JP6157147B2 - ブローバイガス還流装置 - Google Patents

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Description

本発明は、過給機が付帯した内燃機関のブローバイガス還流装置に関する。
一般に、内燃機関のクランク室は、気筒及びピストンにより燃焼室から隔絶されている。しかし、この隔絶は完全なものではなく、内燃機関の圧縮行程では未燃焼ガスが、また膨張行程では燃焼ガスが、気筒とピストンとの隙間からクランク室内に漏洩する。漏洩したブローバイガスは、クランク室内に蓄えている潤滑油の劣化や、内燃機関本体の腐食をもたらす。
そのために、従前より、クランク室に溜まるブローバイガスを換気する装置を実装することが通例となっている。一般的なブローバイガス還流装置(例えば、下記特許文献1を参照)は、クランク室とサージタンクとをPCV通路を介して連通するとともに、カム室とコンプレッサの上流とをブローバイ通路を介して連通し、ブローバイ通路経由で新気をカム室及びクランク室に取り入れ、PCV通路経由でブローバイガスをサージタンクに向けて送り出すようにしている。吸気通路に向けて送り出されたブローバイガスは、吸気とともに気筒に充填されて、最終的に燃焼室内で再燃焼される。
また、このブローバイガス還流装置は、PCV通路を開閉するPCVバルブを備えている。PCVバルブは、吸気通路内圧力が大気圧よりも小さい(吸気圧が負圧)の場合には開いているが、吸気通路内圧力が大気圧と同等かそれ以上(吸気圧が正圧)の場合には閉じており、吸気通路からクランク室に向けたブローバイガス及び吸気の逆流を阻止する。
すなわち、上掲のブローバイガス還流装置では、吸気通路内圧力の負圧によりクランク室内のブローバイガスを吸い出して、吸気通路へと還流させる。ところが、排気ターボ過給機が付随している内燃機関は、吸気通路内の圧力が過給により正圧となることが多く、その分だけPCVバルブが開弁する時間が短くなる。そのため、ブローバイガスを換気する機会が少ないという問題がある。
実公昭60−040812号公報
本発明は、吸気通路内圧力や吸入空気量の大小にかかわらず、広汎な運転領域でブローバイガスの換気を好適に行うことができるシステムを実現しようとするものである。
本発明では、過給機が付帯した内燃機関に適用されるブローバイガス還流装置であって、ブローバイガスが溜まる内室と吸気通路におけるスロットルバルブの下流とを連通する第一のブローバイガス還流通路と、前記内室の一部であるクランク室と吸気通路における過給機の上流とを連通する第二のブローバイガス還流通路と、前記内室の一部であり前記クランク室に連通したカム室と吸気通路における前記第二のブローバイガス還流通路の接続位置よりもさらに上流とを連通する第三のブローバイガス還流通路と、前記第一のブローバイガス還流通路を開閉するべく設けられ、吸気通路におけるスロットルバルブの下流の圧力が前記内室の圧力よりも低い場合に開弁し、吸気通路におけるスロットルバルブの下流の圧力が前記内室の圧力よりも高い場合に閉弁するPCVバルブと、前記PCVバルブが閉弁しているときに、吸気通路におけるスロットルバルブの下流から新気がPCVバルブを迂回して前記内室へと流通することを許容するリーク通路とを備えており、前記リーク通路の大きさが、前記PCVバルブが閉弁しかつエンジン回転数が所定よりも低い領域では前記第二のブローバイガス還流通路及び前記第三のブローバイガス還流通路を通じてブローバイガスが前記クランク室及び前記カム室から流出するとともに、PCVバルブが閉弁しかつエンジン回転数が前記領域よりも高い領域では第二のブローバイガス還流通路を通じてブローバイガスがクランク室から流出しつつ第三のブローバイガス還流通路を通じて新気がカム室に流入するように設定されているブローバイガス還流装置を構成した。
ここで、内室とは、ブローバイガスが発生するクランク室や、クランク室に連通しているカム室等を包括した概念である。PCVバルブの開弁とは、弁体が弁座から離間している状態をいい、閉弁とは、弁体が弁座に着座している状態をいう。
本発明によれば、吸気通路内圧力や吸入空気量の大小にかかわらず、広汎な運転領域でブローバイガスの換気を好適に行うことができるシステムが実現される。
