JP4944491B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに係り、更に詳しくは、燃料電池システム内の熱(排熱)を回収する第2の熱媒体の温度制御技術に関する。
従来の燃料電池システムの電力制御系統の一例は、燃料電池から出力される直流の発電電力を交流電力に変換するインバータと、インバータにより出力された交流電力を検知する発電電力検知器と、この交流電力から電力負荷において消費された電力(以下、「負荷消費電力」という)を差し引いた逆潮電力(余剰電力)を検知する電力差検知器とを備えて構成されている。
そして、このような余剰電力を有効に利用する観点から、余剰電力を使ってヒータにより、貯湯タンクに向けて流れる熱回収水を適宜追い炊きすることを可能にした、燃料電池システムの熱回収水温度の制御技術が既に開発されており、ここでは、熱回収水の温度制御例として、ヒータを経た後の熱回収水の温度が一定の適温になるように、貯湯ポンプの循環能力が調整されている(特許文献1参照)。
特許第3403667号明細書
ヒータを経た後の熱回収水温度を逐次監視したうえで、この水温を一定にするといった特許文献1記載のような熱回収水温度制御技術(以下、「従来の熱回収水温度制御技術」という)は、貯湯タンクに最適に温められた水を常時供給可能になることから、電熱供給システムの温度制御として一面、理に適っている。
しかしながら、従来の熱回収水温度制御技術には、以下に述べるように、負荷消費電力の大幅かつ瞬時の変動時においては改善の余地があると、本件発明者等は考えている。
燃料電池の発電電力の変化は、通常は、燃料電池システム全体の安定性に配慮して、100W/分程度に制限されるのに対し、負荷消費電力の変化は、瞬時に1KW以上に達することも多々ある。
つまり、電力差検知器により検知された余剰電力は、燃料電池システムの燃料処理器による原料ガス改質反応に基づく燃料ガス生成の迅速な可変が困難であることから、上記負荷消費電力の変動分相当の1KW以上に頻繁かつ瞬時に変化することになり、これにより、電力設定器によって設定されるヒータへの供給電力が、この変化に連動するように、大幅かつ瞬時に変動する。
このような状況において、従来の熱回収水温度制御技術をそのまま採用すれば、ヒータへの供給電力の大幅かつ瞬時の変動を契機として、ヒータを経た後の熱回収水の温度を一定の適温に保つように、貯湯ポンプの循環能力の大幅な変化を招きかねない。
そしてこのような貯湯ポンプの循環能力の過度な変化が、燃料電池冷却用の熱交換器の熱交換作用に悪影響を及ぼすものと推定される。
例えば、熱交換器を通過する冷却水の温度が、これと熱交換する熱回収水流量の急激な変化によりシフトすれば、燃料電池の内部温度が不安定化する。そして燃料電池の内部温度が不安定化すれば、燃料電池の適正な発電動作が阻害される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、燃料電池冷却用の熱伝達器を経た第2の熱媒体を加熱する加熱器に、何等かの過度の外乱(例えば、電力負荷変動に基づく極度の燃料過多)が発生した場合であっても、燃料電池の内部温度を安定に保つことを可能にして、燃料電池の適正な発電動作を図れる燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電する燃料電池と、前記発電に際しシステム内で生成された熱を輸送する第1の熱媒体により、第2の熱媒体に熱を伝える熱伝達器と、前記燃料電池から供給される余剰のエネルギーを利用して前記第2の熱媒体を加熱する加熱器と、前記熱伝達器に向けて前記第2の熱媒体を導く入口から、前記加熱器を経た前記第2の熱媒体を外部に導く出口まで延びる前記第2の熱媒体の流路と、前記流路を流れる第2の熱媒体の流量を調整する流量調整器と、前記加熱器を経た第2の熱媒体の温度を第1の基準温度として検知する第1の温度測定器と、前記加熱器から前記第2の熱媒体への供給熱量に相関する第1の相関量を検知する第1の検知器と、制御器とを備え、前記制御器は、前記第1の基準温度が、前記第1の相関量に応じて定められる目標温度になるよう、前記流量調整器により前記第2の熱媒体の流量を制御することを特徴とする。
このような構成により、燃料電池冷却用の熱伝達器を経た第2の熱媒体を加熱する加熱器に供給されるエネルギーに大きな変動(例えば、電力負荷変動に伴う余剰電力過多による加熱器への過剰な電力供給)が発生した場合であっても、加熱器から第2の熱媒体への供給熱量に相関する第1の相関量に応じて加熱器を経た第2の熱媒体の目標温度を設定し、この目標温度にと一致するよう第2の熱媒体の流量を制御することで、熱伝達器と加熱器との間の流路内の第2の熱媒体の温度が安定し、燃料電池の内部温度を安定に保つことが可能になる。
上記本発明の構成において、前記目標温度は、前記第1の相関量に比例するよう定められることを特徴とする。
上記本発明の構成において、前記目標温度は、前記熱伝達器と前記加熱器との間の前記流路内の第2の熱媒体の温度が所定温度に維持されるよう定められることを特徴とする。
このような構成により、熱伝達器と加熱器との間の流路内の第2の熱媒体の温度が所定温度に維持され、燃料電池の内部温度をより安定に保つことが可能になる。
上記本発明の構成において、前記加熱器が、前記余剰電力を利用して第2の熱媒体を加熱するヒータであるとともに、前記第1の検知器例は、前記燃料電池の発電電力から電力負荷による電力を差し引いた余剰電力を、前記第1の相関量として検知する電力差検知器である。
このような構成により、前記余剰電力ヒータに燃料電池から過剰な余剰電力が供給される場合においても、前記電力差検知器により検知される余剰電力に応じてヒータ後の目標温度を設定し、この目標温度に一致するよう前記第2の熱媒体の流量を制御することで、熱伝達器と加熱器との間の流路内の第2の熱媒体の温度および燃料電池の内部温度を安定に保つことが可能になる。
また、上記本発明の構成において、前記加熱器が、前記可燃性ガスを燃焼可能な燃焼加熱器であるとともに、前記第1の検知器例は、前記燃料電池から排出された可燃性ガスの流量を、前記第1の相関量として検知する可燃性ガス流量検知器である。
このような構成により、前記燃料電池の発電で余った可燃性ガスが、前記燃焼加熱器に過剰に供給されるような場合においても、前記可燃性ガス流量検知器で検知される可燃性ガスの流量に応じて前記燃焼検知器後の第2の熱媒体の目標温度を設定し、この目標温度に一致するよう前記第2の熱媒体の流量を制御することで、熱伝達器と加熱器との間の流路内の第2の熱媒体の温度および燃料電池の内部温度を安定に保つことが可能になる。
また、上記本発明の構成において、前記熱伝達器と前記加熱器との間の前記流路内の前記第2の熱媒体の温度に相関する第2の相関量を検知する第2の検知器を備え、前記目標温度は、前記第1の相関量及び前記第2の相関量に基づき、前記熱伝達器と前記加熱器との間の前記流路内の第2の熱媒体の温度が所定の温度に維持されるよう定められることを特徴とする。
このような構成により、前記熱伝達器からの供給熱量が変動する場合に、その変動も考慮して、熱伝達器と加熱器との間の流路内の第2の熱媒体の温度が所定温度に維持され、燃料電池の内部温度をより安定に保つことが可能になる。
