JP4943879B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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本発明は、半導体ウエハなどの被処理体の処理を行うプラズマ処理装置に関する。
プラズマ処理装置では、フッ化物や塩化物、さらには臭化物などの反応性ガスのプラズマを用いるために処理室壁面が化学的及び物理的に侵食される。その為ウエハ処理枚数増加に伴って、処理室内の化学組成や高周波の伝播が徐々に変化し、長期的に安定した処理が不可能となる場合がある。また、侵食された処理室の壁部材とプラズマ中の活性なラジカルが化学反応を起こし、処理室内壁に異物として再付着する場合もある。内壁に再付着した異物はエッチングを繰り返すことで次第に厚さが増し、異物がウエハ上に剥がれ落ちて製品不良を引き起こすことがある。
このような問題を解決するために、プラズマ処理装置ではプラズマに曝される処理室内部材の表面に、化学的に安定な陽極酸化処理(Al:アルマイト)を施すことが行われてきた。通常このアルマイト膜は、数十μmである。しかしながら、アルマイトではプラズマに対する耐性が十分ではなくすぐ削れてしまうことに加え、フッ化物を用いた処理によりAlFの微粒子が異物として発生する。AlFは揮発性ではないので、クリーニング放電では除去することが難しく異物の原因となる。これを防ぐために、近年ではプラズマ耐性が高く、化学的に安定なイットリアを処理室内部材の表面に溶射することが行われている。このイットリア膜は通常数100μmの厚みがあり、アルマイト処理よりもさらに絶縁性の高い処理室内壁となる。
プラズマは、中性ガスを放電によって電離させて発生させる為に、発生する負電荷(電子や負イオン)と正電荷(イオン)の電荷の和が常にゼロになるという(中性条件)が成立している。発生した負電荷と正電荷は真空容器壁まで拡散し、壁表面で再結合をする事により中性に戻る。プラズマを囲う真空容器壁は電磁波の漏洩を防止する為に、接地されるのが通常であるが、壁が導電性の場合の再結合では、負電荷は壁に電子を放出し、また、正電荷は壁から電子を受け取る。つまり、負電荷と正電荷が出会うことなく、中性に戻ることができる。しかし、壁の表面がアルマイトのような絶縁体である場合は、壁まで拡散した電荷は壁と電子をやり取りすることができなくなる。このため、壁が絶縁体の場合の再結合では、壁表面で正電荷と負電荷が出会う必要が生じる。対の電荷と出会うことができなかった場合、その電荷は絶縁体の表面に蓄積される。これにより、正あるいは負の電荷が蓄積された絶縁体表面は、その電位が上昇し、プラズマ内の電位分布を変化させてプラズマ内の電荷の輸送状態を変化させる。これにより同種の電荷がさらに蓄積されることを防止し、かつ対の電荷を引き寄せようとする。この結果最終的に、絶縁体表面は正または負のある電位(絶縁体壁への正の電荷と負の電荷の拡散量が等しくなる)にチャージアップすることになる。
このような、絶縁体壁表面のチャージアップは、有磁場プラズマ源ではより顕著となる。なぜなら、正イオンと電子の質量比が極端に異なる為、磁場を横切る拡散量がまったく異なるので、絶縁体壁に正電荷と負電荷が等しく拡散できなくなるためである。この場合、絶縁体表面では磁場の効果を打ち消し、絶縁体表面に正電荷と負電荷が等しく拡散するようになるまで、絶縁体表面の電位が上昇しようとする。この時、アルマイトは完全な絶縁体ではなく、チャージアップ電圧がさらに上昇すると、微小リーク電流が発生する。この効果によって、アルマイト表面の電位の上昇はある一定のレベルでとどまる。しかし、微小リーク電流が小さい時、この電位上昇が、例えば100Vを超えるような極端に高い電位になることがある。この場合、いくつかの付随した現象が発生する。
