JP2019127110A - 車両制御装置及び車両制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】停止線に対応する位置にて自動車が停止した後、電車が踏切に接近中である場合に自動車が踏切に進入するのを防ぐ。【解決手段】車両制御装置100は、踏切1に設けられている第1無線通信装置2a,2bにより送信されて、かつ、自動車5に設けられている第2無線通信装置7により受信された放送波W1が、踏切1に接近中若しくは踏切1を通過中の電車が存在することを示す第1放送波又は電車が存在しないことを示す第2放送波のうちのいずれの放送波W1であるのかを判定する放送波判定部11と、放送波判定部11により放送波W1が第1放送波であると判定された場合、自動車5におけるアクセルの操作を無効状態に設定するアクセル制御部15とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、車両制御装置及び車両制御システムに関する。
従来、自動車が踏切に接近したとき、ブレーキなどを制御することにより自動的に減速させて、停止線に対応する位置にて停止させる技術が開発されている(例えば、特許文献1の段落[0077]〜[0082]等参照)。
特許文献1記載の車載システムは、地図データ及びGPS(Global Positioning System)信号などを用いて自動車の現在位置を算出して、当該算出された現在位置に基づき踏切に対する自動車の接近を検出している。すなわち、カーナビゲーション機能を用いて踏切に対する自動車の接近を検出している。このため、カーナビゲーション機能が設けられていない場合、又はカーナビゲーション機能がオフされている場合は踏切に対する自動車の接近を検出することができないという問題があった。
また、停止線に対応する位置にて自動車が停止した後、例えば運転者がアクセルを操作することにより、電車が踏切に接近中であるか否かにかかわらず自動車が踏切に進入可能であるという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、停止線に対応する位置にて自動車が停止した後、電車が踏切に接近中である場合に自動車が踏切に進入するのを防ぐことを目的とする。
本発明の車両制御装置は、踏切に設けられている第1無線通信装置により送信されて、かつ、自動車に設けられている第2無線通信装置により受信された放送波が、踏切に接近中若しくは踏切を通過中の電車が存在することを示す第1放送波又は電車が存在しないことを示す第2放送波のうちのいずれの放送波であるのかを判定する放送波判定部と、放送波判定部により放送波が第1放送波であると判定された場合、自動車におけるアクセルの操作を無効状態に設定するアクセル制御部とを備えるものである。
本発明によれば、上記のように構成したので、停止線に対応する位置にて自動車が停止した後、電車が踏切に接近中である場合に自動車が踏切に進入するのを防ぐことができる。
実施の形態1.
図1は、自動車が踏切に接近済みであり、かつ、自動車が踏切に未進入である状態の一例を示す説明図である。図2は、実施の形態1に係る車両制御装置を含む車両制御システムの要部を示すブロック図である。図1及び図2を参照して、実施の形態1の車両制御装置100を含む車両制御システム200について説明する。
図1は、自動車が踏切に接近済みであり、かつ、自動車が踏切に未進入である状態の一例を示す説明図である。図2は、実施の形態1に係る車両制御装置を含む車両制御システムの要部を示すブロック図である。図1及び図2を参照して、実施の形態1の車両制御装置100を含む車両制御システム200について説明する。
図中、1は踏切である。踏切1には、2個の無線通信装置2a,2bが設置されている。無線通信装置2aは道路3の両側部のうちの一方の側部に配置されており、無線通信装置2bは道路3の両側部のうちの他方の側部に配置されている。また、無線通信装置2aは線路4の両側部のうちの一方の側部に配置されており、無線通信装置2bは線路4の両側部のうちの他方の側部に配置されている。すなわち、無線通信装置2aは、踏切1において道路3及び線路4を介して無線通信装置2bと対向配置されている。
自動車5は、無線通信装置2aに対する通信用のアンテナ6a及び無線通信装置2bに対する通信用のアンテナ6bを有している。自動車5には、これらのアンテナ6a,6bを用いて無線通信装置2a,2bと通信自在な無線通信装置7が搭載されている。無線通信装置2a,2bと無線通信装置7間の通信は電波によるものである。
