JP4945286B2 - 列車位置検知装置 - Google Patents
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Description
これは、上述したGPS迷走の不都合を緩和・解消すべく開発されたものであり、路面電車に搭載されて車両位置を検知する車載機であって、衛星航法システムによる測位を行って第1位置情報を得るGPS受信機と、電車の速度計から速度情報を取得する速度情報取得装置と、停留所に設置される地上機に適合した無線機と、位置情報を修正して発着を判定する車上処理装置とを備えている。
もっとも、測位不能を招く原因には、非装置異常より発生頻度が少ないとは言っても、装置異常もあり、測位不能発生時の被害は装置異常による方が甚大になりがちなので、装置異常に対する対策も怠ることはできない。
しかしながら、GPS受信機の自己診断機能が的確に働き且つその診断結果を有効に利用できたような場合は別として、一台のGPS受信機の測位結果を監視するだけでは、測位可能か測位不能かは判別できても、その原因まで知ることはできない。
そこで、GPS受信機を複数化したうえで測位結果の監視判定に工夫を凝らすことにより装置異常にも非装置異常にも適切に対処する列車位置検知装置を実現することが技術的な課題となる。
さらに、第1,第2GPS受信機の何れかが装置異常になると周囲環境が測位可能になっていても、正常な受信機からは測位結果が得られるのに対し異常な受信機からは測位結果が得られないので、車上処理装置によって、正常なGPS受信機の測位結果に基づく車両位置の検知が行われるとともに、異常予見状態になったという判定も行われる。
したがって、この発明によれば、GPS受信機の装置異常にも非装置異常にも適切に対処する列車位置検知装置を実現することができる。
すなわち、測位の不能な所に居るとされる場合には、異常予見状態が発現したとき、GPS迷走等の不確定性を考慮しても明らかに測位不能箇所に居るとされるまでの短時間で、装置異常が発生したという判定が出る。
このように、異常予見状態の検出に基づいて装置異常の有無を判別するに際し、車両位置が測位可能箇所なのか測位不能箇所なのかに応じて確認時間に長短を付けたことにより、装置異常の発生判定が迅速かつ的確になされることとなる。
これにより、異常判定の犠牲無しで車両位置の検知性能を高めることができる。
路面電車位置検知装置30は、路面電車20の車両位置を検知するために、GPSアンテナは別として大部分が制御装置21と共に路面電車20の運転台の内部や下に格納されている。
付加データ(Gm)は、路面軌道10の各位置において衛星航法システムによる測位が可能か不能かを示すものであり、路線マップデータと組み合わせられて、例えば一連の組データ(Xm,Ym,Gm)となっている。
停留所マップデータは、路面電車20の路線上に点在する停留所40の位置に対応したものであり、例えば各停留所毎に両端の二次元座標点(Xp,Yp)を規定した一連のデータである。
なお、この例では、車両位置情報(X5,Y5)に路面電車20の中間位置を採用したが、路面電車20の先頭位置である車両位置情報(X3,Y3)や,車両位置情報(X4,Y4)から離隔距離Lだけ前方の位置を採用しても良く、あるいは路面電車20の後端位置である車両位置情報(X4,Y4)や,車両位置情報(X3,Y3)から離隔距離Lだけ後方の位置を採用しても良い。
なお、上述した異常判定ルーチンによる異常情報の送信も、最寄りの停留所への到着を待って行われるようになっている。
しかも、この位置検知装置30にあっては、路面電車20に複数のGPS受信機33,73を搭載したうえで測位結果(X1,Y1),(X2,Y2)の有無に応じて車両位置(X5,Y5)の検知基準や監視判定の基準を場合分けしたことにより、異常の有無に拘わらず車両位置の検知を継続することが可能になるとともに、GPS受信機33,73の装置異常の発生を非装置異常から切り離して検出することができる。
上記実施形態では、位置検知装置30が路面電車20に搭載されていたが、位置検知装置30は列車にも搭載可能である。
上記実施形態では路線マップデータと停留所マップデータとが分離していたが、これらのデータは、重複する部分があるので、混在状態や併合状態で記憶保持しても良い。
上記実施形態では、速度計22が速度発電機を利用したものであったが、速度計22はスピードガンやドップラーレーダを利用したものであっても良い。
上記実施形態ではGPS受信機33,73がGPSアンテナ32,72に加えてFMアンテナ31,71も接続されてFM多重方式のD-GPSを行うようになっていたが、GPS受信機33,73が中波ビーコン方式のD-GPSを行うようにしても良い。
21…制御装置、22…速度計、23…運転方向切換スイッチ、
30…路面電車位置検知装置(列車位置検知装置)、
31…FMアンテナ、32…GPSアンテナ、
33…GPS受信機(第2GPS受信機)、
34…車上処理装置、35…速度情報取得装置、36…無線機、
40…停留所、41…地上基地局装置、
42…無線機、43…携帯端末、44…地上処理装置、
50…運転管理センタ、51…センタ処理装置、
52…携帯端末、53…中央処理装置、
71…FMアンテナ、72…GPSアンテナ、
73…GPS受信機(第2GPS受信機)
Claims (3)
- 列車や路面電車などの車両に搭載されて車速を検出する速度計と、前記車両に搭載されて衛星航法システムによる測位を行うGPS受信機と、前記車両に搭載されて前記速度計から得た速度情報と前記GPS受信機の測位結果とに基づいて車両位置を検知する車上処理装置とを備えた列車位置検知装置において、前記GPS受信機として第1GPS受信機と第2GPS受信機とが設けられており、前記車上処理装置が、前記第1GPS受信機からも前記第2GPS受信機からも測位結果を得たときには何れか一方の測位結果または中間位置など双方の測位結果を組み合わせた測位結果に基づいて前記車両位置を求め、前記第1GPS受信機からも前記第2GPS受信機からも測位結果を得られなかったときには以前の検知結果と前記速度情報とに基づいて前記車両位置を求め、前記第1GPS受信機と前記第2GPS受信機との何れか一方からは測位結果を得たが他方からは測位結果を得られなかったときには得られた測位結果に基づいて前記車両位置を求めるとともに他方のGPS受信機に故障などの装置異常が発生した可能性が高い異常予見状態であると判定するようになっており、更に、前記車上処理装置が、前記車両の路線に対応した路線マップデータに加えて、前記路線の各位置において衛星航法システムによる測位が可能か不能かを示す付加データを保持していて、前記車両位置を前記路線マップデータ及び前記付加データに照らして測位の可能な所に居るのか測位の不能な所に居るのかを判別したうえで、測位の不能な所に居る場合には前記異常予見状態が発現したときに故障などの装置異常が発生したと判定し、測位の可能な所に居る場合には前記異常予見状態が所定の設定時間以上に亘って継続したときに故障などの装置異常が発生したと判定するようになっていることを特徴とする列車位置検知装置。
- 前記第1GPS受信機のアンテナと前記第2GPS受信機のアンテナとが前記車両の前後に分かれて搭載されており、両者の離隔距離を走行する時間に応じて前記設定時間を可変するように前記車上処理装置がなっていることを特徴とする請求項1記載の列車位置検知装置。
- 前記車上処理装置が、測位の不能な所に居ると判別しているにも拘わらず前記第1GPS受信機からも前記第2GPS受信機からも測位結果を継続して得たときには前記第1GPS受信機にも前記第2GPS受信機にも故障などの装置異常が発生したと判定するようになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された列車位置検知装置。
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