まず、プラズマ内の電位分布が変化することにより、プラズマがより拡散し、あたかも、導電性壁を求めてプラズマが広がるような現象が生じる。プラズマが広がることにより、導電性の壁とプラズマが接触し、プラズマの電位上昇が解消される。プラズマの電位上昇が解消される場合、その解消された状態でプラズマが安定化する場合もある。しかし、プラズマ電位が解消されたとたんプラズマの広がりも解消されて急激に縮小し、再び小さな範囲でプラズマが発生する場合もある。この時はプラズマの電位上昇が再開されて、再びプラズマが広がる、つまり、プラズマの収縮拡大が繰り返される場合も生じる。いわゆるプラズマ不安定性である。
さらに、絶縁体表面と裏面(接地された導体)間の電圧が絶縁体の耐電圧を超える場合、絶縁体膜の中で放電が生じて電気伝導性の経路が形成され、接地された導体壁から電荷を取り込むことにより、チャージアップを解消することがある。これは異常放電と呼ばれる現象の一つで、この放電により、壁材料の飛散や蒸発が生じる。飛散した壁材料は異物になり、また、蒸発した材料により製品が汚染される。このような異常放電は、絶縁体膜の電気的な弱点の部分で生じるが、完全に均質な絶縁体膜を形成することは技術的にほとんど不可能であり、この種の異常放電を管理することは困難である。
異常放電は、これだけでなく、例えば、正と負にそれぞれ帯電した絶縁体壁間でも生じるし、プラズマ発生用の高周波との相互作用の結果、絶縁体壁で発生する場合もある。
以上説明したようなプラズマの不安定性や異常放電は、絶縁体壁の状態によって発生の規模や頻度が異なる為、同じように作った装置を同じ運転条件で動作させた場合でも、プラズマの不安定性や異常放電に差が生じる。つまり、装置間性能差の原因となり、量産時には問題となる。また、装置が経験した履歴によっても、壁の状態が異なる為、経時変化の問題としても重要である。
従来、容量結合型平行平板プラズマ源を搭載したプラズマ処理装置では、特許文献2の図1に示すように、平行平板電極の片側を接地する事は標準的な装置構成であった。このような装置構成では、高周波を印加する電極に対して、プラズマ電位安定化回路(DCアース)は十分に機能することができる。しかしながら、特許文献3の図1に記載されているように、プラズマの制御性や加工性能を向上させるために従来接地していた対向電極にも高周波を印加するようになると、特許文献4の図1に示すように、真空容器側壁を接地電極として用いる必要が生じてきた。前述の異常放電やプラズマ不安定性は、このような装置構成で、真空容器側壁表面全体をアルマイト処理したり、イットリアで被覆したりして、絶縁体で覆うようになった場合、必然的に発生する。そのため、上部電極をLPF(Low Pass Filter)を用いて接地し、アースを確保する必要性がでてきた。
近年、さらに高度なプロセス性能とプラズマ制御性を目的として、特許文献4に示すような、処理用ウエハを搭載する下部電極と、プラズマを発生させる上部電極の間で、位相を制御した高周波を印加する技術が実用化されている。この位相を制御した高周波の周波数は、プラズマを発生させる高周波よりも十分低い周波数が選ばれている。また、真空容器壁は、上述したように、アルマイト処理やイットリア溶射により、絶縁化処理が施されている。このような場合、前述の異常放電やプラズマ不安定性が発生しやすくなるのはもちろん、特許文献3の図1や特許文献1の図4のように、単純にLPFで電極を接地すればよいという技術が難しくなった。
高周波電力を効率良くプラズマに入射するためには、高周波電源とプラズマ間でインピーダンス整合をとる必要がある。なぜなら、Zp(プラズマのインピーダンス)>ZL(LPFのインダクタンス)だとインピーダンス整合が電源側とLPFの間で行われ、LPFに高周波電力を送り込むようにインピーダンス整合が行われてしまい、高周波電力はプラズマに供給されなくなってしまう。そのため高周波電力をできる限り損失がでないようにプラズマに送り込むためには、Zp<ZLである必要がある。
Zp<ZLの関係を充たすために、LPF内にインピーダンスの大きなインダクタンスを用いる必要がある。しかし、インダクタンスには自己共振という特性が有り、この周波数を超える領域では、インピーダンスが低下してきてしまう。
