JP4946186B2 - セメントクリンカーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セメントクリンカーの製造方法に関し、特に有機物で汚染された土壌をセメント原料として有効活用するセメントクリンカーの製造方法に関する。
現在、セメント製造産業は、様々な廃棄物及び副産物をセメント原料化することにより、資源の有効活用及び環境保全に重要な役割を果している。
しかしながら、セメントクリンカー製造工程において、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、ポリ塩化ビフェニル及びダイオキシン等の有機物で汚染された土壌(以下、「有機物汚染土壌」という)を、通常の原料調合・粉砕工程を経由して仮焼・焼成工程に投入、又は仮焼工程の低温度領域に直接投入すると、原料としての有機物汚染土壌から揮発した有機成分が、熱分解されずそのまま大気中に排出されるか、あるいは電気集塵機の集塵効率低下をもたらし、排ガス中の粉塵濃度を高めることが懸念される。これらの問題を解決するため、有機物汚染土壌等を直接キルン窯尻又は仮焼炉等へ投入する技術が種々開示されている。
例えば、特許文献1には、有機物汚染土壌に、流動性を与えるための溶媒を加えて湿式ミルで粉砕した後、これをセメント焼成工程に投入してセメントクリンカーを製造する方法が開示されている。この方法は、土壌分をセメント原料の一部とし、また有機物は燃料の一部として消費できるとともに、粉砕による温度上昇の懸念がないので、有機成分が低沸点物質であっても有機物の気化を防止できるとされている。
特許文献2には、汚染土壌を平均粒径200μm以下に粉砕した後、セメント製造設備のキルン窯尻及び/又は予熱装置下部に供給する汚染土壌の処理方法が開示されている。この方法は、有害物質の揮散を確実に防止して処理することができ、得られるセメントクリンカーの品質を低下させることがないとされている。
さらに、特許文献3には、有機質汚染土壌等の廃棄物を粘土系原料の一部として再利用する際に、粘土系原料を他のセメント製造用原料と混合して粉砕する必要がなく、クリンカー成分を短時間で調整することができ、汚染土壌などの廃棄物についても大量に再生処理することができるセメントの製造方法が開示されている。すなわち、粘土系原料を粉砕することなくそのまま、キルンの窯尻部等に投入する方法である。この方法は、調合及び粉砕に要するコストを削減することができ、また安定した品質のクリンカーの製造及び多品種製造切替を容易に行うことができるとされている。
上記特許文献1〜3に開示された本分野に関する種々の技術、特に有機物汚染土壌をセメント製造設備の窯尻あるいは仮焼部へ直接投入する方法は、有機物の熱分解に関して極めて有効である。しかしながら、有機物成分の気化を防止するために有機物汚染土壌を湿式粉砕する方法は、粉砕による温度上昇は防止できるものの、水分の持ち込みによる燃料原単位の増大によるコスト上昇を伴う。有機物汚染土壌を微粉砕する方法は、装置の大型化、エネルギコストの増大を招くおそれがある。また、粉砕工程を省く方法は、α石英が未反応のままセメント製品中に残存し、物性に悪影響を及ぼすおそれがある。さらに、有機物汚染土壌の投入個所は、有害有機物の分解温度以上、例えばダイオキシン等を考慮すると、約800℃を越える高温領域が好ましいとされているが、このような有機物の熱分解のみの処理条件では粗大粒のα石英を含むシリカ質原料(すなわち、有機物汚染土壌)を多量に直接投入することは困難であった。
特開2002−346540号公報 特開2003−71429号公報 特開2004−331473号公報
