JP4950112B2 - エンジンのブローバイガス還元装置 - Google Patents

エンジンのブローバイガス還元装置 Download PDF

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Description

この発明は、エンジンの燃焼室からクランクケースの中へ漏れ出たブローバイガスをエンジンの吸気系へ戻して燃焼室へ還元するエンジンのブローバイガス還元装置に関する。
従来、この種の技術して、下記の特許文献1乃至4に記載される技術が知られている。特に、特許文献1には、電磁駆動式のPCVバルブにより還元通路におけるブローバイガスの流量調整を行うことが記載されている。
一方、特許文献2には、過給機を備えたエンジンにおいて、過給機の上流側の吸気通路にエンジン本体からブローバイガスを流す第1の還元通路と、過給機の下流側の吸気通路にエンジン本体からブローバイガスを流す第2の還元通路とを備え、各還元通路のそれぞれに吸気通路からのガスの逆流を止める逆止弁が設けられることが記載される。また、特許文献3には、過給機を備えたエンジンにおいて、過給機の上流側の吸気通路にエンジン本体からブローバイガスを流す第1の還元通路と、過給機の下流側の吸気通路にエンジン本体からブローバイガスを流す第2の還元通路とを備え、各還元通路のそれぞれに吸気通路からのガスの逆流を止める逆止弁が設けられ、各還元通路の負圧レベルが共通の1個の制御装置により調節可能であることが記載される。更に、特許文献4には、過給機を備えたエンジンにおいて、過給機の上流側の吸気通路にエンジン本体からブローバイガスを流す第1の還元通路と、過給機の下流側の吸気通路にエンジン本体からブローバイガスを流す第2の還元通路とを備え、第2の還元通路にはPCVバルブが設けられ、PCVバルブが開状態となるときに、第2の還元通路を閉鎖する開閉弁が設けられることが記載される。
特開平8−338222号公報 実開昭56−129556号公報 特開2003−184532号公報 実開昭62−150514号公報
ところが、特許文献1に記載の技術を、特許文献2乃至4のように過給機を備えたエンジンに適用した場合、過給機による過給やバックファイアにより吸気通路の圧力が急激に上昇したときに、高圧のガスが還元通路を逆流してPCVバルブに流れるおそれがあった。ここで、PCVバルブは電磁駆動式のバルブであることから、逆流した高圧のガスの作用によってPCVバルブが閉弁することはない。このため、高圧のガスがPCVバルブまで逆流すると、PCVバルブの弁体やクランクケースに破損のおそれがあった。
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、吸気通路の中の圧力が急激に上昇して還元通路に作用しても、PCVバルブ又はクランクケースを過剰な圧力上昇から保護することを可能としたエンジンのブローバイガス還元装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、エンジンの燃焼室からクランクケースの中へ漏れ出たブローバイガスを還元通路を介して吸気通路へ流して燃焼室へ還元すると共に、還元通路に設けられたPCVバルブによりブローバイガス流量を調整するようにしたエンジンのブローバイガス還元装置において、PCVバルブは、電磁力により弁体の位置を可変とすることで流路開口面積を可変とするものであり、PCVバルブの弁体と吸気通路との間の還元通路に、吸気通路からのガスの逆流を抑制するための抑制弁が設けられ、吸気通路における還元通路の開口部より上流側に吸気を昇圧する過給機が設けられ、一端が抑制弁とクランクケースとの間の還元通路に連通し、他端が過給機の上流側の吸気通路に連通する第2の還元通路が設けられ、第2の還元通路に第2のPCVバルブが設けられ、第2のPCVバルブは、圧力により弁体の位置を可変とすることで流路開口面積を可変とするものであることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、燃焼室からのバックファイアにより吸気通路の中の圧力が急激に上昇した場合に、抑制弁が作動して吸気通路からPCVバルブの中へのガスの逆流が抑制される。また、抑制弁が作動することにより、還元通路から吸気通路へのブローバイガスの流れが阻止され、クランクケースの中のブローバイガスの圧力が上昇するおそれがある。このとき、第2のPCVバルブが、圧力により弁体の位置を可変とすることで流路開口面積を可変とすることにより、クランクケースの中のブローバイガスが第2の還元通路を通じて過給機の上流側の吸気通路へ流される。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、クランクケースの中に新気を導入する新気通路が設けられ、新気通路の入口が吸気通路において過給機の下流側に連通することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、過給機の下流側における吸気通路を流れる吸気が新気として入口から新気通路に流れてクランクケースに導入される。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、第2のPCVバルブは、第2のPCVバルブの上流側と下流側の圧力の差が大きいほど流路開口面積が大きくなることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、クランクケースの中のブローバイガスの圧力が上昇するほど、第2のPCVバルブの上流側と下流側の圧力の差が大きくなり、第2のPCVバルブの流路開口面積が大きくなり、より多くのブローバイガスが第2の還元通路を通じて過給機の上流側の吸気通路へ流される。
