JP4947048B2 - 無線通信装置、その無線通信方法及び無線通信プログラム - Google Patents

無線通信装置、その無線通信方法及び無線通信プログラム Download PDF

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Description

本発明は、通信方式が異なる複数の無線通信手段を備えた無線通信装置、その無線通信方法及び無線通信プログラムに関する。
近年になり、携帯電話通信網におけるコアネットワークのIP(Internet Protocol)化の進展により、携帯電話機とIPプロトコルとの親和性がますます高まっている。その流れで、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)やWLAN(Wireless Local Area Network,IEEE802.11)等といった通信方式が異なる複数の無線通信手段を備えた携帯電話機も登場してきている。このような携帯電話機では、それぞれの無線通信手段を利用して通話が可能であり、それに加え、異なる通信方式間(例えばW−CDMAとWLANとの間)の通話しながらのハンドオーバについても取り組みが為されている。今後は、適宜無線通信手段の切り替えを行い、適切な無線通信手段を用いて通話を行う方向に進むと考えられる。
従来技術においては、通信方式毎に、無線通信手段の消費電力、通信コスト、通信品質といった通信に関するパラメータを予め装置内にリスト形式で保持しておき、通信開始時に、ユーザーが重要視する指標を満たす通信方式の無線通信手段を選択するようにした装置がある。
例えば特許文献1には、電子メールやファイル転送等の通信アプリケーションの起動時に、ユーザにより予め設定されている重視すべき判断要素(データ送受信の所要時間,通信回線の使用料金,又は通信回線利用時の消費電力)と各判断要素についてのデータとに基づいて、適切な無線通信手段を自動的に選択する無線データ通信装置が提案されている。
また、特許文献2には、ある無線通信手段を使用しての通話中に、電池の残存容量が低下して所定値未満になると、使用する無線通信手段を、現在使用中の無線通信手段よりも消費電力が小さい無線通信手段へ切り換える無線通信装置が提案されている。
しかしながら、従来技術においては、消費電力に基づいて無線通信手段を選択する場合に、その選択が、予め保持されている無線通信手段の消費電力に関するパラメータに基づいて行われているため、無線通信手段が消費する電力の動的変化や、無線通信手段以外の通信中に利用される機能ブロックが消費する電力も含めた通信に関するトータルの消費電力については見積もることができない。従って、消費電力を抑えるのに最適な無線通信手段を選択することができない虞があった。
本発明は、上記実情に鑑み、消費電力を抑えるのに最適な無線通信手段を選択すること、及び、消費電力を抑えるのに最適な無線通信手段へ変更することが可能な無線通信装置を提供することを目的とする。
特開2000−224652号公報 特開2000−232683号公報
発明の第の態様に係る無線通信装置は、通信方式が異なる複数の無線通信手段を備えた無線通信装置であって、各通信方式による通信時又はテスト通信時において、当該通信時又は当該テスト通信時に利用されている、前記無線通信手段を含む複数の手段の各々についての消費電力を計測する計測手段と、前記計測手段により計測された前記各々についての消費電力の総和である総消費電力を算出する算出手段と、前記複数の無線通信手段のいずれかを用いて、通信先無線通信装置から、前記通信先無線通信装置における通信方式及び消費電力に関する情報を受信する受信手段と、前記各通信方式についての総消費電力と、前記通信先無線通信装置における通信方式及び消費電力に関する情報とに基づいて、利用する通信方式を選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の第の態様に係る無線通信装置は、通信方式が異なる複数の無線通信手段を備えた無線通信装置であって、前記複数の無線通信手段のいずれかを用いて、通信先無線通信装置に対し、自装置についての通信方式及び消費電力に関する情報を送信する送信手段と、前記送信手段による送信の後、前記通信先無線通信装置から受ける通信方式の変更要求に応じて、自装置の通信方式を変更する変更手段とを備えることを特徴とする。
、本発明は、無線通信装置に限らず、無線通信方法、無線通信プログラムとして構成することも可能である。