本発明の一実施形態における内燃機関及びブローバイガス還流装置の構成を示す図。 同実施形態におけるPCVバルブを例示する図。 同実施形態におけるブローバイガス還流装置が稼動する領域を示す図。 同実施形態における領域(1)でのブローバイガス及び新気の流れを模式的に示す図。 同実施形態における領域(2)でのブローバイガス及び新気の流れを模式的に示す図。 同実施形態における領域(3)でのブローバイガス及び新気の流れを模式的に示す図。 同実施形態における領域(4)でのブローバイガス及び新気の流れを模式的に示す図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態のブローバイガス還流装置6が適用される車両用内燃機関の概要を示す。この内燃機関は、火花点火式の4ストロークエンジンである。図示例の内燃機関は、筒内直接噴射式のもので、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)と、各気筒1内に燃料を噴射するインジェクタ11と、各気筒1に吸気を供給するための吸気通路3と、各気筒1から排気を排出するための排気通路4と、吸気通路3を流通する吸気を過給する排気ターボ過給機5とを具備している。
気筒1の燃焼室の天井部には、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気通路3は、外部から空気を取り入れて気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、過給機5のコンプレッサ51、インタクーラ32、電子スロットルバルブ33、サージタンク34、吸気マニホルド35を、上流からこの順序に配置している。
排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させることで発生した排気を気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、過給機5の駆動タービン52及び排気ガス浄化用の三元触媒41を配置している。加えて、タービン52を迂回する排気バイパス通路43、及びこのバイパス通路43の入口を開閉するバイパスバルブであるウェイストゲートバルブ44を設けてある。ウェイストゲートバルブ44は、アクチュエータに制御信号iを入力することで開閉操作することが可能な電動ウェイストゲートバルブであり、そのアクチュエータとしてDCサーボモータを用いている。
排気ターボ過給機5は、駆動タービン52とコンプレッサ51とを同軸で連結し連動するように構成したものである。そして、駆動タービン52を排気のエネルギを利用して回転駆動し、その回転力を以てコンプレッサ51にポンプ作用を営ませることにより、吸入空気を加圧圧縮(過給)して気筒1に送り込む。なお、吸気通路3におけるコンプレッサ51よりも上流側の圧力は略大気圧またはコンプレッサ51の稼動によって幾分負圧となる。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
ECU0の入力インタフェースには、車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるエンジン回転信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ33の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するアクセル開度センサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3(特に、サージタンク34)内の吸気温及び吸気圧(または、過給圧)を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号e等が入力される。
