JP4946204B2 - インクカートリッジ及びプリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、プリンタにインクを供給するインクカートリッジ及びインクカートリッジが装着されるプリンタに関する。
インクを噴射することによって画像の記録を行うプリンタに装着され、プリンタにインクを供給するインクカートリッジが知られている。このインクカートリッジにおいて、プリンタにインクを供給するインク供給部が、プリンタに装着されたときに前面となる表面に形成され、プリンタに装着されたときに、プリンタに形成されたインクカートリッジ内に貯留されたインクを抽出するための抽出部に係合されるものがある。例えば、特許文献1に記載のインクジェット式記録装置(プリンタ)においては、インク供給針(抽出部)が配置されたカートリッジ装着部に、インクカートリッジを水平方向から挿入することにより、インク供給針がインクカートリッジの前面に形成されたインク供給口(インク供給部)に挿通され、インクカートリッジのインク袋内のインクがインクジェット式記録装置に供給される。
特開2005−246749号公報(図11)
特許文献1に記載のインクジェット式記録装置では、水平方向に挿入することによりインクカートリッジが装着される。ここで、インクジェット式記録装置が机の上などに置かれている場合、インクカートリッジの装着部はユーザの視点よりも低い位置にくることが多い。したがって、インクカートリッジを装着する際には、ユーザは身をかがめて視点を低くし、インクカートリッジの装着部の位置を確認しながら、インクカートリッジをインクジェット式記録装置に挿入するなど、インクカートリッジの装着作業が行いにくい。
本発明の目的は、プリンタへの装着作業を容易に行うことが可能なインクカートリッジ及びインクカートリッジが装着されるプリンタを提供することである。
本発明のインクカートリッジは、内部に貯留されたインクをプリンタに供給するインクカートリッジである。プリンタはインクカートリッジが挿入される挿入口を有し、その挿入口から挿入されたインクカートリッジを収納するカートリッジ収納部と、カートリッジ収納部の奥部を画定する奥部面から突出して設けられカートリッジ収納部に収納されたインクカートリッジからインクを抽出する抽出部と、挿入口の近傍に揺動支点を有し、挿入口を開放する開放位置と挿入口を閉鎖する閉鎖位置との間で揺動可能な扉部材とを備え、カートリッジ収納部は、奥部面の下端に連設されるとともに、抽出部から離れるに従って一定の曲率で上方に湾曲する底面と、奥部面の上端に連設されるとともに、底面と湾曲の中心が一致するように一定の曲率で湾曲する天井面とを有し、底面及び天井面の中心は、天井面の底面と反対側に位置し、抽出部は、奥部面の底面側に設けられ、扉部材は、閉鎖位置にあるときにカートリッジ収納部に収納されたインクカートリッジを押圧する面であって、抽出部よりも上方に位置するとともに、上方に向かうに従って奥部面に近接するように傾斜したカートリッジ押圧面を有して構成されるものである。インクカートリッジは、カートリッジ収納部へ挿入されるときの挿入方向における前方に位置するとともに、カートリッジ収納部に収納された収納状態にあるときにカートリッジ収納部の奥部面に対向する側面となる第1の面と、第1の面の下端に連設されるとともに前記底面と同じ一定の曲率で湾曲しており、収納状態にあるときに、底面に対向する下面となる第2の面と、第1の面の上端に連設されるとともに、収納状態にあるときに天井面に対向する上面となる第3の面と、挿入方向における後方に位置するとともに、第2の面及び第3の面に連設された第4の面と、第1の面における第2の面側に設けられ、収納状態にあるときに抽出部と係合してプリンタにインクを供給するインク供給部と、第4の面に設けられ、収納状態にあるときに閉鎖位置に位置づけられた扉部材のカートリッジ押圧面によって押圧される被押圧面とを備え、第3の面が、天井面と同じ一定の曲率で湾曲しているとともに、第2の面と湾曲の中心が一致しており、第2の面及び第3の面の湾曲の中心は、第3の面の第2の面と反対側に位置している。なお、本発明における被押圧面は、第4の面内に直接含まれる形態、及び第4の面から突出した部分に形成される形態の何れをも含むものである。
これによると、斜め上方から位置を確認しながら挿入口にインクカートリッジを挿入することにより、インクカートリッジをカートリッジ収納部に収納することができるため、インクカートリッジを水平方向からプリンタに挿入する場合と比較して、インクカートリッジの挿入作業が容易になる。このとき、インクカートリッジの第2の面とプリンタの底面とで、曲率及び湾曲の中心が一致しているので、第2の面を底面に摺動させてインクカートリッジをスムーズに挿入することができる。
さらに、インクカートリッジがカートリッジ収納部に収納され、インク供給部が抽出部に係合すると、インクカートリッジは被押圧面がカートリッジ押圧面に押圧されるとともに、インク供給部が抽出部に押圧されるが、カートリッジ押圧面が抽出部よりも上方に位置しているとともに前述したように傾斜していることにより、被押圧面に加わる力が抽出部に向かう方向に作用する。よって、インクカートリッジに発生するモーメントは小さくなる。したがって、底面及び天井面に引っかかりにくく、インクカートリッジを収納状態までスムーズに挿入することができる。
また、第2の面が湾曲していることにより、ユーザが第2の面の形状とプリンタの底面の形状とに基づいてインクカートリッジの装着方向を認識しやすくなるとともに、インクカートリッジの誤装着を防止することができる。また、インク供給部が第1の面の第2の面側に設けられているとともに、収納状態で第2の面がインク供給部から離れるほど上方に位置するように湾曲しているので、インクカートリッジ内に貯留されたインクは、インク供給部に向かう方向に流れやすくインクの使い残しを少なくすることができる。
