JP4945302B2 - 横型ブラインドのスラット角度調節装置 - Google Patents

横型ブラインドのスラット角度調節装置 Download PDF

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この発明は、上段部のスラットと下段部のスラットとを異なる角度に角度調節可能とした横型ブラインドのスラット角度調節装置に関するものである。
横型ブラインドの一種類として、ヘッドボックスからラダーコードを介して吊下支持される多数段のスラットのうち、上段部のスラットと下段部のスラットとをそれぞれ別々に角度調節可能としたものがある。
このような横型ブラインドでは、上段部のスラットと下段部のスラットとがそれぞれ独立したラダーコードで吊下支持され、各ラダーコードを別個に操作することにより、上段部と下段部のスラットを独立して角度調節可能となっている。
また、下段部のスラットを支持するラダーコードの操作による上段部のスラットの無用な動作を防止するために、そのラダーコードの上部では横糸が切除されている。
特開2006−183249号
上記のような横型ブラインドでは、下段部のスラットを支持するラダーコードの上部の横糸を切除したため、全スラットをヘッドボックス近傍まで引き上げたとき、下段部のスラットを支持するラダーコードの縦糸の上部がスラットの両側から垂れ下がり、美観上好ましくない。
特許文献1に記載された横型ブラインドでは、下部スラット群を支持するラダーコードの縦糸を、上部スラット群を支持するラダーコードに連結紐部で連結することにより、下部スラット群をヘッドボックス近傍まで引き上げた状態での、下部スラット群を支持するラダーコードの縦糸の垂れ下がりを防止する構成が開示されている。
しかし、上部用ラダーコードと下部用ラダーコードとを連結紐部で接続する必要があるため、組み立て工数が増大して製造コストを上昇させるとともに、連結紐部がスラットの前側に露出されて、美観上好ましくない。
この発明の目的は、互いに干渉することなく上段部及び下段部のスラットをそれぞれ異なる角度で角度調節可能とし、かつ組み立てを容易にしながらラダーコードの縦糸の垂れ下がりを防止し得る横型ブラインドのスラット角度調節装置を提供することにある。
請求項1では、ヘッドボックスからラダーコードを介して多数段のスラットを吊下支持し、上段部のスラットと下段部のスラットをそれぞれ別のラダーコードで吊下支持して、上段部のスラットと下段部のスラットを異なる角度に角度調節可能とした横型ブラインドにおいて、上段部のスラットを第一のラダーコードで支持し、下段部のスラットを第三のラダーコードで支持し、該第三のラダーコードを該第三のラダーコードの横糸より長い横糸を備えた第二のラダーコードでヘッドボックスから吊下支持した。
請求項2では、前記第二のラダーコードの横糸は、前記第一のラダーコードの横糸を対角線で結ぶ長さ以上の長さとした。
請求項3では、前記第二のラダーコードの横糸は、前記上段部の各スラットの中間に位置させた。
請求項4では、前記第二のラダーコードの横糸を、前記上段部のスラットの複数段毎に設けた。
請求項5では、前記上段部のスラットと下段部のスラットとを同方向に異なる回動速度で回動させる。
請求項6では、前記上段部のスラットの回動速度を、下段部のスラットの回動速度より低速とした。
請求項7では、前記第一のラダーコードには、前記上段部のスラットをそれぞれ上下方向に挟んで支持する横糸を設けた。
本発明によれば、互いに干渉することなく上段部及び下段部のスラットをそれぞれ異なる角度で角度調節可能とし、かつ組み立てを容易にしながらラダーコードの縦糸の垂れ下がりを防止し得る横型ブラインドのスラット角度調節装置を提供することができる。
以下、この発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。図1に示す横型ブラインドは、ヘッドボックス1から上段部の多数段のスラット2aと、下段部の多数段のスラット2bが吊下支持されそれぞれ別々に角度調節可能である。
詳述すると、前記ヘッドボックス1内には駆動軸3aが回転可能に支持され、モータ4aにより回転駆動される。駆動軸3aには複数のプーリー5aが嵌着され、各プーリー5aにチルトテープ6aが掛装されている。そして、各チルトテープ6aから第一のラダーコード7がそれぞれ吊下支持され、その第一のラダーコード7に前記スラット2aが支持されている。
前記第一のラダーコード7の下端には、中間ボトムバー8が吊下支持されている。そして、駆動軸3aが回転されると、第一のラダーコード7を介して各スラット2aが同位相で回動される。また、各スラット2aが略垂直方向まで回動された後は、プーリー5aがチルトテープ6aに対し空回りしてスラット2aが同方向にそれ以上回動されないようになっている。
前記ヘッドボックス1内には駆動軸3bが回転可能に支持され、モータ4bにより回転駆動される。駆動軸3bには前記プーリー5aと同一径の複数のプーリー5bが嵌着され、そのプーリー5bにチルトテープ6bがそれぞれ掛装されている。チルトテープ6bから第二のラダーコード9がそれぞれ吊下支持され、その第二のラダーコード9の下端に第三のラダーコード10が接続具13を介して接続されている。
