理内容を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS(以下単に「S」という)101以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理では、まず、S101により、CPU56によって割込みが禁止される。次に、S102により、割込みモードが割込みモード2に設定され、S103により、スタックポインタ指定アドレスが設定される。そして、S104により、内蔵デバイスレジスタの初期化が行なわれる。
次いで、S105により、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ回路)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化が行なわれた後、S106により、RAM55がアクセス可能状態に設定される。
この実施形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CPU56には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込みが発生すると、CPU56は、自動的に割込み禁止状態に設定されるとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
割込みモード0では、割込み要求を行なった内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時には、自動的に割込みモード0になる。よって、割込みモード1または割込みモード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込みモード1または割込みモード2に設定するための処理を行なう必要がある。
割込みモード1とは、割込みが受付けられると、常に所定の番地に飛ぶモードである。
割込みモード2とは、CPU56の特定レジスタの値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。すなわち、割込み番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ、下位アドレスが割込みベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の偶数番地に割込み処理を設定することができる。各内蔵デバイスは割込み要求を行なうときに割込みベクタを送出する機能を有している。
よって、割込みモード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込み要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込み処理を設置することが可能となる。さらに、割込みモード1とは異なり、割込み発生要因ごとのそれぞれの割込み処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施形態では、初期設定処理のS102により、CPU56は割込みモード2に設定される。
次いで、S107により、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチの出力信号の状態が1回だけ確認される。その確認においてオン状態であることが検出された場合には、S113からS116までの処理により、通常の初期化処理が実行される。
クリアスイッチがオン状態である場合(クリアスイッチが押下されている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力される。なお、入力ポートでは、クリアスイッチ信号のオン状態はハイレベルである。また、たとえば、遊技店員は、クリアスイッチをオン状態にしながら、パチンコ遊技機1に対する電力供給を開始する(たとえば、電源スイッチをオン状態にする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行なうことができる。
クリアスイッチがオン状態でない場合には、S108により、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえば、パリティデータの付加等の遊技電力供給停止時処理)が行なわれたか否かが確認される。この実施形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれる。そのような保護処理が行なわれたことを確認した場合には、バックアップ有りと判定される。そのような保護処理が行なわれていないことを確認した場合には、初期化処理が実行される。
保護処理が行なわれていたか否かは、たとえば、遊技電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、バックアップRAM領域のデータ保護処理を実行したことに応じた値(たとえば2)になっているか否かによって確認される。また、たとえば、遊技電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域にデータ保護処理を実行したことを示すフラグをセットし、S108により、そのフラグがセットされていることを確認したらバックアップ有りと判定してもよい。
バックアップ有りと判定されたら、S109により、バックアップRAM領域のデータチェック(この実施形態ではパリティチェック)が行なわれる。この実施形態では、クリアデータ(00h)がチェックサムデータエリアにセットされ、チェックサム算出開始アドレスがポインタにセットされる。
また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数がセットされる。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和が演算される。演算結果がチェックサムデータエリアにストアされるとともに、ポインタの値が1増やされ、チェックサム算出回数の値が1減算される。
以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値が反転され、反転後のデータがチェックサムとされる。
遊技電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存される。S109により、算出されたチェックサムと保存されているチェックサムとが比較される。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。
チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、S113からS116までの処理により、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理が実行される。
チェック結果が正常であれば、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理が行なわれる。具体的には、S110により、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスがポインタに設定され、S111により、バックアップ時設定テーブルの内容が順次作業領域(RAM55内の領域)に設定される。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。
バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S110およびS111の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)や未払出賞球数を示すデータが設定されている部分である。
また、S112により、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスがポインタに設定され、その内容に従ってサブ基板に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンドである初期化コマンドが送信されるように制御される。サブ基板とは、前述した演出制御基板80、および、払出制御基板37のことである。そして、S117に移行する。
初期化処理では、まず、S113により、RAMクリア処理が行なわれる。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。たとえば、大当り判定用のランダムカウンタのカウント値のデータをそのままにした場合には、不正な手段によって初期化処理が実行される状態になったとしても、大当り判定用のランダムカウンタのカウント値が大当り判定値に一致するタイミングを狙うことが困難である。
S114により、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスがポインタに設定され、S115により、初期化時設定テーブルの内容が順次作業領域に設定される。S114およびS115の処理によって、たとえば、普通図柄判定用のランダムカウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、S116により、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスがポインタに設定され、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理が実行される。初期化コマンドとして、変動表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、S117により、所定時間(たとえば、4msec)ごとに定期的にタイマ割込みが掛かるようにCPU56に内蔵されているCTCのレジスタの設定が行なわれる。すなわち、初期値として、たとえば4msecに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施形態では、4msecごとに定期的にタイマ割込みが掛かるとする。
S110からS117により、初期化処理の実行が終了すると、S119およびS120において、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が繰返し実行される。表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が実行されるときには、S118により、割込み禁止状態にされ、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理の実行が終了すると、S121により、割込み許可状態にされる。
なお、表示図柄乱数とは、変動表示装置9での特別図柄の変動表示に用いられる乱数であり、具体的には、リーチ判定用、変動パターン種別選択用、変動パターン用の各ランダムカウンタのカウント値である。表示図柄乱数更新処理とは、表示図柄乱数を発生するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理である。
リーチ判定用のランダムカウンタとは、リーチとするか否かを判定するリーチ判定のための乱数を発生させるカウンタである。変動パターン種別選択用のランダムカウンタとは、後述する図14で説明する変動パターン種別選択テーブルにおいて図15で説明する変動パターン振分テーブルを選択するための乱数を発生させるカウンタである。変動パターン用のランダムカウンタとは、後述する図15で説明する変動パターン振分テーブルにおいて変動パターンを選択するための乱数を発生させるカウンタである。
また、初期値決定用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのランダムカウンタ(大当り決定用のランダムカウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。初期値決定用乱数更新処理とは、初期値決定用乱数を発生するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用のランダムカウンタのカウント値が前回設定された初期値から1周すると、そのカウンタに今回抽出された初期値が設定される。
なお、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が実行されるときに割込み禁止状態にされるのは、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が後述するタイマ割込み処理でも実行されることから、タイマ割込み処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。
すなわち、S119およびS120の処理中にタイマ割込みが発生して、タイマ割込み処理中で表示図柄乱数や初期値決定用乱数を発生するためのランダムカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S119およびS120の処理中は割込み禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、遊技制御処理について説明する。図4は、主基板31により実行されるタイマ割込み処理の処理内容を示すフローチャートである。メイン処理実行中に、具体的には、S118からS121のループ処理の実行中にタイマ割込みが発生すると、タイマ割込みの発生に応じて起動されるタイマ割込み処理において遊技制御処理が実行される。