より具体的には、無線通信装置2a,2bと無線通信装置7間の通信は、BLUETOOTH(登録商標)規格又は無線LAN(Local Area Network)規格などに基づくものである。これにより、無線通信装置7は、無線通信装置2a,2bに対する通信と自動車5に持ち込まれたスマートフォンなどの携帯情報端末(不図示)に対する通信とで共用することができる。
なお、アンテナ6aは自動車5における無線通信装置2a側の側部に配置するのが好適であり、アンテナ6bは自動車5における無線通信装置2b側の側部に配置するのが好適である。図1に示す例において、アンテナ6aは自動車5の左側部(より具体的には左前端部)に配置されており、アンテナ6bは自動車5の右側部(より具体的には右前端部)に配置されている。
以下、踏切1に設置されている無線通信装置2a,2bを「第1無線通信装置」という。また、自動車5に搭載されている無線通信装置7を「第2無線通信装置」という。
第1無線通信装置2aは、踏切1に接近中又は踏切1を通過中の電車の有無を示す電波W1を周囲に常時送信するものである。以下、この電波W1を「放送波」という。また、踏切1に接近中又は踏切1を通過中の電車が存在することを示す放送波を「第1放送波」といい、踏切1に接近中又は踏切1を通過中の電車が存在しないことを示す放送波を「第2放送波」という。
第2無線通信装置7は、放送波W1を受信している間、測距用の電波W2aを第1無線通信装置2aに所定の時間間隔にて繰り返し送信するとともに、測距用の電波W2bを第1無線通信装置2bに所定の時間間隔にて繰り返し送信するものである。第1無線通信装置2aは、電波W2aを受信する度毎に、測距用の電波W3aを第2無線通信装置7に送信するものである。第1無線通信装置2bは、電波W2bを受信する度毎に、測距用の電波W3bを第2無線通信装置7に送信するものである。以下、測距用の電波W2a,W2b,W3a,W3bを「測距波」という。
ここで、放送波W1と測距波W2a,W2b,W3a,W3bとは互いに異なる種類の電波を用いたものであっても良く、又は互いに同じ種類の電波を用いたものであっても良い。ただし、後者の場合、放送波W1と測距波W2a,W2b,W3a,W3bとが互いに干渉するのを回避する観点及び放送波W1と測距波W2a,W2b,W3a,W3bとの区別を容易にする観点から、例えば周波数などが互いに異なる電波を用いるのが好適である。
放送波判定部11は、第2無線通信装置7による受信中の放送波W1が第1放送波であるか第2放送波であるかを判定するものである。
距離測定部12は、第2無線通信装置7が測距波W3aを受信する度毎に、第1無線通信装置2aと自動車5間の距離(より厳密には第1無線通信装置2aとアンテナ6a間の距離)Laを算出するものである。また、距離測定部12は、第2無線通信装置7が測距波W3bを受信する度毎に、第1無線通信装置2bと自動車5間の距離(より厳密には第1無線通信装置2bとアンテナ6b間の距離)Lbを算出するものである。
すなわち、第2無線通信装置7は、測距波W2a,W2bの送信時刻及び測距波W3a,W3bの受信時刻を距離測定部12に通知する機能を有している。距離測定部12には、第1無線通信装置2a,2bにおける測距波W2a,W2bの受信処理及び測距波W3a,W3bの送信処理にかかる時間を示す情報が予め記憶されている。
距離測定部12は、測距波W2aの送信時刻と測距波W3aの受信時刻間の時間から予め記憶されている情報が示す時間(すなわち第1無線通信装置2aにおける測距波W2aの受信処理及び測距波W3aの送信処理にかかる時間)を減算することにより、測距波W2a,W3aのラウンドトリップタイムTaを算出する。距離測定部12は、当該算出されたラウンドトリップタイムTaを用いて、以下の式(1)により距離Laを算出する。式(1)におけるcは光速を示している。
La=(c×Ta)/2 (1)
距離測定部12は、測距波W2bの送信時刻と測距波W3bの受信時刻間の時間から予め記憶されている情報が示す時間(すなわち第1無線通信装置2bにおける測距波W2bの受信処理及び測距波W3bの送信処理にかかる時間)を減算することにより、測距波W2b,W3bのラウンドトリップタイムTbを算出する。距離測定部12は、当該算出されたラウンドトリップタイムTbを用いて、以下の式(2)により距離Lbを算出する。式(2)におけるcは光速を示している。