図5に示すように、これはインダクタンス10内で容量結合が起こり、浮遊容量(コンデンサ)101が発生し、インダクタンス成分と共振してしまうからである。この共振を起こす周波数を自己共振周波数という。図6に示すように、自己共振周波数を超える周波数では、コンデンサの影響によりインダクタンスのインピーダンスが低下する。このため自己共振周波数よりも高い周波数ではインダクタンス内は浮遊容量の影響が支配的になり、インピーダンスが低下してしまう。この容量結合を防ぐためには自己共振周波数が高くなるように、インダクタンスの線を粗にまく必要が生じるが、この処理により高いインダクタンスを得ることが難しくなる。けれども自己インダクタンスが低くても高周波電力の周波数が十分に高ければ、インダクタンスは十分に高いインピーダンスが得られるが、高周波電力の周波数が低いと、自己インダクタンスの低いものでは十分高いインピーダンスを得ることができない。図6の縦軸はインダクタンスのインピーダンスである。
そのため、特許文献4のような、プラズマを発生させるための高周波電力と、プラズマを上部電極に引き込むための高周波電力とを二つの周波数が異なるような電源を使用しているような装置では、自己インダクタンスが大きなインダクタンス一つのLPFで、二つの高周波電力を同時には遮断できずアース側に電流が流れ込むという問題を生じる。また、別の問題として上部電極をアースと接続したことにより、上部電極からアース側にイオン電流や電子電流が流れ込むことがある。イオン電流が、例えば1mA/cm〜10mA/cm流れる場合、電子電流はその数10〜数100倍流れ込む。このような大電流を防ぐためにはインダクタンスの線は太線でなくてはならない。太線だとコイルを緻密に巻くことができず、やはり上記問題と同じように高いインダクタンスを得ることが難しくなる。以上のことにより、単一のインダクタンスで十分なインピーダンスを持つインダクタンスを製作することが困難である。
特開2003−115400号公報 特開平7−78802号公報 特開2006−66855号公報 特許第3621900号明細書
そこで複数のインダクタンスを接続し、インピーダンスを確保する方法が考えられる。しかし、図7のように、複数のインダクタンス10−1,10−2をただ接続しただけだと、インダクタンス間で浮遊容量101が発生してしまう問題がある。また図8のように、一方のインダクタンス10−1で発生する磁力線102が他のインダクタンス10−2を貫いてしまい他のインダクタンスで誘導起電力が発生してしまう(誘導結合)問題がある。その結果、複数のインダクタンスを接続しても、十分なインピーダンスを確保することができず、上部電極をアース電位に保つことができなかった。
本発明は、プラズマ処理装置において、フィルタ回路を用いて上部電極をアース電位に保つことを目的とする。
本発明のプラズマ処理装置は、内部側壁が絶縁体で覆われた真空処理容器と、ガス供給手段と、真空排気手段と、前記真空処理容器内にプラズマを発生させるプラズマ発生用高周波電源と、前記プラズマ発生用高周波電源が接続された上部電極と、プラズマ処理されるウエハを載置する下部電極とを有し、前記上部電極はフィルタを介してアース電位に接続されており、前記フィルタは複数のインダクタンスで構成され、前記複数のインダクタンスはお互いが発生する磁力線がお互いを貫かない位置に配置されており、かつ、前記複数のインダクタンスは、金属導体板または金網などの静電シールドで囲むことにより解決する。
本発明での構造をとることでアンテナ電極の電位をアース電位に保つことができ、プラズマ不安定性や、異常放電や、異物や、プラズマチャージングアップなどの問題を解決できる。
本発明の最良の実施形態を、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るプラズマ処理装置の図である。プラズマ処理装置は、内部側壁が例えばイットリアで覆われた真空処理容器からなるプラズマ処理室1を備え、真空処理室にエッチングガスを供給するガス供給系5を備え、真空処理室1内を高真空状態にできる排気系4を備えている。ガス供給系5からエッチングガス流量を制御して真空処理室1に供給できる。ガス排気系4はコンダクタンス可変バルブとターボ分子ポンプとドライポンプから構成されており、真空処理室1を高真空状態に維持できる。流量を制御されたエッチングガスは上部アンテナに備え付けられたシャワープレート(上部電極)2(例えばシリコン製)を通過して真空処理室1に供給することができる。ガス供給系5と排気系4により真空処理室内1を0.5〜10Pa程度に調圧できる。またウエハ9を載置する下部電極(ウエハ載置電極)3に、静電吸着用の直流電源14、異方性エッチングを行う為の数100kHz〜数MHzの高周波電源(バイアス電源)13が接続されている。
