JP4950641B2 - 化粧板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイルや石材等の表面化粧材が複数表面に並設された化粧板を製造するための化粧板の製造方法に関するものである。
従来から内外壁をタイルや石材等の表面化粧材で内外壁の表面を化粧をするには、現場施工により行っているが、現場で接着剤を塗布しつつ、少数ずつ施工しなければならず、高所での作業が危険となり、また、施工に手間と時間がかかるという問題がある。また、現場で接着剤を用いて接着するので、接着剤自体が紫外線や雨水の出入りにより経年変化で劣化し、表面化粧材が剥離する恐れがある。
一方、コンクリートの基板の上にタイルや石材を固着した化粧板をあらかじめ工場で生産し、これを現場に運んで施工すると、現場作業が簡略化、施工時間も短くなる。
このようなタイルや石材等の表面化粧材が複数表面に並設された化粧板製造する方法として特許文献1が知られている。
この特許文献1に示された従来例は、型枠に廃石材よりなる表面化粧材を複数セットし、隣りあう表面化粧材間に隙間を形成すると共に該隙間に充填材を充填し、その後、型枠にセットされた表面化粧材及び充填材の上側に生コンクリートを流入してコンクリート層を形成し、該コンクリート層を硬化させて型枠から取り出し、充填材を除去することで、コンクリート製の基板部の表面に複数の廃石材よりなる表面化粧材が目地を介して並設された化粧板を製造するようになっている。
ところが上記の表面に複数の表面化粧材を目地を介して並設した化粧板は、基板がコンクリート製であるため水を吸い易く、経年変化で変形(反り、膨張収縮等)し、表面化粧材が剥がれるという問題が発生する。
また、目地溝の底部はセメント系(コンクリート)であるため、目地からの水分の出入りで、白華したり、汚れが付着したりするという問題がある。
また、基板がコンクリート製であるため、重量が重く、切断もし難いという問題がある。
特開平7−10622号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、水を吸わず高強度で大サイズが可能で、切断しやすく、木口の防水処理が不要となり、また、表面化粧材が剥離し難く、目地溝の底部分に意匠性を付与することが可能となる化粧板の製造方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明に係る化粧板の製造方法は、型1内に表面化粧材2を複数並べてセットし、隣りあう表面化粧材2間に隙間3を形成すると共に、該隙間3に、目地溝形成材4を表面化粧材2の上面よりも下方に引き込んだ位置まで充填し、その後、無機廃材から得た無機質の粉粒体と熱可塑性合成樹脂を該熱可塑性合成樹脂の融点近傍の温度に加熱しながら混合・混練させた基材成形材料5を前記型1内にセットされた表面化粧材2の上及び隣りあう表面化粧材2の側面と目地溝形成材4とで形成される凹み内にセットしてプレスして一体硬化させ、その後、目地溝形成材4を除去して表面化粧材2間に目地溝6を形成した化粧板を製造することを特徴とするものである。
このような構成とすることで、無機廃材から得た無機質の粉粒体と熱可塑性合成樹脂を該熱可塑性合成樹脂の融点近傍の温度に加熱しながら混合・混練させた基材成形材料5が硬化することで形成される基板7の表面に複数の表面化粧材2が目地溝6を介して固着一体化された化粧板8を製造でき、しかも、製造された化粧板8は無機質の粉粒体と熱可塑性合成樹脂とを混合した基材成形材料5が硬化したものであるから、強度が高く、しかも、水を吸わないので基板7の吸水による変形で表面化粧材2が剥離するという現象が発生せず、また、成形性が良くて基材成形材料5が硬化する際に表面化粧材2と密着一体化されるので、この点でも表面化粧材2の剥離を防止することができる。また、無機質廃材から得た粉粒体を充填材、溶融される熱可塑性合成樹脂をバインダーとして、これらを混合させて軟化させた基材成形材料5を、前記型1内にセットされた表面化粧材2及び目地溝形成材4の上にセットしてプレスして基板7を作るので、出来上がった基板7は強度が強く、しかも耐水性に富み、例えば建材等としての利用価値が高く、また無機材料として無機質廃材を用いているので、これらの廃材の再利用の利用分野が広くなり、環境対策上も有効である。