Lb=(c×Tb)/2 (2)
以下、距離測定部12により算出された距離La,Lb、すなわち距離測定部12により測定された距離La,Lbを「測定距離」という。距離測定部12は、測定距離La,Lbを位置関係推定部13及びブレーキ制御部14に出力するものである。すなわち、測定距離La,Lbは、位置関係推定部13及びブレーキ制御部14に所定の時間間隔にて繰り返し出力されるものである。
位置関係推定部13は、距離測定部12により出力された測定距離La,Lbを用いて、踏切1に対する自動車5の位置関係を推定するものである。
すなわち、位置関係推定部13は、距離測定部12により出力された直近の複数個の測定距離La(例えば直近の2個の測定距離La)を互いに比較することにより、測定距離Laが減少中であるか否かを判定する機能、及び測定距離Laが増加中であるか否かを判定する機能を有している。また、位置関係推定部13は、距離測定部12により出力された直近の複数個の測定距離Lb(例えば直近の2個の測定距離Lb)を互いに比較することにより、測定距離Lbが減少中であるか否かを判定する機能、及び測定距離Lbが増加中であるか否かを判定する機能を有している。
また、位置関係推定部13は、距離測定部12により出力された最新の測定距離La及び距離測定部12により出力された最新の測定距離Lbのうちのより短い距離(以下「Lmin」の符号を付す。)が所定距離(以下「基準距離」という。)Lth以上であるか否かを判定する機能を有している。基準距離Lthは、自動車5が停止線8を既に超えているか否かを識別可能な値に設定されている。より具体的には、基準距離Lthは、踏切1と停止線8間の距離Lcに対応する値(例えば3メートル)に所定値V1を加算してなる値に設定されている。この所定値V1は、踏切1における第1無線通信装置2a,2bの配置位置、自動車5における前後方向に対するアンテナ6a,6bの配置位置、及び、停止線8に対応する位置にて距離Lcに対応する直線と距離La,Lbに対応する直線とがなす角度などに応じて異なる値となる。
また、位置関係推定部13は、測定距離Lminが基準距離Lthと所定値V2との合計値以上であるか否かを判定する機能を有している。この所定値V2は、自動車5が踏切1を脱出したか否かを識別可能な値に設定されている。この所定値V2は、自動車5における前後方向に対するアンテナ6a,6bの配置位置などに応じて異なる値となる。例えば、図1に示す如くアンテナ6a,6bが自動車5の前端部に配置されている場合、この所定値V2は自動車5の全長に対応する値に設定されている。
測定距離La,Lbがいずれも減少中である場合において、測定距離Lminが基準距離Lth以上であるとき、位置関係推定部13は、自動車5が踏切1に未進入であり、かつ、自動車5が停止線よりも手前の位置を走行中であると推定する。
測定距離La,Lbがいずれも減少中である場合において、測定距離Lminが基準距離Lth未満であるとき、位置関係推定部13は、自動車5が踏切1に未進入であり、かつ、自動車5が停止線を既に超えていると推定する。すなわち、位置関係推定部13は、自動車5が電車又は遮断機9と接触する可能性のある位置を走行中であると推定する。
測定距離La,Lbのうちのいずれか一方が減少中であり、かつ、他方が増加中である場合、位置関係推定部13は、自動車5が踏切1内を走行中であると推定する。
測定距離La,Lbがいずれも増加中である場合において、測定距離Lminが基準距離Lthと所定値V2との合計値以上の値になったとき、位置関係推定部13は、自動車5が踏切1を脱出したと推定する。
ブレーキ制御部14は、位置関係推定部13により測定距離La,Lbがいずれも減少中であると判定されて、かつ、位置関係推定部13により測定距離Lminが基準距離Lth以上であると判定された場合、距離測定部12により出力された測定距離La,Lbに応じて自動車5のブレーキを操作することにより、測定距離Lminが基準距離Lthと同等の値となる位置にて自動車5を停止させるものである。すなわち、停止線8に対応する位置にて自動車5を停止させるものである。
アクセル制御部15は、原則、自動車5におけるアクセルの操作を有効状態に設定するものである。ただし、測定距離Lminが基準距離Lthと同等の値となる位置にて自動車5が停止した後、放送波判定部11による判定結果が第1放送波を示している場合、アクセル制御部15は、例外的に自動車5におけるアクセルの操作を無効状態に設定するものである。