また、これによると、インクカートリッジを挿入口から挿入する際に、第3の面と天井面とで曲率及び湾曲の中心が一致する。したがって、第2の面を底面に摺動させるとともに、第3の面を天井面に摺動させて、インクカートリッジを位置決めしつつスムーズに挿入することができる。さらに、第3の面をこのように形成することにより、カートリッジ収納部に収納可能な範囲でインクカートリッジの大きさを極力大きくすることができ、インクカートリッジ内部に多くのインクを貯留することができる。
また、本発明のインクカートリッジにおいては、収納状態にあるときに、被押圧面を含み被押圧面と平行に底面まで延びた平面と底面とが直交してもよい。これによると、底面が所定の曲率で湾曲しているため、インクカートリッジが挿入口から挿入されてから収納状態となるまで、被押圧面を含み被押圧面と平行に底面まで延びた平面が常に底面と直交する。したがって、ユーザが挿入口から挿入したインクカートリッジの被押圧面を押圧することにより、被押圧面には常にインクカートリッジの挿入方向に力が作用するため、インクカートリッジが底面及び天井面に引っかかりにくく、インクカートリッジをさらにスムーズにプリンタに装着することができる。
また、本発明のインクカートリッジにおいては、被押圧面は第4の面に含まれていてもよい。これによると、被押圧面と第4の面を1つの平面として形成できるため、インクカートリッジの外形形状がシンプルなものとなり、その形成を容易にすることができる。
また、本発明のインクカートリッジにおいては、プリンタは、抽出部が、奥部面から突出し、収納状態にあるときにインク供給部の中央部に挿通されることによってインク供給部に係合し、インクカートリッジからインクを抽出するインク抽出管により構成されるものであって、インク抽出管の先端と反対側の端における、インク抽出管が突出する突出方向と直交する方向に関する中心を通る仮想湾曲面で、その湾曲の中心が底面及び天井面の湾曲の中心と一致する仮想湾曲面の曲率半径をR、インク抽出管の突出方向に関する長さをL、インク抽出管の突出方向と直交する方向に関する長さをDとしたときに、収納状態において、インク抽出管の突出方向と直交する方向に関するインク供給部の先端のインク抽出管を挿通させることが可能な部分の長さxが、
x≧2[{L+(R+D/2)1/2−R]
を満たしてもよい。これによると、インク抽出部がインク供給部の中央部に挿通されるインク抽出管により構成されている場合、上記関係を満たすことにより、インク抽出管をインク供給部の外壁などに接触することなくインク供給部に挿通させることができる。
また、本発明のインクカートリッジにおいては、プリンタが、底面に挿入口から奥部面に向かって挿入方向に延びた溝をさらに備えたものであって、第2の面から下方に突出し、挿入口から挿入されたときに溝に嵌合する突起が形成されていてもよい。これによると、突起が溝に嵌合された状態でインクカートリッジがカートリッジ収納部に挿入されるため、インクカートリッジが底面において挿入方向と直交する方向に関してずれて装着されてしまうのを防止することができる。
本発明のプリンタは、インクカートリッジが挿入される挿入口を有し、その挿入口から挿入されたインクカートリッジを収納するカートリッジ収納部と、カートリッジ収納部の奥部を画定する奥部面から突出して設けられカートリッジ収納部に収納されたインクカートリッジからインクを抽出する抽出部と、挿入口の近傍に揺動支点を有し、挿入口を開放する開放位置と挿入口を閉鎖する閉鎖位置との間で揺動可能な扉部材とを備え、カートリッジ収納部は、奥部面の下端に連設されるとともに、抽出部から離れるに従って一定の曲率で上方に湾曲する底面と、奥部面の上端に連設されるとともに、底面と湾曲の中心が一致するように一定の曲率で湾曲する天井面とを有し、底面及び天井面の湾曲の中心は、天井面の底面と反対側に位置し、抽出部は、奥部面の底面側に設けられ、扉部材は、閉鎖位置にあるときにカートリッジ収納部に収納されたインクカートリッジを押圧する面であって、抽出部よりも上方に位置するとともに、上方に向かうに従って奥部面に近接するように傾斜したカートリッジ押圧面を有している。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係るプリンタのインクカートリッジを装着するためのカートリッジ装着部2を示す断面図である。図2は、図1のII−II線断面図である。
プリンタ1には、図1に示すようなカートリッジ装着部2が、印刷に使用するインクの種類の数だけ設けられており、図1の紙面に直交する方向に沿って配列されている。なお、図1は、プリンタ1が正規の姿勢で設置されたときのカートリッジ装着部2の状態を示すものである。そして、後述するように、インクカートリッジ3がカートリッジ装着部2に装着されることにより、インクカートリッジ3に貯留されたインクをプリンタ1のインクジェットヘッド(図示せず)に供給することができるように構成されている。
各カートリッジ装着部2は、インクカートリッジ3が収納されるカートリッジ収納部11、インクカートリッジ3に貯留されたインクを抽出するインク抽出管(抽出部)12、及び、カートリッジ収納部11の後述する挿入口11aの開放及び閉鎖を行う扉部材13を備えている。
カートリッジ収納部11は、奥壁部21、底壁部22、天井壁部23及び2つの側壁部24、25によって囲まれた空間である。奥壁部21は、カートリッジ収納部11の図1における左側の壁であり、その右側の壁面がカートリッジ収納部11の奥部つまりカートリッジ収納部11の図1の左端部を画定する奥部面21aとなっている。奥部面21aは図1に示すように、鉛直方向に延びている。また、奥部面21aには、その下端付近に、カートリッジ収納部111に向かって水平方向に突出した突出部21bが形成されており、突出部21bの略中央部からは、インク抽出管12が水平方向に延びている。また、奥壁部21には、突出部21bから内部に向かって水平方向に延びたインク流路21cが形成されている。インク流路21cは、後述するように、インク抽出管12によりインクカートリッジ3から抽出されたインクをプリンタ1に供給する。