また、上記本発明の構成において、前記第2の相関量の一例は、前記燃料電池の発電電力から換算される前記熱伝達器の前記第2の熱媒体への供給熱量であり、前記第2の検知器例は、前記発電電力を検知する発電電力検知器である。
また、上記本発明の構成において、前記第2の検知器例が、前記第2の熱媒体の流量を、前記第2の相関量として検知する第2の熱媒体流量検知器である。
このような構成により、前記第2の熱媒体の流量値から、前記熱伝達器と前記加熱器との間の流路内の第2の熱媒体の温度に相関する熱伝達器の第2の熱媒体への熱量が概算される。このため、前記熱伝達器の第2の熱媒体への熱量を直接に検知する検知器を特設する必要がなく、燃料電池システムのコストアップを抑制でき好適である。
また、上記本発明の構成に加えて、前記熱伝達器と前記入口との間の流路内の第2の熱媒体の温度を、第2の基準温度として検知する第2の温度測定器を備え、前記目標温度は、前記第1の相関量、第2の相関量及び前記第2の基準温度に基づいて、前記熱伝達器と前記加熱器との間の流路内の第2の熱媒体の温度が所定温度に維持されるように定められる。
前記貯湯タンクの流出口から送出した第2の熱媒体の基準温度が、時間の経過とともに変動する場合には、この温度も考慮する方が、前記熱伝達器と前記加熱器との間の流路内の第2の熱媒体の温度が所定温度に維持するためにより正確な前記目標温度が得られ好適である。
なお、以上に述べた前記第1の熱媒体は、前記燃料電池の内部を冷却する冷却水である。
また、前記第1の熱媒体として、上記水に加えて、燃料ガスおよび/または酸化剤ガス(発電ガス)を使用しても良い。
前記目標温度は、その上限温度が予め設定されている。
このような上限温度を設けることにより、前記第2の熱媒体への、前記加熱器による過剰加熱を未然に防止できる。
なおここで、前記第2の熱媒体の一例は水であるとともに、前記熱交換器及び前記加熱器で加熱された温水を貯える貯湯タンクを備え、前記流路の入口及び出口は、前記貯湯タンクに連通している。
本発明によれば、燃料電池冷却用の熱伝達器を経た第2の熱媒体を加熱する加熱器に供給されるエネルギーに大きな変動(例えば、電力負荷変動に伴う余剰電力過多による加熱器への過剰な電力供給)が発生した場合であっても、熱伝達器と加熱器との間の流路内の第2の熱媒体の温度を安定させ、燃料電池の内部温度を安定に保つことを可能にする。
以下、本発明の好ましい実施の形態1および実施の形態2について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による燃料電池システムの一構成例を示したブロック図である。
燃料電池システム100(燃料電池コージェネレーションシステム)は、図1に示す如く、水素リッチな燃料ガス(発電ガス)と空気等の酸化剤ガス(発電ガス)を用いて発電および発熱(排熱放出)する燃料電池11を有して構成されている。
このような燃料電池システム100には大まかには、燃料電池11への発電ガス供給および排気用の発電ガス系統および、燃料電池11から出力される電力制御用の電力制御系統並びに、燃料電池11の温度を適温に保つ機能を果たす冷却水循環用の冷却系統並びに、燃料電池システム100の発電ガスや冷却水との熱交換により燃料電池システム100の発熱(排熱)による熱を効率的に回収する排熱回収系統並びに、燃料電池システム100の動作を適切に制御する動作制御系統がある。
燃料電池システム100の発電ガス系統は、例えば、燃料処理器12およびブロア13を備えて構成されている。
燃料処理器12は、燃料電池11に併設され、既存インフラから供給される都市ガスや天然ガス等の原料ガスに水を添加して改質して、水素リッチな高温(例えば数百度)の燃料ガスを生成するように構成されている。この燃料処理器12は、公知技術に基づくものであり、ここではその詳細な構成説明は省略する。
また、燃料処理器12により、図1の矢印付きの2重線に示す如く、燃料ガス/熱回収水熱交換器41(熱伝達器;後記)において、後記の熱回収水(第2の熱媒体)との間で、この熱回収水に熱を伝えるように熱交換された燃料ガスが燃料電池11のアノードに供給される。
また、燃料電池11に併設されるブロア13により、図1の矢印付きの2重線に示す如く、空気等の酸化剤ガスが燃料電池11のカソードに供給される。
なおここで、燃料電池11のアノードにおいて消費されなかった適温(例えば70℃)の残余の燃料ガス(オフガス)は、第1の凝縮器43(熱伝達器;後記)において熱回収水との間で、熱回収水に熱を伝えるように熱交換され、燃料処理器12の加熱用バーナ10に向けて燃料処理器12の圧送力により排出され、バーナ10の燃料として燃焼される。
また、燃料電池11のカソードにおいて消費されなかった適温(例えば70℃)の残余の酸化剤ガスは、第2の凝縮器44(熱伝達器;後記)において熱回収水との間で、この熱回収水に熱を伝えるように熱交換され、ブロア13の圧送力により大気中に放出される。
燃料電池システム100の電力制御系統は、図1に示す如く、燃料電池11の直流の発電電力を交流電力に変換するインバータ21と、インバータ21から出力された交流電力を検知する発電電力検知器22と、この交流電力から電力負荷において消費された負荷消費電力を差し引いた余剰電力を検知する電力差検知器23とを備えて構成されている。
なおここで、発電電力検知器22を通ったインバータ21の出力側は、インバータ21の交流電力を供給する電力負荷(例えば、家庭用電力負荷)と既存インフラの電力系統の両方に接続されている。
このため、このインバータ21の出力電力が負荷消費電力未満の際には、インバータ21および電力系統の双方から電力負荷に要する電力を給電することが可能になる。
また逆に、インバータ21の出力電力が負荷消費電力を超える際には、電力差検知器23により検知された余剰電力(インバータ21の出力電力のうちの負荷消費電力を超えた分)が、電力設定器34により後記の熱回収水加熱用のヒータ33(加熱器)への給電電力として設定されてヒータ33により消費され、これにより、熱回収水がヒータ33により加熱かつ昇温される。
また、燃料電池システム100の冷却系統では、図1の太い一点鎖線矢印で示した冷却水流路を、その途中で燃料電池11の内部を通るようにして、冷却水(約70℃程度の第1の熱媒体)が流されている。なお、この冷却水は、燃料電池11の発熱(反応熱)による熱を燃料電池11の外部に輸送する役割を担っている。
更に、この冷却系統は、燃料電池11の内部を適温(例えば70℃)に保つように、冷却水流路中の冷却水流量を調整しつつこれを循環させる冷却水ポンプ31を有し、冷却水と熱回収水との間の熱交換により熱回収水に熱を伝えて構成される冷却水/熱回収水熱交換器42(熱伝達器;後記)が、この冷却水流路の途中に設けられている。
また、燃料電池システム100の排熱回収系統には、お湯(既存インフラの市水を昇温した貯湯水)を貯蔵する貯湯タンク32(蓄熱部)が併設されている。そして、貯湯タンク32の下方部の熱回収水流出口32Aから取り出された熱回収水は、本発明の流量調整器である貯湯ポンプ35により、複合型の熱交換システム(詳細は後程述べる)を通して燃料電池システム100内の熱(排熱)およびヒータ33による熱を受け取り、これにより、熱回収水は、適温に昇温された後、貯湯タンク32の上方部の熱回収水流入口32Bに戻される。