ここで、いわゆる「手動運転」により自動車5が走行中である場合、アクセル制御部15による有効無効の設定対象となる「アクセルの操作」とは、運転者によるアクセルの操作である。他方、いわゆる「自動運転」により自動車5が走行中である場合、アクセル制御部15による有効無効の設定対象となる「アクセルの操作」とは、アクセル制御部15自身によるアクセルの操作、又は図示しない自動運転制御用のECU(Electronic Control Unit)によるアクセルの操作である。
ブレーキ制御部14及びアクセル制御部15により、車両制御部16が構成されている。放送波判定部11、距離測定部12、位置関係推定部13及び車両制御部16により、車両制御装置100の要部が構成されている。第1無線通信装置2a,2b、アンテナ6a,6b、第2無線通信装置7及び車両制御装置100により、車両制御システム200の要部が構成されている。
次に、図3を参照して、車両制御装置100の要部のハードウェア構成について説明する。
プロセッサ21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成されている。メモリ22は、例えば、半導体メモリ又はHDD(Hard Disk Drive)などにより構成されている。
メモリ22には、放送波判定部11、距離測定部12及び位置関係推定部13の機能を実現するためのプログラムが記憶されている。メモリ22に記憶されているプログラムをプロセッサ21が読み出して実行することにより、放送波判定部11、距離測定部12及び位置関係推定部13の機能が実現される。そのほか、メモリ22は、放送波判定部11、距離測定部12及び位置関係推定部13の処理に用いられる各種データ(例えば測定距離La,Lbを示すデータなど)を記憶するものである。
ブレーキ制御部14の機能は、例えば、ECU23により実現される。アクセル制御部15の機能は、例えば、ECU24により実現される。
プロセッサ21は、バス25を介してECU23と通信自在であり、かつ、バス25を介してECU24と通信自在である。プロセッサ21とECU23,24間の通信は、例えば、CAN(Controller Area Network)規格又はEthernet規格などに基づくものである。また、プロセッサ21とECU23,24間の通信は有線通信によるものであっても良く、又は無線通信によるものであっても良い。
次に、図4のフローチャートを参照して、車両制御装置100の動作について、距離測定部12の動作を中心に説明する。
第2無線通信装置7は、放送波W1を受信している間、測距波W2a,W2bを第1無線通信装置2a,2bに所定の時間間隔にて繰り返し送信する。第1無線通信装置2a,2bは、測距波W2a,W2bを受信する度毎に、測距波W3a,W3bを第2無線通信装置7に送信する。距離測定部12は、第2無線通信装置7が測距波W3a,W3bを受信する度毎に、以下のステップST1〜ST4の処理を実行する。
まず、ステップST1にて、距離測定部12は測距波W2a,W3aのラウンドトリップタイムTaを算出する。次いで、ステップST2にて、距離測定部12は測距波W2b,W3bのラウンドトリップタイムTbを算出する。ラウンドトリップタイムTa,Tbの算出方法の具体例は既に説明したとおりであるため、再度の説明は省略する。
次いで、ステップST3にて、距離測定部12は、ステップST1で算出されたラウンドトリップタイムTaを用いて、上記式(1)により距離Laを算出する。距離測定部12は、当該算出された距離La、すなわち測定距離Laを位置関係推定部13及びブレーキ制御部14に出力する。
次いで、ステップST4にて、距離測定部12は、ステップST2で算出されたラウンドトリップタイムTbを用いて、上記式(2)により距離Lbを算出する。距離測定部12は、当該算出された距離Lb、すなわち測定距離Lbを位置関係推定部13及びブレーキ制御部14に出力する。
次に、図5のフローチャートを参照して、車両制御装置100の動作について、放送波判定部11、位置関係推定部13、ブレーキ制御部14及びアクセル制御部15の動作を中心に説明する。
