JP4947928B2 - 半導体装置用アンダーフィル材 - Google Patents

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Description

本発明は、充填性、接着性に優れた半導体の液状封止に用いられるアンダーフィル材及び当該アンダーフィル材にて封止された半導体装置に関する。
電気・電子機器の小型化、軽量化、高機能化に伴い、半導体の実装方式もピン挿入タイプから表面実装方式が主流になってきている。更に近年では半導体チップの高密度化、高集積化が進み、より高密度化が可能なフリップチップ実装方式が多くなってきている。フリップチップ実装とは、半導体チップの配線パターン面に高さ10〜100μm程度のバンプといわれる電極を数個から数千個形成し、基板の電極を導電ペーストあるいは半田等で接続する実装方式である。このフリップチップ実装方式の場合、半導体チップと基板の熱膨張係数の差によりチップと基板間に熱ストレス生じるため、半導体チップと基板を接合しただけでは半導体チップと基板が剥離してしまう。この熱ストレスを緩和する目的で、チップと基板間の数十μm程度の隙間をアンダーフィル材と呼ばれる樹脂材料等により充填封止する方法が採用されている。従来、アンダーフィル材としては液状のエポキシ樹脂が使用されているが、近年では信頼性を高めるため、アンダーフィル材の線膨張係数をバンプとして使用する半田の線膨張係数に合わせることを目的とした多量の無機充填剤の配合や、封止後のチップの反りを防止することを目的としたアンダーフィル材の低応力化、熱ストレスによる破壊、剥離防止を目的とした密着性の向上が図られている
多量の充填剤を配合する場合、アンダーフィル材自体の粘度が高くなるため、チップと基板の隙間に十分充填できないという問題や、充填速度低下による生産性の低下が問題となる。このような問題点を解決するため、反応性官能基含有シリコーン化合物を配合したアンダーフィル材(例えば特許文献1参照。)が提案されている。また、アンダーフィル材の低応力化を図るために、エポキシ基を有するケイ素化合物を配合したアンダーフィル材(例えば、特許文献2及び特許文献3参照。)が提案されている。また低応力化、高密着性を図るため、特定の構造を有するマレイミド化合物を使用した熱硬化性樹脂組成物(例えば、特許文献4参照。)が提案されている。また、エポキシ基含有ケイ素化合物を含む組成物として、特許文献5、特許文献6、特許文献7には耐熱性に優れた硬化物を与える組成物が、特許文献8には高硬度・基板への密着性に優れた硬化物を与える組成物がそれぞれ提案されているが、充填性、密着性又は耐熱衝撃性についての開示はない。
特開2001−55486 特開平10−231351 特開平11−256012 特開2003−221443 特開2004−43696号公報 特開2004−256609号公報 特開2004−346144号公報 特開2005−15581号公報
本発明の目的は、無機充填材の高充填性、密着性、耐熱衝撃性に優れた、半導体装置用アンダーフィル材を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果本発明に至った。
すなわち本発明は、
(1)一般式(1)で示されるアルコキシケイ素化合物同士またはこれと、一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物を共加水分解縮合させることにより得られるエポキシ化合物(A)
XSi(OR (1)
(式中、Xはエポキシ基を含む有機基、RはC1〜C4のアルキル基を表す。)
Si(OR(2)
(式中、RはC1〜C10のアルキル基、C1〜C10の置換アルキル基、アリール基、置換アリール基又は不飽和脂肪族残基を表す。RはC1〜C4のアルキル基を表す。)と硬化剤(B)、及び硬化促進剤(C)を含有することを特徴とする半導体装置用アンダーフィル材、
(2)一般式(1)の化合物が、Xがグリシドキシ基で置換されたC1〜C4のアルキル基又はオキシラン基を有するC5〜C8のシクロアルキル基で置換されたC1〜C6のアルキル基である化合物であり、一般式(2)の化合物が、Rが炭素数6以下のアルキル基、アリール基又は(メタ)アクリロイル基である(1)記載の半導体装置用アンダーフィル材、
(3)エポキシ化合物(A)が下記一般式(3)記載の骨格構造を有することを特徴とする(1)に記載の半導体装置用アンダーフィル材、
Figure 0004947928
(式中Rはエポキシ基を有する置換基、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10の置換アルキル基、アリール基、置換アリール基又は不飽和脂肪族残基を示し、複数個あるRはそれぞれ互いに同一でも異なっていても良いが、少なくとも1つはエポキシ基を含む置換基である。)
(4)エポキシ化合物(A)以外のエポキシ樹脂を含有する(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の半導体装置用アンダーフィル材、
(5)(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の半導体装置用アンダーフィル材で封止された半導体装置、
に関する。
本発明の半導体封止用アンダーフィル材は、高充填性、密着性、耐熱衝撃性に優れた硬化物を与えることが出来、それら特性が要求される半導体封止材、アンダーフィル材等の電気・電子デバイス材料の用途に極めて有用である。
本発明の半導体封止用アンダーフィル材は、一般式(1)で示されるアルコキシケイ素化合物同士またはこれと一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物を、共加水分解縮合することにより得られるエポキシ樹脂(A)、
