JP4948853B2 - 硬質ポリウレタンフォームの製造法 - Google Patents

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本発明は、硬質ポリウレタンフォームの製造法に関する。更に詳しくは、建材、冷凍倉庫、浴槽、配管等の断熱材、戸建住宅、マンションや産業用配管等の結露防止材、製品形状を保持するために出窓やサッシ等の建材部品等の内部に詰められる軽量なコア材等として好適に使用し得る硬質ポリウレタンフォームの製造法、並びに該硬質ポリウレタンフォームからなる断熱材に関する。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造法は、特にスプレー方式による現場施行タイプの断熱材及び結露防止材、工場ラインでパネルやボード等の建材等を製造する際に好適に使用することができる。
硬質ポリウレタンフォームは、良好な断熱特性を有することから、建材、冷凍倉庫、浴槽、配管等の断熱材として使用されている。硬質ポリウレタンフォームは、例えば、家屋やビル建材等の断熱材として使用する場合には、スプレーマシン等により、ポリオールを主成分とする成分とポリイソシアネートを主成分とする成分とを発泡剤、触媒及び必要に応じて他の助剤の存在下で混合し、家屋やビル等の建設現場で壁面や天井等の目的部位にスプレーし、発泡、硬化させる方法等によって製造されている。
近年、発泡剤として水のみを使用するポリウレタンフォームの製造法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。これらの特許文献に記載されているポリウレタンフォームの製造法では、発泡剤としての水とイソシアネート基との泡化反応活性が基本的に低いため、被着体とポリウレタンフォームとの接着性、スプレー方式における液垂れ、ポリウレタンフォームの強度特性等の問題を改善するため、親水性のポリオキシエチレン基を多く含んだポリエーテル化合物を反応させた変性ポリイソシアネート化合物を使用したり、水との反応を促進するアミン系泡化触媒等のポリウレタン製造用触媒を用いたりしている。
しかし、アミン系泡化触媒を使用した場合には、発泡初期の状態は良好なものの、ポリオールの水酸基とイソシアネート基との樹脂化反応活性が十分ではなく、結果として被着体との接着性や強度特性等に未だ多くの不具合がある。一方、発泡剤としてHCFC(ヒドロクロロフルオロカーボン)やHFC(ヒドロフルオロカーボン)を使用する処方にて主に用いられてきたアミン系樹脂化触媒を使用した場合には、発泡剤としての二酸化炭素ガスの発生に時間がかかり、特にスプレーマシンにより発泡、硬化させた場合には、発泡初期に液垂れ等の問題が生じるのみならず、ポリウレタンフォームのセルの連通化が抑制され、ポリウレタンフォームの収縮(寸法安定性の悪化)によって被着体との接着性が悪化するという欠点がある。
特に、近年、地球環境保護の観点から発泡剤の全てが実質的に水であっても、更なる軽量化や廃棄物量の低減化を図るために、ポリウレタンフォームの低密度化が求められている。このようなポリウレタンフォームを製造するには、発泡剤としての水の含有量を増やす必要があり、その結果、フライアビリティ性が増し、被着体とポリウレタンフォームとの接着性が益々低下するばかりか、低密度化によるポリウレタンフォーム自体の強度低下からポリウレタンフォームの寸法安定性が悪化するという問題点がある。また、ポリウレタンフォームの発泡・硬化過程で、泡化と樹脂化反応のバランスが悪化してセル強度が低くなり、製造したポリウレタンフォームにボイドが発生したり、セルが合一して乱れたりして、均質なポリウレタンフォームを得ることができない。
特開2001−106764号公報 特開2001−302756号公報 特開2002-179756号公報
本発明は、発泡剤として水を多量に使用した場合であっても、寸法安定性及び接着性に優れ、ボイドの発生及びセルの乱れが少ない硬質ポリウレタンフォームの製造法を提供することを課題とする。また、本発明は、該硬質ポリウレタンフォームからなる断熱材を提供することを課題とする。
本発明は、
(1)式(I):
(CH32NCH2CH2ACH2CHROH (I)
(式中、Aは酸素原子、-OCH2CH2O-基、-N(CH3)-基、-OCH2CH2N(CH3)-基又は-N(CH3)CH2CH2N(CH3)-基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す)
で表されるアミン化合物及び式(II):
(CH32N(CH2mB(CH2nNH2 (II)
(式中、Bは酸素原子又は単結合を示し、但し、Bが酸素原子のとき、m及びnはそれぞれ独立して2〜6の整数を示し、Bが単結合のときm及びnはm+n=2〜8を満足する整数を示す)
で表されるアミン化合物を含有するポリウレタン製造用触媒を用いて、水酸基価が200〜500mgKOH/gのポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、ポリオール成分100重量部に対して4重量部以上の水の存在下で反応させる、密度が8〜35kg/mの硬質ポリウレタンフォームの製造法、及び
(2)前記硬質ポリウレタンフォームからなる断熱材
に関する。