本発明は、後述する詳細な説明を、下記の添付図面と共に参照すればより明らかになるであろう。
実施例1に係る無線通信装置である携帯情報端末装置の機能ブロック図である。 W−CDMA或いはWLANにより通話を行う際に利用されるユニットを示す図である。 通話開始時の携帯情報端末装置の動作を示すフローチャートである。 通話中の携帯情報端末装置の動作を示すフローチャートである。 実施例2に係る、通話を行う2つの携帯情報端末装置A,B間の動作を示すフローチャートである。 通信方式/消費電力のリストの一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る無線通信装置である携帯情報端末装置(以下単に「携帯端末」という)の機能ブロック図である。
同図において、WLAN通信部1は、アンテナ1bを介してWLANの通信方式により通信を行う無線通信手段である。電流計測部1aは、当該WLAN通信部1の消費電流を計測する。
W−CDMA通信部2は、アンテナ2bを介してW−CDMAの通信方式により通信を行う無線通信手段である。電流計測部2aは、当該W−CDMA通信部2の消費電流を計測する。
表示部3は、CPU部10の制御の基に、例えば通信中に利用されている通信方式などの各種情報を表示する。電流計測部3aは、当該表示部3の消費電流を計測する。
Memory部(記憶部)4は、各種情報の記憶エリアやCPU部10のワークエリア等として使用されるRAMであり、その記憶エリアの一部である電力消費データ蓄積部4bには、詳しくは後述する消費電力に関するデータが記憶される。電流計測部4aは、当該Memory部4の消費電流を計測する。
ROM5は、CPU部10が当該携帯端末全体の動作を制御するための制御プログラム5a等を記憶する。
AUDIO部6は、D/A変換部6aとA/D変換部6bとを備える。D/A変換部6aは、CPU部10から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換してスピーカー7へ出力する。A/D変換部6bは、マイク8から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換してCPU部10へ出力する。
スピーカー7は、D/A変換部6aから出力されたアナログ信号に応じた音声を出力する。マイク8は、入力された音声に応じたアナログ信号をA/D変換部6bへ出力する。
操作部(Key)9は、各種のキーを備え、ユーザにより操作されたキーに応じた操作信号をCPU部10へ出力する。
CPU部10は、ROM5に記憶されている制御プログラム5aを読み出し実行することにより、当該携帯端末全体の動作を制御する。また、CPU部10は、電力計測部10a、音声秘匿処理部10b、IP処理部10c、及び音声コーデック部10eを備える。電力計測部10aは、電流計測部1a、2a、3a、及び4aの各々によって計測された消費電流を基に各々の消費電力を計測する。また、電力計測部10aは、音声秘匿処理部10b、IP処理部10c、及び音声コーデック部10eの消費電力も計測する。音声秘匿処理部10bは、W−CDMAによる通信を行う際のデジタル音声データの暗号化および復号化の処理(音声秘匿処理)を行う。IP処理部10cは、デジタル音声データのIPパケット化や、IPパケットからデジタル音声データを取り出す処理等を行う。また、IP処理部10cは、IPsec(IP Security)を利用してIPパケットの暗号化および復号化の処理を行うIPパケット暗号化処理部10dを備える。音声コーデック部10eは、AMR(Advanced Multi Rate CODEC)による音声符号化および音声復号化の処理を行うAMR部10fと、G.711による音声符号化および音声復号化の処理を行うG.711部10gとを備える。
尚、本実施例において、前述の電力計測部10a、音声秘匿処理部10b、IP処理部10c、及び音声コーデック部10eは、CPU部10が制御プログラム5aを実行することにより実現されるものである。
また、本実施例において、電力計測部10aにより計測される、WLAN通信部1、W−CDMA通信部2、表示部3、及びMemory部4の各々の消費電力は、各ユニットで計測された消費電流と各ユニットへ供給される電圧との積から求めることができる。また、音声秘匿処理部10b、IP処理部10c、及び音声コーデック部10eの各々の消費電力は、CPU部10上で動作する各プロセスの占有率を求めることが可能なパフォーマンスモニタなどのツールを利用して、その各々のユニットのプロセスの占有率を求め、その各々のユニットについて、プロセスの占有率とCPU部10全体としての消費電力との積を求めることにより、得ることができる。尚、CPU部10全体としての消費電力は、前述と同様に、CPU部10の消費電流を計測し、それとCPU部10に供給される電圧との積により求めることができる。