車両制御装置100は、第2無線通信装置7による放送波W1の受信が開始されて、距離測定部12によるステップST1〜ST4の処理が少なくとも2回実行されたとき、ステップST11の処理を開始する。その後、距離測定部12によるステップST1〜ST4の処理は、図5に示すステップST11〜ST19の処理のバックグラウンドにて繰り返し実行される。なお、初期状態において、自動車5におけるアクセルの制御は有効状態に設定されている。
まず、ステップST11にて、位置関係推定部13は、測定距離La,Lbがいずれも減少中であるか否かを判定する。すなわち、位置関係推定部13は、距離測定部12により出力された直近の複数個の測定距離Laを互いに比較することにより、測定距離Laが減少中であるか否かを判定する。また、位置関係推定部13は、距離測定部12により出力された直近の複数個の測定距離Lbを互いに比較することにより、測定距離Lbが減少中であるか否かを判定する。
測定距離La,Lbがいずれも減少中である場合(ステップST11“YES”)、ステップST12にて、位置関係推定部13は、測定距離Lminが基準距離Lth以上であるか否かを判定する。すなわち、位置関係推定部13は、距離測定部12により出力された最新の測定距離La及び距離測定部12により出力された最新の測定距離Lbのうちのより小さい値をLminに設定して、当該設定されたLminがLth以上であるか否かを判定する。
測定距離Lminが基準距離Lth以上である場合(ステップST12“YES”)、自動車5が踏切1に未進入であり、かつ、自動車5が停止線8よりも手前の位置を走行中である蓋然性が高い。そこで、ブレーキ制御部14は、自動車5のブレーキを操作することにより、測定距離Lminが基準距離Lthと同等の値となる位置にて自動車5を停止させる(ステップST13)。すなわち、停止線8に対応する位置にて自動車5を停止させる。ステップST13の処理には、距離測定部12により随時出力される測定距離La,Lbが用いられる。
次いで、ステップST14にて、放送波判定部11は、第2無線通信装置7による受信中の放送波W1が第1放送波であるか第2放送波であるかを判定する。
ステップST14の判定結果が第1放送波を示している場合(ステップST15“YES”)、電車が踏切1に接近中又は踏切1を通過中である蓋然性が高い。そこで、アクセル制御部15は、自動車5におけるアクセルの操作を無効状態に設定する(ステップST16)。これにより、停止線8に対応する位置にて自動車5が停止した後、仮に手動運転において運転者がアクセルを操作した場合、又は自動運転においてECU24などがアクセルを操作した場合であっても、自動車5が踏切1に進入するのを防ぐことができる。
次いで、ステップST17にて、放送波判定部11は、第2無線通信装置7による受信中の放送波W1が第1放送波であるか第2放送波であるかを再度判定する。
ステップST17の判定結果が第1放送波を示している場合(ステップST18“NO”)、依然として電車が踏切1に接近中又は踏切1を通過中である蓋然性が高い。このため、自動車5におけるアクセルの操作は無効状態に設定されたままで、車両制御装置100の処理はステップST17に戻る。
他方、ステップST17の判定結果が第2放送波を示している場合(ステップST18“YES”)、電車による踏切1の通過が完了した蓋然性が高い。そこで、アクセル制御部15は、自動車5におけるアクセルの操作を有効状態に設定する(ステップST19)。これにより、手動運転又は自動運転にて自動車5が踏切1に進入することが可能となる。
なお、ステップST11で測定距離La,Lbのうちの少なくとも一方が減少中でないと判定された場合(ステップST11“NO”)、自動車5が踏切1に進入済みである蓋然性が高い。この場合、電車が踏切1を通過中である可能性は低いものの、電車が踏切1に接近中である可能性はある。このため、自動車5を停止させるよりもむしろ自動車5の前進又は後退を促して、自動車5を早期に踏切1から脱出させるのが好適である。
そこで、ステップST11で測定距離La,Lbのうちの少なくとも一方が減少中でないと判定された場合(ステップST11“NO”)、ステップST12〜ST18の処理はスキップされて、車両制御装置100の処理はステップST19に進む。すなわち、自動車5におけるアクセルの操作は有効状態に設定されたままとなる。これにより、手動運転又は自動運転にて自動車5が踏切1を脱出することが可能となる。また、このとき、ステップST14,ST17と同様に受信中の放送波W1が第1放送波であるか第2放送波であるかを判定して、受信中の放送波W1が第1放送波であると判定された場合、電車が踏切1に接近中であることを示す警告を自動車5の搭乗者に対して出力するのが好適である。