請求項1に記載の発明によれば、吸気通路の中の圧力が急激に上昇して還元通路に作用しても、PCVバルブ及びクランクケースを過剰な圧力上昇から保護することができる。また、過給圧により抑制弁が吸気通路からのガスの逆流を抑制する状態となり、ブローバイガスが還元通路へ流れなくなっても、ブローバイガスが第2の還元通路を通じて吸気通路へ流されるので、クランクケースやPCVバルブを過剰な圧力上昇から保護することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、クランクケースの中を新気により有効に掃気することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、クランクケースの中の圧力の程度に応じてブローバイガスを吸気通路へ流すことができる。
[第1実施形態]
以下、本発明におけるエンジンのブローバイガス還元装置を具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図1に、この実施形態のブローバイガス還元装置を含むガソリンエンジンシステムを概略構成図により示す。このエンジンシステムを構成するエンジン1は、燃焼室2の中に燃料を直接噴射する直接噴射式の多気筒火花点火式エンジンである。このエンジン1を構成するエンジンブロック3には、複数のシリンダボア4が形成され、各シリンダボア4にはそれぞれピストン5が上下動可能に設けられる。エンジンブロック3の下部にはクランクケース3aが設けられ、クランクケース3aにはオイルパン6が組み付けられる。これらクランクケース3aとオイルパン6によりクランク室7が形成される。クランク室7の中には、クランクシャフト8が回転可能に支持され、各ピストン5がコネクティングロッド9を介してクランクシャフト8にそれぞれ連結される。
各シリンダボア4にてピストン5の上側に形成される燃焼室2は、上部中央が高くなる傾斜したペントルーフ形状をなす。各燃焼室2に対応して、エンジンブロック3の上部には、吸気ポート10及び排気ポート11がそれぞれ形成される。吸気ポート10には吸気バルブ12が、排気ポート11には排気バルブ13がそれぞれ設けられる。各吸気バルブ12及び各排気バルブ13は、周知の動弁機構14により、クランクシャフト8の回転に連動して開閉するようになっている。これら吸気バルブ12及び排気バルブ13が開閉することで、吸気ポート10から燃焼室2に外気が導入され、燃焼室2から排気ポート11へ燃焼後の排気ガスが排出される。エンジンブロック3の上部には、動弁機構14等を覆うエンジンカバー15が設けられる。
吸気ポート10には、インテークマニホールド及び吸気パイプ等より構成されるを吸気通路21が接続される。この吸気通路21の入口には、エアクリーナ22が設けられる。吸気通路21の途中には、スロットルバルブ23が設けられる。スロットルバルブ23は、運転席に設けられたアクセルペダル(図示略)の操作に連動して開閉されるようになっている。エアクリーナ22にて浄化された空気は、吸気通路21及び吸気ポート10を通じて燃焼室2に吸入される。この吸入空気量は、スロットルバルブ23の開度に応じて調節される。エンジンブロック3には、各燃焼室2に燃料を直接噴射するためのインジェクタ24が取り付けられる。インジェクタ24から燃焼室2に噴射される燃料は、吸気ポート10から燃焼室2に吸入された空気と混合気を形成する。エンジンブロック3の上部には、各燃焼室2にて混合気に点火する点火プラグ25が設けられる。
排気ポート11には、排気マニホールド及び排気パイプ等より構成される排気通路26が接続される。各燃焼室2で生じた燃焼後の排気ガスは、排気ポート11及び排気通路26を通じて外部へ排出される。
この実施形態で、吸気通路21と排気通路26には、吸気通路21における吸気を昇圧するための過給機27が設けられる。過給機27は、吸気通路21に配置されたコンプレッサ28と、排気通路26に配置されたタービン29と、コンプレッサ28及びタービン29を両端に設けて両者28,29を一体に回転させる回転軸30とを含む。この過給機27は、排気通路26を流れる排気ガスによりタービン29が回転し、コンプレッサ28が回転軸30を介して一体に回転することにより、吸気通路21における吸気が昇圧される、過給が行われるようになっている。
上記したエンジン1には、各燃焼室2からクランクケース3aの中(クランク室7)へ漏れ出たブローバイガスを吸気通路21へ流して各燃焼室2へ還元するためのブローバイガス還元装置が設けられる。すなわち、クランクケース3aには、そのクランク室7に連通するオイルセパレータ31が設けられる。このオイルセパレータ31は、クランク室7にてブローバイガスに混入した潤滑油等の油分をブローバイガスから分離して捕捉する機能を有する。オイルセパレータ31と、スロットルバルブ23より下流の吸気通路21との間には、クランク室7から吸気通路21へブローバイガスを流すために、還元パイプ等より構成される還元通路32が設けられる。還元通路32の途中には、ブローバイガス流量を調整するためのPCVバルブ33が設けられる。PCVバルブ33の詳しい構成については後述する。吸気通路21とエンジンカバー15との間には、クランク室7におけるブローバイガスを掃気するためにクランク室7に吸気を新気として導入するための新気通路34が設けられる。新気通路34の入口34aは、吸気通路21においてスロットルバルブ23より上流側であり、過給機27のコンプレッサ28より下流側の位置に連通するように設けられる。エンジンブロック3には、クランク室7をエンジンカバー15の中に連通させる通気孔35が形成される。この通気孔35を通じて、エンジンカバー15の中に導入された新気がクランク室7へと導かれるようになっている。この通気孔35も新気通路34の一部を構成する。また、新気通路34の途中には、圧力制御弁36が設けられる。この圧力制御弁36は、過給機27による高い過給圧が新気通路34にかかったときに新気通路34を閉鎖するように構成される。