プラズマ処理室上部にはプラズマを発生させる為の周波数が数100MHzの高周波電源(プラズマ発生用高周波電源)11と、プラズマを上部アンテナに引き込む為の数100kHz〜数MHzの高周波電源(バイアス電源)12と、上部電極を直流的に低抵抗でアース電位に接続する第3フィルタ回路6を備えている。
そして、プラズマ発生用高周波電源11の高周波電力が高周波電源(バイアス電源)12に流れ込まないための第2フィルタ回路122と、高周波電源(バイアス電源)12の高周波電力がプラズマ発生用高周波電源11に流れ込まないための第1フィルタ回路112を備えている。
調圧された真空処理室内に高周波電源11から高周波電源力が整合機111でインピーダンス整合をとりながら上部電極から供給され、真空処理室内にプラズマが発生する。プラズマが発生した後に、上部電極(シャワープレート)2にプラズマを引き込むために、高周波電源12から整合機121でインピーダンス整合をとりながら供給する。また、下部電極3側でも高周波電源(バイアス電源)13から整合機131でインピーダンス整合をとりながら高周波電力を供給し試料ウエハ9にイオンを引き込みエッチングする。なお、エッチングの最中には、プラズマ発生用高周波電源11とバイアス用高周波電源12から供給する高周波電力は任意に制御することができる。そして本発明の第3フィルタ6が上部電極に接続されており、上部電極をアース電位に保つことができる。
高周波電源(バイアス電源)12と高周波電源(バイアス電源)13は、位相制御機15によりそれぞれの位相が制御される。
前述したインピーダンス整合やインダクタンスが容量結合や誘導結合を起こすメカニズムから考えると、インダクタンスを複数個直列に接続することで、プラズマに対して高いインピーダンスを確保することができ、インダクタンスをお互いのインダクタンスで発生する磁力線がお互いを貫かないような位置(理想的には物理的に90度の位置)に配置することで、インダクタンスが誘導結合を起こすのを防ぎ、インダクタンスを静電シールドで囲むことでインダクタンス同士が容量結合を起こすのを防ぐことができ、上部電極をアース電位に保つことができる。
本発明の実施例1で使用するフィルタ回路の構成を、図2を用いて説明する。放電生成用の数100MHzのプラズマ発生用高周波電源11と、プラズマを上部電極側に引き込む為の数100kHz〜数MHzの高周波電源(バイアス電源)12が接続された上部電極(アンテナ電極)に、直流的に低抵抗でアースと接続される第3フィルタ6が、複数個(例えば10個)のインダクタンス61−1〜61−nで構成され、それぞれのインダクタンス61−1〜61−nが静電シールド63−1〜63−nで囲まれている。図2において、それぞれのインダクタンスは、3個のインダクタンス61−1,61−2、61−nとして示されている。第3フィルタ6内のインダクタンスは、お互いの磁力線が貫かない角度で配置する。理想的には互いに物理的に90度の角度で配置するのが好ましい。
磁力線が他のインダクタンスを貫くと誘導起電力が発生し、フィルタのインダクタンスが低下する誘導結合という現象がある。この現象を防ぐためにインダクタンス同士をお互いの磁力線がインダクタンスを貫かない位置に設置する。またインダクタンス同士が容量結合を起こすのを防ぐために、金属導体板などでそれぞれのインダクタンス61−1〜61−nを囲い、静電シールド63−1〜63−nを形成する。