ECU0の出力インタフェースからは、イグナイタに対して点火信号f、インジェクタ11に対して燃料噴射信号g、電子スロットルバルブ33に対して開度操作信号h等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、eを入力インタフェースを介して取得し、吸気圧及びエンジン回転数を知得するとともに、気筒1に充填される吸気量を推算し、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミングといった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号f、g、h、iを出力インタフェースを介して印加する。
本実施形態におけるブローバイガス還流装置6は、内燃機関の内室であるクランク室7及びカム室8と吸気通路3とをそれぞれ接続する第一のブローバイ還流通路(以下、「第一の通路61」と呼ぶ)と、第二のブローバイ還流通路(以下、「第二の通路62」と呼ぶ)と、第三のブローバイ還流通路(以下、「第三の通路63」と呼ぶ)とを要素としてなる。
なお、クランク室7は、シリンダブロックと、このシリンダブロックの下部に取り付けられたシリンダブロックロアケース及びオイルパンとによって形成されており、カム室8は、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間に形成されている。カム室8は、図示しない内部通路を介してクランク室7と繋がっており、クランク室7との間で相互に新気やブローバイガスを行き来させることができる。
第一の通路61は、その一端がクランク室7に接続し、他端が吸気通路3におけるスロットルバルブ33の下流側(特に、サージタンク34)に接続しており、クランク室7を吸気通路3に連通せしめる。クランク室7内にあるブローバイガスは、この第一の通路61を経由して吸気通路3に排出される。第一の通路61のクランク室7への接続箇所には、PCVバルブ64が設置されている。
PCVバルブ64は、図2に示すように、第一の通路61を流通するブローバイガスの流量を増減させるもので、弾性付勢されて弁座641に押し付けられている弁体642が、ブローバイガスの圧力により(弾性付勢力に抗して)弁座641から離反する方向に変位する態様の、機械式(差圧作動形)のバルブである。PCVバルブ64は、ブローバイガスが流通する空間643を形成し前記弁座641を有するバルブボディ644と、このバルブボディ644に収容される弁体642と、この弁体642に弾性力を作用させるスプリング645とを備えている。
吸気通路3内圧力が大気圧よりも小さく(吸気圧が負圧)、かつクランク室7内圧力と吸気通路3内圧力との差圧が所定以下である領域では、弁体642が弁座641から離間してPCVバルブ64が開弁する。すなわち、その差圧が大きいほどPCVバルブ64の開度が拡大し、クランク室7から吸気通路3に向けて流れるブローバイガスの流量が増加する。
但し、吸気通路3内圧力が非常に小さく(吸気負圧が非常に大きく)なり、クランク室7内圧力と吸気通路3内圧力との差圧が所定以上となった領域では、その差圧が大きいほどPCVバルブ64の開度が縮小し、クランク室7から吸気通路3に向けて流れるブローバイガスの流量が減少する。アイドル運転時またはアイドル運転に近い低負荷運転時のように、吸気通路3内圧力が極小(吸気負圧が極大)であるときには、吸気通路3内圧力の変化に対するPCVバルブ64の流量の変化が乏しくなる。
そして、PCVバルブ64は、吸気通路3内の圧力が大気圧と同等かそれ以上(吸気圧が正圧)である領域では、弁体642が弁座641に着座して閉弁し、前記空間643を介してブローバイガスが流出するのを阻止する。
なお、本実施形態のPCVバルブ64は、逆流機能付きのもので、吸気通路3内の圧力が大気圧と同等かそれ以上(吸気圧が正圧)である領域でも換気ができるようにすべく、前記弁体642に一端から他端まで貫通するリーク通路646が設けられている。
リーク通路646は、一端が吸気通路3側に連通されるとともに、他端がクランク室7側に連通しており、PCVバルブ64が閉じている状態でも当該リーク通路646を介して新気が流通するようになっている。リーク通路646の大きさは、吸気通路3内圧力(特に、サージタンク34内圧力)が正圧で、かつ、エンジン回転数が比較的低い(吸入空気量が比較的少ない)場合に、内室7、8からのブローバイガスの流出または内室7、8への新気の流入が第二の通路62と第三の通路63とで同方向(具体的には、第二、第三の通路62、63はともにブローバイガスがクランク室7及びカム室8から流出する方向)となるとともに、エンジン回転数が比較的高い(吸入空気量が比較的多い)場合には、圧力差により内室7、8からのブローバイガスの流出と内室7、8への新気の流入が前記第二の通路62と第三の通路63とで逆方向(具体的には、第二の通路62はブローバイガスがクランク室7から流出する方向、第三の通路63は新気がカム室8へ流入する方向)になるように設定されている。