底壁部22は、カートリッジ収納部11の図1における下側の壁であり、その上側の壁面がカートリッジ収納部11の図1の下端部を画定する底面22aとなっている。底壁部22は、奥壁部11と一体となっており、底面22aは奥部面21aの下端に連設されている。また、底壁部12は、底面22aとともに、図1の右側に向かうほど(インク抽出管12から離れるほど)上方に位置するように、点Cを中心として所定の曲率で湾曲している。なお、点Cは、突出部21bの鉛直方向上方に位置している。さらに、底壁部22の図1の右端部付近は、その厚みが薄くなっており、この厚みが薄くなった部分に、扉部材13の後述する突起31と嵌合する凹部22bが形成されている。
天井壁部23は、カートリッジ収納部11の図1における上側の壁であり、その下側の壁面がカートリッジ収納部11の上端部を画定する天井面23aとなっている。天井壁部23は、奥壁部21と一体となっており、天井面23aは奥部面21aの上端に連設されている。また、天井壁部23は、天井面23aとともに図1の右側に向かうほど上方に位置するように、点Cを中心として湾曲している。つまり、底面22aと天井面23aとは湾曲の中心が一致している。さらに、天井壁部23の図1の右端部付近には、扉部材13を揺動可能に支持する支持部23bが形成されている。
2つの側壁部24、25はそれぞれ図2のカートリッジ収納部11の上側及び下側(図1の紙面奥側及び手前側)に配置され、側壁部24の図2における下側の壁面及び側壁部25の図2における上側の壁面がそれぞれカートリッジ収納部11を図2の上端部及び下端部を画定する側面24a、25aとなっている。側面24a、25aはそれぞれ鉛直方向に延びている。また、側壁部24、25は、奥壁部21、底壁部22及び天井壁部23と一体となっており、側面24a、25aは、奥部面21a、底面22a及び天井面23aに連設している。
このように、カートリッジ収納部11は奥壁部21、底壁部22、天井壁部23及び側壁部24、25に囲まれることにより形成されており、カートリッジ収納部11の図1の右側は開口している。この開口がインクカートリッジ3を挿入する挿入口11aとなり、挿入口11aからインクカートリッジ3を挿入することにより、インクカートリッジ3をカートリッジ収納部11に収納することができるようになっている。なお、インクカートリッジ3をカートリッジ収納部11に収納する方法については後ほど詳細に説明する。
インク抽出管12は、奥部面21aの突出部21bの略中央部から水平方向(突出方向)に突出している。インク抽出管12には、内部に水平方向に延び、インク抽出管12の両端において開口した内部空間12a(図3(b)参照)が形成されているとともに、その先端部にこの内部空間12aと外部とを連通させるための複数の切り欠き12b(図3(b)参照)が形成されている。そして、インク抽出管12は、インクカートリッジ3がカートリッジ収納部11に収納されたときに(収納状態にあるときに)、後述するインク供給部70に挿通され(インク供給部が抽出部に係合し)、インクカートリッジ3に貯留されたインクを抽出する。インク抽出管12により抽出されたインクはインク流路21cを介してプリンタに供給される。
扉部材13は、天井壁部23に形成された支持部23bに一方の端部が揺動可能に支持されており、図1の実線で示した、カートリッジ収納部11の挿入口11aを閉鎖する閉鎖位置と、図1の一点鎖線で示した、カートリッジ収納部11の挿入口11aを開放する開放位置との間で支持部23bを中心として揺動可能となっている。このように、支持部23bが扉部材13の揺動支点となっており、支持部23bは天井壁部23に形成されていることから、扉部材13の揺動支点は挿入口11aよりも上方に位置することになる。
扉部材13は、支持部23bに支持された一方の端部から、閉鎖位置にあるときに底壁部22よりも下方に位置する他方の端部まで略直線状に延びており、他方の端部において閉鎖位置にあるときに図1の左側となる方向に略直角に折れ曲がっている。この折れ曲がった部分の先端には、閉鎖位置にあるときに底壁部22に形成された凹部22bに嵌合する突起31が形成されている。そして突起31が凹部22bに嵌合することにより、扉部材13の他方の端部は、底壁部22に固定される。
また、扉部材13の、カートリッジ収納部11と対向する側の表面13aは、扉部材13が閉鎖位置にあるときに、上方に向かうに従って奥部面21aに近接するように傾斜しており、且つ底面22aと直交している(底面22aは湾曲しているが、その仮想延在面と表面13aとが垂直に交わる)。表面13aの略中央部には、コイルバネ32が設けられており、コイルバネ32は、扉部材13が閉鎖位置にあるときに、インク抽出管12よりも上方に位置しており、カートリッジ収納部11に収納されたインクカートリッジ3の後述する表面44の被押圧面44aを押圧する。ここで、被押圧面44aを押圧するコイルバネ32の先端が、本発明のカートリッジ押圧面に相当する。扉部材13が閉鎖位置にあるときに、点C、支持部23b及び扉部材13のコイルバネ32が取り付けられている部分がこの順でほぼ一直線上に並んでおり、コイルバネ32が表面34を押圧する向きが、インクカートリッジ3が挿入口11aから挿入されるときの挿入方向(底面22a及び天井面23aに沿って挿入口11aから奥部面21aに向かう方向)となる。
さらに、扉部材13の支持部23bと反対側の端部付近の、閉鎖位置にあるときのカートリッジ収納部11と反対側の面13bには、突出部33が形成されている。扉部材13が閉鎖位置付近にあるときに、ユーザが突出部33をカートリッジ収納部11に向かって押圧することにより、突起31が凹部22bに嵌合し、扉部材13が閉鎖位置にくる。ここで、突出部33が扉部材13の支持部23bと反対側の端部付近に形成されており、支持部23bと突出部33との間の距離が、支持部23bとコイルバネ32との間の距離よりも大きくなっている。したがって、てこの原理により、突出部33に比較的小さな力を加えることで、カートリッジ収納部11に収納されたインクカートリッジ3に十分に力を加えることができる。
次に、インクカートリッジ3について説明する。インクカートリッジ3は、図1に示すようなケース40の内部に後述するインク貯留室90、インク供給部70などが形成されたものである。ケース40は表面41〜46によってその外形が画定されている。