図2は、図1に示した携帯端末において、W−CDMA或いはWLANにより通話を行う際に利用されるユニットを示す図である。
図2に示したように、W−CDMAにより通話を行う場合、着信は、W−CDMA通信部2⇒音声秘匿処理部10b⇒音声コーデック部10のAMR部10f⇒D/A変換部6a⇒スピーカー7といったユニットを経て行われる。発信は、マイク8⇒A/D変換部6b⇒音声コーデック部10のAMR部10f⇒音声秘匿処理部10b⇒W−CDMA通信部2といったユニットを経て行われる。
このように、W−CDMAにより通話を行う場合には、W−CDMA通信部2、音声秘匿処理部10b、音声コーデック部10のAMR部10f、D/A変換部6a、A/D変換部6b、スピーカー7、及びマイク8の7つのユニットが利用される。また、これ以外にも、W−CDMAによる通話時には、所定の表示(例えばW−CDMAによる通話を行っていることを示す表示)を行う表示部3や、詳しくは後述するが、その通話時の消費電力に関するデータが書き込まれるMemory部4(電力消費データ蓄積部4b)も利用される。
本実施例では、これらのW−CDMAによる通話中に利用されるユニットのうち、W−CDMA通信部2、音声秘匿処理部10b、音声コーデック部10のAMR部10f、表示部3、及びMemory部4の各ユニットの消費電力を計測し、それらの総和を求めることにより、W−CDMAによる通話時のトータルの消費電力を得る。
また、本実施例では、W−CDMAによるテスト動作としての通話(所定の発信先への発信動作)を行い、その時の各ユニット(2、10b、10の10f、3、及び4)の消費電力を計測し、それらの総和を求めることにより、W−CDMAによるテスト動作としての通話時(以下単に「W−CDMAによるテスト通話時」という)のトータルの消費電力を得る。
これにより、携帯端末は、W−CDMAによる通話時及びテスト通話時の各々において利用されるユニットの消費電力として、W−CDMA通信部2の消費電力だけでなく、それ以外のユニット(10b,10の10f,3,及び4)も含めた消費電力を見積もることができる。
一方、WLANにより通話を行う場合、着信は、WLAN通信部1⇒IPパケット暗号化処理部10d⇒IP処理部10c⇒音声コーデック部10のG.711部10g⇒D/A変換部6a⇒スピーカー7といったユニットを経て行われる。発信は、マイク8⇒A/D変換部6b⇒音声コーデック部10のG.711部10g⇒IP処理部10c⇒IPパケット暗号化処理部10d⇒WLAN通信部1といったユニットを経て行われる。
このように、WLANにより通話を行う場合には、WLAN通信部1、IPパケット暗号化処理部10d、IP処理部10c、音声コーデック部10のG.711部10g、D/A変換部6a、A/D変換部6b、スピーカー7、及びマイク8の8つのユニットが利用される。また、これ以外にも、前述と同様に、WLANによる通話中には、所定の表示(例えばWLANによる通話を行っていることを示す表示)を行う表示部3や、詳しくは後述するが、その通話中の消費電力が書き込まれるMemory部4(電力消費データ蓄積部4b)も利用される。
本実施例では、これらのWLANによる通話中に利用されるユニットのうち、WLAN通信部1、IPパケット暗号化処理部10d、IP処理部10c、音声コーデック部10のG.711部10g、表示部3、及びMemory部4の各ユニットの消費電力を計測し、それらの総和を求めることにより、WLANによる通話時のトータルの消費電力を得る。
また、本実施例では、WLANによるテスト動作としての通話(所定の発信先への発信動作)を行い、その時の各ユニット(1、10d、10c、10の10g、3、及び4)の消費電力を計測し、それらの総和を求めることにより、WLANによるテスト動作としての通話時(以下単に「WLANによるテスト通話時」という)のトータルの消費電力を得る。
これにより、携帯端末は、WLANによる通話時及びテスト通話時の各々において利用されるユニットの消費電力として、WLAN通信部1の消費電力だけでなく、それ以外のユニット(10d,10c,10の10g,3,及び4)も含めた消費電力を見積もることができる。
