JP4952003B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、トレッド部ショルダー領域の周方向主溝におけるクラックの発生を抑制できる空気入りタイヤに関する。
トラックやバスに装着される空気入りタイヤでは、タイヤ使用時にてトレッド部ショルダー領域に大きな負荷が作用する。このため、接地に伴うトレッド部ショルダー領域の変形(特に曲げ変形)がセンター領域の変形よりも一般的に大きい。また、かかる空気入りタイヤでは、その使用に伴ってトレッド部ショルダー領域の摩耗が進行し、トレッド部ショルダー領域とセンター領域とのタイヤ径の差が拡大する。このため、タイヤ寿命の末期に近付くに連れて、接地時におけるトレッド部ショルダー領域の変形がさらに大きくなる。
また、かかる空気入りタイヤのトレッド表面には、タイヤ周方向に延在する複数本の周方向主溝が所定間隔をおいて配置される(リブまたはリブラグパターン)。かかる構成では、タイヤ使用時にてトレッド部ショルダー領域の周方向主溝に大きな圧縮応力が繰り返し負荷される。すると、ショルダー領域が変形して、ショルダー領域の周方向主溝にクラック(グルーブクラック)が発生するという課題がある。このクラックは、最もタイヤ幅方向外側にある周方向主溝(溝壁と溝底の曲率半径とから成る稜線部)に発生し易い。
かかる課題において従来の空気入りタイヤ(重荷重用空気入りタイヤ)には、特許文献1に記載される技術が知られている。対をなすそれぞれのビードコアの周りに端部分を折返したカーカスと、カーカスのクラウン部の外周側に配設したベルトと、ベルトのさらに外周側に配設したトレッドと、トレッド踏面に形成されて周方向に連続する複数本の周溝とを具える重荷重用空気入りタイヤであって、標準リムにリム組みし、最高空気圧の5%の空気圧の充填姿勢で、少なくとも、トレッド幅方向の最外側に位置する周溝のタイヤ半径方向内周側部分で、カーカスラインの曲率半径を他の部分の曲率半径より小さくしてなる。
特開平11−180109号公報
この発明は、トレッド部ショルダー領域の周方向主溝におけるクラックの発生を抑制できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、左右一対のビードコア間にトロイド状に架け渡されるカーカス層を有すると共にタイヤ周方向に延在する周方向主溝をトレッド部ショルダー領域に有する空気入りタイヤであって、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧を付与されると共に無負荷状態とされたときのカーカスラインLを引くときに、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧の5[%]の空気圧を付与されると共に無負荷状態とされたときのタイヤ子午線方向の断面視にて、前記カーカス層が第一膨出部および第二膨出部を有し、前記第一膨出部がカーカスラインLに対してタイヤ径方向外側に膨出すると共にセンタークラウンCLからトレッド半幅Wの40[%]以上80[%]以下の範囲内に最大膨出部を有し、前記第二膨出部がタイヤ径方向内側に膨出すると共にセンタークラウンCLからトレッド半幅Wの81[%]以上100[%]以下の範囲内に最大膨出部を有し、前記第一膨出部の膨出量H1が1.5[mm]以上であり、且つ、前記第二膨出部の膨出量H2が1.5[mm]以上であることを特徴とする。
この空気入りタイヤでは、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧を付与されたときに、第一膨出部および第二膨出部が変形することにより、タイヤ径の変化が相殺されて低減される。これにより、トレッド部ショルダー領域の形状が維持されてショルダー領域の周方向主溝の開きが低減され、周方向主溝におけるクラックの発生が抑制される利点がある。
また、この空気入りタイヤでは、第一膨出部の膨出量H1が適正化されることにより、内圧付与時におけるタイヤ径の増加が効果的に抑制される。これにより、ショルダー領域の周方向主溝におけるクラックの発生がより効果的に抑制される利点がある。
この空気入りタイヤでは、第二膨出部の膨出量H2が適正化されることにより、内圧付与時におけるタイヤ径の減少が効果的に抑制される。これにより、ショルダー領域の周方向主溝におけるクラックの発生がより効果的に抑制される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧の5[%]を付与されると共に無負荷状態とされたときを基準とし、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧を付与されると共に無負荷状態とされたときとのタイヤ径の成長が最大となる位置の下方に、前記第一膨出部が配置される。