また、目地溝形成材4が砂4aであって、充填した砂4aの大部分を除去した後に形成される目地溝6の溝底に除去されない一部の砂4aが埋設付着して残存することが好ましい。
このような構成とすることで、目地溝6の底を砂4aが埋設された自然な意匠表現とすることができる。
本発明は、上記のようにして製造した化粧板の基板が、無機廃材から得た無機質の粉粒体と熱可塑性合成樹脂を該熱可塑性合成樹脂の融点近傍の温度に加熱しながら混合・混練させた基材成形材料を成形したものであるから、水を吸わず高強度で大サイズが可能となり、また、コンクリート製のものに比べて、切断しやすく、木口の防水処理が不要となる。しかも、基板が水を吸わないので水を吸うことによる基板の変形が無くて表面化粧材の剥離を防止でき、また、基板を形成するためのバインダーである熱可塑性合成樹脂が硬化する際に表面化粧材を基板と一体化するので、基板と表面化粧材との密着一体化が図れ、この点でも表面化粧材が剥離し難くなる。しかも無機廃材から得た粉粒体を充填材、溶融される熱可塑性合成樹脂をバインダーとして、これらを混合させて軟化させた基材成形材料を、前記型内にセットされた表面化粧材及び目地溝形成材の上にセットしてプレスして基板を作るので、出来上がった基板は強度が強く、しかも耐水性に富み、例えば建材等としての利用価値が高く、また無機材料として無機廃材を用いているので、これらの廃材の再利用の利用分野が広くなり、環境対策上も有効である。
また、目地溝の底部分に目地溝形成材の一部を残して目地底部分に意匠性を付与することができる。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
成形金型10は下金型部を構成する型1と、上金型部を構成する加圧盤11とで構成してある。
型1は底部1aの外周に側壁部1bを立設した上方開口の薄箱状をしている。
この型1内の底部1a上に図1のようにタイル、石材等の無機質の表面化粧材2を複数並べてセットする。この場合、隣りあう表面化粧材2間には隙間3が形成されるように複数の表面化粧材2をセットし、隙間3には目地溝形成材4を充填する。目地溝形成材4としては例えば砂4aが使用される。目地溝形成材4を隙間3に充填するに当っては、表面化粧材2の高さ(厚み)を越えない範囲で充填する。
次に、無機質の粉粒体と熱可塑性合成樹脂とを混練して軟化させた基材成形材料5の混練物を、上記型1内にセットされた表面化粧材2及び目地溝形成材4の上にセットする。ここで、無機質の粉粒体90〜50重量部:熱可塑性合成樹脂10〜50重量部の範囲で混合するのが好ましい。
次に、図2に示すように、上金型部である加圧盤11を下降させて加圧成形することで成形品を成形する。次に、成形品を成形金型10から取り出して、目地溝形成材4を除去することで、基材成形材料5が一体に硬化することで成形される基板7の表面に複数のタイルや石材等の表面化粧材2が並設され且つ表面化粧材2間が目地溝6となった図3に示すような化粧板8が製造される。
ここで、目地溝形成材4として砂4aのような粒体、あるいは粉体、あるいは粉粒体を用いた場合、簡単に除去することができる(型1から取り出すことで自然落下により除去したり、あるいは、ブラシやエアーブローにより簡単に除去することができる)。また、充填した砂4aのうち形成される目地溝6の底部分に位置する砂4aは上記加圧成形により基材成形材料5が一体に硬化する際に、基材成形材料5中の熱可塑性合成樹脂がバインダーとなって形成される目地溝6の底部に埋設一体化されて基板7と一体化する。このため、目地溝6の底部においては基板7が直接露出せず、砂4aにより化粧され、自然な意匠表現を現出することができる。