本発明は、このような従来技術が抱える課題に鑑み、有機物汚染土壌を事前に粉砕する必要がなく、経済的で、かつ環境負荷を高めることがなく、セメント原料として有効利用する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、α石英を含有する有機物汚染土壌を事前に粉砕することなく、簡易な方法で、かつセメント品質に影響を及ぼさないセメントクリンカーの適切な製造条件を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、有機物汚染土壌をセメント原料とするセメントクリンカーの製造方法であって、(a)有機物汚染土壌をmm以下であって異なる二以上のサイズの篩を用いて篩い分ける工程、(b)篩い分けた有機汚染土壌のうち、各篩を通過することができる二以上のサイズの有機物汚染土壌それぞれの平均粒径(mm)を、各篩を通過することができる粒子の中間値に基づいて算定する工程、(c)一の平均粒径(mm)を有する有機物汚染土壌の原料原単位を決定する工程であって、原料原単位が、乾燥物基準で、クリンカー100質量部に対して1〜8質量部の範囲にあり、かつ一の平均粒径(mm)と原料原単位とを乗じた積が0.34〜2.0(質量部・mm)となるように原料原単位を決定する工程、及び(d)決定した一の平均粒径(mm)の有機物汚染土壌の原料原単位を、セメント製造設備の窯尻、仮焼炉、最下段サイクロン及びサイクロン最下段シュートからなる群から選択される1箇所以上の投入口から投入する工程、を含むセメントクリンカーの製造方法である。
本発明のセメントクリンカーの製造方法は、(c’)一の平均粒径(mm)とは異なる一種以上の他の平均粒径(mm)を有する有機物汚染土壌の原料原単位を決定する工程をさらに含み、一種以上の他の平均粒径(mm)を有する有機物汚染土壌についても、原料原単位がクリンカー100質量部に対して1〜8質量部の範囲にあり、かつ他の平均粒径(mm)の一とその原料原単位とを乗じた積が0.34〜2.0(質量部・mm)となるように原料原単位を決定する工程を含む
本発明のセメントクリンカーの製造方法はまた、有機物汚染土壌が、乾燥物基準で、SiOを50質量%以上含有すること;有機物汚染土壌の篩い分け残分をセメント原料として、原料サイロを経由して最上段サイクロンに投入すること;有機物汚染土壌中の有機物が、揮発性有機塩素系化合物、難揮発性有機塩素系化合物、揮発性炭化水素化合物、油類及び農薬からなる群から選択される1種以上であること;が好ましい。
本発明により、電気集塵機の集塵効率低下による粉塵の発生、また熱分解・無害化されなかった揮発性有機物等の大気への排出などの環境負荷を引き起こすことなく、α石英を主成分とする有機物汚染土壌をセメント原料として、セメント品質を損なうことなく有効に活用することができる。さらに、このセメント製造方法は、有機物汚染土壌を事前に粉砕する必要がないため、経済的であり、有機物の揮発も防げる。
以下、本発明に係る有機物汚染土壌をセメント原料として活用する場合のセメント製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の処理対象となる有機物汚染土壌は、発生起源的には建設発生土である場合が多いものの、α石英を主成分とするものである限りその起源に限定されるものではない。すなわち、廃棄物や最終処分場の掘起こし土、特定施設跡地の有機物汚染土壌等で、主成分がα石英であることの条件を満たすものであれば、異なる土質の有機物汚染土壌との混合状態のものであっても適用することができる。従って、港湾・湖沼等の浚渫により発生する水底土砂の一部もこれに含まれる。ここで、α石英を主成分とするとは、一般に、有機物汚染土壌中にSiOを50質量%以上含有する土壌を意味する。SiO含有率が50質量%未満の土壌をセメント原料として利用することは可能ではあるが、シリカ分が少ないため、珪石代替としての利用価値は減少する。なお、有機物汚染土壌中のα石英の存在は、粉末X線回折方法を用いて確認・検証でき、またSiO含有率は、JIS M 8852:1998「セラミックス用高シリカ質原料の化学分析方法」に準じて定量することができる。