なおここで、上記熱回収水流出口32Aは、貯湯タンク32の市水(水道水)入口付近の水を、複合型の熱交換システムに向けて熱回収水流路101に導く、熱回収水流路101の入口に相当する。また、上記熱回収水流入口32Bは、ヒータ33を経た熱回収水を貯湯タンク32へ導く、熱回収水流路101の出口に相当する。すなわち、熱回収水流路101は、貯湯タンク32の熱回収水流出口32A(熱回収水流路101の入口)と貯湯タンク32の熱回収水流入口32B(熱回収水流路101の出口)とを介して、貯湯タンク32に連通してなり、その入口から出口に至るように延びて構成されている。また、本発明の流量調整器として貯湯ポンプを例示したが、流量調整可能な弁(ニードル弁;図示せず)であっても構わない。
またここでは、排熱回収系統のヒータ33は、冷却水/熱回収水熱交換器42と貯湯タンク32の熱回収水流入口32Bとの間に位置する熱回収水流路101の途中に配置されている。
排熱回収系統の複合型の熱交換システムの一例として、本実施の形態においては、図1の太い実線矢印で示した熱回収水流路101の流れ方向に沿って順番に、カソードから排出され水分を含む酸化剤ガスと熱回収水との間の熱交換機能およびこの酸化剤ガス中の水分除去機能の両方を兼ねる第2の凝縮器44と、アノードから排出され水分を含むオフガスと熱回収水との間の熱交換機能およびこのオフガス中の水分除去機能の両方を兼ねる第1の凝縮器43と、燃料処理器12から燃料電池11に送出される途中の燃料ガスと熱回収水との間の熱交換機能を備える燃料ガス/熱回収水熱交換器41と、冷却水ポンプ31により循環される冷却水と熱回収水との間の熱交換機能を備える冷却水/熱回収水熱交換器42と、が設けられている。
要するに、貯湯タンク32の熱回収水流出口32Aから流出した熱回収水が、貯湯ポンプ35により圧送され、熱回収水流路101の途中の第2の凝縮器44、第1の凝縮器43、燃料ガス/熱回収水熱交換器41および冷却水/熱回収水熱交換器42をこの順番に経て、ヒータ33に入り、その後、このヒータ33を出た熱回収水が、貯湯タンク32の熱回収水流入口32Bに再び戻される。このように、熱回収水が循環される。
燃料電池システム100の動作制御系統は、例えば、マイクロプロセッサ等からなる複数の制御装置を有し、ここでの制御装置群の一例は、ヒータ33を経た後(正確にはヒータ33と貯湯タンク32の熱回収水流入口32Bとの間の、ヒータ33近傍に位置する熱回収水流路101)の熱回収水温度(以下、「ヒータ加熱後水温度」という)の目標温度Raを決定する流量/温度演算器51と、貯湯ポンプ35による熱回収水の吐出流量を調整可能な貯湯ポンプ調整器52と、冷却水ポンプ31による冷却水の吐出量を調整可能な冷却水ポンプ調整器53と、燃料電池システム100の全体の動作を制御するコントローラ102と、を備えて構成されている。
なお、本実施の形態の燃料電池システムにおいて、本発明の制御器は、上記貯湯ポンプ調整器52及び上記流量/温度演算器51を備える。また、これらの機器が分散配置され、互いに協働して燃料電池システムの動作を制御する構成に限定されず、これらの複数の機器を統合した単一の制御装置をも意味している。すなわち、上記流量/温度演算器51及び上記貯湯ポンプ調整器52を、統合して単一の制御器として構成しても良い。
流量/温度演算器51がヒータ加熱後水温度の目標温度Raを決定するに際しての入力データを検知する検知器には、第2の凝縮器44と貯湯タンク32の熱回収水流出口32Aとの間の熱回収水流路101を流れる、熱交換により昇温される前の熱回収水の温度(以下、「熱交換前熱回収水温度」という)を検知する第2の温度検知器54(例えば、サーミスタや熱電対)と、ヒータ33への供給電力を検知する電力差検知器23と、燃料電池11の発電電力量を検知する発電電力検知器22と、がある。
そして、流量/温度演算器51は、後程詳しく述べるように、これらの検知器54、23、22により検知されたデータに基づき、ヒータ33への何等かの過度の外乱(例えば、電力負荷変動に伴う余剰電力過多による加熱器への過剰な電力供給)に際して、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度を一定(例えば後記の約62℃)に維持可能な熱回収水の流量を目標流量として推定演算するとともに、このような熱回収水の流量の推定値から上記目標温度Raを演算かつ設定して、貯湯ポンプ調整器52に目標温度Raを出力するように構成されている。
一方、貯湯ポンプ調整器52は、流量/温度演算器51から受け取った目標温度Raと、第1の温度検知器55(例えば、サーミスタや熱電対)により検知された熱回収水温度と、を比較して、両者が一致するように貯湯ポンプ35による熱回収水の吐出流量(熱回収水循環能力)を調整するように構成されている。
なお、第1の温度検知器55は、ヒータ加熱後水温度を実測している。
更に、冷却水ポンプ調整器53は、冷却水流路を循環する冷却水の温度を、第3の温度検知器56(例えば、サーミスタや熱電対)により監視しつつ、この温度を一定の適温(例えば70℃)に制御すべく冷却水ポンプ31による冷却水の吐出流量(冷却水循環能力)を調整するように構成されている。
次に、本実施の形態による燃料電池システム100の動作を説明する。
冷却水/熱回収水熱交換器42の熱回収水流れ方向下流に位置する、熱回収水加熱用のヒータ33への供給電力が大幅かつ瞬時に変動した際にも、燃料電池システム100の安定な発電維持には、燃料電池11の内部温度を可能な限り一定の適温(例えば70℃近辺)に保つことが重要である。
そこで、冷却水ポンプ調整器53による冷却水循環能力調整では制御し切れない冷却水/熱回収水熱交換器42の熱交換能力の大幅な瞬時の変動をなくすことが必須であり、この一方法として、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後(正確には冷却水/熱回収水熱交換器42とヒータ33との間の、冷却水/熱回収水熱交換器42近傍の熱回収水流路101中)の熱回収水温度の安定化が最も有効であると、本件発明者等は推定している。
このような設計思想に基づいて、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度を一定温度に維持するように、ヒータ加熱後水温度に対する目標温度Raは設定される。
なお貯湯タンク32の温水を給湯に利用することから、貯湯タンク32に戻される熱回収水の温度を60℃以上に調整することが望まれる。そこで、ヒータ33への無通電状態を勘案したうえで貯湯タンク32に向けて流す際の放熱量を見越して、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水の温度は、60℃より若干高めの62℃程度にすることが好適であると言える。
まず、流量/温度演算器51による目標温度Raの設定に必要となる各種の熱計算式を説明する。
<第1の熱計算式>