本発明によれば、発泡剤として水を多量に使用した場合であっても、寸法安定性及び接着性に優れ、ボイドの発生及びセルの乱れが少ない硬質ポリウレンフォーム及び該硬質ポリウレタンフォームからなる断熱材を得ることができる。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造法は、式(I):
(CH32NCH2CH2ACH2CHROH (I)
(式中、Aは酸素原子、-OCH2CH2O-基、-N(CH3)-基、-OCH2CH2N(CH3)-基又は-N(CH3)CH2CH2N(CH3)-基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す)
で表されるアミン化合物及び式(II):
(CH32N(CH2mB(CH2nNH2 (II)
(式中、Bは酸素原子又は単結合を示し、但し、Bが酸素原子のとき、m及びnはそれぞれ独立して2〜6の整数を示し、Bが単結合のときm及びnはm+n=2〜8を満足する整数を示す)
で表されるアミン化合物を含有するポリウレタン製造用触媒を用いて、水酸基価が200〜500mgKOH/gのポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、ポリオール成分100重量部に対して4重量部以上の水の存在下で反応させる点に大きな特徴がある。
式(I)で表されるアミン化合物は、分子内に水酸基を有するポリウレタン製造用アミン系触媒であり、イソシアネート基と水との反応である泡化反応を促進し、更にはそれ自身の臭気特性及び硬質ポリウレタンフォームの製造過程中に揮散するアミン系触媒成分を抑制する観点から好適に使用しうるものである。
式(I)で表されるアミン化合物のなかでは、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、2−〔2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エトキシ〕エタノール、N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−メチルエタノールアミン、N−〔2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エチル〕−N−メチルエタノールアミン及びN,N,N’,N”−テトラメチル−N”−イソプロパノール−ジエチレントリアミンが、泡化の反応活性及び入手の容易性の観点から好ましく、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
式(II)で表されるアミン化合物は、分子内に1級アミノ基を有するポリウレタン製造用アミン系触媒であり、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との低温での反応性を高め、且つフォーム強度を改善し、硬質ポリウレタンフォームの製造過程中に揮散するアミン系触媒成分を抑制する観点から好適に使用しうるものである。
式(II)で表されるアミン化合物のなかでは、2−ジメチルアミノエチルアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、4−ジメチルアミノブチルアミン、6−ジメチルアミノヘキシルアミン及び3−(2−ジメチルアミノエトキシ)プロピルアミンが、低温での触媒活性及び入手の容易性の観点から好ましく、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、3−ジメチルアミノプロピルアミンは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との樹脂化の触媒活性及び経済性の観点からより好ましい。
式(I)で表されるアミン化合物と式(II)で表されるアミン化合物の組み合わせとしては、硬質ポリウレタンフォームの製造時の反応性を高め、硬質ポリウレタンフォームの優れた寸法安定性及び良好なフォーム内部の状態を得る観点から、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノールと3−ジメチルアミノプロピルアミン、N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−メチルエタノールアミンと3−ジメチルアミノプロピルアミン、N−〔2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エチル〕−N−メチルエタノールアミンと3−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N,N’,N”−テトラメチル−N”−イソプロパノール−ジエチレントリアミンと3−ジメチルアミノプロピルアミン、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノールと6−ジメチルアミノヘキシルアミン、N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−メチルエタノールアミンと6−ジメチルアミノヘキシルアミン、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノールと3−(2−ジメチルアミノエトキシ)プロピルアミン、N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−メチルエタノールアミンと3−(2−ジメチルアミノエトキシ)プロピルアミンが好ましく、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノールと3−ジメチルアミノプロピルアミンがより好ましい。