表面(第1の面)41は、インクカートリッジ3を挿入口11aから挿入するときに挿入方向の前方に位置する面であるとともに、インクカートリッジ3が収納状態にあるときに、奥部面21aと対向する側面となる面であり、鉛直方向に延びている。また、ケース40の表面41の下端付近(表面42側)には、インク貯留室90に貯留されたインクをプリンタ1に供給するためのインク供給部70が設けられており、収納状態にあるときに、インク抽出管12がインク供給部70に挿通され、インク供給部70からインク抽出管12及びインク流路21cを介してプリンタ1にインクが供給される。
表面(第2の面)42は、インクカートリッジ3が収納状態にあるときに、カートリッジ収納部11の底面22aと対向する下面となる面であり、図1の左側の端が表面41の下端に連設されているとともに、底面22aと同じ曲率で湾曲しており、収納状態において、表面42と底面22aとは湾曲の中心が同じ点Cとなっている。これにより、収納状態にあるときに、表面42は底面22aに沿って配置される。
表面(第3の面)43は、インクカートリッジ3が収納状態にあるときに、カートリッジ収納部11の天井面23aと対向する上面となる面であり、図1の左側の端が表面31の上端に連設されているとともに、天井面23aと同じ曲率で湾曲し、その湾曲の中心が表面42の湾曲の中心と一致している。これにより、収納状態にあるときに、表面43と天井面23aとは湾曲の中心が同じ点Cとなり、表面43が天井面23aに沿って配置される。
表面(第4の面)44は、インクカートリッジ3を挿入口11aから挿入する際に、挿入方向の後方に位置する面であるとともに、インクカートリッジ3が収納状態にあるときに、図1の右側の側面となる面であり、その下端及び上端が、それぞれ表面42の図1における右側の端、表面43の図1における右側の端に連設されている。また、表面44は、図1に示すようにインクカートリッジ3が収納状態にあるときに、扉部材13の表面13aと平行に、上方に向かうほどインク抽出管12に近接するように(上方に向かうほど水平方向におけるインク抽出管12との距離が短くなるように)傾斜しており、表面42つまり底面22aの仮想延在面と直交している。ここで、表面44のうち、閉鎖位置にある扉部材13のコイルバネ32に対向する部分が被押圧面44aとなり、この被押圧面44aがコイルバネ32によって押圧される。また、このように、表面44が底面22aの仮想延在面と直交していることから、被押圧面44aを含み被押圧面44aと平行に底面まで延びた平面と底面22aの仮想延在面とが直交していることになる。また、表面44が被押圧部44aを含めて上述したように傾斜しているので、表面44全体が、収納状態にあるときに挿入口11aに沿って配置される。
ここで、前述のように、表面43が天井面23aに沿って配置されているとともに、表面44が挿入口11aに沿って配置されていることにより、カートリッジ収納部11に収納可能な範囲でインクカートリッジ3が最大限大きくなっている。よって、ケース40内に容積の大きいインク貯留室90(図3参照)を形成することができ、インクカートリッジ3に多くのインクを貯留することができる。
表面45、46は、それぞれケース40の図2における上面及び下面(図1の奥側の側面及び手前側の側面)となる面であり、それぞれ、表面41〜44に連設している。
次に、インクカートリッジ3のインク供給部70について図3を用いて説明する。図3は、インク供給部70の断面図であり、(a)はカートリッジ収納部11に収納されていない状態、(b)は収納状態での断面を示している。
インク供給部70は、インク供給流路80とバルブ機構50とを有する。インク供給流路80は、図3に示すように、表面41の下端付近(表面42側)に開口を有し、バルブ機構50が収納されるバルブ収納部81と、連通孔82を介してバルブ収納部81と連通するとともに、連通孔84を介して図示しない位置においてインク貯留室90に連通したインク供給室83とにより構成されている。インク供給流路80においては、インク貯留室90内のインクが連通孔84を介してインク供給室83に流れ込み、さらに連通孔82を介してバルブ収納部81に流れ込む。また、収納状態で、インク供給室83から連通孔82を介してバルブ収納部81に至る流路が、全体として水平方向に延びている。
バルブ機構50は、図3に示すように、キャップ60、ジョイント61、バルブ62、第1スプリング63、スライダ64、第2スプリング65、弁座66、逆止弁67及びカバー68を備えている。
キャップ60は、バルブ収納部81の表面41における開口付近に装着されており、その略中央部には、収納状態で水平方向に延びたインク抽出管12が挿通される貫通孔60aが形成されており、その先端に貫通孔60aの開口60bを有している。ここでキャップ60の先端がインク供給部70の先端となり、開口60bがキャップ60の先端におけるインク抽出管12を挿通させることが可能な部分となる。ジョイント61は、インク抽出管12が挿通されるゴム等の弾性を有する樹脂材料から構成され、略中央部に収納状態で水平方向に延びた貫通孔61aが形成されているとともに、貫通孔61a以外の部分において、バルブ収納部81の開口を塞いでいる。
バルブ62は、インクカートリッジ3がカートリッジ収納部11に収納されていないときには図3(a)に示すように、第1スプリング63、第2スプリング65により図中左方に押圧されて、図中左側の壁面がジョイント61の図中右端部に当接している。これにより、貫通孔61aは閉塞され、バルブ収納部81から貫通孔61aにインクが流れ出すのが遮断されている。一方、インクカートリッジ3がカートリッジ収納部11に収納され、インク供給部70にインク抽出管12が挿通されると、図3(b)に示すように、バルブ62がインク抽出管12に押圧され、第2スプリング65が収縮することによって、バルブ62が図中右方に移動し、ジョイント61の図中右端部とバルブ62の図中左側の壁面との間に隙間ができる。これにより、この隙間からバルブ収納部81内のインクが流れ出し、このインクがインク抽出管12の先端部の表面に形成された切り欠き12bから内部の内部空間12aに流れ込む。これにより、内部空間12aに流れ込んだインクは、さらにインク流路21cに流れ込み、インク流路21cからプリンタ1にインクが供給される。なお、貫通孔61aの径はインク抽出管12の径よりも僅かに小さくなっており、ジョイント61が弾性材料により構成されていることから、インク抽出管12が挿入されたときに、貫通孔61aとインク抽出管12との間には隙間がなく、バルブ収納部81から流れ出したインクが外部に漏れ出すのが防止されている。