タイマ割込み処理において、まず、S122により、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理が実行される。次いで、S123により、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22、および、入賞球検出スイッチ99等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定が行なわれる。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられるスイッチタイマの値を1加算する。
次に、S124により、遊技制御に用いられる大当り判定用および図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各ランダムカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理が行なわれる。さらに、S125およびS126により、それぞれ、初期値決定用乱数および表示図柄乱数を生成するためのランダムカウンタのカウント値を更新する初期値決定用乱数更新処理および表示図柄乱数更新処理が行なわれる。
S127により、特別図柄プロセス処理が行なわれる。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて表示制御装置9での変動表示に関連する制御を所定の順序で実行するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。この特別図柄プロセス処理では、たとえば、始動口14への始動入賞に応じて、変動表示装置9において特別図柄の変動表示を実行させ、大当りとなったときに、大入賞口18を開成させる制御が行なわれる。
S128により、普通図柄プロセス処理が行なわれる。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示部10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。この普通図柄プロセス処理では、たとえば、通過口11への始動通過に応じて、普通図柄表示部10において普通図柄の変動表示を実行させ、当りとなったときに、始動口14を開成させる制御が行なわれる。
次に、S129により、特別図柄プロセス処理における遊技制御や表示制御に関する制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して制御コマンドを送出する特別図柄コマンド制御処理が行なわれる。そして、S130により、普通図柄プロセス処理における遊技制御や表示制御に関する制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して図柄制御コマンドを送出する普通図柄コマンド制御処理が行なわれる。
次いで、S131により、たとえば、ホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動入賞情報、確変情報などのデータを出力する情報出力処理が行なわれる。
次のS132により、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、および、入賞球検出スイッチ99等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理が実行される。具体的には、検出信号がオン状態となったことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球制御信号等の払出制御信号が出力される。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイコン370は、賞球個数を示す賞球制御信号等の払出制御信号に応じて球払出装置97を駆動する。
次に、S133により、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理が実行される。そして、S134により、パチンコ遊技機1の制御状態をパチンコ遊技機1の外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理が実行される。また、この実施形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、S135により、このRAM領域におけるソレノイドに関する内容が出力ポートに出力される。その後、S136により、割込み許可状態に設定され、タイマ割込み処理が終了し、割込み発生時の処理に戻る。
以上の制御によって、この実施形態では、遊技制御処理が定期的(たとえば、4msecごと)に起動されることとなる。なお、この実施の形態では、タイマ割込み処理で遊技制御処理が実行されるが、タイマ割込み処理では、たとえば、割込みが発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理においてそのフラグがセットされていると判断されたときに実行されるようにしてもよい。また、S123からS135の処理(S131およびS134)を除く)が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
次に、特別図柄プロセス処理を説明する。図5は、主基板31により実行されるタイマ割込み処理における特別図柄プロセス処理の処理内容を示すフローチャートである。図5に示す特別図柄プロセス処理は、図4で説明したフローチャートにおけるS127の具体的な処理である。
まず、S151により、CPU56によって始動口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ17からの検出信号がオン状態であるか否かが判断される。始動口スイッチ17からの検出信号がオン状態である場合、すなわち、遊技球が始動口14に始動入賞した場合は、S152により、始動口スイッチ通過処理が実行される。
始動口スイッチ通過処理においては、始動口入賞記憶カウンタのカウント値である始動入賞記憶数(保留記憶数ともいう)が上限値に達していない場合に、始動口入賞記憶カウンタのカウント値が1加算され、大当り判定用のランダムカウンタのカウント値、および、図柄決定用のランダムカウンタのカウント値が抽出されて、それぞれ、始動入賞記憶データとして、RAM55の大当り判定用バッファおよび入賞図柄バッファに記憶される。
大当り判定用バッファおよび入賞図柄バッファには、予め順番が設定され、始動入賞記憶データは、前の順番の大当り判定用バッファおよび入賞図柄バッファから順に記憶される。そして、始動入賞記憶データが記憶されていない最前の大当り判定用バッファおよび入賞図柄バッファのそれぞれに、抽出された大当り判定用および図柄決定用のランダムカウンタのカウント値が記憶される。
大当り判定用のランダムカウンタは、大当りを発生させるかはずれとするかをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのカウンタであり、たとえば、0からカウントアップして所定の上限値までカウントアップした後、再度0からカウントアップを繰返す数値データ更新手段である。このカウント値は、所定周期(たとえば、4msec)ごとに1ずつ加算される。
図柄決定用のランダムカウンタは、大当り判定において大当りとすると判定された場合に大当り図柄をランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのカウンタであり、大当り判定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。
そして、特別図柄プロセスフラグが示す特別図柄プロセスコードに応じて、S153からS161までのいずれかの処理が実行される。特別図柄プロセスフラグは、タイマ割込みごとに特別図柄プロセス処理が実行されるときに、S153からS161までのいずれのモジュールを実行するかを示すフラグであって、それぞれのモジュールが終了するごとに、条件に応じた次のモジュールを示す特別図柄プロセスコードに更新される。
特別図柄プロセスフラグが示す特別図柄プロセスコードの値が00hである場合は、S153により、特別図柄通常処理が実行される。特別図柄通常処理においては、始動入賞記憶数が0以外の場合、始動入賞記憶データを記憶している大当り判定用バッファおよび入賞図柄バッファを含む始動入賞記憶バッファがシフトされ、最前に記憶された始動入賞記憶データの大当り判定が行なわれ、特別図柄プロセスフラグが、特別図柄停止図柄設定処理を示す特別図柄プロセスコードの値である01hに更新される。
特別図柄通常処理において始動入賞記憶数が0の場合は、特別図柄プロセスフラグは、00hのままとなる。すなわち、次に特別図柄プロセス処理が実行されるときに、再度、特別図柄通常処理が行なわれる。
始動入賞記憶バッファのシフトにおいては、具体的には、1番目の始動入賞記憶バッファに記憶されている始動入賞記憶データが、これから変動表示を開始できる状態となった変動表示用の始動入賞記憶バッファに記憶される。同様に、2,3,4番目の始動入賞記憶バッファに記憶されている始動入賞記憶データが、それぞれ1,2,3番目の始動入賞記憶バッファに記憶される。また、4番目の始動入賞記憶バッファがクリアされる。
大当り判定においては、変動表示用の大当り判定用バッファに記憶されている始動入賞記憶データが大当り判定値と一致する場合は、大当りフラグに大当り指定値(たとえば02h)がセットされ、大当り判定値と一致しない場合は、大当り指定値がセットされず、クリアデータ(00h)のままとされる。大当りフラグとは、変動表示装置9において実行されている変動表示を大当り図柄の組合せとするか否かを示すフラグである。
大当り判定値は、確変状態以外の通常の遊技状態においては、たとえば、1つの数値に設定され、確変状態においては、複数の数値に設定される。これにより、確変状態の場合には、通常の遊技状態の場合と比較して、大当りの発生確率が向上される。
特別図柄プロセスフラグが示す特別図柄プロセスコードの値が01hである場合は、S154により、特別図柄停止図柄設定処理が実行される。特別図柄停止図柄設定処理においては、大当りフラグが大当り指定値である場合は、前述した大当り図柄の設定を行なう。また、大当り指定値でない場合は、はずれ図柄の設定を行なう。その後、特別図柄プロセスフラグを、変動パターン設定処理を示す特別図柄プロセスコードの値である02hに更新する。
大当り図柄の設定においては、変動表示用の入賞図柄バッファに記憶されている値に対応する特別図柄番号データ(たとえば、0から11までのいずれかの値)が特別図柄バッファに設定される。また、はずれ図柄の設定においては、はずれを示す特別図柄番号データ(たとえば、12)が入賞図柄バッファおよび特別図柄バッファに設定される。
特別図柄プロセスフラグが示す特別図柄プロセスコードの値が02hである場合は、S155により、変動パターン設定処理が実行される。変動パターン設定処理においては、変動パターン用のランダムカウンタのカウント値と、大当りフラグとに応じて、変動パターンが決定され、変動パターンバッファに記憶される。変動パターン設定処理については、後述する図6で詳細に説明する。
そして、変動パターン設定処理の終了時に、特別図柄プロセスフラグを、特別図柄変動処理を示す特別図柄プロセスコードの値である03hに更新するとともに、決定された変動パターンの変動時間に対応するカウント値の初期値を変動時間タイマに設定する。変動時間タイマとは、変動表示装置9における変動表示の変動時間の残り時間を計測するためのタイマである。
なお、本実施形態においては、変動時間タイマの機能は、特別図柄プロセスタイマを用いて実現される。特別図柄プロセスタイマとは、特別図柄プロセス処理において用いられるタイマであって、所定時間が経過したときに次のプロセスに移行する場合に、その所定時間を計測するために用いられる。
また、変動時間タイマは、変動表示装置における変動表示の経過時間を計測するためのタイマであってもよい。この場合は、変動表示の残り時間は、変動時間から経過時間を引いた時間となる。すなわち、変動時間タイマの機能としては、現時点が変動表示のどの時点にあたるかを特定できるものであればよい。
変動パターン設定処理において決定され変動パターンバッファに記憶されている変動パターンは、前述した特別図柄コマンド制御処理において、決定された変動パターンを示す変動パターンコマンドとして、演出制御基板80に送信される。
また、特別図柄停止図柄設定処理において決定され特別図柄バッファに記憶されている特別図柄番号データは、それぞれ、特別図柄コマンド制御処理において、決定された特別図柄番号データを示す特別図柄コマンドとして、演出制御基板80に送信される。