複合型の熱交換システム(ここでは、第1および第2の凝縮器43、44および燃料ガス/熱回収水熱交換器41並びに冷却水/熱回収水熱交換器42)により、燃料電池システム100から熱回収水に供与される総供給熱量Qa(ワット・アワー;Wh)は、下記の式(1)の如く、発電電力検知器22により検知された発電の電力量Qf(Wh)に、予め実験により得られた所定の定数(ここでは約1.4)を乗じた数値として概算される。
このように総供給熱量Qaを発電の電力量Qfから概算することにより、複合型の熱交換システムの総供給熱量Qaを直接に検知する検知器を特設する必要がなく、燃料電池システム100のコストアップを抑制でき好適である。
Qa=1.4×Qf ・・・・・(1)
但しこの定数(1.4)は、本実施の形態による燃料電池システム100に特有の数値であり、燃料電池システムのシステム構成が変われば、当然、この定数も修正する必要がある。
<第2の熱計算式>
第2の温度検知器54により検知される熱交換前熱回収水温度Tiと、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度(ここでは62℃を代入)とを用いて、熱回収水流路101を流れる熱回収水の単位時間当たりの流量Gwa(リットル/分;L/min)は、総供給熱量Qaとの関係から下記(2)に示した式により表される。
このように、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度として、所定の定数(62℃)を代入することにより、流量Gwaの演算(目標温度Raの設定演算)の簡素化が図れるとともに、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度を直接に検知する検知器を特設する必要がなく、燃料電池システム100のコストアップを抑制でき好適である。
Qa=1(kcal/kg・℃)×1(kg/L)×1.16(Wh/kcal)×Gwa(L/min)×60(min)
×(62-Ti)(℃)=1.16×60×Gwa×(62−Ti)・・・・(2)
<第3の熱計算式>
ここで、電力差検知器23により検知される余剰電力相当のヒータ33への供給電力量Qh(Wh)(以下、「ヒータ供給電力量Qh」という)は、ヒータ33により熱回収水に供給される熱量と相関関係を有する物理量(相関量)であり、ヒータ33による熱回収水加熱の熱量相当と見做し得る。
そこで、ヒータ供給電力量Qhおよび流量Gwaを用いて、流量/温度演算器51による目標温度Raは、下記(3)に示した式により表される。
なお、この目標温度Raは、下記の式(3)から理解されるとおり、第1の温度検知器55(例えば、サーミスタや熱電対)により検知される、ヒータ加熱後水温度に対応する温度(目標温度)である。
Qh=1.16×60×Gwa×(Ra−62)・・・・・(3)
次に、上記式(1)、式(2)および式(3)に基づいた、流量/温度演算器51による目標流量としてのGwaおよび設定温度としての目標温度Raの演算法を、図2を参照して説明する。
図2は、本実施の形態による流量/温度演算器の動作例を示したフローチャートである。
なお流量/温度演算器51は、例えば冷却水/熱回収水熱交換器42を経た第2の熱媒体を加熱するヒータ33への何等かの過度の外乱発生(例えば、電力負荷変動に伴う余剰電力過多による加熱器への過剰な電力供給)に備えて、図2に示した処理を一定期間毎、繰り返して実行する。
すなわち、総供給熱量Qaおよびヒータ供給電力量Qhは、時々刻々と変化する可能性が高いことから、流量/温度演算器51は、逐次、これらの変動を監視しており、この流量/温度演算器51によるヒータ加熱後水温度の目標温度の確定および貯湯ポンプ調整器52による熱回収水流量の調整は、総供給熱量Qaやヒータ供給電力量Qhの変動に対応して適切に、以上の処理に従って実行される。
なおここでは、上記の式(1)、式(2)および式(3)は何れも、ROM等の記憶装置(不図示)に予め記憶され、制御装置(流量/温度演算器51)は、これらの式を適宜読み出して必要な演算を行えるように構成されている。
流量/温度演算器51は、先ずは、各検知器22、23、54から電力量Qfおよび熱交換前熱回収水温度Ti並びにヒータ供給電力量Qhを読み込む(ステップS201)。
そして流量/温度演算器51は、上記式(1)および式(2)に、電力量Qfと熱交換前熱回収水温度Tiと代入することにより、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度を約62℃に維持可能な流量Gwa(目標)を目標流量として演算し取得する(ステップS202)。
流量/温度演算器51は、続いて、演算された流量Gwa(目標)およびヒータ供給電力量Qhを、上記式(3)に代入することにより、目標温度Raを演算し取得する(ステップS203)。
ここで、流量/温度演算器51は、この目標温度Raと、所定の許容範囲の上限温度(後記)とを比較して、目標温度Raが許容範囲の上限温度以下か否かを判定する(ステップS204)。
流量/温度演算器51は、演算された目標温度Raが上限温度以下であれば(ステップS204において「Yes」)、この目標温度Raを目標温度として設定して、この値を貯湯ポンプ調整器52に出力する(ステップS205)。
その一方、演算された目標温度Raが上限温度を超えるものであれば(ステップS204において「No」)、この上限温度を目標温度として設定して、この値を貯湯ポンプ調整器52に出力する(ステップS206)。
なお、貯湯ポンプ調整器52は、流量/温度演算器51から目標温度Ra(または上限温度)を受け取り、この目標温度Ra(または上限温度)と第1の温度検知器55によるヒータ加熱後水温度とを比較しつつ両者が一致するように、熱回収水圧送用の貯湯ポンプ35の吐出流量を変更する。
このように本実施の形態の燃料電池システム100によれば、冷却水/熱回収水熱交換器42の熱回収水流れ方向下流に位置する、熱回収水加熱用のヒータ供給電力量Qhが大幅かつ瞬間に変動をきたしても、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度を安定に保つように、熱回収水流量が適正に調整されることから、冷却水/熱回収水熱交換器42の熱交換能力の安定化が図れ、これにより、燃料電池11の温度は適温(例えば70℃近辺)に保たれ、燃料電池システム100の安定な発電維持が可能になる。
なおこの場合、熱回収水加熱用のヒータ供給電力量Qhが、何等かの要因により極端に増えるようであれば、流量/温度演算器51による目標温度Raが熱回収水の沸点(100℃)を超える事態も想定される。このため、ヒータ33の熱回収水への過剰加熱による熱回収水沸騰を未然に防止する観点から、この目標温度Raの許容範囲としての上限温度を設けることが望ましいと言える。
目標温度Raの上限温度は、ここでは、少なくとも熱回収水の沸点(100℃)を超えることはなく、貯湯ポンプ調整器52による貯湯ポンプ35の熱回収水吐出流量を調整する際の第1の温度検知器55により検知されるヒータ加熱後水温度のデータ取得の過渡的な遅れを勘案して、この沸点より低めの85℃程度に設定されている。