本発明の方法においては、篩いで篩い分けた特定粒度の有機物汚染土壌を使用する。このため、(a)有機物汚染土壌を一以上のサイズに篩い分ける工程、及び(b)篩い分けた一以上のサイズの有機物汚染土壌それぞれの平均粒径(mm)を、算定する工程、を経由する。篩い分けは、JIS A 1204:2000「土の粒度試験方法」に準拠して、75μm、106μm、250μm、425μm、850μm、2mm、4.75mm、9.5mm、19mm、26.5mm、37.5mm、53mm及び75mmの篩を使用して行う。なお、平均粒径は、各篩いを通過することができる粒子の中間値をいい、例えば「4.75mmの篩」の場合は、2.0〜4.75mmの粒子が通過できるので平均粒径は、(2.0+4.75)/2=3.375mmとなる。本発明においては、有機物汚染土壌の使用量は平均粒径に依存し、平均粒径が大きい土壌粒子ほど使用量を小さくする。このため、クリンカー焼成過程でのα石英とカルシウム成分(例えば酸化カルシウム)との反応速度が適切であり、目的クリンカー鉱物であるエーライト(3CaO・SiO固溶体)が十分に生成し、あるいはビーライト(2CaO・SiO固溶体)の群晶が多量に生成することがなく、セメント品質を良好に保持することができる。有機物汚染土壌は、小量ほど、あるいは平均粒径が小さいほど、α石英とカルシウム成分との反応速度が高まる。しかし、有機物汚染土壌の平均粒径が細粒になりすぎる、例えば75μm、106μm篩いのみを通過できる平均粒径0.1mm以下になると、エーライト(3CaO・SiO固溶体)の生成は十分となるが、篩い分けコストが過多となるので、工業的には好ましいとはいえない。また本発明においては、使用する有機物汚染土壌は、最大粒子径が53mm以下が好ましく、19mm以下がより好ましく、4.75mm以下が特に好ましい。
本発明の方法はさらに、(c)一の平均粒径(mm)を有する有機物汚染土壌の原料原単位を決定する工程であって、原料原単位が、乾燥物基準で、クリンカー100質量部に対して8質量部以下の範囲にあり、かつ一の平均粒径(mm)と原料原単位とを乗じた積が2.0(質量部・mm)以下である工程を行う。
有機物汚染土壌の原料原単位を、乾燥物基準で、クリンカー単位質量当たり8質量部以下にすることにより、有機物汚染土壌中のα石英の結晶粒度に依存せずに、実質的に本発明の効果を活用することができる。また、篩い通過分の有機物汚染土壌の許容平均粒径(mm)は、その原料原単位との相互関係で決定される。具体的には、篩い通過分の有機物汚染土壌の一の平均粒径(mm)と、乾燥物基準で、クリンカー100質量部に対する有機物汚染土壌の原料原単位と、を乗じた積が2.0(質量部・mm)以下となるように、有機物汚染土壌の原料原単位を決定する。この積が2.0を超える場合は、原料原単位が多すぎるか、又は有機物汚染土壌の主成分であるα石英の結晶粒度が大きくなることを意味し、これらはクリンカーの易焼成性に悪影響を及ぼすため、好ましくない。具体的には、この積が、水和反応過程でセメント硬化体の膨張破壊を引き起こす可能性がある遊離石灰の量と密接に関係することを知見し、平均粒径と原料原単位との積が2.0(質部・mm)以下の場合に、遊離石灰の生成量が、通常の許容含有率(約1質量%以下)よりもさらに安全な許容限界:0.8質量%以下しか生成しないことを明らかにした。