そして、第三のラダーコード10に下段部のスラット2bが支持され、その第三のラダーコード10の下端にボトムバー11が吊下支持されている。
前記第一のラダーコード7と第三のラダーコード10は同一構成のラダーコードであり、その横糸の長さ、言い換えれば縦糸の間隔は、スラット2a,2bの幅にほぼ等しい。
第二のラダーコード9の横糸9aの長さは、図5に示すように、第一のラダーコード7の横糸を対角線で結ぶ長さL以上の長さが確保され、スラット2a,2bより幅広のスラットを支持するためのラダーコードである。
そして、第二のラダーコード9は、図2〜図4に示すように、その横糸9aが第一のラダーコード7で支持されたスラット2aの中間に位置するようにチルトテープ6bに接続されている。
前記プーリー5aとプーリー5bとはヘッドボックス1内において所定の間隔を隔てて設けられ、チルトテープ6a,6b及びそのチルトテープ6a,6bに吊下支持される第一及び第二のラダーコード7,9は互いに干渉しない。
そして、駆動軸3bが回転されると、第二及び第三のラダーコード9,10を介して各スラット2bが同位相で回動される。また、各スラット2bが略垂直方向まで回動された後は、プーリー5bがチルトテープ6bに対し空回りしてスラット2bが同方向にそれ以上回動されないようになっている。
図6に示すように、前記第二のラダーコード9が吊下支持される位置において、前記スラット2aのうち下段のスラットと中間ボトムバー8の端縁には切り欠き13が形成されている。そして、スラット2aが水平方向に保持されている状態で、スラット2bが垂直方向に回動されるとき、第二のラダーコード9の縦糸が切り欠き13内に移動してその間隔が狭くなるので、スラット2bを垂直方向に回動しやすくなる。
前記各プーリー5bには昇降テープ12の上端部が巻着され、各昇降テープ12は前記スラット2a、中間ボトムバー8及びスラット2bを貫通し、その下端に前記ボトムバー11が吊下支持されている。
そして、駆動軸3bの回転に基づいてプーリー5bが昇降テープ12の巻取り方向に回転されると、ボトムバー11が引き上げられて、スラット2b,2aがボトムバー11により順次持ち上げられる。また、プーリー5bが昇降テープ12の巻戻し方向に回転されると、ボトムバー11が下降して、スラット2a,2bが順次第一及び第三のラダーコード7,10に支持される状態に復帰する。
前記モータ4a,4bの動作はコントローラ(図示しない)により制御され、駆動軸3a,3bを同一方向に同一回転速度で駆動したり、第二の駆動軸3bを第一の駆動軸3aの1.5倍の速度で回転駆動したり、第二の駆動軸3bを第一の駆動軸3aの0.7倍の速度で回転駆動することも可能である。
次に、上記のように構成された横型ブラインドの動作を説明する。モータ4aの作動により駆動軸3aが回転されると、第一のラダーコード7を介して上段部のスラット2aが角度調節される。モータ4bの作動により駆動軸3bが回転されると、第二のラダーコード9及び第三のラダーコード10を介して下段部のスラット2bが角度調節される。
このような動作により、上段部のスラット2aと下段部のスラット2bは、それぞれ異なる角度で角度調節可能である。
上記のような角度調節操作時において、上段部のスラット2aを角度調節するとき、第二のラダーコード9の横糸9aは、各スラット2a間の中間で弛んだ状態にあるので、スラット2aの回動を阻害することはない。
図7は、上段部のスラット2aの回動速度が下段部のスラット2bの回動速度の0.7倍となるように制御する場合のスラット2a,2bの動作を示す。同図において、スラット2a,2bは便宜的に平板状のスラットとして示す。
図7(a)に示すように、全閉状態にあるスラット2a,2bを回動させると、同図(b)〜(e)に示すように、スラット2bはスラット2aに先行して回動される。そして、図7(f)に示すように、やがてスラット2a,2bが逆方向で全閉状態となるまで回動される。
このような角度調節動作時には、第二のラダーコード9の横糸9aはスラット2a間で弛んでいるとともに、第二のラダーコード9の横糸9aはスラット2aの回動に先行して回動されるので、スラット2aの回動を阻害することはない。
図8は、上段部のスラット2aの回動速度が下段部のスラット2bの回動速度の1.5倍となるように制御する場合のスラット2a,2bの動作を示す。
図8(a)に示すように、全閉状態にあるスラット2a,2bを回動させると、同図(b)〜(e)に示すように、スラット2aはスラット2bに先行して回動される。そして、図8(f)に示すように、やがてスラット2a,2bが逆方向で全閉状態となるまで回動される。
このような角度調節動作時には、第二のラダーコード9の横糸9aはスラット2a間で弛んでいるとともに、スラット2aと同方向に回動されるので、スラット2aの回動を阻害することはない。
駆動軸3bが昇降テープ12の巻取り方向に回転されると、ボトムバー11が引き上げられ、スラット2b,2aが下段から順次引き上げられる。駆動軸3bが昇降テープ12の巻戻し方向に回転されると、ボトムバー11が下降して、スラット2a,2bが第一及び第三のラダーコード7,10に支持される状態に復帰する。