尚、本実施例では、WLANにより通話を行う際に利用されるユニットとして、IPパケット暗号化処理部10dを含めたが、例えば、WLANで企業内のイントラネットに接続する場合など、ネットワークによりセキュリティが担保されているときには、IPパケット暗号化処理部10dを含めないようにすることもできる。このように、WLANによる通話の際に利用されるユニットの構成および消費電力は、状況によって変更することもできる。これは、W−CDMAによる通話においても同様である。
次に、この携帯端末の通信動作として、通話開始時の動作と、通話中の動作について説明する。
図3は、通話開始時の携帯端末の動作を示すフローチャートである。
同図において、まず、S1(消費電力取得フェーズ)では、W−CDMAとWLANの各々の通信方式についての音声通話アプリケーションをテスト動作させて、その各々の通信方式についてのテスト通話(前述の所定の発信先への発信動作)を行い、その各々についてのテスト通話時のトータルの消費電力を求め、これらのデータを、Memory部4の電力消費データ蓄積部4bに格納する。
S2(通信方式選択フェーズの前半処理)では、電力消費データ蓄積部4bに格納されている、前ステップで求められた各々の通信方式についてのテスト通話時のトータルの消費電力のデータと、各々の通信方式についての前回通話時のトータルの消費電力のデータとを元に、データに対する重み付け及び消費電力の誤差補正を行い、各々の通信方式についての消費電力を算出する。
データに対する重み付けでは、前ステップで求められた各々の通信方式についてのテスト通話時のトータルの消費電力のデータと、各々の通信方式についての前回通話時のトータルの消費電力のデータとに関して、例えば後者の消費電力のデータを重視する場合には、式(1)に示すようなデータに対する重み付けを行う。
重み付け後の消費電力のデータ =
前回通話時のトータルの消費電力のデータ×0.3 +
テスト通話時のトータルの消費電力のデータ×0.7 式(1)
また、消費電力の誤差補正では、例えば、電力消費データ蓄積部4bに格納されている、各々の通信方式についてのテスト通話時のトータルの消費電力の最大値及び最小値のデータ、又は及び、各々の通信方式についての通話時のトータルの消費電力の最大値及び最小値のデータなどを用いて行う。
尚、S2において、電力消費データ蓄積部4bに格納されている、各々の通信方式についてのテスト通話時および通話時のトータルの消費電力のデータ(但し、S1で得られたテスト通話時のトータルの消費電力のデータを除く)は、詳しくは図4を用いて後述する通話中の動作により得られるものである。
S3(通信方式選択フェーズの後半処理)では、前ステップで算出された各々の通信方式についての消費電力のデータを比較し、その値が小さい方の通信方式を選択する。尚、これにより、無線通信手段として、選択された通信方式の無線通信手段が選択される。
S4では、前ステップで選択された通信方式を用いて通話を開始する。
このような動作により、携帯端末は、通信開始時において、消費電力を抑えるのに最適な通信方式を選択して通話を開始することができる。
尚、本フローにおいて、S2では、データに対する重み付け及び消費電力の誤差補正を行っているが、データに対する重み付けのみを行うようにすることもできる。
また、本フローにおいて、S1の処理を省略することもできる。但し、この場合、S2及びS3では、電力消費データ蓄積部4bに格納されている各々の通信方式についての前回通話時のトータルの消費電力のデータを比較して、その値が小さい方の通信方式を選択する。或いは、S2及びS3では、電力消費データ蓄積部4bに格納されている各々の通信方式についての通話時のトータルの消費電力のデータの平均値を求め、それらを比較して、その値が小さい方の通信方式を選択する。
図4は、通話中の携帯端末の動作を示すフローチャートである。
同図において、まず、S11では、前述の図3に示したフローに従って通話を開始する。
S12では、現在の通話に利用されている通信方式についての通話時のトータルの消費電力を求め、このデータをログ形式でMemory部4の電力消費データ蓄積部4bに格納する。
S13では、現在の通話に利用されていない通信方式についてのテスト通話を行い、テスト通話時のトータルの消費電力を求め、このデータをログ形式で電力消費データ蓄積部4bに格納する。但し、このS13の処理は、例えば所定回数に1回の割合で実行される等というように、必ずしも毎回行われなくても良い。