本発明のセメントクリンカーの製造方法は、(c)工程が、一の平均粒径(mm)とは異なる一種以上の他の平均粒径(mm)を有する有機物汚染土壌の原料原単位を決定する工程をも含み、一種以上の他の平均粒径(mm)を有する有機物汚染土壌についても、原料原単位が8質量部以下の範囲にあり、かつ他の平均粒径(mm)の一とその原料原単位とを乗じた積が2.0(質量部・mm)以下であることができる。すなわち、平均粒径が0.338mmの有機物汚染土壌をクリンカー100質量部に対して5.9質量部使用するセメント原料1と、平均粒径が0.638mmの有機物汚染土壌をクリンカー100質量部に対して3.1質量部使用するセメント原料2と、平均粒径が1.425mmの有機物汚染土壌をクリンカー100質量部に対して1.4質量部使用するセメント原料3とを、セメント原料として使用することもできる。これにより、篩い分けした有機物汚染土壌を満遍なく使用することができる。
本発明の方法は、有機物汚染土壌種類として、ベンゼン、トルエン、キシレン等の揮発性炭化水素化合物、ジクロロメタン、トリクロロエチレン等の揮発性有機塩素系化合物、ポリ塩化ビフェニル、ダイオキシン等の難揮発性有機塩素系化合物により汚染された土壌に対して適用可能であるが、その種類は特に問わない。また、農薬及び油等の有機化合物により汚染された土壌に対しても適用可能である。
有機物汚染土壌は、所定のサイズに篩い分けした後、篩い分け通過分は粉砕等を行わずに、セメント製造設備の窯尻、仮焼炉及び/又はプレヒーター等に直接投入する。この操作によって、有機物汚染土壌に含有される有害な有機物が900℃を上回る高温ガスに直接接触して、熱分解される。また、有機物汚染土壌は湿潤状態にあること、換言すれば絶乾状態にないことが好ましい。より具体的には、有機物汚染土壌の含水比(水分質量/土粒子質量)が0.5〜10質量%であり、1〜5質量%であることがより好ましい。含水比が0.5質量%以上あると、クリンカーの易焼成性の支配要因であるα石英と酸化カルシウム成分とのクリンカー鉱物の生成反応を遅滞なく進行させるための急激な加熱によるα石英結晶破壊のための熱衝撃効果が十分にあり、10質量%以下であると、熱衝撃効果が低下することがないことに加え、水分蒸発熱熱量も良好に維持され、燃料原単位の増加を招くことがないため好ましい。なお有機物汚染土壌の篩い分け残分は、原料サイロに移送され、通常のセメント原料と混合されて使用される。
有機物汚染土壌のセメント製造設備での投入個所は、900℃を越える高温ガスが流動状態にあるキルン窯尻、仮焼炉、最下段サイクロン、あるいはサイクロン最下段シュート部が好ましい。ガス温度が900℃以上であれば、有機物の熱分解に必要な温度よりも充分に高いことに加えて、熱衝撃により有機物汚染土壌中のα石英結晶が破壊され、クリンカー鉱物の生成反応の円滑な進行が可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は、本発明に係るセメントの製造方法が適用されるセメント製造設備の一例を示す概略図である
セメント原料は、原料ストックヤード13から原料サイロ14を経由して、仮焼炉5及びサイクロン(6a〜6e)からなるサスペンションプレヒーター(5、6a〜6e)に供給され、その後、セメントキルン1を通して焼成された後セメントクリンカーとなる。主なセメント原料は、石灰石、粘土、珪石などである。また、石炭灰、都市ゴミ焼却灰などの焼却灰類、下水汚泥などもセメント原料として使用される。セメント焼成燃料は、従来石炭が使われてきたが、近年は、廃プラ、廃タイヤなどの廃棄物燃料の使用量が増加している。
サスペンションプレヒーター(5、6a〜6e)は、セメントキルンの余熱を利用してセメント原料を予め加熱し、石灰石を脱炭酸させるものである。サスペンションプレヒーターは通常、4段もしくは5段のサイクロン6a〜6e及び仮焼炉5からなり、最上段サイクロン6eに投入されたセメント原料は、順次下段のサイクロン6aに送られる。その間にセメント原料は加熱され、最終的には窯尻(キルン入口フッド)4よりセメントキルン1に供給される。最上段のサイクロン6eの温度は約400℃であるが、下段サイクロンに行くにつれて温度が上昇し、最下段サイクロン6a内の温度は900℃以上となる。また、プレヒーターによるセメント原料の脱炭酸の割合をさらに高めるために、プレヒーターの下部に仮焼炉5を設置しているセメント工場が多い。通常、仮焼炉の内部の温度は約1000℃である。