演出制御基板80においては、変動パターンコマンドが受信されたときに、特別図柄の変動表示を開始する制御が行なわれる。変動パターンコマンドおよび特別図柄コマンドが受信されたときの演出制御基板80における制御については、図17において説明する。
特別図柄プロセスフラグが示す特別図柄プロセスコードの値が03hである場合は、S156により、特別図柄変動処理が実行される。特別図柄変動処理においては、変動時間の終了を判定して、終了であれば特別図柄変動表示終了時の設定を行なう。
具体的には、変動パターン設定処理において設定された変動時間タイマのカウント値を、タイマ割込み処理で特別図柄変動処理が実行されるごとに1ずつ減算し、0になったか否かを判断する。つまり、変動表示が開始されてから変動パターンに応じた変動時間が経過したか否かを判断する。このように、タイマ割込み処理が一定周期(たとえば、4msecごと)で実行されるので、変動時間タイマが1減算されるごとに4msecが計時されることとなる。特別図柄プロセスタイマについても同様である。
そして、変動時間タイマのカウント値が0になったと判断したときに、特別図柄確定コマンドを設定するとともに、特別図柄プロセスフラグを、特別図柄停止処理を示す特別図柄プロセスコードの値である04hに更新する。また、停止された特別図柄を表示させておく時間である特別図柄停止図柄表示時間(たとえば、0.6秒)を特別図柄プロセスタイマのカウント値の初期値として設定する。
特別図柄確定コマンドは、変動時間が経過したことを演出制御基板80に伝達するための制御信号である。設定された特別図柄確定コマンドは、前述した特別図柄コマンド制御処理において、演出制御基板80に送信される。演出制御基板80においては、特別図柄確定コマンドが受信されたときに、特別図柄の変動表示の表示結果を導出表示する制御が行なわれる。
特別図柄プロセスフラグが示す特別図柄プロセスコードの値が04hである場合は、S157により、特別図柄停止処理が実行される。特別図柄停止処理においては、特別図柄停止図柄表示時間の終了を判定して、終了であれば特別図柄停止終了時の設定を行なう。
具体的には、特別図柄変動処理において設定された特別図柄プロセスタイマのカウント値を、タイマ割込み処理で特別図柄停止処理が実行されるごとに1ずつ減算し、0になったか否かを判断する。つまり、表示結果が導出表示されてから特別図柄停止図柄表示時間が経過したか否かを判断する。
そして、特別図柄プロセスタイマのカウント値が0になったと判断したときに、大入賞口開放前コマンドを設定するとともに、特別図柄プロセスフラグを、大入賞口開放前処理を示す特別図柄プロセスコードの値である05hに更新する。設定された大入賞口開放前コマンドは、前述した特別図柄コマンド制御処理において、演出制御基板80に送信される。
また、大当りが発生したときの初回の演出時間である初回大当り演出時間(たとえば、6秒)を特別図柄プロセスタイマのカウント値の初期値として設定する。さらに、大当りフラグや、確変状態であることを示す確変フラグなどにクリアデータ(00h)を設定する。
特別図柄プロセスフラグが示す特別図柄プロセスコードの値が05hである場合は、S158により、大入賞口開放前処理が実行される。大入賞口開放前処理においては、特別図柄プロセスタイマのカウント値を減算し、初回大当り演出時間の終了を判定して、終了であれば大入賞口開放前終了時の設定を行ない、大入賞口18の開閉板20を開放するために、ソレノイド21の制御データを設定し、大入賞口開放回数カウンタのカウント値を1加算する。ソレノイド21の制御データが設定されることにより、前述したソレノイド出力処理において制御データに応じてソレノイド21が駆動される。そして、開閉板20が開放される。
大入賞口開放前終了時の設定としては、大入賞口18を開放させる時間である大入賞口開放中時間(たとえば、29.5秒)を特別図柄プロセスタイマのカウント値の初期値として設定する。また、特別図柄プロセスフラグを、大入賞口開放中処理を示す特別図柄プロセスコードの値である06hに更新する。
特別図柄プロセスフラグが示す特別図柄プロセスコードの値が06hである場合は、S159により、大入賞口開放中処理が実行される。大入賞口開放中処理においては、特定入賞領域の通過監視、および、通常入賞領域の通過監視を行なった後、特別図柄プロセスタイマのカウント値をタイマ割込み処理で大入賞口開放中処理が実行されるごとに1ずつ減算し、大入賞口開放中時間の終了を判定する。そして、終了であれば、大入賞口開放中終了時の設定をした後、大入賞口18の開閉板20を閉鎖するために、ソレノイド21の制御データを設定する。
特定入賞領域の通過監視においては、Vカウントスイッチ22により、特定入賞領域の遊技球の通過が検出されたときに、特定入賞領域通過コマンドを設定する。
また、通常入賞領域の通過監視においては、カウントスイッチ23により、通常入賞領域または特定入賞領域の通過が検出されるごとに、通過した遊技球の個数をカウントして、10個となったときに、特別図柄プロセスタイマをクリアする。また、遊技球の通過ごとに、カウント表示コマンドを設定する。
大入賞口開放中終了時の設定としては、大入賞口18を閉鎖してからの特定入賞領域への遊技球の通過の有効時間である特定領域有効時間(たとえば、1.998秒)を特別図柄プロセスタイマのカウント値の初期値として設定する。また、特別図柄プロセスフラグを、特定領域有効時間処理を示す特別図柄プロセスコードの値である07hに更新する。さらに、大入賞口開放後コマンドを設定する。
設定された特定入賞領域通過コマンド、カウント表示コマンド、および、大入賞口開放後コマンドは、それぞれ、前述した特別図柄コマンド制御処理において、演出制御基板80に送信される。
特別図柄プロセスフラグが示す特別図柄プロセスコードの値が07hである場合は、S160により、特定領域有効時間処理が実行される。特定領域有効時間処理においては、特定入賞領域の通過監視を行なった後、特別図柄プロセスタイマのカウント値をタイマ割込み処理で特定領域有効時間処理が実行されるごとに1ずつ減算し、特定領域有効時間の終了を判定して、終了であれば、特定領域有効時間終了時の設定を行なう。
特定領域有効時間終了時の設定としては、特定入賞領域への遊技球の通過があって、大入賞口開放回数カウンタのカウント値が所定数(たとえば、16)未満である場合には、この特定領域有効時間処理が終了してから次の大入賞口開放前処理が終了するまでの時間である大入賞口開放前時間(たとえば、0.004秒)を特別図柄プロセスタイマのカウント値の初期値として設定する。
また、特別図柄プロセスフラグを、大入賞口開放前処理を示す特別図柄プロセスコードの値である05hに更新する。さらに、大入賞口開放前コマンドを設定する。設定された大入賞口開放前コマンドは、前述した特別図柄コマンド制御処理において、演出制御基板80に送信される。
一方、特定入賞領域への遊技球の通過がない場合、または、大入賞口開放回数カウンタのカウント値が所定数以上である場合には、大当り遊技状態が終了したときの演出時間である最終大当り演出時間(たとえば、13.5秒)を特別図柄プロセスタイマのカウント値の初期値として設定する。
また、特別図柄プロセスフラグを、大当り終了処理を示す特別図柄プロセスコードの値である08hに更新する。さらに、大当り終了コマンドを設定するとともに、大入賞口開放回数カウンタにクリアデータ(00h)を設定する。
設定された大当り終了コマンドは、前述した特別図柄コマンド制御処理において、演出制御基板80に送信される。演出制御基板80においては、大当り終了コマンドが受信されたときに、大当り遊技状態終了時の演出表示を実行する制御が行なわれる。
特別図柄プロセスフラグが示す特別図柄プロセスコードの値が08hである場合は、S161により、大当り終了処理が実行される。大当り終了処理においては、特別図柄プロセスタイマのカウント値をタイマ割込み処理で大当り終了処理が実行されるごとに1ずつ減算し、最終大当り演出時間の終了を判定する。そして、終了であれば、大当り終了時の設定を行なう。
大当り終了時の設定としては、特別図柄プロセスフラグを、特別図柄通常処理を示す特別図柄プロセスコードの値である00hに更新する。また、確変図柄で大当りが発生した場合、具体的には、前述した変動表示用の入賞図柄バッファに記憶されている特別図柄番号データが確変大当り図柄(たとえば、奇数)を示すデータである場合は、確変フラグが高確率時指定値に設定される。さらに、時短フラグが時短作動指定値に設定される。
このように、特別図柄プロセスフラグが更新されることにより、条件に応じて順番に、特別図柄に関する遊技制御が実行される。すなわち、特別図柄の変動表示の実行条件が成立した場合(つまり、始動入賞があって始動入賞記憶数が上限値に達していない場合)に、始動入賞記憶データが記憶される。
そして、特別図柄の変動表示の開始条件が成立した場合(つまり、前回の変動表示が終了し、始動入賞記憶データが記憶されていて、大当り遊技状態でない場合)に、対応する始動入賞記憶データに応じて変動表示の表示結果や変動パターンが設定され、変動表示装置9において変動表示が実行され、表示結果が導出表示される。
また、表示結果が大当り図柄の組合せとなったことを条件に、大当り遊技状態における制御として、大入賞口18を開放させる制御や大当り遊技状態時の変動表示装置9における演出表示の制御などが実行される。
S153からS161までのいずれかの処理が実行された後に、特別図柄プロセス処理が終了し、タイマ割込み処理にリターンする。
図6は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理の前半の処理内容を示すフローチャートである。また、図7は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理の後半の処理内容を示すフローチャートである。この変動パターン設定処理は、図5で説明した特別図柄プロセス処理におけるS155の具体的な処理である。この変動パターン設定処理が実行されることにより、変動表示装置9における特別図柄の変動表示の変動パターンが設定される。
まず、S171により、連続予告中であるか否かが判断される。連続予告とは、大当り図柄の組合せとなることを複数回の変動表示に亘って連続的に遊技者に予告する演出である。連続予告中であるか否かは、連続予告をすることが決定されたときに設定される連続予告フラグがオン状態であるか否かにより判断される。
S171により連続予告中でないと判断された場合は、S173に進む。一方、S171により連続予告中であると判断された場合は、S172により、予告時変動パターン種別選択処理が実行される。図8は、変動パターン設定処理における予告時変動パターン種別テーブル選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
予告時変動パターン種別選択処理とは、連続予告時において変動パターン種別選択テーブルを選択するための処理である。変動パターン種別選択テーブルは、変動パターンの種別を選択するためのテーブルである。本実施の形態においては、変動パターンを選択するときに、まず、所定の条件に基づいて変動パターン種別選択テーブルが選択され、その変動パターン種別選択テーブルに基づいて、変動パターン振分テーブルが選択され、その変動パターン振分テーブルに基づいて、変動パターンが選択される。
図8を参照して、まず、S211により、予告回数カウンタのカウント値が1減算される。予告回数カウンタとは、連続予告の残り回数を計数するカウンタである。予告回数カウンタのカウント値の初期値としては、連続予告をすることが決定されたときに決定された連続予告の回数が設定される。
そして、S212により、予告時変動パターン種別選択テーブルが変動パターン種別選択テーブルとしてセットされる。その後、この予告時変動パターン種別テーブル選択処理が終了し、変動パターン設定処理にリターンする。
図6に戻って、S173により、大当りフラグがオン状態、つまり、前述した大当り指定値であるか否かが判断される。大当りフラグがオン状態でないと判断された場合は、S175に進む。一方、S173により大当りフラグがオン状態であると判断された場合は、S174により、大当り時変動パターン種別テーブル選択処理が実行される。図9は、変動パターン設定処理における大当り時変動パターン種別テーブル選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
大当り変動パターン種別テーブル選択処理とは、大当りとすることが決定されているとき(大当り決定時)において変動パターン種別選択テーブルを選択するための処理である。
図9を参照して、まず、S215により、始動入賞記憶データが記憶されているか否かが判断される。始動入賞記憶データが記憶されていない場合は、S224に進む。一方、始動入賞記憶データが記憶されている場合は、S216により、前述した始動口入賞記憶カウンタのカウント値で示される始動入賞記憶数が処理数としてセットされる。
次に、S217により、1番目の入賞図柄バッファに設定された特別図柄番号データが読出される。そして、S218により、読出された特別図柄番号データがはずれを示す特別図柄番号データであるか否かが判断される。