第1スプリング63は、前述したようにバルブ62を図3の左方に押圧しているとともに、第2スプリング65との間でスライダ64を挟んでいる。スライダ64は、バルブ62の右方を覆うとともにインク抽出管12に押圧されたバルブ62の移動方向(図3の左右方向)に動作可能となっており、インク抽出管12によってバルブ62が押圧され、第2スプリング65が収縮したときに、図3(b)に示すようにバルブ62とともに図中右方に移動する。第2スプリング65は、第1スプリング63と同材料で同形状に形成されており、スライダ64を左方に押圧している。弁座66は第2スプリング65に当接するとともに逆止弁67を支持している。逆止弁67は連通孔82付近に設けられており、連通孔82において、バルブ収納部81からインク供給室83に向かってインクが逆流するのを防いでいる。カバー68は弁座66との間で逆止弁67を覆っている。
インク貯留室90は、ケース40内部のインク供給部70と異なる部分に形成された空間であり、インク貯留室90の内部にはプリンタ1に供給するためのインクが貯留されている。
このように、インクカートリッジ3においては、インク供給部70は表面41の下端付近に設けられており、前述したように、収納状態で表面42がインク供給部70(インク抽出管12)から離れるほど上方に位置するように湾曲しているので、インク貯留室90内に貯留されたインクはインク供給部70に向かう方向に流れやすく、インクの使い残しを少なくすることができる。
次に、インクカートリッジ3をカートリッジ収納部11に収納する方法について説明する。インクカートリッジ3をカートリッジ収納部11に収納するためには、まず、扉部材13を図1の反時計回り方向に揺動させることによって開放位置まで移動させ、挿入口11aを開放する。
次に、表面42が下、表面43が上となるようにして、表面41を挿入口11aに向けて、インクカートリッジ3を挿入口11aから、つまり斜め上方からカートリッジ収納部11に挿入し、表面44(被押圧面44a)をカートリッジ収納部11に向かって押圧する。これにより、表面42が底面22aに沿って摺動するとともに、表面43が天井面23aに沿って摺動し、インクカートリッジ3は、挿入方向に移動する。このとき、斜め上方から位置を確認しながら、インクカートリッジ3を挿入口11aに挿入することができるので、インクカートリッジ3を水平方向から挿入する場合と比較して、インクカートリッジ3の挿入作業が簡単になる。ここで、カートリッジ収納部11の底面22a及び天井面23a並びにインクカートリッジ3の表面42、43が湾曲しているため、ユーザは、インクカートリッジ3を挿入する際の向きを認識しやすく、また、上下を反対にして挿入しようとしても挿入することができないので、インクカートリッジ3の誤装着も防止することができる。
インクカートリッジ3が収納状態となる位置付近まで挿入されると、インク抽出管12がキャップ60からインク供給部70の略中央部に挿通され、前述したように、バルブ機構50のバルブ62を押圧するが、このとき、第1スプリング63及び第2スプリング65の反力により、インクカートリッジ3が挿入方向の後方に押し返される。そこで、開放位置に移動させていた扉部材13を時計回りに揺動させて閉鎖位置付近まで移動させ、さらに突出部33を押圧すると、突起31が凹部22bに係合し、扉部材13の支持部23aと反対側の端部が底壁部22に固定され、コイルバネ32によって表面44の被押圧面44が押圧される。ここで、コイルバネ32としては、その押圧力が第1スプリング63及び第2スプリング65による反力よりも大きくなるものを用いており、インクカートリッジ3は、第1スプリング63の反力に逆らって収納状態となるまで挿入される。これにより、前述したように、インク供給流路80から、インク抽出管12にインクが供給され、このインクがさらにインク流路21cに流れ込みインク流路21cからプリンタ1にインクが供給される。以上のようにして、インクカートリッジ3がカートリッジ収納部11に収納され、扉部材13が閉鎖位置に位置づけられることにより、インクカートリッジ3がカートリッジ装着部2に装着される。
図4は、インクカートリッジ3が挿入口11aから挿入されてから、インク抽出管12によりバルブ62が押圧され始めるまでの間、インクカートリッジ3に作用する力を示す図である。この間には、ユーザが被押圧面44aを押圧することにより、インクカートリッジ3には図4に示すような力F1が作用する。ここで、前述したように、表面44が底面22aの仮想延在面と直交するように傾斜しており、底面22aが所定の曲率で湾曲しているため、力F1は、常に被押圧面44aにおけるインクカートリッジ3の挿入方向に作用することになる。したがって、挿入口11aからインクカートリッジ3を挿入し、被押圧面44aを押圧したときに、表面42、43がそれぞれ底面22a、天井面23aに引っかかりにくく、インクカートリッジ3をカートリッジ収納部11にスムーズに挿入することができる。
図5は、インク抽出管12によりバルブ62が押圧され始めた後、扉部材13を閉鎖位置付近まで移動させ、突出部33を押圧したときに、インクカートリッジ3に作用する力を示す図である。このとき、インクカートリッジ3には、コイルバネ32が被押圧面44aを押圧する力F2と、第1スプリング63、第2スプリング65の反力による力(インク抽出管12により押圧される力)F3が作用する。ここで、前述したようにコイルバネ32及び被押圧面44aがインク抽出管12よりも上方に位置しており、被押圧面44aが上方に向かうほどインク抽出管12に近接するように傾斜しているため、被押圧面44aの法線L1は、この法線L1と同じ位置から延びた鉛直面の法線L2よりもインク抽出管12に近接するように傾斜していることになる。そして、力F2は被押圧面44aの法線L1と平行な方向に作用するため、インクカートリッジ3に作用するモーメントは、被押圧面44aに鉛直面の法線L2と平行な水平方向に力が作用する場合と比較して小さくなる。これにより、表面42、43がそれぞれ底面22a及び天井面23aに引っかかりにくく、インクカートリッジ3を収納状態になるまでスムーズに挿入することができる。