吸気通路21における還元通路32の開口部32aは、スロットルバルブ23の下流側に配置される。この配置により、スロットルバルブ23の下流側で発生する吸気負圧が開口部32aを通じて還元通路32に作用するようになっている。過給機27のコンプレッサ28は、吸気通路21において還元通路32の開口部32a及びスロットルバルブ23より上流側に配置される。
ここで、PCVバルブ33の構成を詳しく説明する。図2に、PCVバルブ33を断面図により示す。図2に示すように、PCVバルブ33は、電磁力により弁体41の位置を可変とすることで弁体41による流路開口面積を可変とするものであり、中空形状をなす樹脂製のハウジング42を備える。このハウジング42は、互いに組み付けられたメインハウジング43とサブハウジング44から構成される。
メインハウジング43は、その上部に形成されたコネクタ部43aと、内部に一体的に設けられたステップモータ45とを含み、ステップモータ45の出力軸46に弁体41が設けられる。ステップモータ45は、電磁力を発生させるステータ47と、ステータ47の中心にて出力軸46と一体に設けられたロータ48とを含む。出力軸46と弁体41はネジ山とネジ溝の関係で連結される。ステータ47から延びる外部端子49の先端部は、コネクタ部43aの中に配置される。
サブハウジング44には、弁体41を収容する弁室50と、弁室50に連通する2つのポート51,52が形成される。弁室50には、弁体41が回り止めした状態で軸線方向に沿ってスライド可能に設けられる。一方の入口ポート51は、オイルセパレータ31に連通し、クランク室7からブローバイガスを受け入れるようになっている。他方の出口ポート52は、還元通路32に連通し、ブローバイガスを導出するようになっている。従って、ブローバイガスの通路となる入口ポート51、弁室50及び出口ポート52を含むサブハウジング44は、本発明の還元通路の一部を構成する。サブハウジング44には、入口ポート51と出口ポート52に対応して管継手53,54が形成される。出口ポート52は、弁体41の中心軸線と同軸上に形成され、その一端開口部52aから弁体41の先端部41aが進入可能となっている。弁体41の先端部41aは先細りのテーパ形状をなすことから、先端部41aが出口ポート52の中へ入るほど、出口ポート52の開口部52aと弁体41の先端部41aとの間の流路開口面積(開度)が小さくなる。従って、ステップモータ45の出力軸46が正転し、弁体41が出口ポート52に近付くほど、出口ポート52と弁体41との間の開度が小さくなる。ステップモータ45の出力軸46が逆転し、弁体41が出口ポート52から退くほど、出口ポート52と弁体41との間の開度が大きくなる。
サブハウジング44には、出口ポート52の途中、すなわち、PCVバルブ33の弁体41と吸気通路21との間の還元通路に、吸気通路21からのガスの逆流を抑制するための本発明の抑制弁に相当するボール式の逆止弁55が設けられる。この逆止弁55は、ボール56とスプリング57を含み、それらが出口ポート52の途中に形成された弁室58に収容されて構成される。弁室58の内壁には、ボール56に対応する弁座59が形成される。吸気通路21から出口ポート52へ高圧のガスが作用することにより、ボール56がスプリング57に抗して弁座59に着座することで、逆止弁55が閉じて吸気通路21からの高圧のガスの逆流が抑制される。弁室58の出口側には仕切板60が設けられる。この仕切板60は、図2には示されないが、板厚方向に貫通する複数の孔を有し、それら孔を通じてガスの流れが許容されるようになっている。また、弁室58の内壁には、その長手方向に沿って複数の溝58aが形成され、それらの溝58aを通じてガスの流れが許容されるようになっている。
以上説明したこの実施形態のブローバイガス還元装置によれば、燃焼室2からのバックファイアにより吸気通路21の中の圧力が急激に上昇した場合に、PCVバルブ33の出口ポート52に設けられた逆止弁55が作動して、吸気通路21からPCVバルブ33の中への高圧ガスの逆流が抑制される。過給機27が作動時して過給圧により吸気圧が急激に昇圧した場合にも逆止弁55が作動して、吸気通路21からPCVバルブ33の中への高圧ガスの逆流が抑制される。このため、PCVバルブ33とその上流に位置するクランクケース3a及びオイルパン6を過剰な圧力上昇から保護することができる。特に、この実施形態では、PCVバルブ33を構成する弁体41やステップモータ45にバックファイア圧がかからないので、これらの部品41,45をバックファイア圧に耐えられるよう強固な構成にする必要がなく、PCVバルブ33の軽量化及び低コスト化を図ることができる。また、クランク室7に過給圧がかからないので、クランク室7から新気通路34を通じてオイル分が持ち去られることがなくなり、オイル消費を抑えることができる。
