JP4948497B2 - 縦葺き外装構造 - Google Patents
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Description
さらに、単に外装材の側縁成形部の上端のみを保持しているに過ぎないので、負圧が作用した場合には外装材の変位によって外装材が変形したり、カバー材が外れたり、さらに外装材自体が吊子から外れ飛散する恐れもあった。
そこで、本発明は、耐風圧強度(負圧)が高く、前述のような問題を生じない強度性能に優れた縦葺き外装構造を提案することを目的とする。
この外装材は、表面化粧鋼板、ラミネート鋼板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ合金板、チタン合金板、銅板、真鍮板、鉛板等の公知の金属素材、炭素繊維積層板、硬質樹脂板等より成形され、素材が金属板の場合にはロール成形、或いはプレス成型、或いは両者の組合せにより成形(成型)される。素材が非金属素材の場合には、主に型成型により成型される。また、その素材厚は特に限定するものではないが、概ね0.4乃至1.6mm程度である。
この下部保持部材(後述する上部保持部材も同様)は、特に限定するものではないが、止水保持部22を形成する弾性定形止水材と、アルミや硬質樹脂による押出成形品、メッキ鋼板、ステンレス鋼板等のプレス加工品及びセラミック等よりなる成形体とから構成される。
なお、この下部保持部材には、後述する上部保持部材と弾性的に連結するための連結受部を設けることが望ましい。
なお、この上部保持部材には、前記下部保持部材と弾性的に連結するための連結部を設けることが望ましい。
このカバー材は、基本的には前記外装材と同一素材により成形され、アルミや硬質樹脂による押出成形品でも良い。またその素材厚は、特に限定するものではないが、押出成形品の場合、概ね1.2乃至2.5mm程度である。
なお、このカバー材の裏面と前記外装材の表面との間に防水材を介在させることが望ましい。この防水材としては、外装材の表面とカバー材の裏面との隙間を閉塞することにより、雨水等のカバー材裏面側への侵入を防止するものであって、ゴム等の弾性変形可能な弾性定形材を用いる場合には中実状でも中空状(例えばゴムパイプ等)の止水材を用いてもよいし、或いはゴム廃材のような弾性不定形材を密に圧縮収納させてもよい。或いは液状注入タイプのシーリング材を所定箇所に充填して乾燥硬化させるようにしてもよい。
図1の縦葺き外装構造は、外装材1と、下部保持部材2と、上部保持部材3と、カバー材4とからなり、以下に各部材毎に説明する。
図示実施例では、図2(c)に示すように、前記成形部12は、略傾斜状に立ち上がる傾斜起立片であって、立上り高さの中間に面板部11側へ略弧状に屈曲させて係合部121とした。また、上端を面板部11側へ湾曲状に折り返して高方被保持部122とした。なお、低方被保持部123は、係合部121より低く位置する傾斜片部分である。
そして、敷設状態において、下部保持部材2側へ弾性が作用するように、成形状態時には、成形部12の成形角度(傾斜角度)は、敷設角度よりも小さく成形している。なお、図3(c)は敷設状態を示す。
図示実施例では、前記下部保持部材2は、図2(b)に示すように、左右の略イ字状の起立片201,201を略ハット型形状の横片202にて連結した形状の左右対称部材である。
前記取付部21は、左右の起立片201の下端から下地5上に沿って外方へ延在する水平片でもよく、固定方法は例えばビス等の固着具(図示せず)を打ち込んで固定してもよいし、或いは溶接又は接着等にて固定してもよい。また、横片202の中央部分から足長の固定ボルトを打ち込んで取付部21としてもよい。
また、前記被係合部22は、前記起立片201の上端に形成された外側下方へ向かう跳ね片とその下方の隅部を指す。
さらに、前記連結受部23は、前記起立片201の上端に設けられ、内方に突起を有する鏃状部分である。
図示実施例では、前記上部保持部材3は、図2(a)に示すように、中央の水平片部301の左右側端からやや外側下方へ延在する傾斜片部302と、その下端から外側へ延在する横片部303と、その先端から下方へ延在する垂片部304と、該垂片部304の途中から外側上方へ延在する傾斜片部305と、その先端からやや内側上方へ延在する支持片部306と、前記傾斜片部302の内側に位置して下方へ延在する垂下片307とからなる左右対称部材である。なお、前記傾斜片部302の内側には、前記外装材1の高方被保持部122の先端(下端)が係止される係止部が設けられている。