また、ステップST12で測定距離Lminが基準距離Lth未満であると判定された場合(ステップST12“NO”)、自動車5が踏切1に未進入であるものの、自動車5が停止線8を既に超えている蓋然性が高い。この場合、自動車5を停止させるよりもむしろ自動車5の前進又は後退を促すことにより、自動車5を早期に踏切1から脱出させたり、又は遮断機9と接触しない位置に自動車5を移動させたりするのが好適である。
そこで、ステップST12で測定距離Lminが基準距離Lth未満であると判定された場合(ステップST12“NO”)、ステップST13〜ST18はスキップされて、車両制御装置100の処理はステップST19に進む。すなわち、自動車5におけるアクセルの操作は有効状態に設定されたままとなる。これにより、手動運転又は自動運転にて自動車5が踏切1を脱出したり、又は遮断機9と接触しない位置に自動車5が移動したりすることが可能となる。また、このとき、ステップST14,ST17と同様に受信中の放送波W1が第1放送波であるか第2放送波であるかを判定して、受信中の放送波W1が第1放送波であると判定された場合、電車が踏切1に接近中又は踏切1を通過中であることを示す警告を自動車5の搭乗者に対して出力するのが好適である。
また、ステップST14の判定結果が第2放送波を示している場合(ステップST15“NO”)、踏切1に接近中の電車が存在せず、踏切1を通過中の電車も存在しない蓋然性が高い。このため、自動車5が踏切1に進入しても問題はないと考えられる。
そこで、ステップST14の判定結果が第2放送波を示している場合(ステップST15“NO”)、ステップST16〜ST18はスキップされて、車両制御装置100の処理はステップST19に進む。すなわち、自動車5におけるアクセルの操作は有効状態に設定されたままとなる。これにより、手動運転又は自動運転にて自動車5が踏切1に進入することができる。
なお、ステップST12にて、位置関係推定部13は、測定距離Lminが所定距離(以下「第1基準距離」という。)Lth1以上かつ所定距離(以下「第2基準距離」という。)Lth2未満であるか否かを判定するものであっても良い。第1基準距離Lth1は、基準距離Lthと同等の値に設定されている。第2基準距離Lth2は、第1基準距離Lth1よりも大きく、かつ、第1無線通信装置2a,2bと第2無線通信装置7間の通信可能距離よりも小さい値(例えば10メートル)に設定されている。
また、プロセッサ21及びメモリ22は、車両制御システム200と図示しない他のシステム(例えばカーナビゲーションシステム又はカーオーディオシステムなど)とにより共用されるものであっても良い。
また、アンテナ6a,6b及び第2無線通信装置7は、車両制御システム200と図示しない他のシステム(例えばカーナビゲーションシステム又はカーオーディオシステムなど)とにより共用されるものであっても良い。
また、自動車5におけるアンテナの個数は2個に限定されるものではなく、第2無線通信装置7は如何なる個数のアンテナを用いて第1無線通信装置2a,2bと通信するものであっても良い。例えば、第2無線通信装置7は、1個のアンテナを用いて2個の第1無線通信装置2a,2bの各々と通信するものであっても良い。
また、自動車5における第2無線通信装置の個数は1個に限定されるものではなく、如何なる個数の第2無線通信装置が自動車5に搭載されているものであっても良い。例えば、2個の第1無線通信装置2a,2bと一対一に対応する2個の第2無線通信装置が自動車5に搭載されているものであっても良い。この場合、一方の第2無線通信装置が放送波W1の受信及び測距波W2a,W3aの送受信に用いられるとともに、他方の第2無線通信装置が測距波W2b,W3bの送受信に用いられるものであっても良い。
また、踏切1における第1無線通信装置の個数は2個に限定されるものではなく、踏切1における第1無線通信装置の配置位置は図1に示す例に限定されるものではない。ただし、位置関係推定部13による位置関係の推定を実現する観点から、複数個の第1無線通信装置が踏切1に設置されているのが好適である。また、複数個の第1無線通信装置のうちの少なくとも1個の第1無線通信装置は線路4の両側部のうちの一方の側部に配置されており、かつ、複数個の第1無線通信装置のうちの他の少なくとも1個の第1無線通信装置は線路4の両側部のうちの他方の側部に配置されているのが好適である。