上で説明したように、自己共振周波数の低い一つのインダクタンスでは、数100MHzの高周波電力と数100kHzの高周波電力を同時に(とくに周波数の低い側の高周波電力)十分に減衰させることはできないが、インダクタンスを複数個設置したことで、周波数の低い高周波電力を十分に減衰させることができる。これらの効果により高周波電力を第3フィルタ6で遮断することができ、上部電極をアース電位に保つことができる。
本発明の実施例2で使用するフィルタ回路の構成を、図3を用いて説明する。放電生成用の数100MHzのプラズマ発生用高周波電源11と、プラズマを上部アンテナ電極側に引き込む為の数100kHz〜数MHzの高周波電源(バイアス電源)12が接続された上部アンテナ電極に、直流的に低抵抗でアースと接続される第3フィルタ回路6が、インダクタンス61−1とフェライトなどの磁性体材料62が挿入されたインダクタンス61−2とで構成されている。そして、それぞれのインダクタンス同士は、それぞれ静電シールド63−1、63−2で被われている。
インダクタンスは実施例1と同じように、お互いの磁力線がインダクタンスを貫かない位置に配置する。このことによりインダクタンスが誘導結合を起こすのを防ぐことができる。また、インダクタンス同士をそれぞれ静電シールド63−1、63−2で囲んだことにより、インダクタンス同士が容量結合を起こすのを防ぐことができる。
また、一方のインダクタンス61−2内に透磁率の高いフェライトのような磁性体材料62を挿入したことにより、インダクタンス61−2の比透磁率が上昇し、自己インダクタンスは増加する。この結果、磁性体材料が挿入されたインダクタンス61−2に比べて、自己インダクタンス低いインダクタンス61−1で数100MHzの高周波電力を減衰させ、磁性体材料が挿入されたインダクタンス61−2で、数100kHz〜数MHzの高周波電力を減衰させることができる。
インダクタンスを配列する順序は、上部電極側に数100MHzの高周波を減衰させるインダクタンス61−1を配置し、アース側に数100kHz〜数MHzの高周波を減衰させるインダクタンス61−2を配置する。先に数100MHzの高周波電力をインダクタンス61−1で減衰させておかないと、インダクタンス61−2が数100MHzの高周波電力により損傷する恐れがある。
これらの効果により高周波電力を第3フィルタ6で遮断することができ、上部電極をアース電位に保つことができる。
本発明の実施例3で使用するフィルタ回路の構造を、図4を用いて説明する。放電生成用の数100MHzの高周波電源11と、プラズマを上部アンテナ電極側に引き込む為の数100kHz〜数MHzの高周波電源12が接続された上部アンテナ電極に、直流的に低抵抗でアースと接続される第3フィルタ回路6が、インダクタンス61−1と磁性体材料62が挿入されたインダクタンス61−2とで構成されている。そしてインダクタンス61−2と61−2間に貫通コンデンサ64が挿入されている。そして、インダクタンス同士は、それぞれ静電シールド63−1、63−2で被われている。
インダクタンスは、実施例1、2と同じように、お互いの磁力線がインダクタンスを貫かない位置に配置する。インダクタンスの順序は、実施例2と同じようにする。このことによりインダクタンスが誘導結合を起こすのを防ぐことができる。また、インダクタンス同士を静電シールド63−1、63−2で囲うことにより、インダクタンス同士が容量結合を起こすのを防ぐことができる。実施例2と同じようにインダクタンスに磁性体材料62を挿入することで、数100kHz〜数MHzの高周波電源を遮断することができる。またインダクタンス61−1とインダクタンス61−2の間に貫通コンデンサ64を入れることで、インダクタンス61−1で十分に遮断することのできなかった数100MHzの高周波電力を、貫通コンデンサ側に流し込むことができ、数100MHzの高周波電力を遮断することができる。また実施例2と同様にインダクタンス61−2で数100kHz〜数MHzの高周波電力を減衰させることができる。これらの効果によりアンテナ電極をアース電位に保つことができる。