S14では、図2のS2で説明した処理と同様に、データに対する重み付け及び消費電力の誤差補正を行い、各々の通信方式についての消費電力を算出する。尚、データに対する重み付けに使用される計算式は、前述の式(1)と異なるものであってもよい。
S15では、前ステップで算出された各々の通信方式についての消費電力を比較し、その値が小さい方の通信方式と、現在の通話に利用されている通信方式とが異なるか否かを判定する。すなわち、現在の通話に利用されている通信方式よりも消費電力を下げることが可能な通信方式があるか否かを判定する。ここで、その判定結果がYesの場合にはS16へ進み、Noの場合にはS12へ戻る。
S16では、S15の判定がYesになった通信方式に対応して設けられているカウント値を+1し、そのカウント値が所定値に達したか否かを判定する。ここで、その判定結果がYesの場合には、そのカウント値を0にリセットしてS17へ進み、Noの場合にはS12へ戻る。尚、このS16の判定処理を設けた理由は、例えばS15がYesになる状況が一時的なものである場合など、不必要な通信方式の変更が行われるのを防止するためである。
S17では、通話に利用する通信方式を変更する。本実施例では、携帯端末が通話可能な通信方式はW−CDMAとWLANの2つだけなので、W−CDMAが利用されていた場合には、WLANへ変更され、WLANが利用されていた場合には、W−CDMAへ変更される。尚、これにより、通話に利用する無線通信手段が変更される。そして、通信方式の変更が終了すると、S12へ戻る。
このような動作により、携帯端末は、通話中において、消費電力を抑えるのに最適な通信方式へ変更して通話を行うことができる。
尚、本フローにおいて、S13の処理を省略することもできる。但し、この場合、S14では、電力消費データ蓄積部4bから、各々の通信方式についての前回通話時のトータルの消費電力のデータを読み出し、S15では、それらを比較し、その値が小さい方の通信方式と、現在の通話に利用されている通信方式とが異なるか否かを判定する。
また、本フローにおいて、S16の処理を省略したとしても不必要な通信方式の変更が行われる虞がない場合には、S16の処理を省略することもできる。この場合は、S15の判定結果がYesになったらS17へ処理が進む。
また、本フローにおいて、S16の判定条件は、前述の条件に限らず、例えば、通話に利用されている通信方式と通話に利用されていない通信方式との間の消費電力の差がある閾値以上(例えば100mW以上)であるか否かを判定し、その判定結果がYesの場合にはS17へ進み、Noの場合にはS12へ戻るようにすることもできる。
尚、図3及び図4に示したフローにおいて、S1、S12、及びS13の処理により、各々の通信方式についての通話時及びテスト通話時のトータルの消費電力のデータが電力消費データ蓄積部4bに格納されていくことで、電力消費データ蓄積部4bの空き領域が無くなった場合には、電力消費データ蓄積部4bに格納されている古いデータから順に削除して空き領域を確保する。
以上、本実施例によれば、W−CDMAとWLANという通信方式が異なる2つの無線通信手段を備えた携帯端末において、無線通信手段が消費する電力の動的変化や、無線通信手段以外の通信中に利用されるユニットが消費する電力も含めた通信に関するトータルの消費電力について見積もることができ、通話開始時には消費電力を抑えるのに最適な通信方式を選択して通話を開始することができ、通話中には消費電力を抑えるのに最適な通信方式へ変更して通話を行うことができる。これにより、携帯端末の電力消費を抑えることができ、通話時間の更なる延長が可能になる。
尚、本実施例では、携帯端末が通信可能な通信方式をW−CDMAとWLANの2つとしたが、3つ以上であってもよい。また、その通信方式は、W−CDMAとWLANに限らず、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access,IEEE 802.16a)や、GSM(Global System for Mobile Communications)や、Bluetoothなど、他の通信方式を適用することも可能である。
また、本実施例では、各々の通信方式についての通話時およびテスト通話時に利用されるユニットのトータルの消費電力を求めて通信方式の選択や変更が行われているが、各々の通信方式についての通話時およびテスト通話時の無線通信手段のみの消費電力を求めて通信方式の選択・変更を行うようにすることもできる。