このように、本発明で使用されるポリウレタン製造用触媒には、式(I)で表されるアミン化合物及び式(II)で表されるアミン化合物が含有されているので、低温でも高い触媒活性を有する。また、それぞれのアミン系触媒の欠点が補完されるのみならず、発泡剤として水を多量に使用した場合であっても、泡化と樹脂化反応の良好なバランスが得られることから、セル形状が均質に揃ったり、セルの連通化が促進されたりする傾向にあり、硬質ポリウレタンフォームが収縮したり、内部にボイドが形成されたりすることがなく、更に被着体との接着性が改善されるという優れた効果が発現される。
更に本発明においては、式(I)で表されるアミン化合物及び式(II)で表されるアミン化合物の併用により、発泡剤としての水が効率よく反応に寄与する。従って、両者併用による相乗効果として、硬質ポリウレタンフォームの発泡時に急激に水蒸気が発生するにもかかわらず、アミン系触媒を比較的飛散させずにアミン系触媒に基づく臭気を抑制することができるという格別顕著に優れた効果が発現される。
式(I)で表されるアミン化合物と式(II)で表されるアミン化合物の重量比(式(I)で表されるアミン化合物/式(II)で表されるアミン化合物)は、泡化と樹脂化反応のバランス及び反応活性の観点から好ましくは90/10〜30/70、より好ましくは80/20〜35/65、更に好ましくは70/30〜40/60である。
式(I)で表されるアミン化合物と式(II)で表されるアミン化合物の合計量は、使用するポリオール成分及びポリイソシアネート成分との反応性、硬質ポリウレタンフォームの用途等によって適宜決定すればよく、通常、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは0.5〜25重量部、より好ましくは1〜20重量部、更に好ましくは1.5〜15重量部である。
なお、本発明のポリウレタン製造用触媒は、式(I)で表されるアミン化合物及び式(II)で表されるアミン化合物を含有するものであるが、本発明の目的が阻害されない範囲で、他の触媒を更に含有することができる。他の触媒としては、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2−メチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−(2−ジメチルアミノエチル)モルホリン、ジモルホリノジエチルエーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N’,N’−トリメチルアミノエチルピペラジン、トリス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、ビス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、N,N’,N”−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノール、5−ジメチルアミノ−3−メチル−1−ペンタノール、ジメチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−メチルアミノエタノール、N,N−ジメチル−N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−1,3−プロパンジアミン、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)イソプロパノールアミン、1−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール等の3級アミン系触媒、それらの誘導体、並びにそれらとカルボン酸や炭酸等の酸との塩等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、ジブチルジラウリン酸錫、ジ(2−エチルヘキシル)ジラウリン酸錫、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫等の有機スズ化合物、ジ(2−エチルヘキサン酸)鉛、ジ(2−エチルヘキサン酸)ビスマスに代表される有機金属系触媒や、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカリウム塩や、4級アンモニウム塩等のイソシアヌレート化触媒を本発明の目的が阻害されない範囲で用いることができる。