この実施形態では、新気通路34が、その入口34aを過給機27の下流側の吸気通路21に連通させている。従って、過給機27の下流側の吸気通路21を流れる吸気が新気として入口34aから新気通路34に流れてクランク室7に導入される。このため、クランク室7を新気により有効に掃気することができる。また、過給機27による高い過給圧が新気通路34にかかったときには、圧力制御弁36により新気通路34が閉鎖されるので、クランク室7に新気通路32を通じて過剰な過給圧がかかることがない。この意味でも、クランクケース3aやオイルパン6を過剰な圧力上昇から保護することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明におけるエンジンのブローバイガス還元装置を具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に説明する各実施形態において前記第1実施形態と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、以下には異なった点を中心に説明する。
図3に、この実施形態のPCVバルブ61を断面図により示す。この実施形態のブローバイガス還元装置は、PCVバルブ61の構成の点で第1実施形態と異なる。すなわち、このPCVバルブ61は、サブハウジング44の形状と、逆止弁55の配置の点で第1実施形態と異なる。サブハウジング44は、第1実施形態のサブハウジング44よりも軸線方向に短く形成される。この実施形態では、入口ポート51に逆止弁55が設けられる。この逆止弁55の構成は、第1実施形態のそれと同じである。吸気通路21から還元通路34を通じてPCVバルブ61の出口ポート52及び弁室50に高圧のガスが作用することにより、ボール56がスプリング57に抗して弁座59に着座することで、逆止弁55が閉じて吸気通路21からの高圧のガスの逆流が抑制される。
従って、この実施形態でも、バックファイアにより吸気通路21の中の圧力が急激に上昇した場合や、過給機27の過給圧により吸気圧が急激に上昇した場合に、PCVバルブ61の入口ポート51に設けられた逆止弁55が作動して吸気通路21からクランク室7への高圧ガスの逆流が抑制される。このため、クランクケース3aやオイルパン6を過剰な圧力上昇から保護することができる。また、第1実施形態とは異なり、この実施形態では、PCVバルブ61の弁室50の中に高圧ガスが流入するが、弁体41やステップモータ45等の部品を強固な構成にすることで、それらの部品の高圧ガスに対する耐久性を確保することができる。この実施形態でも、クランク室7に過給圧がかからないので、クランク室7から新気通路34を通じてオイル分が持ち去られることがなくなり、オイル消費を抑えることができる。この実施形態におけるその他の作用効果は、第1実施形態のそれと同じである。
[第3実施形態]
次に、本発明におけるエンジンのブローバイガス還元装置を具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図4に、この実施形態のブローバイガス還元装置を含むガソリンエンジンシステムを概略構成図により示す。図5に、この実施形態の第1のPCVバルブ62を断面図により示す。この実施形態では、ブローバイガス還元装置の通路構成と、第1のPCVバルブ62の構成等の点で前記各実施形態と異なる。すなわち、図4に示すように、ブローバイガス還元装置は、第2の還元通路63と第2のPCVバルブ64を更に備える。第2のPCVバルブ64は、第1のPCVバルブ62と一体に設けられる。第2の還元通路63は、一端が第2のPCVバルブ64に接続され、他端が過給機27の上流側の吸気通路21に連通するように設けられる。図5に示すように、第1のPCVバルブ62は、サブハウジング44の構成が第1実施形態と異なる。サブハウジング44は、互いに組み付けられた複数のブロックから構成される。サブハウジング44には、出口ポート52の途中に逆止弁55が設けられる。また、サブハウジング44には、弁室50に連通するネジ部65が形成される。このネジ部65に第2のPCVバルブ64が組み付けられる。
第2のPCVバルブ64は、2つのハウジング部材71,72を組み付けてなる中空状のハウジング73を備える。第1ハウジング部材71は、外周に装着されたシールリング74を介して第1のPCVバルブ62のネジ部65に締め込まれて、固定される。第2ハウジング部材72は、その基端部外周が、第1ハウジング部材71の先端開口部に超音波溶着により固定される。第2ハウジング部材72の先端部は管継手75となっている。この管継手75に、第2の還元通路63を構成するパイプの一端部が接続される。第1ハウジング部材71の中空部は、弁体76を収容した弁室77となっている。弁室77の一端にて、第1ハウジング部材71には、第1のPCVバルブ62の弁室50に連通する入口78が形成される。第1ハウジング部材71の弁室77は、第2ハウジング部材72の中空部79に連通する。両ハウジング部材71,72の間には、円環状をなす弁座80が設けられる。弁室77に配置された弁体76は、この弁座80を貫通可能に設けられる。弁体76は、その基端部76a(図面下側)が円柱形をなし、その先端部76b(図面上側)が2段のテーパ形状をなす。先端部76bは、先端へ向けて徐々に拡径した形状をなす。従って、弁体76が弁座80へ向けて移動することにより、弁座80と弁体76との間の流路開口面積(開度)が徐々に大きくなるように変化する。弁体76は、その基端部76aの端にフランジ76cが設けられる。弁座80とフランジ76cとの間には、圧縮スプリング81が設けられる。このスプリング81は、弁体76を入口78へ向けて、すなわち流路開口面積を小さくする方向(閉弁方向)へ付勢する。弁体76の先端部76bは、弁座80を貫通して第2ハウジング部材72の中空部79に侵入可能に設けられる。第2ハウジング部材72の中空部79には、弁体76の移動を規制する別の圧縮スプリング82が設けられる。上記した第2のPCVバルブ64の弁室77と中空部79は、第2の還元通路63の一部を構成する。