なお、この空気入りタイヤでは、内圧付与によるタイヤ径の成長(増加)が著しい位置の下方に第一膨出部が配置されるので、第一膨出部によるタイヤ径の変化の抑制効果が向上する。これにより、トレッド部ショルダー領域の形状がより効果的に維持されて、周方向主溝におけるクラックの発生がより効果的に抑制される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧の5[%]を付与されると共に無負荷状態とされたときを基準とし、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧を付与されると共に無負荷状態とされたときとのタイヤ径の減少が最大となる位置の下方に、前記第二膨出部が配置される。
この空気入りタイヤでは、内圧付与によるタイヤ径の減少が著しい位置の下方に第二膨出部が配置されるので、第二膨出部によるタイヤ径の変化の抑制効果が向上する。これにより、トレッド部ショルダー領域の形状がより効果的に維持されて、周方向主溝におけるクラックの発生がより効果的に抑制される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、ラジアルタイヤ、重荷重用タイヤあるいは0.7以下の扁平比を有する扁平タイヤである。
これらのタイヤでは、グルーブクラックに関する課題が顕著である。したがって、空気入りタイヤがこれらのタイヤを適用対象とすることにより、より顕著なクラックの抑制効果が得られる利点がある。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧を付与されたときに、第一膨出部および第二膨出部が変形することにより、タイヤ径の変化が相殺されて低減される。これにより、トレッド部ショルダー領域の形状が維持されてショルダー領域の周方向主溝の開きが低減され、周方向主溝におけるクラックの発生が抑制される利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。図2〜図4は、図1に記載した空気入りタイヤの膨出部を示す断面図(図2)ならびに作用説明図(図3および図4)である。図5は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
[空気入りタイヤ]
この空気入りタイヤ1は、ビードコア2、2と、カーカス層3と、ベルト層4と、トレッドゴム5と、サイドウォールゴム6とを含み構成される(図1参照)。ビードコア2、2は、左右一対を一組として構成される。カーカス層3は、左右一対のビードコア2、2間にトロイド状に架け渡される。このカーカス層3は、単一(あるいは複数)のカーカスプライにより構成される。カーカスプライは、スチール繊維材あるいは有機繊維材がカレンダー状に配列されて成る。ベルト層4は、積層された複数のベルト材から成り、カーカス層3のタイヤ径方向外周に配置される。これらのベルト材は、スチール繊維材あるいは有機繊維材がカレンダー状に配列されて成る。また、これらのベルト材のうち少なくとも2枚は、その繊維方向をタイヤ周方向に対して傾斜させている(傾斜ベルト材)。トレッドゴム5は、カーカス層3およびベルト層4のタイヤ径方向外周に配置され、空気入りタイヤ1のトレッド部を構成する。このトレッド部のトレッド面には、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝51、52が所定間隔をおいて配置される。サイドウォールゴム6は、カーカス層3のタイヤ幅方向外側に配置され、空気入りタイヤ1のサイドウォール部を構成する。
ここで、空気入りタイヤ1が正規リムに装着されて正規内圧を付与されると共に無負荷状態とされたときのカーカスラインLを引く。
なお、正規リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、正規内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、正規荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、乗用車用タイヤの場合には、正規内圧が空気圧180[kPa]であり、正規荷重が最大負荷能力の88[%]である。
[カーカス層の膨出部]