ポリオール成分としては、例えば、岩田敬治編「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(昭和62年9月25日、日刊工業新聞社発行)に記載されている、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール、フェノール樹脂系ポリオール、マンニッヒポリオール等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。ポリオール成分のなかでは、ポリオール自身の耐加水分解性の観点及びポリイソシアネート成分との反応安定性の観点からポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール及びマンニッヒポリオール等のポリエーテル系ポリオールが好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシアルキレン系ポリオールが代表例として挙げられ、ポリオキシアルキレン系ポリオールは、水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、その他の活性水素含有基を2個以上有する化合物等を出発原料に、アルキレンオキシドを開環付加反応させて製造することができる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールの出発原料には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、シュガー、シュークロース、デキストロース、ソルビトール等の多価アルコール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタアミン等の多価アミン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシノール、ハイドロキノン等の多価フェノール、それらの変性物等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールを製造する際に、開環付加反応せしめるアルキレンオキシドには、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ポリマーポリオールとしては、ポリオキシアルキレン系ポリオール中にポリアクリロニトリル微粒子やポリスチレン微粒子等のポリマー微粒子が分散したもの等が挙げられる。
マンニッヒポリオールは、フェノール類、アルデヒド類、アルカノールアミン等を縮合反応させ、更に必要に応じてエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドの開環付加反応を行うことにより、製造することができる。
好適なポリエーテル系ポリオールの例としては、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加反応させて得られる(ジ)エチレングリコール系ポリエーテルポリオール、(ジ)プロピレングリコール系ポリエーテルポリオール、(ジ)グリセリン系ポリエーテルポリオール、トリメチロールプロパン系ポリエーテルポリオール、ペンタエリスリトール系ポリエーテルポリオール、シュガー系ポリエーテルポリオール、シュークロース系ポリエーテルポリオール、デキストロース系ポリエーテルポリオール、ソルビトール系ポリエーテルポリオール、モノ(ジ、トリ)エタノールアミン系ポリエーテルポリオール、エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール、トリレンジアミン系ポリエーテルポリオール、ビスフェノールA系ポリエーテルポリオール等のポリオキシアルキレン系ポリオール、ポリオキシアルキレン系ポリオール中にポリマー微粒子が分散したポリマーポリオール、マンニッヒポリオール等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ポリオール成分としてポリエーテル系ポリオールを使用する場合は、ポリオール成分中のポリエーテル系ポリオールの含有量は、ポリオール自身の耐加水分解性の観点及びポリイソシアネート成分との反応安定性の観点から、80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、95重量%以上が更に好ましい。
ポリオール成分の水酸基価は、硬質ポリウレタンフォームとしての特性を保持する観点から、200〜500mgKOH/gであり、好ましくは250〜500mgKOH/g、より好ましくは300〜480mgKOH/gである。なお、水酸基価は、JIS K1557に基づいて求められたときの値である。
また、独立気泡率の小さい硬質ポリウレタンフォームを製造する場合、ポリオール成分中に、水酸基価が25〜120mgKOH/gであるポリプロピレンオキシド基含有ポリオキシアルキレン系ポリオール(以下、長鎖ポリプロピレンオキシド基含有ポリオキシアルキレン系ポリオールと言う)及び/又は水酸基価が25〜120mgKOH/gであるポリマーポリオールが含まれていることが好ましい。
この場合における本発明の硬質ポリウレタンフォームの独立気泡率は、そのポリウレタンフォームの密度によって異なるので一概には言えないが、寸法安定性の観点から、70%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、20%以下が更に好ましく、10%以下が特に好ましい。なお、独立気泡率は、ASTM D 2856に規定の方法に基づいて測定することができる。
セルの連通化をコントロールし、硬質ポリウレタンフォームの寸法安定性及び接着性を向上させる観点から、上記長鎖ポリプロピレンオキシド基含有ポリオキシアルキレン系ポリオール及びポリマーポリオールの水酸基価は、それぞれ、好ましくは30〜110mgKOH/g、より好ましくは35〜100mgKOH/gである。