従って、逆止弁55が閉じているとき、第1のPCVバルブ62の入口ポート51から弁室50に入ったブローバイガスは、第2のPCVバルブ64の入口78からその弁室77に浸入し、そのガスの圧力が弁体76の基端部76aに作用する。また、弁体76の先端部76bには、吸気通路21から第2の還元通路63を通じて大気圧が作用する。これら弁体76の基端部76aと先端部76bに作用する圧力、並びにスプリング81の付勢力との差(圧力差)に基づき、弁体76がその軸線方向へ移動し、弁座80と弁体76との間の流路開口面積(開度)が変えられる。これにより、弁室77から中空部79へ抜ける、すなわち第2のPCVバルブ64で計量されるブローバイガス流量が調整される。このように、第2のPCVバルブ64は、その弁体76がブローバイガスの圧力の作用により位置を変えることで、弁座80との間の流路開口面積(開度)を変更するようになっている。
従って、この実施形態のブローバイガス還元装置によれば、第1のPCVバルブ62の逆止弁55が作動して出口ポート52が閉鎖されたときには、クランク室7のブローバイガスの圧力が、第1のPCVバルブ62の入口ポート51から弁室50に浸入するが、そのガスは第2のPCVバルブ64の入口78から弁室77へと浸入する。このとき、第2のPCVバルブ64の上流側と下流側の圧力の差に基づき、その弁体76が移動して流路開口面積(開度)が増大し、クランク室7の中のブローバイガスが第2の還元通路63を通じて過給機27の上流側の吸気通路21へと流れる。このため、過給圧により逆止弁55が閉鎖してブローバイガスが還元通路34を流れなくなっても、そのブローバイガスが第2の還元通路63を通じて吸気通路21へ流されるので、クランクケース3a、オイルパン6及び第1のPCVバルブ62をブローバイガスの過剰な圧力上昇から保護することができる。
加えて、この実施形態では、第2のPCVバルブ64につき、その上流側と下流側の圧力の差が大きいほど流路開口面積(開度)が大きくなるように構成される。従って、クランク室7の中のブローバイガスの圧力が上昇するほど、第2のPCVバルブ64の上流側と下流側の圧力の差が大きくなり、第2のPCVバルブ64の流路開口面積(開度)が増大し、より多くのブローバイガスが第2の還元通路63を通じて吸気通路21へ流される。このため、クランク室7の中の圧力上昇の程度に応じてブローバイガスを有効に吸気通路21へ流すことができる。
[第4実施形態]
次に、本発明におけるエンジンのブローバイガス還元装置を具体化した第4実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図6に、この実施形態の複合PCVバルブ86を断面図により示す。この実施形態では、第1及び第2のPCVバルブの構成の点で、前記第3実施形態と異なる。すなわち、図6に示すように、複合PCVバルブ86は、バルブブロック87に第1のPCVバルブ88と第2のPCVバルブ64を一体に設けたものである。第2のPCVバルブ64は、前記第3実施形態のそれと同じものである。第1のPCVバルブ88は、第1〜第3の実施形態のように電磁力により、すなわちステップモータ45により弁体41の位置を可変とするものではなく、圧力により弁体89の位置を可変とするものである。バルブブロック87は、内部に形成された中空部90と、その中空部90に連通する入口ポート91と、その中空部90に連通する第1組付孔92及び第2組付孔93とを備える。第1組付孔92には、第1のPCVバルブ88が組み付けられ、第2組付孔93には、第2のPCVバルブ64が組み付けられる。第1のPCVバルブ88の構成は、第2のPCVバルブ64の構成と類似するが、弁体89の形状のみ異なる。第1のPCVバルブ88の弁体89は、先端部89aが、先端へ向けて徐々に縮径したテーパ形状をなす。弁体89の基端部のフランジ89bと弁座80との間に圧縮スプリング81が設けられる。従って、弁体89が弁座80へ向けて移動することにより、弁座80と弁体89との間の流路開口面積(開度)が徐々に小さくなるように変化する。第1のPCVバルブ88の管継手75には、還元通路34を構成するパイプが接続される。第2のPCVバルブ64の管継手75には、第2の還元通路63を構成するパイプが接続される。入口ポート91に対応して形成された管継手94には、オイルセパレータ31が接続される。
従って、エンジン1が運転状態に入り、過給機27が作動していない状態では、第1のPCVバルブ88は次のように作動する。すなわち、第1のPCVバルブ88の弁室77には、吸気通路21から還元通路32を通じて吸気負圧が作用する。また、エンジン1のクランク室7に充満したブローバイガスは、バルブブロック87の入口ポート91及び中空部90から第1のPCVバルブ88の入口78を通じて弁室77に浸入し、そのガスの圧力が弁体89に作用する。このとき、吸気負圧がスプリング81の付勢力に抗して弁体89に作用し、ガスの圧力が弁体89に作用することで、弁体89が弁座80へ向けて移動し、弁座80と弁体89との間の流路開口面積(開度)の大きさが変わる。これにより、弁室77から中空部79へ抜ける、すなわち第1のPCVバルブ88により計量されるブローバイガス流量が調整される。