図6は、インク抽出管12がインク供給部70に挿通され始める直前のインク抽出管12及びインク供給部70の状態を模式的に示した図である。ここで、本実施の形態の場合のように、インク抽出管12がインク供給部70の略中央部に挿通される場合、収納状態におけるインク供給部70の先端のインク抽出管12を挿通させることが可能な部分の鉛直方向(インク抽出管12の突出方向と直交する方向)に関する長さ、つまり、キャップ60の開口60bの径xが、図6で示しているものよりも短い場合には、インク抽出管12がキャップ60に接触してしまい、インク抽出管12をインク供給部70に挿通させることができない。したがって、キャップ60の開口60bの径xは少なくとも図7で示す長さ以上にする必要がある。すなわち、インク抽出管12の水平方向の長さL、インク抽出管12の鉛直方向の長さD、インク抽出管12の左端における鉛直方向に関する中心を通り、底面22aと湾曲の中心が一致する仮想湾曲面Sの曲率半径Rに対して、
x≧2[{L+(R+D/2)1/2−R]
を満たす必要がある。なお、上記関係は、インク抽出管12の左端における下端である点A、インク抽出管12の先端における下端である点B及び仮想湾曲面Sの湾曲の中心である点Cを3つの頂点とする直角三角形ABCにおいて、三平方の定理を用いることにより導き出すことができる。
以上に説明した実施の形態によると、インクカートリッジ3を斜め上方から位置を確認しながら挿入口11aに挿入してカートリッジ収納部11に収納することができるため、インクカートリッジ3を水平方向から挿入する場合と比較して、インクカートリッジ3の挿入動作が容易になる。
さらに、収納状態において、インクカートリッジ3の表面42とカートリッジ収納部11の底面22a、及び、インクカートリッジ3の表面43とカートリッジ収納部11の天井面23aとで、曲率及び湾曲の中心が一致しているので、表面42、43をそれぞれ底面22a及び天井面23aに摺動させてインクカートリッジ3をスムーズに挿入することができる。
また、カートリッジ収納部11の底面22a及び天井面23a並びにインクカートリッジ3の表面42、43が湾曲しているため、挿入口11aからインクカートリッジ3を挿入する際に、インクカートリッジ3の向きが認識しやすく、誤装着も防止することができる。
また、収納状態で表面42がインク供給部70(インク抽出管12)から離れるほど上方に位置するように湾曲しているので、インク貯留室90内に貯留されたインクはインク供給部70に向かう方向に流れやすく、インクの使い残しを少なくすることができる。
加えて、表面43が天井面23aと同じ曲率で湾曲し、収納状態で湾曲の中心が天井面23aと一致するので、表面43が天井面23aに沿って配置されるとともに、収納状態で、表面44が被押圧面44aを含めてその全面が上方に向かうほどインク供給部70に近接するように傾斜し、底面22aと直交しているため、カートリッジ収納部11に収納可能な範囲でインクカートリッジ3を最大限大きくすることができる。これにより、インク貯留室90の容積を大きくし、多くのインクを貯留することができる。
また、収納状態で表面44が底面22aと直交しているため、インクカートリッジ3が挿入口11aから挿入されてから、インク抽出管12によりバルブ62が押圧され始めるまでは、ユーザが被押圧面44aを押圧することにより、インクカートリッジ3の被押圧面44aに、被押圧面44aにおける挿入方向に力F1が作用するため、表面42、43がそれぞれ底面22a、天井面23aに引っかかりにくく、インクカートリッジ3をカートリッジ収納部11にスムーズに挿入することができる。
さらに、インク抽出管12によりバルブ62が押圧され始めた後、扉部材13を閉鎖位置付近まで移動させ、突出部33を押圧したときには、インクカートリッジ3に、コイルバネ32が被押圧面44aを押圧する力F2と、第1スプリング63、第2スプリング65の反力による力F3が作用するが、コイルバネ32及び被押圧面44aがインク抽出管12よりも上方に位置しており、コイルバネ32が設けられた表面13a及び被押圧面44aが上方に向かうほどインク抽出管12に近接するように傾斜しているため、インクカートリッジ3に作用するモーメントが小さくなる。これにより、表面42、43がそれぞれ底面22a及び天井面23aに引っかかりにくく、インクカートリッジ3を収納状態までスムーズに挿入することができる。
また、インク抽出管12の水平方向の長さL、インク抽出管12の鉛直方向の長さD、仮想湾曲面Sの曲率半径Rに対して、キャップ60の開口60bの径xが
x≧2[{L+(R+D/2)1/2−R]
を満たしているため、インク抽出管12をキャップ60に接触することなくインク供給部70に挿通させることができる。
次に本発明に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
一変形例では、図7に示すように、プリンタ1には、底壁部22に、挿入口11aから底面22aに沿って挿入方向に延びた溝22cが形成されており、インクカートリッジ3には、ケース40の表面42の左端部付近及び中央部付近に装着状態で溝22cに嵌合する2つの突起42aが形成されている。そして、溝22cの挿入口11a側の端は、挿入口11aとともに開口している(変形例1)。この場合には、インクカートリッジ3を挿入口11aから挿入すると、突起42aが溝22cに嵌合するとともに表面42が底面22aに沿って摺動し、インクカートリッジ3は挿入方向に移動する。このように、突起42aが溝22cに嵌合しているためインクカートリッジ3をカートリッジ収納部11に収納する際に、インクカートリッジ3が図8の紙面に直交する方向(底面22aにおける挿入方向と直交する方向)に関してずれて収納されるのを防止することができる。なお、突起42aの数は2つには限られず、1つだけ又は3つ以上形成されていてもよい。また、同様に、挿入口11aから天井面23aに沿って挿入方向に延びた溝が形成され、インクカートリッジ3の表面43にこの溝に嵌合する突起が形成されていてもよい。