また、取扱い時の粘度及び硬質ポリウレタンフォームへの物性付与の観点から、上記長鎖ポリプロピレンオキシド基含有ポリオキシアルキレン系ポリオール及びポリマーポリオールの官能基数は、それぞれ、好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3である。
長鎖ポリプロピレンオキシド基含有ポリオキシアルキレン系ポリオールとしては、例えば、前記水酸基価及び/又は官能基数を有する、ポリオキシプロピレン系ポリオール、末端エチレンオキシド付加ポリオキシプロピレン系ポリオール等が挙げられ、硬質ポリウレタンフォームの寸法安定性の観点及びポリオールの入手容易性の観点から、グリセリン系ポリオキシプロピレントリオール、ジプロピレングリコール系ポリオキシプロピレンジオール、それらの末端エチレンオキシド付加化合物が好ましい。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ポリオール成分中には、前記の好ましい長鎖ポリプロピレンオキシド基含有ポリオキシアルキレン系ポリオール及び/又は前記ポリマーポリオール以外に、硬質ポリウレタンフォームの強度を高め、反応性を向上させる観点から、例えば、水酸基価が200〜800mgKOH/gである、エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール、トリレンジアミン系ポリエーテルポリオール、トリエタノールアミン系ポリエーテルポリオール、グリセリン系ポリエーテルポリオール、ジグリセリン系ポリエーテルポリオール、トリメチロールプロパン系ポリエーテルポリオール、ペンタエリスリトール系ポリエーテルポリオール、シュガー系ポリエーテルポリオール、シュークロース系ポリエーテルポリオール、デキストロース系ポリエーテルポリオール、ソルビトール系ポリエーテルポリオール、ビスフェノールA系ポリエーテルポリオール、マンニッヒポリオール等のポリエーテル系ポリオールが1種以上さらに含まれていることが好ましい。
従って、本発明で用いられる水酸基価が200〜500mgKOH/gのポリオール成分には、前記長鎖ポリプロピレンオキシド基含有ポリオキシアルキレン系ポリオール及び/又はポリマーポリオールと水酸基価が200〜800mgKOH/gであるポリエーテル系ポリオールが含まれることが好ましい。
水は、発泡剤として用いられる。本発明の目的が阻害されない範囲内であれば、水とともに、空気、二酸化炭素、窒素等の(液化)ガス、炭化水素、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン等を用いてもよいが、環境面等を考慮すれば、水のみを用いることが好ましい。
水の含有量は、硬質ポリウレタンフォームの物性付与及び低密度化の観点から、ポリオール成分100重量部に対して、4重量部以上、好ましくは4〜100重量部、より好ましくは5〜50重量部、更に好ましくは5〜30重量部である。
ポリオール成分は、ポリオール混合物に含有させて用いることができる。なお、ポリオール混合物とは、ポリオール成分、ポリウレタン製造用触媒、発泡剤、必要により整泡剤、難燃剤、架橋剤、相溶化剤等を含有するものをいう。ポリオール混合物におけるポリオール成分の含有量は、特に限定されないが、本発明の効果を発現する観点から、好ましくは30重量%以上であり、より好ましくは40重量%以上であり、更に好ましくは50重量%以上である。
本発明においては、硬質ポリウレタンフォームのセルの形態を制御する観点から、整泡剤を用いることが好ましい。整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン−ポリジメチルシロキサン共重合体、ポリジアルキルシロキサン、ポリオキシアルキレンポリオール変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン系整泡剤、脂肪酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、スルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、強い整泡力及び寸法安定性の観点から、ポリオキシアルキレン−ポリジメチルシロキサン共重合体が好ましい。
整泡剤の含有量は、整泡剤の種類、硬質ポリウレタンフォームの特性等によって異なるので一概には決定することができないので、整泡剤の種類等に応じて適宜調整することが好ましい。
また、本発明においては、硬質ポリウレタンフォームに難燃性を付与する観点から、難燃剤を用いることが好ましい。難燃剤としては、トリクレジルホスフェート、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロイソプロピル)ホスフェート、トリス(1,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート等のハロゲン系難燃剤が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、経時の安定性及び経済性の観点から、トリス(2−クロロイソプロピル)ホスフェートが好ましい。