一方、過給機27が作動する状態では、第1のPCVバルブ88の弁室77に過給圧が作用することから、弁体89が押されて入口78がフランジ89bにより閉鎖される。これにより、第1のPCVバルブ88から中空部90への高圧ガスの逆流が遮断される。つまり、このとき第1のPCVバルブ88は、前記各実施形態の逆止弁55と同様の機能を発揮する。このとき、第2のPCVバルブ64は、第3実施形態の場合と同様に機能することとなり、クランク室7からバルブブロック87の中空部90に浸入したブローバイガスは、第2のPCVバルブ64及び第2還元通路63を通じて過給機27の上流側の吸気通路21へ流される。
従って、この実施形態のブローバイガス還元装置によれば、基本的には第3実施形態と同等の作用効果を得ることができる。加えて、この実施形態では、第1のPCVバルブ88を、圧力により弁体89の位置を可変とする簡易な構成としたので、その分だけ装置の構成を簡略化することができる。
[第5実施形態]
次に、本発明におけるエンジンのブローバイガス還元装置を具体化した第5実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図7,8に、この実施形態の逆止弁96の概略を断面図により示す。この実施形態では、ボール式の逆止弁に代わってプレート式の逆止弁96を設けた点で、第1〜第3の実施形態と構成が異なる。図7,8に示すように、この実施形態の逆止弁96は、通路97に固定されて設けられるプレート状のベース98と、そのベース98に対し、軸線方向へ移動可能に支持されたプレート状の弁体99と、ベース98より下流側にて通路97に固定され、弁体99の移動を規制するストッパ100とを備える。ベース98は、中心に形成されたボス98aと、ボス98aの周囲に複数形成された通気孔98bと、ベース98の下流側面にて通気孔98bの周囲に突設された円環状のリブ98cとを備える。弁体99は、プレート状の本体99aと、本体99aから延びる支軸99bとを含む。弁体99は支軸99bを介し、ボス98aに対してスライド可能に支持される。ストッパ100は、例えば、平面視で十字枠形に形成され、枠間の隙間にてガスの通過が許容される。
上記したこの実施形態の逆止弁96によれば、図7に示すように、通路97を順方向にブローバイガスが流れる場合は、ベース98の通気孔98bを通るブローバイガスの圧力により弁体99が押され、押された弁体99はストッパ100に当たって止められる。このとき、通気孔98bを通るブローバイガスは、リブ98cと弁体99との間、並びに弁体99とストッパ100との間を通って下流側へ流れる。一方、図8に示すように、通路97を高圧ガスが逆流しようとする場合は、弁体96が高圧ガスに押されてリブ98cに当接する。この状態では、リブ98cと弁体99との間がシールされ、高圧ガスの通過が止められる。これにより、通路97における高圧ガスの逆流を防止することができる。
[第6実施形態]
次に、本発明におけるエンジンのブローバイガス還元装置を具体化した第6実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図9〜11に、この実施形態のPCVバルブ100を断面図により示す。この実施形態では、PCVバルブ100の弁体102と逆止弁104のボール112との位置関係の点で第1実施形態のPCVバルブ33と構成が異なる。
この実施形態でも、PCVバルブ100は電磁力により弁体102の位置を可変とすることで弁体102による流路開口面積を可変とするものである。すなわち、PCVバルブ100は、図9に示すように、概略的には、弁座101と、弁体102と、弁体102を電磁力により移動させるためのステップモータ103と、吸気通路21からのガスの逆流を抑制するための本発明の抑制弁に相当するボール式の逆止弁104と、弁座101、弁体102、ステップモータ103及び逆止弁104を収納するハウジング105とを備える。このPCVバルブ100は、ステップモータ103を通電により動作させて弁座101に対する弁体102の位置を可変とすることにより、弁座101と弁体102との間におけるブローバイガス通路の大きさ、すなわちブローバイガスの流路開口面積を可変とし、PCVバルブ100で計量されるブローバイガス流量を調整するようになっている。
この実施形態で、ハウジング105は中空形状をなし、3分割された第1ハウジング106、第2ハウジング107及び第3ハウジング108から構成される。第1〜第3のハウジング106〜108は、それぞれ樹脂より成形される。第1ハウジング106は、その内部に形成された中空部106aと、その下部に形成された入口側管継手106bとを含む。入口側管継手106bは、中空部106aに通じる入口ポート106cを含み、その外周にシールリング109が装着される。中空部106aの大部分により弁室110が構成され、その弁室110の中に弁体102が配置される。弁室110の出口側には、出口ポート106dが形成され、その出口ポート106dに対応して弁座101が配置される。
第2ハウジング107には、ステップモータ103が一体にインサート成形され、その上部にはコネクタ部107aが形成される。ステップモータ103は、金属製のモータケース111に覆われて構成される。第3ハウジング108は、その基端外周部108aが第1ハウジング106の先端開口106eに圧入され、超音波溶着されることで、第1ハウジング106に組み付けられる。第3ハウジング108は、先端部に出口側管継手108bを含み、内部には中空部108cを含む。第1ハウジング106の入口側間継手106bはオイルセパレータ31に接続され、入口ポート106cにクランク室7からのブローバイガスを受け入れるようになっている。第3ハウジング108の出口側管継手108bには、エンジンの吸気通路21に通じる還元通路32の一端部が接続される。この実施形態で、第1ハウジング106の入口ポート106c、弁室110及び出口ポート106dと、第3ハウジング108の中空部8cにより、ブローバイガスが流れるブローバイガス通路が構成される。