上記のようにして製造された化粧板8は、基板7の表面に複数のタイルや石材等の表面化粧材2が並設され且つ表面化粧材2間が目地溝6となったもので、例えば、建築用の外壁材や内壁材等の建築材として使用することができ、施工に当ってタイルや石材を現場で貼り付けて施工するものに比べ、現場施工が簡単に行えることになる。また、無機質の粉粒体と熱可塑性合成樹脂と混合させて軟化させた基材成形材料を加圧成形して基板7を成形する際、熱可塑性合成樹脂により表面化粧材2が基板7と密着して一体化するもので、製造される化粧板8の表面の表面化粧材2が剥離し難くなり、これに加え、基板7は無機質の粉粒体と熱可塑性合成樹脂と混合させて軟化させた基材成形材料を加圧成形したものであるから、硬化後は水を吸わず、吸水による基板7の反り、膨張収縮による変形を防止し、基板7の上記変形による表面化粧材2の剥離を防止することができ、一層表面化粧材2の剥離を防止できることになる。
また、基板7が上記のように無機質の粉粒体と熱可塑性合成樹脂とよりなる基材成形材料を加圧成形したものであるから、強度が高い化粧板8を製造することができる。
上記製造に当って、基材成形材料として、無機質の粉粒体、熱可塑性合成樹脂の他に、更に、補強用として木質パルプ、ケナフ、麻、竹からなる植物繊維や無機繊維を混入したものを用いてもよい。この場合は、より一層高強度にでき、製造する化粧板8のサイズが大きなサイズであっても、割れ、反り、撓みを防止することができる。
また、基材成形材料の原料の一つとして用いる無機質の粉粒体として、無機質廃材から得た粉粒体を使用してもよい。
無機質廃材から得た粉粒体としては、例えば、窯業系無機質建材の廃材を粉砕して得たものを使用することができる。窯業系無機質建材の廃材としては例えば繊維補強セメント製の外装壁材の廃材、スレート系屋根材の廃材、粘土系瓦の廃材、ガラス屑、陶器屑等があり、これらの窯業系無機質建材の廃材は製造段階から建築物の解体時に至る間に発生し、集積すると量も大量となる。これらの窯業系無機質建材の廃材を粉砕して原料として再利用すれば、廃材が再利用可能な資源となり、環境保護が有効に達成される。
また、無機質の粉粒体としては、フライアッシュ、ペーパースラッジ灰、焼却灰、その他の溶解スラグなどの焼却灰などであってもよく、これらの材料は産業廃棄物であっても成形素材として大量使用が可能となる。また、これらの材料は粉粒状をなすため、窯業系無機質建材のように粉砕する必要がなく、製造コストを低く抑えることができる。
また、バインダーとして用いる熱可塑性合成樹脂として、プラスチックの廃材を用いることも可能であり、この場合はプラスチックの再利用ができ、この点でも、環境保護が有効に達成できる。
また、目地溝形成材4として上記実施形態では砂4aの例を示したが、目地溝形成材4として、ガラスビーズ、あるいは、ポリスチレン、セルロース系プラスチック、パラフィン等の群からなるいずれか1種のものを用いて粒状に形成したものを用いることもできる。
本発明の加圧成形する前の状態の概略説明図である。 同上の加圧成形している状態の概略説明図である。 本発明により製造された化粧板の断面図である。
符号の説明
1 型
2 表面化粧材
3 隙間
4 目地溝形成材
4a 砂
5 基材成形材料
6 目地溝
8 化粧板

Claims (2)

  1. 型内に表面化粧材を複数並べてセットし、隣りあう表面化粧材間に隙間を形成すると共に、該隙間に、目地溝形成材を表面化粧材の上面よりも下方に引き込んだ位置まで充填し、その後、無機廃材から得た無機質の粉粒体と熱可塑性合成樹脂を該熱可塑性合成樹脂の融点近傍の温度に加熱しながら混合・混練させた基材成形材料を前記型枠内にセットされた表面化粧材の上及び隣りあう表面化粧材の側面と目地溝形成材とで形成される凹み内にセットしてプレスして一体硬化させ、その後、目地溝形成材を除去して表面化粧材間に目地溝を形成した化粧板を製造することを特徴とする化粧板の製造方法。
  2. 目地溝形成材が砂であって、充填した砂の大部分を除去した後に形成される目地溝の溝底に除去されない一部の砂が埋設付着して残存することを特徴とする請求項1記載の化粧板の製造方法
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