S218により、はずれを示す特別図柄番号データであると判断された場合、S219により、次の入賞図柄バッファに設定された特別図柄番号データが読出され、S220により、処理数が1減算される。次に、S221により、処理数が0でないか否かが判断される。処理数が0でない場合は、S218に戻る。一方、処理数が0である場合は、S224に進む。
一方、S218により、はずれを示す特別図柄番号データでないと判断された場合、S222により、読出された特別図柄番号データが確変図柄(たとえば、奇数)を示す特別図柄番号データであるか否かが判断される。確変図柄を示す特別図柄番号データでない場合は、S224に進む。一方、確変図柄を示す特別図柄番号データである場合は、S223により、特殊変動パターン種別選択テーブルが変動パターン種別選択テーブルとしてセットされ、この大当り時変動パターン種別テーブル選択処理が終了し、変動パターン設定処理にリターンする。
S224に進んだ場合は、大当り時変動パターン種別選択テーブル1が変動パターン種別選択テーブルとしてセットされる。次のS225により、今回の変動表示の表示結果を確変大当り図柄の組合せとすることが決定されているか否かが判断される。具体的には、変動表示用の入賞図柄バッファに記憶されている特別図柄番号データが確変図柄を示す特別図柄番号データであるか否かが判断される。
確変大当り図柄の組合せとすることが決定されていると判断された場合は、S226により、大当り時変動パターン種別選択テーブル1に替えて、大当り時変動パターン種別選択テーブル2が変動パターン種別選択テーブルとしてセットされる。S226の後、または、S225により今回の変動表示の表示結果を確変大当り図柄の組合せとしないことが決定されていると判断された場合は、この大当り時変動パターン種別テーブル選択処理が終了し、変動パターン設定処理にリターンする。
図8および図9で説明したように、連続予告時または大当り決定時には、始動入賞記憶数および非リーチ連続回数に応じて変動パターン種別選択テーブルが選択されない。つまり、始動入賞記憶数および非リーチ連続回数に関わらず、同じ変動パターン種別選択テーブルが選択される。その結果、始動入賞記憶数および非リーチ連続回数に関わらず、リーチ状態とする変動パターン、および、リーチ状態としない変動パターンが、それぞれ、一定の割合で選択される。また、始動入賞記憶数および非リーチ連続回数に関わらず、スーパーリーチとする変動パターン、および、ノーマルリーチとする変動パターンが、それぞれ、一定の割合で選択される。
変動パターンには、スーパーリーチとする変動パターン、ノーマルリーチとする変動パターン、および、通常変動の変動パターンが含まれる。スーパーリーチとする変動パターン、および、ノーマルリーチとする変動パターンは、リーチ状態とする変動パターンであって、リーチ演出を行なう変動パターンである。また、通常変動の変動パターンは、リーチ状態としない変動パターンである。したがって、通常変動の変動パターンは、リーチ演出を行なわない変動パターンである。リーチ演出とは、リーチ状態であるときに実行される演出である。
スーパーリーチの変動パターンは、大当りとすることが決定されたときに、大当りとしないことが決定され、かつ、リーチ状態とすることが決定されたとき(つまり、はずれリーチが決定されたとき)よりも高い確率で選択される。したがって、スーパーリーチの変動パターンが選択されたときには、はずれとなるよりも高い確率で大当りとなる。
これにより、スーパーリーチの変動パターンに基づいて特別図柄の変動表示が実行されることによって、遊技者の大当りへの期待感を向上させることができる。このため、スーパーリーチのリーチ演出は、ノーマルリーチのリーチ演出よりも、遊技者の大当りへの期待感を高める演出であることが多い。
なお、大当りとすることが決定された場合は、その変動表示が実行されるときに、リーチ状態を経て大当り図柄の組合せが導出表示されるので、必ずリーチ状態となる。すなわち、大当りとすることが決定された場合は、100%の確率で、リーチ状態とすることが決定される。
図6に戻って、S175により、はずれ時変動パターン種別テーブル選択処理が実行される。図10は、変動パターン設定処理におけるはずれ時変動パターン種別テーブル選択処理の処理内容を示すフローチャートである。はずれ時変動パターン種別選択処理とは、はずれとすることが決定されているとき(はずれ決定時)において変動パターン種別選択テーブルを選択するための処理である。
図10を参照して、まず、S231により、リーチ選択テーブル1が選択される。次に、S232により、確変中または時短中であるか否かが判断される。確変中または時短中である場合は、S233により、リーチ選択テーブル1に替えてリーチ選択テーブル2が選択される。図11は、はずれ時変動パターン種別テーブル選択処理において用いられるリーチ選択テーブルである。
図11を参照して、リーチ選択テーブル1においては、前回リーチフラグが、リーチでなかったことを示す通常値(たとえば、0)である場合、リーチ振分選択テーブル1が選択され、リーチであったことを示すリーチ指定値(たとえば、1)である場合、リーチ振分選択テーブル2が選択される。
前回リーチフラグは、前回の変動表示において、表示結果が大当り図柄の組合せとなった場合、または、表示結果がはずれリーチの組合せとなった場合にオン状態、つまり、前述したリーチ指定値にされるフラグである。はずれリーチの組合せとは、リーチ状態のまま大当り図柄の組合せとならなかった特別図柄の変動表示の表示結果である。
また、リーチ選択テーブル2においては、前回リーチフラグが通常値である場合、リーチ振分選択テーブル3が選択され、リーチ指定値である場合、リーチ振分選択テーブル4が選択される。
このように、リーチ選択テーブルは、前回の変動表示がリーチ状態となったか否かに応じてリーチ振分テーブルを選択するためのテーブルである。
図10に戻って、次のS234により、S231またはS233により選択されたリーチ選択テーブルを用いて、前回リーチフラグに応じて、リーチ振分選択テーブルが選択される。図12は、はずれ時変動パターン種別テーブル選択処理において用いられるリーチ振分選択テーブルである。
図12を参照して、リーチ振分選択テーブル1においては、始動入賞記憶数が0から1までである場合、または、非リーチ連続回数が10回以上である場合、リーチ振分テーブル1が選択され、始動入賞記憶数が2から3までである場合、リーチ振分テーブル2が選択され、始動入賞記憶数が4である場合、リーチ振分テーブル3が選択される。
非リーチ連続回数とは、表示結果が大当り図柄の組合せ、または、はずれリーチの組合せに、連続してならなかった変動表示の回数である。非リーチ連続回数は、後述する図7のS206およびS207によりカウントされる。この非リーチ連続回数の判定回数(本実施の形態では10回)は、はずれとすることが決定されたときにリーチ状態とすることが決定される確率の逆数よりも大きいことが好ましい。これにより、はずれとすることが決定されている場合であっても、判定回数の変動表示が行なわれる間に、リーチ状態とすることが、確率的に1回以上決定される。
リーチ振分選択テーブル2においては、始動入賞記憶数に関わらず、リーチ振分テーブル4が選択される。リーチ振分選択テーブル3においては、始動入賞記憶数に関わらず、リーチ振分テーブル5が選択される。リーチ振分選択テーブル4においては、始動入賞記憶数に関わらず、リーチ振分テーブル6が選択される。
このように、リーチ振分選択テーブルは、始動入賞記憶数および非リーチ連続回数に応じてリーチ振分テーブルを選択するためのテーブルである。
図10に戻って、次のS235により、S234により選択されたリーチ振分選択テーブルを用いて、始動入賞記憶数、および、非リーチ連続回数に応じて、リーチ振分テーブルが選択される。図13は、はずれ時変動パターン種別テーブル選択処理において用いられるリーチ振分テーブルである。
図13を参照して、リーチ振分テーブル1においては、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値が0から179までである場合、変動パターン種別選択テーブル1が選択され、180から211までである場合、変動パターン種別選択テーブル2が選択される。
リーチ判定用のランダムカウンタとは、変動表示の表示結果がはずれとなる場合においてリーチ状態とするか否かをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのものであって、大当り判定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。本実施の形態においては、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値は、0から211までの値を取り得る。
リーチ振分テーブル2においては、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値が0から192までである場合、変動パターン種別選択テーブル1が選択され、193から211までである場合、変動パターン種別選択テーブル3が選択される。
リーチ振分テーブル3においては、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値が0から199までである場合、変動パターン種別選択テーブル1が選択され、200から211までである場合、変動パターン種別選択テーブル4が選択される。
リーチ振分テーブル4においては、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値が0から211までである場合、変動パターン種別選択テーブル1が選択される。つまり、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値に関わらず、変動パターン種別選択テーブル1が選択される。
リーチ振分テーブル5においては、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値が0から208までである場合、変動パターン種別選択テーブル6が選択され、209から211までである場合、変動パターン種別選択テーブル7が選択される。
リーチ振分テーブル6においては、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値が0から211までである場合、変動パターン種別選択テーブル6が選択される。つまり、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値に関わらず、変動パターン種別選択テーブル6が選択される。
変動パターン種別選択テーブル1,6は、リーチ状態とならない変動パターンを選択する変動パターン振分テーブルを選択するためのテーブルである。変動パターン種別選択テーブル2〜4,7は、リーチ状態となる変動パターンを選択する変動パターン振分テーブルを選択するためのテーブルである。
図10に戻って、次のS236により、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値が読出される。そして、S237により、S235により選択されたリーチ振分テーブルを用いて、S236により読出されたリーチ判定用のランダムカウンタのカウント値に応じて、変動パターン種別選択テーブル1〜7のいずれかが選択され、はずれ時変動パターン種別選択テーブルとしてセットされる。その後、このはずれ時変動パターン種別テーブル選択処理が終了し、変動パターン設定処理にリターンする。
図6に戻って、S176により、S172、S174またはS175によりセットされた変動パターン種別選択テーブルの先頭の判定値にポインタがセットされる。そして、S177により、変動パターン種別選択用のランダムカウンタのカウント値が読出され、S178により、読出された変動パターン種別選択用のランダムカウンタのカウント値とポインタの指す判定値とが比較される。
この比較によって、変動パターン種別選択用のランダムカウンタのカウント値の方が、ポインタの指す判定値よりも小さくないと判断された場合は、S179により、次の判定値にポインタがオフセットされ、再度、S178の処理が実行される。
一方、S178により、変動パターン種別選択用のランダムカウンタのカウント値の方が、ポインタの指す判定値よりも小さいと判断された場合は、S180により、そのポインタの指すテーブルが変動パターン振分テーブルとしてセットされる。
変動パターン種別選択用のランダムカウンタとは、変動パターンの種別をランダムに選択するために用いられる乱数値を発生させるためのものであって、大当り判定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。本実施の形態においては、変動パターン種別選択用のランダムカウンタのカウント値は、0から223までの値を取り得る。
図14は、変動パターン設定処理において用いられる変動パターン種別選択テーブルである。図6および図14を参照して、変動パターン種別選択テーブル1においては、まず、S176により、変動パターン種別選択テーブル1の先頭の判定値である「223」にポインタがセットされる。そして、S178により、読出されたカウント値がその判定値よりも小さくないと判断された場合は、S179により次の判定値にポインタがセットされる。