クランク室7とPCVバルブ64との間には、オイルセパレータ611を介設する。オイルセパレータ611は、ラビリンス構造を有し、流通するガスに含まれる潤滑油を当該ガスから分離させる気液分離作用を営むもので、クランク室7から潤滑油が失われることを抑止する。オイルセパレータ611で分離されたオイルは、クランク室7に戻される。
第二の通路62は、その一端がクランク室7に接続し、他端が吸気通路3における過給機5の上流側(例えば、コンプレッサ51の入口近傍)に接続しており、クランク室7を吸気通路3に連通せしめる。クランク室7内にあるブローバイガスは、この第二の通路62を経由して吸気通路3に排出される。この第二の通路62のクランク室7への接続箇所にも、オイルセパレータ621を設けてある。オイルセパレータ621で分離されたオイルは、クランク室7に戻される。
第三の通路63は、その一端が内燃機関のシリンダヘッドカバー内のカム室8に接続し、他端が吸気通路3における過給機5の上流側(吸気通路3における大気圧に近い圧力となる箇所、例えば、コンプレッサ51の上流側であって、前記第二の通路62の接続位置よりも上流側)に接続しており、カム室8を吸気通路3に連通せしめる。すなわち、この第三の通路63と前記第二の通路62とは、ともに吸気通路3におけるエアクリーナ31の下流側であって、過給機5のコンプレッサ51の上流側に接続されている。これら第二、第三の通路62、63の他端の接続位置は、エンジン回転数が比較的低い(吸入空気量が比較的少ない)場合に、内室7、8からのブローバイガスの流出または内室7、8への新気の流入が第二の通路62と第三の通路63とで同方向となるとともに、エンジン回転数が比較的高い(吸入空気量が比較的多い)場合には、圧力差により内室7、8からのブローバイガスの流出と内室7、8への新気の流入が前記第二の通路62と第三の通路63とで逆方向(具体的には、第二の通路62はブローバイガスがクランク室7から流出する方向、第三の通路63は新気がカム室8へ流入する方向)になるように設定されている。カム室8内にあるブローバイガスは、この第三の通路63を経由して吸気通路3に排出される。この第三の通路63のカム室8への接続箇所にも、オイルセパレータ631を設けてある。オイルセパレータ631で分離されたオイルは、カム室8に戻される。
図3は、エンジン回転数とエンジントルク(要求負荷)との関係によって決まる(1)〜(4)の運転領域を示すグラフであり、以下、それぞれの運転領域におけるブローバイガス還流装置6の稼動態様について説明する。
まず、(1)の運転領域は、吸気圧が負圧であり、かつ、エンジン回転数が比較的低い運転領域を示している。この領域では、図4に示すように、アクセルペダルの踏込量に応じて決定されるスロットルバルブ33の開度が小さく、サージタンク34内圧力が大気圧よりも小さくなり、クランク室7内圧力とサージタンク34内圧力との差圧によってPCVバルブ64が開く。また、エンジン回転数が低く、コンプレッサ51が吸引して吐出する空気量が比較的少なく、コンプレッサ51の上流における吸気通路3内圧力は、第二の通路62の他端が接続される部分では大気圧よりも若干小さく、第三の通路63の他端が接続される部分では大気圧と同等である。両者の圧力差はほとんどない。
このような吸気通路3内圧力とクランク室7及びカム室8内の圧力との差圧によって生じる第一の通路61、第二の通路62及び第三の通路63におけるブローバイガス及び新気の流れが、図4で、それぞれ黒塗りの矢印及び白抜きの矢印によって表されている。すなわち、この領域(1)においては、PCVバルブ64が開いており、カム室8及びクランク室7内のブローバイガスがPCVバルブ64及び第一の通路61を経由して吸気通路3に送り出される。同時に、吸気通路3から第二の通路62及び第三の通路63を経由してカム室8及びクランク室7に新気が流れ込み、カム室8及びクランク室7内が換気される。吸気通路3のサージタンク34に還流したブローバイガスは、気筒1に充填されて再燃焼される。