難燃剤の含有量は、硬質ポリウレタンフォームへの難燃性付与及び硬質ポリウレタンフォームとしての特性保持の観点から、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは5〜50重量部、より好ましくは10〜40重量部である。
架橋剤としては、例えば、水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、その他のイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2個以上有する低分子化合物等が挙げられる。好適な架橋剤の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の多価アルコール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン、エチレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、クロロジアミノベンゼン、1,6−ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタアミン等の多価アミン等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、発泡剤としての水とポリオール成分との相溶性を向上させる観点から、プロピレングリコール及びジプロピレングリコールが好ましい。
架橋剤の含有量は、硬質ポリウレタンフォームの強度を確保し、発泡剤としての水とポリオール成分との相溶性を向上させる観点から、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜8重量部である。
相溶化剤としては、高級脂肪酸、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、それらの変性物等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、高級脂肪酸(塩)、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
相溶化剤の含有量は、ポリオール成分と水に対する相溶性を高める観点から、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは1重量部以上、より好ましくは2重量部以上、更に好ましくは3重量部以上であり、硬質ポリウレタンフォームの強度や難燃性を確保する観点から、好ましくは30重量部以下、より好ましくは25重量部以下、更に好ましくは20重量部以下である。
ポリイソシアネート成分としては、例えば、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート;ウレタン結合、カルボジイミド結合、ウレトイミン結合、アロファネート結合、ウレア結合、ビューレット結合、イソシアヌレート結合等の1種以上を含有する前記ポリイソシアネート変性物等が挙げられる。これらのポリイソシアネート成分は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。ポリイソシアネート成分の中では、硬質ポリウレタンフォームへの強度の付与及び耐熱性の向上の観点から、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートが好ましい。
ポリオール成分、発泡剤としての水、ポリウレタン製造用触媒、必要により整泡剤、難燃剤、架橋剤、相溶化剤等からなるポリオール混合物とポリイソシアネート成分との割合は、通常、イソシアネートインデックスが20〜300、好ましくは30〜200、より好ましくは40〜150となるように調整することが好ましい。
また、硬質ポリウレタンフォームを製造する際には、必要により助剤を用いることができる。助剤としては、一般にポリウレタンフォームの製造の際に使用されているものを用いることができる。助剤としては、例えば、安定剤、顔料、充填剤、減粘剤等が挙げられる。これらの助剤は、本発明の目的を阻害しない範囲内で用いることができる。
硬質ポリウレタンフォームは、例えば、ポリオール成分、式(I)で表されるアミン化合物及び式(II)で表されるアミン化合物を含有するポリウレタン製造用触媒、発泡剤としての水、必要により整泡剤をはじめ、難燃剤、架橋剤、相溶化剤、助剤等を混合して調製したポリオール混合物と、ポリイソシアネート成分とを成形機等により、混合、攪拌し、成形型内に注入し、反応させることにより、また、スプレーマシン等により、噴霧し、衝突混合して反応させることにより製造することができる。より具体的には、例えば、ポリオール混合物を20℃程度に調温した後、ポリイソシアネート成分と混合し、反応させることにより、製造することができる。
かくして、本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造法によれば、発泡剤として水を多量に使用した場合であっても、寸法安定性及び接着性に優れ、ボイドの発生及びセルの乱れが少ない硬質ポリウレタンフォームが得られる。