また、上述の本実施の形態においては、目標温度Raの設定に際し、流量/温度演算器51により第1〜第3の熱計算式に基づき目標温度Raをリアルタイムに算出しているが、発電電力検知器22で検知される電力量Qf、電力差検知器23で検出されるヒータ供給電力量Qh、及び第2の温度検知器54で検知される熱交換前熱回収水温度Tiの各々を独立変数にして、上記熱算出式で得られる目標温度Raを従属変数として、両者の関係を予めデータベース化しても良い。そうすれば、各Qf、各Qh値、及び各Tiに対応付けされた各Ra値を記憶した記憶器(図示せず)を備え、さらに流量/温度演算器51に代えて適宜の処理装置(図示せず)を備え、この処理装置が、発電電力検知器22で検知される電力量Qf、電力差検知器12で検知されるヒータ供給電力量Qh、及び第2の温度検知器54で検知される熱交換前熱回収水温度Tiの組み合わせに対応する目標温度Raを記憶器から読み出すことができ、この目標温度Raとヒータ加熱後水温が一致するよう貯湯ポンプ調整器52が貯湯ポンプ35を適切に制御できる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2による燃料電池システムの一構成例を示したブロック図である。
なお、本実施の形態の燃料電池システム110の各構成部材のうちの、実施の形態1の燃料電池システム100の構成部材と同一の部材には、同じ符号を付しており、両者に共通する構成部材の説明は省略するか略説に留める。
この燃料電池システム110は、端的には、燃料電池システム110の電力制御系統が、既存インフラの電力系統に連係し、負荷消費電力を監視しつつ逆潮流しない範囲の最大電力を出力可能なように燃料電池11の発電動作を制御する一方、水素供給装置61から供給され、燃料電池11で消費し切れなかった燃料ガス(残余の水素ガス)を、貯湯タンク用の熱回収水を加熱に供する燃料として有効に活用するように構成されたシステムである。
よって、本実施の形態の燃料電池システム110では、負荷消費電力の経時変化に応じて燃料電池11による水素ガスの単位時間当たりの消費量が変動をきたし、その結果として、燃料電池11から熱回収水加熱用の燃焼加熱器62(加熱器)に供給される残余の水素ガスが時間の経過とともに変動する。
このため、本実施の形態の燃料電池システムについて従来の熱回収水温度制御技術に倣った制御を行えば、実施の形態1と同様に、燃焼加熱器62を経た後の熱回収水温度検知器の温度を一定の適温に保つように、貯湯ポンプ35の循環能力の大幅な変化を招きかねない。
燃料電池システム110の発電ガス系統は、実施の形態1(図1)で述べた燃料処理器12および燃料処理器12のバーナ10に替えて、図3に示す如く、燃料電池11のアノードに単位時間当たり一定流量の水素ガス(発電ガス)を供給する水素供給装置61を備えて構成されている。
なお燃料電池11のアノードに向かう水素ガスは、適宜の加湿器(不図示)により加湿条件を整えられている。
また、燃料電池11のアノードにおいて消費されなかった適温(例えば70℃)の残余の水素ガスは、適宜の凝縮器(不図示)により水分除去されたうえで、実施の形態1(図1)で述べたヒータ33と同じ機能(冷却水/熱回収水熱交換器42を経た熱回収水の加熱)を果たす燃焼加熱器62に向けて、水素供給装置61の圧送力により排出される。これにより、この残余の水素ガスが、燃焼加熱器62の燃焼用燃料ガスとして使用され、熱回収水が燃焼加熱器62により加熱かつ昇温される。
なおここでは、排熱回収系統の燃焼加熱器62は、冷却水/熱回収水熱交換器42と貯湯タンク32の熱回収水流入口32Bとの間に位置する熱回収水流路101の途中に配置されている。
また、燃料電池システム110の電力制御系統は、実施の形態1(図1)で述べた電力差検知器23に相当する検知器をなくして、図3に示す如く、燃料電池11により出力された直流発電電力を交流電力に変換するインバータ21と、このインバータ21から出力された交流電力を検知する発電電力検知器22とを備えて構成されている。
また、熱交換システムの一例として、本実施の形態においては、実施の形態1(図1)に示した第1および第2の凝縮器43、44および燃料ガス/熱回収水熱交換器41をなくして、冷却水ポンプ31により循環される冷却水と熱回収水との間の熱交換機能を備える冷却水/熱回収水熱交換器42のみが設けられている。
要するに、貯湯タンク32の熱回収水流出口32Aから流出した熱回収水が、貯湯ポンプ35により圧送され、熱回収水流路101の途中の冷却水/熱回収水熱交換器42を経て、燃焼加熱器62に入り、その後、この燃焼加熱器62を出た熱回収水が、貯湯タンク32の熱回収水流入口2Bに再び戻される。このようにして熱回収水が循環される。
ここで、流量/温度演算器51が、燃焼加熱器62を経た後の熱回収水の温度(以下、「燃焼加熱後水温度」という)の目標温度Rbを決定するに際してのデータを検知する検知器には、冷却水/熱回収水熱交換器42と貯湯タンク32の熱回収水流出口32Aとの間の熱回収水流路101(上流側の熱回収水流路101)を流れる、熱交換により昇温される前の熱回収水の温度(以下、「熱交換前熱回収水温度」という)を検知する第2の温度検知器54と、燃料電池11のアノードから送出された残余の水素ガス流量を検知する水素ガス流量検知器63と、燃料電池11の発電電力を検知する発電電力検知器22と、がある。
そして、流量/温度演算器51は、後程詳しく述べるように、これらの検知器54、63、22により検知されたデータに基づき、燃焼加熱器62への何等かの過度の外乱(例えば、電力負荷変動に基づく極度の燃料過多)に際して、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度を一定(例えば後記の約62℃)に維持可能な熱回収水の流量を目標流量として推定演算するとともに、このような熱回収水の流量の推定値から上記目標温度Rbを演算かつ設定して、貯湯ポンプ調整器52に目標温度Rbを出力するように構成されている。
一方、貯湯ポンプ調整器52は、実施の形態1と同様に、流量/温度演算器51から受け取った目標温度Rbと、第1の温度検知器55(例えば、サーミスタや熱電対)により検知された熱回収水温度と、を比較して、両者が一致するように貯湯ポンプ35による熱回収水の吐出流量(熱回収水循環能力)を調整するように構成されている。
なお、第1の温度検知器55は、燃焼加熱後水温度を実測している。
更に、冷却水ポンプ調整器53は、実施の形態1と同様に、冷却水流路を循環する冷却水の温度を、第3の温度検知器56(例えば、サーミスタや熱電対)により監視しつつ、この温度を一定の適温(例えば70℃)に制御すべく冷却水ポンプ31による冷却水の吐出流量(冷却水循環能力)を調整するように構成されている。
次に、本実施の形態による燃料電池システム110の動作を説明する。
冷却水/熱回収水熱交換器42の熱回収水流れ方向下流に位置する、熱回収水加熱用の燃焼加熱器62への残余の水素ガス量が大幅かつ瞬時に変動した際の、燃料電池システム110の安定な発電維持には、燃料電池11の内部温度を可能な限り一定の適温(例えば70℃近辺)に保つことが重要である。