XSi(OR (1)
(式中、Xはエポキシ基を含む有機基、RはC1〜C4のアルキル基を表す。)
Si(OR(2)
(式中、RはC1〜C10のアルキル基、C1〜C10の置換アルキル基、アリール基、置換アリール基又は不飽和脂肪族残基を表す。RはC1〜C4のアルキル基を表す。)と硬化剤(B)、及び硬化促進剤(C)を含有する。
本発明の半導体封止用アンダーフィル材で用いられるエポキシ化合物(A)を製造するために使用する、一般式(1)のアルコキシケイ素化合物中のエポキシ基を有する有機基Xとしては、エポキシ基を有する有機基であれば特に制限はないが、例えば、オキシグリシジル基で置換された炭素数4以下のアルキル基であるグリシドキシアルキル基、オキシラン基を有する炭素数5〜8のシクロアルキル基で置換されたC1〜C6のアルキル基、グリシジル基が挙げられる。炭素数4以下のアルキル基にオキシグリシジル基が結合したグリシドキシアルキル基としては、具体的には例えば、β−グリシドキシエチル、γ−グリシドキシプロピル、γ−グリシドキシブチル等が挙げられる。オキシラン基を有する炭素数5〜8のシクロアルキル基で置換されたC1〜C6のアルキル基としては、具体的には例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘプチル)エチル基、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)プロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ペンチル基等が挙げられる。これらの中で、C1〜C3のアルキル基にオキシグリシジル基が結合したグリシドキシアルキル基、オキシラン基を持ったC5〜C8のシクロアルキル基で置換された炭素数3以下のアルキル基、例えば、β−グリシドキシエチル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基が好ましい。
また、一般式(1)におけるR、一般式(2)におけるRの例としては、C1〜C4のアルキル基が挙げられる。具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。これらR、Rは、相溶性、反応性等の反応条件の観点から、メチル又はエチルであることが好ましい。
一般式(1)の化合物として用いることのできる化合物の好ましい具体例としては、例えば、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。これら一般式(1)で示されるアルコキシケイ素化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を用いても良い。
一般式(1)のアルコキシケイ素化合物は、信越化学工業株式会社、チッソ株式会社、東レ・ダウコーニング株式会社などから入手可能である。
本発明で使用する一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物中の置換基Rの例としては、直鎖状または分岐状のC1〜C10のアルキル基または置換アルキル基、アリール基、置換アリール基又は(メタ)アクリロイル基等の不飽和脂肪残基が挙げられる。具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、アミル基、へキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。これらの中で、C1〜C6のアルキル基、アリール基又は(メタ)アクリロイル基が好ましい。
一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物として用いることのできる化合物の好ましい具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これら一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を用いても良い。
一般式(2)のアルコキシケイ素化合物は、信越化学工業株式会社、チッソ株式会社、東レ・ダウコーニング株式会社などから入手可能である。
本発明の半導体装置用アンダーフィル材で用いられるエポキシ化合物(A)は、一般式(1)のアルコキシケイ素化合物を必須成分とし、一般式(1)の化合物同士、または一般式(1)の化合物と、一般式(2)のアルコキシケイ素化合物とを(共)加水分解縮合させることにより得ることが出来る。一般式(1)のアルコキシケイ素化合物及び一般式(2)のアルコキシケイ素化合物の配合割合は、一般式(1)と一般式(2)のアルコキシケイ素化合物の総モル数を100モル%とした場合に、一般式(1):一般式(2)=100〜5モル%:95〜0モル%、好ましくは一般式(1):一般式(2)=100〜10モル%:90〜0モル%である。また、(共)加水分解縮合のために添加する水の添加量としては反応系全体のアルコキシ基1モルに対して0.1〜1.5モル当量が好ましく、0.2〜1.2モル当量が特に好ましい。
縮合反応に使用する触媒としては従来公知のアルコキシシラン類の縮合を促進する触媒の内、エポキシ基を開環しないものを使用することが出来る。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウム等の有機塩基、金属アルコキシド、有機錫、有機酸錫等が例示される。これらの中でも特に、無機塩基、有機酸錫が好ましい。触媒の添加量は、反応系中のアルコキシケイ素化合物の合計重量に対し、通常0.001〜7.5重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