次に、(2)の運転領域は、吸気圧が負圧であり、かつ、エンジン回転数が比較的高い運転領域を示している。この領域では、図5に示すように、アクセルペダルの踏込量に応じて決定されるスロットルバルブ33の開度が小さく、サージタンク34内圧力が大気圧よりも小さくなり、クランク室7内圧力とサージタンク34内圧力との差圧によってPCVバルブ64が開く。また、コンプレッサ51が吸引して吐出する空気量が領域(1)と比較して多く、コンプレッサ51の上流における吸気通路3内圧力は、第二の通路62の他端が接続される部分では領域(1)と比較して小さくなるが、第三の通路63の他端が接続される部分では大気圧と同等である。よって、両者に圧力差が生じる。
このような吸気通路3内圧力とクランク室7及びカム室8内の圧力との差圧によって生じる第一の通路61、第二の通路62及び第三の通路63におけるブローバイガス及び新気の流れが、図5で、それぞれ黒塗りの矢印及び白抜きの矢印によって表されている。すなわち、この領域(2)においては、PCVバルブ64が開いており、カム室8及びクランク室7内のブローバイガスが、PCVバルブ64及び第一の通路61を経由して吸気通路3に送り出されるとともに、第二の通路62を経由して吸気通路3に送り出される。同時に、吸気通路3から第三の通路63を経由してカム室8及びクランク室7に新気が流れ込み、カム室8及びクランク室7内が換気される。吸気通路3のサージタンク34及びコンプレッサ51の上流に還流したブローバイガスは、気筒1に充填されて再燃焼される。
次に、(3)の運転領域は、吸気圧が正圧であり、かつ、エンジン回転数が比較的低い運転領域を示している。この領域では、図6に示すように、アクセルペダルの踏込量に応じて決定されるスロットルバルブ33の開度が大きく、サージタンク34内圧力が大気圧よりも大きくなり、クランク室7内圧力とサージタンク34内圧力との関係が逆転してPCVバルブ64が閉じる。また、コンプレッサ51が吸引して吐出する空気量が領域(1)と比較して多く、コンプレッサ51の上流における吸気通路3内圧力は、第二の通路62の他端が接続される部分では領域(1)と比較して小さくなるが、第三の通路63の他端が接続される部分では大気圧と同等である。よって、サージタンク34内圧力は、クランク室7内圧力よりも高く、また、吸気通路3における第二、第三の通路62、63の他端が接続される部分よりも高くなる。
このような吸気通路3内圧力とクランク室7及びカム室8内の圧力との差圧によって生じる第一の通路61、第二の通路62及び第三の通路63におけるブローバイガス及び新気の流れが、図6で、それぞれ黒塗りの矢印及び白抜きの矢印によって表されている。すなわち、この領域(3)においては、PCVバルブ64は閉じており、吸気通路3から第一の通路61及びPCVバルブ64のリーク通路646を経由してカム室8及びクランク室7に少量の新気が押し込まれる。同時に、カム室8及びクランク室7内のブローバイガスが、第二の通路62及び第三の通路63を経由して吸気通路3に押し出される。その結果、カム室8及びクランク室7内が換気される。吸気通路3のコンプレッサ51の上流に還流したブローバイガスは、気筒1に充填されて再燃焼される。
次に、(4)の運転領域は、吸気圧が正圧であり、かつ、エンジン回転数が比較的高い運転領域を示している。この領域では、図7に示すように、アクセルペダルの踏込量に応じて決定されるスロットルバルブ33の開度が大きく、サージタンク34内圧力が大気圧よりも大きくなり、クランク室7内圧力とサージタンク34内圧力との関係が逆転してPCVバルブ64が閉じる。また、エンジン回転数が高く、コンプレッサ51が吸引して吐出する空気量が他の領域(1)〜(3)と比較して多く、コンプレッサ51の上流における吸気通路3内圧力は、第二の通路62の他端が接続される部分では他の領域(1)〜(3)と比較して小さくなるが、第三の通路63の他端が接続される部分では大気圧と同等である。よって、サージタンク34内圧力は、クランク室7内圧力よりも高く、また、吸気通路3における第二、第三の通路62、63の他端が接続される部分よりも高くなる。