前記高方保持部31は、前記水平片部301と傾斜片部302とからなる略肩状部分である。
前記低方保持部32は、前記垂片部304の下端を指す。
さらに、前記連結部33は、前記垂下片307の中程の外側に形成された凹状部分である。
また、前記被嵌合部34は、前記傾斜片部305と前記支持片部306の下方部分とで形成されている。
図示実施例のカバー材4は、図2(d)に示すように、略平坦状の頂部41と、該頂部41の左右端部から下方へ拡開状に延在する脚片部42と、該脚片部42の下端を裏面側へ折り返した嵌合部43とからなる略傘状部材である。なお、嵌合部43の外面側には、弾性定形材である止水材からなる防水材44が貼り付けられている。
まず、前記下地5上の所定位置に前記構成の下部保持部材2を固定する。具体的には、前記取付部21に図示しないビス等の固着具を打ち込んで固定する。既設屋根の改修に用いる場合には、下側保持部材2が既設屋根の桟状部分を跨ぐように配設して固定する。
この状態において、上部保持部材3の高方保持部31は、前記外装材1の高方被保持部122の外側に臨んで、その内側に配された下部保持部材2と共に外装材1の高方被保持部122を包持(包持状に保持)している。なお、この包持部分を、図1(a)では点線で囲むXにて示している。
また、上部保持部材3の横片部303は、前記外装材1の係合部121の外側に臨んで、その内側に配された下部保持部材2の被係合部22と共に外装材1の係合部121を挟持状に保持している。なお、この保持部分を、図1(a)では点線で囲むYにて示している。
このように外装材1は、X,Y,Zの三箇所にて保持されているので、強力な負圧が作用した場合にも外装材1の外れや変形を生ずることがなく、強度性能に優れている。
この上部保持部材3'は、図2(e)に示すように垂片部304の下端に内側方向へ膨出する瘤状部分が設けられ、この瘤状部分により幅広の低方保持部32'が形成されている。
そして、この上部保持部材2'の幅広の低方保持部32'は、外装材1の低方被保持部123に面接触にて押圧状に保持されている、すなわち面接触にて押さえ保持しているため、押さえ保持はより確実且つ強力なものとなる。
なお、面接触と説明したが、図示実施例は厳密には通常時では線接触であり、負圧作用時に外装材1が変形した際に面接触となる。何れにしても成形部12の基端近傍を押さえ保持することにより、負圧作用時に持ち上がろう(浮き上がろう)とする力に対する抵抗力が高いものである。
11 面板部
12 成形部
121 係合部
122 高方被保持部
123 低方被保持部
2 下部保持部材
201 起立片
21 取付部
22 被係合部
23 連結受部
3,3' 上部保持部材
303 横片部
31 高方保持部
32 低方保持部
33 連結部
34 被嵌合部
4 カバー部材
41 頂部
42 脚片部
43 嵌合部
44 防水材
5 下地
X 包持状保持部分
Y 挟持状保持部分
Z 押さえ保持部分
Claims (4)
- 面板部の左右側縁に成形部を有する外装材と、該成形部の裏面側に配される下部保持部材と、前記成形部の表面側に配される上部保持部材とからなる縦葺き外装構造において、
前記外装材の成形部は、立上り高さの中間に係合部を備え、前記係合部より高い位置及び前記係合部より低い位置に、それぞれ被保持部を備え、
前記下部保持部材は、下地への取付部と、前記外装材の係合部を弾性的に係合させる被係合部とを有し、
前記上部保持部材は、少なくとも前記下部保持部材と共に前記外装材の高方被保持部を包持する高方保持部を有し、前記外装材の低方被保持部を上方から押さえる低方保持部を有し、
下地上に取り付けた前記下部保持部材に、前記外装材を係合するように敷設し、前記上部保持部材を下部保持部材と連結すると共に、少なくとも前記外装材の二箇所の被保持部を保持してなることを特徴とする縦葺き外装構造。 - 外装材の係合部は、上部保持部材及び下部保持部材にて挟持状に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の縦葺き外装構造。
- 外装材の低方被保持部は、上部保持部材の低方保持部に押圧状に保持されていることを特徴とする請求項1又は2の何れか一項に記載の縦葺き外装構造。
- カバー材を上部保持部材を覆うように取り付けてなることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の縦葺き外装構造。
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