縮合反応は、無溶剤または溶剤中で行うことができる。溶剤としては、一般式(1)および一般式(2)のアルコキシケイ素化合物を溶解する溶剤であれば特に制限はない。このような溶剤としては、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのような非プロトン性極性溶媒、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素等が例示できる。その中でも非プロトン性極性溶媒が好ましい。溶剤の使用量は、反応が円滑に進行する範囲であれば特に制限はないが、一般式(1)と一般式(2)の化合物の合計重量100部に対して、通常50〜900重量部程度使用する。
縮合反応における反応温度は、触媒量にもよるが、通常20〜160℃、好ましくは40〜140℃である。又、反応時間は通常1〜12時間である。
このようにして得られるエポキシ化合物(A)の分子量は、重量平均分子量で400〜50000のものが好ましく、750〜30000のものがより好ましい。重量平均分子量で400未満の場合、組成物にした場合の硬化性が低下する傾向があり、50000より大きい場合、組成物の粘度が高くなり過ぎることがある。
本発明の半導体装置用アンダーフィル材においては、エポキシ化合物(A)以外の他のエポキシ樹脂を併用することができる。この場合、エポキシ化合物(A)が全エポキシ基含有化合物中に占める割合は、10重量%以上が好ましい。使用することができる他のエポキシ樹脂としては、通常、電気・電子部品に使用されるエポキシ樹脂であれば特に制限はなく、通常フェノール性水酸基を2個以上有する化合物をグリシジル化して得ることができる。用いうるエポキシ樹脂の具体例としては、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールF、ビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ビスフェノールF、ビスフェノールS若しくはビスフェノールK等のビスフェノール類、又はビフェノール若しくはテトラメチルビフェノール等のビフェノール類、又はハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン若しくはジ−tert−ブチルハイドロキノン等のハイドロキノン類、又はレゾルシノール若しくはメチルレゾルシノール等のレゾルシノール類、又はカテコール若しくはメチルカテコール等のカテコール類、又はジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシメチルナフタレン若しくはジヒドロキシジメチルナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類のグリシジル化物やフェノール類若しくはナフトール類とアルデヒド類との縮合物、又はフェノール類若しくはナフトール類とキシリレングリコールとの縮合物又はフェノール類とイソプロペニルアセトフェノンとの縮合物又はフェノール類とジシクロペンタジエンとの反応物又はビスメトキシメチルビフェニルとナフトール類若しくはフェノール類との縮合物のグリシジル化物等が挙げられる。これらは、市販若しくは公知の方法により得ることが出来る。その他EHPE−3150、セロキサイド2021(ダイセル化学工業株式会社製)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の脂環式エポキシ樹脂、TEPIC、TEPIC−L、TEPIC−H、TEPIC−S(いずれも日産化学工業株式会社製)等の複素環式エポキシ樹脂も併用しうるエポキシ樹脂として挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いても良い。
本発明の半導体装置用アンダーフィル材において、エポキシ化合物(A)を含むエポキシ含有化合物(他のエポキシ樹脂を加える場合も含む)の使用量は、組成物の固形分全体に対して10〜99重量%、好ましくは15〜99重量%である。
硬化剤(B)としては、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として使用されている、アミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物等を特に制限無く使用できる。具体的には、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン、ジシアンジアミド、テトラエチレンペンタミン、ベンジルジメチルアミン、ケチミン化合物、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ビスフェノール類、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒドとの重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物との重合物、フェノール類と芳香族ジメチロールとの重縮合物、又はビスメトキシメチルビフェニルとナフトール類若しくはフェノール類との縮合物等、ビフェノール類及びこれらの変性物、イミダゾール、3フッ化硼素−アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられる。硬化剤の使用量は、組成物中のエポキシ基1当量に対して0.2〜1.5当量が好ましく、0.3〜1.2当量が特に好ましい。また、硬化剤として3級アミンを使用する場合、その使用量は、組成物中のエポキシ基含有化合物(本発明のエポキシ化合物と必要により他のエポキシ樹脂)に対し、0.3〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量%が特に好ましい。