そこで、冷却水ポンプ調整器53による冷却水循環能力調整では制御し切れない冷却水/熱回収水熱交換器42の熱交換能力の大幅な瞬時の変動を無くすことが必須であり、この一方法として、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後(正確には冷却水/熱回収水熱交換器42と燃焼加熱器62との間の、冷却水/熱回収水熱交換器42近傍の熱回収水流路101中)の熱回収水温度の安定化が最も有効であると、本件発明者等は推定している。
このような設計思想に基づいて、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度を一定温度に維持するように、燃焼加熱後水温度に対応する目標温度Rbは設定される。
なお貯湯タンク32の温水を給湯に利用することから、貯湯タンク32に戻される熱回収水の温度を60℃以上に調整することが望まれる。そこで、燃焼加熱器62の無燃状態を勘案したうえで貯湯タンク32に向けて流す際の放熱量を見越して、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水の温度は、60℃より若干高めの62℃程度にすることが好適であると言える。
まず、流量/温度演算器51による目標温度Rbの設定に必要となる各種の熱計算式を説明する。
<第1の熱計算式>
熱交換システム(ここでは冷却水/熱回収水熱交換器42)により、燃料電池システム110から熱回収水に供与される総供給熱量Qb(ワット・アワー;Wh)は、下記の式(1)の如く、発電電力検知器22により検知された発電の電力量Qf(Wh)に、予め実験により得られた所定の定数(ここでは約1.2)を乗じた数値として概算される。
このように総供給熱量Qbを発電の電力量Qfから概算することにより、熱交換システムの総供給熱量Qbを直接に検知する検知器を特設する必要がなく、燃料電池システム110のコストアップを抑制でき好適である。
Qb=1.2×Qf ・・・・・(1)
但しこの定数(1.2)は、本実施の形態による燃料電池システム110に特有の数値であり、燃料電池システムのシステム構成が変われば、当然、この定数も修正する必要がある。
<第2の熱計算式>
第2の温度検知器54により検知される熱交換前熱回収水温度Tiと、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度(ここでは62℃を代入)とを用いて、熱回収水流路101を流れる熱回収水の単位時間当たりの流量Gwb(リットル/分;L/min)は、総供給熱量Qbとの関係から下記(2)に示した式により表される。
このように、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度として、所定の定数(62℃)を代入することにより、流量Gwbの演算(目標温度Rbの設定演算)の簡素化が図れるとともに、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度を直接に検知する検知器を特設する必要がなく、燃料電池システム110のコストアップを抑制でき好適である。
Qb=1.16×60×Gwb×(62−Ti)・・・・・(2)
<第3の熱計算式>
ここで、水素ガス流量検知器63により検知された燃料電池11のカソードから排出された残余の水素ガス流量は、燃焼加熱器62により熱回収水に供給される熱量と相関関係を有する物理量(相関量)であり、燃焼加熱器62の燃焼熱量Qv(Wh)(以下、「燃焼加熱器燃焼熱量Qv」という)は、この水素ガス流量から容易に換算され得る。
そこで、水素ガス流量から換算された燃焼加熱器燃焼熱量Qvおよび流量Gwbを用いて、流量/温度演算器51による目標温度Rbは、下記(3)に示した式により表される。
この目標温度Rbは、下記の式(3)から理解されるとおり、第1の温度検知器55(例えば、サーミスタや熱電対)により検知される、燃焼加熱後水温度に対応する温度(目標温度)である。
勿論、水素ガス流量検知器63による残余の水素ガス流量検知に替えて、燃焼加熱器62の温度を適宜の温度検知器(不図示)により検知することにより、燃焼加熱器62による燃焼加熱器燃焼熱量Qvを換算しても良い。
Qv=1.16×60×Gwb×(Rb−62)・・・・・(3)
次に、上記式(1)、式(2)および式(3)に基づいた、流量/温度演算器51による目標流量としてのGwbおよび設定温度としての目標温度Rbの演算法を、図4を参照して述べる。
図4は、本実施の形態による流量/温度演算器の動作例を示したフローチャートである。
なお流量/温度演算器51は、例えば冷却水/熱回収水熱交換器42を経た第2の熱媒体を加熱する燃焼加熱器62への何等かの過度の外乱発生(例えば電力負荷変動に基づく極度の燃料過多)に備えて、図4に示した処理を一定期間毎、繰り返して実行している。
すなわち、総供給熱量Qbや燃焼加熱器燃焼熱量Qvは、時々刻々と変化する可能性が高いことから、流量/温度演算器51は、逐次、これらの変動を監視しており、流量/温度演算器51による燃焼加熱後水温度の目標温度の設定および貯湯ポンプ調整器52による熱回収水流量の調整は、総供給熱量Qbや燃焼加熱器燃焼熱量Qvの変動に対応して適切に、以上の処理に従って実行される。
なおここでは、上記の式(1)、式(2)および式(3)は何れも、ROM等の記憶装置(不図示)に予め記憶され、制御装置(流量/温度演算器51)は、これらの式を読み出して必要な演算を行えるように構成されている。
流量/温度演算器51は、先ずは、各検知器22、54、63から電力量Qfおよび熱交換前熱回収水温度Ti並びに燃焼加熱器燃焼熱量Qvを読み込む(ステップS401)。
そして流量/温度演算器51は、上記式(1)および式(2)に、電力量Qfと熱交換前熱回収水温度Tiと代入することにより、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度を約62℃に維持可能な流量Gwb(目標)を目標流量として演算し取得する(ステップS402)。
流量/温度演算器51は、続いて、演算された流量Gwb(目標)および燃焼加熱器燃焼熱量Qvを、上記式(3)に代入することにより、目標温度Rbを演算し取得する(ステップS403)。
ここで、流量/温度演算器51は、この目標温度Rbと、所定の許容範囲の上限温度(後記)とを比較して、目標温度Rbが許容範囲の上限温度以下か否かを判定する(ステップS404)。
流量/温度演算器51は、演算された目標温度Rbが上限温度以下であれば(ステップS404において「Yes」)、この目標温度Rbを目標温度として設定して、この値を貯湯ポンプ調整器52に出力する(ステップS405)。
その一方、演算された目標温度Rbが上限温度を超えるものであれば(ステップS404において「No」)、この上限温度を目標温度として設定して、この値を貯湯ポンプ調整器52に出力する(ステップS406)。
なお、貯湯ポンプ調整器52は、流量/温度演算器51から目標温度Rb(または上限温度)を受け取り、この目標温度Rb(または上限温度)と第1の温度検知器55による燃焼加熱後水温度とを比較しつつ両者が一致するように、熱回収水圧送用の貯湯ポンプ35の吐出流量を変更する。