この空気入りタイヤ1では、正規リムに装着されて正規内圧の5[%]を付与されると共に無負荷状態とされたときにおいて、カーカス層3が第一膨出部31および第二膨出部32を有する(図1および図2参照)。すなわち、カーカス層3が波状形状を有する。第一膨出部31は、タイヤ子午線方向の断面視にて、カーカスラインLに対してタイヤ径方向外側に凸状に膨出する。また、第一膨出部31は、センタークラウンCLからトレッド半幅Wの40[%]以上80[%]以下の範囲内(距離L1の位置)に最大膨出部(膨出の頂部)を有する。一方、第二膨出部32は、タイヤ子午線方向の断面視にて、カーカスラインLに対してタイヤ径方向内側に凸状に膨出する。また、第二膨出部32は、センタークラウンCLからトレッド半幅Wの81[%]以上100[%]以下の範囲内に最大膨出部を有する(距離L2の位置)。
なお、この実施例では、第一膨出部31がタイヤ幅方向外側の周方向主溝52の下方に位置する(図1および図2参照)。しかし、第一膨出部31と周方向主溝52との位置関係は、これに限定されない。また、膨出部31、32がカーカス層3にのみ形成されており、ベルト層4には形成されていない。しかし、これに限らず、膨出部がベルト層4にも形成されても良い。
空気入りタイヤ1に空気が充填されて内圧が付与されると、トレッド部のプロファイルラインが図3に示すように変化する。図3では、実線がモールドのプロファイルラインを示している。また、破線は熱成長後に空気圧900[kPa]が付与されたときのプロファイルラインを示し、一点鎖線が空気圧45[kPa]が付与されたときのプロファイルラインを示している。図3に示すように、空気圧が45[kPa]から900[kPa]に増加すると、タイヤ径がトレッド部の端部からタイヤ幅の1/4付近にて増加し、トレッド部の端部付近にて減少する。
また、空気入りタイヤ1が正規リムに装着されて正規内圧を付与されると共に無負荷状態とされると、第一膨出部31および第二膨出部32が平坦化されて、カーカス層3がカーカスラインLに沿った断面形状となる(図4参照)。すなわち、センタークラウンCLからトレッド半幅Wの40[%]以上80[%]以下の範囲内(距離L1の位置)では、タイヤ内圧によりタイヤ径が増加し、また、カーカス層3に作用した張力により第一膨出部31がタイヤ径方向内側に引き込まれて平坦化される。一方、センタークラウンCLからトレッド半幅Wの81[%]以上100[%]以下の範囲内(距離L2の位置)では、タイヤ内圧およびリム組みによる外力によってタイヤ径が減少し(ショルダー部が下がり)、また、カーカス層3に作用した張力により第二膨出部32がタイヤ径方向外側に押し出されて平坦化される。
このように、この空気入りタイヤ1では、リム組みおよび内圧付与によりタイヤ径が大きく増加する位置L1に第一膨出部31が配置され、タイヤ径が大きく減少する位置に第二膨出部32が配置されている。このため、第一膨出部31および第二膨出部32の変形により、タイヤ径の変化(距離L1の位置におけるタイヤ径の増加、および、距離L2の位置におけるタイヤ径の減少)が相殺されて抑制され、トレッド部ショルダー領域の形状が維持される。これにより、周方向主溝52の開きが低減されて、周方向主溝52におけるグルーブクラックの発生が抑制される。
[効果]
この空気入りタイヤ1では、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧を付与されたときに、第一膨出部31および第二膨出部32が変形することにより、タイヤ径の変化が相殺されて低減される。これにより、トレッド部ショルダー領域の形状が維持されてショルダー領域の周方向主溝52の開きが低減され、周方向主溝52におけるクラックの発生が抑制される利点がある。
特に、かかる構成では、第一膨出部31がセンタークラウンCLからトレッド半幅Wの40[%]以上80[%]以下の範囲内に位置し、第二膨出部32がセンタークラウンCLからトレッド半幅Wの81[%]以上100[%]以下の範囲内に位置することにより、第一膨出部31の形成位置および第二膨出部の位置が適正化されている。これにより、トレッド部ショルダー領域の形状がより効果的に維持されて、周方向主溝52におけるクラックの発生がより効果的に抑制される利点がある。
[付加的事項1]