以上のように、実施の形態1の車両制御装置100は、踏切1に設けられている第1無線通信装置2a,2bにより送信されて、かつ、自動車5に設けられている第2無線通信装置7により受信された放送波W1が、踏切1に接近中若しくは踏切1を通過中の電車が存在することを示す第1放送波又は電車が存在しないことを示す第2放送波のうちのいずれの放送波W1であるのかを判定する放送波判定部11と、放送波判定部11により放送波W1が第1放送波であると判定された場合、自動車5におけるアクセルの操作を無効状態に設定するアクセル制御部15とを備える。自動車5におけるアクセルの操作を無効状態に設定することにより、電車が踏切1に接近中である場合に自動車5が踏切1に進入するのを防ぐことができる。また、地図データ及びGPS信号などが不要であるため、ナビゲーション機能が設けられていない場合、又はナビゲーション機能がオフされている場合においても動作することができる。
また、車両制御装置100は、第1無線通信装置2a,2bと第2無線通信装置7間にて送受信された測距波W2a,W2b,W3a,W3bを用いて、第1無線通信装置2a,2bと自動車5間の距離La,Lbを測定する距離測定部12を備え、アクセル制御部15は、距離測定部12による測定距離Lminが基準距離Lth未満である場合、自動車5におけるアクセルの操作を有効状態に設定にする。これにより、自動車5が踏切1に進入済みである場合などは、手動運転又は自動運転にて自動車5が踏切1を脱出することが可能となる。
また、アクセル制御部15は、距離測定部12による測定距離Lminが基準距離Lthと同等の値となる位置にて自動車5が停止したとき、自動車5におけるアクセルの操作を無効状態に設定する。これにより、自動車5が停止線8に対応する位置にて停止したとき、自動車5におけるアクセルの操作を無効状態に設定することができる。
また、車両制御装置100は、自動車5のブレーキを操作することにより、距離測定部12による測定距離Lminが基準距離Lthと同等の値となる位置にて自動車5を停止させるブレーキ制御部14を備える。これにより、停止線8に対応する位置にて自動車5を自動的に停止させることができる。
また、距離測定部12は、複数個の第1無線通信装置2a,2bの各々と自動車5間の距離La,Lbを測定するものであり、車両制御装置100は、距離測定部12による測定距離La,Lbの時間変化に基づき、踏切1に対する自動車5の位置関係を推定する位置関係推定部13を備える。測距波W2a,W2b,W3a,W3bを用いることにより、地図データ及びGPS信号などを不要としつつ、踏切1に対する自動車5の位置関係を推定することができる。
また、実施の形態1の車両制御システム200は、踏切1に設置自在な第1無線通信装置2a,2bと、自動車5に搭載自在な第2無線通信装置7と、第1無線通信装置2a,2bにより送信されて、かつ、第2無線通信装置7により受信された放送波W1が、踏切1に接近中若しくは踏切1を通過中の電車が存在することを示す第1放送波又は電車が存在しないことを示す第2放送波のうちのいずれの放送波W1であるのかを判定する放送波判定部11と、放送波判定部11により放送波W1が第1放送波であると判定された場合、自動車5におけるアクセルの操作を無効状態に設定にするアクセル制御部15とを有する車両制御装置100とを備える。これにより、車両制御装置100による上記効果と同様の効果を得ることができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
1 踏切、2a,2b 第1無線通信装置、3 道路、4 線路、5 自動車、6a,6b アンテナ、7 第2無線通信装置、8 停止線、9 遮断機、11 放送波判定部、12 距離測定部、13 位置関係推定部、14 ブレーキ制御部、15 アクセル制御部、16 車両制御部、21 プロセッサ、22 メモリ、23 ECU、24 ECU、25 バス、100 車両制御装置、200 車両制御システム。
Claims (6)
- 踏切に設けられている第1無線通信装置により送信されて、かつ、自動車に設けられている第2無線通信装置により受信された放送波が、前記踏切に接近中若しくは前記踏切を通過中の電車が存在することを示す第1放送波又は前記電車が存在しないことを示す第2放送波のうちのいずれの前記放送波であるのかを判定する放送波判定部と、