この実施形態では、第1ハウジング106において、出口ポート106dと先端開口106eとの間に逆止弁04が設けられる。この逆止弁104は、ボール112と、ボール112の押さえ板113と、ボール112を開弁方向へ付勢するスプリング114とを含む。ボール112と押さえ板113は、出口ポート106dに隣接して形成された弁室106fに収容され、スプリング114は、出口ポート106dに収容される。ボール112は、弁室106fの中で出口ポート106dを開閉するようになっている。押さえ板113には、ガスの通過が許容する多数のスリットが形成される。この逆止弁104は、吸気通路21から高圧ガスが還元通路32を通じて第3ハウジング108の中空部108cへ逆流してきたときに、そのガスの逆流を阻止するために閉じるようになっている。この逆止弁104が閉じることで、高圧ガスがPCVバルブ100からエンジンのクランク室7へ逆流することを防止することができる。
ステップモータ103は、モータケース111の他に、電磁力を発生させるステータ115と、ステータ115の中心にて出力軸116と一体に設けられたロータ117とを含む。出力軸116の先端部には、弁体102が設けられる。出力軸116と弁体102は、弁体102に形成されたネジ穴102aに対し、出力軸116の外周に形成されたネジ116aが螺合することで連結される。従って、出力軸116が回転することにより、ネジ116aとネジ穴102aとの関係により、弁体102がその軸線方向へ移動する。弁体102の移動方向は、出力軸116の回転方向(正転・逆転)の違いにより決定される。ステータ115から延びる外部端子118の先端部は、コネクタ部107aの中に配置される。
弁体102は、先端部が円錐台形状をなしている。弁座101は、円環状をなし、中央に弁孔101aを有する。弁体102の先端部は、弁座101の弁孔101aを貫通可能に設けられる。この実施形態では、ステップモータ103の出力軸116及び弁体102がアルミ等の金属より構成される。従って、ステップモータ103と弁体102は、樹脂製のハウジング105よりも熱伝導性の良い金属製の出力軸116により熱的に連結される。これにより、ステップモータ103に生じた熱が、出力軸116を介して弁体102に伝わるようになっている。
この実施形態では、弁室110の中にて弁体102を内包するようにカバー部材119が設けられる。カバー部材119は、略円筒形をなし、先端に形成された孔119aと、基端に形成されたフランジ119bとを有する。孔119aには、弁体102が貫通可能に設けられる。カバー部材119は、ハウジング105よりも熱伝導性の良い部材としてのアルミ等の金属により形成される。カバー部材119は、そのフランジ119bがステップモータ103のモータケース111の端面に接して設けられる。カバー部材119のフランジ119bはモータケース111の端面にかしめられて固定される。これにより、カバー部材119とモータケース111が一体的に設けられる。弁体102の基端にはフランジ102bが形成される。カバー部材119の中には、その先端内壁と弁体102のフランジ102bとの間に圧縮スプリング120が介装される。弁体102は、このスプリング120により弁座101から離間する方向へ付勢される。この実施形態で、カバー部材119は、ハウジング105よりも熱伝導性の良い材料により構成され、そのカバー部材119がブローバイガス通路を構成する弁室110に露出して設けられる。また、カバー部材119のフランジ119bがモータケース111に接することで、両者119,111が熱的に連結される。
この実施形態では、弁体102、ステップモータ103、第2ハウジング107、カバー部材119及びスプリング120を含むアッセンブリが、カバー部材119を第1ハウジング106の中空部106aに圧入し、第1ハウジング106と第2ハウジング107との接合面を超音波溶着することで、第1ハウジング106に組み付けられる。
ここで、PCVバルブ100の弁体102と逆止弁104のボール112との位置関係について説明する。図9は、逆止弁104のボール112が出口ポート106dから離れて開弁した状態を示すと共に、PCVバルブ100の弁体102が弁座101から離れて開弁した状態を示す。この状態では、逆止弁104のボール112と、PCVバルブ112の弁体102は、互いに離れた状態となっている。このようにボール112が出口ポート106dから離れた状態は、ボール112がスプリング114により押されて開弁した正常な初期状態を示す。この初期状態から、第3ハウジング108の中空部108cに高圧ガスが逆流することにより、ボール112がスプリング114に抗して高圧ガスにより押されて出口ポート106dを塞ぎ、逆止弁104が閉弁状態となる。このように閉弁状態となることで、PCVバルブ100からクランク室7への高圧ガスの逆流を防止することができる。一方、図9に示す状態から、図10に示すように、PCVバルブ100の弁体102が移動して弁座101に接する閉弁状態となっても、弁体102がボール112に衝突することはなく、弁体102は正常に機能するようになっている。ここで、この実施形態では、ボール112と弁体102は、図11に実線で示すように、逆止弁104が閉じた状態、すなわちボール112が出口ポート106dに接した状態のときには、弁体102が弁座101に接して閉弁すると互いに衝突するような位置に設けられる。このように閉弁状態のボール112に弁体102を衝突可能に構成したのは、ボール112が閉弁状態で出口ポート106dの周縁に固着したり食い付いたりして正常に作動しなくなることを防止するためである。