なお、この空気入りタイヤ1では、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧の5[%]を付与されると共に無負荷状態とされたときを基準とし、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧を付与されると共に無負荷状態とされたときとのタイヤ径の成長が最大となる位置(距離L1の位置)の下方に、第一膨出部31が配置されることが好ましい(図1および図2参照)。すなわち、内圧付与によりタイヤ径が最も増加する位置の下方に第一膨出部31が配置される。
かかる構成では、内圧付与によるタイヤ径の成長(増加)が著しい位置の下方に第一膨出部31が配置されるので、第一膨出部31によるタイヤ径の変化の抑制効果が向上する。すなわち、タイヤ径の増加が効果的に相殺されて低減される。これにより、トレッド部ショルダー領域の形状がより効果的に維持されて、周方向主溝52におけるクラックの発生がより効果的に抑制される利点がある。
なお、この第一膨出部31の位置は、センタークラウンCLからトレッド半幅Wの40[%]以上80[%]以下の範囲内にて適宜選択される。また、第一膨出部31の位置は、タイヤ径の成長が最大となる位置から多少ずれていても良い。また、この位置は、周方向主溝52の位置とは無関係である。
[付加的事項2]
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧の5[%]を付与されると共に無負荷状態とされたときを基準とし、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧を付与されると共に無負荷状態とされたときとのタイヤ径の減少が最大となる位置(距離L2の位置)の下方に、第二膨出部32が配置されることが好ましい(図1および図2参照)。すなわち、内圧付与によりタイヤ径が最も減少する位置の下方に第二膨出部32が配置される。
かかる構成では、内圧付与によるタイヤ径の減少が著しい位置の下方に第二膨出部32が配置されるので、第二膨出部32によるタイヤ径の変化の抑制効果が向上する。すなわち、タイヤ径の減少が効果的に相殺されて低減される。これにより、トレッド部ショルダー領域の形状がより効果的に維持されて、周方向主溝52におけるクラックの発生がより効果的に抑制される利点がある。
なお、この第二膨出部32の位置は、センタークラウンCLからトレッド半幅Wの81[%]以上100[%]以下の範囲内にて適宜選択される。また、第二膨出部32の位置は、タイヤ径の減少が最大となる位置から多少ずれていても良い。また、この位置は、ベルト層4の端部の位置とは無関係である。
[付加的事項3]
また、この空気入りタイヤ1では、第一膨出部31の膨出量H1が1.5[mm]以上であることが好ましい(図2参照)。このように第一膨出部31の膨出量H1が適正化されることにより、内圧付与時におけるタイヤ径の増加が効果的に抑制される。これにより、ショルダー領域の周方向主溝52におけるクラックの発生がより効果的に抑制される利点がある。なお、第一膨出部31の膨出量H1の上限は、ベルト層4の配置との関係において規制される。
[付加的事項4]
また、この空気入りタイヤ1では、第二膨出部32の膨出量H2が1.5[mm]以上であることが好ましい(図2参照)。このように第二膨出部32の膨出量H2が適正化されることにより、内圧付与時におけるタイヤ径の減少が効果的に抑制される。これにより、ショルダー領域の周方向主溝52におけるクラックの発生がより効果的に抑制される利点がある。なお、第二膨出部32の膨出量H2の上限は、タイヤの内周形状(あるいはインナーライナー)との関係において規制される。
[適用例]
また、この空気入りタイヤ1は、ラジアルタイヤ、重荷重用タイヤあるいは0.7以下の扁平比を有する扁平タイヤであることが好ましい。これらのタイヤでは、グルーブクラックに関する課題が顕著である。したがって、これらのタイヤを適用対象とすることにより、より顕著なクラックの抑制効果が得られる利点がある。
[性能試験]
この実施例では、条件が異なる複数種類の空気入りタイヤについて、(1)耐クラック性能および(2)耐久性能にかかる性能試験が行われた(図5参照)。この性能試験では、タイヤサイズ265/60R22.5の空気入りタイヤがJATMA規定の正規リムに装着され、この空気入りタイヤに正規内圧および正規荷重が負荷される。
(1)耐クラック性能にかかる性能試験では、室内ドラム試験機を用いてドラム走行が行われ、18000[km]走行後にて、トレッド部ショルダー領域の周方向溝に発生したクラックの有無が観察される。また、ドラム走行では、速度が45[km/h]、一定荷重かつスリップアングルが2[deg]に設定される。また、(2)耐久性能にかかる性能試験では、同条件下にて、トレッド部ショルダー領域の周方向溝に亀裂が発生するまでの走行距離が測定される。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。この数値は大きいほど好ましい。