実施例1では、自装置で求めた消費電力を基に通信方式を変更して通話を行うものであったが、実施例2では、自装置で求めた消費電力と通話先の携帯端末で求められた消費電力とを基に通信方式を変更して通話を行うものである。
図5は、実施例2に係る、通話を行う2つの携帯端末A,B間の動作を示すフローチャートである。尚、本フローの動作は、携帯端末Aがマスター、携帯端末Bがスレーブとして動作する。また、携帯端末A,Bの各々についての構成及び動作は、本実施例で説明する以外、実施例1で説明した携帯端末と同様である。
同図において、まず、S21では、携帯端末Aが、図3に示したフローに従って通信方式を選択し、携帯端末Bとの通話を開始する。
そして、携帯端末A,Bの間でセッションが確立されると、S22では、携帯端末Aが携帯端末Bに対し通信方式/消費電力のリストを要求する。
S23では、携帯端末Bが、その要求に応じて、自装置の電力消費データ蓄積部4bに格納されている消費電力のデータなどに基づいて、自装置についての通信方式/消費電力のリストを生成し、これを携帯端末Aに送信する。
ここで、通信方式/消費電力のリストの一例を図6に示す。
同図に示したように、このリストには、当該携帯端末について、利用可能な通信方式と、消費電力に関する情報と、通信時に動作する通信アプリケーションに付随した情報とが含まれる。同図の例では、利用可能な通信方式として、W−CDMA,WLANと、消費電力に関する情報として、電力消費データ蓄積部4bに格納されている消費電力のデータから得られた、各通信方式についての通信時のトータルの消費電力の平均値(Average),最大値(Max),及び最小値(min)と、通信時に動作する通信アプリケーションに付随した情報として、音声通話アプリケーションに付随した情報である、通信方式毎の音声符号化の方式(コーデック)及び通信レートとが、リストに含まれている。
図5に戻り、S24では、携帯端末Aが、携帯端末Bから受信したリストを参照し、まず、リスト内の通信時に動作する通信アプリケーションに付随した情報から、双方の間で通話を継続可能な各々の携帯端末についての通信方式であって、且つ、リスト内の消費電力に関する情報から、所定の判定条件を満たす各々の携帯端末についての通信方式が存在するか否かを判定し、それが存在する場合には、その各々の携帯端末についての通信方式を選択する。ここで、所定の判定条件とは、例えば次に示す3つの判定条件の何れかである。
判定条件1:双方の携帯端末における消費電力の総和を最小にする。
判定条件2:マスター側の携帯端末の消費電力を最小にする。
判定条件3:スレーブ側の携帯端末の消費電力を最小にする。
尚、このS24では、携帯端末Aは、リスト内に含まれる各情報に対応する、自装置についての情報を取得し、前述の判定を行う。
S25では、前ステップで選択された各々の携帯端末の通信方式と、現在の通話に利用されている各々の携帯端末の通信方式とを比較し、これが一致していなければ、これを一致させるように、現在の通話に利用されている双方又は一方の携帯端末の通信方式を変更するための処理を行う。
例えば、双方の通信方式を変更する場合には、携帯端末Aは、自装置の通信方式を変更すると共に、携帯端末Bに対し通信方式の変更要求を行う。
S26では、携帯端末Bは、その要求に対する応答としてOK応答を携帯端末Aに対して送信すると共に、その要求に応じて自装置の通信方式を変更する。
これにより、携帯端末A,Bの双方の通信方式が、S24で選択された各々の携帯端末についての通信方式へ変更される。
尚、双方の通信方式を所定のタイミングで変更する場合には、前述のS25で携帯端末Aから送信される通信方式の変更要求に、通信方式の変更タイミングについての情報も含まれる。この場合、携帯端末Bは、その要求に含まれる変更タイミングについての情報に従って、所定のタイミングで通信方式を変更する。また、携帯端末Aも、その所定のタイミングに通信方式を変更する。
尚、本フローにおいて、通信方式を変更した後も、定期的に或いは不定期的に、S22乃至S24の処理を行い、必要に応じて双方又は一方の携帯端末装置の通信方式を変更するようにすることも可能である。
以上、本実施例によれば、通信方式の変更を、自装置で求めた消費電力と通信先の携帯端末で求められた消費電力とに基づいて行うことができる。