このような吸気通路3内圧力とクランク室7及びカム室8内の圧力との差圧によって生じる第一の通路61、第二の通路62及び第三の通路63におけるブローバイガス及び新気の流れが、図7で、それぞれ黒塗りの矢印及び白抜きの矢印によって表されている。すなわち、この領域(4)においては、PCVバルブ64は閉じており、吸気通路3から第一の通路61及びPCVバルブ64のリーク通路646を経由してカム室8及びクランク室7に少量の新気が押し込まれる。同時に、カム室8及びクランク室7内のブローバイガスが、第二の通路62を経由して吸気通路3に押し出される。そして、第一の通路61を介して流れ込む新気よりも第二の通路62を介して送り出されるブローバイガスの量が多いため、吸気通路3から第三の通路63を経由してカム室8及びクランク室7に新気が流れ込む。このようにして、カム室8及びクランク室7内が換気される。吸気通路3のコンプレッサ51の上流に還流したブローバイガスは、気筒1に充填されて再燃焼される。
本実施形態では、ブローバイガスが溜まる内室7、8と吸気通路3におけるスロットルバルブ33の下流とを連通する第一通路61と、前記内室7、8と吸気通路3における過給機5の上流とを連通する第二の通路62と、前記内室7、8と吸気通路3における第二の通路62の接続位置よりもさらに上流とを連通する第三の通路63と、前記第一の通路61を開閉するべく設けられ、吸気通路3におけるスロットルバルブ33の下流のサージタンク34内圧力が前記内室7、8の圧力よりも低い場合に開弁し、吸気通路3におけるスロットルバルブ33の下流のサージタンク34内圧力が前記内室7、8の圧力よりも高い場合に閉弁するPCVバルブ64と、前記PCVバルブ64が閉弁しているときに、吸気通路3におけるスロットルバルブ33の下流から新気がPCVバルブ64を迂回して前記内室7、8へと流通することを許容するリーク通路646とを備えるブローバイガス還流装置6を構成した。
排気ターボ過給機5付の内燃機関では、吸気通路3内の圧力が過給により正圧となることが多く、その分だけPCVバルブ64が開弁する時間が短くなり、ブローバイガスを換気する機会が少ないという問題があったが、本実施形態のようなブローバイガス還流装置6を備えていれば、吸気通路3内の圧力の大きさや、吸入空気量の大小にかかわらず、(1)〜(4)に示したすべての運転領域でブローバイガス還流装置6を稼動させることができ、クランク室7及びカム室8の換気を確実に行うことが可能となる。
すなわち、吸気通路3(サージタンク34)内圧力が正圧となる領域(3)及び(4)においては、カム室8及びクランク室7内のブローバイガスが、第二の通路62を経由して吸気通路3に送り出されると同時に、吸気通路3から第一の通路61及びPCVバルブ64のリーク通路646を経由してクランク室7及びカム室8に新気が流れ込むようにしている。さらに、吸入空気量が比較的少ない場合に第三の通路63を経由してブローバイガスが送り出され、吸入空気量が比較的多い場合に第三の通路63を経由して新気が流れ込む。そのため、従来のブローバイガス還流装置に比べて、クランク室7内及びカム室8内を換気する機会を増やすことができる。
もちろん、吸気通路3(サージタンク34)内圧力が負圧となる領域(1)及び(2)においても、従来のブローバイガス還流装置に準じて、カム室8及びクランク室7内のブローバイガスが、前記PCVバルブ64の空間643及び第一の通路61を経由して吸気通路3に送り出されると同時に、吸気通路3から第三の通路63を経由してクランク室7及びカム室8に新気が流れ込むようにしている。さらに、吸入空気量が比較的少ない場合に第二の通路62を経由して新気が流れ込み、吸入空気量が比較的多い場合に第二の通路62を経由してブローバイガスが送り出される。そのため、クランク室7内及びカム室8内の換気を確実に行うことができる。
また、本実施形態のブローバイガス還流装置6は、第一の通路61、第二の通路62及び第三の通路63のクランク室7またはカム室8側の接続部分にオイルセパレータ611、621、631をそれぞれ設けているので、運転領域毎に換気の方向が変化することによって、各オイルセパレータ611、621、631内のオイルがクランク室7のオイルパンに戻りやすくなるという効果も得られる。したがって、ラビリンス構造を有するオイルセパレータ611、621、631にオイルが溜まって、オイルセパレータ611、621、631の分離機能を損ねてしまうという問題を解消できる。特に、本実施形態ではオイルセパレータ611、621、631を3箇所に設けているので、各セパレータ611、621、631に加わる負荷を軽減することもできる。