仮焼炉5を通過したセメント原料は、窯尻(キルン入口フッド)4よりセメントキルン1に入り、焼成されセメントクリンカーになる。セメントキルン1は通常ロータリーキルンが用いられており、原料の入口付近(窯尻側)の温度は、通常約1000℃であるが、キルン内の最高温度は約1500℃まで達する。セメントキルン1で焼成されたセメントクリンカーは、クリンカークーラー2で冷却され、その後、仕上げ粉砕ミル3にて石こうとともに粉砕され、セメントとなる。
本発明に係るセメントの製造方法では、汚染土壌ストックヤード8に貯えられた有機物汚染土壌は篩い9で篩い分けられ、所定の粒度条件を満たすものがホッパ10に一旦貯えられる。その後、ベルトコンベア11によって移送され、サスペンションプレヒーター内部の温度が900℃以上となっている箇所へ投入される。具体的には、サイクロン最下段シュート7に接続された汚染土壌投入シュート12から窯尻(キルン入口フッド)4、若しくは仮焼炉5や最下段サイクロン6e等へ投入され、通常の原料とともにセメントキルン1でクリンカーとなる。ここで所定の粒度条件とは、有機物汚染土壌の原料原単位(クリンカー100質量部に対する質量部、乾燥物基準)が8質量部以下で、かつ原料原単位に篩い通過分の平均粒径(mm)を乗じた数値が2.0以下となる条件をいう。すなわち、平均粒径が大きい有機物汚染土壌を原料として使用する場合は、使用量(原料原単位)を減らすことにより制御する。
所定の粒度条件を満たさない粒径の大きな有機物汚染土壌の篩い分け残分は、原料サイロ14に移送され、原料ストックヤード13からきた通常の原料と一緒になり、原料投入シュート15からサスペンションプレヒーターに入り、上記の工程により加熱され、最終的にはクリンカーとなる。なお、粒径の大きい有機物汚染土壌は、一般に砂分が多く有機物が少ないので、通常の原料として使用しても、有機成分の気化による大気中への放出及び電気集塵機の集塵効率低下はほとんど引き起こさない。より品質の良いクリンカーを製造するためには、粒径の大きい有機物汚染土壌を原料ミルで粉砕した後、通常の原料として使用することもできる。
以下、本発明の内容を実施例により具体的に説明する。下記実施例は、本発明を実験室的に検証したものであり、下記実施例で得られた知見を実機に適用可能である。
(1)原料
有機物汚染土壌の代わりに珪石を用い、0.25mm未満、0.25〜0.425mm、0.425〜0.850mm、0.850〜2mm及び2〜4.75mmの各粒度に篩い分けた。この珪石のX線回折結果は図2に示す通りであり、2θ=26.6°の位置のみにピークが見られ、結晶物はα石英のみであった。また、JIS M 8852:1998「セラミックス用高シリカ質原料の化学分析方法」によるSiO含有率(乾燥物基準)は91.72質量%であった。なお、石炭灰、石灰石、スラグ、鉄精鉱並びに炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムの各試薬をあわせて使用した。
(2)調合計算
珪石の原料原単位(乾燥物基準)が、最終的に製造されるセメントクリンカー100質量部に対して1〜8質量部となるように原料調合計算を実施した。なお、クリンカーの諸比率は、HM 2.10、SM 2.38、IM 1.84、LSD 0.920と一定になるようにした。
(3)仮焼物の焼成
上記調合計算を踏まえ、珪石以外の原料を混合後、予め1000℃で30分間焼成し、仮焼物を調製した。
(4)セメントクリンカーの焼成
仮焼物を粉砕後、(2)で調合計算した所定量の珪石を混合した。引き続き混合物を成形圧3.6t/cmでΦ10×h10(mm)で成形し、これを電気炉に投入し、図3に示す温度パターンで焼成した。