従来例の空気入りタイヤでは、カーカス層に膨出部が設けられていない。発明例1〜5の空気入りタイヤ1では、カーカス層3に膨出部31、32が設けられている。
試験結果に示すように、膨出部31、32を有する発明例1〜5の空気入りタイヤ1では、(1)耐クラック性能および(2)耐久性能が向上することがわかる。また、発明例1〜5と比較例1、2、5とを比較すると、第一膨出部31および第二膨出部32の位置が適正化される(第一膨出部31がセンタークラウンCLからトレッド半幅Wの40[%]以上80[%]以下の範囲内に位置し、第二膨出部32がセンタークラウンCLからトレッド半幅Wの81[%]以上100[%]以下の範囲内に位置する)ことにより、(1)耐クラック性能および(2)耐久性能が向上することがわかる。また、発明例1〜5と比較例3、4とを比較すると、第一膨出部31および第二膨出部32の膨出量H1、H2が適正化(H1≧1.5[mm]、H2≧1.5[mm])されることにより、(1)耐クラック性能および(2)耐久性能が向上することがわかる。
以上のように、本発明にかかる空気入りタイヤは、トレッド部ショルダー領域の周方向主溝におけるクラックの発生を抑制できる点で有用である。
この発明の実施例にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図1に記載した空気入りタイヤの膨出部を示す断面図である。 図1に記載した空気入りタイヤの膨出部を示す作用説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの膨出部を示す作用説明図である。 この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 ビードコア
3 カーカス層
31 第一膨出部
32 第二膨出部
4 ベルト層
5 トレッドゴム
51、52 周方向主溝
6 サイドウォールゴム

Claims (4)

  1. 左右一対のビードコア間にトロイド状に架け渡されるカーカス層を有すると共にタイヤ周方向に延在する周方向主溝をトレッド部ショルダー領域に有する空気入りタイヤであって、
    タイヤが正規リムに装着されて正規内圧を付与されると共に無負荷状態とされたときのカーカスラインLを引くときに、
    タイヤが正規リムに装着されて正規内圧の5[%]の空気圧を付与されると共に無負荷状態とされたときのタイヤ子午線方向の断面視にて、前記カーカス層が第一膨出部および第二膨出部を有し、
    前記第一膨出部がカーカスラインLに対してタイヤ径方向外側に膨出すると共にセンタークラウンCLからトレッド半幅Wの40[%]以上80[%]以下の範囲内に最大膨出部を有し、前記第二膨出部がタイヤ径方向内側に膨出すると共にセンタークラウンCLからトレッド半幅Wの81[%]以上100[%]以下の範囲内に最大膨出部を有し、
    前記第一膨出部の膨出量H1が1.5[mm]以上であり、且つ、
    前記第二膨出部の膨出量H2が1.5[mm]以上であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧の5[%]を付与されると共に無負荷状態とされたときを基準とし、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧を付与されると共に無負荷状態とされたときとのタイヤ径の成長が最大となる位置の下方に、前記第一膨出部が配置される請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧の5[%]を付与されると共に無負荷状態とされたときを基準とし、タイヤが正規リムに装着されて正規内圧を付与されると共に無負荷状態とされたときとのタイヤ径の減少が最大となる位置の下方に、前記第二膨出部が配置される請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. ラジアルタイヤ、重荷重用タイヤあるいは0.7以下の扁平比を有する扁平タイヤである請求項1〜のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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