別の一変形例では、図8に示すように、インクカートリッジ3においては、表面41の下端付近に、略中央部に貫通孔101aが形成されたキャップ101が装着され、キャップ101の貫通孔101aの内部には、ゴム材料等からなり、貫通孔101aを塞ぐシール部材102がその全域にわたって配設されている。一方、プリンタ1においてはインク抽出管103の先端部が先細り形状となっている(変形例2)。この場合には、インクカートリッジ3がカートリッジ収納部11に収納されると、インク抽出管103がシール部材102を突き破って挿通され(インク供給部が抽出部に係合し)、その先端部がインク貯留室100に達する。これにより、インク貯留室100内のインクがインク抽出管103の先端部に形成された貫通孔103bからインク抽出管103の内部に形成された空間103aに流れ込み、さらにインク流路21cを介してプリンタ1に供給される。ここで、キャップ101及びシール部材102が本発明のインク供給部に相当する。なお、この場合には、実施の形態の場合のような第1スプリング63、第2スプリング65が設けられておらず、実施の形態の場合のような反力は発生しないので、扉部材13にはコイルバネ32を設ける必要がなく、表面13aの略中央部がカートリッジ収納部11に向かって突出し、この突出した部分の表面が被押圧部44aを押圧するカートリッジ押圧面13cとなっている。
別の一変形例では、図9(a)に示すように、プリンタ1においては、奥部面21aの突出部21bのインク流路21cに対向する部分から突出し、その中央部にインク流路21cに連通する貫通孔111aが形成された突起111が設けられている。さらに、突起111の外側には、ゴム材料などの弾性材料からなり、突出部21bが突出している水平方向に突起111の側面に沿って延びているとともに、インクカートリッジ3が収納されていないときに、その先端部が突起111の外側に向かって略直角に折れ曲がったシール部材112が形成されている。一方、インクカートリッジ3においては、ケース40に表面41からインク貯留室110に向かって延びた貫通孔113が形成されており、インク貯留室110には、インクを吸収保持可能な多孔質体からなるインク吸収体115が配設されている(変形例3)。
この場合には、インクカートリッジ3が収納状態となると、図9(b)に示すように、突起111がインク吸収体115を押圧する。これにより、インク吸収体115に吸収保持されていたインクが搾り出され、貫通孔111aを介してインク流路21cに流れ込む。
このとき、シール部材112の先端部の曲がった部分は、表面41に押圧されて奥部面21a側にさらに折れ曲がり、最終的に突起111と貫通孔113の壁面との間にシール部材112が配置される。これにより、突起111と貫通孔113の壁面との間はシール部材112によって塞がれ、インク吸収体115から搾り出されたインクが外部に漏れ出すのが防止される。なお、変形例3においては、突起111及びシール部材112が本発明に係る抽出部に相当し、貫通孔113及びインク吸収体115の突起111によって押圧される部分が本発明のインク供給部に相当する。
また、本実施の形態では、ケース40の表面43の曲率が天井面23aの曲率と同じ曲率で湾曲しており、収納状態にあるときに、表面43と天井面23aとで湾曲の中心が一致していたが、表面43は、カートリッジ収納部11に収納可能な範囲であれば他の形状であってもよい。この場合でも、挿入口11aからインクカートリッジ3を挿入することによって、表面42を底面22aに沿って摺動させて、インクカートリッジ3をカートリッジ収納部11にスムーズに収納することができる。
さらに、本実施の形態では、被押圧面44aが表面44内に含まれる面として形成されていたが、表面44から突出する突出部を設け、その突出部の先端に被押圧面44aを形成する形態であってもよい。ただし、本実施の形態のように、被押圧面44aと表面44とを1つの平面で形成した方が、製造時の加工が容易となる。
加えて、本実施の形態では、天井壁面23の図1における右端部付近に、扉部材13を揺動可能に支持する支持部23bを設け、扉部材13の揺動支点が挿入口11aよりも上方に位置するように構成していたが、扉部材13の揺動支点が挿入口11aよりも下方に位置するように構成してもよい。具体的には、底壁部22の図1における右端部付近に、扉部材13の一方の端部を揺動可能に支持する支持部を設けるとともに、天井壁部23の右端部付近に凹部22bに相当する嵌合部を形成し、扉部材13の他方の端部に形成した突起31と嵌合させる構成とすればよい。この場合、扉部材13は、開放位置にあるときに挿入口11aよりも下方に位置するため、挿入口11aの斜め上方側からなされるインクカートリッジの挿入動作に対し、一切その動作の妨げになることがない。
本発明における実施の形態に係るプリンタのカートリッジ装着部の断面図である。 図1のII−II線断面図である。 インク供給部周辺の断面図であり、(a)がカートリッジ収納部に収納されていない状態、(b)が収納状態での断面を示している。 挿入口から挿入されてからインク抽出管がバルブを押圧し始める前までの間、インクカートリッジに作用する力を示す図である。 インク抽出管がバルブを押圧し始めた後、インクカートリッジに作用する力を示す図である。 インク抽出管がインク供給部に挿入される直前の状態を模式的に表した図である。 変形例1の図1相当の断面図である。 (a)が変形例2の図1相当の断面図であり、(b)が(a)のインク供給部周辺の部分拡大図である。 変形例3の図8(b)相当の断面図であり、(a)が収納状態となる前の状態、(b)が収納状態の断面を示している。
符号の説明
1 プリンタ
2 カートリッジ装着部
3 インクカートリッジ
11 カートリッジ収納部
12 インク抽出管
13 扉部材
21a 奥部面