また、得られた硬質ポリウレタンフォームは、8〜35kg/mの密度を有し、物性保持の観点から、好ましくは10kg/m以上、より好ましくは15kg/m以上であり、軽量化及び廃棄物量の低減化の観点から、好ましくは33kg/m以下、より好ましくは30kg/m以下である。なお、ポリウレタンフォームの密度は、任意のポリウレタンフォームの重量を測定し、その体積で除して求めることができる。
本発明の製造法により得られた硬質ポリウレタンフォームは、例えば、建材、冷凍倉庫、浴槽、配管等の断熱材、戸建住宅、マンションや産業用配管等の結露防止材、製品形状を保持するために出窓やサッシ等の建材部品等の内部に詰められる軽量なコア材等として好適に使用することができる。
また、本発明の製造法は、高い反応性を有することから迅速に硬質ポリウレタンフォームを製造できるので、特にスプレー方式による現場施工タイプの断熱材及び結露防止材、工場ラインでパネルやボード等の建材等を製造する際に好適に使用することができる。
実施例1〜5及び比較例1〜3(但し、実施例3は参考例である)
ポリオール成分として、ポリエーテル系ポリオールであるグリセリン系ポリオキシプロピレントリオール〔水酸基価:56mgKOH/g、ダウケミカル(株)製、商品名:ボラノール3010〕20重量部、エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール〔水酸基価:768mgKOH/g、三井武田ケミカル(株)製、商品名:アクトコールAE−300〕20重量部、トリレンジアミン系ポリエーテルポリオール〔水酸基価:450mgKOH/g、旭硝子(株)製、商品名:エクセノール455AR〕30重量部、シュークロース系ポリエーテルポリオール〔水酸基価:380mgKOH/g、住化バイエルウレタン(株)製、商品名:ポリオール1703〕30重量部を用いた。なお、上記ポリオール成分の水酸基価をJIS K1557に基づいて求めた結果、414mgKOH/gであった。
前記ポリオール成分100重量部、整泡剤〔シリコーン系整泡剤、東レダウシリコーン(株)製、品番:SF2938F〕2重量部、難燃剤〔トリス(2−クロロイソプロピル)ホスフェート、大八化学工業(株)製、品番:TMCPP〕20重量部、発泡剤として水8重量部、表1に示す量のポリウレタン製造用触媒をラボミキサーで混合し、ポリオール混合物を得た。
次に、ポリオール混合物と、ポリイソシアネート成分〔住化バイエルウレタン(株)製、商品名:スミジュール44V20〕を理論上のイソシアネートインデックスが105となるように20℃でラボミキサーを用いて混合、攪拌し、得られた混合物を用いて硬質ポリウレタンフォームを製造し、以下の特性を調べた。その結果を表1に示す。
なお、各実施例及び各比較例で使用した原料は、以下のとおりである。
ポリウレタン製造用触媒
・KL−26:2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール〔花王(株)製、商品名:カオーライザーNo.26〕
・KL−28:N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−メチルエタノールアミン〔花王(株)製、商品名:カオーライザーNo.28〕
・DMAPA:3−ジメチルアミノプロピルアミン
・DMAHA:6−ジメチルアミノヘキシルアミン
・DMAEPA:3−(2−ジメチルアミノエトキシ)プロピルアミン
・KL−31:33%トリエチレンジアミンのジプロピレングリコール溶液〔花王(株)製、商品名:カオーライザーNo.31〕
〔反応性〕
300mL容のポリカップ〔(株)テラオカ製、商品名:デスカップ〕内で、ポリオール混合物とポリイソシアネート成分とを混合、攪拌して得られた混合物40gのフリー発泡におけるクリームタイム(以下、CTという)、ゲルタイム(以下、GTという)及びライズタイム(以下、RTという)に到達するまでの時間を測定した。
〔密度〕
ポリオール混合物とポリイソシアネート成分の混合、攪拌によって得られた混合物200gを成形型〔内寸:150mm×150mm×300mm(高さ)〕内に注入し、硬質ポリウレタンフォームのフリーフォームを成形した。
上記の硬質ポリウレタンフォームのフリーフォームを1時間放置した後、そのコア部分から、100mm×100mm×100mmの大きさの試験片を切り出した。該試験片の重量を測定し、式:
〔密度(kg/m)〕=〔試験片の重量(kg)〕÷〔試験片の体積(m)〕
に基づいて密度を求めた。
〔独立気泡率〕
ASTM D 2856に規定の方法に基づいて独立気泡率を調べた。
〔寸法安定性〕
密度の測定において得られた試験片を−5℃の恒温室内に入れ、24時間放置した後、試験片の発泡方向に平行な側面であって、その側面の中央で、発泡方向に対して垂直方向に引かれる辺の長さを、各側面についてノギスで測定し、式:
〔寸法安定性(%)〕
=〔放置前の寸法(mm)−放置後の寸法(mm)〕÷〔放置前の寸法(mm)〕×100
により、寸法安定性を求めた。なお、各実施例及び各比較例について、それぞれ2個の試験片について試験を実施し、試験片2個(試験片1個に対して4辺測定)から得られる8つの測定値の平均を算出し、以下の評価基準に従って寸法安定性を評価した。
〔寸法安定性の評価基準〕
〇:3%未満
△:3%以上、10%未満
×:10%以上
〔接着性〕
5℃に調温したフッ素樹脂製シート〔中興化成工業(株)製、チューコーフロー粘着テープ(登録商標)ASF−110〕を貼り付けたアルミニウム板からなるモールド〔内寸:200mm×200mm×50mm(高さ)〕で硬質ポリウレタンフォームを成形し、フリー発泡の状態で10分間経過後にモールドからフォームを脱型した。