このようなスラット2a,2bの昇降操作時において、第二のラダーコード9は各スラット2a間の横糸9aで縦糸が連結されているので、ボトムバー11をヘッドボックス1近傍まで引き上げたときにも、第二のラダーコード9の縦糸が垂れ下がることはない。
上記のように構成された横型ブラインドでは、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)スラット2a,2bをヘッドボックス1近傍まで引き上げるとき、スラット2bを支持する第二のラダーコード9の縦糸の垂れ下がりを防止することができる。
(2)スラット2bを支持する第三のラダーコード10を、横糸9aの長い第二のラダーコード9で吊下支持し、特に第二のラダーコード9の横糸9aは、第一のラダーコード7の横糸を対角線で結ぶ長さL以上の長さを確保したので、第二のラダーコード9がスラット2aの回動を阻害することはない。
(3)第二のラダーコード9は、スラット2a,2bより幅が広いスラットを支持する既存のラダーコードを使用することができる。そして、横糸9aを切除する必要がないので、組み立て工数を削減し、製造コストを低減することができる。
(4)第二のラダーコード9の横糸9aは、スラット2a,2bを引き上げた状態及び下降させた状態のいずれにおいても、室内側に大きく露出されることはない。従って、第二のラダーコード9の縦糸の垂れ下がりを防止する手段による美観の低下を防止することができる。
上記実施の形態は、以下の態様で実施してもよい。
・第二のラダーコード9は、その横糸9aが複数段のスラット2a毎に1本あれば縦糸の垂れ下がりを防止することができるので、横糸9aを適宜に切除してもよい。
・上記のようなスラット角度調節装置は、手動の横型ブラインドにも同様に実施することができる。
・第一のラダーコード7に上段部の各スラット2aを上下に挟む横糸を備えれば、第二のラダーコード9の横糸9aがスラット2aの回動に干渉する場合にも、スラット2aをさらに確実に回動させることができる。
・スラット2a,2bの回動速度を異なる速度とするために、同一の駆動軸に異なる径のプーリーを取着し、そのプーリーから第一及び第二のラダーコード7,9を吊下支持する構成としてもよい。また、同一の駆動軸から異なるギヤ比を備えたギヤ機構を介して各プーリーを回転させるようにしてもよい。
・モータ4a,4bを独立して動作させて、スラット2a,2bを独立して回動させるようにしてもよい。
一実施の形態の横型ブラインドを示す正面図である。 一実施の形態の横型ブラインドを示す側面図である。 第二のラダーコードを示す斜視図である。 第一及び第二のラダーコードを示す側面図である。 第二のラダーコードの横糸の長さを示す説明図である。 上段部のスラットを示す平面図である。 (a)〜(f)はスラットの回動動作を示す側面図である。 (a)〜(f)はスラットの回動動作を示す側面図である。
符号の説明
1…ヘッドボックス、2a,2b…スラット、7…第一のラダーコード、9…第二のラダーコード、9a…横糸、10…第三のラダーコード。

Claims (7)

  1. ヘッドボックスからラダーコードを介して多数段のスラットを吊下支持し、上段部のスラットと下段部のスラットをそれぞれ別のラダーコードで吊下支持して、上段部のスラットと下段部のスラットを異なる角度に角度調節可能とした横型ブラインドにおいて、
    上段部のスラットを第一のラダーコードで支持し、下段部のスラットを第三のラダーコードで支持し、該第三のラダーコードを該第三のラダーコードの横糸より長い横糸を備えた第二のラダーコードでヘッドボックスから吊下支持したことを特徴とする横型ブラインドのスラット角度調節装置。
  2. 前記第二のラダーコードの横糸は、前記第一のラダーコードの横糸を対角線で結ぶ長さ以上の長さとしたことを特徴とする請求項1記載の横型ブラインドのスラット角度調節装置。
  3. 前記第二のラダーコードの横糸は、前記上段部の各スラットの中間に位置させたことを特徴とする請求項1又は2記載の横型ブラインドのスラット角度調節装置。
  4. 前記第二のラダーコードの横糸を、前記上段部のスラットの複数段毎に設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の横型ブラインドのスラット角度調節装置。
  5. 前記上段部のスラットと下段部のスラットとを同方向に異なる回動速度で回動させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の横型ブラインドのスラット角度調節装置。
  6. 前記上段部のスラットの回動速度を、下段部のスラットの回動速度より低速としたことを特徴とする請求項5項記載の横型ブラインドのスラット角度調節装置。
  7. 前記第一のラダーコードには、前記上段部のスラットをそれぞれ上下方向に挟んで支持する横糸を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の横型ブラインドのスラット角度調節装置。
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