従って、この実施形態のブローバイガス還元装置によれば、基本的には第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。加えて、この実施形態のPCVバルブ100によれば、図11に実線で示すように、逆止弁104のボール112が、閉弁状態で万が一出口ポート106dの周縁に固着したり食い付いたりしたとしても、PCVバルブ100の弁体102が閉弁することでボール112と弁体102が衝突することとなり、図11に2点鎖線で示すように、ボール112の固着状態が強制解除されることとなる。この結果、逆止弁104の固着等による作動不良を防止することができる。このため、逆止弁104の作動不良によりPCVバルブ100が閉塞してブローバイガスが還元通路32へ流れなくなることを防止することができる。これにより、クランク室7のブローバイガスが通気孔35及び新気通路34を通じて吸気通路21へ逆流したり、吸気通路21にデポジットが堆積したり、エンジンオイルが劣化したりすることを防止することができる。
ここで、PCVバルブ100が通常使用される条件下では、その弁体102が逆止弁104のボール112に衝突することはない。そこで、この実施形態では、万が一、逆止弁104の固着等による作動不良が起きている場合にそれを強制解除するために、エンジン1の始動時毎にPCVバルブ100の弁体102を一旦閉弁させるようになっている。
なお、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜に変更して次のように実施することもできる。
(1)前記第1〜第3の実施形態では、逆止弁55をPCVバルブ33,61,62,と一体に設けたが、逆止弁をPCVバルブとは別に設けてもよい。例えば、逆止弁を還元通路を構成するパイプの途中に設けてもよい。
(2)前記第1及び第2の実施形態では、過給機27を備えたエンジン1について本発明のブローバイガス還元装置を具体化したが、過給機を備えないエンジンについて本発明のブローバイガス還元装置を具体化することもできる。
第1実施形態に係り、ブローバイガス還元装置を含むガソリンエンジンシステムを示す概略構成図。 第1実施形態に係り、PCVバルブを示す断面図。 第2実施形態に係り、PCVバルブを示す断面図。 第3実施形態に係り、ブローバイガス還元装置を含むガソリンエンジンシステムを示す概略構成図。 第3実施形態に係り、PCVバルブを示す断面図。 第4実施形態に係り、複合PCVバルブを示す断面図。 第5実施形態に係り、逆止弁を示す断面図。 第5実施形態に係り、逆止弁を示す断面図。 第6実施形態に係り、PCVバルブを示す断面図。 第6実施形態に係り、PCVバルブを示す断面図。 第6実施形態に係り、PCVバルブを示す断面図。
1 エンジン
2 燃焼室
3a クランクケース
7 クランク室
21 吸気通路
27 過給機
28 コンプレッサ
29 タービン
32 還元通路
32a 開口部
33 PCVバルブ
34 新気通路
34a 入口
35 通気孔
41 弁体
55 逆止弁
61 PCVバルブ
62 第1のPCVバルブ
63 第2の還元通路
64 第2のPCVバルブ
76 弁体
88 第1のPCVバルブ
89 弁体
96 逆止弁
100 PCVバルブ
102 弁体
104 逆止弁
112 ボール

Claims (3)

  1. エンジンの燃焼室からクランクケースの中へ漏れ出たブローバイガスを還元通路を介して吸気通路へ流して前記燃焼室へ還元すると共に、前記還元通路に設けられたPCVバルブによりブローバイガス流量を調整するようにしたエンジンのブローバイガス還元装置において、
    前記PCVバルブは、電磁力により弁体の位置を可変とすることで流路開口面積を可変とするものであり、前記PCVバルブの前記弁体と前記吸気通路との間の前記還元通路に、前記吸気通路からのガスの逆流を抑制するための抑制弁が設けられ、前記吸気通路における前記還元通路の開口部より上流側に吸気を昇圧する過給機が設けられ、一端が前記抑制弁と前記クランクケースとの間の前記還元通路に連通し、他端が前記過給機の上流側の前記吸気通路に連通する第2の還元通路が設けられ、前記第2の還元通路に第2のPCVバルブが設けられ、前記第2のPCVバルブは、圧力により弁体の位置を可変とすることで流路開口面積を可変とするものであることを特徴とするエンジンのブローバイガス還元装置。
  2. 前記クランクケースの中に新気を導入する新気通路が設けられ、前記新気通路の入口が前記吸気通路において前記過給機の下流側に連通することを特徴とする請求項1に記載のエンジンのブローバイガス還元装置。
  3. 前記第2のPCVバルブは、前記第2のPCVバルブの上流側と下流側の圧力の差が大きいほど前記流路開口面積が大きくなることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンのブローバイガス還元装置。
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