しかし、本実施の形態の場合は、変動パターン種別選択用のランダムカウンタのカウント値の取り得る範囲が0から223までであるので、S178により、カウント値が判定値である「223」よりも小さくないと判断されることはなく、S180により、そのポインタの指す変動パターン振分テーブル1が変動パターン振分テーブルとしてセットされる。
つまり、変動パターン種別選択テーブル1においては、S176からS180までの処理が実行されることにより、変動パターン種別選択用のランダムカウンタのカウント値に関わらず、変動パターン振分テーブル1が選択される。
変動パターン種別選択テーブル2においては、まず、S176により、変動パターン種別選択テーブル2の先頭の判定値である「187」にポインタがセットされる。そして、S178により、読出されたカウント値がその判定値よりも小さいと判断された場合は、S180により、そのポインタの指す変動パターン振分テーブル3が変動パターン振分テーブルとしてセットされる。
一方、S178により、カウント値がその判定値である「187」よりも小さくないと判断された場合は、S179により、次の判定値である「208」にポインタがオフセットされる。そして、S178により、読出されたカウント値がその判定値よりも小さいと判断された場合は、S180により、そのポインタの指す変動パターン振分テーブル4が変動パターン振分テーブルとしてセットされる。
一方、S178により、カウント値がその判定値である「208」よりも小さくないと判断された場合は、S179により、次の判定値である「233」にポインタがオフセットされる。そして、S178により、読出されたカウント値がその判定値よりも小さいと判断された場合は、S180により、そのポインタの指す変動パターン振分テーブル5が変動パターン振分テーブルとしてセットされる。
つまり、変動パターン種別選択テーブル2においては、S176からS180までの処理が実行されることにより、変動パターン種別選択用のランダムカウンタのカウント値が0から187までの場合、変動パターン振分テーブル3が選択され、カウント値が188から208までの場合、変動パターン振分テーブル4が選択され、カウント値が209から223までの場合、変動パターン振分テーブル5が選択される。
同様に、変動パターン種別選択テーブル3においては、S176からS180までの処理が実行されることにより、変動パターン種別選択用のランダムカウンタのカウント値が0から163までの場合、変動パターン振分テーブル3が選択され、カウント値が164から198までの場合、変動パターン振分テーブル4が選択され、カウント値が199から223までの場合、変動パターン振分テーブル5が選択される。
また、変動パターン種別選択テーブル4においては、S176からS180までの処理が実行されることにより、変動パターン種別選択用のランダムカウンタのカウント値が0から158までの場合、変動パターン振分テーブル3が選択され、カウント値が159から176までの場合、変動パターン振分テーブル4が選択され、カウント値が177から223までの場合、変動パターン振分テーブル5が選択される。
また、変動パターン種別選択テーブル6においては、S176からS180までの処理が実行されることにより、変動パターン種別選択用のランダムカウンタのカウント値に関わらず、変動パターン振分テーブル2が選択される。
また、変動パターン種別選択テーブル7においては、S176からS180までの処理が実行されることにより、変動パターン種別選択用のランダムカウンタのカウント値に関わらず、変動パターン振分テーブル5が選択される。
図6に戻って、次に、S181により、S180によりセットされた変動パターン振分テーブルの先頭の判定値にポインタがセットされる。そして、S182により、変動パターン用のランダムカウンタのカウント値が読出され、S183により、読出された変動パターン用のランダムカウンタのカウント値とポインタの指す判定値とが比較される。この比較によって、変動パターン用のランダムカウンタのカウント値の方が、ポインタの指す判定値よりも小さくないと判断された場合は、S184により、次の判定値にポインタがオフセットされ、再度、S183の処理が実行される。
一方、S183により、変動パターン用のランダムカウンタのカウント値の方が、ポインタの指す判定値よりも小さいと判断された場合は、S185により、そのポインタの指す変動パターンの変動番号データ、変動パターン制御コード、および、変動時間データが読出される。このような変動番号データ、変動パターン制御コード、および、変動時間データは、変動パターンを示すデータである。変動パターンを示すデータは、遊技制御用マイコン53のROM54に変動パターンに対応して予め複数種類記憶される。
変動パターン用のランダムカウンタとは、変動パターンをランダムに選択するために用いられる乱数値を発生させるためのカウンタであって、大当り判定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。本実施の形態においては、変動パターン用のランダムカウンタのカウント値は、0から251までの値を取り得る。
変動番号データとは、各変動パターンを識別するために割振られる番号を示すデータである。変動パターン制御コードとは、その変動パターンに関する制御内容を示すコードであって、たとえば、8ビットのデータ「0000000X」で構成される。このデータのXが1の場合には、その変動パターンがリーチ状態とする変動パターンであることを示し、Xが0の場合には、その変動パターンがリーチ状態としない変動パターンであることを示す。
なお、8ビットのデータのX以外の桁を用いることにより、他の制御内容を示してもよい。たとえば、下2桁目のビットにより、その変動パターンが変動表示を短縮することが許可された変動パターンであるか否かを示すようにしてもよい。変動時間データは、その変動パターンの変動時間を示すデータである。
図15は、変動パターン設定処理において用いられる変動パターン振分テーブルである。図6および図15を参照して、前述したS176からS180の処理および図14で説明した処理の流れと同様に、変動パターン振分テーブル1においては、S181からS185までの処理が実行されることにより、変動パターン用のランダムカウンタのカウント値が0から180までの場合、変動パターン1(通常変動1)が選択される。カウント値が181の場合、変動パターン2(通常変動2)が選択される。カウント値が182から251の場合、変動パターン4(通常変動予告付き)が選択される。
また、変動パターン振分テーブル2においては、S181からS185までの処理が実行されることにより、変動パターン用のランダムカウンタのカウント値に関わらず、変動パターン3(通常変動短縮)が選択される。
また、変動パターン振分テーブル3においては、S181からS185までの処理が実行されることにより、変動パターン用のランダムカウンタのカウント値が0から90までの場合、変動パターン9(ノーマルリーチ短い)が選択される。カウント値が91から180までの場合、変動パターン10(ノーマルリーチ普通)が選択される。カウント値が181から191までの場合、変動パターン11(ノーマルリーチ長い)が選択される。カウント値が192から251までの場合、変動パターン12(ノーマルリーチ普通+2)が選択される。
また、変動パターン振分テーブル4においては、S181からS185までの処理が実行されることにより、変動パターン用のランダムカウンタのカウント値が0から63までの場合、変動パターン14(ノーマルロング−3)が選択される。カウント値が64から126までの場合、変動パターン15(ノーマルロング−2)が選択される。カウント値が127から189までの場合、変動パターン16(ノーマルロング−1)が選択される。カウント値が190から212までの場合、変動パターン17(ノーマルロング+1)が選択される。カウント値が213から251までの場合、変動パターン20(スーパーリーチA−2)が選択される。
また、変動パターン振分テーブル5においては、S181からS185までの処理が実行されることにより、変動パターン用のランダムカウンタのカウント値が0から54までの場合、変動パターン17(ノーマルロング+1)が選択される。カウント値が55から108までの場合、変動パターン21(スーパーリーチA−1)が選択される。カウント値が109から162までの場合、変動パターン22(スーパーリーチA+1)が選択される。カウント値が163から196までの場合、変動パターン25(スーパーリーチB−1)が選択される。カウント値が197から230までの場合、変動パターン26(スーパーリーチB+1)が選択される。カウント値が231から242までの場合、変動パターン29(スーパーリーチC−1)が選択される。カウント値が243から249までの場合、変動パターン31(スーパーリーチC+1)が選択される。カウント値が250から251までの場合、変動パターン33(スーパーリーチD)が選択される。
なお、通常変動の変動パターンである変動パターン1〜4の変動時間は、所定時間(たとえば、15秒)未満であり、ノーマルリーチの変動パターンである変動パターン9〜17、および、スーパーリーチの変動パターンである変動パターン20〜33の変動時間は、所定時間以上である。これにより、ノーマルリーチまたはスーパーリーチの変動パターンが選択される場合の平均変動時間は、通常変動の変動パターンが選択される場合の平均変動時間よりも長くなる。
図7を参照して、次に、S186により、S185により読出された変動パターン制御コードに応じて、今回リーチフラグがセットされる。具体的には、前述した8ビットの変動パターン制御コードの下1桁目のビットが1である場合は、その変動パターンがリーチ状態とする変動パターンであるので、今回リーチフラグにリーチとすることを示すリーチ指定値(たとえば、1)がセットされる。つまり、今回リーチフラグがオン状態にされる。
一方、変動パターン制御コードの下1桁目のビットが0である場合は、その変動パターンがリーチ状態としない変動パターンであるので、今回リーチフラグにリーチとしないことを示す非リーチ指定値(たとえば、0)がセットされる。つまり、今回リーチフラグがオフ状態にされる。
次に、S187により、変動コマンド選択データがクリアされる。つまり、変動コマンド選択データが00hにされる。そして、S188により、S185により読出された変動番号データが「128」より小さいか否かが判断される。「128」より小さくないと判断された場合は、S189により、変動番号データから128減算される。そして、S190により、変動コマンド選択データに01hが加算され、S191に進む。一方、S188により、「128」より小さいと判断された場合は、S191に進む。
次のS191により、変動パターンコマンド上位データが読出される。変動パターンコマンド上位データは、本実施の形態においては、80hである。そして、S192により、変動パターンコマンド上位データに変動コマンド選択データが加算される。つまり、変動番号データが128未満であるときには、80hに00hが加算され、80hとなる。一方、変動番号データが128以上であるときには、80hに01hが加算され、81hとなる。
変動パターンコマンドは、前述したように1バイトの上位データと1バイトの下位データとから構成され、下位データにより変動番号データが指定される。しかし、上位データと下位データとを区別するために、それぞれ1ビットを使用するため、1つの上位データに対して、7ビット、つまり、128の変動番号データしか指定できない。そこで、変動番号データが128以上であるときには、別の上位データを用いることにより、128種類以上の変動パターンを指定することができる。
次に、S193により、保留記憶数に応じた変動短縮パターンバッファの値が読出される。変動短縮パターンバッファにおいては、保留記憶数が0から2までに対応する領域には「00h」が記憶され、保留記憶数が3に対応する領域には「01h」が記憶され、保留記憶数が4に対応する領域には「02h」が記憶される。
そして、S194により、変動短縮時間選択テーブルの先頭アドレスにポインタがセットされ、S195により、S193により読出された変動短縮パターンバッファの値分、ポインタがオフセットされる。
また、S196により、変動短縮パターンバッファの値が4倍され、S197により、S192により算出された変動パターンコマンド上位データに4倍された変動短縮パターンバッファの値が加算される。たとえば、保留記憶数が0から2まで、かつ、変動番号データが128未満の場合は、80hに00hを4倍した00hが加算され、80hになる。また、保留記憶数が4、かつ、変動番号データが128以上の場合は、81hに02hを4倍した08hが加算され、89hになる。
次のS198により、S195によりオフセットされたポインタの指す変動短縮時間データが読出され、S199により、S185により読出された変動時間データからその変動短縮時間データが減算される。そして、S200により、減算された変動時間データが変動時間タイマとして機能する特別図柄プロセスタイマにセットされる。
次に、S201により、S197により算出された上位データと、S185により読出され、かつ、128未満でないときにはS189により128減算された変動番号データを示す下位データとからなる変動パターンコマンドが設定される。そして、S202により、入賞図柄バッファに設定された特別図柄番号データを示す特別図柄コマンドが設定される。設定された変動パターンコマンドおよび特別図柄コマンドは、特別図柄コマンド制御処理により、演出制御基板80に送信される。