接着性の評価をモールド表面へのフォーム付着率で定義した。即ち、高付着率では、フォームとモールドとの界面よりフォーム強度が低く、フォーム表面近傍での破壊が発生し接着性不良となる。また、低付着率では、フォーム強度が高く、フォーム表面近傍での破壊がないので接着性が良好となる。式:
〔フォーム付着率(%)〕=〔フォームの付着面積(mm)〕÷〔40000(mm)〕×100
に従ってフォーム付着率を求め、以下の評価基準に従って接着性を評価した。
〔接着性の評価基準〕
○:フォーム付着率が30%未満
△:フォーム付着率が30%以上、70%未満
×:フォーム付着率が70%以上
〔フォーム内部の状態〕
密度の測定と同様の方法で得た硬質ポリウレタンフォームのフリーフォームを24時間放置した後、発泡方向に沿って中央部で切断し、その切断面を目視により観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔フォーム内部の状態の評価基準〕
◎:フォーム内部が極めて良好でセルサイズが均一である
○:フォーム内部が良好でフォーム中央部のセルに若干の乱れがある
×:フォーム中央部にセル粗れが発生、又は小さいボイドが発生
Figure 0004948853
以上の結果から、各実施例によれば、硬質ポリウレタンフォームを製造する際に、発泡剤として水を多量に使用した場合であっても、式(I)で表されるアミン化合物及び式(II)で表されるアミン化合物を含むポリウレタン製造用触媒を用いることで、寸法安定性及び接着性に優れ、フォーム内部の状態が良好な硬質ポリウレタンフォームが得られることがわかる。さらにまた、反応性が高いため、迅速に該硬質ポリウレタンフォームが得られることがわかる。
本発明の硬質ポリウレタンフォームは、建材、冷凍倉庫、浴槽、配管等の断熱材、戸建住宅、マンションや産業用配管等の結露防止材、製品形状を保持するために出窓やサッシ等の建材部品等の内部に詰められる軽量なコア材等として好適に使用しうるものである。また、本発明の製造法は、特にスプレー方式による現場施工タイプの断熱材及び結露防止材、工場ラインでパネルやボード等の建材等を製造する際に好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. 式(I):
    (CHNCHCHACHCHROH (I)
    (式中、Aは酸素原子、−OCHCHO−基又は−N(CH)CHCHN(CH)−基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す)
    で表されるアミン化合物及び式(II):
    (CHN(CHB(CHNH (II)
    (式中、Bは酸素原子又は単結合を示し、但し、Bが酸素原子のとき、m及びnはそれぞれ独立して2〜6の整数を示し、Bが単結合のときm及びnはm+n=2〜8を満足する整数を示す)
    で表されるアミン化合物を含有するポリウレタン製造用触媒を用いて、水酸基価が200〜500mgKOH/gのポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、ポリオール成分100重量部に対して4重量部以上の水の存在下で反応させる、密度が8〜35kg/m 、独立気泡率が20%以下である硬質ポリウレタンフォームの製造法であって、前記ポリオール成分が、官能基数2〜4かつ水酸基価25〜120mgKOH/gであるポリプロピレンオキシド基含有ポリオキシアルキレン系ポリオールを1種以上含んでなる、硬質ポリウレタンフォームの製造法
  2. 式(I)で表されるアミン化合物が、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、2−〔2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エトキシ〕エタノール及びN,N,N’,N”−テトラメチル−N”−イソプロパノール−ジエチレントリアミンからなる群より選ばれた1種以上を含有する請求項1記載の硬質ポリウレタンフォームの製造法。
  3. 式(II)で表されるアミン化合物が、2−ジメチルアミノエチルアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、4−ジメチルアミノブチルアミン、6−ジメチルアミノヘキシルアミン及び3−(2−ジメチルアミノエトキシ)プロピルアミンからなる群より選ばれた1種以上を含有する請求項1又は2記載の硬質ポリウレタンフォームの製造法。
  4. ポリオール成分中にポリエーテル系ポリオールを80重量%以上含有する請求項1〜3いずれか記載の硬質ポリウレタンフォームの製造法。
  5. ポリオール成分100重量部に対して5〜30重量部の水の存在下で反応させる、請求項1〜4いずれか記載の硬質ポリウレタンフォームの製造法。
  6. 密度が8〜30kg/m である請求項1〜5いずれか記載の硬質ポリウレタンフォームの製造法。
  7. 請求項1〜いずれか記載の製造法によって得られる硬質ポリウレタンフォームからなる断熱材。
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