尚、本実施例では、携帯端末Aをマスター、携帯端末Bをスレーブとしたが、これを逆にすることもできる。但し、通信方式/消費電力のリストを要求する側が、マスターとして動作するものとする。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良及び変更を行っても良いのはもちろんである。
本発明によれば、通信方式が異なる複数の無線通信手段を備えた無線通信装置において、通信開始時には、消費電力を抑えるのに最適な無線通信手段を選択して通信を開始することができ、通信中には、消費電力を抑えるのに最適な無線通信手段へ変更して通信を継続することができる。

Claims (6)

  1. 通信方式が異なる複数の無線通信手段を備えた無線通信装置であって、
    各通信方式による通信時又はテスト通信時において、当該通信時又は当該テスト通信時に利用されている、前記無線通信手段を含む複数の手段の各々についての消費電力を計測する計測手段と、
    前記計測手段により計測された前記各々についての消費電力の総和である総消費電力を算出する算出手段と、
    前記複数の無線通信手段のいずれかを用いて、通信先無線通信装置から、前記通信先無線通信装置における通信方式及び消費電力に関する情報を受信する受信手段と、
    前記各通信方式についての総消費電力と、前記通信先無線通信装置における通信方式及び消費電力に関する情報とに基づいて、利用する通信方式を選択する選択手段と、
    を備えることを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記選択された通信方式を利用した前記通信先無線通信装置との通信開始後に取得された前記各通信方式についての総消費電力に基づいて、前記選択された通信方式を変更する変更手段、
    を更に備えることを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  3. 前記複数の無線通信手段のいずれかを用いて、前記通信先無線通信装置に対し、前記通信方式及び消費電力に関する情報を要求する要求手段を更に備え、
    前記受信手段は、前記要求手段が前記通信先無線通信装置に対して要求した後に、前記通信先無線通信装置における通信方式及び消費電力に関する情報を受信する、
    ことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  4. 通信方式が異なる複数の無線通信手段を備えた無線通信装置であって、
    前記複数の無線通信手段のいずれかを用いて、通信先無線通信装置に対し、自装置についての通信方式及び消費電力に関する情報を送信する送信手段と、
    前記送信手段による送信の後、前記通信先無線通信装置から受ける通信方式の変更要求に応じて、自装置の通信方式を変更する変更手段と、
    を備えることを特徴とする無線通信装置。
  5. 通信方式が異なる複数の無線通信手段を備えた無線通信装置の無線通信方法であって、
    各通信方式について、通信時に利用されている前記無線通信手段を含む複数の手段の各々についての消費電力を測定して当該各々についての消費電力の総和である総消費電力を算出する算出ステップと、
    前記複数の無線通信手段のいずれかを用いて、通信先無線通信装置から、前記通信先無線通信装置における通信方式及び消費電力に関する情報を受信する受信ステップと、
    前記算出ステップにより算出された各通信方式についての総消費電力と、前記通信先無線通信装置における通信方式及び消費電力に関する情報とに基づいて、利用する通信方式を選択する選択ステップと、
    を備えることを特徴とする無線通信方法。
  6. 通信方式が異なる複数の無線通信手段を備えた無線通信装置を制御するコンピュータに実行される無線通信プログラムであって、前記コンピュータに、
    各通信方式について、通信時に利用されている前記無線通信手段を含む複数の手段の各々について測定された消費電力に基づき当該各々についての消費電力の総和である総消費電力を算出する算出機能と、
    前記複数の無線通信手段のいずれかを用いて、通信先無線通信装置から、前記通信先無線通信装置における通信方式及び消費電力に関する情報を受信する受信機能と、
    前記算出機能により算出された各通信方式についての総消費電力と、前記通信先無線通信装置における通信方式及び消費電力に関する情報とに基づいて、利用する通信方式を選択する選択機能と、
    を実現させるための無線通信プログラム。
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