このように、変動パターンコマンドの上位データを異ならせて演出制御基板80に送信することにより、演出制御基板80に対して、予め定められた複数種類の変動短縮時間データのうちのどの変動短縮時間データを用いて、変動時間を短縮するかを伝達することができる。
本実施形態では、保留記憶数が0から2までのときには、変動パターンコマンドの上位データが80hまたは81hとなり、対応する変動時間短縮データの値は、0秒に相当する値とする。また、保留記憶数が3のときには、変動パターンコマンドの上位データが84hまたは85hとなり、対応する変動時間短縮データの値は、3.5秒に相当する値とする。また、保留記憶数が4のときには、変動パターンコマンドの上位データが88hまたは89hとなり、対応する変動時間短縮データの値は、5.5秒に相当する値とする。
また、S203により、前回リーチフラグがオフ状態にされる。そして、S204により、今回リーチフラグがオン状態であるか否かが判断される。オン状態であると判断された場合は、S205により、前回リーチフラグがオン状態にされ、S206により、非リーチ連続回数カウンタが0回にリセットされ、S208に進む。一方、今回リーチフラグがオフ状態であると判断された場合は、S207により、非リーチ連続回数カウンタが1加算され、S208に進む。
次に、S208により、特別図柄プロセスフラグが、特別図柄変動処理を示す特別図柄プロセスコードの値である03hに更新される。S208の後、この変動パターン設定処理が終了し、特別図柄プロセス処理にリターンする。
この変動パターン設定処理が実行されることにより、はずれとすることが決定され、かつ、非確変時短時であり、かつ、前回リーチフラグが非リーチ指定値である場合において、次のように変動パターンが選択される。
始動入賞記憶数が0から1までであるとき、または、非リーチ連続回数が10回以上であるときは、リーチ振分テーブル1が選択される。そして、このテーブルに基づいて、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値に応じて、180/212の確率で、変動パターン種別選択テーブル1が選択される。このテーブルに基づいて、変動パターン種別選択用のランダムカウンタのカウント値に関わらず(つまり、223/223の確率で)、変動パターン振分テーブル1が選択され、通常変動の変動パターンである変動パターン1,2,4のいずれかが選択される。
また、リーチ振分テーブル1に基づいて、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値に応じて、32/212の確率で、変動パターン種別選択テーブル2が選択される。このテーブルに基づいて、変動パターン種別選択用のランダムカウンタのカウント値に応じて、187/223の確率で、変動パターン振分テーブル3が選択され、21/223の確率で、変動パターン振分テーブル4が選択され、15/223の確率で、変動パターン振分テーブル5が選択される。
そして、変動パターン振分テーブル3に基づいて、変動パターン用のランダムカウンタのカウント値に応じて、ノーマルリーチの変動パターンである変動パターン9〜12のいずれかが選択される。
また、変動パターン振分テーブル4に基づいて、変動パターン用のランダムカウンタのカウント値に応じて、それぞれ、64/252,63/252,63/252,23/252の確率で、ノーマルリーチの変動パターンである変動パターン14〜17がそれぞれ選択され、39/252の確率で、スーパーリーチの変動パターン20が選択される。
また、変動パターン振分テーブル5に基づいて、変動パターン用のランダムカウンタのカウント値に応じて、55/252の確率で、ノーマルリーチの変動パターン17が選択され、54/252,54/252,34/252,34/252,12/252,7/252,2/252の確率で、スーパーリーチの変動パターンである変動パターン21,22,25,26,29,31,33が選択される。
つまり、始動入賞記憶数が0から1までであるとき、または、非リーチ連続回数が10回以上であるときは、通常変動の変動パターンの選択確率は、(180/212)×(223/223)=84.91%となり、ノーマルリーチの変動パターンの選択確率は、(32/212)×((187/223)+(21/223)×(64/252+63/252+63/252+23/252)+(15/223)×(55/252))=14.08%となり、スーパーリーチの変動パターンの選択確率は、(32/212)×((21/223)×(39/252)+(15/223)×(54/252+54/252+34/252+34/252+12/252+7/252+2/252))=1.01%となる。
同様に、始動入賞記憶数が2から3までであるときは、通常変動の変動パターンの選択確率は、91.04%となり、ノーマルリーチの変動パターンの選択確率は、7.96%となり、スーパーリーチの変動パターンの選択確率は、1.00%となる。
また、始動入賞記憶数が4であるときは、通常変動の変動パターンの選択確率は、94.34%となり、ノーマルリーチの変動パターンの選択確率は、4.66%となり、スーパーリーチの変動パターンの選択確率は、1.00%となる。
また、はずれとすることが決定され、かつ、前回リーチフラグがリーチ指定値である場合においては、通常変動の変動パターンが100%の確率で選択される。
また、はずれとすることが決定され、かつ、前回リーチフラグが非リーチ指定値であり、かつ、確変時短時である場合においては、始動入賞記憶数および非リーチ連続回数に関わらず、一定の確率で、通常変動、ノーマルリーチ、または、スーパーリーチの変動パターンが選択される。
また、大当りとすることが決定されている場合、または、連続予告中においては、始動入賞記憶数および非リーチ連続回数に関わらず、一定の確率で、通常変動、ノーマルリーチ、または、スーパーリーチの変動パターンが選択される。たとえば、大当りとすることが決定されている場合に、90%の確率の確率でスーパーリーチの変動パターンが選択される。
したがって、始動入賞記憶数が所定判定数(ここでは、2)よりも少ないときには、所定判定数よりも少なくないときよりも、リーチ(ノーマルリーチおよびスーパーリーチ)とする変動パターンが高い確率で選択される。その結果、変動時間が所定時間よりも長い変動パターンが選択されることが多くなるので、平均変動時間が長くなる。
また、始動入賞記憶数が他の所定判定数(ここでは、3)よりも多いときには、所定判定数よりも多くないときよりも、リーチとする変動パターンが低い確率で選択される。その結果、変動時間が所定時間よりも長い変動パターンが選択されることが少なくなるので、平均変動時間も短くなる。
また、非リーチ連続回数が所定回数(ここでは、9回)よりも多い(つまり、10回以上)ときには、所定回数よりも多くないときよりも、リーチとする変動パターンが高い確率で選択される。
また、大当り決定時、連続予告時、はずれ決定時かつ確変時短時、および、はずれ決定時かつ非確変時短時かつ前回リーチ時は、始動入賞記憶数に関わらず、スーパーリーチの変動パターンが一定の確率で選択されるようにする。そして、はずれ決定時かつ非確変時短時かつ前回非リーチ時は、始動入賞記憶数が0から1まで,2から3まで,4のときに、それぞれ、1.01%,1.00%,1.00%の確率でスーパーリーチが選択される。
このように、大当り決定時、連続予告時、はずれ決定時のすべてに亘って、スーパーリーチの変動パターンがほぼ等しい確率で選択される。このため、スーパーリーチの変動パターンに基づいて特別図柄の変動表示が行なわれたときに、ほぼ一定の確率で、大当り図柄の組合せが導出表示されることとなる。
なお、ほぼ等しい確率とは、スーパーリーチの変動パターンに基づいて特別図柄の変動表示が行なわれたときに、大当り図柄の組合せが導出表示される確率が変化していないと遊技者が感じる確率である。
本実施の形態においては、具体的には、はずれ決定時かつ非確変時短時かつ前回非リーチ時における始動入賞記憶数に応じてスーパーリーチが選択される確率の範囲(最も大きい確率と最も小さい確率との差)が、スーパーリーチの信頼度の始動入賞記憶数に応じた変化が1%以内に納まるような範囲であることが好ましい。スーパーリーチの信頼度とは、スーパーリーチの変動パターンに基づいて特別図柄の変動表示が行なわれたときに表示結果が大当り図柄の組合せとなる確率である。
図16は、演出制御基板80により実行される演出制御メイン処理およびタイマ割込み処理の処理内容を示すフローチャートである。図16(A)は、演出制御メイン処理の処理内容を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、演出制御用マイコン800は、S501以降の演出制御メイン処理を開始する。
演出制御メイン処理において、演出制御用マイコン800は、まず、S501により、初期化処理を行なう。初期化処理は、図3で説明した遊技制御基板31により実行されるメイン処理のS101からS117までの処理と同様の処理である。
次に、S502により、タイマ割込みフラグが示す値が割込み指定値(たとえば、1)であるか否かが判断される。タイマ割込みフラグが示す値が割込み指定値でない場合は、S502を繰返す。一方、タイマ割込みフラグが割込み指定値である場合は、S503により、タイマ割込みフラグがクリアされる。具体的には、タイマ割込みフラグにクリアデータ(たとえば、0)が設定される。
その後、S504からS508までの演出制御処理が実行される。S504により、遊技制御基板31からの制御コマンドを受信して、受信された制御コマンドに応じた設定を行なうコマンド解析処理が実行される。コマンド解析処理については、後述する図17で説明する。
S505により、変動表示装置9における変動表示や演出表示の制御を行なう表示制御プロセス処理が実行される。S506により、スピーカ41から出力させる演出音の制御を行なう音制御プロセス処理が実行される。S507により、各種ランプの点滅制御を行なうランプ制御プロセス処理が実行される。そして、S508により、各種ランダムカウンタのカウント値が更新され、S502に戻る。
図16(B)は、タイマ割込み処理の処理内容を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、演出制御メイン処理実行中に、タイマ割込みが発生すると、タイマ割込みの発生に応じて起動される。本実施形態においては、4msecごとに定期的にタイマ割込みが掛かる。
タイマ割込み処理においては、S509により、タイマ割込みフラグがセットされる。具体的には、タイマ割込みフラグに割込み指定値(たとえば、1)が設定され、演出制御メイン処理にリターンする。これにより、演出制御メイン処理のS502により、タイマ割込みフラグの値が割込み指定値であると判断され、S503からS508までの処理が、4msecに1回のタイマ割込みの発生に付き1回ずつ実行される。
図17は、演出制御基板80により実行されるタイマ割込み処理におけるコマンド解析処理の処理内容を示すフローチャートである。図17で示すコマンド解析処理は、図16で説明したフローチャートにおけるS504の具体的な処理である。主基板31に搭載された遊技制御用マイコン53から受信された制御コマンドは演出制御用マイコン800のコマンド受信バッファに格納される。コマンド解析処理においては、演出制御用マイコン800は、コマンド受信バッファに格納されている制御コマンドの内容を確認し、その制御コマンドに応じた設定を行なう。
コマンド解析処理では、まず、演出制御用マイコン800によって、S511により、コマンド受信バッファに受信された制御コマンドが格納されているか否かが確認される。制御コマンドが格納されていないと判断された場合は、このコマンド解析処理が終了し、演出制御メイン処理にリターンする。一方、制御コマンドが格納されていると判断された場合は、S512により、コマンド受信バッファから受信された制御コマンドが読出される。
S513により、受信された制御コマンドが入賞コマンドであるか否かが判断される。入賞コマンドであると判断された場合は、S514により、始動入賞記憶数が1加算される。その後、S511に戻る。
一方、S513により、受信された制御コマンドが入賞コマンドでないと判断された場合は、S515により、受信された制御コマンドが変動パターンコマンドであるか否かが判断される。変動パターンコマンドであると判断された場合は、S516により、変動パターンコマンドに応じた変動番号データが設定される。表示制御プロセス処理においては、この変動番号データに応じた変動表示データおよび演出表示データが読出され、読出されたデータに基づいて変動表示装置9における変動表示や演出表示の制御が実行される。
次に、S517により、変動パターンコマンドに応じた変動時間データが読出される。そして、S519により、変動パターンコマンドの上位データに応じた変動短縮時間データが読出され、S520により、変動時間データから変動短縮時間データが減算される。