このように本実施の形態の燃料電池システム110によれば、冷却水/熱回収水熱交換器42の熱回収水流れ方向下流に位置する、熱回収水加熱用の燃焼加熱器燃焼熱量Qvが大幅かつ瞬時に変動をきたしても、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度を安定に保つように、熱回収水流量が適正に調整されることから、冷却水/熱回収水熱交換器42の熱交換能力の安定化が図れ、これにより、燃料電池11の温度は適温(例えば70℃近辺)に保たれ、燃料電池システム110の安定な発電維持が可能になる。
なお、この場合、熱回収水加熱用の燃焼加熱器燃焼熱量Qvが何等かの要因により極端に増えるようであれば、流量/温度演算器51による目標温度Rbが熱回収水の沸点(100℃)を超える事態も想定される。このため、燃焼加熱器62の熱回収水への予期せぬ過剰加熱による熱回収水沸騰を未然に防止する観点から、この目標温度Rbの許容範囲としての上限温度を設けることが望ましいと言える。
目標温度Rbの上限温度は、ここでは、少なくとも熱回収水の沸点(100℃)を超えることはなく、貯湯ポンプ調整器52による貯湯ポンプ35の熱回収水吐出流量を調整する際の第1の温度検知器55により検知される燃焼加熱後水温度のデータ取得の過渡的な遅れを勘案して、この沸点より低めの85℃程度に設定されている。
また、上述の本実施の形態においては、目標温度Rbの設定に際し、流量/温度演算器51により第1〜第3の熱計算式に基づき目標温度Rbをリアルタイムに算出しているが、発電電力検知器で検知される電力量Qf、水素ガス流量検知器63の検出値から換算される燃焼加熱器燃焼熱量Qv、及び第2の温度検知器54で検知される熱交換前熱回収水温度Tiの各々を独立変数にして、上記熱計算式で得られる目標温度Rbを従属変数として、両者の関係を予めデータベース化しても良い。そうすれば、各Qf、各Qv、及び各Tiに対応付けされた各Rb値として記憶させた記憶器(図示せず)を備え、さらに流量/温度演算器51に代えて適宜の処理装置(図示せず)を備え、この処理装置が、発電電力検知器22で検知される電力量Qf、水素ガス流量検知器63の検出値から換算される燃焼加熱器燃焼熱量Qv、及び第2の温度検知器54で検知される熱交換前熱回収水温度Tiの組み合わせに対応する目標温度Rbを記憶器から読み出すことができ、この目標温度Rbとヒータ加熱後水温が一致するよう貯湯ポンプ調整器52が貯湯ポンプ35を適切に制御できる。
〔変形例1〕
実施の形態1および実施の形態2においては、第2の温度検知器54により検知される熱交換前熱回収水温度Tiを考慮するように、この値が流量/温度演算器51に入力されている。
しかし、積層沸き上げ方式の貯湯タンク32の熱回収水流出口32Aと、既存インフラから供給される市水の供給口とが、貯湯タンク32の構成上、貯湯タンク32の下方部に近接して設ける際には、この熱交換前熱回収水温度Tiの温度は、市水の温度に略一致する可能性が高い。
このため、例えば集合住宅のように市水の温度変化が数℃程度の範囲内と予想されれば、貯湯タンク32の熱回収水流出口32Aと水道水の供給口とを、積層沸き上げ方式の貯湯タンク32の下方部に近接配置することにより、この熱交換前熱回収水温度Tiを定数(例えば20℃)と見做し得る。
このような構成によれば、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度を約62℃に維持可能な流量Gwa、Gwb(目標)の演算の簡素化が図れるとともに、熱交換前熱回収水温度Tiについては直接に検知する検知器を特設する必要がなく、燃料電池システムのコストアップを抑制でき好適である。
また、本変形例においても、実施の形態1及び実施の形態2と同様に、発電電力検知器22で検知される電力量Qf及び電力差検知器23のヒータ供給電力量Qhあるいは水素ガス流量検知器63の検出値から換算される燃焼加熱器燃焼熱量Qvに対して、上記熱計算式から得られる目標温度Ra、Rbを、各Qf、および各Qh、あるいは各Qvに対応付けされたRa値またはRb値として記憶させた記憶器と、各流量/温度演算器51に代えて適宜の処理装置とを備え、Qf値、及びQh値、あるいはQv値に基づき上記処理装置が記憶器から読み出した目標温度Ra、Rbと一致するよう、貯湯ポンプ調整器52が貯湯ポンプ35を制御するよう構成してもかまわない。
[変形例2]
上述の変形例1においては、第2の温度検知器54で検知される熱交換前熱回収水温度Tiを定数と見做し得ることについて例示したが、上記Tiに加えてさらに、発電電力検知器22で検知される電力量Qfから算出されるQa、Qbについても同様に、燃料電池システム100の定常運転中において燃料電池11の発電電力が一定電力を維持するような運転モードの場合あるいはそのような仕様でシステム設計されている場合は、発電電力検知器22で検出されるQfを随時用いてQa、Qbを算出する必要はなく、定数と見做し得る。
なお、上述では流量/温度演算器51が第2の計算式に基づいて流量Gwa、Gwb(目標)を演算した後、これらの流量値に基づき目標温度Ra、Rbを算出することを前提としていたが、第1〜第3の熱計算式を合算した下記式(4)、(5)に示すように流量を演算せずに、電力差検知器23のヒータ供給電力量Qhあるいは水素ガス流量検知器63の検出値から換算される燃焼加熱器燃焼熱量Qvのみに基づき目標値を算出することが可能になる。
Ra=Qh/Qa×(62−Ti)+62・・・・・(4)
Rb=Qv/Qb×(62−Ti)+62・・・・・(5)
また、本変形例においても、実施の形態1及び実施の形態2と同様に、電力差検知器23のヒータ供給電力量Qhあるいは水素ガス流量検知器63の検出値から換算される燃焼加熱器燃焼熱量Qvに対して、これらの熱計算式から得られる目標温度Ra、Rbを、各Qh、あるいは各Qvに対応付けされたRa値またはRb値として記憶させた記憶器と、各流量/温度演算器51に代えて適宜の処理装置とを備え、Qh値、あるいはQv値に基づき上記処理装置が記憶器から読み出した目標温度Ra、Rbと一致するよう、貯湯ポンプ調整器52が貯湯ポンプ35を制御するよう構成してもかまわない。
〔変形例3〕
実施の形態1および実施の形態2においては、上記式(1)において、熱交換器による熱回収水への総供給熱量Qa、Qbを発電の電力量Qfから概算している。
本変形例においては、熱回収水流路101の途中に適宜の熱回収水流量検知器(不図示)を設け、以下のようにして、熱交換器による熱回収水への総供給熱量Qa、Qbの、発電の電力量Qfに基づく概算を省いている。
先ず、「熱量=流量×ΔT(第1の温度検知器55により検知される熱回収水温度−熱交換前熱回収水温度Ti)」という関係式から、既知の流量およびΔTを基にして、熱交換器および加熱器(例えば実施の形態1の場合はヒータ33)の両者から熱回収水にもたらされる合算総供給熱量が求まる。ここで、加熱器による熱回収水への供給熱量が既知であれば、この合算総供給熱量から加熱器による熱回収水供給熱量を差し引くことにより、熱交換器による熱回収水への総供給熱量を推定演算できる。そして、このような総供給熱量の推定値を使って、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度を約62℃に維持可能な目標流量を演算し、この目標流量、上記推定演算された熱交換器からの総供給熱量値、及び加熱器による熱回収水への供給熱量に基づき第3の熱計算式を用いて目標温度Ra、Rbを算出し、本目標温度Ra、Rbに一致するよう貯湯ポンプ調整器52が貯湯ポンプ35を制御するよう構成しても良い。