さらに、本実施形態のブローバイガス還流装置6は、エンジン回転数の高い領域(2)及び領域(4)において、一端がカム室8に接続された第三の通路63を介して吸気通路3からカム室8及びクランク室7に新気が流れ込むようにしているので、シリンダヘッドからクランク室7方向へ向かうガスの流れを作り出すことができる。すなわち、エンジン回転数が高い運転領域において、クランク室7からシリンダヘッド方向へ向かうガスの流れが多くなると、シリンダヘッドからクランク室7のオイルパンにオイルが戻りにくくなり、潤滑機能に支障をきたす可能性があるが、本実施形態のブローバイガス還流装置6によれば、このような不具合の発生を抑制できる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、PCVバルブは、第一のブローバイガス還流通路上の任意の箇所に設置することが許される。
上述した実施形態では、第一及び第二のブローバイガス還流通路の一端をクランク室に接続するとともに、第三のブローバイガス還流通路の一端をカム室に接続するようにしていたが、第一のブローバイガス還流通路や第二のブローバイガス還流通路の一端をカム室に接続してもよいし、第三のブローバイガス還流通路の一端をクランク室に接続してもよい。
PCVバルブ及びリーク通路の構造もまた、図示したものに限られず種々変更してよい。上記実施形態では、リーク通路をPCVバルブの弁体に形成することにより、リーク通路をPCVバルブに一体的に作り込んでいたが、PCVバルブの上流側と下流側とを連通するバイパスとしてリーク通路を設けることも考えられる。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関に適用することができる。
1…内燃機関
3…吸気通路
33…スロットルバルブ
5…過給機
6…ブローバイガス還流装置
61…第一のブローバイガス還流通路(第一の通路)
62…第二のブローバイガス還流通路(第二の通路)
63…第三のブローバイガス還流通路(第三の通路)
64…PCVバルブ
646…リーク通路
7、8…内室(クランク室、カム室)

Claims (1)

  1. 過給機が付帯した内燃機関に適用されるブローバイガス還流装置であって、
    ブローバイガスが溜まる内室と吸気通路におけるスロットルバルブの下流とを連通する第一のブローバイガス還流通路と、
    前記内室の一部であるクランク室と吸気通路における過給機の上流とを連通する第二のブローバイガス還流通路と、
    前記内室の一部であり前記クランク室に連通したカム室と吸気通路における前記第二のブローバイガス還流通路の接続位置よりもさらに上流とを連通する第三のブローバイガス還流通路と、
    前記第一のブローバイガス還流通路を開閉するべく設けられ、吸気通路におけるスロットルバルブの下流の圧力が前記内室の圧力よりも低い場合に開弁し、吸気通路におけるスロットルバルブの下流の圧力が前記内室の圧力よりも高い場合に閉弁するPCVバルブと、前記PCVバルブが閉弁しているときに、吸気通路におけるスロットルバルブの下流から新気がPCVバルブを迂回して前記内室へと流通することを許容するリーク通路とを備えており、
    前記リーク通路の大きさが、前記PCVバルブが閉弁しかつエンジン回転数が所定よりも低い領域では前記第二のブローバイガス還流通路及び前記第三のブローバイガス還流通路を通じてブローバイガスが前記クランク室及び前記カム室から流出するとともに、PCVバルブが閉弁しかつエンジン回転数が前記領域よりも高い領域では第二のブローバイガス還流通路を通じてブローバイガスがクランク室から流出しつつ第三のブローバイガス還流通路を通じて新気がカム室に流入するように設定されているブローバイガス還流装置。
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