具体的には、前述したように、変動パターンコマンドの上位データが80hまたは81hであるときの変動短縮時間データは、0秒に相当する値であり、84hまたは85hであるときの変動時間データは、3.5秒に相当する値であり、88hまたは89hであるときの変動時間データは、5.5秒に相当する値である。
そして、S521により、変動時間データが変動時間タイマにセットされる。表示制御プロセス処理においては、変動時間タイマのカウント値がダウンカウントされ、0になったときに変動表示の表示結果が導出表示されるように制御される。
次に、S522により、変動パターンコマンドが受信されたことを示す変動パターン受信フラグがセットされる。表示制御プロセス処理においては、この変動パターン受信フラグがセットされている場合に、変動表示が開始される。
次のS523により、始動入賞記憶数が前述した所定判定数(ここでは、2)未満であるか否かが判断される。2未満でないと判断された場合は、S524により、高確率リーチ予告決定テーブルがセットされる。一方、2未満であると判断された場合は、S525により、低確率リーチ予告決定テーブルがセットされる。
そして、S526により、リーチ予告決定用のランダムカウンタのカウント値が読出され、S527により、セットされたリーチ予告決定テーブルに基づいて、読出されたリーチ予告決定用のランダムカウンタのカウント値に応じて、リーチ予告をするか否かが決定される。高確率リーチ予告決定テーブルにおいては、高確率でリーチ予告をすることが決定され、低確率リーチ予告決定テーブルにおいては、低確率でリーチ予告をすることが決定される。その後、S511に戻る。リーチ予告をすることが決定された場合は、S505からS507までの処理において、リーチ予告が実行される。たとえば、表示演出、音演出、または、ランプ演出によるリーチ予告が実行される。
一方、S515により、受信された制御コマンドが変動パターンコマンドでないと判断された場合は、S528により、受信された制御コマンドが特別図柄コマンドであるか否かが判断される。特別図柄コマンドであると判断された場合は、S529により、特別図柄コマンドが示す特別図柄番号データがはずれ指定値であるか否かが判断される。
はずれ指定値であると判断された場合は、S530により、左,中,右停止図柄決定用のランダムカウンタのカウント値が読出され、S531により、そのカウント値に応じて、左,中,右停止図柄が決定され、その後、S533に進む。
左,中,右停止図柄決定用のランダムカウンタとは、それぞれ、特別図柄の変動表示の表示結果がはずれとなる場合において特別図柄の変動表示の左,中,右停止図柄をランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのカウンタであって、大当り判定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。そして、左,中,右停止図柄決定用のランダムカウンタのカウント値に対応する特別図柄番号データの特別図柄が、それぞれ左,中,右停止図柄として決定される。
ここで、偶然、左,中,右停止図柄が同じ特別図柄、つまり、大当り図柄の組合せに決定された場合は、はずれ図柄の組合せとなるように変更される。また、S516により設定された変動番号データで示される変動パターンがリーチ状態とする変動パターンである場合は、右停止図柄が左停止図柄と同じ特別図柄に変更される。また、リーチ状態としない変動パターンである場合に、左,右停止図柄が同じ特別図柄で中停止図柄が異なる特別図柄、つまり、はずれリーチ図柄の組合せに決定された場合は、はずれ図柄の組合せとなるように変更される。
一方、S529により、はずれ指定値でないと判断された場合は、S532により、特別図柄コマンドが示す特別図柄番号データの特別図柄が左,中,右停止図柄として決定される。
そして、S531またはS532により決定された停止図柄が左,中,右特別図柄格納領域に設定され、S511に戻る。
一方、S528により、受信された制御コマンドが特別図柄コマンドでないと判断された場合は、S534により、受信された制御コマンドに対応したコマンド受信フラグがセットされ、S511に戻る。
このように、始動入賞記憶数が前述した所定判定数(ここでは、2)よりも少ないときは、リーチとする変動パターンコマンドが高い確率で受信される。しかし、コマンド解析処理が実行されることにより、始動入賞記憶数が所定判定数よりも少ないときには、低確率でリーチ予告をすることが決定され、所定判定数よりも少なくないときには、高確率でリーチ予告をすることが決定される。これにより、リーチ状態となる確率が向上された場合であっても、リーチ予告が実行される確率が合わせて向上されることを防止することができる。
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
(1) 図1で説明したように、パチンコ遊技機1は、各々が識別可能な複数種類の特別図柄を変動表示可能な変動表示装置9を有する。また、図1で説明したように、パチンコ遊技機1は、変動表示装置9において変動表示の表示結果として大当り図柄の組合せを導出表示した後に遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。
また、図1で説明したように、遊技制御用マイコン53のRAM55により、表示結果を決定するために用いる始動入賞記憶データが記憶される。また、図5のS153で説明したように、遊技制御用マイコン53により、RAM55に記憶されている始動入賞記憶データを用いて、表示結果を大当り図柄の組合せとするか否かが表示結果を導出表示する以前に決定される。
また、図9のS223,S224,S226で説明したように、遊技制御用マイコン53により、大当り図柄の組合せとすると決定されたときに、100%の確率で、特別図柄の変動表示においてリーチ演出を実行することが決定される。
また、図10のS231からS237、図11のリーチ選択テーブル、図12のリーチ振分選択テーブル、および、図13のリーチ振分テーブルで説明したように、遊技制御用マイコン53により、大当り図柄の組合せとしないと決定されたときに、大当り図柄の組合せとするときよりも低い確率で、リーチ演出を実行することが決定される。
また、図6のS185、および、図15の変動パターン振分テーブルで説明したように、遊技制御用マイコン53のROM54により、特別図柄の変動表示においてリーチ演出を行なわない通常変動の変動パターンと、通常変動の変動パターンよりも実行される変動表示の変動時間が長い変動パターンであって、特別図柄の変動表示においてリーチ演出を行なう変動パターンであるノーマルリーチの変動パターンおよびスーパーリーチの変動パターンと、を含む複数種類の変動パターンが記憶される。
また、図6のS176からS185、図14の変動パターン種別選択テーブル、および、図15の変動パターン振分テーブルで説明したように、遊技制御用マイコン53により、大当り図柄の組合せとすることが決定されたときのリーチ演出を実行するか否かの決定結果、または、大当り図柄の組合せとしないことが決定されたときのリーチ演出を実行するか否かの決定結果に従って、ROM54に記憶されている変動パターンのうちから変動パターンが選択される。
また、図16のS505で説明したように、演出制御用マイコン800により、変動表示装置9において、選択された変動パターンに基づいて、特別図柄の変動表示が行なわれた後、事前に決定された表示結果が導出表示されるとともに、変動パターンがノーマルリーチまたはスーパーリーチの変動パターンであるときには、変動表示においてリーチ演出が実行される。
また、図13のリーチ振分選択テーブル2で説明したように、RAM55に記憶されている始動入賞記憶データの数が2以上のときに、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値が193から211の範囲の値である確率、すなわち、19/212の確率で、リーチ演出を実行することが決定される。
また、図13のリーチ振分選択テーブル1で説明したように、RAM55に記憶されている始動入賞記憶データの数が2未満のときに、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値が180から211の範囲の値である確率、すなわち、32/212の確率で、リーチ演出を実行することが決定される。
また、大当り図柄の組合せとすることが決定された大当り決定時にリーチ演出を実行することが決定されたときに、大当り図柄の組合せとしないことが決定されたはずれ決定時にリーチ演出を実行することが決定されたときに比較して高い確率で、スーパーリーチの変動パターンが選択される(本実施の形態においては、大当り決定時のスーパーリーチ決定確率:約90%、はずれ決定時のスーパーリーチ決定確率:約1%)。
また、RAM55に記憶されている始動入賞記憶データの数に関わらずスーパーリーチがほぼ等しい確率で実行されるように、はずれ決定時かつ始動入賞記憶数2未満時にリーチ演出を実行することが決定されたときに、はずれ決定時かつ始動入賞記憶数2以上時にリーチ演出を実行することが決定されるときに比較して高い確率で、ノーマルリーチの変動パターンが選択される(本実施の形態においては、はずれ決定時かつ始動入賞記憶数2未満時のノーマルリーチの変動パターンの決定確率:約14%、はずれ決定時かつ始動入賞記憶数2以上時のノーマルリーチの変動パターンの決定確率:約8%)。
このように、大当り図柄の組合せとすると決定されたときに、100%の確率で、特別図柄の変動表示においてリーチ演出を実行することが決定され、大当り図柄の組合せとしないと決定されたときに、100%よりも低い確率で、リーチ演出を実行することが決定される。また、リーチ演出を行なうノーマルリーチおよびスーパーリーチの変動パターンの変動時間は、リーチ演出を行なわない通常変動の変動パターンの変動時間よりも長い。また、始動入賞記憶数が2以上のときに、19/212の確率で、リーチ演出を実行することが決定され、始動入賞記憶数が2未満のときに、19/212よりも高い32/212の確率で、リーチ演出を実行することが決定される。さらに、大当り決定時にリーチ演出を実行することが決定されたときに、はずれ決定時にリーチ演出を実行することが決定されたときに比較して高い確率で、スーパーリーチの変動パターンが選択されるとともに、始動入賞記憶数に関わらずほぼ等しい確率で、スーパーリーチが実行されるように、始動入賞記憶数2未満時にリーチ演出を実行することが決定されたときに、始動入賞記憶数2以上時にリーチ演出を実行することが決定されたときに比較して高い確率で、ノーマルリーチの変動パターンが選択される。
これにより、大当り図柄の組合せとしないと決定されたときには、大当り図柄の組合せとすると決定されたときよりも低い確率で、リーチ演出を実行することが決定される。このため、大当り図柄の組合せとすることが事前に決定されたときにリーチ演出が実行される確率が高くなり、リーチ演出が実行されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
また、リーチ演出を行なうノーマルリーチおよびスーパーリーチの変動パターンの変動時間は、リーチ演出を行なわない通常変動の変動パターンの変動時間よりも長く、始動入賞記憶数が2未満のときに、2以上のときよりも、リーチ演出を実行することが決定される確率が向上される。このため、始動入賞記憶数が2未満の時には、変動時間が長いノーマルリーチまたはスーパーリーチの変動パターンが選択される確率が向上されるので、1回の変動表示の平均変動時間が長くなる。その結果、変動表示と変動表示との間に変動表示が行なわれない期間が生じ難くすることができる。また、始動入賞記憶数が2以上のときには、変動時間が長いノーマルリーチまたはスーパーリーチの変動パターンが選択される確率が低下されるので、1回の変動表示の平均変動時間が短くなる。その結果、始動入賞記憶データの消化を早めることができる。
また、大当り図柄の組合せとすると決定されるときにスーパーリーチの変動パターンが選択される確率が高くなり、スーパーリーチが行なわれることにより、遊技者の期待感をさらに向上させることができる。
また、始動入賞記憶数が2未満のときに、2以上のときよりも高い確率で、リーチ演出を実行することが決定されるようにしても、始動入賞記憶数に関わらずスーパーリーチがほぼ等しい確率で実行される。このため、スーパーリーチが行なわれることによって一定の確率で変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せとなることを遊技者に期待させることができる。
(2) 図13のリーチ振分選択テーブル2で説明したように、RAM55に記憶されている始動入賞記憶データの数が4未満のときに、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値が193から211の範囲の値である確率、すなわち、19/212の確率で、リーチ演出を実行することが決定される。
また、図13のリーチ振分選択テーブル3で説明したように、RAM55に記憶されている始動入賞記憶データの数が4以上のときに、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値が200から211の範囲の値である確率、すなわち、12/212の確率で、リーチ演出を実行することが決定される。