このように、実施の形態1、2およびこの変形例から理解されるとおり、流量/温度演算器51は、冷却水/熱回収水熱交換器42を経た後の熱回収水温度と所定の相関関係を持つ物理量(相関量)(例えば熱回収水流路101の熱回収水流量)に基づいて目標流量や目標設定温度を演算可能である。
〔変形例4〕
実施の形態1および実施の形態2においては、ヒータ33または燃焼加熱器62を通る熱回収流路101を循環する第2の熱媒体として、貯湯タンク32に溜める熱回収水(市水)を例にして述べた。
しかし、このような第2の熱媒体は市水に限らず、他の用途の第2の熱媒体、例えば、蓄熱式床暖房用の不凍液であっても良く、このような不凍液を用いた電熱供給システムにも本技術を流用することは可能である。
但しこの場合は、斯かる不凍液の温度の許容範囲は、その用途に応じて適正に見直されることになる。
〔変形例5〕
実施の形態2においては、熱交換システムの一例として、冷却水ポンプ31により循環される冷却水と熱回収水との間の熱交換機能を備える冷却水/熱回収水熱交換器42のみが設けられているが、実施の形態1(図1)に示した燃料ガスと熱交換を行う第1の凝縮器43、および燃料ガス/熱回収水熱交換器41や酸化剤ガスと熱交換を行う第2の凝縮器44のいずれかのみ、または複数を用いることも可能である。
本発明の燃料電池システムにおいては、燃料電池冷却用の熱交換器を経た第2の熱媒体を加熱する加熱器に供給されるエネルギーに大きな変動(例えば、電力負荷変動に伴う余剰電力過多による加熱器への過剰な電力供給が発生した場合であっても、燃料電池の内部温度を安定に保つことを可能にして、燃料電池の適正な発電動作を図れるように利便性が向上され、例えば、家庭用の燃料電池コージェネレーションシステムとして有用である。
本発明の実施の形態1による燃料電池システムの一構成例を示したブロック図である。 実施の形態1による流量/温度演算器の動作例を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態2による燃料電池システムの一構成例を示したブロック図である。 実施の形態2による流量/温度演算器の動作例を示したフローチャートである。
符号の説明
10 バーナ
11 燃料電池
12 燃料処理器
13 ブロア
21 インバータ
22 発電電力検知器
23 電力差検知器
31 冷却水ポンプ
32 貯湯タンク
32A 貯湯タンクの流出口
32B 貯湯タンクの流入口
33 ヒータ
34 電力設定器
35 貯湯ポンプ
41 燃料ガス/熱回収水熱交換器
42 冷却水/熱回収水熱交換器
43 第1の凝縮器
44 第2の凝縮器
51 流量/温度演算器
52 貯湯ポンプ調整器
53 冷却水ポンプ調整器
54 第2の温度検知器
55 第1の温度検知器
56 第3の温度検知器
61 水素供給装置
62 燃焼加熱器
63 水素ガス流量検知器
100、110 燃料電池システム
Gwb、Gwa 目標流量
Qa、Qb 総供給熱量
Qf 電力量
Qh ヒータ供給電力量
Qv 燃焼加熱器燃焼熱量
Ra、Rb 目標温度

Claims (11)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電する燃料電池と、
    前記発電に際しシステム内で生成された熱を輸送する第1の熱媒体により、第2の熱媒体に熱を伝える熱伝達器と、
    前記燃料電池から供給される余剰のエネルギーを利用して前記第2の熱媒体を加熱する加熱器と、
    前記熱伝達器に向けて前記第2の熱媒体を導く入口から、前記加熱器を経た前記第2の熱媒体を外部に導く出口まで延びる前記第2の熱媒体の流路と、
    前記流路を流れる第2の熱媒体の流量を調整する流量調整器と、
    前記加熱器を経た第2の熱媒体の温度を第1の基準温度として検知する第1の温度測定器と、
    前記加熱器から前記第2の熱媒体への供給熱量に相関する第1の相関量を検知する第1の検知器と、
    制御器と、を備え、
    前記制御器は、前記第1の基準温度が、前記第1の相関量に応じて定められる目標温度になるよう、前記流量調整器により前記第2の熱媒体の流量を制御することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記目標温度は、前記第1の相関量に比例するよう定められる請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記目標温度は、前記熱伝達器と前記加熱器との間の前記流路内の第2の熱媒体の温度が所定温度に維持されるよう定められる請求項1記載の燃料電池システム。
  4. 前記加熱器が、前記余剰電力を利用して第2の熱媒体を加熱するヒータであるとともに、前記第1の検知器は、前記燃料電池の発電電力から前記電力負荷による電力を差し引いた余剰電力を、前記第1の相関量として検知する電力差検知器である請求項1記載の燃料電池システム。
  5. 前記加熱器が、前記可燃性ガスを燃焼可能な燃焼加熱器であるとともに、前記第1の検知器は、前記燃料電池から排出された可燃性ガスの流量を、前記第1の相関量として検知する可燃性ガス流量検知器である請求項1記載の燃料電池システム。
  6. 前記熱伝達器と前記加熱器との間の前記流路内の前記第2の熱媒体の温度に相関する第2の相関量を検知する第2の検知器を備え、
    前記目標温度は、前記第1の相関量及び前記第2の相関量に基づき、前記熱伝達器と前記加熱器との間の前記流路内の第2の熱媒体の温度が所定の温度に維持されるよう定められる請求項3の燃料電池システム。
  7. 前記第2の相関量は、前記燃料電池の発電電力から換算される前記熱伝達器の前記第2の熱媒体への供給熱量であり、前記第2の検知器は、前記発電電力を検知する発電電力検知器である請求項1記載の燃料電池システム。
  8. 前記熱伝達器と前記入口との間の前記流路内の第2の熱媒体の温度を、第2の基準温度として検知する第2の温度測定器を備え、
    前記目標温度は、前記第1の相関量、第2の相関量及び前記第2の基準温度に基づいて、前記熱伝達器と前記加熱器との間の前記流路内の第2の熱媒体の温度が所定温度に維持されるよう定められる目標温度請求項1乃至7の何れかに記載の燃料電池システム。
  9. 前記第1の熱媒体は、前記燃料電池を冷却するための冷却水である請求項1乃至8の何れかに記載の燃料電池システム。
  10. 前記目標温度は、その上限温度が予め設定されている請求項1乃至9の何れかに記載の燃料電池システム。
  11. 前記第2の熱媒体は水であるとともに、前記熱交換器及び前記加熱器で加熱された温水を貯える貯湯タンクを備え、前記流路の入口及び出口は、前記貯湯タンクに連通している請求項1乃至10の何れかに記載の燃料電池システム。


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