本発明の半導体装置用アンダーフィル材中には必要により硬化促進剤(C)を含有させることができる。硬化促進剤(C)としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチルー4−メチルイミダゾール、等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルフォスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物、第4級ホスホニウム塩などが挙げられる。硬化促進剤(C)は、組成物中のエポキシ基含有化合物100重量部に対して0.01〜15重量部が必要に応じ用いられる。
更に、本発明の半導体装置用アンダーフィル材には、必要に応じてシリカ、アルミナ、ガラスファイバー、タルク等の充填材や離型剤、顔料、表面処理剤、粘度調整剤、可塑剤、安定剤、カップリング剤等、種々の配合剤を添加することができる。
また、本発明の半導体装置用アンダーフィル材を、溶剤に溶解し、ワニスとして使用することも出来る。溶剤としては、組成物の各成分を溶解する物であれば特に限定されないが、例えばトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これら溶剤の溶解したワニスを、ガラス繊維、カーボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ、加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形して本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を得ることも出来る。
その際溶剤は、本発明の半導体装置用アンダーフィル材と溶剤の合計重量に対し溶剤の占める割合が、通常10〜70重量%、好ましくは15〜65重量%となる量使用する。
本発明の半導体装置用アンダーフィル材は、各成分を均一に混合することにより得られる。本発明の熱硬化性樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えばエポキシ基含有化合物と硬化剤並びに必要により硬化促進剤及び無機フィラー等の配合剤とを必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合、分散、脱泡することにより得ることができる。得られた熱硬化性樹脂組成物を塗布、注型あるいはトランスファー成型機などを用いて成型し、さらに80〜200℃で2〜10時間加熱することにより本発明の半導体装置用アンダーフィル材の硬化物を得ることができる。
以下、本発明を実施例で具体的に説明する。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、実施例中特に断りがない限り、部は重量部を示す。また、実施例中の各物性値は以下の方法で測定した。
(1)重量平均分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
(2)エポキシ当量:JIS K−7236に記載の方法で測定。
(3)核磁気共鳴スペクトル:日本電子株式会社製 JNM−ECA400を使用し29Siの核磁気共鳴スペクトル(NMR)を測定。
合成例1
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)94.4部、メチルイソブチルケトン(純正化学株式会社製)188.8部を反応容器に仕込み、80℃に昇温した。昇温後、0.1重量%水酸化カリウム(純正化学株式会社製)水溶液10.8部を30分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、80℃にて5時間反応させた。反応終了後、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返した。次いで減圧下で溶媒を除去することにより本発明に用いるエポキシ化合物(A−1)66部を得た。得られたエポキシ化合物のエポキシ当量は170g/eq、重量平均分子量は2300であった。本エポキシ化合物(A−1)の1H−NMR(CDCl3溶液)のエポキシ環のメチンピーク(3.2ppm付近)からエポキシ環が保持されており、メトキシ基のピーク(3.6ppm付近)が消失していることからメトキシ基が置換されていることが確認された。また、得られた化合物の29Si−NMR(CDCl3溶液)を測定した結果、−65〜−70ppm付近にSiに3つの−O−Si≡が結合した構造に帰属されるピークが観測された。
合成例2
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン85.1部、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)5.4部、メチルイソブチルケトン181部、0.1重量%水酸化カリウム水溶液10.8部を反応容器に仕込み、80℃に昇温した。昇温後、80℃にて5時間反応させた。反応終了後、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返した。次いで減圧下で溶媒を除去することにより本発明に用いるエポキシ化合物(A−2)63部を得た。得られたエポキシ化合物のエポキシ当量は177g/eq、重量平均分子量は2600であった。本エポキシ化合物(A−2)のH−NMR(CDCl溶液)のエポキシ環のメチンピーク(3.2ppm付近)からエポキシ環が保持されており、メトキシ基のピーク(3.6ppm付近)が消失していることからメトキシ基が置換されていることが確認された。また、得られた化合物の29Si−NMR(CDCl溶液)を測定した結果、−65〜−70ppm付近にSiに3つの−O−Si≡が結合した構造に帰属されるピークが観測された。