(5)セメントクリンカーの品質評価
得られたセメントクリンカーを試験ミルで粉砕後、遊離石灰を、セメント協会標準試験方法JCAS I−01−1997「遊離酸化カルシウムの定量方法」のB 法により測定した。結果を表1に示す。ここで、遊離石灰は水和反応過程でセメント硬化体の膨張破壊を引き起こす可能性があり、通常、その許容含有率は約1質量%以下が好ましいとされている。本発明においては、この遊離石灰のより安全な許容限界として0.8質量%を設定した。シリカ質原料の原料原単位を8質量部以下とし、かつシリカ質原料の原単位とシリカ質原料の平均粒径(mm)の積を2.0以下とする場合に、遊離石灰の含有率が0.8質量%以下に抑えられることがわかる。
Figure 0004946186
本発明に係るセメントの製造方法が適用されるセメント製造設備の一例を示す概略図である。 実験に使用した珪石の粉末X線回折結果を示す図である。 実験に使用したセメントクリンカーの電気炉焼成条件を示す図である。
符号の説明
1 セメントキルン
2 クリンカークーラー
3 仕上げ粉砕ミル
4 窯尻(キルン入口フッド)
5 仮焼炉
6a〜6e サイクロン
7 サイクロン最下段シュート
8 汚染土壌ストックヤード
9 篩い
10 ホッパ
11 ベルトコンベア
12 汚染土壌投入シュート
13 原料ストックヤード
14 原料サイロ
15 原料投入シュート

Claims (3)

  1. 有機物汚染土壌をセメント原料とするセメントクリンカーの製造方法であって、
    (a)有機物汚染土壌をmm以下であって異なる二以上のサイズの篩を用いて篩い分ける工程、
    (b)篩い分けた有機汚染土壌のうち、各篩を通過することができる二以上のサイズの有機物汚染土壌それぞれの平均粒径(mm)を、各篩を通過することができる粒子の中間値に基づいて算定する工程、
    (c)一の平均粒径(mm)を有する有機物汚染土壌の原料原単位を決定する工程であって、原料原単位が、乾燥物基準で、クリンカー100質量部に対して1〜8質量部の範囲にあり、かつ一の平均粒径(mm)と原料原単位とを乗じた積が0.34〜2.0(質量部・mm)となるように原料原単位を決定する工程、及び
    (c’)一の平均粒径(mm)とは異なる一種以上の他の平均粒径(mm)を有する有機物汚染土壌の原料原単位を決定する工程をさらに含み、一種以上の他の平均粒径(mm)を有する有機物汚染土壌についても、原料原単位がクリンカー100質量部に対して1〜8質量部の範囲にあり、かつ他の平均粒径(mm)の一つとその原料原単位とを乗じた積が0.34〜2.0(質量部・mm)となるように原料原単位を決定する工程、
    (d)決定した一の平均粒径(mm)の有機物汚染土壌の原料原単位を、セメント製造設備の窯尻、仮焼炉、最下段サイクロン及びサイクロン最下段シュートからなる群から選択される1箇所以上の投入口から投入する工程、
    を含み、
    有機物汚染土壌が、乾燥物基準で、SiOを50質量%以上含有し、
    有機物汚染土壌の篩い分け残分を、セメント原料として、原料サイロを経由して最上段サイクロンに投入し、
    有機物汚染土壌中の有機物が、揮発性有機塩素系化合物、難揮発性有機塩素系化合物、揮発性炭化水素化合物、油類及び農薬からなる群から選択される1種以上であることを特徴とするセメントクリンカーの製造方法。
  2. (a)工程において、有機物汚染土壌を250μm、425μm、850μm及び2mmから選ばれる異なる二以上のサイズの篩を用いる、請求項1記載のセメントクリンカーの製造方法。
  3. 有機汚染土壌の含水比が0.5〜10質量%である、請求項1又は2記載のセメントクリンカーの製造方法。
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