本発明の実施形態に係るプラズマ処理装置の構成を説明する図。 本発明の実施例1の実施形態に係るフィルタ回路の構成を説明する図。 本発明の実施例2の実施形態に係るフィルタ回路の構成を説明する図。 本発明の実施例3の実施形態に係るフィルタ回路の構成を説明する図。 インダクタンスの容量結合を説明する図。 インピーダンスと共振周波数の関係を説明する図。 インダクタンス同士の誘電結合を説明する図。 インダクタンス同士の容量結合を説明する図。
符号の説明
10 インダクタンス
101 浮遊容量
102 磁力線
1 真空処理室
11 放電生成用高周波電源(プラズマ発生用高周波電源)
111 整合機
112 第1フィルタ回路
12 バイアス用高周波電源
121 整合機
122 第2フィルタ回路
13 バイアス用高周波電源
131 整合機
14 静電吸着用電源
15 位相制御機
2 アンテナ電極(シャワープレート)
3 ウエハ載置電極(下部電極)
4 真空排気系
5 ガス供給系
6 第3フィルタ回路
61 インダクタンス
62 磁性体材料
63 静電シールド
64 貫通コンデンサ
9 ウエハ

Claims (5)

  1. 内部側壁が絶縁体で覆われた真空処理容器と、ガス供給手段と、真空排気手段と、前記真空処理容器内にプラズマを発生させるプラズマ発生用高周波電源と、前記プラズマ発生用高周波電源が接続された上部電極と、プラズマ処理されるウエハを載置する下部電極とを有するプラズマ処理装置において、
    前記上部電極はフィルタを介してアース電位に接続されており、前記フィルタは複数のインダクタンスで構成され、前記複数のインダクタンスはお互いが発生する磁力線がお互いを貫かない位置に配置されており、かつ、前記複数のインダクタンスは静電シールドで囲まれていることを特徴としたプラズマ処理装置。
  2. 内部側壁が絶縁体で覆われた真空処理容器と、ガス供給手段と、真空排気手段と、前記真空処理容器内にプラズマを発生させるプラズマ発生用高周波電源と、バイアス高周波電源と、上部電極と、プラズマ処理されるウエハを載置する下部電極と、前記プラズマ発生用高周波電源と前記上部電極との間に接続された第一のフィルタと、前記バイアス高周波電源と前記上部電極との間に接続された第二のフィルタとを有するプラズマ処理装置において、
    前記上部電極は第三のフィルタを介してアース電位に接続されており、前記第三のフィルタは複数のインダクタンスで構成され、前記複数のインダクタンスはお互いを約90度の位置に配置することで、お互いが発生する磁力線がお互いを貫かないことを特徴としたプラズマ処理装置。
  3. 内部側壁がイットリアで覆われた真空処理容器と、ガス供給手段と、真空排気手段と、前記真空処理容器内にプラズマを発生させる周波数が50MHzから500MHzのプラズマ発生用高周波電源と、周波数5MHz以下のバイアス高周波電源と、プラズマに接する面がシリコンからなる上部電極と、プラズマ処理されるウエハを載置する下部電極と、前記プラズマ発生用高周波電源と前記上部電極との間に接続された第一のフィルタと、前記バイアス高周波電源と前記上部電極との間に接続された第二のフィルタとを有するプラズマ処理装置において、
    前記上部電極は直流的に低抵抗でインピーダンスがプラズマのインピーダンスよりも大きい第三のフィルタを介してアース電位に接続されており、前記第三のフィルタは静電シールドで囲まれた複数のインダクタンスで構成され、前記複数のインダクタンスはお互いを約90度の位置に配置することで、お互いが発生する磁力線がお互いを貫かないことを特徴としたプラズマ処理装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置において、
    前記複数のインダクタンスのうち、一番アース側に接続されたインダクタンスに磁性体材料が挿入されていることを特徴としたプラズマ処理装置。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置において、
    前記複数のインダクタンスのうち、一番アース側に接続されたインダクタンスの前記上部電極側とアースの間に貫通コンデンサが挿入されていることを特徴としたプラズマ処理装置。
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