実施例1、2および比較例1
エポキシ化合物、硬化剤、硬化促進剤及び充填材を表1に記載の割合(部)で秤量し、3本ロールにて分散混練した後、真空脱泡処理することにより本発明の半導体装置用アンダーフィル材及び比較例の熱硬化性樹脂組成物を作製した。作製した材料を用いて以下の試験を行い、結果を表2に示した。
(1)充填性試験:80℃の熱板上にて得られた本発明の半導体装置用アンダーフィル材及び比較例の熱硬化性樹脂組成物をフリップチップ実装パッケージに5分間注入させた後、150℃にて2時間、オーブン中で加熱硬化することにより充填性試験用パッケージを得た。得られたパッケージ内部の充填状態を超音波探傷機にて観察し、充填不良があるものを×、充填不良が無いものを○として評価した。
(2)密着性:厚さ1mmのガラス板上に得られた本発明の半導体装置用アンダーフィル材及び比較例の熱硬化性樹脂組成物を塗布し、その上に2mm角のシリコンチップを載せ、150℃にて2時間、オーブン中で硬化させることによってシリコンチップをガラス板に接着した。接着したシリコンチップの接着強度をプッシュプルゲージで測定した(吸湿前)。また同様にして作製した試験片を湿度85%、温度85℃にて72時間吸湿処理を施し、同様に接着強度を測定した(吸湿前)。
(3)耐熱衝撃性:80℃の熱板上にて得られた本発明の半導体装置用アンダーフィル材及び比較例の熱硬化性樹脂組成物をフリップチップ実装パッケージに5分間注入させた後、150℃にて2時間、オーブン中で加熱硬化することにより耐熱衝撃性試験用パッケージを得た。得られたパッケージを−65℃にて5分間冷却しその後125℃にて5分間熱処理することを1サイクルとした冷熱試験を100サイクル行い、試験後のパッケージを超音波探傷機にてシリコンチップ界面を観察、次式より計算した不良率より耐熱衝撃性を評価した。
不良率(%)=(界面剥離が観察されたパッケージ数÷試験に供したパッケージ数)×100
表1
実施例1 実施例2 比較例1
A−1 50
A−2 50

エポキシ樹脂1 50 50 100
硬化剤 99 97 99
2E4MZ 1 1 1
シリカ1 60 59 60
シリカ2 60 59 60

エポキシ樹脂1:液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製);エポキシ当量170g/eq、粘度4500mPa・s
硬化剤:メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化株式会社製)
2E4MZ:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製)
シリカ1:平均粒径7.9μmの溶融球状シリカ(電気化学工業株式会社製)
シリカ2:平均粒径0.3μmの溶融球状シリカ(電気化学工業株式会社製)
表2
実施例1 実施例2 比較例1
充填性 ○ ○ ×
密着性(吸湿前)(kg/cm) 103 102 100
密着性(吸湿後)(kg/cm) 60 70 10
不良率(%) 0 0 100
以上より、本発明の半導体装置用アンダーフィル材は、従来のエポキシ樹脂を使用した場合と比較して、充填性、密着性、耐熱衝撃性に優れた硬化物を与えることが出来るため、半導体のフリップチップ実装等の信頼性を高めることが出来る。
本発明の半導体装置用アンダーフィル材は、密着性、耐熱衝撃性に優れることから、半導体のフリップチップ実装に使用される他、その他半導体封止材、電子部品の層間絶縁材、プリント配線基板等の電気・電子材料、印刷インキ、塗料、各種コーティング剤、接着剤としても利用できる。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で示されるアルコキシケイ素化合物同士またはこれと、一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物を共加水分解縮合させることにより得られるエポキシ化合物(A)
    XSi(OR
    (1)
    (式中、Xはグリシドキシ基で置換されたC1〜C4のアルキル基、RはC1〜C4のアルキル基を表す。)
    Si(OR(2)
    (式中、RはC1〜C10のアルキル基、アリール基又は不飽和脂肪族残基を表す。RはC1〜C4のアルキル基を表す。)と硬化剤(B)、及び硬化促進剤(C)を含有することを特徴とする半導体装置用アンダーフィル材。
  2. が炭素数6以下のアルキル基、アリール基又は(メタ)アクリロイル基である請求項1に記載の半導体装置用アンダーフィル材。
  3. エポキシ化合物(A)が下記一般式(3)記載の骨格構造を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置用アンダーフィル材。
    Figure 0004947928
    (式中Rはグリシドキシ基で置換されたC1〜C4のアルキル基、C1〜C10のアルキル基、アリール基又は不飽和脂肪族残基を示し、複数個あるRはそれぞれ互いに同一でも異なっていても良いが、少なくとも1つはエポキシ基を含む置換基である。)
  4. エポキシ化合物(A)以外のエポキシ樹脂を含有する請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のいずれか一項に記載の半導体装置用アンダーフィル材。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置用アンダーフィル材で封止された半導体装置。
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