前記放送波判定部により前記放送波が前記第1放送波であると判定された場合、前記自動車におけるアクセルの操作を無効状態に設定するアクセル制御部と、
を備える車両制御装置。 - 前記第1無線通信装置と前記第2無線通信装置間にて送受信された測距波を用いて、前記第1無線通信装置と前記自動車間の距離を測定する距離測定部を備え、
前記アクセル制御部は、前記距離測定部による測定距離が基準距離未満である場合、前記自動車におけるアクセルの操作を有効状態に設定にする
ことを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。 - 前記アクセル制御部は、前記距離測定部による測定距離が前記基準距離と同等の値となる位置にて前記自動車が停止したとき、前記自動車におけるアクセルの操作を無効状態に設定することを特徴とする請求項2記載の車両制御装置。
- 前記自動車のブレーキを制御することにより、前記距離測定部による測定距離が前記基準距離と同等の値となる位置にて前記自動車を停止させるブレーキ制御部を備えることを特徴とする請求項3記載の車両制御装置。
- 前記距離測定部は、複数個の前記第1無線通信装置の各々と前記自動車間の距離を測定するものであり、
前記距離測定部による測定距離の時間変化に基づき、前記踏切に対する前記自動車の位置関係を推定する位置関係推定部を備える
ことを特徴とする請求項2から請求項4のうちのいずれか1項記載の車両制御装置。 - 踏切に設置自在な第1無線通信装置と、
自動車に搭載自在な第2無線通信装置と、
前記第1無線通信装置により送信されて、かつ、前記第2無線通信装置により受信された放送波が、前記踏切に接近中若しくは前記踏切を通過中の電車が存在することを示す第1放送波又は前記電車が存在しないことを示す第2放送波のうちのいずれの前記放送波であるのかを判定する放送波判定部と、前記放送波判定部により前記放送波が前記第1放送波であると判定された場合、前記自動車におけるアクセルの操作を無効状態に設定にするアクセル制御部と、を有する車両制御装置と、
を備える車両制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018009154A JP2019127110A (ja) | 2018-01-23 | 2018-01-23 | 車両制御装置及び車両制御システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018009154A JP2019127110A (ja) | 2018-01-23 | 2018-01-23 | 車両制御装置及び車両制御システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019127110A true JP2019127110A (ja) | 2019-08-01 |
Family
ID=67471783
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018009154A Pending JP2019127110A (ja) | 2018-01-23 | 2018-01-23 | 車両制御装置及び車両制御システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019127110A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021006212A1 (ja) | 2019-07-08 | 2021-01-14 | テルモ株式会社 | ハイブリドーマおよびその製造方法、並びにモノクローナル抗体およびその製造方法 |
-
2018
- 2018-01-23 JP JP2018009154A patent/JP2019127110A/ja active Pending
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WO2021006212A1 (ja) | 2019-07-08 | 2021-01-14 | テルモ株式会社 | ハイブリドーマおよびその製造方法、並びにモノクローナル抗体およびその製造方法 |
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