また、RAM55に記憶されている始動入賞記憶データの数に関わらずスーパーリーチがほぼ等しい確率で実行されるように、はずれ決定時かつ始動入賞記憶数4以上時にリーチ演出を実行することが決定されたときに、はずれ決定時かつ始動入賞記憶数4未満時にリーチ演出を実行することが決定されるときに比較して低い確率で、ノーマルリーチの変動パターンが選択される(本実施の形態においては、はずれ決定時かつ始動入賞記憶数4以上時のノーマルリーチの変動パターンの決定確率:約5%、はずれ決定時かつ始動入賞記憶数4未満時のノーマルリーチの変動パターンの決定確率:約8%)。
このように、始動入賞記憶数が4未満のときに、19/212の確率で、リーチ演出を実行することが決定され、始動入賞記憶数が4以上のときに、19/212よりも低い12/212の確率で、リーチ演出を実行することが決定される。さらに、始動入賞記憶数に関わらずほぼ等しい確率で、スーパーリーチが実行されるように、始動入賞記憶数4以上時にリーチ演出を実行することが決定されたときに、始動入賞記憶数4未満時にリーチ演出を実行することが決定されたときに比較して低い確率で、ノーマルリーチの変動パターンが選択される。
これにより、始動入賞記憶数が4以上のときに、4未満のときよりも低い確率で、リーチ演出を実行することが決定されるようにしても、始動入賞記憶数に関わらずスーパーリーチがほぼ等しい確率で実行される。このため、スーパーリーチが行なわれることによって一定の確率で変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せとなることを遊技者に期待させることができる。
(3) 図17のS527、および、図16のS505からS507で説明したように、演出制御用マイコン800により、リーチ演出が実行されることを予告するリーチ予告が実行される。また、図17のS523からS527で説明したように、演出制御用マイコン800により、RAM55に記憶されている始動入賞記憶数が4以上のときに、4未満のときに比較して高い確率で、リーチ予告を実行することが決定される。
このように、始動入賞記憶数が4以上のときに、4未満のときよりも高い確率で、リーチ予告を実行することが決定される。このため、リーチ演出を行なう確率が低下されているときに、リーチ予告が実行される確率が合わせて低下することを防止することができる。
(4) 図17のS527、および、図16のS505からS507で説明したように、演出制御用マイコン800により、リーチ演出が実行されることを予告するリーチ予告が実行される。また、図17のS523からS527で説明したように、演出制御用マイコン800により、RAM55に記憶されている始動入賞記憶数が2以上のときに、2未満のときに比較して高い確率で、リーチ予告を実行することが決定される。
このように、始動入賞記憶数が2以上のときに、2未満のときに比較して高い確率で、リーチ予告を実行することが決定される。このため、リーチ演出を行なう確率が向上されているときに、リーチ予告が実行される確率が合わせて向上することを防止することができる。
(5) 図6のS176からS179、および、図15の変動パターン振分テーブルで説明したように、遊技制御用マイコン53により、変動パターンを選択するのに用いられる変動パターン振分テーブルが決定される。また、図15で説明したように、変動パターン振分テーブルは、通常変動の変動パターンのみを選択可能な変動パターン振分テーブル1,2と、ノーマルリーチまたはスーパーリーチの変動パターンを選択可能な変動パターン振分テーブル3〜5とを含む。
また、図6のS176からS179で説明したように、はずれ決定時にリーチ演出を実行しないと決定されたときに、通常変動の変動パターンのみを選択可能な変動パターン振分テーブルが決定され、はずれ決定時にリーチ演出を実行すると決定されたときに、ノーマルリーチまたはスーパーリーチの変動パターンを選択可能な変動パターン振分テーブルが決定される。
このように、変動パターンを選択するのに用いる変動パターン振分テーブルとして、はずれ決定時にリーチ演出を実行しないと決定されたときに、通常変動の変動パターンのみを選択可能な変動パターン振分テーブルが決定され、はずれ決定時にリーチ演出を実行すると決定されたときに、ノーマルリーチまたはスーパーリーチの変動パターンを選択可能な変動パターン振分テーブルが決定される。
このため、リーチ演出を実行するか否かの決定結果に応じて変動パターン振分テーブルが選択されることで、リーチ演出を実行するか否かの決定結果に応じてリーチ演出を行なわない通常変動の変動パターンまたはリーチ演出を行なうノーマルリーチまたはスーパーリーチの変動パターンのいずれかを選択することができる。その結果、リーチ演出を行なうか否かの確率の設計を容易化することができる。
(6) 図6のS185で説明したように、遊技制御用マイコン53のROM54により、複数種類の変動パターンと、変動表示の表示時間とが対応されて記憶される。
また、図7のS193からS200、および、図5のS156で説明したように、遊技制御用マイコン53により、始動入賞記憶数が2未満のときに、選択された変動パターンに対応させてROM54に記憶されている変動時間データにより示される時間が初期値として特別図柄プロセスタイマに設定され、この初期値から変動表示の表示結果が表示されるまでの残り変動時間が計測される。
また、図7のS193からS200、および、図5のS156で説明したように、遊技制御用マイコン53により、始動入賞記憶数が2以上のときに、選択された変動パターンに対応させてROM54に記憶されている変動時間データにより示される時間から始動入賞記憶数に応じた変動短縮時間データにより示される時間を減算した時間が初期値として設定される。
つまり、遊技制御用マイコン53により、選択された変動パターンに対応させてROM54に記憶されている変動時間データに基づく初期値が特別図柄プロセスタイマに設定され、この初期値から変動表示の表示結果が表示されるまでの残り変動時間が計測される。
このように、選択された変動パターンに対応させて記憶されている変動時間データに基づく初期値が設定され、初期値から変動表示の表示結果が導出表示されるまでの残り変動時間が計測される。また、始動入賞記憶数が2以上のときに、選択された変動パターンに対応した変動時間データが示す時間から始動入賞記憶数に応じた変動短縮時間データが示す時間を減算した時間が初期値として設定される。
このため、始動入賞記憶数が2以上のときには、変動表示の変動時間が短縮されるので、始動入賞記憶データの消化を早めることができる。また、変動表示の変動時間が短縮されるときに用いられる変動表示の変動時間を記憶する必要がないため、RAM53の記憶容量を節減することができる。
(7) 図7のS204からS207で説明したように、遊技制御用マイコン53により、はずれ決定時にリーチ演出を実行しないと決定されるごとに、リーチ演出を実行しない決定が連続して行なわれた回数を示す非リーチ連続回数が加算されるとともに、大当り決定時またははずれ決定時にリーチ演出を実行すると決定されたときに非リーチ連続回数がリセットされる。
また、図13のリーチ振分テーブル1で説明したように、非リーチ連続回数が10回以上のときに、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値が180から211の範囲の値である確率、すなわち、32/212の確率で、リーチ演出を実行することが決定される。なお、図13のリーチ振分テーブル2およびリーチ振分テーブル3で説明したように、計数された非リーチ連続回数が10回未満のときには、32/212の確率より低い19/212の確率または12/212の確率で、リーチ演出を実行することが決定される。
また、非リーチ連続回数に関わらずスーパーリーチがほぼ等しい確率で実行されるように、はずれ決定時かつ非リーチ連続回数10回以上時にリーチ演出を実行することが決定されたときに、はずれ決定時かつ非リーチ連続回数10回未満時にリーチ演出を実行することが決定されるときに比較して高い確率で、ノーマルリーチの変動パターンが選択される(本実施の形態においては、はずれ決定時かつ非リーチ連続回数10回以上時のノーマルリーチの変動パターンの決定確率:約14%、はずれ決定時かつ非リーチ連続回数10回未満時のノーマルリーチの変動パターンの決定確率:約8%または約5%)。
このように、はずれ決定時にリーチ演出を実行しないと決定されるごとに、非リーチ連続回数が加算されるとともに、大当り決定時またははずれ決定時にリーチ演出を実行すると決定されたときに非リーチ連続回数がリセットされる。また、非リーチ連続回数が10回以上時に、非リーチ連続回数が10回未満時よりも高い確率である32/212の確率で、リーチ演出を実行することが決定される。さらに、非リーチ連続回数に関わらずほぼ等しい確率で、スーパーリーチが実行されるように、はずれ決定時かつ非リーチ連続回数10回以上時にリーチ演出を実行することが決定されたときに、はずれ決定時かつ非リーチ連続回数10回未満時にリーチ演出を実行することが決定されたときに比較して高い確率で、ノーマルリーチの変動パターンが選択される。
これにより、非リーチ連続回数が10回以上のときに、10回未満のときよりも高い確率で、リーチ演出を実行することが決定されるようにしても、非リーチ連続回数に関わらずスーパーリーチがほぼ等しい確率で実行される。このため、スーパーリーチが行なわれることによって一定の確率で変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せとなることを遊技者に期待させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 本実施の形態においては、リーチ演出を実行することを決定する手段に特徴がある遊技機について説明した。しかし、特別図柄の変動表示がリーチ状態のときの遊技の演出であるリーチ演出に限定されず、遊技者に大当りとなることへの期待を抱かせることができる遊技の演出であれば、特別図柄の変動表示がリーチ状態でないときの遊技の演出であってもよい。
(2) 本実施の形態においては、はずれ決定時にリーチ演出を実行しないと決定されるごとに、非リーチ連続回数が加算されるとともに、大当り決定時またははずれ決定時にリーチ演出を実行すると決定されたときに非リーチ連続回数がリセットされ、非リーチ連続回数が10回以上時に、非リーチ連続回数が10回未満時よりも高い確率で、リーチ演出を実行することが決定され、非リーチ連続回数に関わらずほぼ等しい確率で、スーパーリーチが実行されるように、はずれ決定時かつ非リーチ連続回数10回以上時にリーチ演出を実行することが決定されたときに、はずれ決定時かつ非リーチ連続回数10回未満時にリーチ演出を実行することが決定されたときに比較して高い確率で、ノーマルリーチの変動パターンが選択されるようにした。
しかし、これに限定されず、はずれ決定時にリーチ演出を実行しないと決定されるごとに、カウント回数が減算されるとともに、大当り決定時またははずれ決定時にリーチ演出を実行すると決定されたときにカウント回数が所定初期回数に設定され、カウント回数が所定初期回数より小さい所定判定回数未満時に、カウント回数が所定判定回数以上時よりも高い確率で、リーチ演出を実行することが決定され、カウント回数に関わらずほぼ等しい確率で、スーパーリーチが実行されるように、はずれ決定時かつカウント回数が所定判定回数未満時にリーチ演出を実行することが決定されたときに、はずれ決定時かつカウント回数が所定判定回数以上時にリーチ演出を実行することが決定されたときに比較して高い確率で、ノーマルリーチの変動パターンが選択されるようにしてもよい。
これによっても、カウント回数が所定判定回数未満のときに、所定判定回数以上のときよりも高い確率で、リーチ演出を実行することが決定されるようにしても、カウント回数に関わらずほぼ等しい確率でスーパーリーチが実行される。このため、スーパーリーチが行なわれることによって一定の確率で変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せとなることを遊技者に期待させることができる。
(3) 本実施の形態においては、変動パターンコマンドによって、選択された変動パターンを特定可能な情報と、変動時間を短縮する旨を示す情報とを、主基板31から演出制御基板80に送信するようにした。これにより、選択された変動パターンを特定可能な情報を送信するためのコマンドと、変動時間を短縮する旨を示す情報を送信するためのコマンドとを別々に送信する場合と比較して、コマンド送信に関わるプログラムの設計が容易になる。また、コマンドの送信回数が減るため、効率よく遊技制御を行なうことが可能となる。
(4) 前述した実施の形態においては、パチンコ遊技機1の機能について説明したが、図3〜図10,図16,図17に示した処理を実行する遊技機制御方法、図3〜図10,図16,図17に示した処理を実行するコンピュータに実行させるための遊技制御プログラム、および、その遊技制御プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体として発明を捉えることができる。
(5) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。