22a 底面
23a 天井面
23b 支持部
40 ケース
41〜44 表面
50 バルブ機構
70 インク供給部
80 インク供給流路
103 インク抽出管
111 突出部
112 シール部材
115 インク吸収体

Claims (6)

  1. 内部に貯留されたインクをプリンタに供給するインクカートリッジであって、
    前記プリンタは、
    インクカートリッジが挿入される挿入口を有し、その挿入口から挿入された前記インクカートリッジを収納するカートリッジ収納部と、
    そのカートリッジ収納部の奥部を画定する奥部面から突出して設けられ前記カートリッジ収納部に収納されたインクカートリッジからインクを抽出する抽出部と、
    前記挿入口の近傍に揺動支点を有し、前記挿入口を開放する開放位置と前記挿入口を閉鎖する閉鎖位置との間で揺動可能な扉部材とを備え、
    前記カートリッジ収納部は、前記奥部面の下端に連設されるとともに、前記抽出部から離れるに従って一定の曲率で上方に湾曲する底面と、前記奥部面の上端に連設されるとともに、前記底面と湾曲の中心が一致するように一定の曲率で湾曲する天井面とを有し、前記底面及び前記天井面の湾曲の中心は、前記天井面の前記底面と反対側に位置し、
    前記抽出部は、前記奥部面の前記底面側に設けられ、
    前記扉部材は、前記閉鎖位置にあるときに前記カートリッジ収納部に収納された前記インクカートリッジを押圧する面であって、前記抽出部よりも上方に位置するとともに、上方に向かうに従って前記奥部面に近接するように傾斜したカートリッジ押圧面を有し、
    て構成されるものであり、
    前記インクカートリッジは、
    前記カートリッジ収納部へ挿入されるときの挿入方向における前方に位置するとともに、前記カートリッジ収納部に収納された収納状態にあるときに前記カートリッジ収納部の前記奥部面に対向する側面となる第1の面と、
    前記第1の面の下端に連設されるとともに、前記底面と同じ一定の曲率で湾曲しており、前記収納状態にあるときに、前記底面に対向する下面となる第2の面と、
    前記第1の面の上端に連設されるとともに、前記収納状態にあるときに前記天井面に対向する上面となる第3の面と、
    前記挿入方向における後方に位置するとともに、前記第2の面及び前記第3の面に連設された第4の面と、
    前記第1の面における前記第2の面側に設けられ、前記収納状態にあるときに前記抽出部と係合して前記プリンタにインクを供給するインク供給部と、
    前記第4の面に設けられ、前記収納状態にあるときに前記閉鎖位置に位置づけられた前記扉部材の前記カートリッジ押圧面によって押圧される被押圧面と、
    を備え
    前記第3の面が、前記天井面と同じ一定の曲率で湾曲しているとともに、前記第2の面と湾曲の中心が一致しており、
    前記第2の面及び前記第3の面の湾曲の中心は、前記第3の面の前記第2の面と反対側に位置していることを特徴とするインクカートリッジ。
  2. 前記収納状態にあるときに、前記被押圧面を含み前記被押圧面と平行に前記底面まで延びた平面と前記底面とが直交することを特徴とする請求項に記載のインクカートリッジ。
  3. 前記被押圧面は前記第4の面に含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクカートリッジ。
  4. 前記プリンタは、前記抽出部が、前記奥部面から突出し、前記収納状態にあるときに前記インク供給部の中央部に挿通されることによって前記インク供給部に係合し、前記インクカートリッジからインクを抽出するインク抽出管により構成されたものであって、
    前記インク抽出管の先端と反対側の端における、前記インク抽出管が突出する突出方向と直交する方向に関する中心を通る仮想湾曲面で、その湾曲の中心が前記底面及び前記天井面の湾曲の中心と一致する仮想湾曲面の曲率半径をR、前記インク抽出管の前記突出方向に関する長さをL、前記インク抽出管の前記突出方向と直交する方向に関する長さをDとしたときに、前記収納状態において、前記インク抽出管の前記突出方向と直交する方向に関する前記インク供給部の先端の前記インク抽出管を挿通させることが可能な部分の長さxが、
    x≧2[{L+(R+D/2)1/2−R]
    を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
  5. 前記プリンタが、前記底面に前記挿入口から前記奥部面に向かって前記挿入方向に延びた溝をさらに備えたものであって、
    前記第2の面から下方に突出し、前記挿入口から挿入されたときに前記溝に嵌合する突起が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
  6. インクカートリッジが挿入される挿入口を有し、その挿入口から挿入された前記インクカートリッジを収納するカートリッジ収納部と、
    そのカートリッジ収納部の奥部を画定する奥部面から突出して設けられ前記カートリッジ収納部に収納されたインクカートリッジからインクを抽出する抽出部と、
    前記挿入口の近傍に揺動支点を有し、前記挿入口を開放する開放位置と前記挿入口を閉鎖する閉鎖位置との間で揺動可能な扉部材とを備え、
    前記カートリッジ収納部は、前記奥部面の下端に連設されるとともに、前記抽出部から離れるに従って一定の曲率で上方に湾曲する底面と、前記奥部面の上端に連設されるとともに、前記底面と湾曲の中心が一致するように一定の曲率で湾曲する天井面とを有し、前記底面及び前記天井面の湾曲の中心は、前記天井面の前記底面と反対側に位置し、
    前記抽出部は、前記奥部面の前記底面側に設けられ、
    前記扉部材は、前記閉鎖位置にあるときに前記カートリッジ収納部に収納された前記インクカートリッジを押圧する面であって、前記抽出部よりも上方に位置するとともに、上方に向かうに従って前記奥部面に近接するように傾斜したカートリッジ押圧面を有していることを特徴とするプリンタ。
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